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    6645 オムロン 有価証券報告書-第87期(2023/04/01-2024/03/31)

    </>

    4【関係会社の状況】

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_006" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_007" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_008" />

    (注)1 IABはインダストリアルオートメーションビジネス、HCBはヘルスケアビジネス、SSBはソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス、DMBはデバイス&モジュールソリューションズビジネス、DSBはデータソリューションビジネス、本社他は技術・知財本部等の本社機能の略称であり、主たる事業内容に基づくセグメントを記載しています。

    2 特定子会社です。

    3 有価証券報告書を提出しています。

    4 オムロンソーシアルソリューションズ株式会社の売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)は、連結売上高に占める割合が10%を超えています。

     主要な損益情報等
    ①売上高    109,595百万円 ②法人税等、持分法投資損益控除前当期純利益  8,677百万円
    ③当期純利益  6,616百万円 ④純資産額  58,747百万円 ⑤総資産額  92,468百万円

    5 上記関係会社中に、重要な債務超過の状況にある会社はありません。

    5【従業員の状況】

    (1) 連結会社の状況

    2024年3月31日現在
    セグメントの名称 従業員数(人)
    インダストリアルオートメーションビジネス 10,008
    ヘルスケアビジネス 4,467
    ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス 2,846
    デバイス&モジュールソリューションズビジネス 6,920
    データソリューションビジネス 1,823
    本社他 2,386
    合計 28,450

     (注)従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの

        出向者を含む)です。

    (2) 提出会社の状況

    2024年3月31日現在
    従業員数(人) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(千円)
    4,538 45.0 16.1 8,739

     (注)1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)です。

        2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。

    2024年3月31日現在
    セグメントの名称 従業員数(人)
    インダストリアルオートメーションビジネス 2,496
    ヘルスケアビジネス
    ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス
    デバイス&モジュールソリューションズビジネス 949
    データソリューションビジネス 33
    本社他 1,060
    合計 4,538

     (注)従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)です。

    (3) 労働組合の状況

    2024年3月31日現在

    名称 オムロングループ労働組合連合会 (全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会)
    結成年月 1978年4月
    組合員数(人) 7,311

    なお、会社と労働組合との間には、特記すべき事項はありません。

    (4)従業員の多様性に関する指標
    提出会社

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_009" />

    連結子会社

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_010" />

    (注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。提出会社及び常時雇用する労働者が101人以上の連結子会社を記載しております。なお、「-」は、労働者人数を原籍会社にてカウントしております。

         2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業の取得割合を算出したものです。提出会社及び常時雇用する労働者が101人以上の連結子会社を記載しております。

         3 「*」は、対象となる従業員が無いことを示しています。

         4 男女賃金差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づく情報公表の求めは常時雇用する労働者301人以上ですが、法の求めを超えて101人以上の連結子会社を対象として記載しております。賃金制度・体系において性別による差異はなく、主に賃金の高い高位職層における女性比率が低いことによるものです。女性管理職比率の向上に関する取組み等については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本に関する取組み」に記載しております。

    第2【事業の状況】

    1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

     ここでは、(1)経営方針、(2)長期ビジョン「Shaping The Future 2030」(2022~2030年度)、(3)「SF2030」における中期経営計画(SF 1st Stage)の変更、(4)構造改革プログラム「NEXT2025」で構成しています。

     なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

    また、文中における「営業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「試験研究開発費」 を控除したものを表示しています。

    (1) 経営方針

    ①当社グループの企業理念

     当社グループでは、1959年に創業者・立石一真が、社憲「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」を制定しました。その後、社憲の精神を企業理念へと進化させ、時代に合わせて改定しながら受け継ぎ、事業発展の原動力また求心力として数々のイノベーションを生み出し、社会の発展と人々の生活の向上に貢献してきました。この企業理念を社員一人ひとりが実践することで、事業を通じた社会的課題の解決を目指しています。このためには、世界中の社員の誰もが企業理念の考え方を理解し、行動することが重要であり、現在、グローバルレベルで企業理念の実践を強化しています。

     なお、今後も企業理念を実践し、社会の発展と企業価値の向上に努めていく当社の経営の根幹は普遍であることを明確にするために、第85期定時株主総会(2022年6月23日開催)にて同企業理念を定款に記載する旨の議案を上程し、株主様の賛成を得て定款の一部を変更しました。

    <> <img style={{height: '380.85px', width: 621, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_1.jpg" /> </>

    ②当社グループの存在意義

     当社グループの存在意義は、企業理念の実践そのものです。即ち、「事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献し続けること」に他なりません。社会価値を創出し、正しく利益を得る、再投資するというサイクルを回すことで社会的課題の解決を拡大再生産できる仕組みを構築することが重要と考えています。

    <> <img style={{height: 177, width: 528, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_2.jpg" /> </>

    ③企業理念に基づく経営のスタンス

     当社グループでは、すべてのステークホルダーに対して、事業を通じて企業理念を実践していくための経営の姿勢や考え方を示すものとして、「経営のスタンス」を宣言しています。それらを「長期ビジョン」「オムロングループ マネジメントポリシー」「ステークホルダーエンゲージメント」の各方針に体系化し、実践しています。

    <> <img style={{height: 358, width: '570.13px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_3.jpg" /> </>

     また、この「経営のスタンス」は、企業の永続的な成長を目指すものであるため、当社グループの「サステナビリティ方針」としても同内容を掲げています。

    (サステナビリティ目標値については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 長期ビジョン「Shaping The Future 2030」(2022~2030年度)③「SF2030」サステナビリティ重要課題に記載しています。)

    (参考)企業理念浸透への取組み

     当社グループでは、企業理念を現場に浸透・共鳴させるために様々な活動を行っています。

    <企業理念の実践を支える主な取組み>

    <> <img style={{height: '133.81px', width: 641, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_4.jpg" /> </>

    ・企業理念ダイアログ

     経営トップ自らがグローバル各拠点を訪問し、企業理念について世界各地の経営幹部や現場社員と対話を行います。そこでは、日常業務における企業理念の大切さや、経営トップ自らが事業責任者として企業理念を実践した当時の経験など実例を交えた講話が行われます。その後、参加者が互いの理念実践事例を共有・共鳴し合い、そこでの気づきを踏まえ、今後の企業理念実践アクションプランについて議論が交わされます。このように企業理念ダイアログは、各地の経営幹部や現場社員にとって企業理念の実践に向けた行動を加速する機会となっています。

    ・エンゲージメントサーベイ「VOICE」

     グローバル全社員の生の声をエンゲージメントサーベイ「VOICE」により集計し、当社グループで働く従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を経営陣と社員が一緒に実現する、エンゲージメントマネジメントに取り組んでいます。

     VOICEは2016年から2年に一度実施し、グローバル全従業員に約70問の質問を送り、回答及びフリーコメントを収集しています。前回(2022年9月~10月実施)の調査における回答率は91%、3万8千件のフリーコメントが寄せられました。これらの回答を詳細に分析し、会社の魅力度を測るとともに、経営陣が調査結果から導かれた組織課題についての議論を行い、目標を明確に定めたのちにアクションを推進しています。

    ・The OMRON Global Award (TOGA)

     社員による業務を通じた企業理念実践の物語をグローバル全社員で共有するプログラムです。TOGAは、社員自らが社会的課題の解決に向けた目標を立てることで、企業理念実践にチャレンジし続ける風土の醸成を狙いとしています。日々の仕事や職場における企業理念実践の取組みを全社員で共有し、称えあうことで、企業理念実践への共感、共鳴の輪を拡大しています。

     TOGAについての詳細はウェブサイトをご覧ください。

     https://www.omron.com/jp/ja/about/corporate/vision/initiative/#top

    (2) 長期ビジョン「Shaping The Future 2030」(2022~2030年度)

     当社グループでは、2022年度から2030年度までの長期ビジョン「Shaping The Future 2030」、(略称:「SF2030」)を掲げています。社会が変革期を迎える中、存在意義を発揮し、より多くの社会的課題の解決を通じて社会の発展に貢献し続けるため、自らの変革と新たな価値創造のストーリーを定めたものです。

    ①「SF2030」ビジョンステートメント

    <> <img style={{height: '310.53px', width: '573.2px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_5.jpg" /> </>

     「SF2030」には、「オムロングループ全社員が企業理念を実践し、センシング&コントロール+Think技術で、持続可能な社会をステークホルダーとともにつくっていく」という思いを込めています。

