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    オーストラリア・ニュージーランド銀行 有価証券報告書

    【表紙】
    【提出書類】 有価証券報告書
    【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
    【提出先】 関東財務局長
    【提出日】 令和7年12月16日
    【事業年度】 自 令和6年10月1日 至 令和7年9月30日
    【会社名】 オーストラリア・ニュージーランド銀行 (Australia and New Zealand Banking Group Limited) (Australian Business Number 11 005 357 522)
    【代表者の役職氏名】 グループ財務責任者 (Group Treasurer) エイドリアン・ウェント (Adrian Went)
    【本店の所在の場所】 オーストラリア、ヴィクトリア州3008、ドックランズ、コリンズ・ストリート833、9階、ANZセンター・メルボルン (ANZ Centre Melbourne, Level 9, 833 Collins Street, Docklands, Victoria 3008, Australia)
    【代理人の氏名又は名称】 弁護士 黒丸 博善
    【代理人の住所又は所在地】 東京都港区六本木六丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー23階 TMI総合法律事務所
    【電話番号】 03-6438-5511
    【事務連絡者氏名】 弁護士 黒丸 博善 弁護士 海江田 光 弁護士 奥村 文彦
    【連絡場所】 東京都港区六本木六丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー23階 TMI総合法律事務所
    【電話番号】 03-6438-5511
    【縦覧に供する場所】 該当なし

    (注)1. 別段の記載がない限り、本書において「当行」または「ANZBGL」とはオーストラリア・ニュージーランド銀行を意味し、別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、「当グループ」とはオーストラリア・ニュージーランド銀行とその各子会社を意味する。別段の記載がない限り、本書において「ANZGHL」とはANZグループ・ホールディングス・リミテッド(ANZ Group Holdings Limited)を意味する。別段の記載がない限り、「ANZグループ」とは、ANZGHLとその各子会社(ANZ銀行持株会社(ANZ BH Pty Ltd)、ANZBGL、ANZサービス会社(ANZ Group Services Pty Ltd)およびANZ非銀行持株会社(ANZ NBH Pty Ltd)を含む。)を意味する。

    2.ANZBGLの事業年度は9月30日に終了する。本書に別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、2025年9月30日に終了した事業年度は「2025年度」、「2025事業年度」、「2025会計年度」または「2025年9月終了年度」と言及され、2024年9月30日に終了した事業年度は「2024年度」、「2024事業年度」、「2024会計年度」または「2024年9月終了年度」と言及され、2025年9月30日に終了した半期(半年)は「2025年9月終了半期」と言及され、その他の事業年度および半期(半年)についてもこれに対応する記載によって言及される。暦年に関する言及はその通りの意味を持つ。

    3. 本書に別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、本書において「ドル」「豪ドル」、「オーストラリアドル」または「セント」とはオーストラリア連邦の法定通貨を指す。本書において便宜上記載されている日本円への換算は、1ドル=103.95円の換算率(2025年12月1日現在の株式会社三菱UFJ銀行公表の対顧客電信売相場)により換算されている。本書に別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、本書において「米ドル」とはアメリカ合衆国の法定通貨を指し、「ニュージーランドドル」はニュージーランドの法定通貨を指し、「ユーロ」とはユーロ圏の公式通貨を指す。

    4. 本有価証券報告書は、事象や動向に関する記述および意見ならびに当グループまたはANZグループの事業運営、市況、業績および財務状態、適正資本、サステナビリティに関する目的または目標、特定の規定およびリスク管理慣行ならびに当グループまたはANZグループが実施中または実施する可能性がある業務に関する当グループまたはANZグループの意向、信条または現在の予測など、「将来に関する記載」または意見を含むことがある。これらの事項は、当グループまたはANZグループの実際の業績および財務状態を本書に提示される情報から大幅に異ならせる可能性のあるリスクおよび不確実性に左右される。本有価証券報告書において、当グループまたはANZグループとその経営陣に関連して、「予測する」、「推定する」、「目的」、「目標」、「指標」、「計画(プラン)」、「パスウェイ」、「展望/野心」、「モデリング(モデル化)」「計画する」、「意図する」、「予想する」、「確信する」、「期待する」、「することがある」、「見込みである」、「リスクがある」、「予定である」、「追求する」、「だろう」、「可能性がある」、「すべきである」およびこれらに類する表現が使用されている場合は、将来に関する記載または意見を示すことが意図されている。これらの記述および意見は、通常予測的な性質を有するものであるか、または不正確な仮定もしくは未知のリスクおよび不確実性その他の要因の影響を受ける可能性があり、これらの多くは当グループまたはANZグループの管理の及ばない事項であるか、または本有価証券報告書の作成時点において当グループまたはANZグループに認識されていない可能性があり、それには世界的な経済状況、外国為替レート、当グループまたはANZグループが事業を展開する市場における競争ならびに規制環境などが含まれる。これらの記述および関連する行為は、第三者の行為を含む一連の仮定および偶発事象に左右される。そのため、特に経済および市場のボラティリティが存在する状況において、投資判断を行うにあたりこれらの記載および意見に依拠すべきではない。本書中の将来に関する記載または意見はかかる記載がなされた日時点のみについて述べたものであり、本有価証券報告書日以降における正確性について表明するものではない。当グループまたはANZグループは、本有価証券報告書日付以後の事象や状況を反映するために、または予期しない事態の発生を反映するために、これらの将来に関する記載または意見の修正結果を公表する義務を負わない。

    実際の結果が本書に記載の将来に関する記載または意見と大幅に異ならないとの保証はできない。本書に含まれる将来に関する記載と意見に影響を与える特定の要因に関する詳細については、下記「第3 事業の状況-3 事業等のリスク-(2) 主なリスクおよび不確実性」を参照のこと。

    気候関連の情報

    本書は、気候関連のリスクおよび機会、気候に関する目標および野心、気候シナリオ、排出削減のパスウェイならびに気候予測などの気候に関する記載を含むことがある。これらの記載は誠実に作成されたが、気候関連の記載にはその有用性、正確性、完全性に影響を与えうる大きな不確実性、課題およびリスクが内在する。これには以下が含まれる。

    (1) データの入手可能性および信頼性 - 排出量および気候関連データ(当グループまたはANZグループの顧客から提供されるデータを含む。)は完全でない、一貫性がない、信頼性がないまたは入手できない可能性があり、そうした場合には仮定、見積りまたは代替データに依拠することが必要になる可能性がある。

    (2) 不確実な手法およびモデリング - 気候関連の指標、モデリングおよび気候データの計算に用いる手法、枠組みおよび基準は適用が普遍化されておらず、急速に進化しており、変更される可能性がある。その影響が、本書の作成に用いるデータ・モデリング、アプローチおよび目標に及ぶ可能性がある。

    (3) 計算および見積りの複雑性 - 投融資先排出量(ファイナンスド・エミッション)または資本市場業務に係る排出量(ファシリテイテッド・エミッション)(金融活動への排出割当てを含む。)および排出削減量の見積りは複雑であり、多くの場合、長い年月にわたる前提および判断に依拠する。

    (4) 気候関連の規律体系の変更 - 気候に関連する政策、法律、規制ならびに市場の慣行、基準および展開の変更(法的手続や規制当局の調査の結果によるものを含む。)。

    (5) 定義の一貫性の欠如および気候科学用語の可変性 - 気候関連データや評価枠組みの定義および基準は、それを用いる業界や法域によって異なる可能性があり、気候科学や脱炭素パスウェイに関する用語および概念は、経時的に進化し更新される可能性がある。このような非一貫性および変更のため、異なる組織間で気候目標や成果を比較することが困難または不相当になる可能性もある。

    (6) 第三者のデータへの依存または第三者の関与 - 当グループまたはANZグループは、データ・手法の外部プロバイダーまたはその他の第三者からの支援、データまたはその他の情報に依存することが必要になる可能性があり、これらについても変更や不確実性の可能性を伴う。さらに、利害関係者などの第三者(金融機関、政府機関および非政府機関を含む。)の活動および継続的参与を要する可能性もある。

    このような不確実性、課題およびリスクのため、当グループまたはANZグループが作成または使用した記載、仮定、判断、計算、見積りまたは代替データが誤り、不正確または不完全であったと後に判明する可能性がある。読者は自身で独自に分析すべきであり、これらの情報に依存して投資判断を行うべきではない。

    上注の情報は、本書に記載される限定条件、制約および指針とあわせて読まれるべきである。

    さらなる詳細については、以下の文書を参照のこと。

    ・ anz.com/esgreportで入手可能なANZ 2025 Climate Report(ANZの2025年度気候報告書)の付属書5「Financed and Facilitated Emissions Methodology(投融資先排出および資本市場業務に係る排出の算定手法)」(英文)

    ・ anz.com/esgreportで入手可能なANZ 2025 Climate Report(ANZの2025年度気候報告書)の付属書7「Scope 1, Scope 2 and Scope 3 Operational Greenhouse Gas Emissions Reporting Methodology(スコープ1、スコープ2およびスコープ3のオペレーショナル温室効果ガス報告手法)」(英文)

    ・ anz.com/esgreportで入手可能なANZ Social and Environmental Sustainability Target Methodology(ANZの社会・環境的サステナビリティ目標算定手法)(英文)

    ・ anz.com/esgreportで入手可能な2025 ESG Data and Frameworks Pack(2025年度ESGデータ・フレームワーク・パック)(英文)

    5. 本書中の表において、計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。

    6. 本書に別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、「本書」とは本有価証券報告書を意味する。

    7. 本書の参照先のウェブサイトに記載されまたはかかるウェブサイトで入手可能な情報は、本有価証券報告書の一部を構成するものではない。本書中でのウェブサイトの参照はすべて、非アクティブな(随時更新されない)原文を参照するものであり、これらはアクティブな(随時更新される)リンクではない。

    第一部【企業情報】

    第1【本国における法制等の概要】

    1【会社制度等の概要】

    (1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】

     以下は2001年オーストラリア会社法および当行の定款の概要を含む。以下の事項をより徹底して理解したいと希望する読者は、元となるこれらの文書を参照すべきである。

     本「1 提出会社の属する国・州等における会社制度」において、別段記載がない限り、または文脈上別に解すべきでない限り、「取締役会」とは当行の取締役会を意味し、「取締役」とは当行の取締役を意味する。

     当行はその他のオーストラリアの銀行および会社と同様、2001年オーストラリア会社法(「会社法」)に従い、会社法により規制される。会社法は制定法であり、オーストラリア証券投資委員会(「ASIC」)が管理している。

     オーストラリア連邦の諸法律(「豪州法」)は当行のオーストラリアにおける業務運営の様々な局面に影響を与えている。会社法に加え、特に当行に関係のある重要な豪州法は、1959年銀行法(「銀行法」)、1998年オーストラリア健全性規制庁法、2001年オーストラリア証券投資委員会法および1998年金融部門(株式所有)法を含む、現行の銀行諸法から構成される。当行はオーストラリア証券取引所(「ASX」)における上場債券の発行会社であるため、ASXが管理する上場規程による規制も受ける。

    当行に適用のある会社法の主要規定の概略は以下の通りである。

    会社法は、会社が定款を制定できる旨規定している。当行は、2023年11月10日における当行株主の特別決議により承認された定款(「定款」)を採択した。当該定款は、2007年12月18日に開催された株主総会で当行株主により承認され、随時改正された旧定款に代わるものである。

    定款には、会社の業務、運営、権利および権限ならびに株主、取締役、その他の役員の権利および権限に関して、豪州法の規定と一致する規則のみを含めることができる。定款は、決議に関して議決権を有する会社の株主の最低75%の投票をもって決議される場合のみ改定することができると会社法により規定されている。ANZ BH Pty Ltd(オーストラリア会社番号(ACN)658 939 952)は当行の唯一の株主であり、かかる決議における議決権を有する。ANZ BH Pty Ltdは、ANZグループ・ホールディングス・リミテッドの完全所有子会社である。

    定款は通常、以下の事項に関する規定を含む。

    ・会社の株式に付随する権利および義務ならびに会社の株式の譲渡。

    ・株主総会の投票および運営方法。

    ・取締役の人数、権限、義務および任免ならびに取締役会会議の運営方法。

    ・会社秘書役の任命および社印の使用。

    ・会計および監査。

    ・株主への通知。

    ・会社の清算に際しての資産の分配。

     会社法は、当行に対し、その取引、財務状況および業績を正確に記録かつ説明し、真正かつ公正な財務書類の作成および監査を可能にする、書面による会計帳簿を保持することを要求している。

     会社法は当行に対し、その事業年度ごとに財務報告書を期限前に作成し、監査を受けることを要求している。財務報告書は、(ⅰ)財務書類(損益計算書、包括利益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書および持分変動計算書ならびに財務書類の注記を含む。)ならびに(ⅱ)財務書類および注記についての取締役の宣誓書から構成される。財務報告書はオーストラリアの会計基準および会社法に規定されているその他の関連規則を遵守しなければならず、財務書類および注記は当行の財務状況および業績につき真正かつ公正な見解を表示しなければならない。当行はグループ内の親会社であるので、当該事業年度を通して随時、当行が支配している会社との連結財務書類の作成も要する。会社法に基づき、当行の監査人は企業もしくは個人(どちらの場合でも会社法に基づく登録を行っている会社監査人でなければならない。)または(会社法に基づく公認監査会社である)会社でなければならない。監査人は、毎事業年度の当行の財務報告書の監査を実施し、当行の年次財務報告書に関して以下の事項について意見を述べる義務を有する。

    ・年次財務報告書が会社法およびオーストラリアの会計基準に従い作成されているか否か。

    ・年次財務報告書が当行の財務状況および業績について真正かつ公正な見解を示しているか否か。

    ・監査人は、監査の実施につき必要なすべての情報、説明および支援を得ているか否か。

    ・当行は年次財務報告書の作成および監査を可能にするため十分な会計帳簿の記録を保持しているか否か。

    ・当行は会社法の要求するその他のすべての記録および登録簿を保持しているか否か。

    ただし、年次財務報告書に関する監査報告書は、上記の最初の2項目のみを明示的に言及している。

    財務報告書中のあらゆる欠陥もしくは不正または上記の最後の3項目に言及される事項に関する不備、不履行もしくは不足についての詳細は監査報告書に記載されなければならない。

    取締役は、会社法で特定された一定の事項に関して、当行の株主宛てに事業年度ごとの取締役会の報告書を作成しなければならない。これらの事項にはとりわけ、事業年度中支払われた配当額、事業年度中推奨されたが支払われなかった配当額、事業年度の業務運営およびその業績結果の検討、事業年度中に行われた当行の主要な業務についての記載ならびにこうした業務の性質の重大な変更、事業年度における当行の経営状態の重大な変化、および当行の業務運営、業績または経営状態に重大な影響を及ぼした、もしくは今後の事業年度において及ぼす可能性のある、当該事業年度以降に生じる当行の事項や状況が含まれる。

    ASXに債券が上場されている企業としての当行の取締役会報告書にはとりわけ、(取締役および特定の上級経営陣を含む)当行の主要経営陣の報酬の性質および額の決定またはそれらに関する取締役会の方針の検討、ならびにかかる方針と当行の業績との関係が記載される。

    当行は、ASICには事業年度末から3か月以内に、またASXにはASICへの提出と同時におよびいかなる場合でも事業年度末から3か月以内に、年次財務報告書の写しを提出しなければならず、当行の株主全員に対して、株主がかかる報告書を受領しないことを特別に希望しない限り、年次株主総会から21日前まで、または当該事業年度末から4か月後のいずれか早い方までにかかる報告書の写しを送付しなければならない。半期報告書はASICには半期終了から75日以内に、またASXにはASICへの提出時までにおよびいかなる場合でも半期終了から2か月以内に提出しなければならない。半期報告書を株主に送付する義務はないが、半期報告書はASXに提出され、ASXのウェブサイトで公衆の縦覧に付され、当行のウェブサイトにも掲載される。

    ASX上場債券の発行会社として、当行は多くの開示要件および報告要件を遵守しなければならない。これには、継続開示義務、上場有価証券の配当、分配または利息の支払いについて当行が行う決定に関して特定の所定情報をASXに逐次報告すること、ならびに所定の期間内に年次決算をASXへ提出することが含まれる。

    定款は、取締役会が、特に、当行が配当を維持する能力に関連する定款の一定の規則および会社法の規定に従って、適切と考えるいかなる配当の支払いも決議し得ることを定めている。会社法は、以下の場合を除くと、会社は配当を支払わなくてもよいと規定している。

    ・配当が宣言される直前に会社の資産がその負債を上回っており、その超過が配当の支払いに十分である。

    ・配当の支払いが会社の株主全体にとって公平で妥当である。

    ・配当の支払いによって、会社がその債権者に支払いする能力に重大な損害を与えない。

    株主

    当行の定款は、会社法で要求される場合には、取締役会は株主総会を招集しなければならない旨規定している。会社法の規定に従い、複数の株主を有する公開会社は暦年ごとに少なくとも1回、事業年度の終了から5か月以内に株主総会を開催しなければならない。しかしながら、会社法は、当行のように株主が1名のみの公開会社については年次株主総会の開催を要さない旨規定している。

    1998年オーストラリア金融部門(株式所有)法の定めるところによれば、何人もまたはかかる者とその関係者も、オーストラリア連邦の財務大臣の承認を得ないで、金融業界の会社(当行を含む。)の全議決権の20%超を保有することまたは実質的な支配権を所有することは認められていない。しかしながら、財務大臣は、オーストラリアの国益であるという条件を満たす場合のみ、20%超の持分をある者が保有することを承認することができる。ある者に対する当行株式の保有、所有または議決権を行使する能力の制限についての詳細は、下記の「2 外国為替管理制度-証券保有者に影響を与える制限」を参照のこと。

    経営および運営

    公開会社である当行は、3名以上の取締役を有することが要求されており、その内少なくとも2名はオーストラリアに通常居住する者でなければならない。取締役は自然人でなければならない。定款は当行の取締役の数を5名以上10名以下と規定している。取締役の当行を運営する権限は、定款で定められている。

    定款に従い、取締役は取締役会として行為しなければならず、取締役会は諸決議を取締役会会議で行うほか、定款に従い、会議を開催することなく書面決議の方法によりこれを行うことができる。個々の取締役、委員会、代理人またはその他の者は、取締役会の決議で付与された場合には当行を代表して行為する権限を有する。取締役会は、取締役会のあらゆる権限を1名以上の取締役またはその他の者に委任することができる。

    公開会社は最低1名の秘書役(その内少なくとも1名はオーストラリアに居住する者でなければならない。)および定められた数の取締役(上記に記載の通り)を任命することを義務付けられているが、会社法はその他の特定の役員の任命を要求していない。秘書役は会社法および定款に基づき、特定の機能と責任を有しており、自然人でなければならない。

    当行の株主は以下の事項を行う権限により最終的決定権を保持している。

    (a) 取締役会に諸権限を付与している定款を修正すること。

    (b) 株主総会を招集すること。

    (c) 取締役の解任または会社法および定款に規定されたその他の事項を決議すること。

    定款によって付与された権利および権限を行使するに際しては、取締役は相当な注意と勤勉さをもってこれに当たることが要求され、かつその権限の行使と義務の履行に際しては誠意をもって、常時当行の利益、すなわち一般的な意味ではその株主の利益のために尽くすことが要求されている。

    持株会社の最善の利益

    適用法令に従い許可される範囲において、各取締役は当行の持株会社の最善の利益のために行為することを授権されている。当行の持株会社はANZ BH Pty Ltdであり、当行の最終持株会社はANZグループ・ホールディングス・リミテッドである。

    株式の発行

    当行の未発行株式はすべて取締役の管理下にあり、当行の定款および会社法に従い、取締役会が適切と判断した条件によりこれら株式を発行することができる。

    定款の詳細および抜粋については、下記の「(2)提出会社の定款等に規定する制度」を参照のこと。

    (2)【提出会社の定款等に規定する制度】

    以下には当行の定款から抜粋した情報が含まれており、かかる定款はオーストラリア、ヴィクトリア州3008、ドックランズ、コリンズ・ストリート833、9階、ANZセンター・メルボルンにおいて平日(土曜日、日曜日および祝祭日を除く。)の通常営業時間に閲覧可能である。

    本(2)に記載の定款の抜粋は、参考の便宜上、適宜言換えがなされており、またかかる抜粋に使用されている定義済の用語は、定款において与えられた意味を有する。定款に定められた規則を完全に理解するためには、定款の写しを全文で読む必要がある。

    取締役会

    取締役の人数(代理取締役は数に入れない。)は、取締役会が決定することができるが、10名または最終持株会社(ANZグループ・ホールディングス・リミテッド)が定めるその他の員数を超えてはならない。当行は最低5名(代理取締役は含まない。)の取締役を置かなければならない。

    会社法、定款、および上記の人数制限に基づきその時々に確定される取締役の上限人数を条件に、最終持株会社(ANZグループ・ホールディングス・リミテッド)は随時、当行に通知することにより取締役となる者を任命することができる。

    取締役の任命期間が明示的に特定されているか否かにかかわらず、会社法に従い、最終持株会社(ANZグループ・ホールディングス・リミテッド)は取締役を解任することができる。

    取締役の数が上記の人数制限により要求される最少人数を下回ることとなる場合、残っている取締役らは、(a)最少人数を満たす数までの取締役の任命、(b)株主総会の招集、および(c)緊急事態についてのみ、取締役会として行為することができる。

    取締役会会議

    取締役はいつでも取締役会会議を招集でき、また、秘書役は取締役からの要請ある場合は必ず取締役会会議を招集しなければならない。

    取締役会が別段に定めない限り、取締役会会議の定足数は取締役2名とし、この定足数がかかる会議の終始、常に出席していなければならない。取締役を兼任している代理取締役、または複数の任命権者の代理取締役となっている者は、定足数に1回のみ数え入れる。

    株主総会

    当行は年次株主総会を会社法により要求されている通りに開かなければならない。会社法は、当行のように株主が1名のみの公開会社については年次株主総会の開催を要さない旨規定している。

    株主総会は、取締役会または取締役がいつでも招集でき、また会社法もしくは会社法に基づく命令により要求される場合には取締役会が招集しなければならない。

    取締役会は、株主総会の延期、中止または開催場所の変更を行うことができる。

    株主総会の通知は、会社法に則り行われなければならない。招集通知については会社法を遵守するものとし、会社法が許可するあらゆる方法を用いて通知することができる。

    議決権

    会社法に従い投票が要求されない限り、株主総会で採決される決議は挙手によって決定されなければならない。会社法、定款の規定および株式発行の条件を制約とし、

    (a) 挙手に際して、

    (ⅰ) 株主が議決権行使代理人を2名任命している場合は、いずれの議決権行使代理人も票を投じることはできない。

    (ⅱ) 出席している投票権を有する株主で、かつ他の株主の議決権行使代理人、代理人または代表者である者は、1票を有する。

    (ⅲ) 上記(a)(ⅰ)および(a)(ⅱ)の条件を制約とし、議決権を有する株主である各出席者または議決権を有する株主の議決権行使代理人、代理人もしくは代表者である各出席者は、1票を有する。

    (b) 投票に際して、各株主は保有する全額払込済み株式1株につき1票を有する。

    株主総会の議長には決定票がない。ある決議の賛成票および反対票が同数である場合、かかる案件は否決されたと裁定する。

    株式

    会社法および定款を条件として、取締役会は当行に代わり、取締役会が決定する任意の者に対して任意の条件および時期において、未発行株式の発行、オプション付与、その他の処理を行うことができる。

    当行は、優先株式(償還義務のある優先株式を含む。)を発行することができる。優先株式には、

    (a) 定款に提示されている、もしくは従い決定される権利、または

    (b) 会社法に従い認められているその他の権利が付されている。

    優先株式に付されている権利

    (a) 取締役会は、定款を条件として、発行に先立ち取締役会が決定するあらゆる権利(外国通貨で表示された権利を含む。)が付された優先株式を発行することができる。かかる方法で定められた権利は、その時点で発行されている優先株式に付されている権利と同じである必要はない。

    (b) 優先株式は、1シリーズもしくは複数の異なるシリーズで発行することができ、各シリーズは取締役会が定める方法により識別する。

    配当請求権

    (a) 定款に基づく取締役会の権限を制限することなく、あらゆる優先株式の割当ての前に取締役会は、下記の事項、またはこれらの事項を決定する際の方法を定めなければならない。

    (ⅰ) かかる株式に対して支払われる(もしあれば)配当金の率または金額

    (ⅱ) かかる株式に対する配当金の支払いの時期または状況

    (ⅲ) 配当金が支払われる期間

    (ⅳ) その他の種類の株式との関係でかかる株式の配当金支払いの優先順位

    (ⅴ) かかる株式に累積配当の権利があるのか、非累積配当の権利があるのか、および

    (ⅵ) 分配できる利益がある場合に、かかる株式はさらにそれに参加する権利があるのか否か

    (b) 優先株式の発行の条件にはさらに、以下の規定を盛込むことができる。

    (ⅰ) 税金またはその他の国庫賦課金、あるいは課税控除またはインピュテーション税額控除、もしくはそれら双方を考慮に入れて、もしくは参照して、配当金額を調整する基準(もしあれば)、および、

    (ⅱ) 優先株式の保有者に支払われるはずであった(発行の条件においてであるが)配当金の額が、配当金以外の方法で当行が優先株式の保有者に支払う金額の程度まで、削減されるもしくは消滅される旨。

    配当金支払いの優先順位

    取締役会が割当ての前に定める以下の配当金支払いの優先順位に関する規定(すべてまたは一部)が、あらゆる特定の優先株式について適用される。

    (a) 当行はその優先株式の配当金を下記の通り、支払うものとする。

    (ⅰ) 普通株式に対するあらゆる配当金の支払いより優先し支払うものとする。

    (ⅱ) 利益への関与に関して、同順位の明示がなされているその他すべての優先株式の配当金と同等に支払うものとする。および、

    (ⅲ) 利益への関与に関して、優先して順位が明示されているすべての優先株式(もしあれば)の配当金より劣後して支払うものとする。

    (b) 償還または清算に際して、優先株式の保有者に累積配当の権利がある場合には、上記(a)で定めている通りのその他の株式との優先順位にて、当行は、かかる保有者に償還日もしくは(場合に応じ)清算開始までの未払い配当金または配当滞納金(宣言されたか否かを問わない。)に等しい額を支払わなければならない。

    (c) 償還または清算に際して、優先株式の保有者が非累積配当の権利を有している場合、上記(a)で定めている通りのその他の株式との優先順位にて、当行は、かかる保有者に償還日もしくは(場合に応じ)清算開始までに宣言されたが未払いの配当金に等しい額を支払わなければならない。

    清算時の優先順位

    (a) 優先株式の割当てに先立ち、取締役会は、当行清算時の資本の払戻しに関する各優先株式の優先順位および残余資産への株主の参加の権利(もしあれば)を決定するものとする。

    (b) 割当てに先立ち取締役会がかかる決定をした場合、優先株式の保有者は、当行の清算に際してかかる優先株式につき払込済みまたは払込済みとして貸記された金額と同額の支払い、および配当金ならびに発行の条件に従い保有者に権利が与えられているその他の金額の支払いに対する権利を以下の通り有する。

    (ⅰ) 普通株式に対する支払いより優先して支払われる。

    (ⅱ) 清算に際し当該優先株式と同順位の明示がなされているその他すべての優先株式の保有者に対する支払いと同等に支払うものとする。および、

    (ⅲ) 清算に際し、当該優先株式より優先して順位が明示されているすべての優先株式(もしあれば)の保有者に対する支払いより劣後して支払うものとする。

    ただし、当行の剰余金、もしくは当行の利益または資産のその他の分配には参加しないものとする。

    2【外国為替管理制度】

    為替管理および支払制限

    現在、当行の有価証券の保有者に対する配当、利息の支払またはその他の送金を制限する、オーストラリアにおいて効力を有する一般的な為替管理規制はない。しかしながら、経済制裁や貿易制裁は、オーストラリアの公共政策を反映して随時実施されており、所管のオーストラリアの規制当局の同意なしに特定の個人または団体との一定の取引を行うことを禁じるよう機能している。これらの制裁に違反することが刑事犯罪となる。

    オーストラリア刑法典(1995年オーストラリア刑法典法に含まれる。)(「刑法典法」)に基づき、以下から、または以下に対して、意図的に資金を受け取る、資金を提供する、それのためにもしくはそれに代わって資金を収集する、または支援もしくは資源を提供する場合、その者は刑事犯罪を犯したことになる。

    ‐ 組織がテロ組織であることを知っている、またはテロ組織である可能性に対して軽率である状況で、テロ組織に対して上記を行った場合。テロ組織とは、直接もしくは間接的にテロ行為の実行、準備、計画、支援もしくは助長に関与している組織、または刑法典法に基づく規則でテロ組織として指定されている組織を指す。

    ‐ 対象がテロ支援国家であることを知っている、またはその可能性に対して軽率である状況で、テロ支援国家に対して上記を行った場合。テロ支援国家とは、刑法典法に基づく規則でテロ支援国家として指定されている団体を指す。

    現在オーストラリアで有効な経済制裁および貿易制裁ならびに支払制限には、以下が含まれる。

    1. 2011年オーストラリア自律的制裁法および2011年オーストラリア自律的制裁規則は、以下に対し、またはその利益のために、許可なしに資産(株式や有価証券を含む。)を直接または間接的に提供することによって特定の「制裁対象」船舶や「指定された」個人または団体と取引を行うことを禁止している。

    (a) 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)により、もしくはその管轄内で犯罪により起訴された個人またはICTYの管轄内での犯罪に関連してインターポールの逮捕令状の対象となっている個人、ICTYにより起訴されているが現在ICTYによる拘束を受けていない者を支援している疑いがある個人、ならびに旧ミロシェビッチ政権の特定の支持者。

    (b) ジンバブエにおいて民主主義、人権尊重や法の支配を深刻に損なう活動に従事している(または従事していた)個人または団体。

    (c) 北朝鮮の大量破壊兵器もしくはミサイル計画に関連する特定の個人もしくは団体、または北朝鮮による一定の国連決議への違反もしくは回避を支援した(もしくは支援中の)個人もしくは団体。

    (d) ミャンマー政権に関連する特定の個人で、現職および元大臣、治安機関または矯正機関の高官、国営企業または軍所有企業の上級職員または役員、特定階級の現職または元軍士官、ならびにこれらの者の直系家族を含む。

    (e) イランの核計画もしくはミサイル計画に寄与したもしくは寄与している、イランの一定の国連決議への違反を支援したもしくは支援している、イランにおける女性や少女の抑圧、イラン国民に対する全般的な抑圧もしくはイランにおける適正な統治もしくは法の支配の弱体化に関与し、責任を負いもしくは共謀している、またはイランが他国の主権や領土保全を脅かしたり弱体化させることを支援しているもしくは支援した特定の個人または団体。

    (f) 旧カダフィ政権の特定の側近、カダフィ家の支配下にある団体、およびリビアに関する一定の国連決議への違反を支援してたまたは支援している個人または団体、ならびにこれらの個人の直系家族。

    (g) シリア政権を支援している、またはシリアにおける人権侵害に責任を負う特定の個人または団体。

    (h) ロシア政府に関連する特定の個人または団体で、現職または元大臣、政府高官、ロシアにとって経済的または戦略的に重要な活動に従事しているもしくは従事していた、またはそのような活動を遂行する機能を果たしている個人、およびこれらの個人の直系家族を含む。

    (i) ウクライナの主権および領土保全に対する脅威に責任を負うまたはこれに共謀している個人または団体。

    (j) アフガニスタンにおいて、女性や少女の抑圧、少数派グループの抑圧、国民への全般的な抑圧または適正な統治もしくは法の支配の弱体化に関与し、責任を負いまたは共謀している特定の個人。

    2. 2011年オーストラリア自律的制裁規則の目的に照らして、外務大臣は以下の個人または団体を指定する権限を有している。

    (a) 大量破壊兵器の拡散に寄与した者。

    (b) 重大なサイバーインシデントを引き起こした、もしくは引き起こそうと試みた、引き起こすことを支援した、もしくはその試みを支援した、またはその他の方法で共謀した者

    (c) 生命への権利、拷問や品位を傷つける取扱いもしくは非人道的処罰を受けない権利または奴隷状態に置かれない権利に対する重大な侵害もしくは重大な濫用となる行為に関与し、責任を負い、または共謀した者

    (d) 重大な汚職行為に関与し、責任を負い、または共謀した者

    さらに、特定の状況下では、その直系家族または金銭的もしくはその他の利益を得た個人もしくは団体も対象となる。

    3. オーストラリアの1945年国際連合憲章法第4部の下で、オーストラリアの2008年国際連合憲章(資産の取引)規則は、オーストラリア連邦の官報において外務大臣が随時挙げる個人または団体の金融その他の資産の利用または取引に対する制裁を定めている。また、オーストラリアの1945年国際連合憲章法第3部に基づき、かつ、特定の規則に従い、以下を含む特定の国に関して特定の提供(金融面の提供を含む場合がある。)を行うことをが禁じられている。

    (a) コンゴ民主共和国(オーストラリアの2008年国際連合憲章(制裁-コンゴ民主共和国)規則を参照)

    (b) 北朝鮮(オーストラリアの2008年国際連合憲章(制裁-朝鮮民主主義人民共和国)規則を参照)

    (c) スーダン(オーストラリアの2008年国際連合憲章(制裁-スーダン)規則を参照)

    (d) イラン(オーストラリアの2016年国際連合憲章(制裁-イラン)規則を参照)

    (e) イラク(オーストラリアの2008年国際連合憲章(制裁-イラク)規則を参照)

    (f) アルカイダ、ISIL(ダーイシュ)およびタリバン(オーストラリアの2008年国際連合憲章(制裁-ISIL(ダーイシュ)およびアルカイダ)規則およびオーストラリアの2013年国際連合憲章(制裁-タリバン)規則を参照)

    (g) ソマリア(オーストラリアの2008年国際連合憲章(制裁-ソマリア)規則を参照)

    (h) レバノン(オーストラリアの2008年国際連合憲章(制裁-レバノン)規則を参照)

    (i) リビア(オーストラリアの2011年国際連合憲章(制裁-リビア)規則を参照)

    (j) 中央アフリカ共和国(オーストラリアの2014年国際連合憲章(制裁-中央アフリカ共和国)規則を参照)

    (k) イエメン(オーストラリアの2014年国際連合憲章(制裁-イエメン)規則を参照)

    (l) 南スーダン(オーストラリアの2015年国際連合憲章(制裁-南スーダン)規則を参照)

    (m) シリア(オーストラリアの2015年国際連合憲章(制裁-シリア)規則を参照)

    (n) マリ(オーストラリアの2018年国際連合憲章(制裁-マリ)規則を参照)

    4. オーストラリア2006年マネーロンダリング防止およびテロ資金対策法およびオーストラリア2007年マネーロンダリング防止およびテロ資金対策規則文書(第1号)の適用を受ける報告事業体として、当行は、疑うべき取引、基準値超えの取引および国際的な資金振替指示に関する報告義務を負う。オーストラリア2006年マネーロンダリング防止およびテロ資金対策法に基づき、10,000ドル(またはその外貨相当額)以上の物理的通貨またはデジタル通貨(暗号資産)の移転を行う特定の者(当行を含む。)は、オーストラリア取引報告分析センター(AUSTRAC)に報告する義務を負う。

    証券保有者に影響を与える制限

    以下のオーストラリア法は、オーストラリアの非居住者または非市民が当行株式を保有、所有または議決権行使する権利に対して制限を課している。

    1. 1975年外資による資産買収・企業買収法

    外資によるオーストラリアの会社株式の取得は、オーストラリア1975年外資による資産買収・企業買収法(「外国買収法」)により規制を受ける。外国買収法は、一定の金額の基準を条件とし、とりわけ以下のいずれかの状況をもたらす株式の取得または発行に適用される。

    ‐ 1名の外国人もしくは外国支配法人が単独で、または関係者と共同で、議決権もしくは潜在的議決権の20%以上を支配する立場にある、またはオーストラリア事業を行う法人の発行済株式もしくは発行済株式に対する権利の20%以上の法律上もしくは衡平法上の権利を保有する立場にある。

    ‐ 2名以上の外国人もしくは外国支配法人がその関係者と共同で、議決権もしくは潜在的議決権の40%以上を支配する立場にある、またはオーストラリア事業を行う法人の発行済株式もしくは発行済株式に対する権利の40%以上の法律上もしくは衡平法上の権利を保有する立場にある。

    上記のいずれのケースにおいても、また一定のその他状況において、オーストラリアの国益に反する場合、オーストラリア連邦の財務大臣はこの買収を禁止することができる。

    オーストラリアの外国投資の承認制度に基づき、国家安全保障上の懸念の可能性がある投資は0ドルの金額基準の対象となるか、または審査請求が課されることがある。国家安全保障に関する事業および国家安全保障用地への投資に対しては承認の義務付けに関する要件が存在しており、審査基準はより低く設定されており、上記の20%の基準の代わりに10%の基準が一般的に適用される(特定の状況ではさらに低い基準が適用される場合がある。)。「国家安全保障に関する事業」とは、一般的に「重要なインフラ資産」、電気通信、防衛または(オーストラリアもしくは外国の)国家の情報コミュニティまたはそれらのサプライチェーンに関与または関連する事業である。この目的において、「重要なインフラ資産」とは、オーストラリア2018年重要インフラセキュリティ法で定義された意味を有し、金融サービスを含む11の追加のセクターにおける重要資産を含む。

    2. オーストラリア1998年金融部門(株式所有)法

    オーストラリア1998年金融部門(株式所有)法は、1名の者(関係者がいる場合は共同で)、または取決めに基づく2名以上の者が、その者が(関係者と共同で)20%を超える会社持分を保有することになる場合、金融部門の会社の株式を取得することを禁止する。しかし、オーストラリア連邦の財務大臣は、オーストラリアの国益であるという条件を満たす場合のみ、20%を超える持分をある者が保有することを承認することができる。下記「第2 企業の概況」の「2 沿革」および「3 事業の内容-(1)概要」に記載の本再編に関するものを除き、当行の株式についてかかる承認が与えられたことはない。

    3. 2001年会社法

    企業において議決権株式を取得する者は誰でも、会社法第6章に記載の株式取得条項の制限に従う。会社法第6章は当行の株式持分には適用されないが、ASX上場株式を発行している当行の最終持株会社のANZグループ・ホールディングス・リミテッドには適用される。特定の例外を除き、会社法第606節は、取引を理由として、(ANZグループ・ホールディングス・リミテッドのような)会社におけるある者もしくはその他の者の議決権が(i)20%以下から20%超へ、または(ii)20%超90%未満から、増加する場合、その者が当該会社の議決権株式の権益を取得することを禁止する。

    第606節の例外の1つは、ある者が取得前の6か月間を通して当該会社の最低19%の議決権を保有していた場合、その者が追加で3%の議決権を取得することを認める。

    会社法の目的上、ある者のある会社における議決権は、議決権株式に付属する投票総数であり、かかる議決権株式につきその者およびその関係者(広く定義される。)が当該会社の全議決権株式に付属する全投票数の比率に応じて「関連持分」を有している。広く言えば、特定の資格に従い、ある者が証券の保有者である場合、その者は証券の「関連持分」を保有し、証券に付与された議決権を行使する権利もしくは行使を支配する権利を持つ、または証券を処分する権利、もしくは処分する権利の行使を支配する権利を持つ。

    さらに、会社法に基づき、(ANZグループ・ホールディングス・リミテッドなどの)該当する会社の実質的な持分の保有を始めるもしくは保有をやめる、またはある者が既に実質的持分を持っておりその持分に少なくとも1%の変動がある場合、かかる者は当該会社およびASXに特定の規定情報(氏名および住所、ならびに当行の議決権株式における関連持分の詳細を含む。)を知らせる通知を行う必要がある。かかる通知はおおむね、その者が情報を知った時から2営業日以内に行うものとする。

    3【課税上の取扱い】

    本「3 課税上の取扱い」において、「本サムライ債」とは、当行が発行し日本国内で募集が行われた本書日付現在未償還であるサムライ債を意味し、「本売出債」とは、当行が発行し日本国内で売出しが行われた本書日付現在未償還である売出社債を意味し、また「本社債権者(サムライ)」とは本サムライ債の所持人を、「本社債権者(売出し)」とは本売出債の所持人を、また「利札」は本サムライ債および本売出債に付された利札を意味するものとする。

    以下の記述は一般的な性質のものであり、現時点で効力のある規定に基づくものである。自身の税務上の立場について疑問がある本社債権者(サムライ)および本社債権者(売出し)は、それぞれの専門アドバイザーに相談すべきである。

    当行によるまたは当行を代理しての本サムライ債、本売出債および利札に関する元利金の支払いはすべて、オーストラリア連邦において、またはその課税権限を有する当局により課税、徴収、源泉徴収または賦課される一切の現在または将来の税金、関税、賦課金または公租を源泉徴収または控除することなく行われる。ただし、かかる源泉徴収または控除がオーストラリア連邦法により要求されるまたはFATCA(以下に定義される。)のためにもしくはそれを理由として行われる場合を除く。かかる場合、慣習上の例外(FATCAのためにもしくはそれを理由として行われる源泉徴収または控除の場合を含む。)を除き、当行は、かかる源泉徴収または控除が要求されなかった場合受領するはずであった額を本社債権者(サムライ)および本社債権者(売出し)が受領することができるよう、追加額を支払うことに同意している。

    「FATCA」とは、以下を意味する。

    (ⅰ) 合衆国内国歳入法(または合衆国内国歳入法の修正もしくは継承法)第1471条ないし第1474条およびそれらの現在もしくは将来の規則もしくは公権解釈、

    (ⅱ) 合衆国内国歳入法のかかる条項もしくは米国以外の法の類似規定のいずれかを実施することに関連して、政府間で締結された合意に従って採用された米国もしくは米国以外の財務または規制上の法制、規則、指針または実務、または

    (ⅲ) 米国内国歳入庁、米国政府またはその他の法域の政府機関もしくは税務当局との、上記(ⅰ)または(ⅱ)の実施に従う合意。

    「合衆国内国歳入法」とは、1986年米国内国歳入法(その後の修正を含む。)を意味する。

     本売出債または本サムライ債に関するオーストラリアの課税上の立場の説明については、以下を参照のこと。

    (a) 本売出債の場合、随時補足および/または更新される、2025年11月20日付オーストラリア・ニュージーランド銀行60,000,000,000米ドル・ユーロ・ミディアム・ターム・ノート・プログラムのベース・プロスぺクタス「税制-オーストラリア」。

    (b) 本サムライ債の場合、当該本サムライ債の発行時において有効であり、随時補足または訂正される、当行がその時々に提出した訂正発行登録書または発行登録追補書類の「第一部-第1-1-摘要-I.(12)オーストラリアの租税」(またはそれに相当もしくは代替する項目)。

    4【法律意見】

    当行のオーストラリアの法律顧問であるアレンズ法律事務所により、当該法律意見書に記載の一定の前提および限定に基づき、上記「第一部-第1-1、2および3」に記載されたオーストラリア連邦の法的事項に関する記載はすべての重要な点において真実かつ正確である、との法律意見書が提出されている。

    第2【企業の概況】

    1【主要な経営指標等の推移】

    連結財務情報

    (単位:百万ドル(ただし、発行済株式数、1株当たり情報、比率および従業員数を除く。)) (下段は円換算額(1)(百万円(ただし、発行済株式数、1株当たり情報、 比率および従業員数を除く。))) (-はマイナスを示す。)
    9月30日終了年度(2)
    2025年度(9) 2024年度(9) 2023年度 2022年度 2021年度
    収入(3)(4)(5) 68,204 65,162 53,839 28,161 22,788
    (7,089,806) (6,773,590) (5,596,564) (2,927,336) (2,368,813)
    税引前利益(4)(5) 8,847 9,446 10,146 10,079 8,936
    (919,646) (981,912) (1,054,677) (1,047,712) (928,897)
    税引後利益(非支配持分を除く)(5) 6,035 6,595 7,173 7,119 6,162
    (627,338) (685,550) (745,633) (740,020) (640,540)
    当期包括利益合計 (非支配持分を除く)(5) 6,308 6,676 7,962 3,399 5,858
    (655,717) (693,970) (827,650) (353,326) (608,939)
    普通株式資本 27,053 27,065 29,082 28,797 25,984
    (2,812,159) (2,813,407) (3,023,074) (2,993,448) (2,701,037)
    発行済株式総数 (普通株式) 3,003,366,782 3,003,366,782 3,003,366,782 2,989,923,751 2,823,563,652
    株主資本(非支配持分を除く) (5)(6) 69,706 67,989 68,563 65,907 63,665
    (7,245,939) (7,067,457) (7,127,124) (6,851,033) (6,617,977)
    資産合計(5) 1,297,671 1,229,585 1,106,064 1,085,729 978,857
    (134,892,900) (127,815,361) (114,975,353) (112,861,530) (101,752,185)
    非支配持分を除く1株当たりの株主資本(5)(6) (単位:上段 ドル、下段 円) 23.21 22.64 22.83 22.04 22.55
    (2,413) (2,353) (2,373) (2,291) (2,344)
    普通株式1株当たり配当額 (単位:上段 セント、下段 円)(7) 152 165 204 146 142
    (158) (172) (212) (152) (148)
    資産合計に対する非支配持分を除く株主資本(5)(6) 5.37% 5.53% 6.20% 6.07% 6.50%
    平均株主資本に対する純利益(損失)(8) 8.6% 9.7% 10.7% 11.4% 9.9%
    営業活動による/(に使用された)によるキャッシュフロー 26,028 11,046 6,195 20,176 43,822
    (2,705,611) (1,148,232) (643,970) (2,097,295) (4,555,297)
    投資活動による/(に使用された)キャッシュフロー (23,999) (42,067) (10,042) (1,817) 10,258
    (-2,494,696) (-4,372,865) (-1,043,866) (-188,877) (1,066,319)
    財務活動による/(に使用された)キャッシュフロー 757 16,755 4,034 (2,345) (9,672)
    (78,690) (1,741,682) (419,334) (-243,763) (-1,005,404)
    現金および現金同等物の期末残高 155,209 150,965 168,154 168,132 151,260
    (16,133,976) (15,692,812) (17,479,608) (17,477,321) (15,723,477)
    期末現在従業員数(フルタイム換算)(FTE)(単位:人) 42,640 42,142 40,119 39,381 40,221

    注:(1) 円換算額は、全報告期間について、1ドル=103.95円の換算率(2025年12月1日現在の株式会社三菱UFJ銀行公表の対顧客電信売相場)により換算されている。

    (2) 2023年1月3日、ANZBGLは、スキーム・オブ・アレンジメントにより、ANZグループの新たな上場持株親会社として純粋持株会社であるANZグループ・ホールディングス・リミテッドを設立した(「本再編」)。2025年度および2024年度の財務情報は当グループの業績を表している。2023年度の財務情報は、2022年10月1日から2023年1月2日までの本再編前のANZグループの業績、および2023年1月3日から9月30日までの当グループの業績で構成される。2022年度および2021年度の財務情報は本再編前のANZグループの業績を表す。

    (3) 受取利息およびその他営業収入を含み、支払利息および大手銀行税は考慮しない。

    (4) 数値および比率は継続事業ベースで表示されている。2025年度、2024年度または2023年度において非継続事業はなかった。2022年度および2021年度の比較期間の非継続事業に係る利益/(損失)は、売却済みの富裕層事業の分離に係る重要でない残余事業費および2022年4月に終了した移行サービス契約に基づく一定の費用の一部回収に関係している。

    (5) 2023年10月1日、当グループは、AASB第17号「保険契約」を適用し、2023年の比較情報を修正再表示した。2022年度および2021年度の比較情報は修正再表示されていない。

    (6) 非支配持分を除く。非支配持分を含む株主資本合計は、次の通りである。2025年度704億4,500万ドル(約7兆3,230億円)、2024年度687億6,000万ドル(約7兆1,480億円)、2023年度690億8,500万ドル(約7兆1,810億円)、2022年度664億100万ドル(約6兆9,020億円)および2021年度636億7,600万ドル(約6兆6,190億円)。

    (7) 各年度において当行の普通株主に提案または支払われた配当額。2023年度には、ANZGHLの完全子会社で当行の直接持株会社であるANZ BH Pty Ltdに対して支払われた2023年1月における10億ドル(約1,040億円)の特別配当が含まれる。

    (8) 純利益(損失)は、税引後法定利益と定義される(非支配持分を除く)。平均株主資本は、当該年度についての平均株主資本(非支配持分を除く。)と定義される。

    (9) 当グループは、2024年7月31日にサンコープ・バンクを買収し、その結果、2025年度および2024年度について報告された業績には、それぞれ12か月間および2か月間のサンコープ・バンクの業績が含まれている。詳細については、「第3 事業の状況-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-A. 作成基準-(1) サンコープ・バンクの買収」を参照のこと。

    2【沿革】

    ANZの歴史は、1835年において特許状に基づきバンク・オブ・オーストラレーシアがロンドンにおいて設立された時まで遡ることができる。バンク・オブ・オーストラレーシアは当初、1835年にオーストラリアのシドニーにおいて、および1838年にはメルボルンにおいて開設された。

    1951年、バンク・オブ・オーストラレーシアは、ユニオン・バンク・オブ・オーストラリア(1837年設立)と合併し、オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンク・リミテッド(ANZ銀行)となった。1970年には、現在の組織であるオーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・グループ・リミテッドを形成するために、ANZ銀行がイングリッシュ・スコティッシュ・アンド・オーストラリアン・バンク・リミテッド(1852年設立)と合併した。ANZは1969年に英国において設立され、同年にオーストラリア証券取引所に上場された。1977年、設立地がオーストラリアに移転された。

    2023年1月3日、ANZBGLは、スキーム・オブ・アレンジメントによりANZグループの新たな上場持株親会社として、純粋持株会社であるANZグループ・ホールディングス・リミテッド(「ANZGHL」)を設立し、その後、ANZグループの銀行事業と一部の非銀行事業をANZ銀行グループとANZ非銀行グループに分離するための再編(「本再編」)を実施した。ANZ銀行グループは、本再編前にANZBGLで保有されていた事業と子会社の大部分から構成されている。ANZ非銀行グループは、特定の非銀行会社と、別のサービス会社から構成されている。

    3【事業の内容】

    (1) 概 要

    当グループは、オーストラリアに本店を置く4大銀行グループの1つである。ANZBGLは、オーストラリアで設立されオーストラリアに所在する公開会社であり、その社債は証券取引所に上場されている。ANZBGLの登記上の本店はオーストラリア、ヴィクトリア州3008、ドックランズ、コリンズ・ストリート833、9階に所在し、電話番号は+61 3 9683 9999である。ANZBGLのオーストラリア企業番号はABN 11 005 357 522である。

    当グループは、幅広い銀行業および金融商品およびサービスをリテール、小規模企業、コーポレートおよび法人顧客に提供する。地理的には、オーストラリア、ニュージーランド、アジア太平洋地域の複数の他の国々、英国、フランス、ドイツおよび米国にかけて営業を行っている。

    当グループは、ANZグループの一部であり、ANZグループは、ANZGHL(ANZグループの究極の親会社)、ANZ銀行グループおよびANZ非銀行グループから構成される(各々以下のとおり)。

    ANZグループの構成は以下の図のとおりである。

    ANZGHLについては以下の事項に留意されたい。

    ・ ANZGHLは、ANZBGLの債務を一般的に保証したり、ANZBGLの発行した債券に関してこれを保証したりするものではない。

    ・ ANZGHLは、ANZBGLの発行した債券の要項に基づく債務を負うものではない。

    ・ ANZGHLは、ANZBGLが発行したTier 2資本証券またはその他Tier 1資本証券について、当該証券の要項に従って当該証券がANZGHLの普通株式に転換可能であることを除き、当該証券の要項に基づく債務を負うものではない。

    (2) ビジネス・モデル

    当グループのビジネス・モデルは主に、顧客預金およびホールセール債券市場を通じて資金を調達し、当該資金を顧客に貸し出すことからなる。さらに、当グループは、セールス、トレーディングおよびリスク管理業務から収益を得るマーケッツ事業を営んでいる。当グループはまた、支払および決済ソリューションも提供している。

    当グループの主な貸付業務は、居住用住宅ローン、クレジットカードおよび当座貸越を扱う個人ローンならびにコーポレートおよび法人顧客への貸付である。

    当グループの収入は多数の収入源によるものであるが、主なものは以下のとおりである。

    ・ 純利息収益-当グループが貸付業務で得た受取利息と顧客預金およびホールセール資金調達に関して支払った利息との差異を示す。

    ・ 手数料およびコミッション収益(純額)-貸付で得た手数料収入ならびに金融商品およびサービスに関連した貸付以外で得た手数料収入を示す。資産運用収入を含む。

    ・ その他収入-セールス、トレーディングおよびリスク管理業務から生じた収益、外国為替収入純額、関連会社投資の持分利益、経済ヘッジ損益ならびに収益および費用ヘッジ損益ならびに事業の売却および閉鎖による損益を含む。

    (3) 戦 略

    ANZグループの大望および戦略は、ANZグループの潜在力を解放して顧客、株主及びコミュニティの支持を獲得することに重点を置いている。

    ANZグループの戦略では、以下の4つの戦略的支柱に焦点を当てている。

    ・ 顧客第一主義–市場をリードする差別化された優れた提案をもって、ANZグループは、顧客のためあらゆるデジタル的および人的交流の水準を高める。

    ・ 簡素化 –生産性の市場基準を確立するため、ANZグループは、組織の簡素化、非中核資産の売却および効率性の向上を図る。

    ・ レジリエンス –ANZグループは、信頼性、安全性およびリスク管理において業界をリードし、非財務リスク(「NFR」)管理の最高水準を保持し、ANZグループの端から端まで説明責任を強化する。

    ・ 価値の提供 –財務実績を持続的に改善するため、ANZグループは、ステークホルダーにとって重要な高収益の成長と成果を提供することで、永続的な価値を創造する。

    これらの優先事項の実現は、ANZグループの中核的推進力であるその企業文化人材および技術によって支えられる。

    (4) 当グループの主な活動

    当グループは、オーストラリア・リテール部門、オーストラリア商業部門、法人部門、ニュージーランド部門、サンコープ・バンク部門、パシフィック部門、ならびにグループ・センター部門の7つの部門からなる部門構造で事業を営んでいる。

    下記に報告される部門は、AASB第8号「事業セグメント」に定義される事業セグメントおよび事業の最高経営意思決定者が最高経営責任者であるために提供を受ける内部報告と一致する。

    2025年9月30日現在、当グループの7つの部門の主要な活動は以下のとおりであった。

    オーストラリア・リテール

    オーストラリア・リテール部門は、オーストラリアの個人顧客にあらゆる銀行サービスを提供している。これには、住宅ローン、預金、クレジットカードおよび個人ローンが含まれる。商品およびサービスは、支店網、住宅ローン・スペシャリスト、コンタクト・センターおよび様々なセルフサービス・チャネル(デジタルバンキングおよびインターネット・バンキング、ウェブサイト、ATMおよびテレホン・バンキング)、および外部のブローカーを通じて提供される。

    オーストラリア商業

    オーストラリア商業部門は、SMEバンキング(小規模事業主および中規模商業顧客)ならびに多角的スペシャリスト事業(大規模商業顧客ならびに富裕層の個人顧客および同族グループ)という顧客セグメントにわたり、あらゆる銀行商品および金融サービスを提供する。この部門は、ランオフ事業(セントラル・ファンクション)も含む。

    当グループは、2025年10月13日(「2025年10月戦略日」)、オーストラリア商業部門がビジネス・アンド・プライベート・バンクに改名されることを公表した。

    法 人

    法人部門は、グローバルな機関顧客および法人顧客ならびにオーストラリア、ニュージーランドおよび国外(パプアニューギニア(「PNG」)を含む。)の政府に、以下の事業ユニットを通じてサービスを提供する。

    ・ 「トランザクション・バンキング」は、荷為替取引、サプライチェーン・ファイナンス、コモディティ・ファイナンス、キャッシュ・マネジメント・ソリューション、預金、支払、決済など運転資本および流動性ソリューションを顧客に提供する。

    ・ 「コーポレート・ファイナンス」は、ローン商品、ローン・シンジケーション、スペシャライズド・ローンのストラクチャリングおよび執行、プロジェクトおよび輸出向けファイナンス、デット・ストラクチャリングおよび買収関連ファイナンスならびにサステナブル・ファイナンス・ソリューションを顧客に提供する。

    ・ 「マーケッツ」は、当グループの金利エクスポージャーおよび流動性ポジションを管理する他、為替、金利、クレジット、コモディティおよびデット・キャピタル・マーケットに係るリスク管理サービスを顧客に提供する。

    ・ 「セントラル・ファンクション」は、法人部門およびその周辺事業に対して決済サービスおよびオペレーション・サポートを提供する支援機能で構成されている。

    ニュージーランド

    ニュージーランド部門は、以下の事業ユニットで構成される。

    ・ 「パーソナル」は、あらゆる銀行サービス、ウェルス・マネジメント・サービスを個人およびプライベート・バンキングの顧客に提供する。また、インターネットとアプリベースのデジタル・ソリューションおよび支店網、モーゲージ・スペシャリスト、プライベート・バンカーおよびコンタクト・センターを通じてサービスを提供する。

    ・ 「ビジネスおよび農業」は、デジタル、支店およびコンタクト・センターのチャネルを通じたあらゆる銀行サービス、ならびに専任のマネジャーを通じての従来のリレーションシップ・バンキングおよび高度な金融ソリューションを提供する。これらは、未上場の中小企業および農業事業セグメントを対象としている。

    ・ 「セントラル・ファンクション」には、トレジャリーおよびバックオフィス支援機能が含まれる。

    サンコープ・バンク

    サンコープ・バンク部門は、オーストラリアのリテール、商業、中小企業、農業関連の顧客に対して、銀行業務および関連サービスを提供している。この部門には、財務およびバックオフィス支援機能も含まれる。

    パシフィック

    パシフィック部門は、リテールおよび商業顧客(多国籍企業を含む。)、ならびに太平洋地域(法人部門の一部であるPNGを除く。)の政府に商品・サービスを提供する。

    グループ・センター

    グループ・センター部門は、技術、資産、リスク管理、財務管理、トレジャリー、戦略、マーケティング、人事、コーポレート業務およびシェアホルダー・ファンクションズなど、オペレーティング部門をサポートする。アジアにおける少数持分投資も含まれる。

    (5) 最近の進展

    ANZ2030****戦略

    2025年10月戦略日に、ANZグループは、ANZ2030を発表したが、これはANZグループの直近の優先事項と次の5年間の戦略的焦点を設定したものである。

    以下の情報には、「将来に関する記載」または意見が含まれている。当該情報は、本書の表紙に続く(注)4.の「将来に関する記載」についての留意事項および「第3 事業の状況-3 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性」を考慮して読まれるべきものである。

    ANZグループの戦略では、以下の4つの戦略的支柱に焦点を当てている。

    ・ 顧客第一主義–市場をリードする差別化された優れた提案をもって、ANZグループは、顧客のためあらゆるデジタル的および人的交流の水準を高める。

    ・ 簡素化 –生産性の市場基準を確立するため、ANZグループは、組織の簡素化、非中核資産の売却および効率性の向上を図る。

    ・ レジリエンス –ANZグループは、信頼性、安全性およびリスク管理において業界をリードし、NFR管理の最高水準を保持し、ANZグループの端から端まで説明責任を強化する。

    ・ 価値の提供 –財務実績を持続的に改善するため、ANZグループは、ステークホルダーにとって重要な高収益の成長と成果を提供することで、永続的な価値を創造する。

    直近の5つの重要優先事項

    ANZグループには直近で以下の5つの重要優先事項がある。

    1. ANZグループ新経営陣の定着化

    2. サンコープ・バンクの迅速な統合による価値提供の実現(1)

    3. ANZグループのリテールおよび小規模事業の全顧客に対するANZプラス・デジタル・フロント・エンドの提供の加速(2)

    4. ANZグループの戦略に合致しない取組みを停止しつつ、重複を削減して組織を簡素化すること

    5. NFR管理の強化による顧客成果の向上

    資本

    ANZグループは、以下を含む資本管理施策を実施している。

    1. 自己株式取得-ANZGHLの残額約8億ドルの自己株式取得を中止すること。これによりANZGHLからANZBGLへ約10億ドルの余剰資本を返還することが可能になる(3)。さらに、

    2.  配当再投資計画-今後2回の配当再投資計画におけるANZGHL普通株の取得価格に1.5%の割引を適用することで、その効果は中立化される見込みである(4)。(即ち、配当再投資計画に基づく新株発行を相殺するためにANZGHLが株式を購入することはない。)