    ②オムロンが創出する社会価値

     社会価値の創出に向けて、オムロンは、社会に与えるインパクトが大きく、オムロンの強みであるオートメーションと顧客資産や事業資産を活かす観点から、3つの社会的課題「カーボンニュートラルの実現への貢献」、「デジタル化社会の実現への貢献」、「健康寿命の延伸への貢献」を設定しました。

     カーボンニュートラルの実現を通じて地球温暖化問題へ取り組み、安心・安全・便利な暮らしと自然環境の両立を実現するエネルギーシステム作りに貢献します。

     デジタル化社会の実現においては、年齢や貧富の差に関わらず、必要な情報を必要な人が得ることができる状態を作ることが求められています。オムロンは、誰もがその恩恵にあずかることができるデジタル化社会の実現を通じて格差社会から生まれる問題の解決に取り組み、人々があらゆる制約から解放され、楽しく創造的でかつ、持続可能な社会を実現するものづくりやインフラ作りに貢献します。

     また、高齢化が進む社会において、健康寿命を延ばすことは、個人はもちろん、家族が幸せな生活を送るためにとても重要なことです。加えて、医療費の抑制といった観点からも重要です。オムロンは健康寿命の延伸のためにあらゆる人が健康で豊かな自立した人生を送るためのヘルスケアシステムを構築することで高齢化社会における問題の解決に真正面から取り組んでいきます。

       <オムロンが捉える社会的課題と創出する社会価値>

    <> <img style={{height: '213.8px', width: '533.33px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_6.jpg" /> </>

     これらの3つの社会的課題の解決による社会インパクトを最大化するために、「SF2030」より、グループのドメインを見直し、改めて4つのドメインを設定するとともに同領域での社会価値を定めました。インダストリアルオートメーションでは、「持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化」への貢献を目指します。ヘルスケアソリューションでは、「循環器疾患の“ゼロイベント”」への貢献を目指します。ソーシャルソリューションでは、「再生可能エネルギーの普及・効率的利用とデジタル社会のインフラ持続性」への貢献を目指します。デバイス&モジュールソリューションでは、「新エネルギーと高速通信の普及」への貢献を目指します。

       <4つのドメインが創出する社会価値>

    <> <img style={{height: '222.2px', width: '533.27px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_7.jpg" /> </>

    インダストリアルオートメーション

     インダストリアルオートメーションでは「持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化」へ貢献します。これまでオムロンは、i-Automation!で、お客様との共創を通じてアプリケーションを創出し、様々な業界のモノづくりの技術革新や人手不足の解消、生産性の向上を実現させてきました。これからは、i-Automation!をさらに進化させ、生産性とエネルギー効率の最大化による地球環境との共存や、人の可能性を最大発揮できる製造現場の構築や業務プロセスの改善やエンジニアリング領域の業務効率向上を通じて作業者の働きがいも両立させるサステナブルな未来を支える製造現場を構築していきます。

    ヘルスケアソリューション

     ヘルスケアソリューションでは、「循環器疾患の“ゼロイベント”」へ貢献します。これまでオムロンは、医療品質の家庭用デバイスをグローバルに普及させ、家庭で計測した血圧データを用いた診断・治療プロセスをつくり、脳・心血管イベント発症の予防に貢献してきました。これからは、イベント発症を未然に防ぐ、新しい予防医療の仕組みを構築することで、誰もが自然と健康に暮らすことのできる社会、質の高い医療を誰もがどこでも受けられる社会の実現を目指していきます。その社会に向けて、日常生活下でバイタルデータが測定できるデバイスの創出、医師の診断・治療の意思決定を支援するアルゴリズムを用いた遠隔診療サービスの導入や、新しい予防医療サービスの開発を実現します。

    ソーシャルソリューション

     ソーシャルソリューションでは、「再生可能エネルギーの普及・効率的利用とデジタル社会のインフラ持続性」への貢献を目指します。オムロンはこれまで、太陽光発電や蓄電池の普及に貢献してきました。これからは、進化したエネルギー制御技術で発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献します。また、社会インフラ領域においては、様々な機器、施設の運用現場を熟知し、日本全国を網羅するサービス網を通じ、運用・保守を支えてきました。これからは、現場システムの効率的な運用を支援するマネジメント&サービスで、運用・保守プロセスを革新していきます。

    デバイス&モジュールソリューション

     デバイス&モジュールソリューションでは、「新エネルギーと高速通信の普及」に貢献します。オムロンはこれまで、電気を繋ぐ・切る技術で、高い性能と品質を持つリレーやスイッチを顧客の製品に組み込み、グローバルに広く提供してきました。これからは、環境負荷の低いエネルギーの導入によりあらゆる機器が直流化します。この変化を踏まえて、オムロンは、放電を安全に制御する技術や故障タイミングを事前に検知する技術で、火災や感電を防ぎ、機器の安全性を高めるデバイスを創出します。また、高速通信の普及では、耐ノイズ性能を高める技術と、これまで培った微細加工技術を用いた量産化により、「途切れない接続」を可能とする高周波対応デバイスを創出します。

    ③「SF2030」におけるサステナビリティ重要課題

     当社グループは「SF2030」のもと、事業の成長とサステナビリティ課題への取組みを一体化して進化させ、推進しています。社会価値と経済価値を生み出すのは、「事業を通じた社会的課題の解決」そのものです。その実現のためには、ソーシャルニーズ創造による新規事業やそれを支える多様な人財づくりが欠かせません。これらは「オムロンの持続的成長」にも繋がります。また、脱炭素・環境負荷低減やバリューチェーンにおける人権の尊重は、「社会の持続的発展」を促すための企業の社会的責任として必須となっています。「SF2030」では、これらの5つのサステナビリティ重要課題に取り組むことで、社会価値と経済価値の両方を創出し、企業価値の最大化を目指します。

    <> <img style={{height: 541, width: '613.07px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_8.jpg" /> </>

      (注) 1 Scope1・2:自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス

              2 Scope3 カテゴリー11:Scope3は自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出。そのうち、カテゴリー11は製造・販売

              した製品・サービス等の使用に伴う排出。

    ※「SF2030オムロンの進化の方向性」など、「SF2030」の詳細は、弊社ウェブサイトに掲載しています。

     特設サイト:https://www.omron.com/jp/ja/sf2030/

    ※サステナビリティ重要課題特定プロセスの詳細は、ウェブサイトをご覧ください。

    https://sustainability.omron.com/jp/omron\_csr/sustainability\_management/

    (3)「SF2030」における中期経営計画(SF 1st Stage)の変更

     当社グループでは、2022年度から2024年度を中期経営計画(以下SF 1st Stage)とし、「SF2030」ビジョン達成に向け、社会的課題を捉えた価値創造と持続的成長への転換を加速する“トランスフォーメーション加速期”と位置付け、社会構造の変化に伴う成長機会を掴み、これまで培った競争力を発揮することにより力強い成長を実現することを目指しました。しかしながら、2023年度は、中国経済の成長鈍化やサプライチェーンの混乱など、事業環境が想定以上に悪化したことに加え、当社グループの成長を牽引する事業やエリアが一部に偏っていたことで、この急激な変化に対応できず、業績が大幅に悪化しました。

     このような状況を受け、当社グループは、当初2024年度までとしていた中期経営計画(SF 1st Stage)を取り下げ、2024年4月1日~2025年9月30日までを「構造改革期間」とし、構造改革プログラム「NEXT2025」を実行することとしました。

     なお、次期中期経営計画(SF 2nd Stage)は2026年度~2030年度を予定しています。

    <中期経営計画の変更>

    <> <img style={{height: 215, width: 478, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_9.png" /> </>

    ①SF 1st Stage方針と進捗

     SF 1st Stageでは「トランスフォーメーションの加速による価値創造への挑戦」を掲げ、この実現に向けて、3つのグループ戦略を設定しました。1つ目は、事業のトランスフォーメーションです。具体的には、4コア事業(制御機器事業・ヘルスケア事業・社会システム事業・電子部品事業)の進化、顧客資産型サービス事業の拡大、社会的課題起点での新規事業の創出に取り組みました。4コア事業の進化については、それぞれが成長領域を見直し注力事業を設定し、新たな価値創造の実現による売上成長の牽引を目指しました。2つ目は、企業運営・組織能力のトランスフォーメーションです。事業環境の変化に適応しながら価値創造し続けるために、ダイバーシティ&インクルージョンの加速、DXによるデータドリブンの企業運営、サプライチェーンのレジリエンス向上に取り組みました。そして、3つ目は、サステナビリティへの取組み強化です。特に、脱炭素・環境負荷低減に向けた温室効果ガス排出量の削減、バリューチェーンにおける人権尊重の徹底に取り組みました。