    追加情報

    ANZ2030**の2段階

    第1段階は、2026年9月30日終了事業年度および2027年9月30日終了事業年度にわたり、基盤整備のために直近の優先事項を実現することを目的とする。

    ・ 生産性の大幅な向上

    ・ 成長に向けた初期投資

    第2段階は、2027年9月30日終了事業年度後を対象とし、強固な基盤の成果を実現することを目的とする。

    ・ 成長の加速

    ・ 市場を上回る業績

    ANZグループは、2028年9月30日終了事業年度までに費用収益比率の40%台半ばを達成し、これを2030年9月30日終了事業年度まで維持することを目標としている。

    サンコープ・バンクの統合加速

    2022年7月にANZBGLがサンコープ・バンク買収の合意を発表して以来、サンコープ・バンクの顧客預金は19%増加し、同銀行の純貸出・貸付は18%増加した(5)。

    以下はサンコープ・バンクのANZBGLへの移行に向けた今後の道筋である。

    ・ サンコープ・バンクの顧客のANZBGLへの安全かつ確実な移行を2027年6月までに完了予定

    ・ ANZブランドによりサンコープ・バンクの顧客に対してより幅広い商品ラインと拡大したネットワークを提供

    ・ ANZBGLはサンコープ・バンクの買収に関するオーストラリア政府およびクイーンズランド州政府との約束を履行

    以下のことが見込まれている。

    ・ 2029年9月30日終了事業年度からフル稼働時における年間総コスト・シナジー(税引前)は5億ドルと推定されている。これはサンコープ・バンクのコスト・ベースの約50%から55%に相当する。

    ・ 統合コスト(税引前)は7億4,500万ドルと推定されている。

    シナジー、コストもしくはその削減、統合にかかる期間について予想される積極的な成果に関して、期待通りの成果が得られる保証はない。その他の情報については、「第3 事業の状況-3 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性-当グループの事業の活動および業界に関するリスク-8. 買収および売却は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。

    ANZ**プラスの加速的導入

    現在、ANZ、ANZプラス、サンコープ・バンクの各事業には以下の3つの技術的スタックが存在する。

    ・ 3つのデジタル・フロント・エンド

    ・ 3つのミドルウェア・プラットフォーム

    ・ 2つのコア・バンキング・システム

    2027年9月までに、ANZグループは、オーストラリアの全800万のリテール顧客をANZプラス・フロント・エンドに移行させ、以下の新たな優れた単一チャネルの体験を提供することを目標としている。

    ・ 1つのデジタル・フロント・エンド

    ・ 1つのミドルウェア・プラットフォーム

    ・ 1つのコア・バンキング・システム

    2027年の後は、ミドルウェアの再プラットフォーム化と既存レガシー・ミドルウェア・プラットフォームの廃止が予定されている。

    ・ 1つのデジタル・フロント・エンド

    ・ 1つのミドルウェア・プラットフォーム

    ・ 1つのコア・バンキング・システム

    特に示されない限り、上記の財務実績指標はすべてキャッシュベースの利益である。コメント内の各部分の合計は、四捨五入のため総計と一致しない場合がある。

    (1) ANZBGLは、2027年6月までに、サンコープ・バンクの顧客を安全かつ確実にANZBGLへ移行を完了することを目指している。

    (2) ANZプラスは、今後、異なる順序で、より効率的な新たな提供モデルを通じて提供される。ANZBGLは、ANZプラスのフロント・エンド開発を優先し、2027年9月までに、オーストラリアの全800万のリテール顧客について、この新しく優れた単一チャネルの経験にアップグレードすることを目指している。

    (3) 約10億ドルの余剰資本(残額8億2,500万ドルの自己株式取得分および約2億ドルのその他資本を含む。)がANZGHLからANZBGLへ譲渡される。

    (4) 割引の適用および配当再投資計画の中立化を行わない決定は、当該時点におけるANZGHLの資本状況および取締役会による当該期間の配当支払の決定が条件となる。

    (5) 2022年6月30日から2025年6月30日までの期間に基づく。

    (6) 例えば、これはサンコープ・バンクの2024年6月30日終了事業年度における費用の55%に相当する(サンコープ・バンクが当グループの傘下にあったときの年間費用を2ヶ月分換算に基づくが、3,600万ドルのソフトウェアの加速償却費用は除いている。)。

    ANZ****グループ執行委員会への任命

    2025年10月9日、ANZグループ取締役会は、最高経営責任者ヌノ・マトスに報告するグループ執行委員会に3名の新しい上級幹部の任命を発表した。

    ・ 2025年11月17日付でグループ執行役員(オーストラリア・リテール部門)に就任したペドロ・ロデイア

    ・ 2025年12月1日付でグループ最高リスク責任者に就任したクリスティン・パーマー

    ・ 2025年11月24日付でグループ最高情報責任者に就任したドナルド・パトラ

    なお、ステファン・ホワイトは、2025年10月29日付でグループ執行委員会にグループ執行オペレーションとして加わった。上記の事項のほかは、2025年9月30日以降、本書日付までに、重要な進展はない。

    (6) 監督および規制

    主要な銀行グループとして、当グループ(ANZBGLグループおよびその各子会社)は、事業を行う各主要市場において規制当局および証券取引所による広範な規制の対象となっている。当グループは、ANZグループ(ANZGHLおよびその各子会社)の一部である。ANZGHLは、銀行法に基づきオーストラリアのオーストラリア健全性規制庁(「APRA」)の認可を受けた純粋持株会社(「認可NOHC」)であり、ANZグループの上場親会社である。本項は、オーストラリア、ニュージーランドおよび米国における当グループならびにANZグループの規制および監督の概要を示す。本書で記載される場合を除き、「(6)監督および規制」の項の記載情報は当グループに関するものである。

    概要

    APRA

    ANZBGLおよびANZGHLは、APRAの規制対象事業者であり、銀行法およびAPRAの健全性基準および報告基準上の義務を負う。

    APRAによるANZグループに対する規制の概要は以下のとおりである。

    ・ ANZGHL:認可NOHCである。ANZGHLは、APRAが2022年10月4日に公表した「ADI2022のNOHCの権限」と題された立法書類に記載されている認可条件(特定の資本要件を含む。)を遵守することが求められる。APRAは、適切と判断した場合、いつでも認可NOHCの条件を検討し変更する権限を有する。ANZGHLは、認可NOHCとして、銀行法およびAPRAの健全性基準に基づく規制にも服する。レベル3のグループの最上位の法人としては、ANZグループ(ANZ銀行グループおよびANZ非銀行グループの関連メンバーを含む。)全体に、APRAの一定の健全性基準が適切に適用されることを確保することが要求される。

    ・ ANZ銀行グループ:銀行業務を行うANZグループの事業体(ANZBGL、サンコープ・バンク、ANZバンク・ニュージーランドおよびその他の当グループの事業体を含む。)を含む。ANZGHLとサンコープ・バンクは、APRAによる認可を受けた公認預金受入機関(ADI)であり、ANZ銀行グループは、自己資本比率や流動性に関する基準など、ADIにかかるAPRAの健全性基準や報告基準全般の適用を受ける。ANZBGLおよびサンコープ・バンクを含むANZ銀行グループに適用のあるAPRAの役割についてより詳しい情報については、下記の「オーストラリア」の項を参照のこと。

    ・ ANZ非銀行グループ:ANZグループのうち、ANZ銀行グループ以外の事業体で構成される。銀行法に基づくAPRAによる認可NOHCとしてのANZGHLの認可に関する要件に従うことを条件としつつ、かかる事業体には、ANZBGLに現在適用のある銀行の自己資本比率規制や流動性規制といったADI特有の規制は適用されない。前記のとおり、ANZGHLは、APRAの特定の要求による場合またはANZグループやその顧客を保護するために適切であるとANZGHLが判断した場合、ANZ非銀行グループの関連メンバーも含め、APRAの一定の健全性基準をANZグループ全体に適切に適用することが求められる。

    ANZGHLは、ANZ銀行グループとANZ非銀行グループの両方を含むANZグループ全体のリスクを反映した十分な資本を保有することが要求される。ANZBGLに適用される所要自己資本を含め、ANZ銀行グループの所要自己資本は、現行のAPRAの要件によって決定される。

    RBNZ

    ANZBGLおよびANZバンク・ニュージーランド(またはANZバンク・ニュージーランドの子会社)に対するRBNZの規制については下記の「オーストラリア」および「ニュージーランド」の項を参照のこと。

    その他

    多くのその他の規制当局がANZグループ(ANZ銀行グループおよびANZ非銀行グループの両方を含む。)に対する監督および規制を継続する。オーストラリアでは、これらの規制当局には以下のものが含まれる。

    ・ オーストラリア証券投資委員会(「ASIC」) - 会社、財務サービス、消費者金融および証券の事項に関連するもの

    ・ オーストラリア競争消費者委員会(「ACCC」) - 競争、公正取引および消費者保護の事項に関連するもの

    ・ オーストラリア取引報告分析センター (「AUSTRAC」)- マネーロンダリング防止およびテロ資金対策法に関連するもの

    ・ オーストラリア情報コミッショナー事務局(「OAIC」) - 情報法に関するプライバシーおよび自由に関連するもの

    米国では、これらの規制当局には米国連邦準備制度および通貨監督庁が含まれる。

    オーストラリア

    健全性および規制の監督

    APRAの監督上の役割

    1998年7月1日以降、APRAが、(銀行(ANZBGLを含む。)、信用組合、ビルディング・ソサイエティ、保険会社および退職年金基金を含む)オーストラリアのADIの健全性および規制の監督に責任を持っている。それ以前は、オーストラリアの銀行業界はオーストラリア準備銀行(「RBA」)による規制を受けていた。RBAは、引き続き金融政策、金融システムの安定性および支払システムの規制に対して全体的な責任を持つ。APRAは1998年オーストラリア健全性規制庁法によりその権限を付与されている。APRAは、認可NOHC(ANZGHLを含む。)のような様々な規制対象事業体の健全性規制および監督についての責任も負っている。

    APRAはADIに、様々なAPRAの健全性基準の範囲内の一定の健全性要件を満たすよう要求する。

    APRAは、その監督下にあるADIに、財務状態についての財務上および統計上のデータならびに健全性およびその他事項に関する情報を含む広範囲な情報を記載した報告を定期的に提供するよう要求することによりその責任の一部を果たしている。APRAは、自己資本比率、流動性、利益、信用の質および関連する貸付損失の履歴、リスクの集中、資産および負債の満期構成、オペレーショナル・リスク、市場リスク、銀行勘定における金利リスク(「IRRBB」)、関連会社に対するエクスポージャー、資産運用、ガバナンス、報酬、オペレーションのレジリエンス、回復と解決の計画、監査およびその他の関連事項、証券化業務、ならびに国際銀行業務に特別な注意を払っている。APRAはまた、ADIがその財務状態についての情報の提供を怠った場合、一定の調査権限を行使することもできる。

    APRAは、その監督の役割を果たすため、各ADIから収集したデータの分析を、通常のレビューおよび的を絞ったレビューならびにADIの上級経営陣およびADIの外部監査人との正式な会議の双方により補完する。APRAはまた、ADIの同意を得て各ADIの外部監査人との関係を正式のものとした。外部監査人は、ADIの会計記録から得られた情報で、ADIのAPRA報告に含まれているものが、すべての重要な点において、信頼でき、関連するAPRAの健全性および報告基準に従っていることをAPRAに対して追加保証する。外部監査人はまた、APRAとの協議の結果として、特定のリスク管理分野を対象としたレビューを行うことができる。さらに、ADIの取締役会は、適用のある健全性基準で指定される様式により、ADIのリスク管理に関してAPRAに対して年次宣言書を提出しなければならない。

    APRAが、ADIが債務不履行に陥る可能性があるまたは(その他の状況の中でも)支払い停止に陥る可能性があるとみなした場合、APRAは(銀行法上の法定支配人の任命を含め、)ADIの事業を管理することができる。APRAはまた、ADIがその債務に関して支払いを行わないよう指示する権限を有する。加えて、APRAは、1999年オーストラリア金融部門法(譲渡および条件緩和)の下で、一部もしくはすべてのADIの資産および負債またはその株式を、APRAが指定する第三者(すべての場合にADIであることは必要とされない。)に強制譲渡させる権限も有する。大まかに言えば、APRAは、オーストラリアにおける担当大臣が譲渡すべきであると宣明した場合、または銀行法、規制もしくは規制上の措置への違反があり、もしくはADIが債務不履行に陥る可能性が高い旨もしくは支払い停止に陥りそうである旨をAPRAに対して通知し、一定の他の基準に適合するとAPRAが認める場合(金融部門全体の利益を考慮すれば譲渡が適切であるとAPRAが認める場合を含む。)などに、かかる強制譲渡をさせることができる。ADIとの契約の相手方は、ADIへの債務の否定のため、または当該契約に基づく債務の繰上げのため、当該契約に関する取引の終了のため、もしくは当該契約に基づく担保の実行の根拠として、銀行法上の法定支配人がADIの事業を管理しているという事実または指示もしくは強制譲渡命令のみに依拠することはできない。

    その他のオーストラリアの規制

    APRAならびにその健全性および規制の監督に加えて、ANZBGLおよびそのオーストラリアの子会社はいくつかの点においてASIC、ACCC、AUSTRAC、OAICおよび様々な証券取引所を含むその他の監督機関による監督および規制を受けている。

    ASICはオーストラリアにおける会社、市場、金融サービスおよび消費者信用の監督機関である。ASICは投資、退職年金、保険、預金受入および信用の取扱および助言を行うオーストラリアの会社、金融市場、金融サービス機関および専門家に対する規制を行っている。ASICは、消費者信用の監督機関として、消費者信用業務に従事する人々および企業(銀行、信用組合、金融会社ならびにモーゲージ・ブローカーおよび金融ブローカーを含む。)に対してライセンスを付与し、規制を行っている。ASICは、オーストラリアの2009年国家消費者信用保護法が定める消費者に対する責任についての要求基準等にライセンスが適合することを確保する。ASCIは、金融市場の監督機関として、公認の金融市場が公平で秩序および透明性のある市場を運営する法的義務をいかに効果的に遵守しているかについて調査している。2010年8月1日より、ASICは、オーストラリア国内の認可されたエクイティ市場、デリバティブ市場および先物市場における取引を監督する責任も有している。ASICは、金融サービスの監督機関として、金融サービス企業に対し、それらが効果的で誠実かつ公平な運営を行うことを確保するために、ライセンスを付与し、監視を行っている。それらの企業は、概して、退職年金、管理されたファンド、株式および社債、デリバティブならびに保険を取り扱っている。ANZBGLはASICが監督する市場に商品を提供し、また参加している。

    ACCCは、消費者、企業および社会に便益をもたらすべく、オーストラリアの市場における競争および公正取引を促進する独立した連邦法定機関である。同機関はまた、いくつかの国家のインフラ・サービスを監督する。その主要な任務は、個人および当グループを含む企業が、オーストラリアの競争、公正取引および消費者保護法を遵守することを確保することである。

    AUSTRACは、オーストラリアの金融情報機関であり、マネーロンダリング防止およびテロ資金対策の規制当局でもある。2006年オーストラリアマネーロンダリング防止およびテロ資金対策法(「AML/CFT法」)を含むオーストラリア法に基づき、一定のマネーロンダリング防止およびテロ資金対策の法規制を遵守する義務を負っている。AML/CFT法は、AUSTRACにより運用されている。

    OAICは、オーストラリア司法長官の所掌する独立機関である。OAICの主な役割は、プライバシー、情報公開および政府の情報政策であり、調査の実施、決定の見直し、不服の処理ならびに指導および助言の提供などを担当する。

    適用法令(マネーロンダリング防止、内部告発、銀行業および健全性にかかる法令規則を含むがこれらに限定されない)の下でまたはこれらに関連して、秘密保持義務が随時適用されうる。かかる秘密保持義務の対象となる情報は公に開示されない。

    自己資本および流動性

    自己資本

    銀行の自己資本規制の適切な水準を決定する共通の枠組みは、一般に「バーゼル3」として知られる枠組みに基づいてバーゼル銀行監督委員会により設定される。

    バーゼル合意の第1の柱に基づく最低自己資本要件(「自己資本要件」)を計算するために、当グループは、APRAより、信用リスク加重資産について先進的内部格付手法を使用し、およびオペレーショナル・リスク加重資産についてAPS第115号自己資本規制:オペレーショナル・リスクの標準的計測手法(「APS第115号」)を使用する認可を受けている。

    APRAは、オーストラリアにおいてバーゼル3自己資本改革の大部分を採用した。APRAはバーゼル3改正を最低要件とみなし、そのためバーゼル3規則で提案された譲歩のいくつかを組み込まず、他の分野でより高度な要件も定めている。その結果、オーストラリアの銀行のバーゼル3で報告される自己資本比率は、国際的な同業他社と直接的には比較できない。APRAのバーゼル3改正は、普通株式等Tier1(「CET1」)資本からの資本控除の増額、自己資本比率の引上げ(2023年1月1日から全面的に実施される規定最低資本バッファーを含む。)、新規のその他Tier1(「AT1」)およびTier2証券についての要件の厳格化ならびに新規制に合致しない既存のその他Tier1およびTier2証券の移行措置を含む。

    自己資本規制の動向に関する詳細については、下記「規制上の動向-自己資本および流動性」を参照のこと。

    流動性

    ANZBGLの流動性および資金調達リスクは、ANZBGLの取締役会により承認された詳細な方針枠組により管理されている。流動性および資金調達ポジションならびにリスクの管理は、グループ資産負債委員会によって監督されている。ANZBGLの流動性リスク選好は、ANZBGLの取締役会が義務付けた一連の規制上の要件および内部の流動性指標を満たす能力で定義される。指標は、異なるデュレーションおよび深刻度水準の様々なシナリオに渡る。この枠組みは以下に役立つ。

    ・ より短期だがより極端な市場の混乱およびストレスに対して保護を提供する。

    ・ 適切な額の長期資産の調達をより長期の資金調達にすることで、貸借対照表の構造的な強さを維持する。

    ・ 当グループの資金調達プロファイルに過度の時期の集中が存在しないことを確保する。

    この枠組みの主要な要素は、流動性カバレッジ比率(「LCR」)である。LCRは、APRAを含む銀行規制当局によって義務付けられる深刻な短期の流動性ストレス・シナリオであり、流動性リスクの測定、基準およびモニタリングのためのバーゼル3国際的枠組みの一部として導入された。

    さらに、当グループは、2018年1月1日の導入時より、APRAの安定調達比率(「NSFR」)の要件を遵守している。2025年9月30日において、当グループのレベル2NSFRは115%であった(2024年9月30日は116%)。ANZBGLは、APRAのAPS第210号流動性(「APS第210号」)が要求する流動性および資金調達リスクに関する健全性義務、ならびにANZBGLのオフショア業務に係る海外規制当局の健全性要件を厳守することに努める。

    APRAの規制における自己資本管理および流動性

    当グループの自己資本管理および流動性に関する詳細については、「第3 事業の状況-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-G.流動性および資本資源-(1)流動性」から「(4)レバレッジ比率」までを参照のこと。

    金融説明責任体制

    オーストラリアの2023年金融説明責任体制法(「FAR法」)は、APRAの規制対象である銀行業、保険業および退職年金事業を行う一定の事業者、ならびに当該事業者において一定の地位または責任を有する人員の説明責任のフレームワーク(「金融説明責任体制」または「FAR」)を設定するものである。FAR法は、FARの目的上「説明責任を負う主体」の定義に該当るしFARによって直接規制され様々なタイプの主体に適用される。

    FARは、以下の説明責任を負う主体に適用される。

    ・ ANZGHL(ADIの認可NOHCとして)

    ・ ANZBGL(ADIとして)

    ・ サンコープ・バンク(ADIとして)

    ・ ANZレンダーズ・モーゲージ・インシュランス・ピーティーワイ.リミテッド(保険会社として)

    ・ ANZスタッフ・スーパーアニュエーション(オーストラリア)ピーティーワイ.リミテッド(登録可能な年金機関免許保有者として)

    FARは、APRAとASICにより共同で執行されるものである。

    FARでは、上位役員および取締役を含む、説明責任を負う主体およびその一定の人員は、説明責任の義務を負い、その影響を受ける。例えば、FARは、説明責任を負う主体が、とりわけ下記を実施することを要求する。

    ・ 説明責任を負う主体としての自社および説明責任を負う主体の事業や活動に重要かつ実質的に影響を与える子会社(「重要な関連主体」)の説明責任者を特定し、登録すること

    ・ APRAおよびASIC に対し、重要な関連主体ならびにすべての説明責任者の氏名、責任および報告系統を明確に示す説明責任マップを提供すること

    ・ 以下を実施するための合理的な措置を講じること

    ・ 適切な技能、注意および精励をもって、誠実かつ真摯にその業務を行うこと

    ・ オープンで建設的、協力的な方法で、APRAとASICと取引すること

    ・ 健全な地位または健全な評判に悪影響が及ぶことを防止すること

    ・ その説明責任者が上記の行為基準を満たし、適用のある法律を遵守するための合理的な措置を講じることを確保すること、ならびに

    ・ 重要な関連事業者(もしあれば)が、説明責任を負う主体と同様にFARを遵守することを確保すること

    ・ 一定の事項を定め、説明責任者の説明責任の不履行により説明責任者の変動報酬の一部が減額される場合にその減額額が支払われないことまたはその他の方法で移転されないことを保証する報酬の方針を導入していること

    ・ 自社または自社もしくは重要な関連主体の説明責任者が一つ以上の説明責任を遵守していないと信じるに足る合理的な根拠がある場合、APRAおよびASICに通知すること

    説明責任を負う主体は、それぞれのFARの義務を遵守しなかった場合、多額の罰金を課される可能性がある。説明責任者が説明責任を果たさない場合、APRAとASICは、裁判所の命令なしに上級役員または取締役としての資格を剥奪する権限を与えられている(ただし、FARに従った行政審査の権利の対象となる)。

    危機管理

    銀行法の下では、APRAは、規制対象法人(およびその子会社と持株会社の一部)の経営難の際に秩序ある破綻処理を促進する権限を保有している。当グループに影響を与える可能性がある権限には、ANZBGLおよびその他のANZグループの法人(ANZGHLを含む。)との関係での監視、管理および監督権限が含まれる。銀行法には、ANZグループ内の規制対象法人(ANZGHLを含む。)に対する法定管理権限の強化、ならびに規制された資本商品の転換または償却を法的に認めるための条項(「法定転換および償却条項」)が含まれる。

    法定転換および償却条項は、一定の金融セクターの事業体(ADIを含み、ANZBGLもその1つである。)が発行した規制された資本商品に関して適用され、APRA健全性基準に適合するための転換または償却条項を含む。ある商品に法定転換および償却条項が適用された場合、当該商品はその条項に従って転換されうる。これは、いかなる(特定の法律の他、現時点では、ある者がオーストラリアの企業または金融セクターの事業体の持分利益を取得する能力に関する法律以外の)法令、発行者もしくは当該商品の転換先事業体の定款、発行者もしくは当該商品の転換先事業体が当事者となっている契約、ならびに当該商品に適用のある上場規則、業務規則またはクリアリングおよび決済規則にかかわらずそうなる。加えて、銀行法には、法定転換および償却条項の運用に関する理由による一定の措置(義務の否定、債務の繰上げ、取引の終了、担保の実行など)のモラトリアムが定められている。

    規制上の動向-自己資本および流動性

    RBNZの自己資本要件

    RBNZは、ニュージーランド国内で設立、登録された銀行に適用のある自己資本要件を改定し、2025年の当該要件のレビューを実行している。RBNZの自己資本要件の変更およびRBNZによる当該変更のレビューの当グループへの財務的影響は、現時点では不明確である。さらなる情報については「第3 事業の状況-3 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性-法的規制リスク-15.規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    APRA自己資本規制

    APRAは、2023年1月1日、ADIに対する自己資本十分性および信用リスクに関する更新後の要件(自己資本改革)を実施し、さらに2024年6月に改正を行った。

    2024年7月、APRAは2025年10月からの実施に向けたIRRBB基準の最終版を公表した。ANZBGLは、2025年9月にAPRAから更新後のIRRBB基準モデルの承認を取得し、2025年10がから当該更新後のモデルを実施している。更新後のIRRBB基準の影響により、IRRBBリスク加重資産(「RWA」)がわずかばかり低減すると予想されている。

     さらにAPRAは、市場リスクおよびカウンターパーティー信用リスクなど、残された多数の健全性基準の修正について協議と最終化の作業を継続している。APRAがまだ最終化していない項目が複数あることを前提とすれば、ADIの自己資本フレームワークの見直しに関連して行ったAPRA健全性基準へのすべての変更による総合的な最終結果は、依然として不明である。

    APRAの総損失吸収力要件

    2021年12月2日、APRAは、ANZBGLを含むオーストラリアの国内のシステム上重要な銀行(「オーストラリアのD-SIB」)の損失吸収力に関する要件を最終化し、これはオーストラリアのD-SIBに対し、2026年1月1日までに最低自己資本合計をRWAの4.5%引き上げるよう要求している。AT1資本(下記の「APRAのオーストラリアにおけるその他Tier1(AT1)資本に対するアプローチ」を指す。)に対するAPRAのアプローチによる自己資本要件の変更を除くと、総Tier2資本要件は6.5%に増加する。APRAは、主にその他Tier2資本によってこの要件が充足され、上位の資金調達において相当額の減少があると予想している。追加の所要自己資本合計額は、2026年1月1日から当グループの実際のRWAに基づいて決定される。

    APRAオーストラリアにおけるその他Tier1(AT1)資本に対するアプローチ

    2024年12月に、APRAは、危機時における銀行資本の簡素化と有効性の改善を図るため、2027年1月1日からAT1資本商品の使用を段階的に廃止することを確認した。APRAは、2025年12月に、AT1資本商品の除外を実施し、かつ当該除外の影響を取り扱うために銀行の健全性枠組みに加える技術的変更を完了した。協議文書に規定されていたように、当グループのような国際的に活動する大規模な銀行で、信用リスク資本要件に対する内部格付に基づくアプローチの使用についてAPRAの承認を受けた銀行(「先進的な」銀行)には、以下のことが要求される。

    ・ AT1資本1.5%という現行の要件を、CET1資本0.25%およびTier2資本1.25%に置き換えること

    ・ CET1資本要件の下限を4.5%から6.0%に引き上げるが、資本保全バッファー(CCB)の先進的な部分1.25%を削除すること

    ・ APRAのバッファーを含む、資本要件の下限総額を18.25%(全損失吸収力(TLAC)要件を含む。)に据え置くこと

    ・ Tier2要件(TLACを含む。)を6.5%から7.75%に引き上げること

    さらに、APRAは、レバレッジ比率、APS第222号「関連事業体の関与」(「APS第222号」)に関連する事業体エクスポージャー、APS第221号「大口エクスポージャー」(「APS第221号」)およびトランス・タスマンの資金調達を含む、エクスポージャーの制限に関して、Tier1資本への参照をCET1資本に置き換え、かつ、2027年1月1日を効力発生日として最低レバレッジ比率を3.50%から3.25%に0.25%削減することとした。当該変更によれば、当グループの上記指標に基づくエクスポージャー分の資金調達力は低下する見込みであるが、当グループへの影響はかかる指標下での実施日現在の資金調達能力に依存することとなる。APRAの協議文書には、APS第222号に関連する事業体エクスポージャー、APS第221号またはトランス・タスマン資金調達にかかる変更の影響を受けるADIは、APRAと調整の可能性について協議できる旨が記載されている。

    より詳細な情報については、「第3 事業の状況-2 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性-法的および規制上のリスク-15.規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」ならびに「第3 事業の状況-2 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性-当グループの財政状態に関するリスク-12.流動性および資金調達リスクに関する事象は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    ANZBGLが財政支援を提供する能力の制限

    APRA**健全性基準による効果

    APRAが課す現在または将来の要件は、ANZBGLの事業、業績、流動性、資本の源泉または財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。

    APS第222号は、ANZBGLを含むオーストラリアのADIが遵守すべき最低要件を設定している。APS第222号の主な要件は、ADIが関連会社との関連性および取引について規定する取締役会が承認した方針を有すること、ADIと関連会社およびステップイン・リスク対象事業体間の潜在的な伝染リスクを特定・監視・管理・統制すること、関連会社およびステップイン・リスク対象事業体との取引で健全性について懸念を生じさせる可能性のあるものについて最低限の要件を満たすこと、ならびに関連会社へのエクスポージャーを制限内に維持することである。

    APS第222号の下で、ANZBGLが関連会社(ANZバンク・ニュージーランドおよびサンコープ・バンクを含む。)に財政支援を提供する能力は以下の制限に服する。

    ・ ANZBGLは、関連会社の事業の支援を目的とするいかなる非関連会社との取引も行ってはならず、

    ・ ANZBGLは、関連会社への支援を提供してはならず、また関連団体からの支援を受け入れてはならない。ただし、当該支援が法的文書に明確に規定され、時期及び金額が確定しており、かつANZBGLの方針及びAPS第222号の第13項から第17項に定める健全性要件に適合する場合を除く。かかる要件には以下のものが含まれるが、これらに限られない。

    (i)  関連会社に対して、合計または個別の会社レベルのいずれにおいても、特定の時間または金額による限定がない無制限のエクスポージャーを持ってはならない。

    (ii) 関連会社の債務不履行(財務的な債務であるか否かを問わない。)がANZBGLの債務不履行を引き起こすかまたは引き起こすとみなされる内容のクロス・デフォルト条項に合意してはならない。

    ・ ANZBGLは、関連会社から資産を購入する場合、または関連会社が発行する証券その他の負債商品を購入する場合、もしくは関連会社に対して資産や証券を売却する場合、これらの活動がANZBGLによる当該関連会社への資本支援を構成しないことを、要求に応じてAPRAを納得させなければならない。

    ・ 自己資本から除かれるエクスポージャーを控除後のANZBGLのレベル1Tier1のエクスポージャーの水準は、以下を超えてはならない。

    (i)  ANZバンク・ニュージーランドもしくはサンコープ・バンクなどの関連ADIもしくは同等の事業体に対し、個々のエクスポージャーベースで25%、またはすべての関連ADIもしくは同等の事業体に対するエクスポージャー合計で75%、ならびに

    (ii) その他の関連会社に対し、

    ⅰ 規制された関連会社の場合、個々のエクスポージャーベースで25%、または

    ⅱ その他の(規制されていない)関連会社の場合、個々のエクスポージャーベースで15%、および

    ⅲ すべての非ADIまたは同等の関連会社に対するエクスポージャー合計で35%

    2025年9月30日時点のANZBGLのANZバンク・ニュージーランドに対するエクスポージャーは、APS第222号の上限を遵守したものとなっている。

    加えて、APRAは、2021年1月1日からは、ANZBGLの通常時におけるニュージーランド業務(ANZバンク・ニュージーランドなどのニュージーランドにおいて設立された子会社およびANZBGLのニュージーランド支店を含む。)への非株式等エクスポージャーを、ANZBGLのレベル1のTier1資本基盤に対する比率で5%以下に収めることができることを確認した。この上限は、資本商品の保有または金融ストレス時にANZバンク・ニュージーランドおよびその子会社(ANZバンク・ニュージーランドとその子会社を総称して「ANZバンク・ニュージーランド・グループ」)に対して提供される適格担保付きの偶発的な資金調達の支援を含まない。

    APRAはまた、金融ストレス時におけるANZBGLによるANZバンク・ニュージーランドへの偶発的な資金調達の支援は、APRAが承認可能な条件に基づいて提供されなければならないことを確認した。現在、カバード・ボンドのみが偶発的な資金調達に係るAPRAの基準に該当している。APRAはまた、ANZBGLのニュージーランド業務に対するエクスポージャー合計は、ANZBGLのレベル1のTier1資本基盤の50%を超えてはならないことを要求する。

    レベル3枠組みによる効果

    加えて、特にグループ・ガバナンスおよびリスク・エクスポージャーに関連するAPRAのレベル3枠組みは、当グループが子会社(ANZバンク・ニュージーランドおよびサンコープ・バンクを含む。)に対する財務上および業務上のエクスポージャーを制限しなければならないことを要求する。

    子会社に対するエクスポージャーの許容水準を定めるに当たり、ANZBGLの取締役会は以下を考慮する。

    (a) 信用度が概ね同等である第三者について承認されるであろうエクスポージャー、および

    (b) ANZBGLの自己資本ポジションおよび流動性ポジションに対する潜在的な影響、ならびに子会社が破綻した場合にも営業を継続できるANZBGLの能力

    これらの要件は、ANZBGLがANZバンク・ニュージーランドおよびサンコープ・バンクを含む子会社に対して財務上または業務上の支援を提供する能力にさらなる制限を課すとは予想されていない。

    規制上の動向-その他

    執行可能なNFR管理の約束

    2025年4月3日、当グループは、グループ全体のNFR管理の慣行およびリスク文化に関する事項について、APRAとの間で、裁判所で執行可能な約束(「CEU」)を締結したことを発表し、追加のオペレーショナル・リスク資本の上乗せとして2億5,000万豪ドルを受け入れた。より詳細な情報については、「第6 経理の状況-1 財務書類-注記31.コミットメント、偶発債務および偶発資産」を参照のこと。

    住宅モーゲージ貸付実務

    APRAは、住宅モーゲージ貸付実務を厳しく監視し、また銀行業界全体での住宅モーゲージ貸付基準の強化を狙いとした数々の手段をとっている。

    APRAが概要を示した最低金利バッファーは、住宅ローン申請にかかる実行性を評価する際に、ローンの金利に追加されるものとして最低3%のバッファーを使用することをADIに要求するものである。APRAは、ADIに対して、ADIは以下の類型の貸付に該当する貸付の程度を制限する能力を有しなければならない旨通知した。

    (a) 返済負担率が4倍または6倍以上の貸付

    (b) 貸出金比率が80%または90%以上の貸付

    (c) 投資目的の貸付

    (d) 利息のみの貸付

    (e) (a)から(d)のいずれか2つを組合せによる貸付

    2025年11月27日、APRAは、ADIに対して、2026年2月1日からのこととして、以下を指導した。

    ・ 返済負担率が6倍超の持ち家居住者向け住宅モーゲージ貸付は、ADIの新しい持ち家居住者向け住宅モーゲージ貸付の20%を超えないこと

    ・ 返済負担率が6倍超の投資家向け住宅モーゲージ貸付は、ADIの新しい投資家向け住宅モーゲージ貸付の20%を超えないこと

    持ち家居住者向け繋ぎ融資および新居の購入もしくは建築のためのローンは、APRAの新しい返済負担率制限の対象外である。

    住宅モーゲージ・ローンの分類の変更

    ANZBGLの住宅モーゲージ・ローンの現行の分類は一般に、監督機関および市場に報告している通り、顧客から提供される情報または顧客が事後的にローンの変更を申請する際に提供される情報に基づき、ローンの組成の過程(すなわち、与信申請、審査および貸付実行)で決定されている。

    住宅用モーゲージ・ローンの分類は、以下を理由に変更される可能性がある。

    ・ 組成段階での誤分類:組成段階で顧客が自己の身上についてANZBGLに誤った情報を通知する範囲で、ローンは誤って分類されるリスクがあり、かかるローンは再分類される可能性がある。

    ・ 顧客の状況の変化:与えられた分類の継続的な妥当性は、顧客が自己の状況の変化についてANZBGLに情報を通知する義務、および顧客から提供される情報を独自に検証するANZBGLの能力に依存する。顧客が自己の状況の変化を通知する範囲で、またはANZBGLがその検証プロセスに基づきその旨を決定する場合において、ローンは再分類される可能性がある。

    ・ 規制その他の変更:ローンの分類基準およびその解釈は、1または複数の報告上の目的により変更される可能性があり、このことは一定のローンの分類に影響を及ぼす可能性がある。

    ・ ANZBGLのシステムおよびプロセスの変更

    ローンの誤分類または再分類は、持ち家居住者向けの不動産担保ローンがより金利の高い投資用不動産ローンに再分類されるなどの場合において、顧客の返済義務を履行する能力に影響を及ぼす可能性がある。顧客が再分類後のローンの返済義務を履行する能力を欠けば、かかるローンにつき債務不履行を生じるリスクが増す可能性があり、このことは当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    その他

    当グループにもたらされるリスクも含む規制上の動向に関する詳細については、下記「第3 事業の状況-3 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性-法的および規制上のリスク-15.規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    ニュージーランド

    RBNZ****の監督の役割

    1989年銀行健全性監督法(「BPS法」)は、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が以下の目的で、銀行登録および登録銀行(ANZバンク・ニュージーランドを含む。)の健全性監督の権限を行使することを求めている。

    ・ 健全で効率的な金融システムの維持を推進する。

    ・ 登録銀行の破綻から生じる可能性のある金融システムへの重大な損害を防止する。

    RBNZの監督的役割の主要な要素は以下を含む。

    ・ すべての銀行が一定の健全性最低要件を遵守することを求め、これは登録条件を通じて適用される。これらは、関連当事者エクスポージャーに対する制約、最低自己資本比率要件および流動性リスク管理最低基準を含み、以下にさらに詳細に記載される。

    ・ 各登録銀行の財務状況および登録条件遵守を、主に公表される半期開示書類およびRBNZに対して非公開で提出される月次報告書に基づいて監視する。この監視は、RBNZが各銀行および銀行業界全体の財務状況に引き続き精通し、必要となった場合危機管理の権限を行使する準備状態を維持することを確実にするよう意図されている。

    ・ 登録銀行の上級経営陣と協議する。

    ・ BPS法に基づいて利用可能な危機管理の権限を用いて、銀行の経営難または破綻の状況が金融システムの健全性を脅かしている場合介入する。

    ・ 銀行が健全に業務を行っているかを査定する。

    ・ マネーロンダリング防止および対テロ資金要件係る指針を発行し銀行による遵守を監視する。

    ・ 銀行の外部委託契約を、外部委託に関連する登録銀行のリスクが適切に管理されているかを判断するために監視する。

    ・ 銀行の内部自己資本十分性プロセスおよび流動性方針に係る指針を発表する。

    ・ コーポレート・ガバナンスに係る指針を発表する。

    ・ 銀行特有の問題、政策問題ならびにニュージーランドおよび親銀行が所在する国々での金融システムの状況に関連する一般事項に関して親銀行の監督機関(オーストラリアのAPRA等)との密接な業務関係を維持する。

    登録銀行は、半期ごとに、包括的な詳細情報ならびに、通年については完全な財務書類、半期については未監査の半期財務書類を含む開示書類を発行することを求められる。財務書類は、各会計年度末には全面的な外部監査の対象となり、各半期末には限定された範囲のレビュー対象となる。各銀行取締役は、開示書類において、一定の声明と保証を行わなければならない。銀行およびその取締役は、銀行の開示書類中の情報が虚偽または誤解を招くものであることが発覚した場合、刑事上および民事上の罰則を課せられる可能性がある。

    RBNZは、登録銀行の主要な情報の四半期ごとの「ダッシュボード」をそのウェブサイトで公表している。ダッシュボードは、公衆および市場参加者が登録銀行の財務力およびリスク・プロファイルに関する情報を理解し、当該情報に基づいて行動する能力の向上を目指している。情報は、銀行がRBNZに非公開で行う報告に基づく。ダッシュボードで公表されたANZバンク・ニュージーランド・グループに関する情報は、本書の参照情報ではなく本書の一部を構成しない。場合によっては、それらの情報は、ANZバンク・ニュージーランドの連結財務書類中の表示とは異なる分類または表示がなされている。

    ニュージーランドで設立された銀行(ANZバンク・ニュージーランドを含む。)は、ニュージーランドの状況を反映して修正されたバーゼル3自己資本比率要件を遵守することを求められる。2025年7月1日から、RBNZはまた、ANZバンク・ニュージーランドを含む国内のシステム上重要な銀行の大半に、最低自己資本比率をRWAの5.5%上回るCET1健全性資本バッファーを維持することを求められており、これに従わない銀行は販売を制限されることになる。この健全性資本バッファーは、2028年7月までに、RWAの9%まで段階的に引き上げられることが計画されていたが、これはRBNZによる主要自己資本要件設定のレビューの結果により変更される可能性がある。詳細については、下記「ニュージーランドの規制上の動向-銀行の自己資本要件」を参照のこと。

    ニュージーランドで設立された銀行(ANZバンク・ニュージーランドを含む。)は、RBNZの流動性方針(「BS13」)を遵守することが求められる。BS13は、銀行の資金調達のうち少なくとも最低限の割合が顧客預金、期限付ホールセール資金調達およびTier1資本によって満たされることを確保し、ニュージーランドで設立された銀行として75%の最低コア資金調達比率(「CFR」)を満たすことを要求している。

    RBNZは、すべての登録銀行に対し、承認された機関からの信用格付を取得および維持し、かかる格付を開示書類で公表することも求めている。

    さらに、RBNZは、その監督機能に関連して、さらなる情報、データおよび見通しを取得し、ならびにかかる情報、データおよび見通しを監査させる広範な権限を有している。

    RBNZはまた、いくつかの危機管理権限も有している。これらの権限には、銀行登録の取消勧告、登録銀行の業務の調査、登録銀行のRBNZとの協議の要求、登録銀行への命令、登録銀行の取締役の解任、交替もしくは指名、または登録銀行を法定管理下に置く勧告が含まれる。

    登録銀行が法定管理対象になると宣言された場合、いかなる者も、特に以下の行為をしてはならない。

    ・ 銀行に対する反訴による手続きを含む、訴訟またはその他手続きを開始すること、または継続すること。

    ・ 執行命令を出すこと、債務を差し押さえること、または当該銀行に関して得られた判決および命令を執行し、もしくは執行することを求めること。

    ・ 当該銀行を清算する手段を講じること。

    ・ 当該銀行に対して相殺権を行使すること。

    RBNZの監督権限の一環として、ある者が登録銀行への「重要な影響力」を獲得するまたは増大する結果となる取引を生じさせる前に、その者はRBNZの書面による同意を取得する必要がある。「重要な影響力」とは、登録銀行の取締役会の25%以上を指名する能力またはその議決権株式の10%以上の適格持分(例えば、法的または受益所有権)を意味する。

    ニュージーランドの規制上の動向

    銀行の自己資本要件

    2019年、RBNZは、ニュージーランド国内で設立登録された銀行に適用される自己資本要件を改定することを決定した。改定後の要件の実施は2021年から進行中であり、ANZバンク・ニュージーランド・グループが保有すべき資本の大幅な増加が要求されている。追加の増加の要求が2028年7月まで段階的に実施される見込みであったが、RBNZが銀行向け主要資本要件のレビュー行っているため、そのままは実施されない可能性がある。RBNZは、2025年末までに最終決定を行う意向を表明しており、実施スケジュールは2026年暦年の第1四半期に発表される予定である。「第3 事業の状況-3 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性-法的および規制上のリスク-15.規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    BPS法の代替

    1989年から、銀行の健全性監督規制は、BPS法に基づいて行われてきた。

    しかしながら、BPS法については、2つの別個の法制により代替する手続が進行中である。

    ・ 2021年ニュージーランド準備銀行法は、RBNZのハイレベルでの目的、権限、役割、ガバナンスと資金調達方法に関してBPS法の一部を代替するもので、2022年7月に施行された。2021年ニュージーランド準備銀行法は、とりわけ、以下の事項を規定している。

    - 金融政策委員会が行うべき事項を除くすべての決定に責任を負う法定のガバナンス・ボードを設置すること

    - ニュージーランドの金融システムの安定性を保護し増進させる包括的金融安定性目的を(経済目的および中央銀行の目的に加えて)導入すること

    ・ 2023年預金受入機関法(「預金受入機関法」)は、とりわけ、以下の事項を規定することが見込まれている。

    - すべての銀行およびノンバンク預金受入機関向けの単一の規制制度を創設すること。

    - 預金受入機関の取締役の説明責任要件の強化。

    - RBNZの監督および執行方法の拡充。

    - RBNZの危機破綻処理の枠組み(BPS法から主要な管理権限を実質的に引き継ぎ、当該権限を(実際的である場合には)破綻処理機関としてのRBNZに付与するもの)の強化および明確化。

    預金受入機関法は、預金補償制度(「DCS」)を導入した。この制度の対象者が破綻した場合、1機関あたり、1預金者あたり、最大10万ニュージーランド・ドルまでの適格預金が補償される。DCSは、ANZバンク・ニュージーランドを含む預金受入機関から徴収する賦課金で賄われる。DCSは、2025年7月1日に開始された。

    DCSは、ANZバンク・ニュージーランドにとって重大なコスト増にはならないと予想されている。

    RBNZは、預金受入機関法制度の開始を支援するための政策、基準および規制を策定する複数年にわたる作業プログラムを実施している。預金受入機関法が完全に施行されるまでは、銀行に対する現行の規制枠組みはBPS法の下で継続される。

    RBNZによるBS13のレビュー

    RBNZは、BS13の包括的レビューを行っている。

    これまでのRBNZの主要政策決定事項には以下のものが含まれる。

    ・ バーゼル3の流動性フレームワークの採用ではなく、RBNZの既存の量的流動性指標、1か月のミスマッチ比率およびコア・ファンディング比率に修正を加えたものの維持。1週間のミスマッチ比率は廃止される予定である。

    ・ ニュージーランドにおける流動性資産の適格要件の厳格化

    ・ 新しい適格要件を満たさない現在の適格流動性資産にかかる流動性確保手段の構築

    新しい方針は、預金受入機関法上の基準として実施されることになり、2028年後半における実施が見込まれている。

    金融機関の行為規制

    2022年金融市場(金融機関の行為)改正法は、2025年3月31日に施行され、金融機関の広範な行動規範(「CoFI制度」)を導入するものである。CoFI制度は、一定の金融機関(ANZバンク・ニュージーランドを含む。)に対して以下を要求する。

    ・ 2013年金融市場行動法(「FMC法」)第6部に基づく認可を取得すること。ANZバンク・ニュージーランドは、2024年9月に認可を取得した。

    ・ (顧客の利益を正当に考慮するなど、顧客を公平に取り扱うことを要請する)公平性原則を遵守すること。

    ・ 公正性原則を運用可能にするための効果的な公正性プログラムを策定、実施、維持および遵守すること、ならびに公正性プログラムの要約を発行すること。

    ・ 関連サービスの提供に従事するスタッフその他の人員に対する販売奨励金に対する規制を遵守すること。

    2025年3月、ニュージーランド政府は、金融市場行動改正法案をニュージーランド国会に提出した。改正法案が通過した場合、同法案は金融機関の公正行動プログラムの要件を変更し、金融市場庁により広範な調査権限を与え、市場サービスのライセンスを統合することになる。CoFI制度は、2026暦年中に開始する予定である。

    ローン資産価値比***(「LVR」)***による制限

    収入負債比制限に関連して、LVR制限が、ニュージーランドにおける住宅用資産のための新規貸付について、登録銀行(ANZバンク・ニュージーランドを含む。)に適用になる。LVRの制限は、銀行が住宅貸付の借主に対して、担保として提供される住宅用資産の価値に応じて提供できる貸付額に(すなわち、LVR比率が一定の閾値を超える場合として)制限を設けるものである。借主(個人または世帯)のLVRは、貸付総額を担保として提供される不動産の総額で除すことにより算出される。RBNZは、2025年12月1日、LVR規制の変更を実施し、銀行の登録条件は、更新後のLVR設定に基づき改定された。更新後のLVR設定の下で、銀行は以下の場合に貸付が可能である。

    ・ LVR80%超の借主に対して新規の持ち家居住者向け貸付総額の最大25%(20%から増加)まで

    ・ LVR70%超の借主に対して新規の投資家向け貸付総額の最大10%(5%から増加)まで

    ESASアクセス基準の見直し

    2025年3月、RBNZは、為替決済口座システム(「ESAS」)のアクセス基準の見直しを完了し、その結果、当該基準を改定した。ESASは、RBNZが運営する決済システムで、銀行やその他承認金融機関が利用するものである。新たなアクセス基準は、ESASへのアクセスを拡大し、RBNZは、ESASへのアクセスを求めるノンバンクの預金受入機関およびその他の種類の事業体(決済サービス業者、海外預金受入機関、指定金融市場インフラ運営者など)にも適用を開始した。改定されたESASのアクセス基準がANZバンク・ニュージーランドに与える影響は、現段階では不明である。

    詐欺対策

    2025年11月30日より、消費者が支払承認詐欺(顧客を欺いて欺罔者への支払を承認させる詐欺)から顧客を保護さるための、ニュージーランド銀行業務行動規範に基づく新たな詐欺防止義務が適用されている。もしANZバンク・ニュージーランドを含む銀行がかかる義務を履行しなかった場合、一定の金銭的上限のもと、該当する顧客が支払承認詐欺により被った損失の全額または一部を補償しなければならない。

    その他

    ANZバンク・ニュージーランド・グループにもたらされるリスクも含む規制上の動向に関する詳細については、下記「第3 事業の状況-2 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性-当グループの事業の活動および業界に関するリスク-2.当グループが業務を行う市場における競争は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」ならびに「第3 事業の状況-2 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性-法的および規制上のリスク-15.規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    アメリカ合衆国(米国)

    ANZBGLは、ANZGHLの間接子会社であり、ANZ銀行持株会社の直接の子会社である。ANZGHLおよびANZ銀行持株会社は各々、ANZBGLの純粋持株会社である。ANZBGL、ANZGHLおよびANZ銀行持株会社は各々米国連邦準備制度理事会(「FRB」)から金融持株会社(「FHC」)として取り扱われることを選択した。FHCは、FRBおよび米国財務省が本質的に財務的である、あるいはそれに付随していると決定した活動、ならびに(FRBが承認した場合は)FRBが財務活動を補完すると判断した活動に米国内で従事し、あるいは従事する企業を買収することを認められている。

    1956年銀行持株会社法(「BHC法」)の下で、FHCの活動は、当該FHC(米国の支店および代理店ならびに米国の預金受入機関子会社を含む。)がFRBの規則の定義にしたがい「良好に経営されている」あるいは「資本が充実している」と言えなくなった場合、FHCが特定の資本水準を維持することを求める執行措置の対象となった場合、または、FHCの米国の預金受入機関子会社が地域再投資法上「並」以上の格付けを維持できなくなった場合に、制約の対象となる。FRBは、ANZBGL、ANZGHLおよびANZ銀行持株会社を含む、FHCを管轄する「包括的な」監督者である。

    ANZBGL、ANZGHLおよびANZ銀行持株会社は各々1978年国際銀行法(「IBA」)を含む米国連邦法令に従う。IBAに基づき、ANZBGLのニューヨーク支店(「ニューヨーク支店」)を含む、在米の外国銀行のすべての支店および代理店は、米国銀行持株会社により所有または支配されている国内銀行に課せられているものと同様の報告および審査要件に従うものとする。連邦政府の認可を受けた支店は、主に米国通貨監督庁(「OCC」)の規制を受けることから、ニューヨーク支店は、国内銀行に許可されている業務に従事することができるものの、ニューヨーク支店はリテール預金を受け付けることができない。ニューヨーク支店はリテール預金を受け付けないため(法人預金および企業預金は受け付ける)、連邦預金保険公社(「FDIC」)の監督対象ではない。ANZBGL、ANZGHLおよびANZ銀行持株会社は、BHC法の規制を受けている。FHCが「良好な経営」または「十分な資本」の規制に合致しなくなった場合または特定の資本水準の維持を求める執行措置の対象となろうとした場合には、FHCのFHCとしての活動は制限を受けることになる。

    IBAの下で、FRBは、ニューヨーク支店を含む、外国銀行の米国支店および代理店が保有している預金に対する準備金要件を課す権限を有している。ニューヨーク支店は、一般的にその会計と記録をANZBGL、ANZGHLおよびANZ銀行持株会社のものとは別に維持する必要があり、OCCが規定するそのような追加要件に従う必要がある。IBAおよびBHC法は、ANZBGL、ANZGHLおよびANZ銀行持株会社の米国におけるノンバンク業務に従事する能力にも影響する。

    IBAの下で、非米国銀行の在米支店は、国内銀行と同じ範囲でOCCにより管財人の管理対象となる。監督官は在米支店の事業と財産を占有することがある。監督官は、法律や規制の違反および安全と健全性の違反に対処する広い範囲の監督および執行手段を自由に使うことができ、それは在米支店に対して課される場合がある。監督官は、在米支店の経営者を解任し、民事上の罰金を課することもある。状況によっては、監督官は自ら、あるいはFRBの勧告を受けて、在米支店の免許を剥奪することもある。

    ANZBGL、ANZGHLおよびANZ銀行持株会社の各々は、2010年のドッド-フランク・ウォール・ストリート改革および消費者保護法(「ドッド-フランク法」)の一定の規定に従っている。ドッド-フランク法は、米国および世界の銀行業務の多くの側面を規制する。

    BHC法のセクション13およびその施行規則は通称を「ボルカー・ルール」といい、とりわけ、銀行およびその関連会社が一定の「自己勘定取引」に従事することを広く禁止し(ただし、引受け、マーケット・メーキング関連、リスク緩和ヘッジ業務などの一定の業務は許可する。)、一定の重要な例外および免除はあるが、一定のプライベート・ファンド(プライベート・エクイティ・ファンドおよびヘッジファンドを含む。)への資金提供ならびに投資を制限する。

    その他のドッド-フランク法の規制は、非清算集中スワップおよび有価証券関連スワップについて最低限の証拠金の要件を課し、規制された取引プラットフォームおよび決済機関において標準店頭(「OTC」)デリバティブを集中約定および集中決済することを要請し、特定の種類のデリバティブについてポジションの規模に制限を課し、取引データを規制されたスワップおよび有価証券関連スワップのデータ蓄積機関に報告することを要請し、ならびにディーラーおよびデリバティブ市場の主要な市場参加者の監督強化を規定している。ANZBGLは、商品取引法および商品先物取引委員会(「CFTC」)規則に基づく登録スワップ・ディーラーであり、全米先物協会の会員である。ANZBGLは、米国証券取引委員会(「SEC」)に登録された有価証券関連スワップ・ディーラーではないが、登録が必要となった場合または登録が適切と判断された場合は、登録を行うことがある。さらに、当グループ内の他の関連会社は、米国人であるカウンターパーティーまたはその他の特定の種類のカウンターパーティーとのスワップまたは有価証券関連スワップ取引の水準次第で、スワップ・ディーラーまたは有価証券関連スワップ・ディーラーの登録の対象となる可能性がある。CFTCまたはSECへの登録が必要とされなくても、そのような企業は、米国人であるカウンターパーティーまたはその他の特定の種類のカウンターパーティーとの取引に関連して、CFTCまたはSECの規制要件の一部の対象となる可能性がある。

    CFTCは、クロスボーダー取引に関する規則を採択し、これは特に、CFTCがCFTCのものに相当すると決定した規制制度を有する非米国法域に所在するスワップ・ディーラーによる「代替的コンプライアンス」を許容する。CFTCは、自らが発行したガイダンスに基づいてオーストラリアの法令の一定の側面に関してかかる決定を行っており、かかる決定は、2020年の規則の下でも有効に存続する。かかる決定に基づき、ANZBGLは、相当するCFTC規則の遵守の代わりに一定のオーストラリアの規則の代替的遵守に依拠することができる。

    米国の健全性規制機関、CFTCおよびSECは、決済されないスワップおよび有価証券関連スワップの取引に当初および変動証拠金要件を課す規則を実施した。ANZBGLは、FRBの監督に服するスワップ・ディーラーであり、OCCにより規制されるニューヨーク支店を運営していることから、FRB、農業金融局、FDIC、連邦住宅金融庁およびOCCが公布した非清算集中スワップの証拠金に関する規則を遵守する必要がある。これらの規則により、対象のカウンターパーティーとの対象の取引に関して当初および変動証拠金を収取および預託することを求める要件が課されている。健全性規制機関の規則はまた、ANZBGLのような非米国スワップ・ディーラーが、一定の分野の取引およびカウンターパーティーに関して、健全性規制機関が非米国法域について同等性の決定を行った場合には健全性規制機関およびCFTCの証拠金に関する規則の代わりに当該非米国法域の適用ある法律を遵守すること、またはその他の方法で米国の証拠金に関する規則を遵守しないことを認めている。

    ANZBGL、ANZGHLおよびANZ銀行持株会社の各々は、レギュレーションYYのサブパートNに基づく「強化された健全性規制」の対象になり、これはドッド-フランク法第165節に基づき導入され、財務およびリスク監視要件の遵守を求めている。ANZGHLは、最上位の持株会社として、FRBおよびFDICに対して米国破綻処理計画を提出することが義務付けられている。FRBおよびFDICの規則では、外国銀行組織に対し、米国における事業規模およびそのリスク・プロファイルに応じて、破綻処理計画策定および健全性基準に関して個別化された要件が適用される。ANZGHLは、2025年6月に、直近の3年ごとの米国破綻処理計画をFRBおよびFDICに提出した。ANZGHLは、現在、規則上3年ごとの簡略提出者である。ANZGHLが引き続き簡略提出者であった場合、次回の破綻処理計画は2028年7月1日までに提出する必要がある。

    ANZGHLは、ANZセキュリティーズ・インク(「ANZSI」)を通じて米国における債券資本市場の活動を行っている。ANZSIは、SECの認可を受けたブローカーディーラーであり、SECおよび金融業規制機構(「FINRA」)の監督下にある。また、ANZSIは、事業を行っている州および地域でライセンスを取得している。SECおよびFINRAにおいては、ANZSIに適用ある広範な遵守事項があり、これには、記録の維持、取引および通信のモニタリング、ANZSIの従業員の監督、内部方針および手続、ならびにANZSIの日常業務を規律するその他多くの事項が含まれる。ANZSIは、その業務についてSECおよびFINRAによる定期的なレビューを受けている。

    米国の外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)は、金融機関に、特定の顧客デュー・デリジェンスを実施し、米国市民または課税上の米国居住者である口座保有者(一定の者についてはその実質的所有者を含む。)の情報を、直接または現地税務当局を経由して、米国連邦税務当局である内国歳入庁に提供することを求める。必要な顧客データ収集デュー・デリジェンスおよび口座保有者情報の提供が実施されず、適用ある要件を満たす方法および形式で提供されない場合、当グループおよび/または当グループ内のメンバーの口座に資産を保有する者は一定の金額に関して30%の源泉徴収の対象となる可能性がある。現在、かかる源泉徴収は米国内の源泉からなされた一定の支払に対してのみ適用される。米国外の源泉からなされた支払が「外国でのパススルーの支払」という用語を定義する米国の最新の規則が制定された日の2年後の日より前に行われた米国外の源泉からなされた支払である場合には、当該支払にはかかる源泉徴収税は課されない。現在、「外国でのパススルーの支払」の定義案または最終の定義は存在せず(法令上の要件および時間枠は変わりうるが)、そのため一定の支払が外国でのパススルーの支払として扱われる可能性があるか否かは不明である。

    以上の議論は、一定の手取金総額の支払について源泉徴収を行わず、米国外からの支払に対する源泉徴収の発効日を遅らせる米国の規制案を反映したものである。米国財務省は、納税者は規制案に依拠できる旨を述べている。以上の議論は、現在の内容で規制が最終化され、遡及的に適用されることを前提としている。

    FATCAに加え、米国は、一定の状況においてANZグループに一定の情報を米国支払人(源泉代理人、カストディアンなど)に提供することを求める可能性があり、ANZグループおよび/またはその顧客は、ANZグループが当該情報を適用ある規則および規制を遵守して提供しなかった場合、源泉徴収の適用を受ける場合がある。さらに、ANZグループが求められた情報を提供したとしても、一定の米国からの支払に対してはなお源泉徴収の適用がありうる。

    ANZグループが営業を行う国が米国との政府間協定の締結および施行を行わず、その国においてFATCAの遵守を妨げる現地法上の障害がある場合には、ANZグループは、多大な源泉徴収エクスポージャーおよびその他の営業上の影響といったより広範なコンプライアンス上の問題に直面する可能性がある。

    金融機関に影響を及ぼしている米国政府政策の主な焦点の1つは、マネーロンダリング、テロリストの資金調達および米国の制裁への違反に対抗することである。2001年テロリズムの阻止と回避のために必要な適切な手段を提供することによりアメリカを統合し強化するための法律(「愛国者法」)は、著しいコンプライアンスとデュー・デリジェンスの義務を課し、犯罪を確認し、罰則を規定し、米国外における管轄権を拡大することによって、米国マネーロンダリング防止法の範囲を大幅に拡大した。米国財務省は、愛国者法の様々な要件を実施する数々の規制、および制裁に関するその他の米国法を発表し、それはANZSIおよびニューヨーク支店などの外国銀行の一定の米国非銀行子会社および米国銀行子会社ならびに支店を含む米国金融機関に適用される。

    それらの規制は、米国内で事業を行っている金融機関に、マネーロンダリングとテロリストの資金調達を特定、阻止、報告するとともに顧客の身元を確認する適切な方針、手続き、管理を維持するよう求める。それらの規制はまた、米国内の金融機関に対して、米国の制裁制度を遵守して業務を行うよう求める。さらに、米国銀行規制機関は、より高い基準を課し、米国法執行機関は、より積極的な役割を果たしてきており、その結果、当該事項の執行が強化されている。他のグローバルな金融機関に対する執行処分決定には、多額の罰金の支払、将来の事業運営に関する合意、関係者の処分などが含まれている。金融機関が、マネーロンダリングとテロリストの資金調達に対抗する適切な方針と手続きを維持、実施できず、また米国の制裁制度を遵守できない場合、金融機関にとって法的および評判上深刻な結果を招くことがあり、さらに民事上、金銭上および刑事上の罰則処分を課される結果となることもある。

    2021年1月、2020年マネーロンダリング防止法(「AMLA」)が米国において立法された。AMLAでは、米国マネーロンダリング法制を包括的に改革し最新化することが企図されている。とりわけ、AMLAは、金融機関のマネーロンダリング防止のコンプライアンスについてリスクベース・アプローチを条文化し、マネーロンダリング防止コンプライアンスのための評価技術および内部手続の基準を米国財務省が発展させることを要請し、執行および調査に関連する権限の拡大(一定の違反に対して適用可能な制裁措置の大幅な拡大を含む。)を行うものである。AMLAの多くの条文は、追加的な規則制定、報告その他の措置を必要としており、AMLAの効果は、とりわけ、規則制定および施行ガイダンスの影響を受けるであろう。米国財務省の一局である金融犯罪執行関連連絡室は、AMLAで義務付けられているマネーロンダリング防止およびテロ資金供与対策政策の優先事項を発表した。 優先事項には、汚職、サイバー犯罪、テロ資金供与、詐欺、国際犯罪、麻薬取引、人身取引、拡散金融が含まれる。

    その他の監督機関

    当グループには、ASXおよびロンドン証券取引所に上場している負債証券を含め、オーストラリアおよび同国外の一定の証券取引所に上場している証券がある。当グループは、これらの証券取引所に上場している証券の発行者に適用される上場の要件を遵守しなければならない。

    APRAがANZBGLおよびその支店業務を対象に行う健全性自己資本監督ならびに上記の監督および規制の詳細に加えて、すべてのANZBGLのオフショア支店および銀行子会社の現地での銀行業務は、それぞれの監督機関による現地国の監督に従う。例えばRBNZ、OCC、FRB、英国健全性規制機構(「PRA」)、シンガポール通貨監督庁、香港金融管理局、中国の国家金融監督管理総局(従前は中国銀行保険規制委員会)ならびにこれらの諸国および他の関連諸国のその他の金融監督機関である。これらの監督機関は、とりわけ、それぞれの管轄法域におけるこれらの業務に対し、最低自己資本金要件を課す可能性がある。

    当グループはまた、営業を行うすべての国の現地法における、マネーロンダリング防止および対テロ資金に関する一定の法規制を遵守することを求められる。

    (8) 競  争

    オーストラリア

    オーストラリアの銀行業界は集中しており、競争が激しい。2025年9月30日現在、オーストラリアの4つの主要な銀行グループ(ANZグループ、オーストラリア・コモンウェルス銀行、ナショナル・オーストラリア銀行およびウエストパック・バンキング・コーポレーション)がオーストラリアで営業を行うADIのオーストラリアの貸付資産総額の約72%(1)を保有していた。規模の小さい地方銀行の業務運営は、リテールおよび事業(商業)銀行業務に重点を置いている。多くの国際銀行もオーストラリアで銀行サービスを提供しており、一般的にこれらの銀行はリテール、事業または法人市場の特定の部門に重点を置き、かかる部門において若干のシェアを占めている。

    1980年代初頭のオーストラリアの金融制度の規制緩和は、選択的な市場で競争する銀行金融機関および非銀行金融機関の急増につながった。住宅金融組合や信用組合などのノンバンク仲介機関は主に預金受入および住宅ローン貸付の分野で競争する。大手住宅金融組合のうちいくつかは、オーストラリアの1959年銀行法(「銀行法」)の下で、銀行業免許を付与されている。専門的な銀行以外の住宅ローン貸付業者および直接的な(支店以外の)銀行業者も、担保付住宅ローン分野において競争している。

    競争は歴史的に住宅ローン市場においてより激しい。競争は、当初は担保付住宅ローン・オリジネーターの増加、その後は担保付住宅ローン・ブローカー業界の成長および非ADIの貸金業者(ノンバンクの貸金業者)の活動の増加からもたらされた。ADIを含む住宅ローンの提供者は、新規貸付市場およびリファイナンス市場のいずれにおいても、広告された料率を下回る大幅なディスカウントおよび住宅ローンの乗換えキャンペーンを行うことにより活発に競争している。

    オーストラリアのリテール預金市場もまた、資金調達を支えるための信用の伸び増加および貸付需要増の時期には特に、競争が激しい。リテール顧客の銀行預金に対するオーストラリア政府保証は、世界金融危機の最中の2008年に導入され、大手オーストラリア銀行への預金の増加およびその他預金ファンド提供者への預金の減少をもたらした。オーストラリア政府保証は、オーストラリアの預金受入機関の預金およびホールセール資金調達に係る保証の提供を可能とするためにオーストラリア政府によって発表された一時的措置に依拠している。さらに、金融サービス・セクターの変化により、ノンバンクでも、従来銀行が様々な(物理的およびオンラインの)流通チャネルを通じて提供してきた商品およびサービスを提供することが可能になっている。

    商業銀行業分野においては、大手および地域の銀行ならびにその他の商業銀行業務提供者全体で依然として競争が激しく、そこでは、顧客とのリレーションシップ維持および推進に注力がなされ、貸付け、預金、その他の銀行業の商品およびサービスの提供において競争が行われている。

    法人市場において、競合他社はその顧客基盤の質、認知された技術の組合せ、体系化されたソリューションおよび価格設定、顧客の洞察力、デジタル機能、評判およびブランドにより評価を獲得する。オーストラリア国内市場においては、大手中堅企業および大企業の顧客レベルでの競合他社は一般に、オーストラリア大手銀行、少数の世界的な投資銀行ならびに少数のアジアの銀行およびニッチ分野に力を入れている巨大多国籍銀行コングロマリットのブティック型事業である。

    銀行業界は、顧客のニーズおよび変化する顧客の選好に応えるために、引き続き新しいデジタル商品およびデジタル・サービスのソリューションとともに進化を続けている。革新的なデジタル・ソリューションへの需要は、特にリテール銀行業において、銀行業界への既存参入者と新規参入者とのさらなる競争に寄与している。

    さらに、将来の経済状況は、当グループが中期的に事業を展開する市場における金融仲介業者の数にさらに影響を与える効果をもたらす可能性がある(詳細については、「第3 事業の状況-3 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性-当グループの事業の活動および業界に関するリスク-2当グループが業務を行う市場における競争は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。)。ただし、中期的な競争水準の低下にはつながらない可能性がある。

    オーストラリアのオープン・バンキング法は、商品とサービスを比較し切り替える消費者の能力を向上させることを目的とする。これにより、オーストラリアの銀行業界への新規参入者に対する障壁が削減され、競争が激化する可能性がある。当グループに与えうるリスクを含む、オープン・バンキング法の詳細については、「第3 事業の状況-3. 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性-法的および規制上のリスク-15. 規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    (1) 出典:APRA2025年9月の月次公認預金受入機関統計(2025年10月31日公表)。

    ニュージーランド

    当グループが営業を行うニュージーランドの金融サービス・セクターは非常にさらされている。ANZバンク・ニュージーランド・リミテッド(「ANZバンク・ニュージーランド」)の主な競合他社は、ASB銀行、ニュージーランド銀行、ウエストパック・バンキング・コーポレーション/ウエストパック・ニュージーランド、およびキウィ銀行である。

    ASB銀行、ニュージーランド銀行、ウエストパック・バンキング・コーポレーション/ウエストパック・ニュージーランドは、それぞれオーストラリアの大手銀行の子会社または支店であり、個人から大企業まであらゆる顧客層を対象としている。当グループがキウィ銀行と競合する主な分野は、リテール及び事業顧客セグメントである。

    競争はまた、その他銀行の特定のセクターにも存在する。ラボバンク・ニュージーランドは、リテール預金および農業貸付市場において活動する。ハートランド・バンク・リミテッド、TSBバンク・リミテッドなどの地方銀行は、リテール・セクターでの競争力がある。香港上海銀行、株式会社三菱UFJ銀行などの国際的な銀行は、法人市場で競争している。2013年末以降、ニュージーランドではまた、中国工商銀行、中国建設銀行および中国銀行が、ニュージーランドにおいて登録銀行として子会社を設立した(2017年以降、各銀行は、ニュージーランドで銀行業務を行うための支店も開設している)。これらの銀行の重点は住宅貸付および事業貸付に置かれているようである。当該セグメントにおけるこれらの銀行の市場シェアは、小さいが増大している。

    2025年9月30日現在、住宅ローン市場が登録銀行によるニュージーランドでの貸付の半分以上(1)を占めており、この市場が競争における主要分野である。ニュージーランドの預金市場は競争が激しい。

    近年、ニュージーランドではノンバンクのオリジネーターの活動が活発化しているが、総資産における成長率はオーストラリアなどのオフショア市場と比較して低くなっている。顧客の実店舗からオンラインやデジタル・サービスへの移行が継続しており、これにより金融サービス・セクターにおける新たな競合他社の出現が促される可能性がある。2025年9月30日現在、ノンバンク・セクターは金融制度の資産合計の約3%(1)を占めていた。

    将来起こり得る経済的混乱またはインフレ圧力に対応する個人財務管理への顧客需要の高まりは、規制および金融政策の変更、資金調達コストおよび信用供与の増加、流動性のレベル、ならびに事業戦略の変更により、ニュージーランドの金融サービス・セクターにおける競争に中期的な影響を与える可能性がある。

    ニュージーランド商業委員会は、ニュージーランドのパーソナル・バンキングに関する市場調査を実施し、2024年8月20日に最終報告書を公表した。最終報告書には、新規参入と事業拡大を支援し、競争に対する規制上の障壁を軽減し、消費者がより良い価格とサービスを受けられるようにすることを目的とした14の勧告が含まれていた。ニュージーランド政府は、14の勧告すべて受け入れ、ニュージーランド政府、RBNZ、金融市場庁および業界にまたがる横断的な作業を通じて対応が進められることを示した。ニュージーランド政府は、資本規制、オープン・バンキング、キウィ銀行の資本増強その他の分野に重点を置き、かかる提言の実施において進展を遂げた。2025年9月、商業委員会は、業界向けの提言の進捗状況について報告し、監視または次の対応に影響を与えるための手段の活用を継続する分野を示した。

    ニュージーランド国会の財政・歳出委員会と第一次産業委員会は、銀行業における競争に関する調査を進めている。その付託事項には、銀行業における競争の状況(収益性を含む)、銀行業における競争を阻む障壁、ならびに規制環境が競争や融資への効率的なアクセス、地方の銀行業、マオリ族の資産家、組織、企業および個人への融資に与えうる影響についての検討が含まれる。書面の提出は2024年9月に締め切られ、公聴会は2024年10月から12月ならびに2025年3月および4月にかけて開催された。財政・歳出委員会は、広範な公的協議を経て、2025年8月に最終報告書を発表した。当該最終報告書には、銀行セクターにおける競争の促進を目的とした、政府機関、金融規制当局およびリテール銀行を含む金融機関に対する19項目の提言が含まれている。ニュージーランド政府は、これら全ての提言を全体的にまたは部分的に受け入れた。ANZバンク・ニュージーランドに対する影響は不明である。

    RBNZは、銀行セクターにおける競争を支援および促進するため、主要な資本設定の見直しを含む一連の取組みを実施している。かかる見直しの結果により、ANZバンク・ニュージーランドの資本要件は将来影響を受ける可能性がある。RBNZは、2025年末までに最終決定を行う方針であり、実施スケジュールは2026年暦年の第1四半期に発表される予定である。

    (1) 出典:ニュージーランド準備銀行 2025年9月(2025年10月31日公表)。

    アジア

    アジアにおける銀行業は、非常に競争が激しい。多数のグローバル銀行ならびに地域銀行が、各市場の地方銀行に加えて本地域で営業している。

    当グループは、現在、アジアの多数の国において、法人銀行業ならびに地域のトレードおよび資本フローによる顧客への金融ソリューションの提供に焦点を絞って営業を行っている。当グループは、地理的対象、オーストラリアおよびニュージーランドの国内市場における強み、ならびに顧客、産業および商品に係る専門化(マーケッツおよびトランザクション・バンキングを含む。)への的を絞った集中により、地域を超えて競合他社との差別化が可能になると確信している。

    競争は引き続き活発であり、多数の銀行がこの地域の成長機会を支援するためにバランスシートの一部を投じたいという意欲を示している。このことは、アジアにおける法人貸付の純預貸利鞘が、オーストラリアおよびニュージーランドにおける類似の貸付における純金利マージンよりも一般に低水準であることに寄与している。

    当グループは、法人顧客に対して幅広い一連の金融サービスを提供するが、アジアにおけるリテール市場または商業市場における銀行となることは目指していない。

    4【関係会社の状況】

    2023年1月、オーストラリア法に基づいたスキーム・オブ・アレンジメントによって、純粋持株会社のANZグループ・ホールディングス・リミテッド(「ANZGHL」)がANZグループの新たな親会社となった。かかる新たな企業構造の下で、ANZGHLがANZ BH Pty Ltdの全株式を保有し、ANZ BH Pty LtdがANZBGLの直接親会社となっている。

    (1)親会社

    (a) ANZグループ・ホールディングス・リミテッド(ANZ Group Holdings Limited)

    名称 ANZグループ・ホールディングス・リミテッド (ANZ Group Holdings Limited)
    住所 オーストラリア、ヴィクトリア州3008、ドックランズ、コリンズ・ストリート833、9階、ANZセンター・メルボルン (ANZ Centre Melbourne, Level 9, 833 Collins Street, Docklands, Victoria 3008, Australia)
    資本金の額 28,191百万ドル(2025年9月30日現在)
    主要な事業の内容 純粋持株会社
    提出会社の議決権に対する当該親会社の所有割合 100%(ANZGHLは、ANZ BH Pty Ltdの保有するANZBGLの全議決権を通じて、ANZBGLの議決権の100%を間接保有している。)
    取締役および役員 2025年9月30日現在および同日から本有価証券報告書提出日までの期間において、ANZBGLの各取締役は、グラハム・ホッジス氏およびジョン・チンコッタ氏を除いて、ANZGHLの取締役を兼任している。かかる期間において、ANZGHLとANZBGLの取締役の異動はなかった(2025年度コーポレート・ガバナンス報告書に記載のとおり。下記「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要」を参照のこと)。 2025年9月30日現在および同日から本有価証券報告書提出日までの期間において、ANZBGLの各執行役員はANZGHLの執行役員を兼任している。上記の期間において、4名の者がANZGHLとANZBGLの執行役員に就任した。

    (b) ANZビーエイチ・ピーティーワイ・リミテッド(ANZ BH Pty Ltd)

    名称 ANZビーエイチ・ピーティーワイ・リミテッド (ANZ BH Pty Ltd)
    住所 オーストラリア、ヴィクトリア州3008、ドックランズ、コリンズ・ストリート833、9階、ANZセンター・メルボルン (ANZ Centre Melbourne, Level 9, 833 Collins Street, Docklands, Victoria 3008, Australia)
    資本金の額 27,053百万ドル(2025年9月30日現在)
    主要な事業の内容 純粋持株会社
    提出会社の議決権に対する当該親会社の所有割合 100%(ANZ BH Pty Ltdは、ANZGHLの完全子会社であり、ANZBGLの議決権の100%を保有している。)
    取締役および役員 2025年9月30日現在および同日から本有価証券報告書提出日までの期間において、ANZBGLの各取締役はANZ BH Pty Ltdの取締役を兼任している。 2025年9月30日現在および同日から本有価証券報告書提出日までの期間において、ANZBGLの各執行役員はANZ BH Pty Ltdの執行役員を兼任している。上記の期間において、4名の者がANZ BH Pty LtdとANZBGLの執行役員に就任した。

    (2)被支配法人

       当グループの重要な被支配法人(2025年9月30日現在)は以下のとおりである。

    名  称 事業の内容 設立地 帳簿価額(1) 議決権の 所有割合
    (単位:千ドル)
    SBGHリミテッド 持株会社 オーストラリア 5,316,473 100%
    ノルフィナ・リミテッド 銀行業 オーストラリア 563,650 100%
    SMEマネージメントPtyリミテッド 銀行業 オーストラリア 25 100%
    ノルフィナ・カバード・ボンド・トラスト ファイナンス オーストラリア # 100%
    ANZバンク(ベトナム)リミテッド(2) 銀行業 ベトナム 327,814 100%
    ANZファンズ Ptyリミテッド 持株会社 オーストラリア 15,708,303 100%
    ANZバンク(キリバス)リミテッド(2) 銀行業 キリバス 5,400 75%
    ANZバンク(サモア)リミテッド(2) 銀行業 サモア 17,565 100%
    ANZバンク(バヌアツ)リミテッド(3) 銀行業 バヌアツ 65,184 100%
    ANZホールディングス(ニュージーランド)リミテッド(2) 持株会社 ニュージーランド 13,426,420 100%
    ANZバンク・ニュージーランド・リミテッド(2) 銀行業 ニュージーランド 15,053,765 100%
    ANZインベストメント・サービシズ(ニュージーランド)リミテッド(2) 資産運用 ニュージーランド # 100%
    ANZニュージーランド(インターナショナル)リミテッド(2) ファイナンス ニュージーランド 439 100%
    ANZニュージーランド・インベストメンツ・ホールディングス・リミテッド(2) 持株会社 ニュージーランド 114,208 100%
    ANZニュージーランド・インベストメンツ・リミテッド(2) 資産運用 ニュージーランド 114,208 100%
    ANZニュージーランド・ カバード・ボンド・トラスト(2)(4) ファイナンス ニュージーランド # 100%
    ANZインターナショナル・プライベート・リミテッド(2) 持株会社 シンガポール # 100%
    ANZカバー・インシュアランス・プライベート・リミテッド(2) 自家保険 シンガポール 41,375 100%
    ANZレンダーズ・モーゲージ・インシュアランス Ptyリミテッド 抵当保険 オーストラリア 338,296 100%
    ANZレジデンシャル・カバード・ボンド・トラスト(4) ファイナンス オーストラリア # 100%
    オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンク (チャイナ)カンパニー・リミテッド(2) 銀行業 中国 1,121,161 100%
    オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・グループ(PNG)リミテッド(2) 銀行業 パプアニューギニア 754,828 100%
    インターナショナル・セキュリタイゼーション・サービシズ ・リミテッド 証券化 マネージャー オーストラリア 17,700 100%
    PTバンクANZインドネシア(2) 銀行業 インドネシア 262,460 99%

    500ドル未満。

    注:(1) 帳簿価額=当該被支配法人の直接の親会社である当グループ会社が保有する投資の帳簿価額。これは「第6 経理の状況-1 財務書類」の2025年度財務書類において報告されている被支配法人の純資産の帳簿価額ではない。

    (2) 当グループ監査の一環として、または単体財務書類に必要であるため、海外のKPMGによる監査を受けている。

    (3) ロー・パートナーズによる監査を受けている。

    (4) 当グループは所有していない。当グループが事業のほぼすべてのリスクおよび経済価値を留保する場合、支配が存在する。

    重要な被支配法人の変更

    シティズンズ・バンコープおよびANZグアム・インクは、2025年5月14日付で正式に登録が抹消された。

    重要な制約

    健全性規制に服する被支配法人は、最低自己資本やその他の規制要件の維持を要求されることがあり、これにより、資産の譲渡、配当金支払その他の資本分配を親会社や当グループ内の他の事業体に行う能力を制限される場合がある。当グループはこのような制約を「第6 経理の状況-1 財務書類」中の2025年度財務書類の注記17「財務リスク管理」に概要を記したリスク管理の枠組みおよび同財務書類の注記23「資本管理」に概要を記した資本管理戦略の範囲内で管理している。

    2025年9月30日現在、当グループ内の事業体が資産の譲渡、配当金支払その他の資本分配を当グループ内の他の事業体に対して行う能力についての制約は、当グループの流動性または資本管理にとって重要性はない。

    (3)関連会社

       当グループの重要な関連会社(2025年9月30日現在)は以下のとおりである。

    名称 事業の内容 主たる事業所 および設立地 帳簿価額(1) (単位:百万ドル) 議決権の所有割合
    PT バンク・パン・インドネシア Tbk 個人および企業向け銀行 インドネシア 1,140 39%

    注:(1) 関連会社に対するANZBGLの出資の持分法による帳簿価額。

    当グループの関連会社の詳細については、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2025年度財務書類の注記25「関連会社に対する投資」を参照のこと。

    5【従業員の状況】

     2025年9月30日現在、当グループはフルタイム換算(FTE)基準で42,640名(2024年9月:42,142名)の従業員を雇用していた。

    フルタイム換算従業員 年度
    部門別 2025年 9月終了 2024年 9月終了 増減率
    オーストラリア・リテール 11,023 10,832 2%
    オーストラリア商業 3,480 3,294 6%
    法人 6,368 6,272 2%
    ニュージーランド 6,689 6,756 -1%
    サンコープ・バンク 2,671 2,798 -5%
    パシフィック 986 985 0%
    グループ・センター 11,423 11,205 2%
    FTE合計 42,640 42,142 1%
    平均FTE 42,711 40,379 6%
    年度
    地域別 2025年 9月終了 2024年 9月終了 増減率
    オーストラリア 20,841 21,062 -1%
    その他の各国 15,041 14,077 7%
    ニュージーランド 6,758 7,003 -3%
    FTE合計 42,640 42,142 1%

    以下の表は、リーダー層の女性比、育児休暇および報酬に関するジェンダー平等に関して対比可能なANZグループの実績データを示している。ANZグループと当グループの従業員は99%超が重複しており、したがってANZグループの実数および比率はANZBGLの実数および比率と同じまたは極めて近い値になる。別途の記載がる場合を除き、2024年10月1日以降のデータはサンコープ・バンクを含む。

    表中に*を含む以下2つの表については、ESGに関する事項に特化した用語集である「第3 事業の状況-2 サステナビリティに対する考え方及び取組-(5) ESG関連用語」を参照のこと。

    リーダー層における女性比* 2025年 9月30日現在
    リーダー層全体の女性比(%)(1) 40.5
    主要経営陣全体の女性比(%)(2) 33.3

    注:(1) シニアマネージャー、執行役員、ならびに上級執行役員およびグループ執行委員の役職(それぞれANZが定める職位グループの3、2および1に該当する職位)全体に占める女性の割合として算定する。休職状況を問わず全従業員を含むが、契約社員は(FTEには算入されるとしても)これに含めない。

      (2) 報酬報告書に記載の最高経営責任者(CEO)および開示を要する執行役員。

    育児休暇(1) 女 性 男 性 合 計
    当年度中に育児休暇を取得した従業員数(1) 1,738 1,247 2,985
    当年度中に育児休暇から職場復帰した従業員数(1) 1,261 1,129 2,390

    注:(1) 育児休暇のデータを入手できたのはオーストラリア、ニュージーランド、インドおよびフィリピンの従業員についてのみである。育児休暇を取得した従業員には、期間や回数を問わず、報告期間中に主たる保育者または第二保育者として育児休暇を取得した者が含まれる。

    報酬(固定給のみ)に関するジェンダー平等
    2025年度(1)
    役 職 ジェンダー間の報酬格差*の平均 好遇 同一労働の 賃金ギャップ*の平均 好遇
    上級執行役員(2) -0.6% 女性 -1.9% 女性
    執行役員(3) 2.5% 男性 0.4% 男性
    シニアマネージャー(4) 2.5% 男性 1.0% 男性
    マネージャー(5) 5.9% 男性 1.1% 男性
    非管理職(6) 2.0% 男性 -1.0% 女性

    注:(1) 有効基準日は2024年9月20日。オーストラリア限定のデータ。CEO、執行委員会、臨時職員、有期雇用従業員および研修員/インターンならびにサンコープ・バンクの従業員を含む。

      (2) 上級執行役員は、ANZが定める職階グループ1に属する職位者からなる。これらの役職は通常、大規模事業、地域または担当事業領域の戦略、方針もしくはガバナンス(当グループの執行委員会の担当領域を除く。)を指揮する。

      (3) 執行役員は、ANZが定める職階グループ2に属する職位者からなる。

      (4) シニアマネージャーは、ANZが定める職階グループ3に属する職位者からなる。

      (5) マネージャーは、ANZが定める職階グループ4に属する職位者からなる。

      (6) 非管理職は、ANZが定める職階グループ5および6に属する職位者からなる。

    労使関係

    オーストラリア

    オーストラリアにおいては、一部またはすべての従業員について、雇用条件は給与を含めて団体企業労働協約(「EBA」)の一部として労働組合と経営陣との間で交渉することができる。ただし、従業員の過半数の賛成を条件とする。オーストラリアにおいて当グループは長年にわたってEBAを取り入れており、オーストラリアにおいて約91%を占めるグループ4、5および6の従業員(すなわち中間管理職および非管理職従業員)の最低雇用条件を定めている。

    2023年8月、ANZBGLは、2017年9月に修正され、2023年ANZ EBAが開始されるまで適用されていた従前のANZ労働協約2015-2016年(オーストラリア)に代わり、ANZ労働協約2023-2027年(オーストラリア)と称される新たなEBA(「2023年ANZ EBA」)について金融部門組合(「FSU」)との間で合意に達した。2023年ANZ EBAは、同じ従業員層を対象としているが、オーストラリアにおける新たな雇用法を反映して更新されており、従業員の休暇およびその他の給付が改善された。2023年9月に2023年ANZ EBAに対する従業員投票が行われ、投票した91%の従業員により支持を受けた。その後、2023年ANZ EBAは公正労働委員会により承認され、2023年10月26日に適用開始となった。2023年ANZ EBAの名目上の有効期限は2027年9月30日である。同日を過ぎても2023年ANZ EBAは引き続き適用されるが、ANZBGL、FSUおよびオーストラリアにおける該当するANZBGLの従業員は新たな代替のEBAについて交渉を開始することができる。

    2024年7月31日、サンコープ・バンクの買収が完了し、約3,000名の従業員がサンコープ・グループ・リミテッドからオーストラリアの当グループ(具体的にはノルフィナ・リミテッド)に移籍した。2015年のサンコープ・グループ労働協約は従業員とともに移管された。当グループは、2024年11月中旬に、FSU(および一部の個人の従業員のための交渉代表)との間で代替協約についての交渉を開始した。2025年8月下旬に投票に付され、協約の対象となる従業員は協約に賛成票を投じた。協約は公正労働委員会の承認を受け、2025年10月21日に適用開始となった。

    オーストラリアにおいて、経営陣と労働組合との間の重大な紛争はない。

    ニュージーランド

    ニュージーランドの従業員の過半数は個人の雇用契約によりカバーされている。ワーカーズ・ファースト・ユニオンとANZバンク・ニュージーランドの団体労働協約は、ニュージーランドの従業員の約12%をカバーし、最近においては2024年8月1日付で更新され、2026年7月31日まで有効である。

    経営陣と労働組合との間でいかなる重要な紛争も存在していない。

    その他の各国

     当グループが従業員を有するオーストラリアおよびニュージーランド以外のいずれかの法域において、経営陣と労働組合との間の重大な紛争はない。

    年金制度

     当グループは世界中で多数の年金、老齢退職年金および退職後医療給付制度を設定している。当グループの老齢退職年金債務の詳細については、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2025年度財務書類の注記28「退職年金および退職後給付債務」を参照のこと。

    従業員株式

     ANZGHLは、ANZ従業員株式購入制度およびANZ株式オプション制度に基づき運営される多数の従業員株式およびオプション制度を運営する。これらの従業員株式およびオプション制度の詳細については、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2025年度財務書類の注記29「従業員持株およびオプション制度」を参照のこと。

    第3【事業の状況】

    1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

    上記「第2 企業の概況-3 事業の内容」および下記「第3 事業の状況-3 事業等のリスク」を参照のこと。本項は本書の表紙(注)4.に記載の「将来に関する記載」および「気候関連の情報」に関する説明とあわせて検討されるべきである。

    2【サステナビリティに対する考え方及び取組】

    当「2 サステナビリティに対する考え方及び取組」の以下の記載は、ANZGHLの2025年会計度のコーポレート・ガバナンス報告書、気候報告書、ESG報告書およびESGデータ・フレームワーク・パック(ANZGHLまたは場合によりANZGHLおよびその子会社(ANZBGLを含む。)のサステナビリティ関連開示が含まれる。)からの抜粋であり、それらに基づいている。これらの書類の情報は2025年11月7日現在のものである。

    本「2 サステナビリティに対する考え方及び取組」において、「ANZ」または「当グループ」という語は、別途の記載がある場合を除き、ANZGHL(ANZグループ・ホールディングス・リミテッド)およびその子会社を指す。「取締役会」という語はANZGHLの取締役会を指し、「取締役」という語はANZGHLの取締役を指す。別途の記載がある場合を除き、本項の記載はESG(気候を含む。)に関する事項に特化して適用される以下「(5) ESG関連用語」に準拠して作成されている。

    本項のESG(気候を含む。)に関するデータおよび情報は、別途の記載がある場合を除き、2025年9月30日終了会計年度を対象としている。報告範囲および報告期間の詳細は、2025年度気候報告書(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)の2ページを参照のこと。データが生成中で事業の一部のみが対象となるような場合は、データの範囲を注記する。

    2024年7月31日、当グループは、ノルフィナ・リミテッド(ABN 66 010 831 772)(以下「サンコープ・バンク」という。旧称はサンコープ・メットウェイ・リミテッドであった。)の直接の持株会社であるSBGHリミテッドの株式の100%を取得した。

    この買収を受け、サンコープ・バンクはANZの方針および手順を採用するための段階的な移行に着手した。移行期間中、サンコープ・バンクはANZとサンコープ・バンクの方針に重複的に従うことになる。継続的な移行の中で、サンコープ・バンクは適宜、ANZの方針および実務への一体化を図っていく。本項では、計画、方針、基準または指標にサンコープ・バンクを含めるか除くかを明記しており、また前年度の指標については別途の記載がある場合を除きサンコープ・バンクは除外している点に留意されたい。

    本書に記載されている手順、アプローチおよび方針は、ANZが事業を営む法域に固有の法的要件を反映する場合など、異なる形でANZの事業に適用される場合がある。

    以下の記載は、本書の表紙(注)4.に記載の「将来に関する記載」および気候関連の情報に関する説明とあわせて検討されるべきである。

    (1) ガバナンス

    以下は、ANZグループのESG(気候関連事項を含む。)に係るガバナンスに関する記述である。ANZグループのコーポレート・ガバナンス全般については、「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照のこと。

    当グループのガバナンス枠組みは、ANZが効果的で責任ある意思決定(気候変動に関する構想、行動および説明責任への取組みなど)を行えるような組織構造を定めることを目的としている。

    ANZ****の取締役会および委員会

    ANZグループ・ホールディングス・リミテッドの取締役会(「取締役会」)は、当グループの監督について責任を負う。取締役会は、取締役会委員会の補佐のもと、ANZのガバナンス枠組みを監督することについても責任を負う。この枠組みは効果的で責任ある意思決定を実現しようとするものであり、ANZが戦略および目的を達成できるよう支援する。

    取締役会の技能および経験

    取締役会はその役割を果たし、その責任を遂行するために必要となる総合的な技能、能力および経験を備えている。取締役会の総合的な技能および経験の評価にふさわしいと取締役会が考える区分ならびに取締役会がメンバー構成において重視する点の詳細については、「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等- (1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照のこと。かかる区分の一角をサステナビリティ(気候を含む。)が占める。

    マネジメント委員会およびフォーラム

    以下の取締役会およびマネジメント委員会の構成は、当グループ全体のESGのリスクおよび機会の監督に関連する委員会の概要を示している。下記には当年度中のESGガバナンス体制の変更(2025年9月5日に発効した取締役会委員会の改編を含む。)が反映されている。

    気候およびESGのリスク・機会に関連する取締役会委員会

    監査委員会は、財務報告に係る原則および方針、管理ならびに手続きを監督する。

    リスク委員会は、リスク管理枠組み(気候リスクを含む。)の実施および運用を監督する。リスク選好報告書を承認する。

    人材およびカルチャー委員会は、業績・報酬フレームワークの効果的な運用ならびにその他の人材およびカルチャーに関する事項を監督する。

    デジタル事業および技術委員会は、当グループのデジタル・トランスフォーメーション、データ、技術関連イノベーションおよび情報・サイバーセキュリティ戦略を監督する。

    指名および取締役会運営委員会は、取締役会の適切な機能に関する事項(人材の継続確保および取締役会の運営全般を含む。)を監督する。

    気候およびESGのリスク・機会に関連する主要なマネジメント委員会

    信用および市場リスク委員会

    執行委員会

    気候および環境委員会

    オペレーショナル・リスク執行委員会

    気候およびESGのリスク・機会に関連するその他のマネジメント委員会およびフォーラム

    気候および環境フォーラム

    気候関連開示プログラム運営委員会

    取締役会およびマネジメント委員会のESG重点領域

    2025年度中、当グループは取締役会、上級執行役員、規制当局、政府および非政府組織と様々なESG課題について協議した。こうした機会を活かし、当グループはESGの最重要課題に関するものを含む知見を高めている。詳細は2025年度ESG報告書(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)の10-11ページを参照のこと。

    ESG(気候に関する目標を含む。)に関するガバナンス

    ESG目標(気候に関する目標を含む。)の設定は、当グループの執行委員会(「執行委員会」または「ExCo」)によるレビューを経て取締役会により承認される。目標の進捗はExCoおよび取締役会により監視される。

    また、気候に関する目標(セクター別パスウェイを含む。)は気候および環境委員会のレビューも受ける。気候に関する目標(セクター別パスウェイを含む。)のガバナンスの詳細は、2025年度気候報告書(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)の7ページを参照のこと。

    (2) リスク管理

    ANZのリスク管理については、「3 事業のリスク等-(1) リスク」を参照のこと。

    気候関連リスクの管理

    ANZはリスク管理枠組み(RMF)において、気候リスクを重要リスクとして認識している。RMFにおいて、気候はその他の重要リスクの助長要因としても認識されている。

    ANZは、気候リスク専任チームの統括のもと、引き続き気候リスクをRMFに取り入れて定着させている。これは複数年がかりの作業であり、規制の動向、信頼性と一貫性のあるデータの利用・入手の制約、ならびに当グループ全体のシステム、ツールおよびキャパシティの増強の必要から生じる複雑さや課題を見定めていく。

    当グループのリスク管理枠組みおよび気候リスク対策の基礎に関する情報ついては、「3 事業のリスク等-(1) リスク」を参照のこと。

    当グループのリスク管理枠組み(RMF)

    リスク管理枠組み(RMF)はグループ・リスク管理戦略(RMS)、グループ・リスク選好報告書(RAS)およびグループ戦略策定手順の三本柱で構成され、これらを支えるリスク原則は、当グループ全体のリスク管理の方針管理や適切なリスク文化の醸成を支援する。RMFは、ANZが重要リスク(気候リスクを含む。)の特定、測定、評価、監視、報告および管理または軽減を総合的に支援する。

    RMSは、気候リスク、その管理方法および管理・監督アプローチに関する記載を含む。RMSはまた、三線防衛モデルを定め、重要リスク(気候リスクを含む。)の管理の支援に関する役割および責任を明確化している。RMFの詳細(三線防衛モデルを含む。)は、「3 事業のリスク等-(1) リスク」に記載されている。

    RASは気候リスクを含み、ANZグループが許容できるリスクの最大限度を提示している。RASは量的な指標や許容度にとどまらず高次の定性的な内容も含み、それらは一部のセンシティブ・セクター(エネルギー産業、資源採取業、土地・森林管理、水資源管理および軍事装備)の大口企業顧客(1)に対する貸付方針と整合的である。当グループは、気候リスクへの取組みの進展や外部リスク環境の変化に応じてリスク選好指数の充実を図り続けていく。

    (1) ANZが信用エクスポージャーを抱えるANZの法人部門の顧客。

    社会・環境リスクの管理

    社会・環境リスクの管理方針

    ANZ銀行グループは、当グループの社会・環境に関するリスク方針(「社会・環境リスク方針」)ならびに社会・環境リスク基準(センシティブ・セクター向けの要件を含む。)および気候リスク基準(「本基準」)を適用することで、大口企業顧客(1)への貸付判断の社会・環境的な潜在的影響を評価および管理している(2)(3)。かかる方針および本基準はANZ銀行グループ(サンコープ・バンクを除く。)に適用される(4)。

    当グループの社会・環境リスク方針は、大口企業顧客の活動から生じる社会・環境的リスク(気候・自然リスクの影響を含む。)の管理および軽減に対するANZ銀行グループのアプローチを定めている。この方針は、ある顧客またはその活動から重大な影響が生じるおそれがあるとANZが判断した場合は大口企業顧客以外の顧客にも適用され、適用されない場合であっても意思決定の指針として活用される。

    社会・環境リスク基準は、内部要件の詳細や大口企業顧客に関する当グループの想定を行員に提供するものであり、ANZのより具体的な方針への取組み姿勢を適宜考慮に入れている。この基準には、人権配慮やセンシティブな文化・環境領域の保護といった基本要件が含まれる。ANZは、当グループが不適切と判断する土地の取得や非自発的な移住を容認しない。基本要件は大口企業顧客に関する意思決定に適用され、さらにセンシティブ・セクターの一部には固別要件が適用される。

    対象となる同一顧客/活動に対して、複数のセンシティブ・セクター要件が適用されることもある。

    気候リスク基準は原則に立脚し、気候リスクの特定、評価および管理について一貫した手法を提供することを目的とする。この基準では、顧客またはANZに対する実際的または潜在的な気候リスクおよび影響を伴いうる意思決定を行うにあたり検討すべき重要項目などが定められている。この基準には以下に関する要件が含まれる。

    ・ 社会・環境リスク方針、気候・環境戦略および気候変動コミットメント(約束事項)に基づく行動

    ・ 貸付ポートフォリオおよび資本市場業務における気候リスクの特定、評価および管理

    ・ 潜在的な気候リスクおよび影響の監視、ならびに関連するフォーラムおよび委員会への報告

    (1) ANZが信用エクスポージャーを抱えるANZの法人部門の顧客。

    (2) 要約(英文)は以下で閲覧可能である:anz.com.au/social-and-environmental-risk-management

    (3) 気候リスク基準は、当報告期間はサンコープ・バンクを含めていない。2026年度は同基準にサンコープ・バンクを含める予定である。

    (4) サンコープ・バンクは責任ある銀行業務方針を独自に維持しており、そこでESGに関するリスクおよび機会をサンコープ・バンク全体で管理するための方針を定めている。かかる責任ある銀行業務方針は、サンコープ・バンクならびに同行が顧客に提供するすべての商品およびサービスに適用されている。

    (3) 戦 略

    ANZ当グループは、ANZの潜在能力を解放して顧客、株主およびコミュニティの支持を獲得することを志している。

    当グループの戦略では、以下の4つの戦略的支柱に焦点を当てている。

    顧客第一主義 市場をリードする差別化された優れた提案をもって、当グループは、顧客のためのあらゆるデジタル的および人的交流の水準を高める。 簡素化 生産性の市場水準を確立するため、当グループは、組織の簡素化、非中核資産の売却および効率性の向上を図る。 レジリエンス 当グループは、信頼性、安全性およびリスク管理において業界をリードし、非財務リスク管理の最高水準の保持し、行内の端から端まで説明責任を強化する。 価値の提供 財務実績を持続的に改善するため、当グループは、ステークホルダーにとって重要な高収益の成長と成果を提供することで、永続的な価値を創造する。

    ビジョンの実現

    これらの優先事項の実現は、当グループの中核的推進力であるその企業文化、人材および技術によって支えられる。

    ANZ****の2030年戦略の達成度測定

    当グループは、戦略的支柱に沿った一連の重要指標を用いて進捗を測定していく。

    (1) オーストラリア・リテール、オーストラリア商業、ニュージーランド・パーソナルおよびニュージーランド商業に分かれている。

    (2) オーストラリア・リテールおよびオーストラリア商業のMFIリレーションシップは、消費者がどの銀行をメインバンクと認識しているかに基づく。ニュージーランド・リテールのMFIは、月収1,000ドル以上の顧客または月間預金残高2,000ドル以上の顧客または1か月で8以上の異なる加盟店でPOS取引を行った顧客数で決する。ニュージーランド・ビジネスのMFIは、POS取引が5件以上または顧客指示による取引が10件以上の顧客数で決する。

    (3) コーリション・グリニッジ調査(大企業リレーションシップ・バンキング)(オーストラリア、ニュージーランド)およびコーリション・グリニッジ顧客意識調査(アジア・コーポレート・バンキング)。

    ステークホルダーにとっての最重要課題

    当年度中に、当グループは内外のステークホルダーと協力して、当グループのESG最重要課題を特定および評価するための重要性アセスメントを実施した。その結果は、当グループの実際の活動、ESG目標および重要トピックをESG外部報告で報告する際に活かされる。

    ESG****の最重要課題

    ANZの最も重要なESG課題は2024年度のアセスメントから大きく変わっていないが、非財務リスク管理の向上が当年度に追加された。

    ・ 環境サステナビリティは、ステークホルダーによりリスクと機会の両方が引き続き最重要課題の1つとして特定された。

    ・ 倫理・行動・カルチャーは、引き続きステークホルダーの念頭にあり、特に信頼の要である。

    ・ 経済的ウェルビーイングは、顧客ひいては広く地域社会における銀行の役割の不可欠な要素として取り上げられた。

    ・ 住宅取得は、多くのステークホルダーから影響が大きい長期的課題として特定された。

    ・ 情報セキュリティ(サイバーセキュリティや金融犯罪対策を含む。)については、多くの関係者が懸念(具体的には、レピュテーションの棄損につながるサイバーセキュリティ上の潜在的脅威や、急速に進化し高度化する詐欺の手口など)を示した。

    ・ 責任ある顧客エンゲージメント、すなわち顧客(経済的窮状に置かれている者を含む。)の支援においてANZに求められることなど。

    ・ 非財務リスク管理の向上は、裁判所により執行可能なオーストラリア健全性規制庁(APRA)との約束事項およびオーストラリア証券投資委員会(ASIC)との紛争解決合意に対応して重視された。これらの問題の詳細は、ANZの2025年度ESG報告書(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)の16-17ページを参照のこと。

    アセスメントの手順

    ステークホルダーからフィードバックを得るためのESGトピックのリストが作成され、その対象は投資家の優先事項、有力なESG専門家の提唱テーマ、サステナビリティ報告基準(例えばサステナビリティ会計基準審議会(SASB)の基準)、メディア分析、業界調査、競合他社の動向調査および当グループの事業環境にわたった。

    課題の優先順位付けおよび検証のための視点を内外で収集し、そのためにオーストラリア、ニュージーランドおよび太平洋地域でのステークホルダーからの聞取り調査、ならびに機関投資家、消費者・環境NGO、地域パートナー、顧客および従業員との面談を実施した。

    当グループの手法に従い、経済、環境および人(人権を含む。)に対してANZが最も大きな(プラスとマイナスの)影響力を持つ分野、ならびにかかる事項が財務や経営成績を通じて当グループの価値創造能力に及ぼしうる影響について、ステークホルダーに検討してもらった。

    当グループは、それぞれの影響が実際的か潜在的か、短期的か長期的か、意図的か非意図的か、可逆的か不可逆的かを検討してもらった。ステークホルダーのESG課題の特定およびその影響評価には重要な判断が伴った。

    当グループのアセスメント手順の要求に従い、トピックの優先順位付けおよび集約のために定量調査データが活用された。これに重ねて、聞取り調査や面談によるステークホルダーからの定性フィードバックならびにANZの上級執行役員および取締役会との協議を経て、最も重要と考えられるESG課題が検証され承認された。

    当グループのアセスメント手法は、グローバル報告イニシアチブ(GRI)基準(G3版)の「2021年重要テーマ」に準拠し、またSASBの2017年概念フレームワークを参考にしている。GRIとの対照表は、2025年度ESGデータ・フレームワーク・パック(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)で提供している。

    環境・気候関連の課題に向けた戦略

    ANZでは、持続可能な移行(サステナブル・トランジション)を資金面で支えることをビジョンとして掲げている。当グループの気候・環境戦略は、経済と環境の変化に対する顧客の適応・強靭化の支援を通じて顧客の信頼できるパートナーになるという目標を設定している。当グループは特に、大口企業顧客(1)向けの効率的で秩序ある移行支援に秀でた銀行となることを目指している。

    (1) ANZが信用エクスポージャーを抱えるANZの法人部門の顧客。

    気候・環境戦略

    当グループは核となる三大構想を掲げており、これらを支える4つの行動の柱が構想の実現に向けた取組みのテーマを束ねている。これらの構想および行動の柱を支えるものとして、法人部門、オーストラリア商業部門、オーストラリア・リテール部門およびニュージーランド部門ごとに設定される重点領域および優先順付き行動計画があり、当グループは当年度に実施局面に入っている。

    移行計画の策定手法

    2025年度中に、当グループは移行計画の策定を進めるためにさらなる取組みを実施した(1)。当グループの気候・環境戦略は当グループのアプローチの基礎を形成するものであり、大口企業顧客(2)のための効率的で秩序ある移行の支援計画の策定方法が含まれる。当グループはまた、気候・環境戦略の重点分野の情報を提供するにあたり、ネット・ゼロのためのグラスゴー金融同盟(GFANZ)や移行計画タスクフォース(TPT)の移行計画フレームワークの指針を活用している。関連する指標は、2025年度気候報告書(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)の付属書1を参照のこと。

    当グループの気候・環境戦略の構想を支えているのは、パリ協定の目標に従い2050年までにファイナンスド・エミッション(投融資先排出)のネット・ゼロ(正味ゼロ化)に向けて貸付ポートフォリオをシフトするという当グループの気候変動コミットメント(約束事項)であり、これは当グループが最も大きな影響を持ちうる領域であることの反映である。当グループの推計では、法人部門顧客への貸付が当グループのファイナンスド・エミッション総量の約3分の2を占める。それ以外のファイナンスド・エミッションは商業顧客とリテール顧客への貸付に起因する。当グループの気候変動コミットメント(英文)は、anz.com/climate-changeで入手可能である(3)。

    確実な移行計画の策定への進歩的な取組みは、気候・環境戦略に基づく行動により示される。当グループは、堅実で緻密な移行計画を作り上げるには継続的な作業が必要であることを理解している。

    当グループがこれまでに進めてきた活動および顧客の移行支援の方法については、2025年度気候報告書で説明している。

    (1) 当グループの開示は、網羅的であること、またはGFANZやTPTのフレームワークのすべてを満たすことを意図していない。

    (2) ANZが信用エクスポージャーを抱えるANZの法人部門の顧客。

    (3) サンコープ・バンクおよびANZバンク・ニュージーランドは気候変動コミットメントの対象に含めていない。

    人的資本戦略

    ジェンダー、多様性、包摂性などのANZグループの人的資本に関する方針の詳細は、「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等- (1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照のこと。

    エンゲージメントおよびウェルビーイング

    エンゲージメント

    マイ・ボイス(My Voice)はANZが全社的に実施するエンゲージメント調査であり、これによりエンゲージメント(帰属意識)、ウェルビーイング(充実)、インクルージョン(包摂化)、スピークアップ(相談・通報)文化およびリーダーシップに関する従業員の意識を把握している。

    ウェルビーイング

    ANZは、包摂的で配慮と敬意が払われる職場環境を築くことで、全方位的なウェルビーイングの支援に注力している。より具体的には、心理社会的な危機を軽減するための組織的な制度およびプロセスの強化に注力すると同時に、ウェルビーイングのあらゆる面(精神、経済、社会福祉および身体面を含む。)について個人レベルでの働きかけを強化している。

    人材育成

    顧客の望むものが変遷し技術が進歩する中で、当グループの職場環境は常に変化している。従業員を支援して引き続き顧客に価値を提供し、非財務リスク管理を強化し、優れた文化を築けるように、当グループは、現在的および将来的に必要なスキルおよび能力を身につけるための様々な研修・能力開発の選択肢を提供している。

    多様性と包摂性

    多様な人材と包摂的なカルチャーは意思決定の質を高め、イノベーションを促し、顧客のためのより良い銀行づくりを実現する。ANZは多様性と包摂化に関する方針(1)を策定して多様な人材を確保していくための方法を定めており、これにより当グループが事業を営む地域社会が反映され、従業員の個々の能力や見識が発揮され、あらゆる声が尊重される包摂的な職場環境を通じて思考の多様性が活かされるようにしている。

    (1) サンコープ・バンクを含めている。

    報酬に関するジェンダー平等

    ANZのジェンダー間の賃金格差は、縮小に向かって引き続き着実に前進している。

    報酬に関するジェンダー平等へのANZの継続的な注力の結果、2025年度にジェンダー間の賃金格差はさらに縮まった。平均総賃金の格差は前年比で1.6%ポイント低下して17.2%となった。まだやるべきことは多いが、金融・保険サービスの最新の業界平均報告指標の22.2%を下回る水準を保っているのは良い傾向と考えている。

    当グループではジェンダー間の賃金格差の中央値も縮小しており、現在は18.9%となっている。当グループはこの格差を持続的に減らしており、金融・保険サービスの最新の業界平均報告指標の中央値(やはり22.2%)を下回る水準を保っている。

    当グループのジェンダー間の賃金格差に関する取組みの詳細は、ANZGHLの2025年度ESG報告書(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)の44ページを参照のこと。

    ジェンダー・バランス

    ANZのすべての営業地域および事業において、ジェンダー・バランスの実現への重点的な取組みは引き続き最優先事項のひとつである。当グループは、各部門において重点的取組みを要する分野の特定や進捗の追跡が可能になるよう、ジェンダーに関するデータの報告を改善し続けている。

    当グループは当年度にリーダー層の女性比(WIL)目標を上回り、1年で1.8%ポイント上昇して目標より0.3%ポイント高い40.5%を達成した(1)。収益生成部門のリーダー層の女性比は0.8%ポイント上昇して33%となった。2025年9月30日現在、主要経営陣(KMP)に占める女性の割合は10人中4人から9人中3人に減少して33%となり、目標を下回っていた。

    ステファン・ホワイト、ペドロ・ロデイア、クリスティーン・パーマーおよびドナルド・パトラの執行委員会(2)の常勤委員への登用(それぞれ2025年10月から12月にかけて着任済み)が最近公表され、KMPの女性の割合は2025年12月1日現在で40%に上昇している。

    (1) 2024年度のリーダー層の女性比実績がサンコープ・バンクを除いて38.8%であったのに対して、2025年度のリーダー層の女性比目標における2024年度のリーダー層の女性比ベースラインはサンコープ・バンクを含めて39.0%としている。

    (2) 執行委員会(ExCo)は、ANZの上級執行役員の多くが委員を務めている。ExCoの委員構成(英文)は anz.com/excoで閲覧可能である。

    アクセスの向上および包摂化

    ANZには誇るべき障害者包摂化支援の歴史があり、2007年よりアクセス向上および包摂化のためのプラン(本プラン)を実施している。本プランはそれぞれオーストラリア人権委員会に登録済みである。

    従業員の就労状況

    障害コンフィデント制度の参加企業として、当グループは障害者が活躍できる安全で快適な職場環境を作っている。障害を抱える従業員のニーズを先取りし、エンゲージメントやパフォーマンスの充実を支えるために必要な調整を行っている。

    (4) 指標および目標

    以下では、ANZグループのESG目標について記載する。

    当グループのESG目標および実績

    当グループのESG目標は、業務プラクティス、戦略および目標の実践を支援する。

    当年度は4つのESG目標が期限を迎え、うち3つが達成された。オペレーショナル・エミッションの目標については、5項目のうち4項目で個別目標を達成した。以下は関連する目標の要約である。

    期限を迎えた目標

    目標(1)の表題 目標期限/結果
    貯蓄プログラムの試験的実施 2025年度まで / 達成
    高排出企業との対話プログラム(LEEP)(2) 2025年度まで / 達成
    オペレーショナル・エミッション およびノン・エミッション(2) 2025年度および2030年度まで
    • スコープ1とスコープ2の排出量 達成
    • 再生可能エネルギー(再エネ)電力 未達
    • 水 達成
    • 廃棄物 達成
    • 紙 達成
    ニュージーランドのリテール貸付(2) 2025年度まで / 達成
    ジェンダー平等に関する目標(3) (4) 2025年度まで
    • 主要経営陣 未達
    • リーダー層の女性比 達成

    資金対応力に関する目標は、計算手法の問題点が特定されたため2025年度中に取り下げた。

    継続する目標

    目標(1)の表題 目標期限/現況
    公営住宅および手ごろな住宅(アフォーダブル住宅)に100億ドル 2030年度まで / 継続中
    社会・環境活動に1,000億ドル(2) 2030年度まで / 継続中
    セクター別パスウェイ(4) 2023年度まで
    オペレーショナル・エミッション(5) 2030年度まで / 継続中
    スコープ1およびスコープ2の排出量 2030年度まで / ベースラインを再設定
    ジェンダー平等に関する目標(5) 2026年まで
    • 主要経営陣 継続中
    • リーダー層の女性比 ベースラインを再設定

    (1) 別途の記載がない限り、サンコープ・バンクは目標に含めていない。

    (2) セイバー・プラス。目標はANZの2025年度グループ・スコアカードに影響する(「環境上のESG目標を計画どおりに実現する」)。「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(2) 役員の状況-③ 役員報酬の内容(報酬報告)」を参照のこと。

    (3) 目標はANZの2025年度グループ・スコアカードに影響する(「インクルージョン指数を改善する」)。「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(2) 役員の状況-③ 役員報酬の内容(報酬報告)」を参照のこと。

    (4) 当グループの2025年度気候報告書(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)において、セクター別パスウェイの範囲に関する重要な情報を記載している。サンコープ・バンクの顧客のうちパスウェイへの組込みに係る内部基準をみたすものは、改定後のパスウェイおよび目標に含めている。

    (5) サンコープ・バンクを含めている。

    期限を迎えた目標(成果および達成状況を含む。)

    目 標(1) 2025年度の成果および達成状況
    貯蓄プログラムの試験的実施 2025年度末までにフィジーとバヌアツで低所得者向けの貯蓄プログラム(2)を試験的に運用し、終了時に80%以上の参加者に貯蓄習慣(3)を定着させる。(パシフィック) 達成 フィジーとバヌアツでの貯蓄プログラム(2)の試験運用を順調に終えた。終了時点でフィジーの参加者の85%およびバヌアツの参加者の90%に貯蓄習慣(3)が定着し、いずれも目標を上回った。第三次試験運用がソロモン諸島で開始された。
    高排出企業との対話プログラム 特に排出量の多い顧客企業との対話(エンゲージメント)に集中することで、気候関連のリスクおよび機会の管理を強化する。当グループの顧客企業の排出量上位100社の低炭素化プランにつき、企業顧客とのエンゲージメントに注力して高い期待値を設定することにより、策定初期より評価を上げてプランが「成熟」段階にあると評価される顧客を増やすことを2025年度末までの目標とする。 達成 低炭素化プランが「成熟」段階にあると評価された顧客が、2024年度の42社から45社に増えた(4)。
    オペレーショナル・エミッションおよびノン・エミッション 以下により、当グループの事業活動が環境に直接与える影響を減らす(5)。
    スコープ1とスコープ2の合算排出量を(2015年度のベースラインに対して)2025年度までに85%削減し、2030年度までに90%削減する(6)。 達成 スコープ1とスコープ2の合算排出量は、2015年度から96%減少した。
    2025年度までに供給電力の100%相当を再エネ電力で賄うようにする(7)。 未達 ANZの電力需要の97%を再エネ電力で賄ったが、目標の100%にはわずかに届かなかった。その主な要因は、パプアニューギニアや太平洋諸国での確立されたスキームの不在および再エネ電力インフラの不足であった。
    水の使用量(8)を2025年度までに(2017年度のベースラインに対して)40%削減する。 達成 当グループの水の消費量は、2017年度から61%減少した。
    埋立廃棄物(9)を2025年度までに(2017年度のベースラインに対して)40%削減する。 達成 当グループの埋立廃棄物は2017年度から79%減少した。
    紙の消費量(社内で使用する紙およびANZの業務に付随して顧客が使用する紙の両方)を2025年度までに(2015年度のベースラインに対して)70%削減する。 達成 当グループの消費量は2015年度から77%減少した。
    ニュージーランドのリテール貸付 2025年度末までに、19,700世帯以上を対象に総額8億2,500万ニュージーランド・ドル以上を格安で融資することで、ニュージーランドの住宅所有者による自宅の維持(サステナビリティ)向上および/または交通排気の削減を支援する。(ニュージーランド) 達成 2020年10月以降、当グループは、快適な住宅に住めるように23,397世帯を支援し、9億3,886万ニュージーランド・ドルの融資を以下により実行した。 ・ヘルシー住宅ローン・パッケージ ・省エネ住宅ローン・トップアップ ・住宅断熱化無利子ローン(10)
    ジェンダー平等に関する目標(11) 主要経営陣(KMP)(12)に占める女性の割合(12)を40%以上に維持する。 未達 2025年9月30日現在、KMP(12)に占める女性は10人中4人から9人中3人に減少し、目標を下回る33%となっていた。(ステファン・ホワイト、ペドロ・ロデイア、クリスティーン・パーマーおよびドナルド・パトラの執行委員会の常勤委員(13)への登用(それぞれ2025年10月から12月にかけて着任済み)が最近公表され、KMPに占める女性の割合は2025年12月1日現在で40%に上昇している。)
    リーダー層の女性比(WIL)をベースライン(39%)から1.2%ポイント上昇させる(14)。 達成 当グループのWILは1年間で1.5%ポイント上昇し、目標より0.3%ポイント高い40.5%となった。

    (1) 別途の記載がない限り、サンコープ・バンクは目標に含めていない。

    (2) セイバー・プラス。

    (3) 10か月のうち(セイバー・プラス・プログラムに従った)貯蓄が8か月行われること。参加者調査データにより判定される。

    (4) 2024年度は、42社の顧客が「成熟」と評価された。2024年度から2025年度にかけて排出量上位100社のうち4社が「成熟」に格上げされ、また2024年度に「成熟」の評価を受けていた1社が買収に伴い高排出企業との対話プログラム(「LEEP」)の対象から外れた。2025年度にはLEEPを拡張し、新たにオーストラリアのセーフガード・メカニズムの対象となる顧客、セクター別パスウェイに採用されている顧客の一部、およびその他の高排出顧客の一部を対象に含めた。かかる拡張後のLEEP対象顧客群において、2025年度末現在で「成熟」段階にあると評価された顧客は77社である。詳細は、2025年度気候報告書(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)の12ページを参照のこと。

    (5) オーストラリアの規制上の報告年度に合わせ、環境報告年度は7月1日から6月30日までとする。

    (6) スコープ2の算定については、市場ベースの手法を使用している。2025年度気候報告書の付属書7「Scope 1, Scope 2 and Scope 3 Operational Greenhouse Gas Emissions Reporting Methodology(スコープ1、スコープ2およびスコープ3のオペレーショナル温室効果ガス報告手法)」(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)を参照のこと。

    (7) 自家発電による再エネ電力、オフサイトで発電施設にグリッド接続する直接調達(電力購入契約(PPA)等)、およびRE100(Renewable Energy 100%)の技術ガイドラインに準拠した信頼性の高いグリッドでデフォルト供給される再生可能エネルギー電力。

    (8) ANZの世界各地の施設で消費される飲料水の総量。2021年度以降は世界各地の拠点の水消費量を含めている。

    (9) ANZの世界各地の施設で発生する埋立廃棄物の総量。2021年度以降は世界各地の拠点の廃棄物排出量を含めている。

    (10)2022年7月に廃止した商品。

    (11)サンコープ・バンクを含む。

    (12)「上級執行役員」は「主要経営陣(KMP)」を意味し、これは最高経営責任者および「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(2) 役員の状況-③ 役員報酬の内容(報酬報告)」に記載された開示を要する執行役員を意味する。

    (13)執行委員会(ExCo)は、ANZの上級執行役員の多くが委員を務めている。ExCoの委員構成は anz.com/exco(英文)で閲覧可能である。

    (14)2024年度のリーダー層の女性比実績がサンコープ・バンクを除いて38.8%であったのに対して、2025年度のリーダー層の女性比目標における2024年度のリーダー層の女性比ベースラインはサンコープ・バンクを含めて39.0%としている。

    2026****年度も継続する目標(達成状況の更新および新しい目標を含む。)