     以上の戦略のもと、SF1st Stageでは、財務目標と事業戦略とサステナビリティを融合させた非財務目標を設定しました。

     SF 1st Stageの初年度の2022年度においては、上海ロックダウンやグローバルでのインフレ拡大、部材の逼迫などの影響を大きく受ける中でも高水準の受注残に対応すべく供給力強化を加速させたことや、全社で価格適正化等の付加価値率改善に継続するなどしたことで、売上高、営業利益ともに過去最高業績を更新し、ROIC(投下資本利益率)とROE(株主資本利益率)は、ともに10%を超える水準となりましたが、2023年度は、上述のとおり大幅な業績悪化となり、財務目標とした各指標も2022年度比で大幅に悪化しました。

     一方で、非財務目標の取組みにおいては、温室効果ガスの排出量について当初目標を達成、人権の取組み状況も計画通りに達成するなど、概ね順調に推移しています。

    これらの取組みが評価され、2023年度もDJSI-Worldに継続して選定されています。

      <SF1st Stage 財務目標と進捗>

    <> <img style={{height: 154, width: 555, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_10.png" /> </>

       <SF1st Stageの非財務目標と進捗>

    <> <img style={{height: '550.33px', width: 548, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_11.png" /> </>

    (注) 1.非財務目標に記載されている数値は、2022年度に設定したSF 1st Stageの当初設定目標

          2.「カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」に繋がる注力事業の売上高

          3.GHG:温室効果ガス

          4.リージョン:米州、欧州、アジア、中華圏、韓国、日本

          5.2023年4月3日出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社を含む4月20日時点の当社及び連結子会社集計値

          6.2022年度のGHG排出量は、上海ロックダウン等の一時的な影響を含めた数値

          7.2024年4月20日時点の当社及び連結子会社集計値

          8.非財務目標の⑧から⑩は、社員投票で決定した目標

          9.*はJMDC社を含む

    ②JMDC社連結子会社化とデータソリューション事業本部の新設

    JMDC社との資本業務提携

     当社は、健診やレセプト等の医療データと血圧値等の日常生活下でのバイタル・活動データの突合による予防ソリューションの創出を目的に、株式会社JMDC(以下、JMDC社)と2022年2月22日に資本業務提携契約を締結しました。
     業務提携以降、当社のJMDC社事業へ理解と相互の信頼関係の構築は順調に進み、2023年4月には、オムロンヘルスケア株式会社が提供するスマートフォン健康管理アプリ「OMRON connect」とJMDC社が保険者向けに提供しているPHRサービス「PepUp」間のデータ連携を開始しました。また、2023年6月には、当社やJMDC社を含めた代表幹事企業8社(これらに加え会員企業・団体は140団体)により、社員の健康を通じた日本企業の競争力向上と企業健保の持続可能性を目的とした「健康経営アライアンス」(注)を設立する等、両社の協業は加速しました。

    (注)2024年4月30日時点では、代表幹事企業9社、これらを含めた会員企業・団体392社が「健康経営アライアンス」に参加しています。

      「健康経営アライアンス」の詳細は下記ウェブサイトをご覧ください。

        https://kenkokeiei-alliance.com/

    JMDC社連結子会社化とデータソリューション事業本部の新設

     以上のような状況の下、ヘルスケア領域における更なる協業の加速とJMDC社が保有するデータマネジメント力とソリューション開発力による他領域でのデータソリューション事業の創出を目的に、2023年10月16日に、JMDC社株式を公開買付により追加取得を行い、同社を連結子会社としました。

     また、オムロンの強いハードウェアから得られる膨大で質の高い現場データにJMDC社のデータマネジメント力、ソリューション開発力を組み合わせ、オムロンのビジネスモデルを進化させ成長事業を創造することを目的に、2023年12月21日に、社長CEO直轄組織としてデータソリューション事業本部を新設いたしました。

               <データソリューション事業本部のターゲットドメイン>

    <> <img style={{height: 212, width: 499, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_12.png" /> </>

     データソリューション事業本部では、これまでJMDC社と協業で検討してきたヘルスケアドメインにおける拡張に留まらず、インダストリアルオートメーションやソーシャルソリューションなど、他のドメインのデータソリューションの事業機会を特定し、専任組織を設置して事業開発と市場実装を推進します。そして、データソリューションによる社会的課題の解決に貢献してまいります。今後注力する各ドメインにおける主な事業は以下の通りです。

    ・ヘルスケアドメイン:コーポレートヘルス事業

     JMDC社のデータアナリティクスを活用し、企業の生産性向上、健保の財政を改善する事業の創出に取り組みます。また、データを活用し、高血圧リスク予備軍の抽出と重症化予防に寄与するソリューションの開発、女性の健康に寄与するソリューションの開発、従業員のプレゼンティズムを改善し組織の生産性を上げるソリューションの開発を推進いたします。これらをコーポレートヘルス事業の足掛かりとして、関連する事業開発につなげてまいります。

    ・ソーシャルソリューションドメイン:スマートM&S事業

     データ分析・活用を軸に、AI技術、遠隔技術、その他の先端テクノロジー等の活用を通じ、流通小売りやエネルギー、社会システムの価値と効率を高める新たなソリューションを創出します。社会システム事業と連携し、社会的課題の解決につながるビジネスモデルを開発します。

    ・インダストリアルオートメーションドメイン:FAデータソリューション事業

     オムロンの主要事業である制御機器事業のi-BELTと連携したFAデータソリューションプロジェクトをはじめ、今後、第4、第5の新たな事業創出につながる事業テーマを設定してまいります。

    (4) 構造改革プログラム「NEXT2025」

     2024年4月1日~2025年9月末までを実行期間とした構造改革プログラム「NEXT2025」においては、収益を伴った持続的な売上成長を確かなものとし、持続的な企業価値向上を実現すべく「制御機器事業の早急な立て直し」と「収益・成長基盤の再構築」の2つの経営課題に取り組み、次の5つの経営施策を実行します。

    ①制御機器事業リバイバルプランの実行
     価値を提供するエリア、顧客に加え、提供価値そのものを顧客起点で再設定します。そして、そのポートフォリオの実現に向け、本社リソースも含めたリソースアロケーションを実施します。この取り組みを通じて、制御機器事業のROS最大化と、SF2030で目指す成長を実現する成長基盤を確立します。

    ②ポートフォリオの最適化
     各事業を取り巻く環境変化に対する耐性の強化と、収益を伴った持続的な成長を実現する事業・製品・エリアの各ポートフォリオの最適化を図ります。同時に、データソリューション事業本部が主導するJMDC社のケイパビリティを活用した制御機器・ヘルスケア・社会システム事業領域でのデータソリューションビジネスの創造を加速します。

    ③人員数・能力の最適化

     変化の激しい事業環境に対しても耐性のある人員・人件費構造の構築に取り組みます。加えて、顧客価値の拡大を実現し、収益を伴った成長を実現しうる人財ポートフォリオの再構築を通じて、「SF2030」で描くオムロングループ全体の能力の転換を図ります。

     具体的には、国内約1,000名、海外約1,000名の合計約2,000名を削減することで、総人件費の適正化に取り組みます。本施策は、現地の労働法、規則、規制に従って実施します。

     当施策の詳細につきましては、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記事項 Ⅱ主な科目の内訳及び内容の説明 Z重要な後発事象」をご参照ください。

    ④固定費生産性の向上

     グループ全体で固定費生産性の最大化を追求します。具体的には、売上高に対する販管費の比率について中期的に30%未満(JMDC社連結の影響を除き28%未満。2023年度の実績は32.0%)を実現する固定費規律の導入と運用の徹底に取り組みます。

    ⑤顧客起点マネジメントシステムの導入・運用

      経営・事業・本社のマネジメントを顧客起点での思考・行動に変革する施策の導入と運用を行います。具体的には財務観点に加えて、顧客観点での事業統制とマネジメントの思考・行動を変革させる人事施策の導入・運用の徹底を目指します。