    当グループは2026年度も、公営住宅およびアフォーダブル住宅に100億ドルを供給する目標、社会・環境活動に1,000億ドル(1)を供給する目標、ならびにセクター別のパスウェイおよび目標に引き続き取り組んでいく。スコープ1およびスコープ2のオペレーショナル・エミッションの削減は、2025年度目標と2030年度目標のいずれも達成済みとなった。2030年度目標を想定より早く達成したため、ベースラインを見直してより野心的な2030年目標を設定した。また、ジェンダー平等に関する目標についてもベースラインを再設定した。

    目 標(2) 2025年度の達成状況または現況 目標期限
    公営住宅およびアフォーダブル住宅に100億ドル より手ごろで手の届きやすい、またはサステナブルな売・貸住居物件(3)を供給するために、2030年度末までに100億ドル以上(2025年度中の7億5,000万ドルを含む。)の投融資資金およびファシリティを提供する。 2018年10月以降、当グループは、より手ごろで手の届きやすい、またはサステナブルな売・貸住居物件を供給するために73億7,000億ドルの資金およびファシリティを提供してきた。このうち8億9,279万ドルが2025年度目標への充当額に配分され(4)、2025年単年度目標の7億5,000万ドルを超過達成した。 2030年度 まで
    社会・環境活動に1,000億ドル 社会・環境活動のために、顧客取引やANZの直接投資を通じて2030年度末までに1,000億ドル以上(2025年度中の185億ドルを含む。)の資金およびファシリティを提供する。二酸化炭素排出削減の支援、自然保護、アフォーダブル住宅へのアクセス向上ならびに経済的ウェルビーイングの促進を目的とする取組みなどを対象とする(1)。 2023年4月1日以降、当グループは、412件の顧客取引で約847億2,000万ドルの資金およびファシリティ(420億9,000万ドルの資金および389億6,000万ドルのファシリティ)を目標に充当してきた。このうち457億5,000万ドルが2025年度目標への充当に配分され(4)、2025年単年度目標の185億ドルを超過達成した。 2030年度 まで
    セクター別パスウェイ(5) 10のセクターまたはサブ・セクターで、ファイナンスド・エミッションの2050年までのネット・ゼロに向けた移行のための貸付に関して、セクター別パスウェイおよび2030年度中間目標が設定されている。 「順調」が8、「概ね順調」が2であり、「不順」はない。 詳細は2025年度気候報告書(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)の32-51ページを参照のこと。 2030年度 まで
    オペレーショナル・エミッション(6) スコープ1とスコープ2の合算排出量を(2024年度のベースラインに対して)2030年度までに85%削減する。 (2015年度のベースラインに対して)90%の削減という2030年度目標を想定より早く達成したため、当グループは、2024年度をベースラインに設定してスコープ1とスコープ2の合算排出量削減目標をより野心的なものに修正した。 2030年度 まで
    ジェンダー平等に関する目標(6) 主要経営陣(7)に占める女性の割合を増やして40%以上にする。 リーダー層の女性比をベースライン(40.5%)から1%ポイント上昇させる。 2026年度目標のベースラインを再設定した。 2026年度 まで

    (1) 目標額への取引の組入適格評価に関するANZのアプローチの詳細は、ANZの社会・環境サステナビリティ目標算定手法(Social and Environmental Sustainability Target Methodology)(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)を参照のこと。

    (2) 別途の記載がない限り、サンコープ・バンクは目標に含めていない。

    (3) 適格住宅に関する取引には、2030年度末までに1,000億ドルを達成するという社会・環境目標の適合基準をも満たすものがあり、これらは両目標に貢献する可能性がある。

    (4) 2025年度分には、2024年9月21日から2025年9月19日までに目標額への組入適格が認められた取引が含まれる。

    (5) 当グループの2025年度気候報告書(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)において、セクター別パスウェイの範囲に関する重要な情報を記載している。サンコープ・バンクの顧客のうちパスウェイへの組込みに係る内部基準をみたすものは、改定後のパスウェイに含めている。

    (6) サンコープ・バンクを含めている。

    (7) 「上級執行役員」は「主要経営陣(KMP)」を意味し、これは最高経営責任者および「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(2) 役員の状況-③ 役員報酬の内容(報酬報告)」に記載された開示を要する執行役員を意味する。

    気候関連の指標および目標

     当グループの目標

    当グループの気候・環境目標は、気候・環境戦略の実現を支援する。2030年度までに社会・環境活動に1,000億ドルを供給するという目標(1)に対して847億2,000万ドルの資金およびファシリティを提供済みであるなど、当グループは前進を続けている。それ以外については、改定後のセクター別パスウェイのうち8つが「順調」、2つが「ほぼ順調」であり、「不順」のものはない。また、当グループは事業活動に伴う排出削減における自らの役割を自覚し、事業全体のスコープ1とスコープ2の合算排出量(2)を継続的に削減している。

    当グループはまた、2025年度中にセクター別パスウェイと目標の見直しを行い、これにより重要な変更(目標や過去の実績を含む。)が生じた。2025年度の当グループの気候・環境目標およびその達成状況(セクター別パスウェイを含む。)(3)の詳細は、2025年度気候報告書(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)の10-11ページを参照のこと。

    オーストラリアにおける気候関連開示の義務化(4)および変化する内外の事業環境を踏まえ、当グループは気候・環境目標を見直し、目標が合目的性および戦略との整合性を確実に維持するようにしている。

    (1) 目標額への取引の組入適格評価に関するANZのアプローチの詳細は、ANZの社会・環境サステナビリティ目標算定手法(Social and Environmental Sustainability Target Methodology)(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)を参照のこと。

    (2) 詳細は「指標およびと目標」の項を参照のこと。ANZのスコープ1、スコープ2およびスコープ3のオペレーショナルGHGの排出量報告に関する手法については、2025年度気候報告書の付属書7(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)を参照のこと。

    (3) 詳細は「指標およびと目標」の項を参照のこと。ファシリテイテッド・エミッション(資本市場業務に係る排出)およびファイナンスド・エミッション(投融資先排出)に関する手法については、2025年度気候報告書の付属書5(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)を参照のこと。

    (4) ANZグループには2025年10月1日に開始する会計年度について適用される。

    人的資本

    ANZグループの人的資本に関する指標および目標の詳細は、「第2 企業の概況-5 従業員の状況」、「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(1) コーポレート・ガバナンスの概要」および同「 -(2) 役員の状況」ならびにanz.com/esgreportで入手可能なANZGHLの2025年度ESGデータ・フレームワーク・パック(英文)の「Employees(従業員)」を参照のこと。

    (5) ESG関連用語

    このESG関連用語(気候分野を含む。)は、本「2 サステナビリティに対する考え方及び取組」の他、本項を参照すべきことが明記されている「第2 企業の概況-5 従業員の状況」の一部の記載についてのみ適用される。

    「ANZ」または「当グループ」 ― ANZグループ・ホールディングス・リミテッドおよびその各子会社(別途の記載がある場合を除く。)。

    「ANZ銀行グループ」 ― ANZ銀行持株会社およびその子会社(ANZBGLおよびANZバンク・ニュージーランドを含む。)。

    「ANZバンク・ニュージーランド」 ― ANZバンク・ニュージーランド・リミテッド。

    「ANZグループ」 ― 文脈によりANZBGLグループ、または当グループ全体(すべての事業を含む。)。

    「ANZBGL」 ― オーストラリア・ニュージーランド・バンキング・グループ・リミテッド(Australia and New Zealand Banking Group Limited)。

    「ANZBGLグループ」 ― ANZBGLおよびその各子会社。

    「ANZGHL」 ― ANZグループ・ホールディングス・リミテッド(ANZ Group Holdings Limited)。

    「取締役会」 ― ANZGHLの取締役会。

    「気候関連開示プログラム」 ― ANZがオーストラリア政府の定める法定気候関連開示要件を履行できるように設定された内部業務プログラム。

    「気候リスク」 ― 気候変動から生じる財務リスクおよび非財務リスク(物理リスク、移行リスクおよび責任リスクを含む。)。

    「従業員エンゲージメント」 ― 当グループの労働者がANZに抱く熱意や所属意識の程度。

    「従業員」 ― ANZに雇用され、ANZから直接給与の支払を受ける者。正規(フルタイムもしくはパートタイム)、有期雇用または臨時の区分がある。

    「エネルギー関連顧客」 ― 以下の1つを主業とする当グループの法人部門の顧客。

    ・ 石炭採掘

    ・ 石油・ガス採取

    ・ 石油関連サービス(探査サービス、精製、商品の卸し・販売)

    ・ 発電

    エネルギー関連顧客を特定するに当たっては、ANZは顧客に適用するANZSICコードを考慮する。

    「ファシリテイテッド・エミッション(資本市場業務に係る排出)」 ― 金融機関の資本市場業務に関連する排出。顧客における排出のうち金融機関への帰属割合に基づき推計される。ANZのファシリテイテッド・エミッションに関する情報については、当グループの2025年度気候報告書の付属書5「Financed and Facilitated Emissions Methodology(投融資先排出および資本市場業務に係る排出の算定手法)」(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)を参照のこと。

    「ファイナンスド・エミッション(投融資先排出)」 ― 貸付金および信用エクスポージャーを伴うその他の金融商品を通じて供給した資金に関連する排出。顧客における排出量から金融機関への帰属割合に基づき推計される。これらのファイナンスド・エミッションは、金融機関ではスコープ3のカテゴリ15の排出類型に属する。ANZのファイナンスド・エミッションに関する情報については、当グループの2025年度気候報告書の付属書5「Financed and Facilitated Emissions Methodology(投融資先排出および資本市場業務に係る排出の算定手法)」(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)を参照のこと。

    「ジェンダー間の報酬格差」 ― 従業員の全般的な男女間賃金格差。

    「温室効果ガス(GHG)」 ― 京都議定書で列挙される温室効果ガス、すなわち二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、三フッ化窒素(NF3)、パーフルオロカーボン(PFC)および六フッ化硫黄(SF6)。

    「環境配慮の偽装(グリーンウォッシング)」 ― 組織、製品または戦略の環境配慮性、サステナブル性または倫理性の程度を偽って示す行為。

    「窮状」 ― 一般に、個人が経済的困難に直面し、経済的な義務を果たすことが難しい状況を指す。これには収入減少、予期せぬ出費または債務返済能力もしくは金銭的約束の管理能力に影響を及ぼすその他の個人的な事情が含まれうる。

    「大口企業顧客」 ― ANZが信用エクスポージャーを抱えるANZの法人部門の顧客。

    「高排出企業との対話プログラム(LEEP)」 ― 当グループの顧客エンゲージメント・プログラムの代表格であり、LEEP対象顧客の移行計画に関与するための枠組みを提供する。

    「LEEP顧客の選定」 ― LEEP対象顧客に選定される顧客は、一般要件および属性別顧客群に固有の要件の両方を満たさなければならない。以下にこれらの要件を説明する。

    ANZは、LEEP対象に他の顧客を加え入れまたは顧客を対象から外す裁量を維持し、その際は2025年度気候報告書の12ページに記載の要素を考慮する。

    こうした顧客の加除は、ANZが大口企業顧客に随時適用する要件を定期的に見直す結果として実施される場合がある。

    一般要件

    顧客はそれぞれ以下を満たさなければならない:

    ・ 与信の推奨限度額が300万ドル以上であること、および

    ・ ANZと継続的な関係を有していること。

    顧客の与信推奨限度額が直接融資(プロジェクト融資や特定資産を担保とする融資など)に関するものである場合、当該限度額はLEEP対象への追加においては考慮しない。

    属性別顧客群に固有の要件

    LEEP対象顧客の一部の属性別顧客群については、以下のような選定基準が追加される:

    a)  排出量上位100社の法人顧客:報告値または推計値ベースで排出量上位100社とANZが認定する顧客(スコープ1およびスコープ2の排出は全顧客で、スコープ3の排出は石炭、石油・ガスおよび鉱業インフラ顧客で算入する)。顧客リストは2023年8月に計算または推計された排出量に基づく。

    b)  セーフガード・メカニズムの対象となる顧客:指定大規模施設の「排出責任者」(2007年国家温室効果ガス・エネルギー報告法(連邦)で定義される。)である顧客のうち、オーストラリアのセーフガード・メカニズムの目的において引き続きベースラインの継続的削減義務を負う者。顧客リストは2023年8月に行われた指定大規模施設の顧客マッピングに基づく。

    c)  当グループのセクター別パスウェイに採用されている顧客:当グループのセクター別パスウェイに採用される顧客をどのように選定しているかは、当グループの2025年度気候報告書の付属書5「Financed and Facilitated Emissions Methodology(投融資先排出および資本市場業務に係る排出の算定手法)」(英文)(anz.com/esgreportで入手可能)で説明している。

    d)  その他のエネルギー関連顧客:LEEP対象顧客選定要件を満たすその他のエネルギー顧客(ただし、主たる所有資産が再生可能エネルギー資産および/またはその他の低排出発電資産である顧客は除く。)。

    e)  その他の高排出顧客:ANZが認定する高排出企業(大規模な農業関連顧客や化学メーカーなど)。

    「LEEP対象顧客」 ― LEEPは適用あるLEEP対象顧客選定要件をみたす大口企業顧客を対象とし、以下に分類される顧客を含む。

    a) 企業顧客の排出量上位100社

    b) セーフガード・メカニズムの対象となる顧客の一部

    c) 当グループのセクター別パスウェイに採用されている顧客の一部

    d) その他のエネルギー関連顧客

    e) その他の高排出顧客

    目安として、ANZはLEEPの対象を140社から160社で維持する意向である。

    「責任リスク」 ― 本報告書の文脈上、気候変動の影響に適切に配慮しまたは対応しない結果として訴訟または規制措置を受ける可能性(物理リスクおよび移行リスクを含む)。環境配慮の偽装(グリーンウォッシング)を含む。

    「市場ベース」 - 再エネ電力証書勘案後の購入電力から導かれるスコープ2の正味排出量を採用する排出算定手法。

    「自然」 ― 自然関連財務情報開示タスクフォースは 、「自然 」を 「生物(人を含む。)の多様性、ならびに生物間および生物・環境間の相互作用に着目した自然界」ととらえている。

    「ネット・ゼロ(正味ゼロ化)」 ― 温室効果ガスの排出と同量の二酸化炭素を大気から除去することで、結果的に地球規模の排出が正味(ネット)で増加することなく均衡している状態。

    「非財務リスク管理枠組み」 ― ANZの従業員が着実かつ効果的に非財務リスクを識別、評価、管理、監視および報告するための方法を定めた手順。

    「オペレーショナル・エミッション」 ― 事業運営に関連する排出からファイナンスド・エミッションなどを除いた部分。当グループのオペレーショナル・エミッションは、スコープ1およびスコープ2、ならびにスコープ3の一部のカテゴリで構成され、ファイナンスド・エミッション、ファシリテイテッド・エミッションおよびANZの投資先関連の排出は含めない。

    「同一労働の賃金ギャップ」 ― 「同一労働間格差」と呼ばれることもあり、同一または類似の職務に従事する男女間の賃金格差をいう。

    「物理リスク」 ― 気候の長期変動から生じるリスク(慢性リスク)と異常気象の頻度・強度の変化から生じるリスク(急性リスク)の両方。慢性物理リスク要因の例には、海面の上昇、平均気温の上昇および海洋酸性化などがある。急性物理リスク要因の例には、熱波、洪水、山火事、暴風雨およびサイクロンなどがある。

    「リスク管理枠組み」 ― ANZはリスク管理枠組み(RMF)を策定しており、その中で預金者および/または顧客に対する義務の履行能力に影響しうる重要なリスクを特定、測定、評価、監視、報告および管理または軽減するための体制について説明している。

    「セイバー・プラス(Saver Plus)」 ― ANZと聖ロレンス協会が2003年に開発した預金額連動型貯蓄および金融教育プログラム。このプログラムの認定修了者は、本人や子の教育関連費用として承認された金額につき、貯蓄額に応じた金額(上限500ドル)をANZから受け取ることができる。

    「スコープ1」 ― 企業が所有または支配する排出源からの直接的な温室効果ガスの排出。

    「スコープ2」 ― 購入電力の消費から生じる温室効果ガスの間接的な排出。

    「スコープ3」 ― 企業のバリューチェーンから生じ、スコープ1およびスコープ2に該当しない温室効果ガスのその他の間接的な排出で、温室効果ガス・プロトコルの企業バリューチェーン(スコープ3)算定・報告基準の表5.3に記載されるもの。

    「セクター別パスウェイ」 ― 業界固有の排出削減への道筋。

    「センシティブ・セクター」 ― 環境・社会・ガバナンスのリスクが高まっている、または重大なネガティブ・インパクトが潜在するとANZが考える業界または事業カテゴリ。エネルギー、資源採取業、土地・森林管理、水資源管理よび軍事装備が該当する。

    「サンコープ・バンク」 ― SBGHリミテッドならびにその子会社であるサンコープ・バンク(ノルフィナ・リミテッド)およびその各子会社。

    「移行計画」 ― 気候に関する移行計画には、低炭素経済への移行に向けた目標、行動またはリソースを設定する企業総合戦略としての側面があり、これには排出削減などの行動が含まれる。

    「移行計画の策定」 ― 移行に関する目標を設定し、低炭素経済および/または気候耐性のある経済への移行に向けた行動を計画するに際して企業が従う戦略的プロセス。

    「移行リスク」 ― 低炭素経済への移行から生じるリスク。国内外の政策・規制環境の変化、技術革新、社会的適応および市場の変化などを含む。

    「リーダー層の女性比」 ― シニアマネージャー、執行役員、上級執行役員およびグループ執行委員(それぞれANZが定める職位グループの3、2および1に該当する職位)全体に占める女性の割合として算定する。休職状況を問わず全従業員を含むが、契約社員は(フルタイム換算従業員数には算入されるとしても)これに含めない。

    3【事業等のリスク】

    (1)リスク

    ANZグループにおいて、リスク管理は、人々と地域社会が繁栄する世界を築くというANZグループの目標を達成に導く基柱である。ますます複雑化し流動化する環境下にあって、リスクを特定、評価および管理する能力は、顧客との約束を果たし、信頼を保ち、利害関係者を守り、持続可能な成長を達成するために極めて重要であるとANZグループは考えている。

    本「3 事業等のリスク - (1) リスク」の以降の記載において、「ANZグループ」はANZグループ・ホールディングス・リミテッドおよびその子会社(サンコープ・バンクを除く。)を指し、「取締役会」はANZグループ・ホールディングス・リミテッドの取締役会を指す。

    ANZ****グループのリスク管理の枠組み(RMF)

    ANZグループのリスク管理の枠組み(「RMF」)は、APRAの健全性基準CPS220に沿って、ANZグループの戦略的目標を支援するために構築されている。根本原因改善プログラムの一要素である非財務リスクの重要性のより適切な反映を含め、リスク管理の枠組みを更新および補充していく所存である。

    取締役会は、ANZグループの基礎となるシステム、構造、方針、手順、プロセス、および人材を支柱に据えたRMFを設定し、かつ監督することに最終的な責任を負う。これらはANZグループの重要リスクの特定、監視および管理に活用される。ANZグループは、これらの重要リスクを財務リスク、非財務リスク、気候リスクおよび戦略リスクに分類している。ANZグループの財務リスク管理手法の詳細は、「第6 経理の状況-1 財務書類」に記載の2025年度財務書類の注記17に記載されている。

    取締役会は、ANZグループのリスク管理方針を策定しその遵守状況を監視する権限を取締役会リスク委員会(「BRC」)に対して委任している。BRCは、その活動について取締役会に定期的に報告を行う。ANZグループのRMFの主柱となるものには以下が含まれる。

    ・ リスク管理戦略(「RMS」)は、ANZグループの目的と戦略をリスク管理面から支援する仕組み、ANZグループ最高リスク責任者およびリスク機能部門の責任、ならびにリスクに関する意思決定の指針となる価値観および行動を概説する。RMSでは各種の重要リスクおよびその対処方法が、方針、基準および手続きを含めて説明される。また、リスクの特定、測定、評価、監視、報告および管理または軽減の方法、ならびに監督の仕組みおよび所定の委員会も記載される。

    ・ リスク選好報告書(「RAS」)は、株主、預金者および顧客の利益を考慮の上、ANZグループが戦略的目標および事業計画の達成に向かうにあたって受け入れる意思があるリスクの最大レベルを明確にする。

    ・ ANZグループ戦略策定手順は、ANZグループの戦略目標を実践するためのアプローチを概説し、その中で目標の達成に向けてANZグループが対応を迫られうる重要リスクを検討している。

    リスク管理のガバナンスおよび監視は、日々の活動に組み込まれている一方で、ANZグループにわたって委員会および定期的なフォーラムにおける重要な取り組みとなっている(下図を参照のこと)。委員会およびフォーラムにおいては、既知の問題の対処にあたっての管理プランの見直しと進行状況の監視を行い、既知および新規のリスクについての議論と監視を行う。

    リスク管理は三線防衛モデルを用いて運用される。それぞれの防衛線において、ANZグループのリスク管理の支援における役割、責任およびエスカレーション・パスが定められている。

    1番目の防衛線を担うのは事業および実行機能部門であり、日常的なリスクおよび統制を管理する。

    2番目の防衛線はリスク機能部門が担い、ANZグループのリスク・プロファイルに影響を及ぼす意思決定に対して独立的な監視および異議の提起を行う。

    3番目の防衛線は内部監査であり、ANZグループのRMFの有効性を独立的な立場で評価し保証を与える。

    重要リスク

    以下は、ANZグループが直面する重要リスクと、これらのリスクの管理方法の要約である。

    リスクの種類 内容 リスク管理
    自己資本充実リスク ANZグループの連結業務およびリスク選好度を支援するための、健全性規制当局およびその他の主要な利害関係者(株主、債券投資家、預金者および格付会社等)が要求する自己資本水準をANZグループが維持できない場合に発生する損失に関するリスクである。 ANZグループは、主要方針目標に照らした資本基盤の水準と構成の継続的な審査および取締役会の承認を通じて、預金者、債権者および株主の利益の保護を目的としたANZグループの自己資本管理に対する積極的な取組みを進めている。
    信用リスク 以下の結果生じる財務損失に関するリスクである。 ・ カウンターパーティーが債務履行を怠る。 ・ カウンターパーティーの信用の質が低下し、そのことにより価値の低下が生じる。 ANZグループの信用リスクについての枠組みはトップダウン構造で、信用原則、信用指針および信用要件により定義づけられている。与信の政策、要件および手続きは、初期承認およびリスクのグレード化から継続的な管理および問題債権の管理まで、与信のライフ・サイクルにわたってあらゆる面を網羅している。
    流動性および資金調達リスク 以下を含む、期日が到来した支払債務をANZグループが履行できないリスクをいう。 ・ 預金者への返済またはホールセール債券の満期償還 ・ 資産を増額する資金調達を行うANZグループの能力が不十分 ANZグループは、バランスシートにおいて内在する流動性および資金調達リスクを認識しており、流動性および資金調達リスクを軽減および管理する一連の主要原則を確立している。 ANZグループの枠組みはトップダウン構造で、流動性原則および方針により定義づけられている。流動性制限の枠組みが導入され、流動性制限が流動性ストレステストの枠組みに基づき設定されている。
    市場リスク ANZグループのトレーディングおよびバランスシート取引に起因するリスクであり、以下に起因するANZグループの利益に対するリスクをいう。 ・ 金利、外国為替レート、信用スプレッド、ボラティリティおよび相関関係の変動、または ・ 債券価格、コモディティ価格もしくは株価の変動 ANZグループは、詳細な市場リスク管理および統制の枠組みを有しており、この枠組みには、トレーディングおよびバランスシートのポートフォリオにおける市場リスクの大きさを定量化するための独立したリスク測定アプローチを組み込むことが含まれている。このアプローチは、一定の期間に予想できる、可能性のある結果が及ぶ範囲を特定し、それらの結果の可能性を確定し、これらの活動を支援する適正な額の資本の割り当てを行う。
    戦略リスク 事業環境の変化に効果的に適応できず、状況の変化に応じて戦略を転換または調整するANZグループの能力が損なわれ、ANZグループが主要な戦略的目標を達成できなくなるリスク。 ANZグループの戦略リスクの管理は、3年単位の逐次更新型事業計画(環境の変化に対応し続けるために毎年更新される。)を基盤としている。この計画は体系的な分析に基づき策定され、ANZグループのリスク選好および長期目標との整合性を確保するためリスク部門、グループ戦略部門および執行委員会によりレビューされる。戦略的目標と市場環境の定期的なレビューにより、整合性と適合性を継続的に維持している。これらのプロセスで得られた知見はANZGHLの取締役会に報告され、戦略的意思決定の指針となる。
    気候リスク 気候変動から生じる財務および非財務のリスクで、以下が含まれる。 ・ 物理リスク-長期的な気候変動(慢性リスク)のほか、異常気象の頻度および規模(急性リスク)により生じる。物理慢性リスク要因の例としては、海面上昇、平均気温の上昇、海洋酸性化などが挙げられる。物理的急性リスク要因の例としては、熱波、洪水、森林火災、サイクロンなどが挙げられる。 ・ 移行リスク-低排出経済への移行により生じる。これには、国内および国際的な政策や規制環境の変更、技術革新、社会適応および市場の変動が含まれる。 ・ 責任リスク-気候変動の影響を十分に検討することまたは対応することができないことにより、潜在的訴訟または規制措置という形で生じる可能性がある(物理リスクおよび移行リスクを含む。)。これには、例えば事業体がその気候関連リスク、事業の信頼性または戦略について虚偽の説明をしたとされる場合に生じ得るグリーンウォッシング・リスクが含まれる。 ANZグループは、そのRMFに気候リスクを統合し組み込むための作業を続けている。 気候リスクは、ANZグループの顧客への貸付を通じて信用リスクの要因となる可能性がある一方で、他の財務リスクも引き起こす可能性がある。 また、気候リスクが、ANZグループのRMFに記載されるその他の重要リスクを引き起こすことも考えられる。 気候関連の財務および非財務リスクは、これらのリスクに関連したリスク管理戦略を通じて管理される。
    金融犯罪リスク ANZグループの方針への不遵守または規制当局の期待に応えられないことを含む金融犯罪を助長するリスク。これには、下記の非財務リスクの課題を含む。 金融犯罪-マネーロンダリング、テロ資金、制裁回避または贈収賄および汚職を助長するリスク。 内部不正行為-内部関係者(ANZグループの従業員または臨時職員で、従業員が外部関係者と共謀して行為する場合を含む。)が企図または遂行する詐欺/盗難。 社外の不正行為-ANZグループの従業員または臨時職員の意図的な関与なしに企図または遂行された詐欺。 ANZグループは、犯罪の脅威を予測し、対応する金融犯罪リスク管理プログラムを維持している。金融犯罪ポートフォリオは、マネーロンダリング防止/対テロ資金、制裁、贈収賄防止・汚職防止、詐欺防止のプログラムおよび方針を通じてANZグループが規制上の義務を果たすことを確保する役割を引き続き担っている。これにより、ANZグループは、金融犯罪リスクを特定、軽減および管理することに焦点を当てた検知、調査、情報収集・分析能力を提供し、地域社会の保護に貢献できる。ANZグループは、オーストラリア取引報告分析センター(AUSTRAC)のFintel Alliance(金融情報分析に関する官民連携体制)とのパートナーシップを維持し、また、ニュージーランドのFinancial Crime Prevention Network(FCPN)(金融犯罪防止ネットワーク)への加盟を通じて、犯罪者による悪用を防止するため金融セクターのレジリエンスを高め、重大犯罪および国家安全保障に関する調査の支援を行っている。
    コンプライアンスおよびコンダクト・リスク ANZグループが以下を怠った場合に、法的もしくは規制上の措置、重大な財務損失またはレピュテーションの喪失を招くリスク。 ・ 法律、規則、健全性基準、ライセンス、規範または方針の遵守。 ・ 顧客の利益や市場の健全性を適切な管理。 これは、非財務リスクの課題であるコンダクト・リスクと規制上のリスクを含む。 ANZグループは、そのリスク管理戦略、非財務リスクフレームワークおよび関連する方針に従い、コンプライアンスおよびコンダクト・リスクを管理している。
    レジリエンス・リスク ANZグループ、顧客および金融システムに関する業務中断事象による重大な悪影響のリスク。これは、非財務リスクの課題であるオペレーショナル・レジリエンス、データ、第三者、技術および情報セキュリティ(サイバーセキュリティを含む。)を含む。 ANZグループは、顧客の利益を保護し、金融の安定を維持するため、重要な業務を保護することを目的としたレジリエンスに関する方針、基準および手順により支えられた非財務リスク・フレームワークを通じて、レジリエンスを管理している。 このフレームワークは、事業継続およびインシデント対応管理の手法を包含しており、リスク評価、シナリオテストおよび危機管理プロトコルといった主要な管理策を取り入れている。新たな脅威、運用上の依存関係、実際の事象から得られた教訓、規制当局からの期待および業界のベストプラクティスを反映するため、定期的に見直しが行われる。 具体的には、正確性、完全性および倫理的な利用を確保するためにデータリスクが管理され、情報セキュリティおよびサイバーリスクは、AIを活用した攻撃などの脅威に対抗するために、多層的な制御、継続的な監視および強化されたサイバーレジリエンス戦略を通じて軽減され、オペレーショナル・レジリエンスは、重要なサービスを特定し、監視、継続性の計画およびテストならびに第三者リスク管理の枠組みを通じて定められた許容範囲内で継続性を確保することによって維持され、テクノロジー・リスクは、情報技術システムのレジリエンス、安定性および規制当局の期待に沿った安全な変更プロセスに重点を置くことで管理される。
    オペレーショナル・リスク 不適切または機能不全の内部手続き、人員、システムまたは外的事象から生じる損失のリスク。これは、非財務リスクの課題であるモデル、物理的な安全性、取引の処理、人材、リーガル、法定報告および税金ならびに変革の実行を含む。 オペレーショナルリスクの管理は、非財務リスク・フレームワークに規定されており、ANZグループは、その顧客に対して一貫したプロセスや繰り返し同じ成果を与えられるようにするため、このフレームワークを継続的に見直し、進化させている。変革実行リスクへの注目が高まっており、これは、計画、実行、ステークホルダーとの関与および定着における不備により、変革イニシアチブが意図した成果を達成できないリスクを指す。このリスクは、ANZグループの戦略的優先事項に関係する。ANZグループは、リスク管理、ガバナンスおよび監督が最も必要とされる分野に確実に集中するように、リスク分類の調整を進めている。

    サンコープ・バンクのリスク管理の枠組み

    サンコープ・バンクは現在、独立したリスク管理の枠組みを運用している。サンコープ・バンクのリスク管理の枠組みは今後廃止され、移行作業が完了次第、ANZグループのリスク管理の枠組みに切り替えられる予定である。

    (2)主なリスクおよび不確実性

    下記のリスク要因は、本書の表紙(注)4.に記載の「将来に関する記載」および「気候関連の情報」とあわせて検討されるべきである。

    序論

    当グループの活動は、当グループの事業、事業モデル、業務、業績、レピュテーション(評判)、見通し、流動性、資本の源泉、財務実績および財務状態(「当グループのポジション」と総称する。)に重大な悪影響を与える可能性のあるリスクおよび不確実性に左右される。これらのリスクと不確実性は、財務上でも非財務上でも発生し得るもので、当グループがほとんどもしくは全く制御できない外部的要因から生じる可能性がある。以下に記載するリスクおよび不確実性は当グループが直面する可能性のあるすべてのものではない。当グループが認識していないまたは当グループが現在重要であるとみなしていないさらなるリスクおよび不確実性も影響を与える重要な要因になる可能性がある。以下に記載する、または記載していないリスクおよび不確実性のいずれかが(個別または集合的に)実際に生じた場合、当グループのポジションが重大な悪影響を受け、その結果当グループの株式および債券の取引価格や価値が下落し、投資家がその投資の全部または一部を失う可能性がある。

    当グループの事業の活動および業界に関するリスク

    1.政治および経済の情勢の変化(とりわけオーストラリア、ニュージーランド、アジア太平洋地域、英国、ヨーロッパおよび米国(「関連法域」)におけるもの)は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    当グループの財務実績は、当グループ、その顧客およびカウンターパーティーが事業を展開している国々および地域における政治、経済および金融の情勢に影響される。当グループが主要な業務を行う関連法域または業務もしくは資金調達を行うその他の法域における経済状況の将来の可能性について、当グループは保証することはできない。

    関連法域における政治、経済および金融情勢は様々な要因の影響を受けることがあり、これには国内外の経済事象、銀行システムの安定性および資金調達や資本市場に対する関連の影響、金融市場のその他の変化、グローバル・サプライチェーンの発展、政治上の展開、パンデミックならびに自然災害が含まれるが、これらのみに限定されるものではない。

    政治情勢の不安定化は、不確実性、市場流動性の低下および国際金融市場におけるボラティリティの増大につながり、関連法域における経済活動に悪影響をもたらし、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。最近の例としては、ウクライナ紛争および中東紛争(これらの紛争がより広い地域の紛争に拡大する可能性を含む。)、経済安全保障関連法の施行、様々な市場における制裁措置および貿易制限ならびに米国と中国を含むその他の経済国間の緊張の高まりなどがある。

    当グループは、イスラエル、ガザ、イラン、レバノン、ロシアまたはウクライナにおいてこれらの地域における継続的な不安定性から事業を展開しておらず、これらに対していかなる重要な直接的エクスポージャーも現在有していないが、市場のボラティリティまたは経済の不確実性が長引けば、当グループのポジションに悪影響が及ぶ場合がある。台湾の地位に関するものも含めた米国と中国間の緊張状態も、当グループが事業を展開する市場や当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。このような地政学的問題は、米国その他の法域により課せられる関税の引き上げや報復的貿易制限を含む貿易制限の実施につながっており、その最終的な規模は依然として不明で、金融市場の大幅なボラティリティや経済の不確実性をもたらしている。さらに、対内外の投資審査メカニズムの強化、反威圧措置(ACI)、制裁措置(ロシアの二大石油生産企業に対するものを含む。)、輸出管理および安全保障関連の産業政策を含む多くの市場における経済安全保障関連法の施行につながっている。これらはそれぞれ、国内総生産、企業および消費者のマインドならびに消費者の裁量的支出などの全般的な経済状況に悪影響を与えており、今後もそれが続く可能性が高く、その結果、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    関連法域を含む多くの経済においてインフレ圧力が続いている。財およびサービスに対する需要、地政学的緊張と過去および将来の潜在的な関税、ならびにサプライチェーンの問題、農業地域での気象状況、エネルギー価格の上昇、食品価格の上昇と労働市場の逼迫などの世界的な経済の課題が、近年の水準と比較しても高いインフレの要因となっており、これが生活費の上昇と消費者の可処分所得の減少をもたらしている。持続的なインフレは、市場ボラティリティの悪化、経済成長の鈍化の促進や失業率の上昇をもたらし、これらのそれぞれが事業および投資家の信頼をさらに悪化させ、顧客の債務不履行リスクを増大させる可能性があり、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    中国はオーストラリアおよびニュージーランドの主要な貿易相手国の一つであり、当グループとその顧客が事業を行っている多くの市場において、商品需要と価格の重要な牽引役となっている。地政学的緊張の高まりや、米国その他の国による追加関税および制裁措置を含むその他の保護貿易政策または経済安全保障関連の貿易政策の実施など、中国の経済成長ならびにオーストラリアおよびニュージーランドと中国の経済関係に悪影響を及ぼす事象が発生した場合、これらのそれぞれが、オーストラリアまたはニュージーランドの経済活動に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、当グループのポジションにも悪影響が及ぶ可能性がある。また、最近において、中国経済の成長は鈍化しており、これが続くと予測されているが、これは国内消費の低迷、不動産部門の軟化、保護主義的貿易政策の強化に晒されている輸出などを反映している。中国で広範かつ持続的な景気減速が起きた場合、中国金融システムの健全性に悪影響が及ぶ可能性があり、それが世界の金融システムと経済に悪影響を与える可能性がある。こうなれば、景気後退、カウンターパーティーの債務不履行および各国の資本規制の導入につながるおそれがあり、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。リスク要因3.「オーストラリア、ニュージーランドまたは当グループが事業を行うその他市場の不動産市場の変動は当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    世界の商業用不動産市場はここ数年低迷している。世界的な流動性の逼迫は、ファンダメンタルズの弱体化が商業用不動産市場における評価額および借換えリスクに与える影響をさらに強める可能性がある。商業用不動産市場におけるマイナスの動向は、企業破産による信用損失の増大、金融ストレスの高まり、レバレッジの高い借手の債務不履行につながる可能性があり、これが当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。リスク要因3.「オーストラリア、ニュージーランドまたは当グループが事業を行うその他市場の不動産市場の変動は当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    関連法域において経済状況が悪化した場合、住宅、商業用または地方不動産市場の資産価値が下落し、失業が増加し、企業および個人所得が減少する可能性がある。世界市場(株式、不動産、外国為替およびその他資産市場を含む。)の悪化は、当グループの顧客ならびに当グループが貸付およびその他の信用供与のエクスポージャーに対して保有する担保に影響を与えるおそれがある。

    上記は貸付およびその他の信用供与のエクスポージャーを回収する当グループの能力に影響を与える可能性がある。また、他の銀行または金融機関の破綻は、経済状況の悪化の結果であるかその他であるかを問わず、金融銀行システムの不安定化をもたらし、それにより市場に混乱が生じたり、当グループに適用される資本その他の規制要件の変更につながり、当グループのポジションが影響を受ける可能性がある。上記のいずれかが生じた場合、当グループのポジションは悪影響を被る可能性がある。リスク要因9.「信用リスクは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    2.当グループが業務を行う市場における競争は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    当グループが事業を行う市場での競争は激しく、ますます高まっていくことが予想される。競合相手には、他の銀行(伝統的およびオンラインの双方)、オーストラリアおよび/またはニュージーランドで事業を拡大している国外/オフショアの金融サービス事業者や、新規参入のノンバンクおよび小規模事業者が含まれる。競争に影響を与え、当グループのポジションにマイナスの影響を及ぼす要因の例として下記が挙げられる。

    ・ オーストラリアおよびニュージーランド外における事業体を含め、当グループと競合する事業体は、当グループより緩やかなレベルの規制および規制活動の対象となる可能性がある。このことは、規制レベルが緩やかであることがそれらの事業体のコストベースを低下させ、および/または当グループが他の方法で雇用を模索することになる従業員を惹き付ける能力を与えるため、より競争力のある商品およびサービスの提供をかかる事業体に可能にさせることがあり得る。

    ・ デジタル技術およびビジネスモデルが顧客の行動および競争環境を変化させている。競合会社は、人工知能(AI)を含む新技術の利用を増やし、金融サービス部門における既存のビジネスモデルの分断を図っており、当グループのビジネス・プロセスや顧客オファリングにおけるAIその他の新テクノロジーの採用が十分でない場合、当グループが競合他社と比べて戦略上不利になる可能性がある。

    ・ 金融サービス部門以外の会社が、従来銀行が提供する商品およびサービスを提供することにより当グループと直接競争を展開している。これには、新規参入者による銀行業免許の取得および既存の競合会社との提携、プライベート・クレジット・ファンド、保険会社、ミューチュアル・ファンド、ヘッジ・ファンド、証券仲介業者、フィンテック企業、デジタル・プラットフォームおよび大手グローバル・テクノロジー会社によるものが含まれる。これらの競合他社の中には、規模、法域、事業体の種類その他の要因の如何を問わず、当グループとは異なったり、場合によってはより緩やかな法的、規制上、監督上の要件に従うものもあり、これにより当グループが競争において相対的に不利な立場に置かれる可能性がある。

    ・ 消費者および企業が、競争上当グループがそれに関する金融サービスを提供しないことを選択する可能性がある、または提供できない可能性がある(ほとんど規制がなされていない仮想通貨、規制されたステーブルコインまたは中央銀行のデジタル通貨などの)新しい形態の国内外の通貨を利用した取引またはこれらの通貨への投資もしくは価値の保存を行う選択をすることもあり得る。新しい形態の通貨は、金融仲介および市場の運営方法の変更につながり、それに伴い当グループの競争上および商業上のポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    ・ オーストラリア政府およびニュージーランド政府は、銀行市場の競争をさらに高める政策の実施を検討する可能性がある。例として、以下がある。

    - 金融規制協議会(「CFR」)は、中小の銀行が直面する課題について審議を行い、市場の競争においてこれらの銀行が果たす役割について検討した。この審議の一環として、CFRは、オーストラリア政府に対し勧告を発し、中小の銀行部門における競争力の改善のため、規制当局(オーストラリア準備銀行(RBA)、オーストラリア健全性規制庁(APRA)、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)およびオーストラリア競争消費者委員会(ACCC))が講じるべき措置を提案した。これには、資金調達コストの低減、より効率的な資本へのアクセス拡大、APRAの認可手続きの迅速化およびより明確な比例原則の認識を目的とした措置が含まれた。また、オーストラリア政府の制度で、銀行ごとに口座保有者1人あたり最大25万豪ドルまでの預金を保護する金融請求権制度(FSC)の近代化への勧告も含まれた。CFRは、事前の業界賦課金(当グループへの賦課金を含む可能性がある。)によるFCSの事前積み立ての利点の可能性を検討したが、かかる賦課金を支持する勧告は行わなかった。オーストラリア政府が勧告の一部または全ての実施を選択した場合、当グループの一部の競合相手が当グループと競合する能力を高める効果をもたらす可能性がある。

    - 2024年8月、消費者データ権(「CDR」)の中にアクション開始を定める法案がオーストラリア議会で可決された。この法案は、CDRに基づき開始できるアクションを大臣が宣言できる枠組みを確立するものである。宣言がなされた後に、CDRの下にある消費者は、当グループの競合他社などの認定者に対し自身に代わって宣言されたアクションを実行するよう指示することができる。銀行に関して宣言されたアクションはまだないが、このようなアクションが宣言された場合、競合他社は当グループのプラットフォームを利用した決済の開始など当グループの顧客に対してサービスを提供することが可能となり、当グループと顧客との関係が弱まることが起こり得る。

    - 2025年3月、ニュージーランドの2025年顧客・商品データ法(「CPD法」)が発効し、CPD法によりニュージーランドの消費者のデータに関する権利(NZ CDR)が確立されている。NZ CPD法により、顧客が自身に関して保有されているデータを信頼できる第三者と安全に共有でき、商品を比較して乗り換える消費者の能力が向上する。銀行業界をCPD法の下で指定する規則が2025年10月に定められ、ANZバンク・ニュージーランドのオープン・バンキング・システムには2025年12月1日までに新たな要件を満たす必要が生じる。CPD法により、ANZバンク・ニュージーランドが保有する顧客データに第三者がアクセスし、取引口座からの決済の開始など、当該顧客に対するサービスを提供できるようになることが想定されるが、これは、ANZバンク・ニュージーランドとその顧客との関係を弱め、顧客による当グループのサービスの利用を減少させる可能性がある。

    - 2024年8月、ニュージーランド商務委員会(「商務委員会」)は、商務・消費者問題大臣に対し、2022年リテール向け決済システム法に基づき銀行間決済ネットワークを指定するよう勧告を行った。銀行間決済ネットワークが指定された場合、商務委員会は、その規制上の権限を行使してリテール向け決済システムにおける競争と改革を促進することができるようになる。指定に関する大臣の決定はまだ発表されていない。

    - 2024年8月、商務委員会は、ニュージーランドのリテールバンキング部門における個人向け銀行業務の競争に関する市場調査に関して最終報告を公表した。最終報告には、新規参入と拡張を支援し、競争に対する規制の障壁を緩和し、消費者がより良い価格とサービスを受けられるようにすることを目的とした14の勧告が含まれた。ニュージーランド政府は、14の勧告すべてを受け入れ、商務委員会は、業界による勧告の実施の進捗状況を監視している。

    - ニュージーランド議会の財政・歳出委員会は、銀行業の競争に関する調査を行い、2025年8月に最終報告を行った。最終報告には、銀行部門の競争の改善を目的とした、ニュージーランド政府機関、金融規制当局、リテール銀行を含む金融機関に対する19の勧告が含まれた。ニュージーランド政府は、すべての勧告を受け入れたか、または部分的に受け入れている。当グループへの影響についてはまだ不明である。

    - RBNZは、銀行部門の競争の支援と改善に向けてさまざまな取り組みを実施しており、その中には主要な資本設定の見直しの実施が含まれている。かかる見直しの結果は、将来的にANZバンク・ニュージーランド・グループの自己資本要件に影響を及ぼす可能性がある。RBNZは、2025年末までに最終決定を行う意向である。リスク要因15.「規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    上記の勧告、政策または規制上の措置は銀行市場の競争強化を目的とした規制の実施につながる可能性があるが、これらの勧告、政策または規制上の措置が当グループに与える影響はまだ不明である。

    市況における競争の増加による当グループに対する影響または当グループの事業プラットフォームを競争上不利にする技術の変動は、特に当グループの主要市場および商品においては、当グループの市場シェア、顧客および利鞘の大幅な減少につながる可能性があり、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。預金獲得のための競争の高まりにより当グループの資金調達コストが増加しうる。当グループが預金獲得に首尾よく競争できない場合、当グループはより安定していないおよび/またはよりコストが高い形の資金調達に頼るか、貸付を削減せざるを得ないかもしれない。これは当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。地政学的および経済的混乱は、資金調達コストおよび信用引当金の増加、金利の変動、流動性の不足、事業継続計画の実施、事業戦略の変更ならびに規制上のセーフハーバーにより、金融サービス部門の競争や収益性に大きな影響を与える可能性がある。低成長環境下においては、競争の激化とマージンの圧迫が起こる可能性がある。

    3.オーストラリア、ニュージーランドまたは当グループが事業を行うその他市場の不動産市場の変動は当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    住居用および商業用不動産への融資は、不動産開発および投資不動産向け融資とともに、当グループの重要な事業である。当グループの貸付ポートフォリオの主要なサブ・セグメントには以下が含まれる。

    ・ 住宅ローン(自己所有および投資)

    ・ 商業用不動産ローン(投資および開発)

    これまでオーストラリアの住宅用不動産価格は概ね堅調に推移してきたが、金利の上昇の規模とペースから、オーストラリアにおける商業用不動産価格の下落が起きており、一部のセグメントでは、かかる不動産価格の下落が市場の需要と評価額の軟化にまだ十分に現れていない可能性がある。

    最近においてオーストラリアでは政策金利の引き下げがあったにもかかわらず、2022年5月以降の金利の上昇と生活費の増加が家計のバランスシートを引き続き圧迫し、これが住宅および商業用不動産の需要に影響しており、また今後も影響する可能性が高い。ANZBGLのオーストラリアの住宅ローン・ポートフォリオにおける住宅用不動産関連の滞納は当該期間において、特に2022年12月にここ最近において最低水準となって以降は増加している。この増加傾向は、2022年以降の金利の上昇、生活費の高騰による圧力および困窮率の上昇の累積的な影響を反映している。ニュージーランドでは、RBNZが政策金利を引き下げたことにより金利が低下したが、生活費の増加と失業率の上昇により、2025年6月までの1年間においてANZバンク・ニュージーランドの住宅ローン・ポートフォリオにおける住宅モーゲージの滞納は引き続き増加した。ANZバンク・ニュージーランドの住宅モーゲージの滞納はわずかに改善に向かい、ニュージーランドでは2025年7月から9月にかけて減少が見られた。

    高金利は、債務返済能力に影響を及ぼし、当グループの借手による債務不履行を増加させ、ローンの融資条件を圧迫し、オーストラリアにおいて商業用および住宅用不動産ならびに当グループの関連融資商品の需要を減退させる可能性がある。インフレ水準に対処するため、より高い水準で長期にわたり金利が維持される可能性がある。さらなる金利の引き上げまたは高金利の持続は、企業破産による信用損失の拡大、モーゲージ・ストレス(住宅ローン返済による家計への圧迫)の増大および債務不履行の増加ならびにオーストラリア経済の潜在的な低迷にもつながる可能性がある。その結果、これがテナントの賃借料の支払能力に影響し、さらには当グループの借手の不動産収益の質を低下させる可能性がある。

    商業用不動産については、金利の上昇、資産価格のインフレおよび利回りの圧縮は、インタレスト・カバレッジ・レシオと資産価値を低下させる可能性がある。評価額の低下はすべての商業用不動産セクターについて一様ではないが、不動産市場の変化によって、一部の機関投資家顧客および民間投資家顧客の不動産投資ポートフォリオの価値は低下する可能性がある。これにより、かかる投資家のリスク・プロファイルが悪化し、当グループに対する関連ローン・ファシリティの返済意欲および/または能力が低下する可能性がある。さらに、COVID-19のパンデミックにより、一定の柔軟な勤務体系が続いているため、オフィス部門の需要と供給の動向に引き続き変化が生じており、競争力が低い市場においてはテナント目が肥えていることから、特に環境・社会・ガバナンス(ESG)クレデンシャル(認証)(特にエネルギー効率)が低いセカンダリーグレードの資産については、テナントからの需要が影響を受け、賃料の伸びが抑制され、オーナーがテナントに提供するインセンティブが増加し、投資家の需要、イールド予測および評価額が軟化する可能性がある。

    オーストラリアにおける評価額は市場センチメントより遅れて反応しているが、最近のRBAの利下げを受けて利回りが安定しつつある兆候が見られる。空室率が高止まりしており、より困難な状況にあるセカンダリーグレードの資産の評価額は、依然として下方圧力にさらされる可能性がある。さらに、セカンダリーグレードの資産は、特に経済見通しと金利環境がもっと良好な時期に投資家がファンダメンタルズの弱体化を見逃した場合、価格が下落しやすくなる可能性がある。これらの要因のそれぞれが、借手にとって借換えリスクの増加につながり、債務削減および/または融資条件の再構築に向けた資本拠出が必要となる場合がある。

    また、銀行部門において流動性の逼迫がみられた場合、借換えリスクが高まる可能性がある。オーストラリアでは、ノンバンクの債券市場は依然として利用可能な資金調達のソースとなっている。ノンバンクの金融機関は近年において開発前の土地や不動産開発セクターを支援してきたため、資金調達コストの上昇を考えた場合、またはノンバンクの金融機関がより脆弱な出資者からの支援を取り止める場合には、新規プロジェクト開始数は減少する可能性がある。また、ノンバンク/民間の信用部門が抱える課題が要因となり、企業やディベロッパーの財務安定性が脅かされる連鎖リスクが起こることもあり得る。かかる連鎖リスクが発生した場合、債務不履行が増加する可能性がある。

    サプライチェーンの逼迫、資材コストの急騰などの建設リスクの問題は、労働力不足や人件費の上昇と相俟って、請負業者の収益性、キャッシュフロー、流動性および財務の安定性に影響を及ぼすおそれがある。これが短・中期的に商業用および大規模住宅開発プロジェクト(土地およびマンション開発を含む。)に関連する引渡しリスク、かかる開発の実行可能性および基礎的な地価に影響を与える可能性がある。

    ニュージーランドでは、住宅用不動産価格と商業用不動産の販売・建設活動が、2021年末と2022年初頭以降、長期にわたり低迷している。住宅用不動産市場では、2025年中に販売件数が増加したが、新規物件の増加により効果が打ち消され、住宅在庫は過去約10年間において最高になっている。この結果、ニュージーランドにおける住宅市場は、2025暦年においてこれまで価格が上昇せず、2025年末には中央値は年初より低くなる可能性がある。商業用不動産部門は、市場の信頼感の後退や流動性の低下が販売や建設活動を引き続き抑えているが、比較的安定し続けている。テナントや購入者の間では「質への逃避」が引続き起きている。工業用不動産部門は他の資産クラスを引き続き上回るパフォーマンスを示しており、開発の実現可能性について買い手の需要の減少や建設コストにより依然として課題が存在する中、この部門では活動再開の兆しが見え始めている。

    上記の各要因は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    4.ソブリン・リスクに関する事象が世界の金融市場の不安定化を招き、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    ソブリン・リスクは政府が債務につき不履行となる、満期を迎えたときに債務の借換えができない、それにより自国の経済の一部が不安定化するリスクである。ソブリン・リスクは、当グループの資産価値に悪影響を及ぼすことを通じて直接的に、または国際金融市場の不安定化を通じて間接的に、当グループに悪影響を与え、これにより当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。ソブリン・リスクは、関連法域を含む多くの経済国において存在している。1つの国家が債務不履行に陥った場合、他の市場および国へ波及する可能性があり、それによる影響は、世界金融危機およびその後のソブリン債務危機の期間中に経験した状況に類似もしくはそれより悪いものとなる可能性がある。

    5.市場リスクに関する事象は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    市場リスクは、金利、為替レート、信用スプレッドのマイナスの変化、または債券、商品もしくは株式価格の変動から生じる損失のリスクである。財務リスク管理の目的で、当グループはトレーディングおよび非トレーディングの市場リスクを区別する。トレーディング市場リスクは主に当グループの金利、為替レート、商品および有価証券のトレーディング・オペレーションから生ずる。非トレーディング市場リスクは専ら銀行業資産の金利リスクである。その他の非トレーディング市場リスクには、海外営業での資本投資から生ずる取引および構造的為替リスクおよび非トレーディング株式リスクが含まれる。かかる市場リスクに関する事由の発生により生じる損失は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    6.為替レートの変動が、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    当グループは、いくつかの異なる通貨で事業を行っている。そのため、当グループの事業は、為替レートの変動により影響を受ける可能性がある。当グループの年次報告書および中間報告書は豪ドルで作成・提示される。当グループが収益を得ている(特にニュージーランドドルおよび米ドル)、資本を保有している、または資本商品の発行通貨となっている他の通貨に対する豪ドルの価値の変動は、当グループの報告された収益および/または自己資本比率に悪影響を及ぼす可能性がある。現在、当グループは通貨の変動の影響を一部軽減するためにヘッジを設定している。当グループのヘッジが十分なものまたは効果的となる保証はなく、当グループが収入を得ているまたは資本を保有している他通貨に対して豪ドルの価値が変動した場合には当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    7.パンデミックおよびその他の公衆衛生危機は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    パンデミックまたはその他の公衆衛生危機は、COVID-19のパンデミックの時と同様に、当グループのポジションや国内および世界経済に影響を及ぼすおそれがある。

    また、当グループの顧客や事業に影響を与える疾病由来の変異株が発生すれば、政府による措置が講じられる可能性があり、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、パンデミックや公衆衛生危機から生じるサプライチェーンの混乱およびモビリティの制約により、当グループの利益率が低下する可能性があり、顧客のキャッシュフロー、資本、流動性および資金調達需要に影響する可能性がある。これらの事象発生後の政治と経済の情勢によって、当グループの商品およびサービスに対する需要の減退、貸付その他の債権のデフォルト、不良債権および減損の増加、ならびに当グループの事業コストの増加が起きる可能性がある。これらのいずれかが発生した場合、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    8.買収および売却は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    当グループは定期的に、当グループの戦略的ポジションおよび財務実績を強化する機会か否かを判断するため、買収および売却を含め、様々な企業の機会を検討している。これには完了したサンコープ・バンクの買収などがあり、下記のリスクを伴う。

    買収(または売却)した事業の統合(または分離)は複雑で費用がかかる。これは、時には会計およびデータ処理システム、技術プラットフォームならびに経営管理の統合(または分離)とともに、従業員、顧客、規制当局、カウンターパーティー、サプライヤーおよびその他の事業の相手方との関係や契約を管理することを含む。買収または売却により重要な関係および人員の喪失があった場合、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    買収に関して行われたデューデリジェンスが確定的であったとの保証はなく、買収後に特定されたかかる買収に関するあらゆる重大な問題やリスクが回避または軽減されているという保証はないため、買収後に当グループに悪影響を及ぼす問題や事項が発生する可能性がある。また、買収(または売却)は、その基礎となった前提が正確であったか、または達成可能であったかわからないため、シナジー効果、コストまたはコスト節減、統合(または分離)までの時間および全体的なパフォーマンスに関して期待されるプラスの結果を生み出す保証はない。さらに、買収(または売却)は、当グループの信用格付、資金調達コストおよび追加の資金調達の手段に影響を与え、その結果、当グループの資金調達のポジションおよび流動性のポジションに悪影響を与える可能性がある。

    統合(または分離)への取り組みの中で、基準、統制、手続および方針の不一致を生じさせる可能性があり、経営陣の注意をそらし、資源が流出する可能性がある。カウンターパーティーが当グループに対して完了済みまたは未完了の取引に関して請求を行うリスクが存在し、それが当グループのポジションに悪影響を与えるおそれがある。これらの要因のすべてまたは一部が、当グループが事業を成功裡に行う能力に悪影響を及ぼす可能性があり、また当グループの業務または業績に影響を与える可能性がある。新しく買収(または維持)した事業の従業員、顧客、カウンターパーティー、サプライヤーおよび事業の他の相手方がかかる買収後(または売却後)も留まるという保証はない。さらに、当グループまたはカウンターパーティーが完了条件を満たすことができないため、または規制当局、株主その他の承認などのその他の完了条件が成就しないためなど、当事者間で当初合意された形かまたは全く違う形であるかにかかわらず、合意された取引が完了しないリスクが存在する。統合または分離リスクのいずれかが発生した場合、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    公表済みの買収または売却が何らかの理由により完了しなかった場合、当グループの継続事業が悪影響を受け、当グループが多くのリスクに晒されるおそれがある。かかるリスクには以下が含まれる。

    ・ 金融市場が否定的に反応し、その結果、当グループの証券への悪影響およびその他の悪影響が起こる可能性

    ・ 当グループの顧客、ベンダー、従業員およびより広範な利害関係者が否定的に反応する可能性

    ・ 完了するか否かにかかわらず、当グループは、法務、会計、投資銀行、その他の専門家への報酬や事務手数料など買収または売却に関する費用を負担し、一定のコストを支払う必要が生じる可能性

    ・ 買収または売却に関連する事項に対し、当グループが他の利益をもたらす機会に充てることができたはずであった時間と資源を多大に費やす必要が生じる可能性

    当グループの財政状態に関するリスク

    9.信用リスクは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    当グループは、カウンターパーティーがその契約債務を履行することができない、あるいは履行を拒否する結果として起こり得る信用関連の損失を被る場合を含め、信用供与から生じるまたはそれに関するリスクに晒されている。信用損失によって、金融サービス機関が重大な損失を被るか、場合によっては完全に破綻するようなケースが生じる可能性があり、これまでも生じている。

    金利の上昇、持続的なインフレ、グローバル・サプライチェーンの混乱および特にリスク要因1.「政治および経済の情勢の変化(とりわけオーストラリア、ニュージーランド、アジア太平洋地域、英国、ヨーロッパおよび米国(「関連法域」)におけるもの)は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」に記載されているような政治的緊張の高まりにまつわる状況が信用関連損失のリスクに引き続き影響を与えている。信用関連損失のリスクは、上述の要因により依然として高く、全般的、または特定の産業部門あるいは地理的地域であれ、不利な状況が起こればさらに増大する可能性があり、これによって、顧客またはカウンターパーティーは債務を履行できない可能性がある。このような状況には、当グループ、その顧客またはカウンターパーティーに影響を与える可能性がある銀行システム全般または特定の金融機関の安定性に対する信頼の低下、高水準の失業率、景気減速およびインフレ状態、長期にわたる高金利、当グループが担保として保有する資産の価値または当グループが保有するカウンターパーティーの商品や債務の市場価値の低下が含まれるが、これらに限定されない。

    以下を含むエクスポージャーに晒されている当グループの顧客およびカウンターパーティーの一部は、特に脆弱化のおそれがある。

    ・ 継続的な高金利に著しい影響を受ける産業。

    ・ 消費者の裁量的支出に依存する産業。

    ・ 燃料供給不足ならびに航空、道路輸送・海運および農業などのコストの上昇に晒される産業。

    ・ 価格の変動に起因するデリバティブの証拠金の支払い要求の増加に晒されるエネルギーまたは商品市場の参加者。

    ・ 供給または需要の変動により商品価格の持続的な下落に晒されている採掘事業

    ・ 制裁、関税、地政学的な緊張または貿易紛争のリスクのある産業(テクノロジー、農業、製造業および海運業、資源および採取産業、通信および金融機関を含む。)

    ・ 世界的な成長の落ち込み、過剰供給およびグローバル・サプライチェーンの混乱に晒される産業。これには、リテール、ホールセール、自動車、製造およびパッケージング産業を含むがそれらに限定されない。

    ・ 商業用不動産部門(建設および請負業者を含む。)。かかる部門は、サービサビリティ(返済可能性)に影響を与え、評価額に引下げ圧力を与えている金利の急激な上昇に晒されていた。オーストラリアおよびニュージーランドにおける最近の金利引き下げにもかかわらず、評価額への影響はさまざまで、影響が浸透するまでには時間がかかる可能性がある。詳細については、リスク要因3.「オーストラリア、ニュージーランドまたは当グループが事業を行うその他市場の不動産市場の変動は当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    ・ 観光業、接客業、技術、農業、小売業、医療、建設業およびサービス業など、労働力不足に直面している、ならびに熟練・未熟練双方の移民労働者の獲得に依存している産業。

    ・ 移行リスク(排出削減要件に関連する政策または市場主導の変化とそれに伴う流動性または商品およびサービスの需要の変化など)などの気候リスク、ならびに物理的な気候リスク(森林火災、洪水、暴風雨および干ばつなど)による混乱に晒される顧客および産業。保険が利用できない、または負担不能になった場合は、損失はさらに増大する可能性がある。気候関連のリスクの詳細については、リスク要因21.「将来の気象関連事象、自然の喪失、人権、地質学的事象、植物、動物および人間の疾病ならびにその他外因性事象の影響は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    ・ 為替相場の変動に晒されている産業および外国為替市場全般。

    ・ 規制変更および法令遵守コストの影響を受ける産業。

    ・ 生成AIや量子コンピューティングの採用および導入の増加を含む、技術的破壊に晒される可能性が大きい産業。

    ・ 銀行および金融サービス会社は、景気減速、継続的な高金利および資産価値への影響により、流動性の逼迫に晒される可能性があり、その結果、信用格付の引下げ、再編および資本増強の必要性ならびに金融機関に対する信用の喪失が生じる可能性がある。

    当グループはまた、特定の状況において第三者に対する権利が強制履行できない場合があるリスクに晒されており、これが信用損失につながる可能性がある。当グループの信用供与のエクスポージャーに重大な信用損失が生じる場合、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    また、当グループが締結した一定のデリバティブ、クリアリングおよび決済契約により、ならびにその他の銀行、金融機関、会社、政府および政府機関の財務状態が経済状況や世界金融市場の影響を受ける場合、かかる機関が発行した債券のディーリングおよび保有により、信用リスクが発生する可能性がある。

    また、顧客および/またはカウンターパーティーと与信取引を行うかあるいは他の取引を行うかを判断するにあたり、当グループは、財務諸表およびその他の財務情報を含む、顧客およびカウンターパーティーあるいはその代理により提供された情報に依拠する。また、当グループはそれらの情報の正確性および完全性に関しては顧客および独立顧問による表明に依拠する可能性がある。当グループの財務実績は、不完全、不正確あるいは著しく誤解を招くおそれのある情報に依拠する場合、マイナスの影響を受ける可能性がある。

    信用リスクは、顧客が信用供与に関する特定の条件を遵守しない場合にも発生する可能性がある。例えば、顧客がモーゲージ・ローンに関して十分な額の不動産保険に加入していない、またはそれを維持していない場合には、当グループの担保価値に対する悪影響や、通常なら保険でカバーされるはずの事象によって物件が損傷または破壊された状況において担保権の実行が必要となった場合に、当グループが回収できる金額に対する悪影響が生じる可能性がある。

    当グループは貸倒引当金を保有しており、これらの引当金は、当グループの貸付ポートフォリオ内の減損の現在の情報および主観的で複雑な判断に基づき決定される。しかし、評価が行われる情報が不正確である場合、または当グループが情報を正確に分析できない場合、貸倒れの引当金は不十分である可能性があり、当グループのポジションに悪影響を与えかねない。

    10.当グループの資本基盤の管理における課題が要因となり、自己資本比率におけるボラティリティが高まる可能性があり、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    当グループの資本基盤は、当グループの事業を管理し資金を調達するにあたり不可欠である。当グループの健全性規制機関は、APRA、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)ならびに米国、英国およびアジア太平洋地域の規制機関を含むがそれらに限定されない。当グループは、主たる規制機関であるAPRAおよびRBNZ(ANZバンク・ニュージーランド・グループの場合)により、適切な規制上の自己資本を維持することを義務付けられている。

    現在の規制上の要件のもとでは、リスク加重資産(「RWA」)および予想貸付損失はカウンターパーティーのリスク度合いの悪化に従い増加する。これらの規制上の自己資本の要件は、ストレス時の利益減少による自己資本の減少の影響を強める傾向にある。その結果、自己資本比率におけるボラティリティがより高まる可能性があり、当グループが追加資本の調達を求められる可能性がある。必要とされる追加資本が利用可能であるか、または合理的な条件で調達可能であるかについては確実ではない。

    当グループの自己資本比率は、(ⅰ) 収益低下(非連結となった子会社(例えば、保険事業子会社)ならびに関連会社への投資からの配当減少を含む。)、(ⅱ) 資産の伸び、(ⅲ) RWAまたは為替換算調整勘定に影響を与える、当グループが業務を行う他通貨(特にニュージーランドドルおよび米ドル)に対する豪ドル価値の変動、(ⅳ) 事業戦略の変更(買収、売却および投資または資本集約的事業の増加を含む。)ならびに(ⅴ) 規制要件の変更などの数々の要因に影響を受ける可能性がある。

    当グループに影響を与えている、または与える可能性がある最近の健全性規則の変更の詳細については、リスク要因15.「規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。当グループが規制上の自己資本を維持することができなかった場合、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    11.当グループの信用格付は変更される可能性があり、資本およびホールセール資金を調達する当グループの能力に悪影響を与え、新規貸付を抑制する可能性があり、これにより当グループのポジションに悪影響を受ける可能性がある。

    当グループの信用格付は、資本およびホールセール資金調達の利用およびコストに顕著な影響を与える。また、当グループの信用格付は、顧客またはカウンターパーティーが当グループの商品およびサービスを評価する際に重要となることがある。信用格付および格付けのアウトルックは信用格付機関によっていつでも撤回、限定、修正または保留されることがある。格付機関が信用格付および格付のアウトルックを決定するために用いる方法も、法的もしくは規制上の変更、市場の動向またはその他の理由に対応し、修正される可能性がある。

    当グループの信用格付または格付のアウトルックは、オーストラリア連邦またはニュージーランドの信用格付もしくは格付アウトルックの変更、本項に記載された1つまたは複数のその他のリスク、格付手法の変更またはその他の事象により、マイナスの影響を受ける可能性がある。このため、全般的な経済状況または当グループの財政状態の変化を反映しない当グループの信用格付または格付アウトルックの格下げが行われる可能性がある。当グループ(および世界のその他銀行)が発行する個別の証券(一定のTier 1資本およびTier 2資本証券ならびにカバード・ボンドを含むがそれらに限られない。)の格付は、かかる商品に対する規制要件および格付機関が利用する格付方法論の変化によって影響を受ける可能性がある。

    当グループの信用格付または格付のアウトルックの引き下げまたは引き下げの可能性により、資本およびホールセール債券市場の利用が制限され、および資金調達コストを増加させる可能性があり、新規に供与できる貸付高を抑制し、カウンターパーティーが当グループと取引しようとする意思に影響を与え、これが当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。信用格付は、関連格付機関が当グループの募集する証券への投資を奨励するものではない。

    12.流動性および資金調達リスクに関する事象は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    流動性リスクおよび資金調達リスクは、当グループが(預金者への払戻しやホールセール債権者への返済を含め)期日どおりに支払債務を履行することができない、または当グループが資産の増加に対して資金調達能力が不十分であるというリスクである。流動性リスクおよび資金調達リスクは、資金収入と資金支出の間のタイミングのミスマッチのため、銀行業務に内在するものである。

    市場情勢の悪化およびボラティリティならびに当グループに対する投資家の信頼の低下によって、満期を迎える債務を借り換え、タイムリーかつコスト効率の良い方法で資金調達を利用する当グループの能力が重大な影響を受ける可能性があり、これが当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。技術の進歩により、当グループに預けた資金を顧客が迅速に引き出せるようになったため、普通預金および貯蓄預金などの要求払い負債に関するリスクが加速される可能性がある。

    当グループは、資金調達需要を満たすため、また当グループの事業を維持あるいは成長させるため、国内の市場およびオフショア市場内で顧客預金およびホールセール資金調達を含む様々な調達源から資金を調達する。主要市場の情勢は、国際資本市場における流動性に悪影響を受ける場合がある。例えば、流動性ストレスの時期において、当グループに対する市場の信頼が損なわれた場合、またはオーストラリア内外の市場からの資金調達が利用できないもしくは抑制された場合に、当グループの資金調達源および流動性を利用する能力は、抑制される可能性があり、当グループは流動性リスクおよび資金調達リスクに晒されることになる。

    流動性の低下は、当グループの借入コストの増加を招き、新規貸付額の制限につながり、預金者の引出し需要や支払義務を満たす当グループの能力に悪影響を及ぼし、それにより当グループのポジションが悪影響を受ける可能性がある。

    13.当グループの一部の資産および負債の評価の変動は、当グループの収益および資本ならびに当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    当グループは、デリバティブ商品を含む多様な金融商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資産および負債、損益を通じて公正価値で測定される資産および負債ならびに一定の資産および負債(「第6 経理の状況-1 財務書類」に記載の2025年度財務書類の注記18「金融資産および金融負債の公正価値」に記載されるもの)を公正価値で測定することを要する会計基準を採用しており、公正価値の変動は損益または資本に認識される。

    一般的に、これらの金融商品の公正価値を測定するために、当グループは取引相場価格、現在価格の見積もりまたは市場参加者が資産と負債の評価に際して考慮すると思われる要因の影響を組み込んだその他の評価手法に依拠する。一部の非上場の株式への投資を含む一定のその他の資産は割引キャッシュフロー法または「第6 経理の状況-1 財務書類」に記載の2025年度財務書類に概要が記されているその他の評価技法により評価される。これらの商品の公正価値は、当グループの収益および/または資本に悪影響を与える可能性がある市場価格または評価の変数の変動により影響を受ける。

    当グループは貸付関連でない資産の減損(損益に認識される。)の結果としてその価値の下落に晒される場合がある。当グループは、少なくとも年1回のれん残高の回収可能性および耐用年数が確定できないまたは使用可能になっていない無形資産についてテストする必要があり、減損の兆候がある土地建物および設備機器(リースから生じる使用権資産を含む。)、関連会社に対する投資、資産計上したソフトウェアならびにその他の無形資産を含むその他の貸付関連でない資産をテストする必要がある。

    のれん残高の回収可能性を査定するため、当グループは利益倍率計算法を使用する。当該計算の基礎となる仮定の変更は、収益の変動とともにこの査定に大きく影響するかもしれず、結果としてのれん残高の一部または全部の償却の可能性がある。

    その他の貸付関連でない資産について、資産が今後使用されない場合または当該資産により生み出されるキャッシュフローが帳簿価格を裏付けられない場合、減損費用が計上される可能性がある。これは、上述の他の潜在的な変化と相俟って、当グループのポジションに影響を及ぼす可能性がある。

    14.会計方針の変更が当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    当グループが適用する会計方針は当グループが財務状態および営業成績を記録および報告する方法にとって基礎となる。経営陣は、これらの会計方針の多くについて選択および適用につき判断を下し、当グループが適用ある会計基準または解釈を遵守し、当グループの財務状態および営業成績を記録および報告するのに最も適切な方法を反映させるようにする。これらの会計方針が不正確に適用され、その結果、当グループの財務状態につき不実表示がされる可能性がある。新規のまたは改正された会計基準または解釈の適用によっても当グループのポジションが悪影響を受ける可能性がある。当グループは、いずれかの報告期間において初めて発効する新たな会計基準の影響については、その期間に関する連結財務書類の注記において開示している。時には、経営陣は、2つ以上の選択肢から会計方針を選択する必要があり、いずれの選択肢も関連する会計基準または解釈に適合しその状況下で合理的であるかもしれないが、選択肢に基づいて報告されたものとは著しく異なる結果を報告する結果になる可能性がある。

    法的および規制上のリスク

    15.規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    当グループの事業および業務は厳しく規制されている。当グループは、関連法域において業界の自主規制を含めた法律、規則および政策(「関連規制」)に従っている。関連規制は、オーストラリア政府または他の規制当局が行った調査によりなされた勧告を含む、様々な要因の影響を受ける可能性がある。関連規制はほとんどまたは全く知らされることなく行われるものを含め、絶えず変更されており、通常、要求される遵守の範囲、規模、複雑さ、コストおよびスピードは増していく。関連規制の変更とそれに伴うコンプライアンス(法令遵守)コストの増加は、当グループの収益性に影響を及ぼし、当グループが直面する競争レベルを変化させ、当グループの事業の一つまたは複数の要素を遂行する能力に影響を及ぼす可能性がある。さらに、関連規制を遵守していない企業に対して強制措置を講じるよう規制当局に対する圧力が強まっている。関連規制の複雑さが増し、違反に対して制裁やより厳しい金銭的処罰の傾向が強まれば、当グループの業績や評判に悪影響が及ぶ可能性がある。

    関連規制により、当グループの事業環境が影響を受け、当グループに多大なコンプライアンス・コストが生じる可能性があり、また実際に生じている。当グループが関連規制を遵守できなかった場合や関連規制変更に対処できなかった場合、規制当局の調査、訴訟、法律上もしくは規制上の制裁、国民の批判、財務損失もしくはレピュテーションの喪失、当グループが事業を行う能力の制限、罰金またはその他の強制執行もしくは行政処分もしくは刑罰につながる可能性があり、これらのいずれもが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    最近の重要な規制動向には以下が含まれる。

    ・ 2025年4月、ANZBGLは、当グループ全体の非財務リスク(「NFR」)管理慣行およびリスク文化における不備に関連して、APRAと裁判所執行可能確約(「CEU」)を交わした。

    ・ 2025年9月15日、ANZBGLは、オーストラリアの「マーケッツ」および「オーストラリア・リテール」事業について、個別の規制調査の対象となっていた5件の問題を解決するため、ASICと契約(「和解合意」)を交わした旨発表した。この和解合意はオーストラリア連邦裁判所の承認を得ることを要し、これに基づきANZBGLは総額2億4,000万豪ドルの制裁金を科されることになる。

    CEUおよび和解合意により、当グループに対する規制当局の監視が強化され、非遵守の場合には、財務または評判に関する潜在的な影響を含め、当グループが受けるリスクが高まる。ANZBGLがCEUまたは和解合意に基づく義務を果たさず、その結果として(オーストラリア連邦裁判所によって命じられる)制裁金が発生した場合、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    最近の関連規制に関するテーマには、金融機関の健全性の状態、自動化された意思決定およびAI利用の透明性の向上、顧客の保護、規制環境ならびに情報の保護および利用などがある(が、これらに限られない。)。下記に、当グループのポジションに影響を与える可能性のある最近または将来に生じる可能性のある規制変更の例を示す。

    健全性規則

    健全性規則の変更が、当グループに対して維持することが要求される規制上の自己資本の水準の引き上げにつながり、当グループの柔軟性を制限し、多額の費用の負担が必要となり、および/または1つもしくは複数の事業ラインの利益性に影響を及ぼす可能性があり、このいずれもが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    当グループのポジションに影響を与えたまたは与える可能性がある最近の健全性規制には、以下のものを含む。

    ・ 金融のレジリエンス: APRAは、2023年1月1日、ADIに対する新たな銀行の自己資本フレームワークを導入し、オーストラリアの基準と国際的に合意されたバーゼル3の要件の整合を図っている。2024年12月、APRAは、APS第110号「自己資本比率」、APS第116号「自己資本比率:市場リスク」について最終的な基準を公表し、両基準とも2025年1月1日に発効した。その他の主要な規制変更には、2025年1月1日より発効したAPS第330号「情報公開」、2025年7月1日に発効するAPS第210号「流動性」、2025年10月1日に発効するAPS第117号「自己資本比率:銀行勘定における金利リスク」が含まれた。APRAは引き続き、APS第210号「流動性」、CPS第220号「リスク管理(気候リスクの組み込み)」、CPS第510号「ガバナンス」、健全性の枠組みにおけるAT1資本商品の廃止およびCPS第520号「適格性」の改訂について協議し、最終決定を行う。APRAはまた、金融システム全体にわたる相互のつながりを把握するため、初のシステムワイドなリスク・ストレステストを開発している。ストレステストは、2025暦年下半期に実施される見込みで、規制上の変更をもたらす可能性がある。APRAがまだ最終化していない項目が複数あることを前提とすれば、ADIの「問題なく強固」に関する自己資本フレームワークの見直しに関連して行ったAPRA健全性基準へのすべての変更による総合的な結果は、依然として不明である。

    ・ オペレーショナル・レジリエンス: CPS第230号「オペレーショナル・リスク管理」の詳細については、リスク要因25.「非財務リスク事象(NFR)は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    ・ 破綻処理計画: 健全性基準CPS第900号「破綻処理計画」(「CPS900」)」が2024年1月1日に発効した。CPS900は、重要な金融機関を含む一定の企業に対し、APRAと協力して破綻処理計画を策定することを要求しており、これにより、企業が債務不履行に陥る、もしくは陥る可能性が高い場合、または支払停止に陥る、もしくは陥る可能性が高い場合に、APRAが秩序をもって企業を処理できるようになる。

    ・ 損失吸収力: 2021年12月2日、APRAは、ANZBGLを含むオーストラリアのD-SIBの損失吸収力に関する要件を最終化し、かかるオーストラリアのD-SIBに対し、2026年1月1日までにその最低所要自己資本合計をRWAの4.5%引き上げるよう要求している。AT1資本に対するAPRAのアプローチによる自己資本要件の変更(下記参照。)を除くと、総Tier2比率は6.5%に増加する。APRAは、主にその他Tier2資本によってこの要件が充足され、上位の資金調達において相当額の減少があると予想している。追加の所要自己資本合計額は、2026年1月1日以降の当グループの実際のRWAに基づいて決定される。

    2024年12月に、APRAは、危機時における銀行資本の簡素化と有効性の改善を図るため、2027年1月1日からAT1資本商品の使用を段階的に廃止することを確認した。APRAは、2025年12月に、AT1資本商品の除外を実施し、かつ当該除外の影響を取り扱うために銀行の健全性枠組みに加える関連のある技術的変更を完了した。協議文書に規定されていたように、当グループのような国際的に活動する大規模な銀行で、信用リスク資本要件に対する内部格付に基づくアプローチの使用についてAPRAの承認を受けた銀行(「先進的な」銀行)は、以下のことが要求される。

    ・ AT1資本1.5%という現行の要件を、CET1資本0.25%およびTier2資本1.25%に置き換えること。

    ・ CET1資本要件の下限を4.5%から6.0%に引き上げるが、資本保全バッファー(「CCB」)の先進的な部分1.25%を削除すること。

    ・ APRAのバッファーを含む、資本要件の下限総額を18.25%(全損失吸収力(TLAC)要件を含む。)に据え置くこと。

    ・ Tier2資本要件(総損失吸収力(TLAC)要件を含む。)を6.5%から7.75%に引き上げること。

    さらに、APRAは、レバレッジ比率、関連事業体のエクスポージャーに関するAPS第222号、APS第221号およびトランス・タスマンの資金調達の取り決めを含むエクスポージャー制限に関して、Tier1資本を基準とすることからこれをCET1資本に置き換え、かつ、2027年1月1日を効力発生日として最低レバレッジ比率を3.50%から3.25%に0.25%削減することとした。当該変更によれば、当グループの上記指標に基づくエクスポージャー分の資金調達能力は低下する見込みであるが、当グループへの影響はかかる指標下での実施日現在の資金調達能力に依存することとなる。APRAの協議文書には、関連事業体のエクスポージャーに関するAPS第222号、APS第221号やトランス・タスマンの資金調達の取り決めの変更の影響を受けるADIは、APRAと調整の可能性について協議できる旨が記載されている。

    ・ RBNZの更新後の自己資本要件: 2019年、RBNZは、ニュージーランド国内で設立登録された銀行に適用される自己資本要件を改定することを決定した。改定後の要件の実施は2021年から進行中であり、ANZバンク・ニュージーランド・グループが保有すべき資本の大幅な増加が要求されている。追加の増加の要求が2028年7月まで段階的に実施される見込みであったが、RBNZが銀行向け主要資本要件のレビューを行っているため、そのまま実施されない可能性がある。RBNZは、2025年8月に公表した協議文書において、特定の貸出形態に対してより低く、より細分化された標準リスクウェイトを導入し、AT1資本を資本の枠組みから除外することを提案した。RBNZはまた、ニュージーランドのシステム上重要な銀行(ANZバンク・ニュージーランドを含む。)の資本要件について、2つの選択肢の可能性を提示した。

    ・ 選択肢1では、CET1資本の最低資本比率要件を14%とし、最低自己資本比率合計を17%とすることが提案されている。

    ・ 選択肢2では、CET1資本の最低資本比率要件を12%、最低自己資本比率合計を15%、損失吸収力(「LAC」)要件(その形態はまだ未検討)を6%とすることが提案されている。選択肢2に基づく、すべてのTier2およびLAC商品はANZBGLに対して発行されることが要求される。

    RBNZは、いずれの選択肢も完全に実施されれば、2019年の資本要件決定よりも平均資金調達コストが低下すると見込んでいる。RBNZは、2025年末までに最終決定を下す意向を表明している。上記の見直しがANZバンク・ニュージーランド・グループおよび当グループに与える影響は不明である。

    ・ ニュージーランドの条件付資本商品: 2021年前に発行された条件付その他Tier1資本商品(「条件付AT1商品」)は2028年7月1日までの移行期間中に段階的にRBNZの適格規制資本としての取り扱いの対象からはずれていく。条件付AT1商品の最大適格規制資本額は、2021年9月30日における合計残額(「条件付AT1ベース」)から、2022年から2028年の各年の1月1日における条件付AT1ベースの12.5%を控除した額であり、2028年7月1日からは、条件付AT1商品は適格でなくなる。ANZバンク・ニュージーランドが有している条件付AT1商品は1つである。

    その他のオーストラリアにおける規制

    当グループに影響を及ぼしている、または将来及ぼす可能性がある、オーストラリアの規制に関する最近のその他の進展には、以下のものがある。

    ・ 気候関連開示: オーストラリアでは、基準の範囲内に含まれる大企業から中規模企業に対して報告義務要件を導入する法案が可決された。ANZGHLおよび当グループを含むその子会社は、2025年10月1日から開始する各年次報告期間において気候関連開示を作成することが求めらている。法案では、とりわけ、気候関連のリスクと機会、シナリオ分析、気候関連移行計画ならびにスコープ1、2および3の排出を開示するよう企業に要求している。スコープ3の排出の開示要件は2026年10月1日以降の年次報告期間において求められる。保証の要件については段階的に導入されていく。最大で3年間は限定的な修正責任の枠組みが適用される。ANZGHLとその子会社(当グループを含む。)は、気候関連開示に関する報告および法令遵守に伴うコストの増加と監視がさらに強化される可能性に直面するおそれがある。

    ・ プライバシー: 2024年11月、オーストラリア議会は、2024年プライバシー等改正法を可決した。この法律により、1988年プライバシー法見直しについての最終報告書(強制執行および自動化された意思決定の透明性の向上に関するものを含む。)において提案された改正の第一段階が実行され、さらなる実質的な改革が、より的を絞った協議において話し合われる。これらの改正は、当グループの個人情報の使用方法と、プライバシー義務を執行するのに利用される手段(新たな民事罰を含む。)に影響を与える可能性がある。上記は、オーストラリア情報コミッショナーによる、重大または反復的なプライバシー侵害の申し立てに対する執行措置が、オーストラリア連邦裁判所においてますます活発化していることが背景となっている。

    ・ サイバーセキュリティ: 2024年11月、オーストラリア議会は、サイバーセキュリティ法と2018年重要インフラ・セキュリティ法を改正する法案を可決した。これらの改正には、企業のランサムウェア報告義務とサイバーセキュリティ大臣の結果管理権限の強化が含まれる。これとは別に、オーストラリア政府は、デジタル・アイデンティティ・サービスを提供する企業の認可スキームを確立するための法案を可決し、関連の規則と基準の協議を行っている。同法案の遂行により当グループにおけるコストが上昇し、規制上の執行手続きが生じる可能性があり、例えば、当グループがデジタル・アイデンティティ・サービスのプロバイダーとなること、または顧客向けのオンボード・プロセス(研修プロセス)の一環としてデジタル・アイデンティティを利用することを希望する場合、その結果として、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    ・ フィジカル・バンキング(物理的な銀行業): 2025年2月、オーストラリア政府は、地域の銀行サービスが引き続き利用できるように「銀行によるコミットメントを確約させた」とし、地域における目的に適合した持続可能な銀行サービスの利用を長期にわたって確保するための取り組みを継続していくと発表した。また、オーストラリア政府は、必要不可欠な商品やサービスを提供する事業者(小規模事業者を除く。)が、直接本人から支払いを受ける場合には現金支払いを受け付けるよう義務付けることについて協議している。かかる義務の実施には、現金輸送の支援策が必要となる可能性が高く、当グループのコストの増加に結び付くおそれがある。これとは別に、ACCCは、オーストラリア銀行協会(ABA)、その加盟銀行およびその他関連業界参加者に対し、オーストラリア経済全体における現金の物理的流通を維持する取決めについて議論して策定し、特定の事業継続対策を実施することについて暫定的な許可を与えている。ABAが行った許可の申請は、オーストラリアの現金輸送サービスの大手供給業者であるアーマガードが、現金の使用が減っていることから当業界は現在の形態では持続可能でないという懸念を示したことを受けたものである。現金輸送サービスの中断は、顧客に現金を提供する当グループの能力に重大な影響を及ぼす可能性がある。現金輸送に関する措置(事業継続対策を含む可能性がある。)により、当グループの費用が増大する可能性がある。

    ・ 金融説明責任体制(FAR): ANZGHL、ANZBGL、サンコープ・バンク、ANZレンダーズ・モーゲージ・インシュランス・ピーティーワイ・リミテッドおよびANZスタッフ・スーパーアニュエーション(オーストラリア)・ピーティーワイ・リミテッドは、金融説明責任体制(「FAR」)による規制を受ける説明責任を負う主体となっている。FARの下では、説明責任を負う主体、それらの重要な関係会社、および特定の個人(上級役員および取締役を含む。)は、強化された説明責任の義務を負ったり、影響を受けたりする。FARに伴い当グループが負う潜在的なリスクには、罰金の支払リスクならびに取締役および上級役員を引き付け、維持するための当グループの能力に対するリスクが含まれる。

    ・ 支払い: 2024年11月、オーストラリア政府は「小切手移行計画」を発表し、2029年のオーストラリアの小切手制度廃止に向けて、オーストラリア政府が産業界に期待することが述べられている。2024年10月にオーストラリア政府は、オーストラリア準備銀行(RBA)による協議ならびに小規模企業および消費者の双方がコスト低下の恩恵を確実に受けられる十分な措置を講じられることを条件として、2026年1月1日からデビットカード取引に対してサーチャージを課すことを禁止する準備が整ったことを発表した。2025年7月、オーストラリア準備銀行は、サーチャージの禁止と、カード発行銀行から加盟店契約銀行に課されるインターチェンジ手数料の引き下げに関する提案について協議を開始した。実施された場合、インターチェンジ手数料の変更は当グループの財政に悪影響を及ぼす可能性がある。

    ・ 最終補償制度(CSLR): 2025年8月、オーストラリア政府財務省は、CSLRの2025-26年度徴税期間(2025年7月1日から2026年6月30日まで)において、金融アドバイス部門の2,000万豪ドルの上限を超える4,730万豪ドルの超過請求分に対処するために金融サービス担当大臣が採れる選択肢について協議を行った。CSLRの下では、4つの金融サービス部門(金融アドバイス、クレジット提供者、クレジット仲介業者および証券ディーラー)が、それぞれの部門についてCSLRに提出された請求額を基準に算出される最大2,000万豪ドルの年間賦課金を拠出することが要求される。大臣が超過分に対処するための選択肢には、1つまたは複数の金融サービス部門に対する「特別賦課金」の課税も含まれる。金融サービス担当大臣が特別賦課金を課す場合、当グループの財政に悪影響が及ぶ可能性がある。

    ・ 税制改革: 2025年8月、生産性委員会は、売上高が10億豪ドル未満の企業に対して法人税の標準税率を30%から20%に引き下げ、企業の利益に対して5%の新たな純キャッシュフロー税を導入することを提言した。純キャッシュフロー税は利息の支払いを除外するため、生産性委員会は金融サービスへの課税方法について異なるアプローチを検討している。同委員会は、簡単な選択肢として法人税率を引き上げることを提案した。生産性委員会が当グループの税務負担に悪影響を及ぼす可能性のある提言を行う可能性がある。

    ・ 在宅勤務: ビクトリア州政府は、特定の従業員に対して最低週2日の在宅勤務権を認める法案について協議している。これが実施されれば、当グループの従業員管理における柔軟性が制限される可能性がある。

    ・ 企業結合規制の義務化: オーストラリアの競争法改正により、2026年1月1日以降、当グループの将来の取引は、これまでより多くの案件についてACCCへの届出が義務付けられることになる。かかる改正により、当グループでは手続きの更新が必要となり、将来の取引においてコストの増加や遅延が生じる可能性がある。

    ・ 金融犯罪: マネーロンダリング防止、対テロ資金、スキャムおよび制裁措置に関する最近の規制上の進展については、リスク要因17.「マネーロンダリング防止、対テロ資金、制裁およびスキャムに関連する法令違反の場合に多大な罰金および制裁を受ければ、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。」を参照のこと。

    その他のニュージーランドにおける規制

    ニュージーランドの政府および規制当局もまた、ニュージーランドの金融機関に対する大幅な法律上および規制上の変更について提案または実施している。

    預金受入機関法は、危機対応準備についての新たな基準に関するものを除き、が2028年12月後半に全面施行される予定である。RBNZは、預金受入機関法の施行を支援するための政策、基準および規制を策定するための複数年にわたる作業計画に着手している。預金受入機関法が導入した預金者補償制度(DCS)は2025年7月から開始され、預金受入機関が破綻した場合には、一機関につき預金者一人当たり対象預金の10万ニュージーランドドルまでが保護される。

    ニュージーランド政府は、NZ CDR制度を導入している。ANZバンク・ニュージーランド(およびニュージーランドにおいてシステム上重要とみなされている他の3つのニュージーランドの銀行)は、2025年12月1日から新たな要件を満たすことが求められる。リスク要因2.「当グループが業務を行う市場における競争は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    上記の変更は、ANZバンク・ニュージーランド・グループに悪影響を及ぼす可能性があり、潜在的にその企業構造、事業、戦略、資本、流動性、資金調達および収益性、コスト構造、顧客のためのコストおよび信用の利用ならびにさらに広い範囲にわたる経済に影響し、これがさらに当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    16.訴訟および偶発債務は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    当グループは、その時々において重大な訴訟、規制措置、法的あるいは仲裁手続きおよびその他の偶発債務の対象となる可能性があり、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    当グループは、2025年9月30日現在、「第6 経理の状況-1 財務書類」に記載の2025年度財務書類の注記31「コミットメント、偶発債務および偶発資産」に概要が記載される事項に関する偶発債務を有していた。注記31は特に以下の事項を含む。

    ・ 監督当局および顧客に対するエクスポージャー

    ・ 南アフリカの金利に関する訴訟

    ・ オーストラリアのマーケッツ事業およびリテール事業の問題に関するASICとの和解(「和解合意」と定義される。詳細については、リスク要因15.「規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。)

    ・ NFR管理に関する裁判所執行可能確約(CEU)(「CEU」と定義される。詳細については、リスク要因15.「規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。)

    ・ OnePathの年金に関する訴訟

    ・ ニュージーランドのローン情報に関する訴訟

    ・ 担保回収の訴訟

    ・ 保証、補償およびパフォーマンス管理費

    当グループは、国内外の規制当局ならびにその他の法定機関および監督機関と定期的に意見交換を行っている。これらの規制に関するやり取りの性質は広範囲にわたり、規制当局による調査、監視および見直し、報告対象の事態、公式および非公式の照会ならびにオーストラリア、ニュージーランドおよび世界における規制当局による監視活動が含まれる可能性がある。当グループはまた、業界全体に対する見直しおよび当グループ固有の見直しの両方の一環として、その時々の規制当局その他機関からの通知や情報の請求を受け、勧奨に基づき規制当局に対する開示を行っている。

    当グループが規制当局と意見交換する事項は近年増加している。最近のやりとりには以下の事項に関するものを含む。

    ・ 市場における取引とデータ報告。上記の和解合意の一環として、ANZBGLは、ASICの5件の個別の調査を解決したが、それには、オーストラリア債務管理庁(「AOFM」)による10年物トレジャリー・ボンドの2023年の発行におけるANZBGLの業務執行およびAOFMに対してANZBGLが行った流通債券市場の取引高データの報告中の誤りへの調査が含まれた。

    ・ オーストラリア・リテール部門におけるASIC関連事項解決プログラム。同プログラムは、複数の領域を対象としており、具体的には、ANZBGLのオンラインセーバー商品、経済的困難対応プロセス、遺産、違反報告、事象管理、顧客救済および苦情対応などがある。

    ・ 共通報告基準(CRS)および外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)に基づく義務、プロセスおよび報告。

    ・ マネーロンダリング防止および対テロ資金に関する義務、プロセスおよび手続き。例えば、近年においてAUSTRACは、ANZBGLおよびサンコープ・バンクに対して審査および調査を行った。AUSTRACにより特定された多くの潜在的な法令不遵守事項には、AUSTRACに対する定期的な報告を伴う継続的な改善プログラムの対象となっている。当グループは、マネーロンダリング防止/対テロ資金(AML/CTF)の遵守に関する問題の自己特定とAUSTRACに対する報告を継続的に行っており、改善活動に関しての最新情報を定期的にAUSTRACに提供している。

    ・ 特定の商品における金利および手数料の適用ならびに金融説明責任体制などのNFR管理慣行。

    当グループの規制当局とのやり取りに関連して生じる可能性があるエクスポージャーには、民事強制措置、刑事訴訟手続き、罰金、資本要件または流動性要件の賦課、顧客救済、独立審査の実施要件、制裁その他の規制権限の行使が含まれる可能性がある。

    規制当局に対するエクスポージャーに加えて、顧客、第三者および株主に対するエクスポージャーも発生する可能性があり、これらには補償その他の救済のためのクラス・アクションまたは請求が含まれうる。

    これらの潜在的な規制、顧客およびその他のエクスポージャーの結果や関連する費用の総額は不明である。

    しかしながら、偶発債務が予想以上に大きい、あるいは追加的訴訟、規制上措置、訴訟もしくは仲裁手続きまたはその他の偶発債務が生じるかもしれないというリスクがある。

    17.マネーロンダリング防止、対テロ資金、制裁およびスキャムに関連する法令違反の場合に多大な罰金および制裁を受ければ、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    マネーロンダリング防止、対テロ資金、制裁およびスキャムに関する法令は、近年において複雑さを増している。規制変更ならびに国内外で取られる制裁および強制措置の拡大は、引き続き当グループが注視している事項である。

    ・ マネーロンダリング防止/対テロ資金(AML/CTF)

    オーストラリアのAML/CTF規制当局であるAUSTRACは、報告事業体が2006年マネーロンダリング防止およびテロ資金対策法(「オーストラリアAML/CTF法」)と2007年マネーロンダリング防止およびテロ資金対策規則文書(第1号)に基づく義務を理解して遵守することを確保するために、その規制手段と権限を用いている。「報告事業体」とは、銀行口座開設など少なくとも1つの「指定サービス」を顧客に提供する法人を指す。これまで、AUSTRACは、他の主要国内銀行に対して2件の罰金を伴う民事罰を課しており、これらの銀行に判明した不備を是正するよう求めた。AUSTRACはまた、報告事業体が法令遵守を怠った時には、強制執行可能な約束や違反通知を行使している。

    2024年11月、オーストラリア議会は、オーストラリアAML/CTF法を改正する法案を可決し、これにより、AML/CTFプログラム、リスク評価、カスタマー・デューデリジェンス(CDD)(顧客管理)、疑わしい取引報告、取引閾値報告および価値移転(現在はInternational Funds Transfer Instructions(国際資金移転指示)として知られる。)に関するものを含む法的要件が変更された。2025年8月には、最終的なAML/CTF規則がオーストラリア議会によって制定された。移行措置がない場合、これらの改正の大部分は、当グループ内の報告主体を含む現行の報告主体に対して2026年3月31日に発効する。これらの改正へ完全に遵守するには、報告主体のデューデリジェンスおよび報告システム、ならびに関連する方針および手順の複雑な技術的アップグレードが必要となる見込みであり、複数年にわたるプロセスになると予想されている。このため、AUSTRACは、現行のタイムラインが業界全体に与えている時間的な課題を認識しており、段階的な導入について業界と協議を行うことに加え、即時の遵守は期待していないものの報告主体が導入に向けて持続的な進捗を継続的に示すことを期待していると述べている。AUSTRACの期待に沿い、最終的なAML/CTFの法的要件に基づく新たな義務に対応するため、当グループは導入計画を策定し、AML/CTFプログラムに変更を加える予定である。当グループのAML/CTFプログラムの変更が当グループに与える影響は不明であり、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    ニュージーランド政府も2009年マネーロンダリング防止および対テロ資金対策法(ニュージーランドAML/CFT法)の見直しに着手した。規制は3段階に分けて導入された。三段階からなる規制のうち、2023年7月に第一段階(主に定義の変更と明確化で構成される。)が開始された。規制の第2段階は2024年6月に施行され、様々な既存の義務(カスタマー・デューデリジェンス(CDD)、より厳格な顧客管理(EDD)および現行のデューデリジェンス要件を含む。)に変更が加えられ、新たな義務(規定取引報告に関する特定の記録義務を含む。)が導入された。規制の第3段階は2025年6月に発効し、顧客のリスク格付に対してさらなる義務が導入された。さらなる改革が3つのワークストリームを通じて当初のニュージーランドAML/CFT法を改正することにより行われる予定である。第一のワークストリームで行われる重要な変更には、カスタマー・デューデリジェンス、カスタマー・スクリーニングおよび住所検証要件が含まれる。第二のワークストリームでは、報告事業体に対する課税を導入し、AML/CFT監督モデルにおける監督機関を3つから1つに統合する。第三のワークストリームでは、拡散金融規制の制度への取り入れを含む追加の変更が行われる。改革の結果について現段階では明確な見解はないが、改革の過程において当グループに新たな規制要件が課され、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    また、RBNZは、ニュージーランドのAML/CFTに関する法律の違反に対して正式な強制執行措置を採る意欲を高めていると述べている。他の規制当局(アジア太平洋地域を含む。)もAML/CTFに関する法律の不遵守に対して措置をとる傾向が強まっており、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    ・ 制裁

    対外的な制裁および輸出管理の状況が複雑さを増し続ける中、規制当局の要求も拡大しており、多くの規制当局が不遵守に対する強制執行に注力している。2022年2月にロシアとウクライナにおける紛争が始まって以来、世界的に展開されている制裁回避ネットワークの関係者を含む、個人および組織を対象とした規制当局による制裁の発動が続いている。2025年10月、欧州連合(EU)、米国および英国は、いずれもロシアに対して新たな制裁や制裁の拡大を、エネルギー部門に重点を置いて実施した。米国と英国がロシアの最大手石油会社2社を対象に全面的な遮断制裁および指定措置を発動した一方、EUの第19次制裁パッケージでは、ロシア産液化天然ガスの包括的禁止を課し、重要な物品や技術に対する輸出入規制を拡大し、サービス(AIおよび量子コンピューティングを含む。)、金融メッセージングシステムおよび暗号資産に対する新たな制限を導入した。最近の規制の進展により、二次制裁の範囲が拡大され、ロシアを含む制裁対象の団体や法域に関して重要な支援を提供したり、重要な取引を促進する金融機関も対象に含まれるようになった。このような活動に関与する機関は、適用される制裁制度の下で制限措置を受けるおそれがあり、これには主要な金融システムへのアクセス喪失、資産凍結その他の制裁措置などが含まれる。当グループは、これらの制裁措置の影響を判定し評価するために取り組んでいる。企業は、二次的な制裁リスクを考慮に入れつつ、ロシアまたはロシア所有もしくはその支配下の団体との直接・間接の事業活動に関してリスク選好度評価を続けている。その結果、企業は提供する事業サービスの種類を調整したり、場合によっては事業サービスの提供を停止する可能性がある。

    2025年9月、フランス、ドイツおよび英国がイランの核合意義務に対する不遵守を正式に認定したことを受け、国連は包括的共同作業計画(JCPOA)の「スナップバック」メカニズムに基づき、イランへの制裁を再発動した。これらの制裁は、米国による既存の制裁と合わせて、イランの核兵器取得を阻止し、その地域的影響力を抑制し、イランの石油輸出をゼロに追い込むことを目的とした包括的な制裁と外交戦略を形作るものである。さらに、イランの海運ネットワーク、第三者仲介者、関連する個人や企業に対する制裁の数は増え続けている。当グループは、イランに関わる取引を引き続き包括的に禁止している。

    以前はオーストラリア、米国、欧州およびその他の主要なパートナーの間では外交政策目標に関連する制裁について協調する側面がみられたものの、異なる体制間や個別具体的な制限に対しては微妙な差異がみられる。例えば、米国、EUおよび英国は、最近においてシリア・アラブ共和国に対する制裁の緩和に向けた顕著な措置を講じているが、これは国際政策における重要な転換を表している。2025年11月、オーストラリアは、アサド後のシリアの移行と復興を支援する世界的な取り組みに沿って、シリアの金融およびエネルギー部門に対する自律的制裁を緩和した。オーストラリアは、アサド政権の元メンバーに対する対象を絞った金融制裁を維持している。当グループは、シリアに関する取引の包括的な禁止を維持しているが、この対応を見直す予定である。各組織は、世界の同盟国間の制裁政策の違いに伴うリスクを評価し、それらリスクを管理するために適切な対応を取ることを続けている。

    ・ スキャム(信用詐欺)

    スキャムは、金融サービスその他のセクターにおいて引き続き蔓延しており、急速に進化している。2025年2月、オーストラリア政府のスキャム防止フレームワーク(「SPF」)が国王の裁可を受け、銀行、電気通信事業者およびデジタルプラットフォームに新たな義務を課し、組織がどのようにスキャムを管理、防止、検知、報告、途絶および対応するかに関しての期待事項を定めた。

    2025年11月、オーストラリア政府は、スキャム協議パッケージを公表し、SPFの導入に向けて業界からのフィードバックを求めている。SPFは2026年7月1日に運用を開始し、2027年末までに銀行、電気通信事業者および特定のデジタル・プラットフォームに対して全面適用される予定である。ANZBGLは、かかる協議パッケージについて検討を進めており、提案された規範や規則に関して2025年12月末までに(オーストラリア銀行協会を通じた提出も含め)提出を行うことを目指している。

    様々なレベルや種類の金融犯罪についての綿密な監視が当グループ全体にわたって続けられている。当グループの規模および複雑性ならびに複数の改革が進行中であることを考慮すると、不遵守リスクは引き続き高い。仮想資産サービス・プロバイダー(例えばデジタル通貨の交換業者およびウォレット・プロバイダー)により提供されるもの等の新興技術ならびにフィンテックやその他のディスラプターを通じたますます複雑化する送金の取決めにより、資金の流れを追跡し、関連取引の監視を進め、報告義務を満たす当グループの能力が制限される可能性がある。当グループの技術の複雑性ならびにAML/CTFおよび制裁遵守において機能するシステムの変更の頻度の増加により、当グループは、システムおよび制御への影響を特定できないリスクに晒されている。資金の流れを報告し、マネーロンダリング、テロ資金調達、スキャムその他の重大な犯罪に対抗するための強固なプログラムを実施できないと、当グループおよびその従業員に財務上、法的およびレピュテーションの面で深刻な影響が及ぶ可能性がある。

    当グループがAML/CTF、制裁措置およびスキャムに関する規制当局の期待に応えられない結果、罰金、刑事上および民事上の罰則、民事訴訟、レピュテーションの毀損および一定の法域で事業を行うことの制限などが発生する可能性がある。これらの結果によっては、個別または集団的に、当グループのポジションに悪影響が及ぶこともあり得る。当グループが海外業務を行っていることにより、当グループに対する規制当局からの監視が強化され、法令遵守コストが増加する可能性がある。

    法律、規則への不遵守や規制当局の期待に応えられないことに関連するリスクの詳細については、リスク要因15.「規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    18.金融政策の変更は当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    中央金融当局(RBA、RBNZ、米国連邦準備制度理事会、欧州中央銀行、イングランド銀行および当グループが業務を行うアジアの法域の金融当局を含む。)はそれぞれ関連法域で通貨および信用の需要に影響を与えるため、政策金利の設定またはその他手段を取っている。法域の一部では、通貨政策が全般的な事業状況ならびに通貨および信用の需要に影響を与えるために使用される。これらの手段および政策は、当グループの貸付および投資の資金コスト、ならびに当グループがそれらの貸付および投資からあげるリターンにかなりの影響を与える可能性がある。これらの要因は当グループの純預貸利鞘に影響を与え、当グループが保有する債券およびヘッジ商品などの金融商品の価値に影響を与える可能性がある。中央金融当局の取る手段および政策はまた、当グループの借入者に影響を与える可能性があり、借入金返済を履行できないリスクを潜在的に増加させる。かかる政策金利および金融政策の変更を予測することは困難であり、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。リスク要因3.「オーストラリア、ニュージーランドまたは当グループが事業を行うその他市場の不動産市場の変動は当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」およびリスク要因9.「信用リスクは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    19.グローバル顧客の税務の透明性に関する制度により課される現在進められている広範囲に及ぶ「非居住者に係る金融口座情報の自動交換のための報告制度(AEoI)」義務に関し、継続的で多額の法令遵守(コンプライアンス)コストが生じることは、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    すべてのグローバルな金融機関(「FI」)(当グループ内のFIを含む。)による、外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)、経済協力開発機構(OECD)の共通報告基準(CRS)およびこれらに類する租税回避対策制度に基づくグローバル顧客の税務の透明性に関する制度への遵守に関して、引き続き強制的かつ大幅な変更が行われており、また規制当局の関心も高まっている。これらは、強制執行や罰則の世界的な規制による動きや、追加的なコンプライアンス枠組み要件、コンプライアンス評価要件、調査、オンサイトの金融機関監査、証拠に関する要件、回避の封じ込め、不遵守の阻止、検出および罰則の賦課を目的とした詳細な規則および枠組みの規制による実施の強化が含まれている。継続中のOECD諸国の政府レベルでの相互審査ならびに米国内国歳入庁(IRS)および規制当局によるFIのコンプライアンス審査/監査要件によりFIに対する監視は強化されているため、世界中でFIには予定外の作業負荷が増している。不遵守の防止および処罰のために罰金制度が十分であることを確保するよう、各CRS採択国はOECDにより迫られている。

    当グループは世界的に相関関係が存在する事業環境で事業を展開するFIであるため、各国の様々な制度の実施に伴う義務が高度に複雑かつ厳格な性質を有するものであることは当グループのオペレーショナル・リスクやコンプライアンス・リスクを高めている。国際的な規制遵守の枠組みが成熟し、規制当局が執行(金銭的制裁を含んだり、その他のより一般的な税務リスクの枠組みに影響する可能性がある。)に重点を移しているため、不遵守となった場合には多額の制裁金の要求や評判の失墜につながる可能性がある。したがって、グローバル顧客の税務の透明性に関する制度の遵守は、当グループにとって主要な関心分野であり、大きなコストを発生させている。

    FATCAおよびその他の関連する米国財務省の規則に基づき、当グループは以下の影響を受ける可能性がある。

    ・ 継続中の詳細にわたる義務を適切に履行できない場合、一定金額(顧客に支払われる金額を含む。)に対して30%の源泉徴収税を課せられ、上位支払者に対して一定の情報を提供するよう求められる可能性があり、また、その他の不利な影響も受ける可能性がある。

    ・ 米国と当グループが業務を行う適用ある法域との間のFATCAに関する政府間協定が失効した場合、広範なコンプライアンスの問題、重大な源泉徴収に関わるエクスポージャー、競争面での不利な状況およびその他の業務上の影響を受ける可能性がある。

    CRSの下で、当グループは、

    ・ 太平洋地域などの当グループが事業を行っている開発途上国における課題に直面している。これらの国々の現地規制当局は一般に「パートナー」国家から支援を受けており、実施や遵守のための基準や証拠に関する要件の導入は引き続き困難である。

    ・ 所定の顧客情報の収集または報告の不履行について、さらに広範な「裏付けのある信頼関係」による結論および多額の罰金と共に、現地の法律および規制の実施において国ごとに特有の広がり続ける大幅な差異に対処しなければならない。

    ・ 規制当局の取り組みの重点がFIの効果的な実施へ移ったため、ますます厳格化する規制当局による監視と措置を受けている。このような規制強化は各国で異なるペースで行われているが、影響を受ける顧客にとって重大な不利益な体験(一方的な口座の凍結および閉鎖ならびに顧客への直接的な罰則の可能性を含む。)につながる可能性があり、当グループのポジションに悪影響が及ぶ、また、他のFIが同様のことを履行しない場合には重大な競争上の不利益および事業上の損失が生じる可能性がある。

    ・ 凍結および閉鎖の影響により不当に扱われたと感じる顧客により、法的責任や第三者賠償責任に晒される可能性が高まるなど、顧客成果の悪化に直面するが、これはとりわけ当グループが規制上の問題を顧客に明確に伝えていなかったり、(例えばデータやプロセスの誤りにより)不正に口座を凍結または閉鎖した場合に起こる可能性がある。

    ・ 仲介機関に関連する複雑な要件が絡む多くの実施上の課題に引き続き対処しており、このことがまた、規制上の影響を受けるリスクを高める可能性がある。

    ・ OECDの暗号資産等報告枠組み(CARF)および改正された共通報告基準(CRS)に関連する規制変更の実施が、当グループが事業を展開するほとんどの法域で差し迫っている状況に直面している。導入スケジュールが統一されていないため、各法域で異なる開始日が適用されることとなる。

    当グループ、サンコープ・バンクおよびANZバンク・ニュージーランド・グループの規模および複雑性は、FATCA、CRSおよびその他の税務報告制度への不遵守を犯すリスクが引続き高いことを意味している。最近では、CRSおよびFATCAに関する義務、手続きおよび報告(該当する場合)について、オーストラリア税務当局、ニュージーランド内国歳入庁その他の現地規制当局との間でやり取りが行われている。主要な人材および重要な特定分野の専門家の流出と共に、資格を有する後任者の発掘という課題は上記義務への不遵守リスクを増大させている。実施されたプロセスを上手く運用できない、または義務のすべてを特定および履行できない場合、当グループおよびその従業員に法律、財務およびレピュテーション面への影響が生じる可能性がある。かかる影響には、罰金、刑事上および民事上制裁、民事上の請求、是正措置、システムやプロセスの修正、レピュテーションの毀損、競争上の不利益、事業損失、事業遂行上の制約が含まれる。

    自然災害および現在も続く地政学的事象からの継続的な影響のような外的要因により、システム、ツールおよび情報へのスタッフによるアクセスを困難なものとなり(予定外のスタッフの欠勤を含む。)、規制当局が期待するエラー率ゼロの達成が要求されている継続的な改善活動のみならず、義務付けられたFATCAおよびCRSの規制上の報告、顧客へのフォローアップに関する戦略、規制当局からの勧告の解決と対処を含む、当グループの規制上の義務を必須の期間内に履行することに影響を与えている。企業自身の税務上の申告や納税に関連する当グループの国際的な税務上の義務も同様に影響を受ける可能性がある。外的要因がもたらす継続的な課題にFIが対応することを規制当局が期待していることから、世界の規制当局から当初受けていた寛容な対応は、厳格化または撤回が続いており、このため、規制上の義務を履行するにあたっての不備や遅延が起きた場合の結果として、規制当局による監督、関連する罰則およびレピュテーションへの影響が発生するリスクがさらに増している。

    これらの影響は、個別的または集合的に、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    20.いずれかの法域における当グループの営業免許の予期せぬ変更は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    当グループは、様々な法域で営業する免許を取得している。政府、当局または規制省庁により、営業免許の条件に対し、当グループがこれまで許可されていた方法での取引を禁止または制限するような予期できない変更がなされた場合には、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    環境関連リスク、ソーシャル・リスクおよびガバナンス・リスク

    21.将来の気象関連事象、自然の喪失、人権、地質学的事象、植物、動物および人間の疾病ならびにその他外因性事象の影響は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    当グループおよびその顧客は、気象関連事象(自然災害を含む。)、地質学的事象(火山・地震活動または津波等)、自然の喪失(種の絶滅や減少、生態系の悪化に起因するものを含む。)、植物、動物および人間の疾病またはCOVID-19などのパンデミックならびに人権リスクなどから生じるESGリスクに晒されている。これらはそれぞれ、当グループの事業および顧客に重大な影響を及ぼす可能性がある。

    気候関連の物理リスクは増加しつつあり、世界の平均気温の上昇や、恒常化している異常気象の影響を通じて観測されている。気象関連事象には、暴風雨、森林火災、サイクロンおよび洪水などが起こり得る。気候パターンの長期的な変化には、海面水位上昇ならびに気温および降雨量(干ばつを含む。)の変化などがあり得る。これらの事象による影響は、二次的影響も含めて拡大する可能性がある。例えば、干ばつが経済に与える影響は、一次生産者のみならず、農業部門への供給業者を含む当グループの他の顧客や、影響のあった地域に居住しその地域内で事業を営む者にも及ぶ可能性がある。この結果、直接的または顧客に対するこれらの事象が及ぼす影響を通じて、当グループは気象関連事象に晒される可能性がある(リスク要因22.「直接または間接に気候リスクの影響を受けることがある顧客向けの貸付に伴うリスクは当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。)。

    当グループがさらに理解を深めるよう努めている新たなリスクに自然リスクがある。自然リスクは、自然に重大な影響を与える、または自然に依存する顧客への融資から生じる可能性がある。また、これらのリスクは法律や規制の変更によっても起こる可能性があり、これが直接的にまたは当グループの顧客を通じて間接的に当グループに影響を与える可能性がある。これらのリスクの管理を怠った場合、財務およびNFRにつながり、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    人権リスクは、当グループの人員の安全と安心、労働上の権利、現代の奴隷制、プライバシー、汚職と贈収賄、環境保護および土地の利用と権利に関して生じる。当グループは、リスクベースのデューデリジェンスにより、人権リスクと当グループのビジネス関係に関連する影響を特定している。これらのリスク管理ができない場合、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    気候変動、自然、人権、またはその他のESGリスクに関連する法令に加えて、株主、従業員および利害関係者の見解により、当グループが一定の活動に従事するかまたは一定の商品を提供するか否か、およびそれらを行う条件に影響が及ぶ可能性がある。その頻度および深刻さによっては、これらのリスクは、当グループの支店もしくはビジネスセンターなどのサービスまたは他の当グループのサービスの提供を中断または制限する可能性がある。また、当グループの財務状態または顧客に対して供与する信用ファシリティに関連する担保状況に悪影響を与える可能性があり、これがさらに当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    22.直接または間接に気候リスクの影響を受けることがある顧客向けの貸付に伴うリスクは当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    当グループにとって最も重大な気候リスクは、企業およびリテールの顧客に対する貸付によって引き起こされる。顧客は物理リスクおよび移行リスクによる影響を直接受ける可能性がある。これには、異常気象が顧客の事業または財産に及ぼす影響(保険料のコスト、保険金の入手可能性や保険の補償範囲の十分性の影響を含む。)、顧客の事業が行われている規制環境および政策環境の変化、新テクノロジーによる混乱、ならびにより低排出な商品やサービスへの需要の変化などがある。気候リスクは顧客のサプライチェーンに対する影響により、間接的に顧客に影響を与える可能性がある。

    気候リスクは、顧客の債務返済能力に影響を与え、債務不履行の可能性を高め、「座礁資産」を生み出し、および/または担保として保有された担保物件の価値や流動性が損なわれることにより当グループの回収可能額に影響する可能性がある。熱帯低気圧サイクロン「アルフレッド」や2025年のクイーンズランドおよびニューサウスウェールズでの洪水などのオーストラリアにおける最近の異常気象が顧客に影響を与えている。

    気候変動に関するリスクに対し、規制上、政治的および社会的に注目が高まっている。

    気候リスクを当グループのリスク管理の枠組みにさらに統合および定着させ、気候変動により生じたリスクと機会の対応に向けた当グループの業務および事業戦略を採用することは、当グループに重大な影響を与える可能性がある。

    リスク管理、内部統制、非財務リスク(NFR)およびレピュテーショナル・リスク

    23.コンダクト・リスク事象は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    コンダクト・リスクは、当グループが事業活動を行うにあたり、消費者の利益、金融市場の健全性および地域社会の期待を当グループ、従業員または代理人が適切に考慮しないことから生じる損失または損害のリスクである。

    コンダクト・リスクは以下のものを含む。

    ・ 顧客に対する不相応または不適切な助言の提供。

    ・ 商品もしくはサービスに関する不正確な説明もしくは開示、または顧客に対してリスクおよび利益について十分な情報を提供しないこと。

    ・ 条件、開示、提案および助言に従った商品の特徴および利益の伝達ができないこと。

    ・ 実際、潜在的、およびすでに認識されている利益相反を特定、管理および(適切な場合には)回避できないこと。当グループには、その顧客利益、当グループに有利な機密情報および内部情報の悪用、ならびに当グループ従業員の個人的利益と当グループの利益、顧客およびサプライヤーとの間の不一致を管理するための手続きと統制が整備されている。

    ・ 不適切な苦情処理または改善プロセス。

    ・ 経済的困難にある顧客に対する義務を尊重せず、遵守しないこと。

    ・ 当グループの方針および基準に反した金融市場における無許可の取引活動

    オーストラリアおよびニュージーランドも含め、規制当局や地域社会は引き続きコンダクト・リスクに注目している。多様で不透明な経済情勢により、生活費の増加や可処分所得の減少が経済的余裕に影響を及ぼしつづける中、顧客は依然として経済的圧力を受けている。

    これが顧客への貸付能力、および/またはすでに苦境にある顧客に提供する必要のある返済猶予の程度に引き続き影響する可能性がある。現在の経済情勢下において高まっているコンダクト・リスクを効果的に管理するため、当グループは、財政的困難に陥る可能性があり、そのため支援の強化を要する顧客の規模を引き続き監視する必要がある。このような事態が起きた場合、厳しい財務状況にある顧客が最も大きな影響を受ける可能性が高く、この状況はさらに進展しており、引き続き規制当局の優先事項となっている。当グループは、顧客損害のリスクを軽減するために、返済猶予の要求への対処と、複雑な顧客のニーズに応える適切な個々に沿った解決法の提供を引き続き行う必要がある。規制当局は、経済の課題に対応しつつ、倫理基準の遵守と消費者保護を通じたコンダクト・リスクの適切な管理を確保するため、金融機関の監視を強化している。上記の規制では、より規範的なガイドラインと、より厳格な強制執行措置などに重点が置かれている。これにより法令遵守コストが増加し、また、不遵守の場合には法的責任が生じる可能性があり、当グループのポジションに影響が及ぶ可能性がある。

    金融機関の行為(「CoFI」)に関する制度は、ニュージーランドの金融機関が顧客を公正に扱うことの確保を目的としている。2025年3月31日から、これらの機関はCoFI制度により、市場業務免許の取得、公正行動プログラムの実施およびすべての消費者とのやりとりにおいて公正であることを重視する公正な行動規範の遵守が義務付けられている。ANZバンク・ニュージーランドは、これらの要件を遵守するための変更に着手しており、このために法令遵守コストが増加し、業務の変更が実施され、監視が強化される可能性がある。2025年3月には、ニュージーランド政府が金融市場行動改正法案をニュージーランド議会に提出し、もしこれが可決されれば、CoFI制度に基づく金融機関の公正行動プログラムに関する最低要件の改正が行われることとなる。CoFI制度の改正は早ければ2026年に開始される予定である。ANZバンク・ニュージーランドに対するCoFI制度の影響は依然として不明であるが、これにより法令遵守コストが増加し、また、不遵守の場合には法的責任が生じる可能性があり、当グループのポジションに影響が及ぶ可能性がある。

    顧客に影響を与えるリスク事象の発生にあたり、ANZBGLには、顧客救済プログラムに対して責任を負う中央化されたチームが置かれており、かかるプログラムにはANZBGLの見直しから明らかになった行為に関する問題への対処が含まれる。同様に、ANZバンク・ニュージーランドも個別の中央化された顧客救済チームを有している。コンダクト・リスク事象により、顧客や市場の健全性が悪影響を受ける可能性があるばかりでなく、当グループが規制当局の措置、銀行業免許に制限もしくは条件を課せられ、レピュテーションへの影響にさらされる可能性があり、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。救済プログラムが適切に実施されない、またはさらなる救済業務が必要となる可能性があり、これが訴訟、規制上の措置および当グループの費用の増加を招き、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。コンダクト・リスクに対する規制上の関心の高まりについての詳細は、リスク要因15.「規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」およびリスク要因16.「訴訟および偶発債務は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。