    2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

     当社グループは、創業以来、事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献することで成長を実現してきました。その発展の原動力になってきたのが、社憲、「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」であり、その精神には企業の公器性と、先駆けてイノベーションを創出し、よりよい社会を実現する想いが込められています。当社グループにおけるサステナビリティとは、企業理念を実践することです。

     ここでは、(1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み、(2)気候変動への対応、(3)人的資本に関する取組み、(4)人権尊重に関する取組みについて、それぞれ「①ガバナンス」「②戦略」「③リスク管理」「④指標と目標」の項目で記載します。

    (1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み

    ①ガバナンス

     当社グループでは、サステナビリティの取組みをグローバルで実行すべく、全社マネジメント構造を確立しています。重要課題の取組み状況は定期的に執行会議へ報告し、進捗状況や課題に対する議論を行っています。

    具体的には、サステナビリティ推進体制として、執行部門に「サステナビリティ推進委員会」を設置し、サステナビリティ課題への取組みを実行しています。特に、環境や人権の課題に対しての全社の取組みを強化しており、「サステナビリティ推進委員会」の傘下に、「環境ステアリングコミッティ」と「人権ステアリングコミッティ」を設置し、重要課題の事業実装に向けた議論や意思決定、年度計画の進捗モニタリングを行っています。

    2023年度には、取締役会によるサステナビリティ取組みに関する監視・監督を強化するため、環境、人権担当の取締役を任命し、環境・人権のステアリングコミッティにオブザーバーとして出席することとしました。また、各エリアにおいては、リージョンサステナビリティコミッティを設置し、エリア固有の課題にフォーカスした取組みを強化しています。さらに、業務執行として責任を持つサステナビリティ推進担当の執行役員を設置し、当社グループ全体のサステナビリティにおけるガバナンスの強化を図っています。

    2024年度からは、さらなるサステナビリティの事業実装強化のため、これまで取締役会傘下にあった「サステナビリティ推進室」を発展的に解消し、グローバルコーポレートコミュニケーション&エンゲージメント本部の傘下に執行部門として「サステナビリティ統括部」を設置しています。

     このようなサステナビリティに関する取り組みは、定期的に取締役会に報告し、当社グループ全体でのさらなるガバナンスの強化を図っています。

    なお、2017年度から役員報酬の中長期業績連動報酬(株式報酬)の評価に、DJSIの調査に基づくサステナビリティ評価を組み入れています。さらに、オムロンの成長に寄与するKPIとして「温室効果ガス排出量の削減」「社員に対するエンゲージメントサーベイにおけるSustainable Engagement Index (SEI)のスコア」を、2020年度の役員報酬制度の改訂において新たに追加しました。

    第三者機関のサステナビリティ評価を採用することで公正性・透明性を高め、サステナビリティ方針・目標・KPI・進捗状況をウェブサイトなどで開示することで、ステークホルダーとの対話を強化し、取組みの進化に活かしています。

     役員報酬制度の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等①役員報酬等の内容」をご覧ください。

    <全社サステナビリティマネジメント構造>

    <> <img style={{height: 287, width: '562.26px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_13.png" /> </>

    <環境・人権ステアリングコミッティの概要>

    メンバー 議題 開催頻度
    環境 ステアリング コミッティ 環境担当取締役、サステナビリティ担当執行役員、ビジネスカンパニー企画長、他 ・環境評価制度 ・CFP取組み進捗 ・環境関連法規制 ・次年度計画 など 原則四半期開催 (10月、12月、3月)
    人権 ステアリング コミッティ 人権担当取締役、サステナビリティ担当執行役員、本社機能部門長、他 ・人権デューディリジェンス進捗 ・人権救済メカニズム運用拡大 ・RBA*加盟 ・次年度計画 など 原則四半期開催 (7月、10月、2月)

     *Responsible Business Allianceの略 

    ②戦略

    当社グループの存在意義は「事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献し続けること」です。これ を実現していくために、オムロンが注力すべきサステナビリティ重要課題を特定し、中長期戦略の中に組み込んで具体的な取組みと目標を設定して事業を通じて実行しています。「SF2030」では、事業とサステナビリティを統合し、社会価値と経済価値の両方を創出することで企業価値の最大化を目指します。

    詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。

    なお、自社領域、サプライチェーン領域におけるサステナビリティマネジメントの一環として、2024年1月に、企業の社会的責任を推進する企業同盟であるResponsible Business Alliance(以下、RBA)に加盟しました。今後、RBA加盟企業としてバリューチェーンにおける社会的責任を追求する取組みを進化させることで、強固なグローバルサプライチェーンを構築し、社会の持続的な発展とオムロンの持続的な成長を目指してまいります。 ③リスク管理

     「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。 ④指標及び目標

    ・サステナビリティに関する指標及び目標は、以下に記載しています。

     2030年度の目標        :「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」

     2023年度の実績・2024年度の目標:「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」

    ・サステナビリティ課題への取組みに対する社外からの評価

     当社がこれまで継続してきた、事業を通じたサステナビリティ課題の解決への取組みが高く評価され、DJSIワールドを始め世界標準の様々なインデックスへの組み入れや表彰を受けています。

    <第三者評価の推移>

    2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
    Dow Jones Sustainability Indices DJSI-World DJSI-World DJSI-World DJSI-World DJSI-World DJSI-World
    S&P Global Sustainability Award - - Gold Class Silver Class Top 5% メンバー 選定
    CDP(気候変動) B A- A- A- A A-
    EcoVadis SILVER GOLD PLATINUM GOLD PLATINUM PLATINUM

     ※社外からの評価の詳細については下記をご参照ください。

     https://sustainability.omron.com/jp/evaluation/  

    (2)気候変動への対応

     世界各地で異常気象による大規模な自然災害が多発する中、気候変動は当社が取り組むべき最重要課題であると捉え、「SF2030」のもと、社会的課題である「カーボンニュートラル社会の実現」にチャレンジします。

     2019年2月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明以降、株主・投資家などのステークホルダーと当社グループの気候変動の取組みについてのエンゲージメントを強化するため、TCFDのフレームワークに基づいた情報開示を進めています。

    TCFDフレームワークに基づく当社グループのシナリオ分析プロセス

     環境省などから公開されたシナリオ分析実施の基本ステップに沿った4つのステップを経て、気候変動に伴う「移行リスク」「物理リスク」などによる当社グループの事業戦略に及ぼす影響について分析しています。

    <シナリオ分析のステップ>

    <> <img style={{height: '221.92px', width: '410.79px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_14.png" /> </>

    TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示

     TCFD提言は、すべての企業に対し、「①ガバナンス」「②戦略」「③リスク管理」「④指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しています。当社グループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、当社の気候関連への取組みを開示します。

    ①ガバナンス

    ・オムロン環境方針

     当社グループは気候変動対策の目標達成に向けた重要な指針としての「オムロン環境方針」を、2022年3月1日に改定しました。この方針のもと、脱炭素・環境負荷低減などのバリューチェーン全体での環境課題解決に取り組み、ステークホルダーの期待に応えることで企業価値の向上につなげていきます。

    ※オムロン環境方針は下記をご参照ください。

    https://sustainability.omron.com/jp/environ/management/vision/

    ・取締役会の役割・監視体制

     当社グループでは、「オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシー」において、TCFD等の枠組みに基づく気候変動リスクへの取組みを含むサステナビリティ方針・重要課題および目標について、取締役会が決定・開示することを明確に定めています。

     TCFD提言に沿って「SF2030」および中期経営計画と連動させ各事業のシナリオ分析を行い、特定した気候変動に関するリスクや事業機会、目標や具体的な取組み施策については、執行会議およびサステナビリティ推進委員会で協議・決定・進捗管理・モニタリングを定期的に実施し、必要に応じて是正策を検討します。取締役会は、執行会議で協議・決定された内容の報告を定期的に受け、論議・監督を行っています。 ②戦略

    ・短期・中期・長期の気候関連リスク・機会および対応

     「SF2030」では、サステナビリティ重要課題「脱炭素・環境負荷低減の実現」を設定し、気候変動を「機会」と「リスク」の二側面で捉え、企業としての社会的責任の実践と更なる競争優位性の構築を図っています。

     そして、気候変動による生態系および人間社会に対する深刻な影響の拡大を抑止するため、当社グループは「脱炭素に向けた製品・サービスの提供」、「モノとサービスを組み合わせたビジネスモデルの進化」、「パートナーとの共創」、「エネルギー効率の改善」、「再生可能エネルギーの使用拡大」などによりバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量削減に取り組んでいきます。