    24.レピュテーショナル・リスクに関する事象は、業務上の不履行および規制の不遵守とともに、レピュテーショナル・リスクを引き起こす可能性があり、これが利害関係者の信頼を損ない、当グループのブランドを低下させ、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    当グループのレピュテーションは貴重な財産であり、事業のイニシアチブおよび資金調達力または資本調達力に関して地域社会から受ける支援に大きく貢献している。レピュテーショナル・リスクは、外部の事象または業務上の不履行および規制の不遵守を含む当グループの実際のまたはそのようにみなされる行為および慣行の結果として生じる可能性がある。これらの事象が発生すれば、当グループに対する一般(当グループの顧客を含む。)、株主、投資家、規制当局および格付機関の認識に悪影響を及ぼす可能性がある。当グループのレピュテーションに関するリスク事象の影響は、リスク事象そのものの直接的なコストを上回る可能性があり、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    当グループの慣行の一つが社会の期待に応えることができなかった場合、当グループはレピュテーションから生じる損害を被る可能性がある。社会の期待は、継続的に変化し進化している。期待は適用法に従うために必要な基準を超えて求められることもあるため、当グループは法的義務を果たしている場合でもレピュテーションによる損害を被る可能性がある。

    社会の期待と当グループの慣行との相違は、商品およびサービスの開示の慣行、価格設定方針ならびにデータの利用を含め、多くの状況で発生しうる。当グループのレピュテーションは、特に金利上昇の局面において、広範な金融サービス業界に対する社会の認識により悪影響を受ける可能性がある。レピュテーションから生じる損害は、当グループによる効果的なリスク管理の不履行、規制当局による執行または監視措置、規制当局による調査の不利な結果によって、ならびに地域社会、環境および倫理的問題に適切に対応できないまたは対応できないとみられた場合に生じる可能性がある。当グループは随時、アクティビスト株主の行動の結果、世間の監視が強まり、レピュテーションによる損害に晒される可能性がある。オーストラリアにおいて投資家の行動主義(アクティビズム)を呼んでいる分野は主に環境および社会問題に関連しており、当グループ自身または当グループが資金提供している相手方の行動にも関心が寄せられている。

    業務上の不履行および規制の不遵守または業務上の不履行および規制の不遵守とみなされることがレピュテーショナル・リスクを生じさせる可能性がある。かかる業務上の不履行および規制の不遵守には、以下が挙げられる(ただし、これらに限定されない。)。

    ・ 身元確認義務の充足に関する不履行

    ・ 商品の開発に関する新たに発生する不履行

    ・ 継続中の商品モニタリング活動に関する不履行

    ・ ターゲット市場外で商品販売を行う際の適合性要件に関する不履行

    ・ 開示義務の不遵守

    ・ 財産管理リスク(例えば、信用、市場、オペレーショナルまたはコンプライアンス)に関する失敗

    ・ 市場操作または反競争的行為

    ・ 不適切な危機管理/危機的事象への対応

    ・ 不適切な顧客苦情処理

    ・ 不適切な第三者との取決め

    ・ プライバシーの侵害、および

    ・ 不測のリスク

    当グループのレピュテーションに対する損害は、当グループの収益性、規模および資金調達費用、規制当局による監視の強化、規制当局による強制措置、追加的な法的リスク、ならびに新規事業機会の獲得可能性の制限への悪影響など、広範囲に影響を及ぼす可能性がある。当グループのレピュテーションが損なわれる場合、当グループが顧客を引き付け維持する能力もまた悪影響を受ける可能性があり、これは当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    25.非財務リスク(NFR)事象は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    NFRは、社内手続き、人員およびシステムの不適切もしくは障害、または外的事象から生ずる損失リスクおよび/もしくは法の不遵守(法律、規制、業界基準および規約、ならびに内部方針を遵守して行為を行わないことを含む。)のリスクである。これはオペレーショナル・リスク、金融犯罪リスク、コンプライアンスおよびコンダクト・リスク、レジリエンス・リスクならびにレピュテーションの喪失リスクを含むが、戦略リスクは含まない。

    当グループのリスク分類に基づくNFRの種類には以下が含まれる:

    ・ 金融犯罪リスク(当グループの方針の不遵守または規制当局の期待に応えられないことを含む金融犯罪を助長するリスク)で、下記のNFRの課題を含む。

    - 金融犯罪(マネーロンダリング、テロ資金、制裁回避または贈収賄および汚職を助長するリスク)。リスク要因17.「マネーロンダリング防止、テロ資金、制裁およびスキャムに関連する法令違反の場合に多大な罰金および制裁を受ければ、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。」を参照のこと。

    - 内部不正行為(内部関係者(当グループの従業員または臨時職員で、従業員が外部関係者と共謀して行為する場合を含む。)が企図または遂行する詐欺/盗難)。

    - 社外の不正行為(当グループの従業員または臨時職員の意図的な関与なしに企図または遂行された詐欺)。

    ・ コンプライアンスおよびコンダクト・リスク(当グループが法律、規則、健全性基準、ライセンス、規範または方針を遵守しなかったこと、および顧客の利益や市場の健全性を適切に管理しなかったことにより、法的もしくは規制上の措置、重大な財務損失またはレピュテーションの喪失を招くリスク)。これは、NFRの課題であるコンダクト・リスクと規制上のリスクを含む。リスク要因23.「コンダクト・リスク事象は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。

    ・ レジリエンス・リスク(当グループ、顧客および金融システムに関する業務中断事象による重大な悪影響のリスク)で、これには、以下のNFRの課題が含まれる。

    - オペレーショナル・レジリエンス(当グループのオペレーショナル・レジリエンスに関する方針や基準を遵守できないリスク)。

    - データ(適切にデータ(顧客データ、従業員データおよび当グループの固有データなどのあらゆる種類のデータを含む。)を収集、利用、管理、維持および廃棄することができないリスク)。リスク要因30.「データ管理リスクは、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。

    - 第三者(第三者に係る関係およびリスクを適切に管理できないリスクで、例えば、第三者の商品/サービスを利用することで組織に持ち込まれるオペレーショナル・リスクを特定および軽減するための合理的な措置を講じないことなどがある。)。

    - 技術(ハードウェア、ソフトウェアおよびネットワークなどのシステムの停止に関するリスク)。リスク要因28.「ITシステムの混乱、あるいは新規技術システムの実施の失敗は、当グループの事業を大いに妨害する可能性があり、これは当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    - サイバーセキュリティなどの情報セキュリティ(データ/情報の喪失および盗難などの情報セキュリティ事案のリスクで、あらゆる種類のデータ(例えば、顧客、従業員および当グループの固有データ)を対象とし、また情報セキュリティ関連規則の不遵守を含む。)。リスク要因29.「サイバー攻撃を含む情報セキュリティに関連するリスクは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。

    ・ オペレーショナル・リスク(不適切または機能不全の内部手続き、人員、システムまたは外的事象から生じる損失のリスク)で、これには、以下のNFRの課題が含まれる。

    - モデル(経営判断情報を提供するモデルの設計、開発、使用および/または報告に基づくモデル・エラーから生じる悪影響の可能性)。リスク要因32.「モデルリスクは、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。

    - 物理的な安全性(当グループの物的資産の損害のリスク)。

    - 取引の処理および実行(取引およびその他の手続の適正および適切な処理、管理および実行の不備)。

    - 人材(雇用法制への違反、従業員関係の管理の瑕疵、安全な労働環境の確保不足のリスク)。

    - リーガル(法的手続および法的プロセスを誤って実施するリスク)。

    - 法定報告および税金(法定報告の要件および税金の申告/報告の要件を充足できないリスク)。

    - 変革の実行(計画、実行、ステークホルダーとの関与および定着における不備により、変革イニシアチブが意図した成果を達成できないリスク。このリスクは、当グループの戦略的優先事項に関係する。)。

    APRAの健全性基準CPS第230号「オペレーショナル・リスク管理」(「CPS230」)が2025年7月1日から適用されており、事業継続計画とサービス・プロバイダーのリスク管理についての要件の更新を含む、オペレーショナル・リスク管理に関する最低基準を定めている。当グループは、CPS230の要件を重要な点においてすべて遵守しているものの、これらの実務の効果的な定着を図り、継続的に成熟させるためにはさらなる取り組みが必要であるとの認識を示した。

    リスク事象による損失は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。かかる損失には罰金、刑罰、賦課(資本賦課を含む。)、資金もしくは資産の損失もしくは盗難、訴訟費用、顧客補償、株主価値の喪失、レピュテーションの喪失、人命損失もしくは負傷ならびに資産および情報の損失を含む。

    APRAおよびRBNZの要件に従い、当グループおよびANZバンク・ニュージーランド・グループは、将来のオペレーショナル事象の発生に備えて「オペレーショナル・リスク資本」準備金を維持しなければならない。

    当グループでは、顧客やビジネス・プロセスを支援するために予測分析による機械学習、プロセス・オートメーションおよび意思決定生成などの技術を含むAIの採用を拡大させているため、不正確な決定または当グループの方針もしくは価値と矛盾する意図しない結果などの関連するAIリスクにこれまでよりさらされる可能性がある。これらが当グループに財務上および非財務上の悪影響を及ぼす可能性がある。詳細については、リスク要因33.「AIの利用は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。

    26.当グループのリスク管理の枠組みによりすべての既存のリスクを適切に管理する、または新たに発生したリスクを十分に素早く検知することができない場合は、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    リスク管理は当グループの活動にとって重要な要素である。これには、当グループのリスクの特定、測定、監視および緩和ならびに当グループのリスク・プロファイルおよび特定された管理の有効性に関する報告を含む。当グループのリスク管理の枠組みの有効性について完全な保証はなく、それらには、既存のリスクおよび当グループが適時に予想もしくは識別できない新たなリスクへの効果が含まれ、また、これらに対する管理が有効でない可能性がある。リスクを効果的に管理することができない場合、当グループのレピュテーションまたは規制上の義務の遵守に悪影響が及ぶ可能性がある。

    当グループは、適切なリスク文化を備えることが、リスクを効率的に管理し、顧客の利益を保護し、その目的と戦略を実現するより良い組織を構築する上での支えとなると考えている。当グループは、リスク文化の評価に対する明確なアプローチを有しており、それにより取締役会が当グループのリスク文化の成熟度を認識し、取締役会の目標とする状態を実現するために採るべき行為を特定するのを助けている。リスク文化は、目標とするリスク文化の持続を確保する目的で、定期的に測定および監視される。取締役会が設定したリスク文化の成熟度/目標は「健全」である。当グループのリスク文化は、2025年において「改善が必要」と評価された。当グループのマーケッツ事業およびNFR管理の規制上の懸念事項(リスク要因16.「訴訟および偶発債務は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。)が、この再評価に影響した。

    当グループは、継続的にリスク管理の枠組みの改善に取り組んでいる。当グループは、そのリスク管理方針の遂行および定期的な見直しを行い、リスクの管理および軽減のため追加資金を当グループ内で配分する。かかる取組みによって当グループがリスクに晒されることを防げない可能性もあり、当グループのリスク管理の枠組みが効果的であるという完全な保証はない。当グループのリスク管理プロセスまたはリスクガバナンスにおける不備により、当グループが不測の損失およびレピュテーションの低下を被る、および規制上の義務を遵守できない可能性があり、このことが当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    27.人的資本リスクは、現在および将来の事業ニーズを満たすために、当グループの人員を引き付け、育成し、意欲を持たせ、維持することができない状態に関連するものであり、財務的成果および顧客成果を上げられず、当グループが顧客およびその他の利害関係者の期待に応える能力が減少する可能性がある。

    主要な執行役員、従業員および取締役は、当グループの事業運営およびその戦略的目標の追求において、重要な役割を果たしている。重要な役割を担う個人の予想外の離職が生じた場合、または特にデジタル、テクノロジー、リスクまたはコンプライアンスの分野において、当グループがこれらの役割に適切な技術および資格を有する者を採用、育成および維持できない場合は、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。

    当グループは、業務の効率化とコスト削減への取り組みの一環として、人員削減とコンサルタントやその他第三者との契約縮小の計画を発表した。人員削減は、事業の継続を妨げ、組織内の知識の喪失を招き、さらには当グループを法的請求、規制当局による監視またはレピュテーションの毀損のリスクに晒す可能性がある。当グループが移行を効果的に管理し、組織内に必要なスキルを維持できない場合、業務実績や長期の成長見通しに悪影響が及ぶ可能性がある。

    28.ITシステムの混乱、あるいは新規技術システムの実施の失敗は、当グループの事業を大いに妨害する可能性があり、これは当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    当グループの日々の運営およびそのサービスの提供(デジタル・バンキングを含む。)は、第三者が保守/提供するシステムを含む情報技術(「IT」)システムに大きく依存している。デジタル界では、24時間年中無休の銀行サービスへの顧客の期待に対し、高い可用性と耐性・回復力を備えたITシステムを必要としてる。重要な業務を支えるITシステムに混乱が生じた場合には、当グループがコンプライアンス義務を履行できない、および顧客のバンキング業務の要求に応えられない可能性がある。ITシステムの混乱は予測不能であり、多数の原因から発生する可能性があり、そのすべてが完全に当グループの管理下にあるわけではない。これには、とりわけ、第三者による、および当グループにITシステムを保守/提供する第三者による運用上または実行上の障害または不備、偶発的なシステムまたは技術的な障害、電気または電気通信の停止、コンピューター・サーバーまたはインフラストラクチャーの障害などが含まれる。

    当グループは、ITシステムを維持し、IT資産のライフ・サイクル、IT資産のプロジェクト・デリバリー、技術のレジリエンス、技術のセキュリティ、第三者の使用、データの保持および復元ならびにビジネスルールおよび自動化などを含む、かかるシステムに関するリスク・エクスポージャーを特定し、評価し、および対応する責任を継続的に負う。これらのリスク・エクスポージャーへの対応が不十分であったときは、システムの安定性と安全性が損なわれ、これが顧客に悪影響を与え、当グループにおける費用の増加や規制要件の不遵守を招く可能性があり、これらのいずれも当グループのポジションに悪影響を及ぼすことがあり得る。

    当グループは、多数のITシステムの提供を当グループに依拠しているANZバンク・ニュージーランドや海外支店を含め、当グループのネットワーク全体の全ての事業のために、短期および長期の双方にわたる障害発生時にも重要なITシステムが稼働し続けることを確保することを目的としたインシデント対応、災害復旧および事業継続対策を実施している。絶え間なく変化していく外部からの脅威が存在する環境は、これらの機能が深刻かつ複雑な事象に対処することを余儀なくさせている。当グループのシステム障害は当グループのネットワークに影響を及ぼし、よって当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    当グループの費用対効果の高い技術環境によって、進化する顧客要求を支えることができるように、当グループは引き続き新しいITシステムや機能、中でもクラウド、データ、AIおよび自動化のテクノロジーを実装し、既存の技術に統合させている。これらのシステムや機能の不十分な実装および統合またはベンダーやサプライチェーンを含め、不適切な運用および管理は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    このリスク要因については、情報セキュリティ侵害およびサイバー攻撃が、ITシステムの混乱を引き起こす可能性があるため、リスク要因29.「サイバー攻撃を含む情報セキュリティに関連するリスクは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」と併せて読むべきである。

    29.サイバー攻撃を含む情報セキュリティに関連するリスクは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

    デジタル界は、積極的な革新および新たな脅威の両方を伴って絶えず進化している。そのため、当グループは、サイバー事象やデータ損失のリスクが、当グループの事業にとって依然として重大な懸念事項であることを認識している。サイバー攻撃の脅威は巧妙さ、持続性、規模、頻度および影響において増大し続けている。脅威には、ビジネスメール詐欺、ランサムウェア、分散型サービス妨害、データ侵害、第三者への暴露、ソフトウェアの脆弱性、AIの武器化、地政学的動機によるサイバースパイおよび破壊的攻撃を含むものの、これらに限られない。

    サイバー攻撃は金融システムを不安定にし、顧客の銀行サービスの深刻な混乱または顧客データのプライバシーの漏えいを招く可能性がある。サイバー攻撃の規模も複雑さも増大しているため、十分なリスク軽減のための対策および防御層が十分でなくなり、機密情報が不注意で漏えいしてしまうリスクが常にある。

    当グループは、ランサムウェアや第三者によるデータ侵害の外部発生件数の増加、世界的な政治情勢の不安定化の持続、AIの広範な採用によるセキュリティへの影響に着目している。AIは、顧客へのサービスの大幅な進歩を支援する可能性を秘めているが、犯罪者による当グループとその顧客に対する詐欺、スキャムおよびサイバーによる脅威の実行を助け、可能にし、既存の手法を強化する可能性もあり、サービス拒否、ディープフェイクの犯罪利用およびより巧妙なソーシャル・エンジニアリング攻撃のリスクを含め、サイバーセキュリティに対するリスクを増大させる。さらに、データセットやアルゴリズムにおける顧客データの不用意な開示や誤用があればレピュテーショナル・リスクに影響する可能性がある。詳細については、リスク要因33.「AIの利用は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。

    サイバー攻撃に対する国民の強い反応は、プライバシー侵害に対する将来の罰則の大幅強化の可能性を伴う政治的関心を高める結果となった。当グループがサイバー攻撃の標的となった場合、上述のリスクに加え、サイバー攻撃に対する国民の反応および/または規制当局によって科される罰則を考えると、レピュテーションが毀損するリスクがあり、当グループの業務に重大な悪影響が及ぶ可能性がある。国内および国際的な規制当局が、2023年-2030年オーストラリア・サイバーセキュリティ戦略の公表、ニュージーランド政府による同様の取り組みおよびその公表後の法改正に関する議論、審議および実施を含め、情報セキュリティに注力するようになり、規制の様相も変化している。

    情報セキュリティへの注力はシステムおよびデータの機密性、完全性または可用性を保護するための鍵である。当グループは、世界的な銀行業務の一環として、当グループが事業を展開する複数の地域にわたって、顧客およびその内部プロセスについて相当数の個人情報および機密情報を取り扱い、保管している。かかる情報は内部および第三者のホスト環境の双方において処理および保存されている。そのため、当グループまたは当グループが契約している第三者によって運用されている主要なセキュリティの方針または管理における脆弱性が、データやその他の個人情報または機密情報の喪失を招き、また、財務的損失(顧客への通知および補償に関するコストを含む。)、規制当局の調査、制裁またはレピュテーションの毀損が生じ、当グループの事業に悪影響を及ぼすおそれがあり、この結果、当グループのポジションが影響を受ける可能性がある。

    30.データ管理リスクは、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    データ管理とは、業務データ、顧客データ、従業員データおよび当グループの固有データなどのデータをそのライフサイクルにわたって管理する一連のプロセスと手続きをいう。当グループのデータを提供、管理、保護し、価値向上させるための計画、方針および慣行を、策定、実行および監視することを含む。データ管理リスクとは、これらの目的を達成できないリスクを指す。これはデータが適切に収集、生成または利用されない場合に発生し、データの品質、完全性およびコンプライアンスを損なう可能性がある。データ管理における不備には、以下が含まれることがある。

    ・ データが不正確、利用不可、または目的に適合していない。

    ・ データ所有権に関する説明責任の不十分な遂行。

    ・ ライフサイクル全体でのデータ完全性の喪失。

    ・ 不十分な表示、類別または分類によるデータの意味の不明確さ。

    ・ 重要なデータに対する不十分な管理またはデータ品質やデータの系列要件を満たせないこと。

    ・ データ品質問題の検出や対応の遅延。

    これらの不備は、リスク管理の非効率化、リスク報告の不正確さ、意思決定の堅牢性低下につながる可能性がある。さらに、規制要件を含むデータ管理義務を遵守できない場合、当グループは財務損失、規制措置または評判の低下に晒され、データ品質の低さを根本原因とする他のリスクが顕在化する可能性がある。

    31.プライバシー・リスクは、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    銀行業は顧客と直接接する産業である。当グループの顧客情報を適切に管理できる能力に対する信頼は、その事業の基盤を成す要素であり、個人情報の収集、利用および開示は、当グループの中核商品やサービスの提供において不可欠である。適用されるプライバシーに関する法律や規制に従わない場合、レピュテーションへの影響、規制措置および/または訴訟を通じて、当グループのポジションに重大な悪影響が及ぶ可能性がある。

    32.モデルリスクは、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    当グループは、重大なビジネス上の意思決定(貸付の決定、所定自己資本の計算、引当金の水準、顧客へ支払う補償金およびストレスのかかるエクスポージャーを含むがこれらに限定されない。)のための多数のモデルに依拠している。モデルが不適切に設計、実施、使用もしくは維持され、または不正確な仮定もしくはインプットに基づいていることが明らかになった場合、当グループのポジションは悪影響を受ける可能性がある。

    33.AIの利用は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    AIは、ラーニング(学習)、リーゾニング(推論)および意思決定などの人間の知性を通常必要とするタスクを実行できるシステムの開発を指す。AIは、当グループのビジネス・プロセス全体において革新と効率化の促進のためにますます活用されるようになっている。また、AIは、当グループの戦略を実現し、競争力を維持するためにも重要である。

    しかしながら、AIが当グループに一層取り込まれるようになり、AI関連の規制環境が急速に進化し続けている中、当グループまたは第三者によるかを問わず、責任あるAIの利用にあたり管理とガバナンスが不十分である場合には、重大なオペレーショナル・リスクにつながる可能性がある。AIリスクは、AIシステムの設計、開発、配備または誤用から生じる潜在的な危害、意図しない結果または失敗を含む。AIリスクは多面的であり、業務の効率、顧客への影響、法的および規制上の立場ならびに銀行のレピュテーションに対して一度に影響を与えるものである。AI導入に関連する主なリスクには以下が含まれるが、これらに限定されない。

    ・ 不正確または不明瞭なAI出力により、不適切または説明不能な意思決定が行われる可能性

    ・ バイアスの増幅により、差別的または不公平な結果を招く可能性

    ・ 限られた数のAIベンダーへの過度な依存による業務上の脆弱性の増加

    ・ データの機密性、可用性または完全性の喪失

    悪意のある行為者は、AIシステムを悪用したり、AI対応ツールを使用して、当グループに対してサイバー脅威や詐欺(フィッシング、ディープフェイク、敵対的操作および合成ID詐欺を含む。)を仕掛けてくる可能性があり、これらは従来の攻撃よりも高度で防御がより困難である。

    AI導入リスクや外部からのAI脅威に適切に対処しない場合には、顧客の不利益、業務の混乱、法的または規制上の影響、レピュテーションの毀損および財務上の損失を招く可能性があり、いずれも当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

    4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

    以下は、ANZBGLの2025年9月30日に終了した会計年度に関する2025年度米国開示書類(「米国開示書類」)を基に、抜粋したものである。本書に記載されている場合を除き、米国開示書類に開示されているすべての財務情報は、当グループに関連している。米国開示書類の一部の説明および参照は、本書の規定の様式に合わせるため、省略または修正されている。

    . 作成基準

    本書記載の当グループの財務書類および財務情報は、別途記載がある場合を除き、オーストラリア会計基準審議会(「AASB」)が公表したオーストラリア会計基準(「AAS」)および2001年会社法(連邦法)(「会社法」)の認識および測定に関する要件に準拠して作成されたものである。国際財務報告基準(「IFRS」)は、国際会計基準審議会(「IASB」)により公表されている基準および解釈である。AASはIFRSに基づいて設定されている。本書記載の当グループの財務書類および財務情報は、IFRSの認識および測定に関する要件に準拠している。当グループの財務書類および財務情報の作成基準に関する詳細は、「第6 経理の状況-1.財務書類」の2025年度財務書類の注記1「当グループの財務書類について」を参照のこと。

    2025****年度の重大項目

    2025年度中に、当グループは法定利益に影響する複数の重大項目を認識した。詳細は「B.営業活動および財務レビュー」を参照のこと。

    (1) サンコープ・バンクの買収

    2024年7月31日、当グループは、ノルフィナ・リミテッド(旧称はサンコープ・メットウェイ・リミテッドで、サンコープ・バンクの名称で事業を実施していた。)の直接の持株会社であるSBGHリミテッドの株式の100%を取得した。

    この結果、当グループの2025年度および2024年度のサンコープ・バンクの業績報告はそれぞれ12か月および2か月をカバーしている。2024年度の報告には、取引完了後に当グループが認識した以下の買収関連の調整(税引後費用として1億9,600万ドル)も含まれる。

    ・ サンコープ・バンクの正常な貸付金および前渡金についての一括評価信用減損費用2億4,400万ドル(税引後1億7,100万ドル)。オーストラリア会計基準の要件に従い、当グループは2024年7月31日にサンコープ・バンクの貸付金および前渡金を連結処理した。もっとも、当グループは、正常な貸付金および前渡金について予想信用損失(ECL)引当金を認識することを認められていなかったため、本来なされるはずだった認識は買収に関連するのれんを按分的に減額することで処理した。その後、当グループは、当グループのECLに関する手法を用いて見積った一括評価ECL引当金を認識するよう求められ、これに対応する引当金繰入を当グループの損益計算書において認識した。

    ・ 当グループのソフトウェア資産計上方針に則った加速償却費3,600万ドル(税引後2,500万ドル)。

    2025年度中に当グループは、買収日において取得した資産および引き受けた負債を識別および測定するための購入価格の配分(「PPA」)を完了した。PPAの実施により生じた暫定算定残高に対する重要な調整には、コア預金およびブランド無形資産、貸付金組成以降の金利変動や信用状況の変化を反映するための貸付金および前渡金の総額の公正価値調整、偶発債務および関連補償に対する引当金ならびに関連する繰延税金の残高の認識が含まれ、これに対応して2024年9月30日に開示したのれんの暫定価値から5,600万ドルを減額した。2025年9月30日現在ののれんの確定残高は13億4,600万ドルであり、これには従業員の統合ならびにプラットフォームの統合・整理および資金調達上の利益における規模の経済から生じる見込みのシナジー効果が寄与している。

    2024年度の暫定残高に対するPPAの影響については、「第6 経理の状況-1.財務書類」の2025年度財務書類の注記33「サンコープ・バンクの買収」で開示している。過去の期間の修正再表示は行っていない。

    (2) IFRSに準拠していない財務指標

    当グループは、営業セグメントの業績をIFRSに準拠していない指標である現金利益に基づき測定しており、現金利益は、当該セグメントが内部でどのように管理されているかを示すものである。当グループは、株主に帰属する税引後利益からいくつかの項目を除外して現金利益を計算している。調整は、将来の利益を通じて解消される期間差異を表す経済ヘッジならびに収益および費用ヘッジの影響、ならびにサンコープ・バンクの取得会計の一環で認識した無形資産の償却費に関連している。現金ベースで表示される情報は、営業セグメントの財務実績の法定指標を示すものとみなされてはならず、またそれに代わるものとしてもみなされるべきではない。現金利益と税引後利益との調整を含む追加情報については、「F.部門別業績」を参照のこと。

    . 営業活動および財務レビュー

    2025****年度の重大項目

    2025年度中に、当グループは法定利益に影響する複数の重大項目を認識し、以下はその要約である。

    (1) PT Paninの減損処理

    当グループは、PT バンク・パン・インドネシアTbk(「PT Panin」)への持分法会計による投資の減損に関して、使用価値(「VIU」)の計算と整合的に帳簿価額を調整するため、2億8,500万ドルの税引前費用(税引後:2億8,500万ドル)を計上した。計上先はグループ・センター部門とした。同額分の資本控除の減額が行われた結果、これによるCET1資本への影響は生じなかった。

    (2) 余剰人員の整理

    2025年9月、当グループは、銀行の簡素化、重点分野への集中強化および顧客への奉仕に向けた自己変革を表明した。この変革により、当グループの想定では、2026年9月までに約3,500人の従業員が退職し、またコンサルタントやその他の外部業者との契約の縮小により約1,000人の運用管理サービス請負者に影響が及ぶことになる。

    当グループは、これらの変革に関連して、2025年9月半期にグループ全体で5億7,900万ドルの税引前費用(税引後:4億800万ドル)を計上した。

    (3) ASICとの和解

    2025年9月、当グループは、規制当局による個別調査の対象となっていたオーストラリアのマーケッツ事業とオーストラリア・リテール事業の5つの争点につき、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)と和解する旨の合意を交わした。合意は連邦裁判所の承認を要するが、この合意に基づき当グループは総額2億4,000万ドルの制裁金を課される。

    当グループは、ASICの制裁金2億4,000万ドルおよび本件に関連する諸費用3,100万ドルからなる2億7,100万ドルの税引前費用(税引後:2億6,400万ドル)を計上した。計上先はオーストラリア・リテール部門および法人部門とした。

    (4) サンコープ・バンクからの移行作業

    当グループは、2025年10月戦略日において、株主価値の創出を加速し、顧客の利益を高め、業務煩雑性を大幅に軽減するために、サンコープ・バンクの統合を前倒しして2027年6月までに統合を完了させる意向を表明した。

    当グループは、前倒し後の移行期日以降も継続する既存の契約に関する費用につき9,700万ドルの税引前費用(税引後:6,800万ドル)を計上した。計上先はサンコープ・バンク部門とした。

    これらの重大項目による財務的な影響は以下のように要約される。

    2025年9月30日終了年度
    オーストラリア・リテール オーストラリア商業 法人 ニュージーランド サンコープ・バンク パシフィック グループ・センター グループ 合計
    法定利益への影響 (百万ドル)
    営業収入 - - - - - - (285) (285)
    営業費用 (410) 3 (165) (11) (169) (3) (192) (947)
    税引前利益(3) (410) 3 (165) (11) (169) (3) (477) (1,232)
    法人税(費用)/ベネフィット 88 (1) 10 3 50 1 56 207
    法定利益 (322) 2 (155) (8) (119) (2) (421) (1,025)

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    5【重要な契約等】

    2025年度の開始日から本書提出日までの間において、当グループが締結した重要な契約はない。ただし、当グループが実質的に依存している、業務の通常の過程においてなされる契約を除く。

    6【研究開発活動】

    当グループは、顧客の財務的健全性の改善という戦略に沿って、商品およびサービスの研究開発を続けている。

    第4【設備の状況】

    1【設備投資等の概要】

    2025事業年度中、当グループはオーストラリア、ニュージーランドならびにアジア、パシフィック、ヨーロッパおよびアメリカにおける事業経営を支援するために、様々な土地建物、家具什器および技術機器を取得し、また様々な賃借物件の改良を行った。2025事業年度中、当グループの土地建物および設備機器の追加は4億6,400万ドルであり、処分は2億1,900万ドルであった。

    2024年7月31日の当グループによるサンコープ・バンクの買収の結果、グループ内マスターサービス契約およびその2024年11月22日付修正に従い、ANZBGLおよびノルフィナ・リミテッド(「ノルフィナ」)はサブリース契約を締結した。これにより、支店のリース資産はノルフィナの使用権資産として認識され、ANZBGLは内部リース債権を有している。しかし、外部貸手との支店のリース負債はANZBGLに残り、内部リース会計項目はグループレベルで消去されている。

    2025事業年度中、当グループはオーストラリアおよびニュージーランドのビジネス・バンキング・センター1か所およびリテール支店2か所を閉鎖した。

    さらに、当グループはのれんおよびその他の無形資産に10億2,500万ドル(資産計上されたソフトウェアを含む。)を追加した。詳細については、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2025年度財務書類の注記20「のれんおよびその他の無形資産」を参照のこと。

    2【主要な設備の状況】

    当グループは、その事業目的でオーストラリア、ニュージーランド、アジア、パシフィック、ヨーロッパおよびアメリカの各地に土地建物を自由保有および賃借している。これら土地建物は、支店および商業用管理センターを含み、2025年9月30日現在の帳簿価格は14億9,500万ドル(2024年9月:15億2,300万ドル)であり、以下で構成されている。

    2025年9月30日現在 2024年9月30日現在
    不動産の数 所有 (自由保有) 賃借 所有 (自由保有) 賃借
    リテール(支店網) 22 545 23 550
    管理およびオペレーション・センター 2 88 2 93
    居住用 11 0 12 0
    合計 35 633 37 643

    ポートフォリオの主な建物(自己所有および賃借)は、以下を含む。

    ・オーストラリア、メルボルン、コリンズ・ストリート833

    ・オーストラリア、メルボルン、コリンズ・ストリート839

    ・オーストラリア、サウス・メルボルン、ドーカス・ストリート75

    ・オーストラリア、シドニー、ピット・ストリート242

    ・ニュージーランド、ウェリントン、トーリー・ストリート49

    ・ニュージーランド、オークランド、アルバート・ストリート23-29

    ・インド、ベンガルール、ナガヴァラ、マナヤタ・エンバシー・ビジネス・パーク、アカシア・オフィス

    ・インド、ベンガルール、バンガロール地区、エンバシー・テック・ビレッジ、ハイビスカス・オフィス

    ・フィリピン、ケソン・シティ、バランガイ・バグンバヤン、E. ロドリゲス・ジュニア・アベニュー、MDC100ビルディング

    3【設備の新設、除却等の計画】

    当グループは、定期的に世界中のリテールおよび商業部門の不動産拠点を見直し、今後の営業モデルに沿わない賃借および自己所有不動産を除却している。

    第5【提出会社の状況】

    1【株式等の状況】

    (1)【株式の総数等】

    ①【株式の総数】

    (2025年9月30日現在)
    授権株数(株) 発行済株式総数(株) 未発行株式数(株)
    普通株式 該当なし 3,003,366,782 該当なし
    合計 該当なし 3,003,366,782 該当なし

    ②【発行済株式】

    (2025年9月30日現在)
    記名・無記名の別及び 額面・無額面の別 種類 発行数(株) 上場金融商品取引所名又は 登録認可金融商品取引業協会名 内容
    記名無額面 普通株式 3,003,366,782 該当なし 普通株式(当行の定款に定める条項に基づき発行される普通株式)
    3,003,366,782

    (2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】

    該当事項なし。

    (3)【発行済株式総数及び資本金の推移】

    普通株式

    年月日 発行済株式 総数増減数 (株) 発行済株式 総数残高 (株) 普通株式資本金 増減額 (単位:百万ドル (百万円)) 普通株式資本金 残高 (単位:百万ドル (百万円)) 備考 (発行済株式総数 増減の理由)
    2020年 9月30日 2,840,370,225 26,531
    (2,757,897)
    2021年度 -16,806,573 -547 当行の配当金再投資制度およびボーナス・オプション制度に基づき株式が発行されたが、自社株買戻しにより一部相殺された。
    (-56,861)
    2021年 9月30日 2,823,563,652 25,984
    (2,701,037)
    2022年度 166,360,099 2,813 当行の配当金再投資制度およびボーナス・オプション制度に基づき株式が発行されたが、自社株買戻しにより一部相殺された。全額引受型プロラタ・アクセラレイテッド・リナウンサブル・エンタイトルメント・オファー(比例按分方式・機関株主部分先行・放棄可能・権利付与型募集)に基づき株式が発行された。
    (292,411)
    2022年 9月30日 2,989,923,751 28,797
    (2,993,448)
    2023年度 13,443,031 285 当行の配当金再投資制度、ボーナス・オプション制度および従業員株式・オプション制度に基づき株式が発行された。
    (29,626)
    2023年 9月30日 3,003,366,782 29,082
    (3,023,074)
    2024年度 0 -2,017 株式資本は、当行の従業員株式・オプション制度および資本の払戻しにより減少した。
    (-209,667)
    2024年 9月30日 3,003,366,782 27,065
    (2,813,407)
    2025年度 0 -12 株式資本は、当行の従業員株式・オプション制度により減少した。
    (-1,247)
    2025年 9月30日 3,003,366,782 27,053
    (2,812,159)

    (4)【所有者別状況】

    普通株式

    (2025年9月30日現在)
    区分 株主数(人) 所有株式数(株) 所有株式数の割合(%)
    法人 1 3,003,366,782 100
    個人 0 0 0
    ノミニー 0 0 0
    合計 1 3,003,366,782 100

    (5)【大株主の状況】

    普通株式

    (2025年9月30日現在)
    氏名又は名称 住所 所有株式数(株) 発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%)
    ANZ銀行持株会社 (ANZ BH Pty Ltd) オーストラリア、ヴィクトリア州 3008、ドックランズ、コリンズ・ストリート833、9階、 ANZセンター・メルボルン 3,003,366,782 100

    2【配当政策】

    ANZBGLの取締役会は、以下に定める制限を条件として、普通株式の株主への配当の金額および時期を決定する。本書提出日現在、ANZ銀行持株会社がANZBGLの唯一の株主であり、同社はANZGHLにより完全所有されている。

    ANZBGLは、以下の場合を除き、配当を支払ってはならない。

    ・ 配当の宣言の直前にANZBGLの資産がその負債を超過し、かかる超過額が配当の支払いに十分である場合。

    ・ 配当の支払いがANZBGLの株主全体にとって公正かつ妥当である場合。

    ・ 配当の支払いがANZBGLの債権者への支払能力を著しく損なわない場合。

    また、普通株式の配当の支払いは、ANZBGLのハイブリッド証券の条件およびAPRAの健全性基準により制限または制約を受ける場合がある。

    2025事業年度中および本書提出日までに、全額払込済普通株式について配当が支払われた/支払いが提案された。

    種類 1株当たり配当額 (単位:セント) 配当金の総額 (単位:百万ドル) 取締役会決議日 支払日
    ANZ銀行持株会社に支払われた 2024年期末配当 82 2,472 2024年11月7日 2024年12月20日
    ANZ銀行持株会社に支払われた 2025年中間配当 70 2,108 2025年5月7日 2025年7月1日
    ANZ銀行持株会社に提案された支払予定の 2025年期末配当 82 2,476 2025年11月7日 2025年12月19日(予定)

    配当に関するさらなる詳細は、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2025年度財務書類の注記6「配当金」を参照のこと。

    3【コーポレート・ガバナンスの状況等】

    (1)【コーポレート・ガバナンスの概要】

    ① ANZBGLのコーポレート・ガバナンス

    ANZの取締役会は、取締役会委員会の補佐のもと、ANZグループのガバナンス枠組みの監督について責任を負う。この枠組みは、効率的かつ責任ある意思決定をもたらすよう構想されており、ANZグループの高い目標および戦略の達成を支援するものである。

    ANZBGLの取締役会(「ANZBGLの取締役会」)は、ジョン・チンコッタおよびグラハム・ホッジス2名の非執行取締役を追加したことを除き、ANZの取締役会と同一である。

    ANZの取締役会委員会は、「監査委員会」、「人材およびカルチャー委員会」、「リスク委員会」、「デジタル事業および技術委員会」および「指名および取締役会運営委員会」で構成されている。これら5つの主要委員会に加え、ANZの取締役会は、特定の職務の遂行を支援するため、ANZGHLの取締役のみで構成される2つの委員会を設置している。すなわち「取締役会特別委員会」および「株式委員会」である。各委員会の役割については、下記「②ANZGHLのコーポレート・ガバナンス」に詳述されている。

    ANZの取締役会委員会は、ANZBGLを含むANZグループ全体を監督している。ただし、ANZBGLには、別個の「監査委員会」および別個の「リスク委員会」がある。ANZBGLには、その他の取締役会委員会はない。2つの別個の委員会の構成は、ANZBGLの「監査委員会」および「リスク委員会」のみの委員であるジョン・チンコッタおよびグラハム・ホッジスを除き、ANZの取締役会委員会と同様である。

    ANZBGLの取締役会の憲章、「監査委員会」の憲章、「リスク委員会」の憲章ならびにガバナンスの方針および手続きの条項は、下記「②ANZGHLのコーポレート・ガバナンス」に詳述されているとおり、ANZグループの構造を反映する一部の変更を除き、ANZGHLのものと実質的に同一である。

    以下はANZBGLのコーポレート・ガバナンスに関する記載である。ANZBGLを含むANZグループに係るANZGHLのガバナンス枠組みは、下記「②ANZGHLのコーポレート・ガバナンス」に記載されている。

    取締役会および取締役会委員会

    当年度中のANZBGLの取締役会ならびにANZBGLのリスク委員会および監査委員会の会議の開催回数、ならびにそれらの会議への各取締役の出席回数を以下に示す(1)。

    取締役会 リスク委員会 監査委員会
    ポール・オサリバン 13 13 8 8 8 8
    ジョン・チンコッタ 13 13 8 8 8 8
    シェイン・エリオット(2) 9 9
    アリソン・ジェリー(3) 4 4 3 3
    リチャード・ギブ 13 13 8 8 8 8
    グラハム・ホッジス 13 13 8 8 8 8
    ジェーン・ハルトン AO PSM(4) 8 7
    ホリー・クレイマー 13 13 8 8
    ヌノ・マトス(5) 4 4
    クリスティーン・オライリー 13 13 8 8 8 8
    ジェフ・スミス 13 13 8 8
    スコット・セント・ジョン 13 13 8 8 8 8

    A列は、取締役が委員として出席する権利を有した会議の回数を示す。

    B列は、会議に出席した回数を示す。上表は委員会会議に関する委員の出席状況を記録している。

    注:(1) 取締役は、規制事項に関連した14回の説明会およびワーキンググループ会議にも出席した。

    (2) シェイン・エリオットは、2025年5月11日に最高経営責任者兼執行取締役を退任した。

    (3) アリソン・ジェリーは、2025年5月9日に非執行取締役に就任した。

    (4) ジェーン・ハルトン AO PSMは、2025年3月31日に非執行取締役を退任した。

    (5) ヌノ・マトスは、2025年5月12日に最高経営責任者兼執行取締役に就任した。

    ANZGHLの取締役会および取締役会委員会では行われない、ANZBGLの取締役会および取締役会委員会に特有の活動および検討内容は以下のとおりである。

    取締役会

    活動および検討内容は、ANZGHLの取締役会におけるものと実質的に同一である。下記「②ANZGHLのコーポレート・ガバナンス」を参照のこと。

    監査委員会

    活動および検討内容は、ANZGHLの監査委員会におけるものと実質的に同一である。下記「②ANZGHLのコーポレート・ガバナンス-7.取締役会委員会-7.2 監査委員会」および下記「(3)監査の状況-①監査委員会」を参照のこと。

    リスク委員会

    活動および検討内容は、ANZGHLのリスク委員会におけるものと実質的に同一である。下記「②ANZGHLのコーポレート・ガバナンス-7.取締役会委員会-7.4 リスク委員会」を参照のこと。

    取締役および役員の補償

    ANZBGLの定款(第9.1条)により、ANZBGLは以下が認められている。

    ・ ANZBGLもしくはその関連法人のいずれかの役員もしくは従業員またはその監査人が、かかる役員、従業員または監査人として(ANZBGLまたは関連法人以外の)者に対して負った債務を(適用ある法律により認められる範囲で)補償すること。これには、ANZBGLまたは関連法人により受託者としてまたは他の法人の役員もしくは従業員として任命または指名された結果負った債務が含まれる。

    ・ 役員もしくは従業員または監査人が、かかる役員、従業員または監査人として負った債務に係る訴訟を防御する際、または政府機関、正当に設立された王立委員会またはその他の公的調査会、清算人、管理人、破産管財人もしくはその他の権限を有する官吏により提起された訴訟に対抗または対応する際に負った法務費用について支払いを行うこと。

    当グループの方針は、当グループの従業員を、適切な条件の下で、業務の過程において行動した結果負った一切の債務から保護すべきであるとしている。

    この方針に基づき、当グループは、従業員および元従業員が業務の過程において誠実に行動した結果第三者に対して負った一切の債務を補償する。これは、ANZグループによりまたはその要請により他の法人もしくは団体の役員もしくは従業員としてまたは受託者として任命/指名された結果負った債務に及ぶ。

    この補償は、適用ある法律および一定の例外に従う。

    ANZBGLは、ANZBGLの定款に記載されている種類の債務および法務費用を補償するために、各取締役、ANZBGLの一定の秘書役および元取締役、ならびに関連法人または他の法人の取締役または役員を務める一定の従業員およびその他の個人との間で、補償証書を締結している。

    当事業年度中、当グループはその取締役および従業員のために保険料を支払った。一般的な商慣行に従い、この保険について、保険対象債務の性質および保険料の金額の開示は禁止されている。

    ② ANZGHLのコーポレート・ガバナンス

    本「②ANZGHLのコーポレート・ガバナンス」は、ANZGHLにより2025年11月10日に開示されたANZの2025年度コーポレート・ガバナンス報告書(「本コーポレート・ガバナンス報告書」)に基づいており、これを抽出したもので、2025年11月7日現在のものである。ANZBGLの取締役の状況については、下記「(2)役員の状況-①取締役」を参照のこと。

    本「②ANZGHLのコーポレート・ガバナンス」において、別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、「当グループ」および「ANZ」という用語はANZグループ・ホールディングス・リミテッドとその連結子会社を意味し、「当社」という用語はANZグループ・ホールディングス・リミテッドを意味し、「取締役会」という用語はANZグループ・ホールディングス・リミテッドの取締役会を意味し、また「取締役」という用語はANZグループ・ホールディングス・リミテッドの取締役を意味する。

    **1.**ガバナンスへのアプローチ

    ANZグループ・ホールディングス・リミテッド(「ANZGHL」)の取締役会(「取締役会」)は、取締役会委員会の補佐のもと、ANZGHLおよびその子会社(「ANZグループ」、「ANZ」、「当グループ」)のガバナンス枠組みの監督について責任を負う。この枠組みは、効率的かつ責任ある意思決定をもたらすよう構想されており、もってANZの戦略および目標の達成を支援するものである。

    本コーポレート・ガバナンス報告書は、取締役会により承認されており、以下を含む枠組みの主要部分を概説する。

    → 経験豊富で独立的な取締役会。これを補佐する取締役会委員会の体制は、取締役会の効率的な運営および価値の創出が継続的に確保されるよう定期的に見直される。

    → 取締役会および経営陣が担当する役割の明確な分掌。

    → 時機に即した偏りのない開示。ANZのウェブサイトのコーポレート・ガバナンスのページ(anz.com/corporategovernance)(英文)を含む。

    → 包括的なリスク管理の枠組み。定期的に見直される。

    ANZGHLは、2025事業年度を通じてANZGHLがASXコーポレート・ガバナンス評議会の勧告に従ったことを確認する。

    取締役会のガバナンス

    取締役会はANZグループの監督および戦略的方向に責任を負う。2023年1月3日、オーストラリア・ニュージーランド銀行(「ANZBGL」)は、スキーム・オブ・アレンジメントにより、ANZグループの新たな上場親会社として純粋持株会社であるANZGHLを設立し、ANZの銀行事業および一部の非銀行事業をANZ銀行グループおよびANZ非銀行グループに分離する再編(「本再編」)を実施した。本再編の一環として、ANZ銀行グループのトップ企業であるANZ銀行持株会社およびANZBGLの取締役会に、ANZGHLの取締役を兼務しない追加の非執行取締役が任命された。かかる役割を果たすためにグラハム・ホッジスが2023年2月に任命されるとともに、銀行グループの取締役として新たにジョン・チンコッタが2024年2月に任命された。その他の点では、ANZGHLの取締役会はANZBGLの取締役会と同一である。

    ANZBGLには別個の監査委員会およびリスク委員会があり、それらの構成はANZGHLの委員会と同様である(ただし、ANZBGLの監査委員会およびリスク委員会のみの委員であるグラハム・ホッジスおよびジョン・チンコッタを除く。)。

    ANZBGLの取締役会および取締役会委員会の会議は、ANZGHLの取締役会および取締役会委員会の会議と同時に開催される。

    ANZの企業構造

    取締役会の概要

    コーポレート・ガバナンスの枠組み

    取締役会の構成

    → ANZGHLの取締役会は、7名の独立非執行取締役(独立した会長であるポール・オサリバンを含む。)、および1名の執行取締役(最高経営責任者(CEO)であるヌノ・マトス)により構成される。

    → 現在、ANZGHLの取締役のうち3名が女性、5名が男性である。

    → ヌノ・マトスは2025年5月12日に最高経営責任者兼執行取締役に就任した。シェイン・エリオットは2016年より最高経営責任者兼執行取締役を務めていたが、2025年5月11日に退任した。

    → アリソン・ジェリーは2025年5月9日に非執行取締役に就任した。ジェリーは2025年12月18日に開催されるANZの年次株主総会で取締役に立候補する予定である。

    → ジェーン・ハルトン AO PSMは2016年より取締役を務めてきたが、2025年3月31日に非執行取締役を退任した。

    → 各取締役の氏名および経歴の詳細は、ANZの社外における主な関連団体を含め、anz.com/directors(英文)および2025年度年次報告書にて参照可能である。

    取締役会委員会

    ANZGHLの定款に基づき、取締役会は、そのあらゆる権限を取締役会委員会に委任することができる。ANZGHLは、監査委員会(委員長:クリスティーン・オライリー)、リスク委員会(委員長:リチャード・ギブ)、人材およびカルチャー委員会(委員長:ホリー・クレイマー)、デジタル事業および技術委員会(委員長:ジェフ・スミス)、ならびに指名および取締役会運営(「NBO」)委員会(委員長:ポール・オサリバン)の5つの主要な取締役会委員会を擁する。各委員会は、その役割および責任を定める独自の憲章を持つ。

    **2.**取締役会の重点領域

    取締役会およびその委員会は、毎年、主な戦略、ガバナンスおよび監視に係る活動に取り組んでいる。以下の事項は、2025事業年度中に取締役会およびその委員会が検討したいくつかの重要事項に関して、利害関係人に洞察を提供するための説明であるが、すべての事項の包括的なリストではない。

    リスクおよびレピュテーション

    ANZの非財務リスクをはじめとしたリスクへのアプローチおよび主要規制当局との関係は、当年度を通じて継続的に取締役会および委員会の優先事項であり、これには取締役会が関与した数多くの広範な特別会議、規制上の問題への対応において当グループを支援する取締役会の非財務リスク・ワーキング・グループの作業が含まれる。当事業年度中の取締役会のアプローチの詳細については、説明責任および結果に関するものを含め、「(2)役員の状況-③役員報酬の内容(報酬報告)」に記載されている。

    この一環として、取締役会および取締役会委員会は、戦略的変更の主要なリスクレビューの検討も行った。

    後継者育成

    当事業年度中、取締役会の主要な焦点となった分野はCEOの後継者育成計画であり、取締役会は2024年12月9日に新任CEOヌノ・マトスの選任を発表し、ヌノ・マトスは2025年5月12日に就任した。

    CEOの後継者育成計画への焦点に加えて、取締役会は、この新任CEOと共にグループ執行委員会(「ExCo」)のメンバーおよび組織内のその他の重要な役職の後継者育成計画の検討にも相当な時間を費やし、いくつかの重要な変更を承認し、その発表を行った。

    戦略および財務

    新任CEOの任命後、取締役会は特別会議において、戦略上の選択肢、主要なリスクおよび機会、業務上および競合上の環境、ならびに優先事項の協議に相当な時間を費やし、2025年10月13日にANZの2030戦略を発表する成果に至った。これには、この発表の一環として行われた将来に関する記載の検討および承認が含まれていた。

    この作業の一環としての議論、討議および課題の主要な分野は以下に関連するものが含まれていた。

    ・ 当グループの組織構造

    ・ サンコープ・バンクのANZへの統合

    ・ 望ましいカスタマーアウトカムおよび重要なターゲットセグメントへのアプローチ

    ・ ANZの技術ソリューションの構築および顧客移行への潜在的なアプローチ

    ・ ANZの資本および配当の状況

    将来を見据えたANZの戦略に焦点を当てることに加えて、取締役会は主要な事業のトップとの間で、スコアカードの実績を含む事業の業績、主な注力課題および現下の経営環境の変化について定期的かつ広範な議論を行った。

    人材およびカルチャー

    ANZの改訂後の戦略の展開を検討する一環として、取締役会および取締役会委員会は、変更が組織およびその人員に及ぼす影響、その準備状況およびプロセス、ならびにANZの組織構造の変更をレビューし実施するためのプロセスも詳細に検討した。

    取締役会委員会はまた、ANZの従業員エンゲージメント調査から得られた重要な事項および対応策についても検討した。

    **3.**取締役会

    3.1 取締役

    ANZGHLの各取締役の氏名および任命に関する情報は以下のとおりである。

    会長と最高経営責任者(「CEO」)の役割は別個のものである。ポール・オサリバンは2020年10月28日からグループ会長を務めている。オサリバンは2019年11月に独立非執行取締役に任命された。ヌノ・マトスは、2025年5月12日よりCEOを務めている。ASX上場規則により、CEOであるマトスは3年ごとの再選を株主に求める必要はない。

    取締役 上場親会社の 取締役就任* 最近の選任日/再任日
    ポール・オサリバン(取締役会会長およびNBO委員会委員長) 2019年 2022年-2025年度年次株主総会で再選立候補予定
    ヌノ・マトス(CEO) 2025年 該当なし
    リチャード・ギブ(リスク委員会委員長) 2024年 2024年
    アリソン・ジェリー 2025年 2025年度年次株主総会で立候補予定
    ホリー・クレイマー(人材およびカルチャー委員会委員長) 2023年 2023年
    クリスティーン・オライリー(監査委員会委員長) 2021年 2024年
    ジェフ・スミス(デジタル事業および技術委員会委員長) 2022年 2022年-2025年度年次株主総会で再選立候補予定
    スコット・セント・ジョン 2024年 2024年

    * ポール・オサリバン、クリスティーン・オライリーおよびジェフ・スミスの各氏は、本再編の一環として2022年12月20日にANZGHLの取締役に就任した。2023年1月までANZBGLが当グループの上場親会社であったため、各取締役が当グループの上場親会社の取締役となった日付に関する情報は本表に含まれる。

    3.2 取締役および経営陣の役割

    取締役会は、ANZの監視およびその慎重で健全な経営、ならびに憲章に定める一定の義務について責任を負う。経営陣レベルでは、ANZの大部分の上級執行役員がグループ執行委員会(「ExCo」)を構成する。グループ執行委員会の委員はanz.com/exco(英文)に掲載されている。ANZは、CEOおよびその他の上級経営陣の構成員に委任される事項を明確に定める権限委任の枠組みを有する。

    取締役会およびその主要委員会のそれぞれの憲章は、anz.com/corporategovernance(英文)に掲載されている。

    3.3 取締役の取締役会および委員会の会議出席状況

    当年度中の取締役会および取締役会委員会の会議の開催回数、ならびにそれらの会議への各取締役の出席回数を以下に示す(1)。

    取締役会 リスク 委員会 監査 委員会 人材 および カルチャー委員会 倫理、 環境、 社会 および ガバナンス委員会(2) デジタル事業 および 技術 委員会 取締役会特別 委員会 取締役会 委員会(3) 指名 および 取締役会 運営 委員会 株式 委員会(3)
    ポール・オサリバン 13 13 8 8 8 8 6 6 4 4 3 3 4 4 2 2 3 3
    シェイン・エリオット(4) 9 9 1 1 1 1
    アリソン・ジェリー(5) 4 4 3 3 1 1 1 1 1 1 1 1
    リチャード・ギブ 13 13 8 8 8 8 3 3 3 3 2 2
    ジェーン・ハルトン AO PSM(6) 8 7 3 3 3 3 2 2 1 1
    ホリー・クレイマー 13 13 8 8 6 6 4 4 4 4 2 2 1 1
    ヌノ・マトス(7) 4 4 2 2 1 1
    クリスティーン ・オライリー 13 13 8 8 8 8 6 6 4 4 2 2
    ジェフ・スミス 13 13 8 8 6 6 3 3 2 2 2 2
    スコット・セント ・ジョン 13 13 8 8 8 8 4 4 3 3 2 2

    A列は、取締役が委員として出席する権利を有した会議の回数を示す。

    B列は、会議に出席した回数を示す。上表は委員会会議に関する委員の出席状況を記録している。

    注:(1) 取締役はまた、規制上の事項に関連した14回の説明会およびワーキング・グループ会議に出席した。

    (2) 倫理、環境、社会およびガバナンス委員会はその活動を終了し、最後の会議は2025年5月に開催された。

    (3) 上表に記載の取締役会委員会および株式委員会の会議は、書面による決議により行われたものを含む。

    (4) シェイン・エリオットは、2025年5月11日に最高経営責任者兼執行取締役を退任した。

    (5) アリソン・ジェリーは、2025年5月9日に非執行取締役に就任した。

    (6) ジェーン・ハルトン AO PSMは、2025年3月31日に非執行取締役を退任した。

    (7) ヌノ・マトスは、2025年5月12日に最高経営責任者兼執行取締役に就任した。

    3.4 最高経営責任者(CEO)および経営陣への権限委任

    取締役会は、その憲章が定めるとおり、CEOおよびANZ上級経営陣の一定の構成員を任命する。取締役会はCEOに、およびCEOを通じて上級経営陣に、承認されたANZの戦略および財務目標を達成するための意思決定の権限および責任を、取締役会から経営陣への権限委任方針およびCEOからの権限委任方針に従い委任している。

    3.5 取締役会の構成、選任および任命

    取締役会は、活発で、積極的かつ効果的なANZの取締役会を維持するため、取締役会の改選手順(後継者育成計画を含む。)に継続的に取り組んでいる。NBO委員会は取締役会の構成の検討に関するあらゆる事項について取締役会を補佐する。

    同委員会および/または取締役会は、取締役会の構成を定期的に見直している。候補者となりうる者を評価し取締役会の規模および構成の見直しを実施するにあたり、NBO委員会および/または取締役会は、取締役会の構成には以下のような項目を勘案した適切な混成比が反映されるべきとする指導原則を考慮する。

    ・ 事業の成長、規制の検討および市場の発展などの要因を考慮し、取締役会に必要な技能がANZの業務に相応しくあるよう確保

    ・ ANZの取締役会スキル・マトリックスで特定される主要分野全体を含む技能、経験および在任期間(該当する場合)

    ・ 多様性

    ・ 候補者の個人的資質、コミュニケーション能力、効果的な経営手腕、専門家としての名声および倫理的活動への取組み

    ・ ANZの長期的な成功に焦点を当てつつ、多様な個性と視点を持ち、経営陣および他の取締役に敬意を持ちつつ忌憚なく意見を述べるとともに、新たな方策を見いだすために取締役同士で積極的に議論し協力する、一丸となって機能する人選

    ・ 関連する取締役の独立性を含む、取締役会の構成に関する関連ガイドライン/法的要件

    ・ 取締役会憲章に明記された取締役会在職要件

    ・ ANZの戦略目標を含むその他の考慮事項

    取締役会は引き続き女性40%、男性40%、ジェンダーを問わず20%の構成比の維持を目標とする。ただし、取締役会における多様性は、取締役会の改選に関する事項により一時的に影響を受ける可能性があることを認識している。本書日現在、取締役会の構成比は、37.5%が女性、62.5%が男性である。

    候補者となる可能性のある者について検討する際、同委員会は、多様性が大きな広がりを持ち、年齢や文化的アイデンティティ(例えば、民族や母国)などのその他の事項を含む点にも着目する。

    NBO委員会は、取締役会の規模および構成について見直しを行い取締役会に勧告し、また取締役に適任と考えられる者を特定して候補者を取締役会に推薦する職責を委任されている。

    同委員会はまた、必要に応じて、取締役会会長の後継者育成計画および選出手順の見直しおよび勧告を行う。

    ANZの指名手順に関する情報の詳細は、「取締役会改選方針(Board Renewal Policy)」に記載があり、これはanz.com/corporategovernance(英文)で閲覧可能である。

    3.6 取締役会の技能および経験

    取締役会はその役割を果たし、その責任を遂行するために必要となる総合的な技能、能力および経験を備えている。

    下表は、取締役会の総合的な技能および経験の評価にふさわしいと取締役会が考える区分であり、取締役会自体の構成に求めるものである。本書日現在、取締役会スキル・マトリックスは見直しが行われている。

    技能および経験
    戦略および商業の見識
    業界での経験
    技術およびデジタル
    リーダー的役割
    人材およびカルチャー
    ガバナンス、リスク(非財務リスクを含む。)および コンプライアンス
    規制/政府方針
    国際的なビジネス経験
    財務の見識
    気候を含むサステナビリティ

    3.7 取締役の独立性

    ANZGHLの取締役会憲章は、ANZの独立性基準を満たす非執行取締役が取締役会の過半数を占めることを要求する。かかる基準は取締役会改選方針で定められており、NBO委員会がASXガバナンス原則、APRAの健全性基準およびその他の関連する要件に照らしてこれを定期的に見直している。

    ANZの独立性テストは、ある取締役がANZと重要な関係があるか否かを基準とする。要約すれば、以下のことをするにあたり、取締役の意思に影響を与えるまたは与えると考えられる現実かつ妥当な可能性があるとANZGHLの非執行取締役の地位にある合理的な人間が予想する場合、ANZとの重要な関係があるとみなされる。

    → 定期的に取締役会または委員会の議題に上がる傾向にある事項について決定を行う。

    → 経営陣が提供する情報および助言を客観的に評価する。

    → ANZ全体にわたり一般的に適用される方針を設定する。

    → 一般的に取締役としての自身の役割を実行する。

    取締役は、ANZと個人的な取引関係を有する可能性があり、またはANZと取引関係がある会社およびその他の組織の取締役にも就任している。取締役のすべての重要性のある社外との利害関係は、2025年度年次報告書のそれぞれの経歴欄に記載されており、こうした関係から独立性の問題が生じないように取決めが交わされる。

    かかる基準の詳細は、anz.com/corporategovernance(英文)で閲覧可能である。

    3.8 利益相反および社外コミットメント

    独立性の問題を超えて、各取締役は、ANZの業務に関連する重要事項に関する潜在的または現実の利益相反を生じているか否かを判断する継続的な責任を負う。かかる状況は、外部の団体、利害関係または個人的関係から生じる可能性がある。

    ANZBGLはANZGHLの子会社である。ANZBGLの取締役会は、預金保有者の利益を十分に考慮しつつ、ANZBGLの健全かつ慎重な経営に最終的な責任を負う。潜在的な相反が生じた場合、かかる相反に対処するために取締役会の取締役が利用できる多数の手段がある。

    経営陣はまた、相反を適切に管理するために十分な情報を取締役に提供することで支援する予定である。各取締役は、自身の職務および責任を遂行するために必要と判断した場合、独立した助言を得ること、または独立専門家に相談することができる。

    すべての非執行取締役は、いかなる社外での新たな役職の任命についても、引き受ける前に会長に通知する義務がある。会長は、新たな任命の提案について検討し、個別に問題を考慮する。

    この検討を行う際に会長が従う手順および考慮要素は、「取締役の利害開示、利益相反および社外コミットメント処理手続き(Directors Disclosure of Interest, Handling Conflicts of Interest and Outside Commitments Procedure)」において定められており、これはanz.com/corporategovernance(英文)にて閲覧可能である。

    会長が社外の新たな役職を引き受けようとする場合、在任期間の最も長い非執行取締役が上記の検討および承認手順において会長の代わりを務める。ANZは非執行取締役の各社外コミットメントについて問題はないものと思料している。

    **4.**取締役会の業績評価

    ANZは非執行取締役、取締役会会長、取締役会および取締役会委員会の各々についての業績評価を実施している。取締役会会長の勧告に基づき、NBO委員会は、この分野の規制要件を考慮し、非執行取締役、取締役会および取締役会委員会の評価を実施する際に従うプロセスを毎年決定する予定である。

    評価は、一般的に3年間隔で(または同委員会により決定される場合はそれ以上の頻度で)同委員会により決定される独立した第三者の支援を受けて実施され、その間の期間は同委員会により決定される手順を使用して内部で実施されることが想定されている。

    評価プロセスの内容について以下で要約しており、更なる詳細についてはanz.com/corporategovernance(英文)に掲載されているANZの「取締役会改選方針(Board Renewal Policy)」で説明している。

    4.1 2025****年度の評価手順

    当年度、独立した立場の第三者による取締役会および取締役会委員会の業績評価が実施され、その結果、勧告および生じた重要な対応策がNBO委員会で討議され、合意された。この第三者は、非執行取締役の評価についても支援しており、この評価は現在実施中である。

    4.2 上級執行役員

    当グループ、最高経営責任者(「CEO」)およびその他開示を要する執行役員の業績の取締役会による評価方法に関する実行構造、手順および主要インプットについては、「(2)役員の状況-③役員報酬の内容(報酬報告)」に記載される。

    当グループ、CEOおよび開示を要する執行役員の業績評価は、開示された取組みに従って、2025事業年度に関して行われた。

    **5.**その他の情報

    5.1 適格性チェック

    ANZは、関連する上級職に任命された個人がAPRA健全性基準**CPS520に基づく責任ある役職に相当な適格性を有するとともに、当該上級職が金融説明責任体制(FAR)法に定める説明責任者(Accountable Persons)である場合、同法に基づく適格性を有することを保証する手続きを備えている。

    その枠組みは、ANZの「グループ適格性方針(Group Fit and Proper Policy)」に定められている。各取締役、関連する上級執行役員およびANZの外部監査人のAPRA認定業務執行パートナーについて新規任命が行われる前に、評価を実施することが当該方針で求められている。NBO委員会または取締役会のいずれかがANZの非執行取締役の評価を実施し、人材およびカルチャー委員会は、CEOおよび主要な上級執行役員を評価し、監査委員会はANZの外部監査人のAPRA認定業務執行パートナーを評価する。評価には以下が含まれる。

    ・ 各人が証明を提供すること

    ・ 審査担当者が個人の重要な資格の証拠を入手すること

    ・ 例えば犯罪歴、破産歴および規制上の欠格といった個人の経歴を審査担当者がチェックすること

    2025年度中、適格性の年次評価は、非執行取締役、最高経営責任者、開示を要する執行役員およびその他のCEO直属部下ならびにANZの外部監査人のAPRA認定業務執行パートナーの各人について行われた。

    5.2 任命書類

    新任の非執行取締役は各自、任命書とともに、その役割に適用される情報を受領する。任命条件を明示した正式な雇用契約書が上級執行役員に渡される。

    5.3 取締役向け初任研修

    ANZは、すべての新任取締役が参加する初任研修プログラムを整備しており、その中で参加者は上級経営陣の主要な構成員による説明を含む、当グループの業務のすべての面について情報提供を受ける。これに続いて、新任取締役の要求により、追加の会議または情報提供が実施される。

    5.4 独立的助言を求める取締役の権利

    取締役がその責務を履行する一助とするため、各取締役は、(会長の事前承認を受けて)ANZの費用負担において、その責務に関する独立した専門的助言を求める権利を持つ。さらに、取締役会および各主要委員会は、ANZの費用負担において、会長の承認を受けて、その業務を支援するために必要とするあらゆる専門的助言も得ることができる。

    5.5 非執行取締役および上級執行役員の報酬

    非執行取締役、CEOおよびその他の開示を要する執行役員の報酬の構成に関する情報は、「(2)役員の状況-③役員報酬の内容(報酬報告)」に記載されている。

    5.6 次の年次株主総会における選任

    ANZGHLの定款および2001年会社法の規定により認められているとおり、取締役会は随時ANZGHLの非執行取締役を任命することができる。しかし、同人は次の年次株主総会において退任しなければならない。

    同人が取締役として継続を望む場合には同年次株主総会において株主による選任を受けなければならない。

    5.7 取締役の任期および退任

    ANZGHLの定款は、非執行取締役としての役職の継続を望む非執行取締役が、3年毎に株主による再選を求めなければならない旨を規定している。これは、ASX上場規則に整合している。

    さらに、ANZでは、特別な状況により取締役会から任期延長を依頼されない限り、非執行取締役は、適用される最長任期要件(株主による最初の選任後3年の任期を3期まで)に従って退任することを求めている。

    5.8 取締役向け継続教育

    ANZの取締役は、正式な初任研修プログラムに加えて、取締役としての自己の職務および責任に関する幅広い研修および継続教育に参加する。当事業年度中において、これには職場のウェルビーイングおよび安全対策、内部告発、非財務リスクならびに贈収賄および腐敗行為防止が含まれていた。

    また各委員会は、独自の継続的な研修会を開催している。一例として、監査委員会は、会計基準の動向について適宜説明を受けている。必要に応じて、社内および社外の専門家が研修会の開催に関与し、デジタル事業および技術委員会は、サイバーセキュリティ情勢の動向について定期的に報告を受けている。

    **6.**会社秘書役の役割

    取締役会はANZGHLの会社秘書役の任命につき責任を負う。取締役会により、会社秘書役として2名が任命されている。ANZGHLの会社秘書役のプロフィールは(2025年度年次報告書中の)取締役報告書で確認することができる。

    任命された会社秘書役のうちの一人はグループ・ジェネラル・カウンセルであるケン・アダムスである。アダムスはANZに対してグローバルに法務業務を提供する責任を負う。会長、取締役および上級経営陣と密接に連携し、コーポレート・ガバナンス機能部門について取締役会に対し責任を負う。

    会社秘書役であるサイモン・ポーデージは、コーポレート・ガバナンス機能部門の業務運営に責任を負う。これには、取締役会および取締役会委員会会議の運営ならびにANZおよびそのオーストラリア子会社に対する取締役会のガバナンスに関する関連要件の管理、ANZの株式登録機関との関係の監視、ならびに分配の管理ならびに証券取引所および企業規制当局との情報の連絡およびこれらへの情報の届出などのANZの上場有価証券の管理が含まれる。

    同氏は、取締役会の適切な機能に関係するあらゆる事項について、取締役会に対し会長を通じて直接説明する責任を負う。

    同氏はANZのコーポレート・ガバナンス原則を発展および維持させるために取締役会会長と緊密に連携する。

    **7.**取締役会委員会

    7.1 委員および出席

    各主要な取締役会委員会は、

    ・ 専ら独立非執行取締役により構成される3名以上の委員を擁し、

    ・ 独自の憲章を持ち、

    ・ 必要と思料される特別な調査を開始する権限を有し、また、

    ・ その委員のうち1名が取締役会により委員長に任命される。

    各委員会は、ANZGHLおよびその子会社(ANZBGLを含む。)について一定の責任を負うために、取締役会により設置されている。取締役会は、取締役会委員会の構成を毎年見直す。会長は、各主要取締役会委員会の職権上の委員となり、NBO委員会の委員長となる。CEOは、適宜、取締役会委員会の会議への出席を依頼される。もっとも、同人の出席は当然のものではなく、また自己の報酬が検討または討議される場合には出席しない。非執行取締役は、すべての委員会のあらゆる会議に出席することができ、また出席することが推奨され、すべての会議資料の提供を受ける。

    各取締役会委員会は、その責任の範囲内で、憲章に基づき、その責務を実践するために関連があると思料する経営陣および従業員に無制限に連絡をとり、かかる情報を無制限に入手することができる。

    各取締役会委員会は、必要に応じて会議にANZの役員または従業員に出席を要請することができ、また外部関係者の出席を依頼することができる。

    ANZのガバナンスの枠組みは、当グループのESGへの取組みおよび利害関係人の期待と共に進化している。その結果、ANZ取締役会の倫理、環境、社会およびガバナンス委員会は廃止された。取締役会はすべてのESG事項について全体としての責任を引き続き有するが、具体的な案件は以下に記載されるとおり、関連する委員会に配分される。

    取締役会は、気候およびサステナビリティ戦略、目標ならびに業績の監督責任を担うことになる。監査委員会は、気候およびサステナビリティに関する開示および報告ならびに内部告発の監督責任を担うことになる。リスク委員会は、気候およびサステナビリティ・リスクの監督責任を担う。NBO委員会は、関連するガバナンス事項の監督責任を担い、人材およびカルチャー委員会は行動規範および関連する倫理事項の監督責任を担う。

    7.2 監査委員会

    監査委員会は以下を監視し、検討する責任を負う。

    ・ ANZの財務報告に係る原則および方針、管理ならびに手続き

    ・ ANZの内部統制およびリスク管理の枠組みの有効性

    ・ 同委員会委員長を通じて同委員会に機能上の報告経路を有し、同委員会に自由に接触できる内部監査(IA)の業務

    ・ ANZの財務書類およびその独立監査の整合性ならびに関連ある法律上および規制上の要件の遵守

    ・ あらゆるデューデリジェンス手続き

    ・ 財務報告に関連する範囲において健全性の監視手続きおよびその他の規制上の要件

    ・ 主要な子会社の監査委員会からの報告

    監査委員会はまた、次についても責任を負う。

    ・ 外部監査人の任命、監督および有効性に関する年次見直し(独立性、適格性ならびに資質および資格の検討を含む。)

    ・ 外部監査人の報酬

    ・ 外部監査人の交代(適宜)

    ・ グループ・ジェネラル・マネージャー(内部監査担当)の業績および報酬の検討、ならびに取締役会に対する適宜の勧告の実施

    委員会憲章に基づき、

    ・ 監査委員会の各委員は適切に財務に通じていなければならず、また、

    ・ 委員会の責務を有効に実践するための適切な知識、技能および経験(業界における経験を含む。)を委員間で共有していなければならない。

    取締役会は、クリスティーン・オライリー(委員長)が、監査委員会憲章に規定される定義に基づく「財務の専門家」であると判断した。取締役会はオライリーが当該要件に基づく「財務の専門家」に必要な資質を有していると判断したが、監査委員会憲章に定められた財務報告に関する義務は監査委員会の義務であり、「財務の専門家」とみなされる委員の個人的な責任ではないという点は重要である。

    監査委員会は、定期的に、経営陣を同席させずに外部監査人および内部監査人と会合する。監査委員会委員長は、IA、外部監査人および経営陣と個別かつ定期的に会合する。グループ・ジェネラル・マネージャー(財務および税務担当)は執行役員であり、監査委員会の事務および効果的な運営に関して同委員会委員長を補佐する責任を負う。

    CEOおよび最高財務責任者は、取締役会に対し、ANZGHLの2025年度の以下に関する宣言を提出した。

    ・ 会社法第295条AおよびASXガバナンス原則の勧告4.2により要求される年次財務書類およびその他の事項

    ・ ASXガバナンス原則の勧告4.2により要求される中間財務書類およびその他の事項

    7.3 人材およびカルチャー委員会

    取締役会は、ANZグループの業績および報酬の枠組み(P&R枠組み)ならびにANZグループ全体へのその効果的な適用に最終的な責任を負い、それらを監督する。人材およびカルチャー委員会の役割は、P&R枠組みの効果的な運用の監督ならびにその他の人材およびカルチャーに関する事項について取締役会を補佐することである。

    人材およびカルチャー委員会は取締役会に対して以下を含む事項について検討および承認、または勧告を行う責任を負う。

    ・ P&R枠組みならびに当グループの業績および報酬方針の設計および運用の監督

    ・ CEOおよびその他の主要な執行役員の報酬、非執行取締役の報酬

    ・ 主要な変動報酬制度の計画

    ・ 主要な上級執行役員の業績および報酬の査定

    ・ 主要な上級執行役員の任命および解任

    ・ 当グループの業績および報酬方針の有効性および同方針の変更

    ・ 人材およびカルチャーの変革に向けた戦略および行動(多様性、包摂性、従業員エンゲージメントおよび文化ならびに行動規範の主題および傾向の監督を含むが、これらに限られない。)

    ・ セクシャル・ハラスメントの防止および対応に関する方針、体制および枠組み

    グループ執行役員(人材およびカルチャー担当)が、人事委員会の運営に関して、同委員会委員長を補佐する責任を負う。

    *人材およびカルチャー委員会の役割および2025年度における主要な検討/承認分野の詳細は、「***(2)***役員の状況-役員報酬の内容(報酬報告)」を参照のこと。*

    7.4 リスク委員会

    取締役会は、ANZのリスク選好報告書およびリスク管理戦略を含むリスク選好の承認に責任を負う。

    この責任は、当グループ全体で有効なリスク管理を促進するため、運営体制および必要な資源を備えた経営陣による健全なリスク管理文化の確立の監視に及ぶ。これは翻ってANZのリスク選好範囲内で一貫して業務を行う能力を支える。

    リスク委員会は、以下により取締役会を補佐する。

    ・ 事業、市場、信用、エクイティおよびその他の投資、財務、オペレーション、コンプライアンス、流動性およびレピュテーション(評判)リスクの管理ならびにANZのコンプライアンス義務の管理に対するものを含む、ANZのリスク管理枠組みの実施および運用を監督することにより、その責任を遂行する。

    ・ 経営陣によるANZのリスク管理枠組みおよびその関連業務の実施を非業務執行として客観的に監督し、リスク選好および資本力に照らし、機関全体の現在および将来のリスク状況を観察する。

    最高リスク責任者は、リスク委員会の運営に関して同委員会委員長を補佐する責任を負う。

    7.5 リスク管理の枠組み

    当グループには、ANZの重要なリスクの監視および管理を行うリスク管理枠組みが設けられている。その健全性が維持されていること、およびANZが取締役が定めたリスク選好を十分配慮して運営されていることを確認するため、リスク委員会の承諾を受けて、取締役会は、少なくとも年に1度はこの枠組みの見直しを行う。当該見直しは2025事業年度中に行われた。ANZの枠組みについては、三線防衛モデルおよびリスク管理委員会が当年度中に講じたリスク管理を改善するための措置に関して、当該枠組みがどのように構成されているかを含め、2025年度年次報告書に詳しい情報を記載している。

    三線防衛モデルに基づき、事業に第1の責任防衛線を、リスク機能部門に第2の防衛線を、および内部監査に第3の防衛線を設定している。リスク管理の枠組みは、根本原因是正計画の一環として非財務リスクの重要性をよりよく反映することを含め、更新・強化されることが確認されている。

    7.6 デジタル事業および技術委員会

    デジタル事業および技術委員会は、当グループのデジタル・トランスフォーメーション、データ、技術、技術関連イノベーションおよび情報/サイバーセキュリティ戦略の監視に関する取締役会の責任を効率的に切り出して取締役会を補佐する責任を負う。

    また同委員会の委員が関連事項について取締役会で行うよりさらに深く疑問を投げかけ探求する場を提供する。同委員会は以下の責任を有する。

    ・ ANZのデジタル・トランスフォーメーション、技術、技術関連イノベーションおよび情報/サイバーセキュリティ戦略に関する事項を適宜監視および指導する。

    ・ ANZのデジタル・トランスフォーメーション、技術、技術関連イノベーションおよび情報/サイバーセキュリティ戦略の一部をなす主要プログラムの展開を監視する。

    ・ 1億ドルを超えるものを含む重要なデジタル・トランスフォーメーションおよび技術投資を取締役会に勧告し、監視する。

    ・ 安全で安定した信頼性の高いサービスを確保するため、ANZの技術装備一式の健全性および関連性を見直す。

    グループ最高情報責任者が、当該委員会の運営に関して、同委員会委員長を補佐する責任を有する。

    7.7 **指名および取締役会運営(「NBO」)**委員会

    NBO委員会は、継続的な構成、取締役会の全体的な運営ならびに取締役会が効果的かつ責任ある意思決定および監督を実行できる環境の提供に関するものを含め、取締役会の適切な機能に関係するあらゆる事項について、取締役会を補佐する。その業務は以下を含む。

    ・ 取締役会構成の検討に関するあらゆる事項。これには、適切な取締役会および委員会の構成の確実な整備ならびに取締役選任、任命および再任のプロセスならびに取締役会全体の改選を含む、改選および交代の計画全般に関する取締役会の補佐、多様性に対するANZのアプローチの有効性、取締役会スキル・マトリックスの監視および変更、取締役として任命すべき候補者の取締役会への推薦、取締役会会長の交代の計画が含まれる。

    ・ 取締役会、各主要委員会および会長を含む各取締役(ただしCEOを除く。)の業績評価のプロセスの見直しおよび承認。

    ・ 取締役会およびその委員会の効果的かつ効率的な運営に関係するあらゆるその他の事項。

    会社秘書役が、当該委員会の運営に関して同委員会委員長を補佐する責任を負う。

    7.8 その他の委員会

    取締役会は、5つの主要な取締役会委員会に加えて、特定の任務の遂行を補佐するための取締役のみで構成される2つの委員会を設置している。2つの委員会は以下のとおりである。

    ・ 取締役会の全権限を有し、緊急問題を処理するために、定期的に予定される取締役会の会議の合間にも適宜招集される取締役会特別委員会、ならびに

    ・ 取締役会に代わり株式およびオプションの発行を管理する権限(従業員株式取得制度および株式オプション制度に基づく場合を含む。)を有する株式委員会

    取締役会はまた、特定の任務を果たすにあたり、取締役会の臨時特別委員会、ワーキング・グループまたはサブグループを適宜設置して権限を委任する。

    会社秘書役は、取締役会の適切な機能に関連するあらゆる事項について、取締役会に対し会長を通じて直接説明する責任を負う。

    ANZGHL****の取締役会委員会の委員

    監査 人材および カルチャー リスク デジタル事業 および技術 指名および 取締役会運営
    委員構成
    ポール・オサリバン* ✓ C
    アリソン・ジェリー
    リチャード・ギブ ✓ C
    ホリー・クレイマー ✓ C
    クリスティーン・ オライリー ✓ C, FE
    ジェフ・スミス ✓ C
    スコット・セント・ジョン
    構成
    ・取締役会が取締役会会長以外の取締役の1人を委員長に指名する。 ・リスク委員会と監査委員会の間の適切な情報フローの確保を目指すために、リスク委員会委員長が監査委員会委員となり、監査委員会委員長がリスク委員会委員となる。 ・監査委員会憲章の第4.2条に記載のとおり、規則により委員適格性が加重されている。 ・取締役会が委員の1人を委員長に指名する。 ・委員会の委員構成において監査委員会、リスク委員会および人材およびカルチャー委員会の委員を兼務する者の確保を目指す。 ・取締役会が取締役会会長以外の取締役の1人を委員長に指名する。 ・委員会の委員構成においてリスク委員会および人材およびカルチャー委員会の委員を兼務する者の確保を目指す。 ・監査委員会とリスク委員会の間の適切な情報フローの確保を目指すために、監査委員会委員長がリスク委員会委員となり、リスク委員会委員長が監査委員会委員となる。 ・取締役会が委員の1人を委員長に指名する。 ・取締役会が委員の1人を委員長に指名する。

    委員は全員独立非執行取締役であることが求められる。

    各委員会の最低員数は非執行取締役3名である。これには取締役会会長(職権上の委員)を含めることができる。

    各取締役は、自身が委員ではない委員会の会議に出席することができる(投票はできない。)。

    * 職権上の委員

    注:C - 委員長、FE - 財務の専門家

    **8.**監査および財務ガバナンス

    8.1 内部監査

    内部監査(「IA」)は、ANZの第3の防衛線としての役割を果たし、リスクおよび統制の有効性に関して、取締役会、経営執行陣および規制当局に独立した立場からの保証を提供する。

    最高監査責任者は、取締役会監査委員会の委員長に独立した立場からの報告および会合を行い、CEOおよび外部監査人と直接連絡を取ることができる。IAの独立性と委託事項は、IA憲章に定められ、年に1度監査委員会が承認する。ニュージーランドなどの一部の法域では、各国のガバナンス基準を反映して、現地のIAチームがそれぞれの取締役会監査委員会直属となっている。

    主要な部門のジェネラル・マネージャーが率いるIAリーダーシップ・チームは、カルチャーおよびデータ分析のスペシャリストの支援を受ける。グローバルIAチームは15か国にわたって活動し、銀行業務、テクノロジー、金融犯罪、市場および業務に関して深い専門知識を提供している。

    IAのリスクに基づいた年次監査計画は、ANZの戦略的優先事項、リスク選好度および社内外の環境におけるリスクを考慮に入れており、監査委員会によって承認される。IAの監査委員会への定期報告は、主要な監査所見、対計画での進捗のモニタリング、監査上の課題状況および戦略的知見を取り上げる。監査委員会はまた、経営陣が不在の場での定期的な非公開の状況説明をIAから受ける。

    監査は、ANZの価値観、行動規範および内部監査人協会のグローバル・スタンダードに沿って実施される。IAは少なくとも5年に1度は外部の独立した立場からの品質評価を受け、品質、継続的改善および利害関係人エンゲージメントに引き続き重点を置いている。

    8.2 外部監査

    外部監査人の役割は、ANZの財務および報酬報告(ANZBGLの報酬報告は「(2)役員の状況-③役員報酬の内容(報酬報告)」に含まれる。)が真実かつ公正であり会計基準および適用ある規制を遵守している旨の独立した意見を与えることである。外部監査人はオーストラリア監査基準に基づき独立監査を実施する。

    監査委員会は、外部監査人との関係についての利害関係人に係るエンゲージメント・モデル(利害関係人エンゲージメント・モデル)を監視する。

    この利害関係人エンゲージメント・モデルに基づき、監査委員会には外部監査人の指名(株主承認の対象である。)ならびに報酬の支払い、採用および行為の監督の責任がある。

    また、同利害関係人エンゲージメント・モデルの規定により、監査委員会は、

    → エンゲージメント毎に、または同委員会によって個別に採択された事前承認の方針に従って、すべての監査業務、監査関連業務および非監査業務を事前に承認する。

    → 外部監査人の独立性につき定期的に見直す。ならびに、

    → 外部監査人の有効性を評価する。

    利害関係人エンゲージメント・モデルは、anz.com/corporategovernance(英文)に掲載されている。

    この利害関係者エンゲージメント・モデルには、外部監査人が提供することができる非監査業務に関する多くの要件、ならびに外部監査従業員の採用およびローテーションに関する要件が含まれている。

    外部監査人であるKPMGにより2025事業年度中に提供された非監査業務の情報は、2025年度年次報告書中の取締役報告書に記載されている。当該情報には、当該業務の費用および2001年会社法上の関連する独立性要件のKPMGにおける充足の十分性に係る取締役会による書面が含まれる。

    8.3 財務管理

    (当グループ内の事業体に係る)監査委員会は、ANZの財務報告方針および管理、ANZGHLの財務書類およびその他の市場向け開示情報の整合性、外部監査人との関係、IAの業務、ならびに重要な子会社の監査委員会を監督する。

    部門/事業、財務およびリスク担当の上級経営陣は、定期的に財務業績および開示情報の整合性、財務報告義務の遵守、ならびに外部報告に係る内部統制環境の有効性を証明する。

    ANZはまた、外部報告の作成に対する主要な内部統制の有効性を評価する財務・規制報告ガバナンス・プログラムを維持している。

    経営陣による証明またはガバナンス評価から生じた重大事項は、適用ある監査委員会に報告される。ANZはまた、報告の財務的整合性を支援するプロセスを強化するために、標準化、簡素化および自動化を適宜活用している。ANZでは、ANZの非財務リスク管理(「NFR」)枠組みにより要求されるとおり、法定財務報告などの定期的な企業報告を支援する、統制に関するリスク保証、ガバナンスおよび監督の手順を確立している。リスクおよび統制保証の監視から生じた重要な事項は、担当のリスク管理委員会など、ANZが定めたNFRガバナンスおよび監督手順に基づいて管理および対処する。

    **9.**倫理的かつ責任ある意思決定

    9.1 行動規範

    ANZは従業員規範および非執行取締役規範という2つの行動規範(「行動規範」)を有している。従業員規範はANZの価値観を支え、ANZの従業員に対し、その日常業務における公正で偏らない倫理的な意思決定を助ける一連の実務的な指針を与えている。

    非執行取締役規範は、法律に基づく取締役の責任が従業員のそれと異なることを認めつつ、従業員規範と同じ価値観および原則を掲げている。行動規範は、誠実性、信頼性、質の高さおよび信用を求めている。ANZの従業員および取締役はこれらの行為を実行し、行動規範を遵守することが要求される。

    行動規範は、法改正および優れた慣行を反映するため定期的に検討される一連の方針により補われる。

    行動規範およびANZの価値観はanz.com/corporategovernance(英文)に掲載されている。2025年度年次報告書には、ANZの行動および文化(違反を含む。)に関して当年度中に実施された業務の情報が掲載されている。人材およびカルチャー委員会は、行動規範への重大な違反の報告を受ける。

    当グループの規範は以下のとおりである。

    ・ 従業員規範

    ・ 非執行取締役規範

    社内の研修および違反に関するものを含む、従業員行動規範に関する更なる情報は、anz.com/esgreport(英文)で閲覧可能なANZGHLの2025年度ESG報告書に掲載されている。

    9.2 証券取引

    ANZ証券取引方針は、一般には入手できず、ANZの有価証券の価格もしくは価値に重大もしくは著しい影響を与えると合理的に予想される情報を保有するすべての従業員、取締役および契約者によるANZの有価証券の取引を禁止している。

    この方針は、同方針に定義されるとおりの「取引停止期間」中にANZの取締役および一定の「制限対象者」(一部の上級執行役員を含む。)ならびにそれらの関係者によるANZの有価証券の取引を明確に禁止している。

    この方針では、

    ・ 特定の種類の取引は同方針上の取引制限から除外される。

    ・ 例外的な場合に、事前の書面による許可により、禁止期間中に取引が認められる。

    ・ 従業員およびその関係者が、権利未確定であるかまたは保有義務のある、ANZのいずれかの従業員持株制度に基づいて付与された持分をヘッジすることを禁止している。

    ・ ANZの取締役および制限対象者は、マージン・コールまたは融資担保比率違反の対象となる可能性がある、マージン・ローンまたは同様の金融上の取決めに関連したANZの有価証券の使用を禁止されている。

    当該方針はanz.com/corporategovernance(英文)に掲載されている。

    9.3 内部告発者保護方針およびプログラム

    内部告発者保護方針は、ANZのコンダクト・リスク管理およびコーポレート・ガバナンス枠組みの主要な構成部分である。取締役会は、当該方針およびプログラムを監督し管理する。匿名化された重要な内部告発者に関する事項の要約は、四半期ごとに関連する取締役会委員会およびオペレーショナル・リスク執行委員会にも報告される。

    すべての従業員および臨時職員は、当該方針に基づき自らの義務および責任の下で、年に1度参加が必須の講習を受講することが義務付けられている。内部告発調査員、内部告発者保護責任者および内部告発報告の適格受領者(ExCoおよび取締役会のメンバーを含む。)は、それぞれが適用法下での義務を理解し、内部告発報告の取扱いおよび該当する場合にはその調査の方法を理解していることを確実にするために、役割に応じた講習を受ける。

    プログラムのプロセスは当該方針に記載されており、これには、内部告発者がどのように懸念事項を報告できるか、適用される保護、懸念事項がどのように検討および/または調査されるか、ならびにリソースが含まれる。

    ANZGHLの取締役またはCEOが関与する内部告発者報告は、ANZGHLの会長に対して報告する義務がある。

    ANZの内部告発者保護方針は、anz.com/corporategovernance(英文)で閲覧可能である。

    内部告発者報告およびその結果についての詳細な情報は、anz.com/esgreport(英文)で閲覧可能なANZの2025年度ESG報告書に掲載されている。

    9.4 贈収賄防止および汚職防止

    ANZは、事業を行う法域の適用あるすべての贈収賄防止および汚職防止(「ABAC」)法を遵守し、最高水準の倫理的行動および基準を適用し、維持するよう努めている。ANZは、ABAC方針を定めて、ANZの従業員、臨時職員およびANZグループのために行動する第三者が贈収賄または汚職を構成する活動に関与することを禁止している。この方針は、贈収賄および汚職に関する許容できない行動や活動を定義し、贈収賄および汚職リスクの予防、特定、対応を可能にするABACコンプライアンスの枠組みの基礎となる原則を定めている。

    これには、以下の禁止事項が含まれている。

    ・ 公務員およびすべての商業関係を含め、いかなる形でも贈賄または収賄を行うこと

    ・ いかなる種類でも不当な利益を得る目的で、不当に影響を与えるために公務員に価値のあるものを提供すること

    ・ いかなる種類でも利益を得るため、または不当に影響を与えるために寄付をすること

    また、贈答品、接待および資金援助付き旅行の授受から生じる利益相反については、透明性のある開示および適切な管理が要求される。

    ANZのABAC方針の違反は、ANZの行動規範への違反を構成し、重大な違反は、取締役会および/またはリスク委員会に報告される。

    ANZのABAC方針はanz.com/corporategovernance(英文)に掲載されている。

    ANZのABAC方針についての詳細な情報は、anz.com/esgreport(英文)で閲覧可能なANZの2025年度ESG報告書に掲載されている。

    10**.**株主に対する責任

    ANZはANZに積極的に関心をもつことを株主に奨励し、時期を逸することなく質の高い情報を株主に提供することを目指す。

    10.1 コミュニケーション

    ANZに関して十分な情報を得たうえで決定することができるようにするために、またANZに対する見解を伝えるために、株主はANZの事業運営、業績およびガバナンス枠組みを把握する必要がある。

    一般的に当グループはその業績報告、年次報告書(年次レビューを包含する。)、市場向けアナウンスおよび短信、半年毎のニュースレターおよびANZの株主専用サイト(anz.com/shareholder/centre)(英文)を通じて、上記を行っている。

    当グループはすべての事業慣行につき透明性の向上に向けて努力しており、株主、より広範囲の市場およびコミュニティの信用と信頼に質の高い開示が与える影響を認識している。

    何らかの情報を要求した場合または懸念もしくは関心のある事項につきANZに見解を表明したい場合、ANZのインベスター・リレーションズおよびANZの株式登録機関、コンピューターシェア社の投資家サービスの連絡先の詳細(郵便、電話およびEメールを含む。)が、2025年度年次報告書、anz.com/annualreport(英文)およびanz.com/shareholder/centre(英文)において提供されている。

    株主が株主向け連絡の電子的な受領を選択して好みのコミュニケーション方法への更新を希望する場合、更新方法の案内は、anz.com/shareholder/centre/your-shareholding/shareholder-communication/(英文)にて閲覧可能である。

    10.2 総会

    可能な限り多数の株主に株主総会に出席する機会を与えるために、ANZは株主総会を各州都で持ち回りで開催し、ウェブキャスト技術を用いてオンラインで株主総会を視聴することを可能にしている。2025年度は、対面による年次株主総会をニューサウスウェールズ州シドニーにて開催する。

    当事業年度中に行われた会議およびプレゼンテーションに関する情報は、anz.com/shareholder/centre(英文)にて閲覧可能である。

    年次株主総会の前に、総会において重要な共通のテーマを検討できるように、株主は会長またはCEOに対して質問を提出する機会を有する。

    外部監査人は、ANZの年次株主総会に出席し、監査人としての能力の範囲で自らに関する事項につき株主の質問に答えることができる。

    取締役も、異常な状況にある場合を除き、年次株主総会に出席することが求められる。

    株主は企業の問題に関連した様々な決議案に投票する権利を有する。株主に対しては、総会に出席し参加することを推奨する。ただし、株主が総会に出席できない場合、郵便または電子的に委任状を提出することができる。

    来たる2025年度年次株主総会においては、すべての決議は投票により行われる(当グループにおいてはこれが通例である。)予定であり、株主は秘密投票により投票することができる。

    ANZは総会の結果を検証するために独立した第三者(通常はKPMG)を指名する。当該結果はできる限り速やかにASXに報告され、ANZのウェブサイト(anz.com/agm)(英文)に掲載される。

    株主は、ANZおよびその株式登録機関から電磁的に連絡を受け取り、ANZおよびその株式登録機関に対してメッセージを送信するオプションを有している。

    ANZは、投資家との効果的なコミュニケーションを促す包括的インベスター・リレーションズ・プログラムも備えている。

    ANZの2024年度年次株主総会の通知には、年次株主総会における取締役の選出および再選を含む、総会業務に関してANZが有するすべての重要な情報が含まれていた。

    11**.**継続開示

    ANZは、ASX、ニュージーランド証券取引所(「NZX」)、およびその他ANZの有価証券が上場しているオフショア取引所の(それぞれ関連する事業体に適用ある)上場規則、ならびに関連する会社法および証券法の開示義務を遵守している。

    ANZは、例外を除いて、市場に影響しやすいいかなる情報も、直ちにASX、(適用ある場合)NZXの順に通知しなければならない。その後、コーポレート・ガバナンス機能部門が決定した場合には、他のオフショア取引所に当該開示を提出する。ASXに提出された市場に影響しやすい情報に関する発表およびプレゼンテーションは、ANZのウェブサイトに掲載されている。

    ANZグループの継続開示委員会の委員は通常、提案されている開示について検討し、いかなる情報を市場に開示するかに関して決定を下す責任を負う。ANZの従業員および契約者は、ANZに関する潜在的な価格機微情報を覚知した場合、直ちに、それを会社秘書役(または会社秘書役の不在時にはグループ・ジェネラル・マネージャー)に通知しなければならない。

    関連する取締役会は、市場で重要な公表が行われた後、速やかにその写しを受領する。

    ANZグループの継続開示方針は、anz.com/corporategovernance(英文)に掲載されている。

    12**.**環境・社会のリスク

    ANZの重大な環境・社会リスクに関する詳細およびANZがこれらのリスクをどのように管理するかに関する詳細は、anz.com/annualreport(英文)に掲載されている2025年度年次報告書、anz.com/esgreport(英文)に掲載されている2025年度ESG報告書および2025年度気候報告書に記載されており、2025年9月30日に終了した報告期間の現代の奴隷制と人身売買に関する当グループの年次声明は、2026年3月31日までに公表し、anz.com/esgreport(英文)に掲載される予定である。ANZは、主要なリスクおよび不確実性に関する開示を年次株主総会に先立ってリリースする予定である(anz.com/shareholder/centre(英文)において閲覧可能)。

    13**.**多様性および包摂性

    13.1 包摂的な職場の創設

    多様な社員と包摂的な文化は、意思決定の質を向上させ、革新を後押しし、それによって当社が顧客にとってより良い銀行となり、また人々と共同体が繁栄する世界を築く。

    多様性および包摂性に関するANZの方針については、anz.com/corporategovernance(英文)に掲載されている。

    13.2 リーダーシップ、ガバナンスおよび説明責任

    人材およびカルチャー委員会はANZの人材戦略、報酬戦略ならびに多様性および包摂性(ジェンダー多様性を含む。)への取組みに関連して、重要な役割を果たす。

    人材およびカルチャー委員会は、以下に挙げる目的を含め、ANZグループ全体の包摂性と多様性に対する取組みを監督する包括的な役割を担う。

    → 多様性および包摂性(ジェンダーを含む。)に対する測定可能な目標を検討および承認する。

    → かかる目標およびその達成進捗を毎年検討する。

    リーダー層における女性比(1)を含む当グループの多様性に関する目標達成に向けた進捗は、グループ執行委員会によって定期的に監視される。

    人材およびカルチャー委員会はまた、毎年の業績および報酬査定を検討する。その検討は以下を含む。

    → 業績評価の分布、給与の変遷および短期的インセンティブの査定について、ジェンダー分析を行う。

    → ジェンダー間の待遇の均衡に重点的に取り組み、その結果はすべてCEOが検討する。

    取締役会に関するジェンダー多様性の事項については、NBO委員会が責任を負う。

    注:(1) リーダー層における女性比は、上級経営陣、執行役員、上級執行役員およびExCoのメンバー(それぞれグループ3、2および1に指定されているANZの役職)に占める女性の割合である。休暇の状況にかかわらずすべての従業員を含むが、契約者(FTEに含まれる。)は含まない。

    13.3 取締役会、上級執行役員およびリーダー層レベルでのジェンダー均衡

    本コーポレート・ガバナンス報告書の報告日現在、取締役会は、8名の取締役、1名の執行取締役(すなわちCEO)および7名の非執行取締役で構成され、そのうち3名が女性である。取締役会における女性比は現在37.5%である。取締役会の目標は女性40%、男性40%、ジェンダーを問わず20%の取締役会構成比を実現することであるが、取締役会における多様性は、取締役会の改選に関する事項により一時的に影響を受ける可能性がある。

    2025年9月30日現在、女性の主要経営陣(「KMP」)は10名のうちの4名から9名のうちの3名に減少して33%となり、目標を下回っている。最近、ステファン・ホワイト(2025年10月29日就任)、ならびにペドロ・ロデイア、クリスティン・パーマーおよびドナルド・パトラ(2025年11月/12月就任)を任期を定めないExCoに任命したことで、KMPに占める女性の割合は増加して40%まで回復することになる。

    ANZは、長年にわたり女性従業員が過半数(現在51.6%)を占めてきたことを踏まえ、全従業員においてではなく、リーダー層の女性の構成において、ジェンダーの多様性を実現するための測定可能な目標を設定している。この目標は、最も改善が必要とされているレベル、すなわち当グループで最も上位かつ影響力のあるレベルに努力の焦点を当てているため、ANZにとって、より適切な目標であると考えている。

    当年度に再びリーダー層における女性比が当グループの目標を0.3%ポイント上回る40.5%となり、年間1.5%ポイント増加したことは喜ばしい。ジェンダー均衡を重視することは、依然としてANZの事業地域および事業全体において重要な優先事項である。2025年9月30日現在、子会社取締役会におけるすべての従業員兼務取締役のうち45%に女性が任命されている。

    13.4 リーダー層およびANZにおける女性比

    2025年度の実績は、この目的における上級執行役員の定義を含めて、以下のとおりである。

    グループ(^) 2026年度目標 2025年度目標 女性比の 2025年度実績 女性比の 2024年度実績
    主要経営陣(KMP)(1) KMPの女性比を少なくとも40%に上昇させる。 KMPの女性比を少なくとも40%に維持する。 33.3%(3) 40%
    リーダー層における 女性比 リーダー層における女性比を基準値の40.5%から1%ポイント上昇させる。 リーダー層における女性比を基準値の39.0%(2)から1.2%ポイント上昇させる。 40.5% 38.8%
    ANZ全体 該当なし 該当なし 51.6% 50.9%

    注:(^)「グループ」には休暇の状況にかかわらずすべての従業員が含まれるが、契約者(FTEに含まれる。)は含まれない。

    (1) 「上級執行役員」は「主要経営陣(KMP)」を意味し、これは最高経営責任者および「(2)役員の状況-③役員報酬の内容(報酬報告)」に記載された開示を要する執行役員を意味する。

    (2) 「リーダー層における女性比」の 2024年度実績(38.8%)にはサンコープ・バンクが含まれていないのに対して、「リーダー層における女性比」の2025年度目標での「リーダー層における女性比」の2024年度基準値は、サンコープ・バンクを含めた39.0%とする。

    (3) 最近、ステファン・ホワイト(2025年10月29日就任)、ならびにペドロ・ロデイア、クリスティン・パーマーおよびドナルド・パトラ(2025年11月/12月就任)を任期を定めないExCoに任命したことで、KMPに占める女性の割合は増加して40%まで回復することになる。

    職場における男女平等法(Workplace Gender Equality Act)に基づき、ANZは、職場における男女平等局に対し、ANZの「男女平等指標」を開示する年次の公式届出を行うことが求められる。これらの報告書は、3月31日に終了する12か月間について、年次で提出される。最新の提出書類の写しがanz.com/gender/(英文)に掲載されている。

    多様性および包摂性に対するANZの取組みに関する詳細は、anz.com/esgreport(英文)で閲覧可能な2025年度ESG報告書に掲載されている。

    ウェブサイト

    ANZのガバナンス枠組みの詳細はANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されており、以下を閲覧することができる。

    ・ 取締役会および各取締役会委員会の憲章、ならびに

    ・ 本コーポレート・ガバナンス報告書で言及される多数の書類および方針

    ガバナンス勧告の遵守

    本コーポレート・ガバナンス報告書の情報は、2025年11月7日現在の最新情報であり、すでにANZGHLの取締役会により承認されている。

    本コーポレート・ガバナンス報告書は、同報告書に関連するASX Appendix 4GとともにASXに提出されており、anz.com/corporategovernance(英文)に掲載されている。ANZに関する更なる情報は、ANZGHLの2025年度年次報告書に記載されている。

    (2)【役員の状況】

    ①取締役

    ANZBGLの定款(「定款」)の規定に従い、適用法令により要求されるその他の事項を除き、ANZBGLの事業および業務は、取締役会によりまたは取締役会の指示の下で経営されるものとする。取締役会は、(定款により取締役会に付与された権能および権限に加え)ANZBGLの権限の範囲内にあり、定款または適用法令によりANZBGLが株主総会において行うことを指示または要求されている以外のすべての権限を行使し、すべての事項を行うことができる。

    定款に基づき、最終持株会社(現在はANZGHL)は、取締役の任期が特定期間であると明示されていたか否かにかかわらず、その取締役を解任することができる。

    本書提出日現在、取締役会は、9名の非執行取締役および1名の執行取締役兼最高経営責任者で構成されている。取締役の氏名ならびに資格、経験および特別な責任の詳細は以下のとおりである。

    男性7名、女性3名(取締役のうち女性の比率30.0%)

    役職名 氏名 (年齢) 略歴 任期 所有株式 数(1)
    取締役会会長 独立非執行取締役 P. D. O'Sullivan (オサリバン) (65歳) オサリバン氏は2020年10月から取締役会会長、2019年11月から非執行取締役である。オサリバン氏はすべての取締役会委員会の職権上の委員である。 職歴 オサリバン氏はテクノロジーおよびデジタル化の分野で豊富な経験を有している。 同氏の経営幹部としての経歴には、シンガポール・テレコミュニケーションズ(シングテル)およびオプタスにおける指導的役割が含まれる。オプタスでは2004年から2012年まで最高経営責任者を務めた。その後、シングテル・グループ・コンシューマーの最高経営責任者に就任した。この役職ではシンガポールおよびオーストラリアにおける業務の管理ならびに主要な地域通信会社への投資の監督を担当した。同氏はまた、アジアにおける主要なデジタルインフラの展開に取り組んだ経験も有しており、インドネシア最大の通信会社であるテルコムセルのコミッショナーおよびインドの大手携帯電話プロバイダーの一つであるバーティ・エアテルの取締役等を務めた。以前は、カナダ、中東、オーストラリアおよび英国においてコロニアル・グループおよびロイヤル・ダッチ・シェル・グループの管理職を歴任した。 関連する他の取締役職 現在、ANZGHLの会長(2022年から)、ウエスタン・シドニー・エアポート・コーポレーションの会長(2017年から)およびセント・ヴィンセンツ・ヘルス・オーストラリアの会長(2025年から、2019年から取締役)である。 関連する過去3年間の取締役職 以前は、シングテル・オプタスPtyリミテッドの会長(2014年から2025年、2004年から取締役)およびノルフィナ・リミテッド(サンコープ・バンク)の会長(2025年、2025年から取締役)であり、インダラ・デジタル・インフラストラクチャー(旧オーストラリアン・タワー・ネットワークPty Ltd)の取締役(2021年から2023年)であった。 ANZGHLの2025年度年次株主総会で任命更新予定 0
    役職名 氏名 (年齢) 略歴 任期 所有株式 数(1)
    最高経営責任者兼執行取締役 N. G. M. S. A Matos (マトス) (58歳) マトス氏は2025年5月12日から最高経営責任者兼執行取締役である。 職歴 マトス氏は、世界市場全体にわたる大規模な変革を主導するなど、リテール、コマーシャルおよびホールセールの銀行業で30年を超える経験を有している。2025年5月にANZに入社する前、直近ではHSBCのウェルス・アンド・パーソナル・バンキングの最高経営責任者を務め、8万7,000人の従業員を率いて35の市場において約4,000万人の顧客にサービスを提供した。 HSBCでは他にも、HSBCバンクplcおよびHSBCヨーロッパの最高経営責任者などの上級職を歴任し、ヨーロッパにおける事業の変革を監督した。以前は、メキシコの最高経営責任者およびラテンアメリカのリテール・バンキング部門の地域ヘッドも務めた。同氏は2015年にサンタンデールからHSBCに入社し、サンタンデールでは最後にリテール・コマーシャル部門のコンシューマー担当グローバル・ヘッドを務めた。 同氏はポルトガル銀行の銀行監督部門でアナリストとしてキャリアを開始し、香港、英国、米国、スペイン、フランス、ブラジル、メキシコおよびペルーを含む多様な市場で勤務してきた。 関連する他の取締役職 現在、ANZGHLの取締役(2025年から)および子供のための金融市場財団の理事(2025年から)である。 該当なし 0
    役職名 氏名 (年齢) 略歴 任期 所有株式 数(1)
    独立非執行取締役 J. P. Cincotta (チンコッタ) (60歳) チンコッタ氏は2024年2月から非執行取締役である。チンコッタ氏は監査委員会およびリスク委員会の委員である。 職歴 チンコッタ氏は、銀行および金融サービスの分野で35年を超える経験を有している。そのキャリアにおいて、法人、機関、民間および個人の顧客を対象とする事業を構築、管理、最適化および監督してきた。同氏の業務経験には、セールスおよびトレーディング、コーポレート・バンキングおよび投資銀行業ならびに資産運用およびプライベート・ウェルス・マネジメントが含まれる。 チンコッタ氏はまた、リスク管理、戦略、変革、財務、ガバナンス、規制、オペレーションおよびテクノロジーの分野でも深い専門知識を備えている。同氏は、会社の取締役かつ責任を有する経営幹部として、重要な法令上および規制上の責任を担う職務を多数務めてきた。ドイツ銀行での25年間のキャリアにおいて、チンコッタ氏は副最高経営責任者、最高執行責任者および最高リスク責任者を歴任した。直近では、バレンジョイ・キャピタル・パートナーズの創業者の一人であり、同社の非執行取締役および監査委員会の委員長も務めた。 関連する他の取締役職 現在、ノルフィナ・リミテッド(サンコープ・バンク)の取締役(2024年から)およびオーストラリア証券取引所清算決済委員会の委員(2025年から)である。 関連する過去3年間の取締役職 以前は、バレンジョイ・キャピタル・パートナーズ・グループ・ホールディングスPtyリミテッドの取締役(2020年から2024年)であった。 2027年2月に任命更新予定 0
    役職名 氏名 (年齢) 略歴 任期 所有株式 数(1)
    独立非執行取締役 A. R. Gerry (ジェリー) (61歳) ジェリー氏は2025年5月から非執行取締役である。ジェリー氏は監査委員会の委員である。 職歴 ジェリー氏は、金融サービスおよびインフラの分野で35年を超える経験を有している。同氏は、戦略的変革およびデジタル革新に重点を置いている熟練した取締役である。同氏の経営幹部としてのキャリアはマッコーリー銀行およびHSBCでの役職から始まり、後にシドニーのライオンでグループ財務責任者に就任した。また、12年間マッコーリー大学の応用ファイナンス修士課程で客員研究員として教鞭を執った。 2007年にガバナンスを担当してから、ジェリー氏はANZバンク・ニュージーランド・リミテッド、キウィ銀行(副会長)、ニュージーランド証券取引所、スパーク・ニュージーランド、TVNZおよびヴェロ・インシュアランスなど、数々の著名企業の取締役を務めてきた。また、オンライン投資プラットフォームであるシェアシーズの初代会長も務めた。このような職業的な役割に加え、女性のリーダーシップを促進するプラットフォームであるOn Being Boldの共同創設者でもある。ジェリー氏は、ニュージーランド取締役協会およびニュージーランド金融専門家協会のフェローである。 関連する他の取締役職 現在、インフラティル・リミテッドの会長(2022年から、2014年から取締役)であり、ANZGHLの取締役(2025年から)およびニュージーランド航空の取締役(2021年から)である。 関連する過去3年間の取締役職 以前は、シェアシーズ・グループ・リミテッドの会長(2017年から2025年)であり、ANZバンク・ニュージーランド・リミテッドの取締役(2019年から2025年)であった。 ANZGHLの2025年度年次株主総会で取締役に立候補 0
    役職名 氏名 (年齢) 略歴 任期 所有株式 数(1)
    独立非執行取締役 リスク委員会委員長 R. B. M. Gibb (ギブ) (58歳) ギブ氏は2024年2月から非執行取締役である。ギブ氏は監査委員会の委員である。 職歴 ギブ氏は商業銀行および投資銀行業務ならびにウェルス・マネジメントを含む金融サービスの分野で35年を超える国際的な経験を有している。特に戦略的破壊および国際展開に直面する分野で、世界の金融市場、リスク管理および規制変更に関する豊富な専門知識を備えている。 ギブ氏の経営幹部としての経歴には、2019年から2024年までクレディ・スイス・オーストラリアの最高経営責任者が含まれ、オーストラリア市場における同社の地位を強化した。それ以前には、ドイツ銀行でアジア太平洋地域(香港)の法人・投資銀行部門の共同ヘッド、金融機関グループ(ニューヨーク)のグローバル共同ヘッドおよびアジア太平洋地域の最高執行責任者などの上級職を歴任した。 また、メリルリンチで10年以上にわたり金融機関および金融スポンサーに助言を行っており、その前にはバンカーズ・トラストで多数の役職を歴任した。 関連する他の取締役職 現在、ノルフィナ・リミテッド(サンコープ・バンク)の会長(2025年から、2025年から取締役)であり、ANZGHLの取締役(2024年から)およびオースタル・リミテッドの取締役(2025年)であり、プリヴァタス・キャピタル・パートナーズの上級顧問(2024年から)である。 関連する過去3年間の取締役職 以前は、クレディ・スイス(オーストラリア)リミテッドの取締役(2019年から2024年)であった。 ANZGHLの2027年度年次株主総会で任命更新予定 0
    独立非執行取締役 G. K. Hodges (ホッジス) (70歳) ホッジス氏は2023年2月から非執行取締役である。ホッジス氏は監査委員会およびリスク委員会の委員である。 職歴 ホッジス氏は、銀行業務、公共政策およびコーポレート・ガバナンスの分野で40年を超える経験を有している。同氏は一貫して、構造的変化の時期においては特に、業務の卓越性、ステークホルダーの関与および戦略的変革に重点を置いてきた。 同氏はキャンベラのオーストラリア連邦財務省でキャリアを開始し、その後ワシントンD.C.の国際通貨基金(IMF)に出向した。1991年にANZに入社し、27年にわたるキャリアの中で、副最高経営責任者、オーストラリアのリテール部門の最高経営責任者、法人銀行部門のマネジング・ディレクターおよびニュージーランドの最高経営責任者など、次々と上級管理職を歴任した。ANZでは、ANZナショナル・バンク・リミテッドの取締役も務め、ANZグループのニュージーランド事業の運営を担当した。 以前は、ANZ特別資産管理(SAM)の理事会、EsandaおよびANZウェルスなど、主要なANZの組織の会長を務め、オーストラリア政府の高齢者ケア資金調達機関で高齢者ケアの資金調達に関する政策に貢献した。 関連する他の取締役職 現在、リージス・ヘルスケア・リミテッドの会長(2017年から取締役、2018年から会長)であり、アセンブル・コミュニティーズの取締役(2017年から)である。 2026年2月に任命更新予定 0
    役職名 氏名 (年齢) 略歴 任期 所有株式 数(1)
    独立非執行取締役 H. S. Kramer (クレイマー) (61歳) クレイマー氏は2023年8月から非執行取締役である。クレイマー氏はリスク委員会の委員である。 職歴 クレイマー氏は小売、通信、製造およびデジタルの分野で35年を超える国際的な経験を有している。同氏は顧客中心の変革、デジタル・イノベーションおよび強固な職場カルチャーの構築に関する専門知識で知られている。経営幹部としての経歴には、最高経営責任者としてベスト・アンド・レスの再建を成功に導いたことが挙げられる。また、オーストラリアおよび米国において、テルストラ、パシフィック・ブランズおよびフォード・モーター・カンパニーで上級職を歴任した。 同氏は、オーストラリアおよびニュージーランドの両国において主要な上場および非上場企業の取締役を幅広く務め、報酬、持続可能性ならびに監査およびリスクに関する委員会の委員長を務めた。また、連邦報酬審判所の所長であり、以前は西シドニー大学の副総長であった。 関連する他の取締役職 現在、マッキノンの会長(2024年から)であり、連邦報酬審判所の所長(2024年から)であり、ANZGHLの取締役(2023年から)およびフォンテラ・コーポラティブ・グループ・リミテッドの取締役(2020年から)であり、ベイン・アンド・カンパニーの取締役会諮問グループの委員(2021年から)であり、ポリネーションの上級顧問(2023年から)である。 関連する過去3年間の取締役職 以前は、アバカス・グループ・ホールディングスの取締役(2018年から2022年)、エンデバー・グループ・リミテッドの取締役(2021年から2023年)およびウールワース・グループ・リミテッドの取締役(2016年から2025年)であり、西シドニー大学の副総長(2018年から2024年)であった。 ANZGHLの2026年度年次株主総会で任命更新予定 0
    役職名 氏名 (年齢) 略歴 任期 所有株式 数(1)
    独立非執行取締役 監査委員会委員長 C. E. O'Reilly (オライリー) (64歳) オライリー氏は2021年11月から非執行取締役である。オライリー氏はリスク委員会の委員である。 職歴 オライリー氏は、金融サービスおよびインフラの分野で30年を超える財務および公共政策の経験を有している。また、オーストラリアの多数の主要企業の取締役を歴任した経験豊富な非執行取締役でもある。 オライリー氏はガスネット・オーストラリア・グループの最高経営責任者を務め、業界の重大な変革期に同社の運営および戦略的方向性を統括した。その後、オーストラリア・コモンウェルス銀行の傘下にあるコロニアル・ファースト・ステート・グローバル・アセット・マネジメントで非上場インフラ投資部門の共同ヘッドを務め、大規模資本プロジェクトおよび長期投資ポートフォリオを管理した。 キャリア初期は、プライスウォーターハウスの公認会計士であり、ロイズ・コーポレート・アドバイザリーおよびケンタウロスで8年間コーポレート・アドバイザリー業務に従事した。 関連する他の取締役職 現在、オーストラリア・パシフィック・エアポーツ・コーポレーションの会長(2024年から)であり、ANZGHLの取締役(2022年から)、ノルフィナ・リミテッド(サンコープ・バンク)の取締役(2024年から)、BHPグループ・リミテッドの取締役(2020年から)およびインフラストラクチャー・ビクトリアの取締役(2023年から)である。 関連する過去3年間の取締役職 以前は、ベーカー心臓・糖尿病研究所の理事(2013年から2023年)およびストックランドの取締役(2018年から2024年)であった。 ANZGHLの2027年度年次株主総会で任命更新予定 0
    役職名 氏名 (年齢) 略歴 任期 所有株式 数(1)
    独立非執行取締役 J. P. Smith (スミス) (64歳) スミス氏は2022年8月から非執行取締役である。スミス氏はリスク委員会の委員である。 職歴 スミス氏は、通信、金融サービス、製造およびエネルギーの分野で30年を超える経験を有している。同氏はテクノロジーとビジネスの成果の調和に関する専門知識で知られており、イノベーション、デジタル・トランスフォーメーションおよび機敏かつ協働的なカルチャーの構築に特に注力している。 同氏はIBMコーポレーションの最高情報責任者などの経営幹部を務め、同社ではIT戦略、リソース、システムおよびインフラならびに会社のアジャイル・トランスフォーメーションを世界的に統括した。また、テルストラ、ハネウェル、トヨタおよびサンコープ・グループで上級職を歴任し、サンコープ・ビジネス・サービスの最高情報責任者および最高経営責任者の両方を務めた。その後、ワールド・フューエル・サービシズ・コーポレーションで業務執行副社長兼最高執行責任者としてデジタル・トランスフォーメーションおよび業務近代化の取組みを主導した。 また、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズおよびボックス・インクなどのテクノロジー企業への助言も行ってきた。公共サービス分野では、オーストラリアのフルブライト委員会に貢献し、2016年から2019年までANZの国際技術・デジタル事業諮問委員会の委員を務めた。 関連する他の取締役職 現在、ANZGHLの取締役(2022年から)、ANZサービス会社の取締役(2022年から)、ソンライ・セキュリティ・インクの取締役(2021年から)およびペクサ・オーストラリア・リミテッドの取締役(2023年から)であり、ワールド・フューエル・サービシズの顧問(2023年から)である。 ANZGHLの2025年度年次株主総会で任命更新予定 0
    役職名 氏名 (年齢) 略歴 任期 所有株式 数(1)
    独立非執行取締役 S. A. St John (セント・ジョン) (61歳) セント・ジョン氏は2024年3月から非執行取締役である。セント・ジョン氏は監査委員会およびリスク委員会の委員である。 職歴 セント・ジョン氏はニュージーランドで、特に金融市場の分野で、35年を超えるビジネス経験を有している。同氏は引き続きニュージーランドの企業、慈善活動および教育の分野で戦略的リーダーシップを発揮している。 セント・ジョン氏はファースト・ニュージーランド・キャピタル(現ジャーデン)の最高経営責任者として15年間にわたり業務を主導し、同社の著しい成長および市場開拓を指揮した。在任中、ファースト・ニュージーランド・キャピタルは国内外で多数の事業を育成し、いずれも重要な企業へと成長させた。 同氏は、資本市場開発タスクフォース、金融市場監督局設立委員会に参加し、証券業協会の会長を務め、ニュージーランドの金融規制環境の形成に重要な役割を果たしてきた。また、ASX議長フォーラムのオーストラリア企業取締役協会の会員であり、ニュージーランド金融専門家協会のフェロー、ニュージーランド取締役協会のチャータードフェローおよびオーストラリア・ニュージーランド公認会計士協会の会員である。2017年から2021年までオークランド大学の総長を務め、2009年から大学評議会の評議員でもあった。 関連する他の取締役職 現在、ANZバンク・ニュージーランド・リミテッドの会長(2024年から、2021年から取締役)およびマーキュリー・ニュージーランド・リミテッドの会長(2024年から、2017年から取締役)であり、ANZGHLの取締役(2024年から)およびネクスト財団の理事(2017年から)である。 関連する過去3年間の取締役職 以前は、フィッシャー・アンド・パイケル・ヘルスケア・コーポレーション・リミテッドの会長(2020年から2024年、2015年から取締役)であり、フォンテラ・コオペラティブ・グループ・リミテッドの取締役(2016年から2024年)であった。 ANZGHLの2027年度年次株主総会で任命更新予定 0