     その中で、当社グループは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などが発表する「世界の平均気温が4℃以上上昇する」4℃シナリオと、「世界の平均気温がパリ協定で合意した2℃未満の上昇に抑えられる(一部1.5℃以内)」1.5℃/2℃シナリオの2つのシナリオで、リスクと機会を分析し、気候変動問題解決にはオムロンの対応が必要であると再確認しました。具体的には、各事業において以下に取り組んでいます。

     制御機器事業

     i-Automation!を進化させ、地球環境との共存と、働く人々の働きがいも両立させるサステナブルな未来を支える製造現場を構築し、生産性とエネルギー効率を高めるオートメーションの実現を目指します。

    社会システム事業

     これまで太陽光発電や蓄電池の普及に貢献してきましたが、今後は、進化したエネルギー制御技術で発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献します。

     電子部品事業

      製品の環境性能向上、およびカーボンフットプリント削減への関心の高まりによる電子部品事業の製品における省エネ・省資源の開発・および提供も加速します。

     その他にも社会と様々な接点を持つ当社グループは、社会の多くの場面でカーボンニュートラル社会の実現に貢献しています。

     2022年度には、当社グループは国内製造業で初めてEP100*に加盟し、制御機器事業とヘルスケア事業のすべての生産拠点において1ギガワット時(GWh)当たりの売上高比率である「エネルギー生産性」を2040年までに2016年比で倍増させることをコミットしました。現在、血圧計や体温計の国内生産拠点である松阪事業所では、制御機器事業とヘルスケア事業が連携し、エネルギー消費量を減らしながら生産量を高める取組みによって、エネルギー生産性の向上を推進しています。自社のノウハウを世の中に提供していくことで、製造業および社会の脱炭素化に貢献していきます。

    *イギリスに本部を置く国際環境NPO法人「The Climate Group」が主催し、事業活動におけるエネルギー生産性を倍増させること(省エネ効率を50%改善等)を目標に掲げる企業が参加する国際企業イニシアチブ。EP100は“100% Energy Productivity” の略称で、事業のエネルギー効率(Energy Productivity)を倍増させることを意味する。

    ・事業を通じてカーボンニュートラルに貢献する全社売上高目標と進捗

     当期(2023年度)のカーボンニュートラルに貢献する全社売上高(Green Revenue)は1,024億円となりました。また、当期の業績の悪化を踏まえ、2024年度の目標値を1,160億円(SF 1st Stageの当初目標1,300億円)に変更しています。

     当社グループが認識する気候関連リスク及び、製品・サービス市場ごとの機会は以下の通りです。

    <当社グループの気候変動のリスク・機会の概要と対応>

    <> <img style={{height: 752, width: '616.71px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_15.png" /> </>

    (注)リスクとして記載の物理リスクは、日本、中国を中心とする主要生産15拠点を対象として、ハザードマップ、AQUEDUCTを活用した分析を実施しました。100年に一度の災害が発生した際には、2拠点がリスクに晒されることが明らかになりましたが、再現期間を加味した年間影響額は1.5/2℃・4℃どちらのシナリオでも極めて小さいことから影響度は「小」としております。

    <TCFDシナリオの前提>

    <> <img style={{height: '208.23px', width: '569.2px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_16.png" /> </>

    <事業及び財務への影響度(大・中・小)の定義>

    <> <img style={{height: 168, width: '569.2px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_17.jpg" /> </>

       ※・リスクへの影響度として営業利益に対してプラスもしくはマイナスの影響を定義しております。

        ・影響度は、特定したリスク・機会へ対応した場合を記載しております。 ③リスク管理

    ・リスクを評価・識別・管理するプロセス

     当社グループは、各事業のシナリオ分析を実施し、気候変動影響による「移行リスク」「物理リスク」を網羅的に抽出しています。そして、抽出した気候変動に伴うリスクについて、採用シナリオごとに「顕在時期」「事業および財務への影響額」を可視化し、事業および財務への影響度を評価しています。評価を基に当社グループにとって重要な気候変動に伴うリスクを特定し、事業リスクの一環として全社リスクマネジメントに統合しています。なお、対応策の立案にあたっての重要事項は、取締役会へ報告しています。

     2023年度は、制御機器事業、ヘルスケア事業、電子部品事業および社会システム事業のシナリオ分析の結果について変更が無いことを確認しました。加えて、構造改革プログラム「NEXT2025」により各事業のシナリオ分析結果に変更が無いことも確認しています。なお2023年12月に新設された、データソリューション事業につきましてはシナリオ分析の対象事業として検討を進めると同時に、次期中期経営計画(SF 2nd Stage)と連動させたシナリオ分析を計画してまいります。

    ・全社リスクマネジメントへの統合状況

     当社グループは、グループ共通のフレームワークで統合リスクマネジメントの取組みを行っています。気候変動リスクについても当社グループにおける重要リスクと識別・評価し、シナリオ分析によるリスクと整合させ、バリューチェーン全体での取組みのモニタリングを行っています。 

    ④指標と目標

    ・気候変動のリスク・機会に関する指標

     当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3(注1)の温室効果ガス排出量、および事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギーに関する指標を定めています。

    ・温室効果ガス排出量に関する目標及び実績(Scope1・2・3)

     当社グループは、環境分野において、持続可能な社会をつくることが企業理念にある「よりよい社会をつくる」ことと捉え、2018年7月に、2050年にScope1・2について温室効果ガス排出量ゼロを目指す「オムロン カーボンゼロ」を設定しました。

     2022年3月には、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取組みを進化させ、Scope1・2については、削減シナリオを2℃シナリオからより積極的な1.5℃シナリオに変更しました 。また、Scope3カテゴリー11について、2030年に18%削減(2016年度比)する目標を設定しました。これらの目標はSBTイニシアチブ(注2)の認定を受けています。

     また、目標達成に向けて、エネルギー効率の改善を継続して進めるとともに、自社のエネルギーソリューション事業が提供する再エネ由来のJ-クレジット(注3)や自己託送(注4)などを活用することで、2024年度にScope2について当社グループの国内拠点のカーボンゼロ(注5)の実現を目指してまいります。

    <温室効果ガス排出量に関する目標及び実績(Scope 1・2・3)>

    <> <img style={{height: 128, width: '602.38px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_18.png" /> </>

    (注)1 Scope1・2:自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス

         Scope3カテゴリー11:Scope3は自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出。そのうち、カテゴリー11は製造・販売し

    た製品・サービス等の使用に伴う排出。

       2 SBTイニシアチブ(Science Based Targets イニシアチブ):科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減の中長期目標設定を推奨している国際的イニシアチブ

       3 J-クレジット:環境価値 (CO2を排出しない効果)を国が認証する制度

       4 自己託送:自家発電設備を保有する事業者が当該設備を用いて発電した電力を、一般送配電事業者の送電網を介して遠隔地にある自社工場や事業所などに送電・供給し、電力を使用することが可能となる電力供給制度

       5 生産13拠点、非生産(本社・研究開発・販売)63拠点における自社の電力使用により排出される温室効果ガス排出量(Scope2)が対象

       6 温室効果ガス排出量(Scope1・2)の2023年度の実績は、オムロンコーポレートサイトに掲載し、第三者機関による限定的保証業務により第三者保証を受ける予定です。当該限定的保証業務は、いずれも国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000「過去財務情報の監査又はレビュー以外の保証業務」に準拠した業務です。

       7 2023年度の温室効果ガス排出量削減は、計画を上回る省エネ・創エネの取組みに加え、マレーシアの脱炭素対策、国内カーボンゼロの拡大(Jクレジット活用)、生産減等の影響により、目標を大幅に上回る削減量となりました。

       8 2030年目標値については、「SBTi基準」(SBTi criteria)に基づき2027年までに目標を見直す予定。

       9 Scope3 カテゴリー11の算定式における使用シナリオおよび温室効果ガス排出係数の見直しを行いました。

    (参考)環境評価制度の導入

     当社グループは、環境評価制度を通じて、環境面の非財務インパクトと財務インパクトのコネクティビティを強化します。この制度は、EUタクソノミーに基づく環境影響とライフサイクルからなる環境評価軸に基づき、製品の設計・開発段階からネガティブな環境インパクトを最小限に抑える取組みを行います。また、ライフサイクル全体で環境影響を評価するライフサイクルアセスメント(LCA)を通じて、製品のポジティブな環境インパクトを特定し、環境課題の解決と事業の持続的成長に貢献します。