    注:(1) 本書日付現在。この文脈において、「株式」とは(本書の提出会社として)ANZBGLが発行した普通株式を意味する。本再編後、ANZBGLの普通株式は公開市場において上場も取引もされていない。

    ②執行役員

    本書提出日現在、ANZBGLの経営幹部および執行役員(非執行取締役を除く。)は以下のとおりである。

    男性6名、女性4名(執行役員のうち女性の比率40.0%)

    役職名 氏名 (年齢) 略歴 現在の役職 への就任 当グループ への入社 所有株式 数(1)
    最高経営責任者 N Matos (マトス) (58歳) 上記「①取締役」に記載の略歴を参照のこと。 2025年5月 2025年5月 0
    グループ執行役員(人材・カルチャー担当) E Clements (クレメンツ) (52歳) 銀行、自動車、日用消費財、医薬品および専門的サービスなどの多様な業界にわたる世界的組織で人材およびカルチャーに関する25年を超える経験を有している。 ANZにおける過去の役職 これまで、法人部門の人材・カルチャー担当ジェネラル・マネジャー、コーポレートおよび商業銀行業の人材・カルチャー担当ヘッド、グローバル・テクノロジー・サービス&オペレーションズ部門の人材・カルチャー担当ヘッド、人材・カルチャー担当シニア・マネジャーを務めた。 2023年10月 2007年10月 0
    最高財務責任者(「CFO」) F Faruqui (ファルーキ) (61歳) 金融サービス業界で25年を超える経験を有している。 ANZにおける過去の役職 これまで、グループ執行役員(国際担当)、国際銀行部門の最高経営責任者を務めた。 ANZ入社前の役職 以前は、シティのアジア太平洋地域のコーポレートおよび投資銀行業担当ヘッド、シティのアジア太平洋地域のグローバル・ローンおよびレバレッジ・ファイナンス担当ヘッド兼資本市場の債券部門ヘッドを務めた。 2021年10月 2014年7月 0
    グループ執行役員(ビジネス・プライベート・バンク担当) C Morgan (モーガン) (47歳) オーストラリアおよび米国でビジネスおよび法人向けバンキングの販売および商品に関する様々な役職を務めたため、金融サービスおよび経営コンサルティングに関する豊富な経験を有している。 ANZ入社前の役職 以前は、オーストラリア・コモンウェルス銀行(「CBA」)の小規模事業バンキング担当エグゼクティブ・ジェネラル・マネジャーを務めた。14年間CBAでキャリアを積み、企業融資、テクノロジーおよび戦略に関する多様な役職を歴任した。 2023年3月 2023年3月 0
    役職名 氏名 (年齢) 略歴 現在の役職 への就任 当グループ への入社 所有株式 数(1)
    グループ最高リスク責任者(「CRO」) C Palmer (パーマー) (59歳) 企業リスク管理、ガバナンスおよび信用リスクの分野における30年を超える国際経験を有している。 ANZ入社前の役職 以前は、英国サンタンデール銀行の最高リスク責任者、オールダーモア・グループのグループ最高リスク責任者、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド・グループPLCのオペレーショナルリスク・サポート機能・事業売却部門グローバル・ヘッド兼リスク・サービス部門ディレクター、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド・グループPLCのコーポレート・バンキング部門の最高リスク責任者、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド・グループPLCの非中核部門・資産保護スキーム担当最高リスク責任者を務めた。 2025年12月 2025年12月 0
    グループ最高情報責任者(「CIO」) D Patra (パトラ) (57歳) 中核的なバンキング・プラットフォームの近代化、データおよびAI能力の拡張ならびにサイバーおよびオペレーショナル・レジリエンスの組込みなど、数十億ドル規模のデジタル変革プログラムを主導した。 また、高パフォーマンスなグローバルチームの結成、規制当局、事業関係者および技術提供者を横断する強力なパートナーシップの構築でも評価されている。 ANZ入社前の役職 以前は、HSBC銀行PlcおよびHSBCヨーロッパの最高情報責任者、HSBCのアメリカ担当最高情報責任者、HSBCのラテンアメリカ、インドおよび香港担当最高情報責任者を務めた。 2025年11月 2025年11月 0
    グループ執行役員(オーストラリア・リテール担当) P Rodeia (ロデイア) (57歳) オーストラリア、EU、英国および米国を含む20以上の市場における30年を超えるリテール・バンキングの経験を有している。 ANZ入社前の役職 以前は、フィナルタ・バイ・マッキンゼーの取締役会会長、マッキンゼー・アンド・カンパニーのグローバル株主評議会理事、マッキンゼー・アンド・カンパニーの技術・知識・能力委員会の委員長を務めた。 2025年11月 2025年11月 0
    役職名 氏名 (年齢) 略歴 現在の役職 への就任 当グループ への入社 所有株式 数(1)
    グループ執行役員兼最高経営責任者(ニュージーランド担当) A Watson (ワトソン) (56歳) ニュージーランド、英国、オーストラリアおよびハンガリーの専門的サービスおよび金融サービス部門で25年を超える経験を有している。 ANZにおける過去の役職 これまで、グループ執行役員兼最高経営責任者代理(ニュージーランド担当)、リテールおよびビジネス・バンキング担当マネジング・ディレクター、ニュージーランド担当最高財務責任者、ニュージーランド担当ファイナンシャル・コントローラーを務めた。 2019年12月 2009年4月 0
    グループ執行役員(法人担当) M Whelan (ウィーラン) (65歳) 銀行業界で35年を超える経験を有し、アジア市場ならびに法人銀行業、コーポレートおよび商業銀行業の経験が豊富である。 ANZにおける過去の役職 これまで、最高経営責任者(オーストラリア担当)、オーストラリアの商業銀行業担当マネジング・ディレクター、アジア、ヨーロッパおよびアメリカの法人部門担当マネジング・ディレクター、アジアの法人部門担当マネジング・ディレクター、マーケッツ担当マネジング・ディレクター、マーケッツ部門セールス担当ヘッドを務めた。 2016年2月 2004年11月 0
    グループ執行役員(オペレーション担当) S White (ホワイト) (54歳) 金融サービス、情報技術、顧客体験および経営コンサルティングにおける30年を超える経験を有し、トランスフォーメーション、オペレーション、テクノロジー、顧客サービス、金融犯罪対策、デジタル化、調達およびサイバーセキュリティなど、豊富な知識を備えている。 ANZ入社前の役職 以前は、英国サンタンデールの最高執行責任者、ヨークシャー・ビルディング・ソサエティの暫定最高経営責任者、ヨークシャー・ビルディング・ソサエティの最高執行責任者、アライド・アイリッシュ・バンク・グループのグループ最高執行責任者、ナショナル・オーストラリア銀行の顧客処理・決済担当エグゼクティブ・ジェネラル・マネジャー、ナショナル・オーストラリア銀行のビジネス・バンキング担当エグゼクティブ・ジェネラル・マネジャー兼最高執行責任者を務めた。 2025年10月 2025年10月 0

    注:(1) 本書日付現在。この文脈において、「株式」とは(本書の提出会社として)ANZBGLが発行した普通株式を意味する。本再編後、ANZBGLの普通株式は公開市場において上場も取引もされていない。

    2025年9月30日現在、取締役または執行役員間において家族関係はなかった。

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    (3)【監査の状況】

    ① 監査委員会

    ANZBGLは、ANZGHLから独立した独自の監査委員会(「監査委員会」)を有する。ANZBGLの監査委員会の構成は、ANZBGLの監査委員会のみの構成員であるグラハム・ホッジスおよびジョン・チンコッタを除いて、ANZGHLの監査委員会と同一である。

    ANZBGLの監査委員会憲章の条項は、ANZGHLのものと実質的に同一である。

    ANZBGLの監査委員会の目的、役割および責任は、実質的にANZGHLのものと同一である。ANZGHLの監査委員会については、上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-② ANZGHLのコーポレート・ガバナンス-7.2 監査委員会」を参照のこと。

    監査委員会の委員の氏名および2025年度に開催された監査委員会会議への出席状況は、下表のとおりである。

    取締役の氏名 出席資格を有する 会議の開催回数 出席回数
    P D オサリバン 8 8
    A ジェリー(1) 3 3
    J P チンコッタ 8 8
    R B M ギブ 8 8
    G K ホッジス 8 8
    C E オライリー(委員長) 8 8
    S A セント・ジョン 8 8

    (1) 2025年5月9日付で非執行取締役を退任。

    当年度における監査委員会の活動状況および具体的な検討内容は、以下を含むがこれらに限定されない。

    ・ ANZBGLおよび当グループに関する以下の事項の監督およびレビューの提供により取締役会を支援する。

    - 財務報告原則および方針、統制ならびに手続き

    - 取締役会がその有効性を確保するのを支援する内部統制およびリスク管理の枠組み

    - 同委員会の委員長を通じて同委員会に機能上の報告経路を有し、同委員会に自由に接触できる当グループの内部監査機能の業務

    - 当グループとANZグループの財務書類の差異の検討を含む、当グループの財務書類およびその独立監査の完全性ならびに関連する法律および規制上の要件の当グループによる遵守

    - デュー・デリジェンス手続

    - 財務報告に関連する健全性の監督手続きおよびその他の規制上の要件

    - ANZBGLの外部監査人の任命および交代

    - 取締役会から付託されたその他の事項

    ・ 外部監査役に関して、

    - 外部監査人の選定、評価および必要に応じて交代を監督する。

    - 年次の監査契約書を見直し、同意する。

    - 年次の監査計画(内部監査との調整を含む。)を見直および承認を行い、規制上の要件の達成を確保し、監査およびレビュー業務に課される報酬を承認する。

    - 外部監査人が提供できる非監査業務の分野を決定する。

    - 外部監査人が請け負うすべての監査および監査関連業務ならびに非監査業務の事前承認もしくはその他の承認を与える。事前承認の権限は同委員会の委員長に委任される、および/または同委員会により適用された特定の事前承認方針に従う。

    - 外部監査人が提供するすべての非監査業務に対する同委員会の承認について株主への開示を確保するよう努める。

    - 当グループの財務書類と活動に関して外部監査人が作成および発行した監査報告書をレビューおよび監督し、懸念事項が適切適時な方法で管理および是正されていることを監視する。

    - 重要な会計方針、国際財務報告基準に相当するオーストラリア基準(AIFRS)に基づき認められている財務情報のすべての代替処理ならびに外部監査人と経営陣との間のその他のすべての書面によるコミュニケーションに関して、外部監査人が作成した報告書の検討とレビューを行う。

    - 当グループの財務報告に関する外部監査人と経営陣との意見の相違を解決する。

    - 外部監査人の客観性および独立性に影響を与える可能性のあるすべての関係を外部監査人と協議し、外部監査人が独立した立場にあり、そのような独立性を損なうまたは損なうと見なされるような利益相反の状況がないことを確認する。

    - 当グループとのすべての関係の詳細を含む独立性に関する年次および半期の声明を外部監査人が作成および提出することの確保に努める。

    - 外部監査人の有効性について毎年の見直しを行う。

    - 主任監査パートナーの交代、外部監査人の従業員および元従業員の雇用方針を含む、外部監査人の独立性、適合性、適切性および資格について毎年の見直しを行う。

    - 当グループの監査に関与する外部監査法人またはその代表者が、規制当局による品質の審査を受けているかどうかを毎年検討する。

    ANZBGLの監査委員会と実質的に同一であるANZGHLの監査委員会の目的、権限、機能および職務、委員の適格性および会議に関する要求事項に関する詳細は、ANZウェブサイト(www.anz.com/shareholder/centre/about/corporate-governance/)に掲載されている「ANZ 監査委員会憲章」を参照のこと。

    ② 内部監査

    ANZBGLは独立した内部監査機能を有さず、ANZGHLの内部監査機能がANZBGLの内部監査を担っている。ANZGHLの内部監査については、上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-② ANZGHLのコーポレート・ガバナンス-8.1 内部監査」を参照のこと。

    ③ 会計監査

    **(**ⅰ) 外部監査人

    ⅰ. 外部監査人の名称: KPMG

    ⅱ. 継続監査期間: 外部監査人は1969年以降連続して監査関連業務を行っている。

    ⅲ. 業務を執行した公認会計士の氏名: Maria Trinci(マリア・トリンチ)

    ⅳ. 監査業務に係る補助者の構成: 非公開

    **(**ⅱ) 外部監査人を選定した理由(外部監査人の選定(または解任もしくは不再任の決定)方針を含む)

    上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-② ANZGHLのコーポレート・ガバナンス-8.2 外部監査」に記載されているANZウェブサイト内の「外部監査人との関係についての利害関係人に係るエンゲージメント・モデル」を参照のこと。

    「外部監査人との関係についての利害関係人に係るエンゲージメント・モデル」に概説されているとおり、監査委員会は、

    ・ 外部監査人の選任、報酬、維持および監督の責任を有する(財務報告に関する経営陣と外部監査人の間の意見の相違の解決を含む。)。

    ・ 採用ごとに、または監査委員会により適用された特定の事前承認方針に基づき、すべての監査、監査関連業務および非監査業務を事前に承認する。

    ・ 外部監査人の独立性を定期的に評価する(最低年に1度の正式なレビューを含む。)

    ・ 外部監査人の有効性を定期的に検証する(最低年に1度の正式なレビューを含む。)

    ・ 外部監査人による業務の提供に対応する採用モデルを維持する。

    **(**ⅲ) 最近2連結会計年度における外部監査人の異動

    該当なし。

    **(**ⅳ) 監査委員会による外部監査人の評価の内容

    上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-② ANZGHLのコーポレート・ガバナンス-8.2 外部監査」に記載されているANZウェブサイト内の「外部監査人との関係についての利害関係人に係るエンゲージメント・モデル」を参照のこと。

    監査委員会は、監査の外部入札を開始するかを含め、外部監査人の正式な年次業績評価を実施する。在任期間、監査の質、地域的および国際的な手腕や実績、独立性ならびにサンコープ・バンクの監査人としての豊富な知識や実績などの関連要因を考慮した後、監査委員会は2026年9月30日終了年度の監査についてKPMGの再任を決議した。監査委員会による外部監査人の職務遂行状況の評価の詳細は開示されていない。

    **(**ⅴ) 監査人報酬

    ⅰ. 外部監査人に対して支払った報酬

    「第6 経理の状況-1 財務書類」の2025年度財務書類の注記32「監査人報酬」を参照のこと。

    下記の表では、オーストラリアの外部監査人に対して支払われた監査報酬その他の報酬を記載している。

    2025年 2024年
    KPMGオーストラリアに対する報酬 (単位:千ドル)
    ANZBGL(グループ)
    財務報告書の監査またはレビュー 14,923 11,016
    監査関連業務 5,643 4,597
    非監査業務 168 27
    20,734 15,640
    ANZBGL(親会社)
    財務報告書の監査またはレビュー 12,304 10,486
    監査関連業務 4,533 4,528
    非監査業務 168 27
    17,005 15,041
    子会社
    財務報告書の監査またはレビュー 2,619 530
    監査関連業務 1,110 69
    非監査業務 - -
    3,729 599

    ⅱ. 外部監査人と同一のネットワークに属する組織に対して支払った報酬

    下記の表では、オーストラリア以外の外部監査人の関連法人に対して支払われた監査報酬その他の報酬を記載している。

    2025年 2024年
    KPMG(オーストラリア以外)に対する報酬 (単位:千ドル)
    ANZBGL(グループ)
    財務報告書の監査またはレビュー 6,163 5,930
    監査関連業務 2,303 2,191
    非監査業務 96 153
    8,562 8,274
    ANZBGL(親会社)
    財務報告書の監査またはレビュー 2,223 2,058
    監査関連業務 1,022 809
    非監査業務 - -
    3,245 2,867
    子会社
    財務報告書の監査またはレビュー 3,940 3,872
    監査関連業務 1,281 1,382
    非監査業務 96 153
    5,317 5,407

    ⅲ. 非監査業務の内容

    2001年会社法および業界の最良慣行の要件を組込んだ当グループの「外部監査人との関係についての当グループの利害関係人に係るエンゲージメント・モデル」(以下「本方針」という。)は、外部監査人が外部監査人としての役割と対立するまたは独立性の要件に違反すると考えられるサービスを提供することを防止している。これは、コンサルティングの助言および経営陣が通常行う業務上の活動の下請け、ならびに外部監査人が自身の業務について意見を表明することが最終的に必要となる可能性のある契約を含む。

    具体的に本方針は以下を定める。

    ・ 提供可能な非監査業務の範囲を限定する。

    ・ 監査業務、監査関連業務および認められる非監査業務については、監査委員会により承認を受けるか、または監査委員会委員長(もしくは代表者)により承認を受け監査委員会に通知する前に、独立性の規定に照らしてかつ潜在的な利益相反を考慮することを必要とする。

    ・ 当グループのための一切の契約を外部監査人が開始するには、事前承認を必要とする。

    本方針の詳細は、上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-② ANZGHLのコーポレート・ガバナンス-8.2 外部監査」に記載する。

    外部監査人は監査委員会に対して、以下を確認した。

    ・ 適用法域における独立ルールを確実に遵守する手続きを実施した。

    ・ 当該法域において非監査業務の提供および本方針に関する適用ある政策および規則を遵守した。

    監査委員会は、2025年度につき外部監査人が提供した非監査業務を検討し、これらの業務の提供は本方針に一致すること、2001年会社法が課す監査人の独立性に関する一般基準に矛盾しないこと、また2001年会社法における監査人の独立性の要件を損なわなかったことを確認した。

    これは監査委員会により取締役会に正式に報告された。

    2025年9月30日に終了した年度中に外部監査人であるKPMG、またはKPMGを代理して他の者もしくは事務所により当グループに提供された非監査業務の分類、および当グループが支払済みまたは支払うべき金額(物品・サービス税を含む。)は以下のとおりである。

    支払済金額/未払金額
    非監査業務 2025年度 2024年度
    (単位:千ドル)
    方法、手続き、オペレーションおよび管理のレビュー 264 180
    合計 264 180

    KPMGに対して支払った報酬の詳細については、下記「第6 経理の状況-1 財務書類」の2025年度財務書類の注記32「監査人報酬」を参照のこと。かかる報酬には当年度に提供された監査関連業務に対する報酬795万ドル(2024年度:679万ドル)が含まれる。

    上記の理由から、取締役は、2025年9月30日に終了した年度中の外部監査人による非監査業務の提供が、2001年会社法が課す外部監査人の独立性に関する一般基準に矛盾しないこと、また2001年会社法における監査人の独立性の要件を損なわなかったことに満足している。

    ⅳ. その他の重要な監査証明業務に基づく報酬

    該当事項なし。

    ⅴ. 外部監査人に対する報酬の額の決定に関する方針

    監査委員会が外部監査人の報酬の額を決定する責任を有する。

    ⅵ. 監査委員会が同意をした理由

    監査委員会は、当グループの事業活動の性質および規模に対して期待される外部監査人の作業成果の評価に加え、オーストラリアにおける類似の銀行に関する監査報酬案の見直しを含む一定の要因を十分考慮し、外部監査人の報酬案に同意した。

    (4)【役員の報酬等】

    該当事項なし。

    (5)【株式の保有状況】

    該当事項なし。

    第6【経理の状況】

    (イ)本書記載のオーストラリア・ニュージーランド銀行(「当行」)ならびに当行およびその被支配法人(当行と合わせて、「当グループ」)の2025年9月30日現在ならびに同日に終了した事業年度の財務書類(連結財務書類および個別財務書類)は、オーストラリア会計基準(「AASs」)、およびオーストラリア会計基準審議会(「AASB」)が発行したその他の権威ある公表文書、2001年会社法、ならびに国際会計基準審議会(「IASB」)が公表した国際会計報告基準(「IFRS」)および解釈指針に準拠して作成されたものである。なお、当行および当グループの英文財務書類はオーストラリア証券投資委員会(「ASIC」)に提出され、オーストラリア証券取引所で公衆の縦覧に供されている。

    当行が採用した会計基準、会計手続きおよび表示方法と、日本において一般に公正妥当と認められている企業会計基準、会計手続きおよび表示方法との主な相違点に関しては「4.日本とオーストラリアとの会計原則の相違」に記載されている。

    本書記載の財務書類は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)(「財務諸表等規則」)第328条第1項の規定の適用を受けている。

    (ロ)2025年9月30日現在ならびに同日に終了した事業年度の財務書類は、当行のオーストラリアの会計監査人であるケーピーエムジーの監査を受けている。監査報告書および同意書は、本書に掲載されている。

    なお、ケーピーエムジーによる監査を受けたことにより、当行および当グループの財務書類は「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」(昭和32年大蔵省令第12号)第1条の2の規定で定めるところの、監査証明に相当すると認められる証明を受けたとみなされるため、金融商品取引法第193条の2第1項第1号の規定に基づき日本の公認会計士または監査法人による監査を受けていない。

    (ハ)本書記載の当行および当グループの財務書類(原文)は、豪ドルで表示されている。以下の財務書類に「円」で表示されている金額は、「財務諸表等規則」第331条の規定に基づき、2025年12月1日現在の、株式会社三菱UFJ銀行公表の対顧客電信直物売相場(1豪ドル=103.95円)の為替レートにより換算したものである。

    (ニ)日本円への換算額ならびに「2.主な資産・負債及び収支の内容」から「4.日本とオーストラリアとの会計原則の相違」に関する記載は、当行の原文の財務書類に含まれておらず、上記(ロ)の監査の対象にもなっていない。

    1【財務書類】

    損益計算書

    9月30日終了事業年度 注記 連結 当行
    2025年 2024年 2025年 2024年
    (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円)
    受取利息(1) 63,959 6,648,538 60,678 6,307,478 50,309 5,229,621 49,868 5,183,779
    支払利息 (46,056) (4,787,521) (44,641) (4,640,432) (38,727) (4,025,672) (38,622) (4,014,757)
    純利息収益 2 17,903 1,861,017 16,037 1,667,046 11,582 1,203,949 11,246 1,169,022
    その他営業収入 3 4,245 441,268 4,484 466,112 5,452 566,735 9,791 1,017,774
    営業収入 22,148 2,302,285 20,521 2,133,158 17,034 1,770,684 21,037 2,186,796
    営業費用 4 (12,866) (1,337,421) (10,669) (1,109,043) (10,081) (1,047,920) (8,777) (912,369)
    貸倒引当金繰入および 法人税控除前利益 9,282 964,864 9,852 1,024,115 6,953 722,764 12,260 1,274,427
    貸倒引当金(繰入)/戻入 13 (435) (45,218) (406) (42,204) (428) (44,491) (126) (13,098)
    税引前利益 8,847 919,646 9,446 981,912 6,525 678,274 12,134 1,261,329
    法人税 5 (2,771) (288,045) (2,816) (292,723) (1,486) (154,470) (1,879) (195,322)
    当期利益 6,076 631,600 6,630 689,189 5,039 523,804 10,255 1,066,007
    内訳:
    当行株主に帰属する利益 6,035 627,338 6,595 685,550 5,039 523,804 10,255 1,066,007
    非支配持分に帰属する利益 41 4,262 35 3,638 - - - -

    (1) 償却原価で測定される金融資産またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産について、実効金利法を使用して算出された受取利息が、当グループに59,066百万ドル(2024年度:55,717百万ドル)、当行に44,346百万ドル(2024年度:43,743百万ドル)含まれている。

    82ページから200ページ(訳注:原文のページ番号である。)の注記は本財務書類の一部である。

    包括利益計算書

    9月30日終了事業年度 連結 当行
    2025年 2024年 2025年 2024年
    (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円)
    当期利益 6,076 631,600 6,630 689,189 5,039 523,804 10,255 1,066,007
    その他の包括利益
    将来、損益に組み替えられない項目
    投資有価証券-FVOCIで測定される 持分証券 (137) (14,241) 148 15,385 (137) (14,241) 145 15,073
    その他の準備金の増減(1) (59) (6,133) (17) (1,767) (39) (4,054) (6) (624)
    将来、損益に組み替えられる可能性のある項目
    為替換算調整勘定 (602) (62,578) (930) (96,674) 208 21,622 (399) (41,476)
    キャッシュフロー・ヘッジ準備金 843 87,630 2,069 215,073 723 75,156 1,888 196,258
    その他の準備金の増減 508 52,807 (774) (80,457) 455 47,297 (763) (79,314)
    上記項目に帰属する法人税 (327) (33,992) (402) (41,788) (296) (30,769) (344) (35,759)
    関連会社のその他の包括利益の持分(2) 12 1,247 (23) (2,391) - - - -
    当期包括利益合計 6,314 656,340 6,701 696,569 5,953 618,814 10,776 1,120,165
    包括利益合計の内訳:
    当行株主に帰属するもの 6,308 655,717 6,676 693,970 5,953 618,814 10,776 1,120,165
    非支配持分(1) 6 624 25 2,599 - - - -

    (1) 当グループには、非支配持分に帰属する為替換算差額-35百万ドル(2024年度:10百万ドル)が含まれている。

    (2) 当グループにおいて将来、損益に組み替えられる可能性のある、関連会社のその他の包括利益に対する当グループの持分には、以下が含まれる。

    2025年 2024年
    (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円)
    FVOCI準備金の利益/(損失) 18 1,871 (10) (1,040)
    確定給付制度の利益/(損失) (6) (624) (13) (1,351)
    合計 12 1,247 (23) (2,391)

    82ページから200ページ(訳注:原文のページ番号である。)の注記は本財務書類の一部である。

    貸借対照表

    9月30日現在 注記 連結 当行
    2025年 2024年 2025年 2024年
    (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円)
    資産
    現金および現金同等物 8 155,209 16,133,976 150,965 15,692,812 145,060 15,078,987 137,288 14,271,088
    ANZの未収決済残高 23,394 2,431,806 5,484 570,062 22,030 2,290,019 5,019 521,725
    支払担保 9,831 1,021,932 10,090 1,048,856 8,552 888,980 8,797 914,448
    売買目的資産 9 48,248 5,015,380 45,755 4,756,232 40,608 4,221,202 38,427 3,994,487
    デリバティブ金融商品 10 47,480 4,935,546 54,370 5,651,762 50,531 5,252,697 57,627 5,990,327
    投資有価証券 11 165,540 17,207,883 140,262 14,580,235 136,585 14,198,011 113,966 11,846,766
    正味貸付金および前渡金 12 829,986 86,277,045 804,032 83,579,126 612,855 63,706,277 588,998 61,226,342
    規制上の預け金 541 56,237 665 69,127 245 25,468 222 23,077
    被支配法人に対する債権 - - - - 24,390 2,535,341 24,315 2,527,544
    被支配法人に対する持分 24 - - - - 24,488 2,545,528 24,316 2,527,648
    関連会社に対する投資 25 1,140 118,503 1,415 147,089 - - - -
    当期税金資産 25 2,599 19 1,975 24 2,495 19 1,975
    繰延税金資産 5 3,327 345,842 3,302 343,243 2,953 306,964 2,750 285,863
    のれんおよびその他の無形資産 20 5,762 598,960 5,421 563,513 999 103,846 995 103,430
    土地建物および設備機器 2,283 237,318 2,388 248,233 1,693 175,987 1,807 187,838
    その他資産 4,905 509,875 5,417 563,097 3,456 359,251 3,645 378,898
    資産合計 1,297,671 134,892,900 1,229,585 127,815,361 1,074,469 111,691,053 1,008,191 104,801,454
    負債
    ANZの未払決済残高 31,144 3,237,419 16,188 1,682,743 27,189 2,826,297 11,317 1,176,402
    受取担保 7,428 772,141 6,583 684,303 6,579 683,887 6,061 630,041
    預金およびその他の借入金 14 956,401 99,417,884 905,166 94,092,006 751,573 78,126,013 703,870 73,167,287
    デリバティブ金融商品 10 43,902 4,563,613 55,254 5,743,653 47,769 4,965,588 57,467 5,973,695
    被支配法人に対する債務 - - - - 27,055 2,812,367 25,660 2,667,357
    当期税金負債 537 55,821 360 37,422 172 17,879 59 6,133
    繰延税金負債 5 226 23,493 64 6,653 183 19,023 61 6,341
    支払債務およびその他の負債 15 15,147 1,574,531 18,594 1,932,846 12,153 1,263,304 14,474 1,504,572
    従業員受給権 688 71,518 644 66,944 488 50,728 457 47,505
    その他引当金 21 2,479 257,692 1,584 164,657 1,959 203,638 1,319 137,110
    発行済社債 16 169,274 17,596,032 156,388 16,256,533 133,491 13,876,389 122,950 12,780,653
    負債合計 1,227,226 127,570,143 1,160,825 120,667,759 1,008,611 104,845,113 943,695 98,097,095
    純資産 70,445 7,322,758 68,760 7,147,602 65,858 6,845,939 64,496 6,704,359
    株主資本
    普通株式資本 22 27,053 2,812,159 27,065 2,813,407 26,976 2,804,155 26,988 2,805,403
    準備金 22 (1,379) (143,347) (1,678) (174,428) (735) (76,403) (1,676) (174,220)
    利益剰余金 22 44,032 4,577,126 42,602 4,428,478 39,617 4,118,187 39,184 4,073,177
    当行株主に帰属する株式資本 および準備金 69,706 7,245,939 67,989 7,067,457 65,858 6,845,939 64,496 6,704,359
    非支配持分 22 739 76,819 771 80,145 - - - -
    株主資本合計 70,445 7,322,758 68,760 7,147,602 65,858 6,845,939 64,496 6,704,359

    82ページから200ページ(訳注:原文のページ番号である。)の注記は本財務書類の一部である。

    キャッシュフロー計算書

    9月30日終了事業年度 連結 当行
    2025年 2024年 2025年 2024年
    (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円)
    当期利益 6,076 631,600 6,630 689,189 5,039 523,804 10,255 1,066,007
    営業活動による(に使用された)純キャッシュフローとの調整:
    予想信用損失引当金 435 45,218 406 42,204 428 44,491 126 13,098
    関連会社に対する投資の減損 285 29,626 - - - - - -
    減価償却費および償却費 1,100 114,345 944 98,129 750 77,963 749 77,859
    のれんおよびその他の無形資産の減損 71 7,380 9 936 70 7,277 9 936
    正味デリバティブ/外貨換算調整 3,868 402,079 3,244 337,214 3,972 412,889 1,876 195,010
    投資の売却による(利益)/損失 - - 21 2,183 - - - -
    その他の非現金項目の増減 10 1,040 (19) (1,975) 104 10,811 111 11,538
    営業資産の純(増加)/減少:
    支払担保 579 60,187 (1,968) (204,574) 603 62,682 (1,581) (164,345)
    売買目的資産 (20,740) (2,155,923) (3,204) (333,056) (19,217) (1,997,607) (4,355) (452,702)
    正味貸付金および前渡金 (29,236) (3,039,082) (33,546) (3,487,107) (20,605) (2,141,890) (30,642) (3,185,236)
    正味グループ内貸付金および前渡金 - - - - 1,665 173,077 (1,204) (125,156)
    その他資産 26 2,703 (268) (27,859) (477) (49,584) (343) (35,655)
    営業負債の純増加/(減少):
    預金およびその他の借入金 50,130 5,211,014 43,060 4,476,087 39,097 4,064,133 41,140 4,276,503
    ANZの未払決済残高 15,331 1,593,657 (2,905) (301,975) 16,056 1,669,021 (5,127) (532,952)
    受取担保 595 61,850 (3,368) (350,104) 234 24,324 (2,922) (303,742)
    その他の負債 (2,502) (260,083) 2,010 208,940 (1,670) (173,597) 1,347 140,021
    調整額合計 19,952 2,074,010 4,416 459,043 21,010 2,183,990 (816) (84,823)
    営業活動による(に使用された)純キャッシュフロー(1) 26,028 2,705,611 11,046 1,148,232 26,049 2,707,794 9,439 981,184
    投資活動によるキャッシュフロー
    サンコープ・バンクの買収、 取得現金控除後 - - (4,914) (510,810) - - (6,247) (649,376)
    投資有価証券資産:
    購入 (83,292) (8,658,203) (84,777) (8,812,569) (71,410) (7,423,070) (77,131) (8,017,767)
    売却または満期による手取金 59,746 6,210,597 47,542 4,941,991 51,074 5,309,142 42,662 4,434,715
    事業売却による手取金、売却事業 保有現金控除後 - - 686 71,310 - - - -
    被支配法人に対する持分の純増減額 - - - - (163) (16,944) (21) (2,183)
    その他資産への純投資 (453) (47,089) (604) (62,786) (470) (48,857) (486) (50,520)
    投資活動による(に使用された)純キャッシュフロー (23,999) (2,494,696) (42,067) (4,372,865) (20,969) (2,179,728) (41,223) (4,285,131)
    財務活動によるキャッシュフロー
    預金およびその他の借入金の(返済)/実行 (1,429) (148,545) (1,014) (105,405) - - - -
    発行済社債:(2)
    発行額 45,938 4,775,255 50,604 5,260,286 37,241 3,871,202 46,870 4,872,137
    償還額 (38,584) (4,010,807) (25,367) (2,636,900) (31,346) (3,258,417) (21,886) (2,275,050)
    配当金支払額 (4,665) (484,927) (5,252) (545,945) (4,627) (480,977) (5,220) (542,619)
    自己株式の市場での購入 (126) (13,098) (126) (13,098) (126) (13,098) (126) (13,098)
    リース負債の返済 (377) (39,189) (342) (35,551) (305) (31,705) (271) (28,170)
    資本の払戻し - - (2,000) (207,900) - - (2,000) (207,900)
    ANZバンク・ニュージーランド 永久優先株式 - - 252 26,195 - - - -
    財務活動による(に使用された)純キャッシュフロー 757 78,690 16,755 1,741,682 837 87,006 17,367 1,805,300
    現金および現金同等物の純増加/ (減少) 2,786 289,605 (14,266) (1,482,951) 5,917 615,072 (14,417) (1,498,647)
    現金および現金同等物の期首残高 150,965 15,692,812 168,154 17,479,608 137,288 14,271,088 154,408 16,050,712
    現金および現金同等物に関する 為替レート変動の影響 1,458 151,559 (2,923) (303,846) 1,855 192,827 (2,703) (280,977)
    現金および現金同等物の期末残高 155,209 16,133,976 150,965 15,692,812 145,060 15,078,987 137,288 14,271,088

    (1) 当グループの営業活動による(に使用された)純キャッシュフローは、利息受取額64,001百万ドル(2024年度:59,657百万ドル)、利息支払額46,965百万ドル(2024年度:43,537百万ドル)および法人税納付額3,080百万ドル(2024年度:2,925百万ドル)を含む。当行の営業活動による(に使用された)純キャッシュフローは、利息受取額50,320百万ドル(2024年度:49,705百万ドル)、利息支払額39,189百万ドル(2024年度:38,351百万ドル)および法人税納付額2,053百万ドル(2024年度:2,084百万ドル)を含む。

    (2) 発行済社債に係る現金を伴わない変動には、当グループについては、主に公正価値ヘッジ調整および為替損失による未実現変動からの損失5,542百万ドル(2024年度:711百万ドルの利益)が含まれており、当行については、主に公正価値ヘッジおよび為替損失による未実現変動からの損失4,647百万ドル(2024年度:246百万ドルの利益)が含まれている。

    82ページから200ページ(訳注:原文のページ番号である。)の注記は本財務書類の一部である。

    持分変動計算書

    連結 普通株式資本 準備金 利益剰余金 当行株主に帰属する株式資本および準備金
    (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円)
    2023年10月1日現在 29,082 3,023,074 (1,796) (186,694) 41,277 4,290,744 68,563 7,127,124
    当期利益/(損失) - - - - 6,595 685,550 6,595 685,550
    当期その他の包括利益 - - 101 10,499 (20) (2,079) 81 8,420
    当期包括利益合計 - - 101 10,499 6,575 683,471 6,676 693,970
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額 - - - - (5,267) (547,505) (5,267) (547,505)
    その他の資本増減:
    従業員持株およびオプション制度 (17) (1,767) 23 2,391 4 416 10 1,040
    ANZバンク・ニュージーランド 永久優先株式(1) - - - - (4) (416) (4) (416)
    資本の払戻し (2,000) (207,900) - - - - (2,000) (207,900)
    その他の項目 - - (6) (624) 17 1,767 11 1,143
    2024年9月30日現在 27,065 2,813,407 (1,678) (174,428) 42,602 4,428,478 67,989 7,067,457
    当期利益/(損失) - - - - 6,035 627,338 6,035 627,338
    当期その他の包括利益 - - 296 30,769 (23) (2,391) 273 28,378
    当期包括利益合計 - - 296 30,769 6,012 624,947 6,308 655,717
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額 - - - - (4,580) (476,091) (4,580) (476,091)
    その他の資本増減:
    従業員持株およびオプション制度 (12) (1,247) (1) (104) 2 208 (11) (1,143)
    その他の項目 - - 4 416 (4) (416) - -
    2025年9月30日現在 27,053 2,812,159 (1,379) (143,347) 44,032 4,577,126 69,706 7,245,939
    連結 非支配持分 株主資本合計
    (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円)
    2023年10月1日現在 522 54,262 69,085 7,181,386
    当期利益/(損失) 35 3,638 6,630 689,189
    当期その他の包括利益 (10) (1,040) 71 7,380
    当期包括利益合計 25 2,599 6,701 696,569
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額 (32) (3,326) (5,299) (550,831)
    その他の資本増減:
    従業員持株およびオプション制度 - - 10 1,040
    ANZバンク・ニュージーランド 永久優先株式(1) 256 26,611 252 26,195
    資本の払戻し - - (2,000) (207,900)
    その他の項目 - - 11 1,143
    2024年9月30日現在 771 80,145 68,760 7,147,602
    当期利益/(損失) 41 4,262 6,076 631,600
    当期その他の包括利益 (35) (3,638) 238 24,740
    当期包括利益合計 6 624 6,314 656,340
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額 (38) (3,950) (4,618) (480,041)
    その他の資本増減:
    従業員持株およびオプション制度 - - (11) (1,143)
    その他の項目 - - - -
    2025年9月30日現在 739 76,819 70,445 7,322,758

    (1) 当グループの構成会社であるANZバンク・ニュージーランドが発行した永久優先株式は、当グループの非支配持分とみなされる。詳細は、注記22「株主資本」を参照のこと。

    82ページから200ページ(訳注:原文のページ番号である。)の注記は本財務書類の一部である。

    持分変動計算書

    当行 普通株式資本 準備金 利益剰余金 株主資本合計
    (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円) (百万ドル) (百万円)
    2023年10月1日現在 29,005 3,015,070 (2,222) (230,977) 34,195 3,554,570 60,978 6,338,663
    当期利益 - - - - 10,255 1,066,007 10,255 1,066,007
    当期その他の包括利益 - - 527 54,782 (6) (624) 521 54,158
    当期包括利益合計 - - 527 54,782 10,249 1,065,384 10,776 1,120,165
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額 - - - - (5,267) (547,505) (5,267) (547,505)
    その他の資本増減:
    従業員持株およびオプション制度 (17) (1,767) 23 2,391 4 416 10 1,040
    資本の払戻し (2,000) (207,900) - - - - (2,000) (207,900)
    その他の項目 - - (4) (416) 3 312 (1) (104)
    2024年9月30日現在 26,988 2,805,403 (1,676) (174,220) 39,184 4,073,177 64,496 6,704,359
    当期利益 - - - - 5,039 523,804 5,039 523,804
    当期その他の包括利益 - - 942 97,921 (28) (2,911) 914 95,010
    当期包括利益合計 - - 942 97,921 5,011 520,893 5,953 618,814
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額 - - - - (4,580) (476,091) (4,580) (476,091)
    その他の資本増減:
    従業員持株およびオプション制度 (12) (1,247) (1) (104) 2 208 (11) (1,143)
    2025年9月30日現在 26,976 2,804,155 (735) (76,403) 39,617 4,118,187 65,858 6,845,939

    82ページから200ページ(訳注:原文のページ番号である。)の注記は本財務書類の一部である。

    次へ

    2【主な資産・負債及び収支の内容】

    上記「1 財務書類」中の財務書類および注記を参照のこと。

    3【その他】

    (1) 事業年度末以降に生じた重要事象

    2025年9月30日以降本書提出日現在まで、「第2 企業の概況-3 事業の内容-(5) 最近の進展」に記載された事項を除き、当グループにとり重要な後発事象は生じていない。

    (2) 訴訟等

    当グループに対する係属中の裁判、請求および請求の可能性がある。必要ある場合、専門家による法律上の助言を得て、かかる助言に照らして、適切とみなされる引当金の引当て(「1 財務書類-注記21(その他引当金)」)および/または開示が行われている。場合により、実際的ではないため、またはかかる開示が当グループの利益を害する可能性があるため、当グループは個別事項の財務上の予想影響額を開示していないことがある。

    詳細については、上記「1 財務書類-注記31(コミットメント、偶発債務および偶発資産)」を参照のこと。さらに完全を期すため、上記「第3 事業の状況-3 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性」中の「16.訴訟および偶発債務は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」という項目名のリスク要因の開示も参照のこと。

    4【日本とオーストラリアとの会計原則の相違】

    本書記載の当グループおよび当行の財務書類(連結財務書類および個別財務書類)(「財務書類」)は、オーストラリア会計基準(AAS)およびオーストラリア会計基準審議会(AASB)が発行したその他の権威ある公表文書(「AGAAP」と総称する。)に準拠して作成されている。国際財務報告基準(IFRS)はAGAAPの基礎を成している。

    以下の記述は、当グループが適用するAGAAPと日本基準の重要な差異を概説したものである。当グループは、財務書類および関連注記の開示に関して、AGAAPと日本基準との間の比較表を作成しておらず、かかる差異を定量化していない。したがって、以下のAGAAPと日本基準の差異の概説が完全であるという保証はない。

    投資の決定にあたって、投資家は当グループ、申込の条件および財務情報に関する自らの検証に依拠しなければならない。投資家はAGAAPと日本基準の差異、およびそれらの差異がどのように本書の財務情報に影響を与えるかを理解するために、自身の専門アドバイザーに相談すべきである。

    AGAAP、AGAAPの基礎となるIFRSおよび日本基準を公表する組織は、比較に将来重要な影響を与えうる継続中のプロジェクトを複数抱えている。さらに、所定の会計基準の変更の結果生じるAGAAPおよび日本基準の今後の差異を特定することは行っていない。

    投資家は、投資を行うかどうかの決定にあたって、AGAAPと日本基準とでは結果が大きく異なりうることを前提とすべきである。当グループの連結当期純利益、資産および株主持分の決定に影響を与える可能性がある、AGAAPおよび日本基準の間の重要な差異は、以下のとおりである。

    (a) 連結

    被支配法人の識別

    AGAAPにおいて、グループの連結財務諸表には、親会社および親会社が支配するすべての会社(すなわち子会社。組成された事業体を含む。)の財務諸表が含まれている。「支配」は、当グループが事業体に関与することで変動するリターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ事業体に対するパワーを通じてそのリターンに影響を及ぼす能力を有する場合に存在するとみなされる。パワーは、当グループに当該事業体の関連活動を指示する現在の能力を与える既存の権利を検討することで評価される。場合により、支配の決定には判断を伴う。

    日本基準においても、原則として親会社は支配しているすべての会社等を連結することが求められている。日本基準において、会社(親会社)は他の会社の意思決定機関を支配している場合、支配が存在するとみなされる。ただし、一定の要件を満たす特別目的会社(SPE)については、子会社の定義に該当しないものと推定され、連結しないことができる。

    連結事業体の会計方針の統一

    AGAAPにおいて、財務諸表は統一した会計方針を使用して作成される。

    日本基準においては、親会社および子会社が連結財務諸表を作成するために採用する会計原則は、原則として統一されていなければならない。「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」によれば、在外子会社の所在地国の会計原則に準拠して作成された財務諸表は原則として親会社の会計方針(日本基準)に修正する必要があるが、在外子会社の財務諸表がIFRSまたは米国会計基準に準拠して作成されている場合は、修正額に重要性が乏しい場合を除いて、のれんの償却および退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理等の一定の項目を修正した場合に、これを連結決算上利用できることと規定されている。

    (b) 売却目的で保有する非流動資産および非継続事業

    AGAAPにおいては、売却目的保有に分類される要件を満たす資産は、帳簿価額又は売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で測定され、財政状態計算書(貸借対照表)において区分表示が求められる。非継続事業への区分が求められる構成単位の経営成績は、包括利益計算書において区分表示される。

    日本基準においては、売却目的で保有する非流動資産および非継続事業を扱う基準はないため、区分開示は求められない。

    (c) 株式報酬

    AGAAPにおいては、株式報酬の付与後に株価に関する条件が充たされずに報酬の確定後に失効が生じた場合、損益計算書への調整は行わない。

    日本基準においては、権利の確定後に失効が生じた場合、以前に計上された株式報酬費用は戻し入れられ、損益計算書に戻入益を計上する。

    (d) のれん

    AGAAPにおいては、企業結合で取得したのれんは償却される代わりに毎年減損についてテストし、また事象や状況の変化が減損の可能性を示している場合は、より頻繁に減損テストを実施する。減損損失をその後戻し入れることは認められていない。

    日本基準においては、企業結合により発生するのれんの償却は20年以内の期間にわたって規則的に償却される。のれんを含む、より大きな単位について、減損の兆候がある場合等の一定の場合には、のれんに減損の兆候があることとなり、のれんの未償却簿価は減損テストが行われる。

    (e) 資産の減損

    AGAAPのもとでは、以下の減損テストが求められる。

    ・各報告日において、有形固定資産または耐用年数を確定できる無形資産(または無形資産が配分された資金生成単位(「CGU」))に減損の兆候があるかどうかを判断する。

    ・耐用年数が確定できないまたは使用可能になっていない無形資産およびのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず年次で減損テストを実施する。

    減損テストにあたり、資産またはCGUの帳簿価格はその回収可能価額と比較される。当該回収可能価額が資産またはCGUの簿価より小さい場合には、当該差額を減損として認識する。回収可能価額は、資産またはCGUの公正価値から売却費用を控除した金額と、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引いて算出した使用価値のいずれか高い方の額である。

    無形資産(のれんを除く)または有形固定資産について以前認識された減損損失は、減損損失がその後減少したか、もはや存在しなくなった場合には損益計算書に戻し入れられる。ただし、増加する資産額は、過年度において当該資産について減損損失が認識されていなかった場合に決定されたであろう帳簿価格(減価償却費を控除後)を超えてはならない。のれんに対する減損損失を、その後戻入れることは認められていない。

    日本基準においても、減損会計は基本的にAGAAPと同様である。しかしながら、日本基準の場合、減損テストは減損の兆候がある場合にのみに行われ、簿価と割引前見積将来キャッシュ・フローとを比較し、簿価が高い場合に限り、正味売却価額(売却費用控除後の時価)および使用価値を考慮して減損損失を算定する。減損損失を、その後戻入れることは認められていない。

    (f) 金融資産の分類および測定

    AGAAPのもとでは、金融資産は、管理におけるビジネスモデルおよび契約上のキャッシュ・フローの特性(契約上のキャッシュ・フローが元本および利息の返済のみを表しているかどうか)に基づいて、「償却原価による測定」、「損益を通じた公正価値による測定(FVTPL)」、「その他の包括利益を通じた公正価値による測定(FVOCI)」の3つに分類される。金融資産は、FVTPLで測定するものとして指定することによって、指定しない場合に発生するであろう会計上のミスマッチを消去または大幅に低減する場合に、FVTPLで測定するものとして取消不能の指定をすることができる。売買目的保有でない資本性金融商品は、当初認識時にFVOCIで測定するものとして取消不能の指定をすることができる。

    金融負債は、「償却原価」または、売買目的で保有される場合は「損益を通じた公正価値による測定(FVTPL)」で測定される。加えて、金融負債は以下の場合にFVTPLで測定するものとして指定することができる。

    ・この指定により、指定しない場合に発生する会計上のミスマッチを解消または著しく減少させる場合。

    ・金融負債グループが、文書化されたリスク管理戦略に従って、公正価値で管理され、その実績が公正価値に基づいて評価される場合。

    ・金融負債が1以上の組込デリバティブを含む場合で以下の場合を除く。

    a) 組込デリバティブが、組込デリバティブがない場合には契約によって要求されるキャッシュ・フローを著しく変更しない。

    b) 組込デリバティブが、主契約となる金融負債と密接に関連している。

    金融負債が公正価値で測定するものとして指定されている場合、企業自身の信用リスク変動に係る利益および損失は、その他の包括利益に含められるが、それにより、損益における会計上のミスマッチが生じるまたは拡大する場合を除く。

    日本基準においては、金融資産は金銭債権、有価証券およびデリバティブといった種類別に計上される。有価証券はさらに保有目的別に「売買目的有価証券」「満期保有目的の債券」「子会社株式及び関連会社株式」、「その他有価証券」に分類される。「金銭債権」、「子会社株式及び関連会社株式」は取得原価で計上される。「満期保有目的の債券」は取得原価(債券を債券金額で取得した場合)または償却原価(債券を債券金額と異なる価額で取得した場合において、取得価額と債券金額との差額の性格が金利の調整と認められる場合)のいずれかで計上される。「売買目的有価証券」および「デリバティブ取引から生じる正味の資産」は時価で計上され、評価差額は当期の損益として処理される。「その他有価証券」は、時価で計上され、評価差額は原則として純資産の部に計上される。

    金融負債は、「金銭債務」および「デリバティブ取引から生じる正味の負債」に区分される。金銭債務は債務額をもって計上される。「デリバティブ取引から生じる正味の負債」は時価で計上され、評価差額は当期の損益として処理される。

    日本基準においては、金融商品の公正価値オプションは認められていない。

    (g) 金融資産の減損

    AGAAPのもとでは、償却原価またはFVOCIに分類される負債性金融商品、リース債権、契約資産、またはAASB第9号の減損規定が適用されるFVTPL以外のローン・コミットメントおよび金融保証契約について予想信用損失に対する損失評価引当金が認識される。減損は、当初認識以降の信用悪化の程度に基づき3つのステージを用いたアプローチ(予想信用損失モデル)により損失評価引当金が認識される。

    日本基準において、債権は債務者の状況に応じた3つの区分に分類され、区分ごとに算定された貸倒見積高に基づいて貸倒引当金が計上される。「満期保有目的の債券」、「子会社株式及び関連会社株式」ならびに「その他有価証券」の時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理しなければならない。

    (h) 金融資産の譲渡による認識の中止

    AGAAPのもとでは、金融資産の譲渡による認識の中止は、譲渡企業の譲渡資産に対する支配およびリスク/経済価値のエクスポージャーをどの程度留保しているかに基づいて行われる。所有に伴うすべてのリスクおよび経済価値が実質的には留保も移転もされない取引において、当該資産に対する支配権が失われた場合に当該資産の認識は中止される。一方、金融資産に対する支配の一部が留保される譲渡取引において、企業は継続的関与の範囲内(企業が譲渡資産の価値変動にさらされる範囲)について引き続き認識を継続する。

    日本基準においては、財務構成要素アプローチに基づき、金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転した場合に、金融資産の譲渡による認識の中止を行う。金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転するのは、(a) 譲渡された金融資産に対する譲受人の契約上の権利が譲渡人およびその債権者から法的に保全され、(b) 譲受人が譲渡された金融資産の契約上の権利を直接または間接に通常の方法で享受でき、(c) 譲渡人が譲渡した金融資産を当該金融資産の満期前に買戻すまたは償還する権利および義務を実質的に有していない場合である。

    (i) ヘッジ会計

    AGAAPのもとでは、公正価値ヘッジ、キャッシュフロー・ヘッジ、海外事業に対する純投資ヘッジが認められている。公正価値ヘッジの場合、ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動とヘッジ手段の公正価値の変動は、ともに損益計算書に計上される。キャッシュフロー・ヘッジおよび海外事業に対する純投資ヘッジの場合、ヘッジ手段の公正価値の変動のうち有効部分は資本の部に計上され、非有効部分は直ちに損益計算書に計上される。キャッシュフロー・ヘッジに関連して、

    ・ヘッジ手段が消滅、売却、解除された、またはもはやヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合、資本の部に繰延べられた累積額はキャッシュフロー・ヘッジ準備金に留保され、その後ヘッジ対象が損益計算書に計上される際に損益計算書に振替えられる。

    ・予定取引がもう発生しないと予想される場合、資本の部に繰延べられた金額は直ちに損益計算書に計上される。

    海外事業に対する純投資ヘッジに関連し、資本の部に認識された累積損益は、海外事業の処分または一部処分の際に損益計算書に認識される。

    日本基準においては、ヘッジに有効性がある場合は原則として「繰延ヘッジ」が適用される。「繰延ヘッジ」とは、ヘッジ手段の公正価値の変動を、対応するヘッジ対象の損益が認識されるまで資本の部に計上する方法である。この例外として、売却可能有価証券(いわゆる「その他有価証券」)の価格変動リスクをヘッジする際には、「時価ヘッジ」を適用することができる。「時価ヘッジ」では、上記AGAAPの公正価値ヘッジと同様に、ヘッジ対象およびヘッジ手段の両方の公正価値の変動を同時に損益計算書に認識する。

    (j) 確定給付制度

    AGAAPのもとでは、各確定給付制度の確定給付債務の現在価値(予測単位積増方式を用いて計算される)が各制度の資産の公正価値より大きい場合には確定給付負債が認識される。また、この計算によって資産が生じる場合、回収可能な額を上限とする確定給付資産が認識される。各報告期間において、正味確定給付負債(資産)の増減は、以下のように取扱われる。

    ・当期の勤務費用、正味確定給付負債の利息純額、過去勤務費用およびその他の費用(例えば、縮小および清算の影響など)に関する増減(純額)は、損益計算書の営業費用に計上される。

    ・正味確定給付負債(資産)のうち数理計算上の差異および制度資産からの収益(利息純額に含まれる受取利息を除く)を構成する部分の再測定は、その他包括利益を通じて利益剰余金に直接計上される。

    ・雇用者の拠出額は正味確定給付負債(資産)に直接認識される。

    日本基準においては、退職給付債務額は「給付算定式基準」または「期間定額基準」のいずれかを用いて計算される。

    利息費用は退職給付債務に割引率を乗じて算定される。各報告期間において、勤務費用、利息費用、年金資産の期待運用収益、過去勤務費用および数理計算上の差異の当期の費用処理額(その他包括利益からリサイクリング)は、退職給付費用の一部として損益計算書に含まれる。

    未認識の過去勤務費用および数理計算上の差異については、その他包括利益を通じて貸借対照表の資本の部に認識される。過去勤務費用および数理計算上の差異については、従業員の平均残存勤務期間の範囲内の一定の年数で、営業費用として損益計算書に計上することとされており、また発生時に費用処理する方法も認められている。

    (k) 個別財務諸表における持分法

    AGAAPのもとで、当行は親会社の個別財務諸表において関連会社に対する投資に持分法を適用している。日本基準においては、関連会社に対する投資は個別財務諸表において取得原価で計上される。

    (l) リース(借手の会計処理)

    AGAAPのもとでは、借手は単一の会計モデルに基づき、すべてのリース(少額資産および短期のリースを除く)を貸借対照表に認識しなければならない。その結果、借手は対象リース資産をリース期間にわたって使用する権利を使用権(ROU)資産として認識し、リース料の支払義務をリース負債として認識する。また、損益計算書において、借手はROU資産に関する減価償却費とリース負債に対する支払利息を認識する。

    日本の基準において、リース取引は、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分類される。基本的に、契約に定められた期間の中途においてノンキャンセラブルかつ資産の使用に伴うコストとかかる使用からもたらされる経済的便益が実質的に借手に移転している場合には、ファイナンス・リース取引、それ以外をオペレーティング・リース取引とする。原則として、ファイナンス・リース取引については売買と同様の会計処理を行い、オペレーティング・リース取引については賃貸借と同様の会計処理を行う。

    企業会計基準委員会は、IFRSおよびAGAAPに概ね整合する新リース会計基準を公表しており、2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首より適用されることになっている。

    (m) 共同支配下の企業結合

    AGAAPのもとでは、共同支配下の企業または事業の結合は、AASB第3号企業結合の範囲から除外されており、明示された規定はない。

    日本基準において、共同支配下の企業または事業間の結合について企業会計基準等で規定されている。共同支配下の取引は、原則として、移転直前に付されていた適正な帳簿価額を引き継ぐ。

    (n) 保険契約

    AGAAPのもとでは、保険に関する会計基準は、保険契約の定義に該当する契約に対して適用される。保険契約に対して保険契約負債が計上される。保険契約負債は、保険契約グループについて現在価値で測定され、履行キャッシュ・フローおよび契約上のサービス・マージン(「CSM」)で構成される。履行キャッシュ・フローは、非財務リスクに関するリスク調整とともに、将来キャッシュ・フローの保険契約からのキャッシュ・フローを反映した割引率による現在価値の最善の見積りで構成される。CSMは、未稼得利益を表す。保険契約負債は毎期更新される。

    不利な契約による損失は、直ちに損益計算書に認識される。契約初日に損益は認識されず、CSMは、契約グループの予想カバー期間にわたるサービス提供に応じて、規則的に損益に認識される。新契約費は、履行キャッシュ・フローの一要素として繰延べられる。

    日本基準においては、保険に関する会計処理は、保険業法上の免許を受けた保険会社に適用される。保険会社の保険契約負債として、保険契約準備金が計上される。その内容および計算は保険業法およびその関連規則により詳細に定められている。特定の契約に関して、前提条件は、規制当局によって規定されている。保険契約負債は契約時の計算前提に基づいて積み立てられる。各年度末に再計算されるが、その際計算前提の見直しはされず、代わりに保険契約負債の十分性の検討が行われ、必要な場合には追加の負債が認識される。

    日本基準においては、保険料は収受した時点で損益計算書に認識される。新契約費は、発生時に費用処理され、繰延べられない。

    (o) 引当金

    AGAAPのもとでは、引当金は、過去の事象の結果として現在の債務(法的または推定的)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、かつ信頼性のある見積りが可能な場合に認識される。引当金の金額の見積り、および不利な契約や再編費用を含む特定の種類の引当金を認識すべき時期に関する具体的なガイダンスが存在する。

    日本基準においては、将来の特定の費用または損失に関連し、当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ金額を合理的に見積もることができる場合に引当金を認識する。

    第7【外国為替相場の推移】

    当行の財務書類の表示に用いられた豪ドルと日本円との間の為替相場が、国内において時事に関する事項を掲載する2以上の日刊新聞紙に最近5年間の事業年度において掲載されているので、記載を省略する。

    第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】

    該当事項なし。

    第9【提出会社の参考情報】

    1【提出会社の親会社等の情報】

    該当事項なし。

    2【その他の参考情報】

    (1) 有価証券報告書及びその添付書類

    事業年度 (自 令和5年10月1日 至 令和6年9月30日) 令和6年12月17日に関東財務局長に提出

    (2) 半期報告書

    半期報告書 事業年度中 (自 令和6年10月1日 至 令和7年3月31日) 令和7年6月24日に関東財務局長に提出

    (3) 臨時報告書

    企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の規定に基づき臨時報告書を令和7年5月13日に関東財務局長に提出

    (4) 訂正報告書

    該当事項なし

    (5) 発行登録書(募集)

    令和7年2月28日に関東財務局長に提出

    (6) 発行登録書(売出)

    令和7年2月28日に関東財務局長に提出

    (7) 訂正発行登録書(募集)

    令和7年5月13日に関東財務局長に提出

    (8) 訂正発行登録書(売出)

    令和7年5月13日に関東財務局長に提出

    (9) 発行登録追補書類(募集)

    該当事項なし

    (10) 発行登録追補書類(売出)

    該当事項なし

    第二部【提出会社の保証会社等の情報】

    第1【保証会社情報】

    1【保証の対象となっている社債】

    該当事項なし。

    2【継続開示会社たる保証会社に関する事項】

    該当事項なし。

    3【継続開示会社に該当しない保証会社に関する事項】

    該当事項なし。

    第2【保証会社以外の会社の情報】

    該当事項なし。

    第3【指数等の情報】

    該当事項なし。

    (訳文)

    独立監査人の同意書

    オーストラリア・ニュージーランド銀行

    取締役会 御中

    私たちは、2025年9月30日終了事業年度に係るオーストラリア・ニュージーランド銀行の年次報告書に含まれるオーストラリア・ニュージーランド銀行の財務報告書に関連した2025年11月7日付のオーストラリア・ニュージーランド銀行の独立監査人の監査報告書が、金融商品取引法に従って2025年12月16日またはその前後に関東財務局長に提出される有価証券報告書の中に含まれることに同意する。

    ケーピーエムジー(署名)

    マリア・トリンチ(署名)

    パートナー

    オーストラリア、メルボルン市

    2025年12月16日

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