    <環境貢献製品と環境配慮製品の定義>

    <> <img style={{height: 160, width: '594.65px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_19.png" /> </>

    (3)人的資本に関する取組み

    ①ガバナンス

     当社グループでは、グローバル人財戦略の進捗を2023年度の取締役会運営方針の重点テーマの一つに設定してモニタリングしています。

    取締役会でのグローバル人財戦略の進捗についての議論の詳細については、以下の「2023年度取締役会実効性評価結果」をご参照ください。

    https://www.omron.com/jp/ja/assets/img/sustainability/governance/corporate\_governance/chart/20240605\_governance\_effectiveness\_j.pdf

     2023年度から人財戦略は今後の経営の要という認識のもと、主に「企業理念の浸透・共鳴の輪の拡大」、「リーダー育成と登用」、「全社員にとっての魅力的な会社づくり・企業文化の醸成」のさらなる実行を狙いとし、CHRO(最高人事責任者)を設置しました。CHROリードのもと、人的資本の取組みをさらに推進していきます。 ②戦略

    「SF2030」人財戦略ビジョン

     「SF2030」の目標である、事業を通じた社会価値創出の原動力は、社員一人ひとりです。会社と社員が「選び・選ばれ」、「ともに成長する」新たな関係を構築していくことを前提に、企業理念の実践を通じて、社会的課題の解決を志す、スペシャリティを備えた多様な人財が集い、一人ひとりが主体性を持って能力を発揮する集団であり続けられる人財戦略をグローバルに実行していきます。

    <> <img style={{height: '94.38px', width: 525, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_20.jpg" /> </>

    人的創造性の向上

     人的資本を有効に活用して企業価値の向上につなげているかを定量的に測る指標として「人的創造性」を設定し、その向上に取り組んでいます。人的創造性とは、売上から変動費を差し引いた付加価値額を人件費で割ったものです。付加価値とは、当社グループが顧客や市場に向けて創り届けた価値の大きさ、人件費とは、価値創造の担い手である人財の価値の総和の大きさを指します。企業が適正な付加価値を得て、それを使って新たな価値の拡大再生産を行うことは、企業と社員の持続的成長の実現に不可欠です。私たちが成し遂げたいことは価値創造であり、分子の付加価値を伸ばすために分母である人財への投資をしっかりと行い、社員一人ひとりのポテンシャルを最大限発揮させることで、それ以上の付加価値を生み出していきます。

    <人的創造性の考え方>

    <> <img style={{height: '228.67px', width: '410.11px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_21.png" /> </>

    「構造改革期間」における取組み

     2024年4月1日~2025年9月30日までの「構造改革期間」は、SF 1st Stageの戦略および目標値は取り下げ、変化の激しい事業環境に対しても耐性があり、かつ、「SF2030」で描く姿を実現する人財ポートフォリオの再構築を通じて、人財の能力転換を図ります。

    主な取組み

    ・人財ポートフォリオの再構築

     今後の持続的な売上高・利益の成長を実現していくために、まず、国内約1,000名、海外約1,000名の合計約2,000名を削減し、グローバルで最適な人員・人件費構造を構築します。そのうえで、これから必要となる能力を持つ人財の獲得と既存人財に対する能力開発の強化を進めます。

    ・人財の能力転換

     当社グループでは、個人と組織が共に成長し続けることを目指して、経営戦略と連動した人財の能力転換に取り組んでいきます。

     例えば、実践を通じた生成AI技術の習得のために、2023年度にスタートした生成AI活用プロジェクト「AIZAQ(アイザック)」を2024年度も継続します。本プロジェクトでは、データソリューションビジネスの推進やデジタルトランスフォーメーションによる生産性改善の強化のために、全社横断で入社1~2年目の若手から部長クラスの社員まで、役職や年齢に関係なく生成AI技術を学んでいます。本技術の活用に意欲のある社員と技術サポートのできる社員が連携し、業務の生産性改善テーマの活用検証を通じて、事業活動に直結する人財開発を行っています。その結果、本プロジェクトを通じて全社への展開を検討するテーマが出ています。商品開発に向けた膨大な顧客データ分析など一定の成果を上げており、今後も新しい改善テーマの活用検証を進めていきます。 ③リスク管理

     「第2 事業の状況 3 事業等のリスク⑨人財・労務」に記載しております。 

    ④指標と目標

     人的創造性の向上の実現とダイバーシティ&インクルージョンに取り組みました。2023年度の目標と進捗は以下の通りです。

    <人的創造性の向上とダイバーシティ&インクルージョンを加速する8つの取組みと進捗>

    <> <img style={{height: '283.67px', width: '480.67px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_22.png" /> </>

         (注)1.2024年4月20日時点の当社及び連結子会社集計値です。

               2.TOGAとは、The OMRON Global Awardsの略称です。(詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (参考)企業理念浸透への取組み」をご参照ください。)

    ・女性活躍における課題への取組み

     当社グループでは、「次世代リーダーの育成による女性活躍の推進」を経営の重点戦略に位置付けて取り組んでいます。その結果、2024年4月現在、オムロングループ(国内)における女性役員は、6名(内訳:社外取締役1名、執行役員常務1名、執行役員2名、関係会社取締役社長1名、関係会社取締役1名)です。

     グローバルでは、2022年度に16.6%であった女性管理職比率は2023年度には19.1%(注)となり、着実に上昇していますが、各国・地域における取締役、監査役、執行役員およびグループの経営・事業を牽引する最重要ポジションに登用されている女性の現職者や後継候補者はグループ全体で不足しています。

    この課題を解決するため、2023年度から、グローバルの女性管理職を対象として、「ウィメン リーダーズ サークル(Women Leaders Circle)」をスタートしました。グループ最重要ポジションの後継者になるポテンシャルがある人財を発掘して育成し、女性リーダーの母集団を形成していくことを狙いとしています。また、女性同士が、エリア・事業部門を超えたネットワークを形成し、グローバルの女性経営者との対話を通してキャリアイメージを明確にしていくことで、チャレンジする意欲も醸成していきます。今後も継続して取り組み、各エリアや事業部門の要職に就く女性リーダーやその後継者となる人財をグローバルで充足させていきます。

     また、女性管理職比率の向上に特に注力している国内では、入社3年後からの女性社員をターゲットとして、「オムロン ウィメン リーダーシップ(OMRON Women Leadership)」を2022年度からスタートしています。早期から選抜・育成することにより、女性管理職候補の母集団を持続的に形成・拡大していくことを狙いに、ライフイベントを考慮したキャリアビジョンの具体化や、マネジメントスキルの向上に取り組んでいます。この取組みを継続し、国内の女性管理職比率の向上を目指します。

     女性のさらなる活躍を推進していくため、経営の重点戦略の1つとして、女性リーダーの拡充に向けて取組みを今後も強化していきます。

    (注) 2024年4月20日時点の当社及び連結子会社集計値です。

        <女性管理職の推移(グローバル/グループ国内)

    <> <img style={{height: 230, width: '427.68px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_23.png" /> </>

     (注)各年度における集計値は翌年度4月20日時点の数値を記載

    (参考)オムロンの健康経営

     社会的課題を解決するには、何よりも働く社員一人ひとりの健康が経営の基盤になると考え、経営トップが健康経営宣言を行い、以下の3つの活動方針に沿って、健康経営を推進してきました。全社を挙げて構造改革プログラム「NEXT2025」に注力し、顧客価値の拡大を実現し、収益を伴った持続的な成長を目指すなか、その原動力となる社員の一人ひとりが健康で、かつ活力に満ち溢れ、ポテンシャルや専門性を発揮し続ける職場をつくっていくことがますます重要になっています。社員一人ひとりの健康の維持・増進と創造性・専門性の発揮を両立させ、個人と企業の持続的成長につなげていきます。

    ①「イノベーションを起こす人と組織をつくる」ということ。前向きなチャレンジを促進する環境を整えて、仕事にやりがいや楽しさを感じられるようにします。

    ②「心身が健康で、社員が自分の人生を楽しんでいる状態をつくる」ということ。社員に健康に配慮した生活を心がけてもらい、仕事だけでなく趣味なども積極的に楽しめるようにします。

    ③「オムロンを卒業しても社会で活躍し続ける社員でいっぱいにする」ということ。健康を維持・向上できれば、将来にわたって活躍できるようになり、社会に貢献しながら充実した人生を送ることができます。

    ※健康経営の取組み詳細については下記をご参照ください。

    https://sustainability.omron.com/jp/social/wellness-management/

    (4)人権尊重に関する取組み

    ①ガバナンス

    ・人権方針

     「SF2030」のサステナビリティ重要課題のひとつである「バリューチェーンにおける人権の尊重」を実現するため、2022年3月1日にオムロン人権方針を制定しました。国際社会と協調した経営や行動に努め、バリューチェーン全体で人権侵害リスクの低減に取り組んでいます。

    ・人権推進体制

     当社グループは、経営と現場が一体となってグローバルで人権尊重責任を遂行する体制の構築に取り組んでいます。具体的な執行体制としては、社長CEOから権限委譲されたサステナビリティ推進担当役員の責任のもと、グローバルコーポレートコミュニケーション&エンゲージメント本部が中心となって取組みを推進し、自社領域はグローバル人財総務本部長、サプライチェーン領域はグローバル購買・品質・物流本部長、事業戦略領域は各ビジネスカンパニー長、AIを含むテクノロジーの倫理的な活用については技術・知財本部長、救済メカニズムについてはグローバルリスクマネジメント・法務本部長がそれぞれ責任を持って対応しています。人権尊重へのコミットメントを果たす上で重要な事項については取締役会に報告し、取締役会が監視・監督します。2023年度からは、人権担当取締役を任命し、またサステナビリティ推進委員会の傘下に人権担当取締役や各執行部門長が参画する人権ステアリングコミッティを立ち上げ、各責任部門の活動進捗のモニタリングや国際的なイニシアチブ加盟に向けた議論などを行っています。

    ・人権尊重の取組みの全体像

     「オムロン人権方針」をグローバル社員に周知・浸透させるとともに、UNGPに沿って、人権への負の影響を特定・防止・軽減・是正する人権デューディリジェンスの実行と人権救済メカニズムの構築をすることで、グローバルにおける人権ガバナンスを構築しています。またステークホルダーとのエンゲージメントを通じて、各取組みの実効性を高めています。

    <人権尊重の取組みの全体像>

    <> <img style={{height: '268.8px', width: '503.42px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_24.png" /> </> 

    ②戦略

    ・「SF2030」のサステナビリティ重要課題「バリューチェーンにおける人権の尊重」に沿ってSF2030目標と2024年度までの目標を設定し、取組みを進めています。

    2030年目標 UNGPに沿って自社のみならずバリューチェーンで働く人々の人権の尊重に対して影響力を発揮し、人権侵害を許さない、発生させない風土と仕組みが形成されている状態を目指します。
    2024年度までの目標 ・UNGPに沿った人権デューディリジェンスの実施 バリューチェーン全体を俯瞰した人権影響評価を実施することにより、「優先的に取り組む人権課題」を特定し、人権デューディリジェンスのサイクルを回せる状態を作り込んでいきます。 ・各国・地域に適した人権救済メカニズムの構築 オムロンが人権に対して悪影響を引き起こしたり、または助長を確認した場合、正当な手続きを通じた救済を実行できるよう、各国・地域に適した人権救済メカニズムを構築していきます。

     具体的な取組みを進めるにあたっては、4つの領域(自社領域、サプライチェーン領域、製品・サービス領域、バリューチェーン全体)における、19の人権課題を抽出しました。これらの人権課題のうち、「リスクの重要度」と「事業への関連性」の2軸からマッピング・優先順位付けを行い、優先的に取り組む7つの課題を中心に対応を進めています。これらの課題の特定にあたって実施した人権影響評価については③リスク管理にて記載しています。

    優先的に取り組む課題(顕著な人権課題)
    自社領域 ・労働環境 ・労働安全衛生
    サプライチェーン領域 ・労働基準 ・強制、奴隷、債務労働 ・児童労働
    製品・サービス領域 ・テクノロジーの倫理的な活用
    バリューチェーン全体 ・苦情処理メカニズムと救済へのアクセス

     自社領域・サプライチェーン領域においては、RBAの求める基準を軸に取組みを進めています。

     ・自社領域

     全従業員に対してオムロン人権方針と国際基準に基づく人権課題に関する研修を実施するほか、RBAのSAQ(自己評価質問書)を活用した自社生産拠点の人権侵害リスクの評価と是正措置を行っています。これらに加え、人権影響評価で特定された強制労働含む労働環境や、労働安全衛生の課題の発生リスクが高い拠点に絞ったリスク低減の取組みを進めています。この条件に該当する中国・マレーシアの生産拠点においては、段階的に第三者による監査を進めるとともに、構内委託先で外国人技能実習生が働いている日本の生産拠点については、雇用状況に関する確認を進めています。

     ・サプライチェーン領域

     すべての仕入先に対して、「オムロングループサステナブル調達ガイドライン」で定めるRBAに準拠した「サプライヤ行動規範」の遵守と、当社グループの定めるミニマム要件達成を依頼しています。重要仕入先に対しては、RBAより求められる要件のクリアを両社の共通目標に設定し、継続的に現状調査と評価、改善を実施しています。これらに加えて、人権影響評価で特定された課題の発生リスクが高いと考えられる中国・マレーシアに生産拠点を持つ仕入先を2024年度までの取り組み対象と定めて深掘りした調査と改善を進めています。

     ・製品・サービス領域

     テクノロジーが人権に与える影響の中でも、特にAI倫理に注力して取組みを進めています。AIガバナンス体制の構築に向けて、2024年度より当社グループのAI倫理に対する姿勢や取組みを示す「AI方針」と、既存のリスクマネジメント体制と連携したAIガバナンス委員会を運用します。

     ・バリューチェーン全体

     バリューチェーン全体における苦情処理メカニズムと救済へのアクセスについては、当社グループの従業員(派遣社員を含む)および仕入先が利用できる内部通報制度をグローバルに運用しています。内部通報窓口に寄せられた情報については秘密保持を厳守し、通報者が通報したことにより不利益を受けないことを保証しています。通報内容については中立公正に事実確認を行い、適正な措置を行っています。また、当社はJaCER(一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構)に正会員として加盟しており、JaCERの提供する「対話救済プラットフォーム」を活用することで、地域社会や顧客、直接取引関係のない2次以降の仕入先も含めたあらゆるステークホルダーに対する人権救済・是正の取組みを進めています。

    ③リスク管理

    ・リスクを評価・識別・管理するプロセス

     2022年度にUNGPに基づいた当社グループ全体での人権影響評価を米国NPO団体のBSR(Business for Social Responsibility)と共同で実施しました。この人権影響評価の実施にあたっては、サプライチェーンを含むバリューチェーン全体において、当社グループが自らの事業活動を通じて引き起こす、または加担する可能性のある人権侵害リスクの評価・特定を行いました。具体的なステップとしては、はじめに国際規範や業界・ステークホルダーの動向調査と、海外地域統括本社を含む全社15部門に対する社内インタビュー調査を行いました。次に、国際人権基準を踏まえ人権課題を網羅的に抽出した後に、それらの中から電機電子業界特有の課題を絞り込みました。さらに当社グループのバリューチェーンにおいて権利保有者に影響を及ぼす可能性のある課題を19個特定しました。最後に「リスクの重要度」と「事業への関連性」の2軸からマッピング・優先順位付けを行い、優先的に取り組む7つの課題(顕著な人権課題)を特定しました。これら7つの課題に対して、各責任部門が実行計画を策定し取組みを進めています。

    <特定した人権課題のマッピング>

    <> <img style={{height: 460, width: 550, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_25.png" /> </>

    ・全社リスクマネジメントへの統合状況

     当社グループは、リスクを全社的に管理する体制を構築することが重要であることを踏まえ、グループ共通のフレームワークで統合リスクマネジメントの取組みを行っています。人権リスクをグループ重要リスクと識別・評価し、人権影響評価で抽出された課題を踏まえて、定期的にモニタリングを行っています。

    詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク⑧人権」に記載しています。 

    ④指標と目標

    ・②戦略に記した定性目標に従って、各テーマにおける年度ごとの取組み内容を定めています。なお2023年度の主な実績は以下の通りです。

    2023年度の主な実績
    自社 ・日本、中国、アジア・パシフィック、欧州、米州の主要な自社生産拠点に対するRBAのSAQの実施:25拠点 ・RBA基準による第三者監査の実施:3拠点(中国、ベトナム、マレーシア)
    サプライチェーン ・重要仕入先向けのセルフチェック:60社 ・全仕入先向けのセルフチェック:575社 ・中国に生産拠点を持つ仕入先(注1)への人権に関する詳細なセルフチェック:69社 ・マレーシアに生産拠点を持つ仕入先(注2)への人権に関する詳細なセルフチェック:51社
    製品・サービス ・「AI方針」策定(公表予定) ・AIガバナンス委員会の設立
    救済メカニズム ・日本以外の仕入先に対しても、2023年度より全エリアで通報を受け付ける体制を構築 ・JaCERの提供する「対話救済プラットフォーム」の運用を開始

    (注)1.人権侵害リスクが高いと考えられる労働集約型業種の仕入先を選定

    2.人権侵害リスクが高いと考えられるマレーシア近隣国から外国人労働者を雇用している仕入先を選定

    3【事業等のリスク】

    (1) グローバルな事業活動を支える統合リスクマネジメント

     当社グループでは、統合リスクマネジメントというグループ共通のフレームワークでリスクマネジメントを行っています。経営・事業を取り巻く環境変化のスピードが上がり、不確実性が高くなる中で変化に迅速に対応するためには、リスクへの感度を上げ、リスクが顕在化する前に察知し、打ち手を講じていく必要があるためです。

     現場だけでは対処できない環境変化から生じる問題を、現場と経営が力を合わせて解決する活きたリスクマネジメントを目指し、グローバルでPDCAサイクルを回しながら、当活動の質の向上を図っています。

     「SF2030」を実現していくため、企業理念やルールを守りつつ、いかに効率的、効果的で迅速なリスク判断を現場ができる仕組みを構築するかという点も重要なテーマとして、取組みを進めています。

    (2) 統合リスクマネジメントの仕組みと体制
     統合リスクマネジメントの枠組みは、内部統制システムの下、グローバルリスクマネジメント・法務本部長(GRL長)を推進責任者とし、オムロングループルール(OGR)(注1)「オムロン統合リスクマネジメントルール」にまとめ、グループ経営における位置づけを明確にしています。また、リスクマネージャを本社機能部門、ビジネスカンパニー、海外の地域統括本社、国内外の各グループ会社で任命し(160名)、経営と現場が一体となってグローバルの活動を推進しています。

     主な活動は次の3点です。

    ・環境変化をタイムリーに把握して、関係者で共有し、適時に影響評価を行うこと

    ・定期的に、グローバルにリスクを分析して重要リスクを洗い出し、対策をとること

    ・リスクが顕在化し、危機が発生した場合は、即時に報告し危機対策を講じること

    <企業倫理リスクマネジメント委員会体制>
    GRL長を委員長、主要なリスクマネージャを構成員とする企業倫理・リスクマネジメント委員会(原則年4回開催)においては、重要なリスクの発生状況、環境変化、リスク対策の状況について議論・共有するとともに、グループ全体のリスク評価を行っています。また、危機が発生した場合には、速やかに経営報告され、リスクのランクに応じて危機対策本部を通じて対応を行っています。これらリスクマネジメントの活動状況については、適宜、執行会議や取締役会に報告するとともに、内部監査部門による内部監査を受けています。

    <統合リスクマネジメントのサイクル>

    <> <img style={{height: '197.6px', width: '579.29px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_26.png" /> </>

    (注1)当社グループでは、公正かつ透明性の高い経営を実現する経営基盤として、グループ共通の「オムロングループルール(OGR)」を制定しています。OGRは、リスクマネジメントの他、会計・資金、人財、情報セキュリティ、品質保証等の主な機能に対し制定されています。環境変化等を適宜・適切にルールへ反映するため、毎年見直しを行っています。

    (3) グループ重要リスクとその分析

     当社グループでは、「SF2030」において、「新たな社会・経済システムへの移行」に伴い生じる社会的課題を解決するため、事業ドメインにおける社会価値創出、事業とサステナビリティとの一体としての取組みを行っています。2024年4月から2025年9月については構造改革期間とし、構造改革プログラム「NEXT2025」を実行中です。これらを遂行する中で対処すべき重要な要素を、リスクと捉えています。

     リスクのうち、当社グループを運営する上で、グループの存続を危うくするか、重大な社会的責任が生じうるリスク(Sランク)および重要なグループ目標の実現を阻害するリスク(Aランク)を「グループ重要リスク」に位置付け、対策の実行状況やリスク状況の変化をモニタリングしています。「グループ重要リスク」に対して適切な対策が講じられない場合、重大な社会的責任が生じたり、事業戦略の失敗につながり、結果的に企業価値が喪失する可能性があります。

    <2023年度末時点のリスク評価>

     2023年度末に実施した当社グループのリスク分析に基づくグループ重要リスクのテーマは下表の通りです。事業ポートフォリオや人員数・能力の最適化等「NEXT2025」の実行に伴うリスク、事業スピードの加速や収益性の改善をはかる中でのグループガバナンス・コンプライアンスリスク等については特に注視をしていきます。これらのリスクは、適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があるため、投資家の皆様の判断にも重要な影響を及ぼす可能性がある事項と考えています。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月21日)現在において当社グループが判断したものです。

    <事業等のリスクの全体像>

    <> <img style={{height: '388.01px', width: '615.2px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_27.png" /> </>

    <グループ重要リスクへの対応>

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_011" />

    ※『構造改革プログラム「NEXT2025」』の詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)構造改革「NEXT2025」」をご参照ください。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_012" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_013" />

    (注1)NIST-CSF:米国国立標準技術研究所(NIST)が2014年に発行したサイバーセキュリティフレームワーク(CST)。

       汎用的かつ体系的 なフレームワークで、米国だけでなく世界各国が準拠を進めている。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_014" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_015" />

    (注1)「税務方針」については下記をご参照ください。

    https://sustainability.omron.com/jp/governance/tax/

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_016" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_017" />

    ※環境リスクへの対応の詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組  (1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み、(2)気候変動への対応」をご参照ください。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_018" />

    (注1)RBA:Responsible Business Allianceの略。電子業界を中心とするグローバルなCSRアライアンス。

    ※人権リスクへの対応の詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み、(4)人権尊重に関する取組み」をご参照ください。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_019" />

    ※人財・労務リスクへの対応の詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組  (1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み、(3)人的資本に関する取組み」をご参照ください。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_020" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_021" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_022" />

    4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

    (1) 事業環境、経営成績等の状況・分析・検討

    ①当社グループの経営成績の実績及び見通し

    <2023年度実績>

     当期(2023年度)の当社グループの売上高は、前期比で減少しました。血圧計等の健康機器需要が中国や欧州を中心に回復したヘルスケア事業や、拡大する再生可能エネルギー需要を捉えた社会システム事業は好調に推移しましたが、制御機器事業において、グローバルで製造業における設備投資需要の低迷が継続したことに加え、販売代理店における在庫調整の影響を受けたことにより、前期比で大きく減少しました。また、電子部品事業においても、民生業界向けの需要低迷の継続により前期比で大きく減少しました。

     売上総利益率は、価格適正化や変動費コストダウンの取組みの成果はあったものの、事業構成比変動影響や制御機器事業における商品の構成比変動、滞留在庫に対する評価損の計上による付加価値率の低下の影響が大きく、前期比で低下しました。

     販売費及び一般管理費については下期以降、固定費の生産性改善取組みを進めたものの、インフレによる人件費増や一部の厳選投資・全社のシステム投資等を進めた結果、通期では増加しました。

    以上により営業利益については、前期比で大きく減少しました。

     当社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の減少に加え、株式会社JMDC(以下、JMDC社)の株式について追加取得時点の市場価格にて再評価を行ったことによる損失等(120億円)を計上したことなどの影響もあり、81億円と前期比で大きく減少しました。

    <2024年度見通し>

     当社グループにおける次期(2024年度)の事業環境は、グローバルでのインフレや、欧州・ロシア、中東情勢など、地政学リスクが継続し、不透明な状況が続くと見通します。

     当社グループが事業活動を展開する事業領域においては、制御機器事業・電子部品事業では下期から緩やかな需要回復を見込んでいます。一方で、ヘルスケア事業は堅調な市場成長を見通しており、社会システム事業も好調な事業環境が継続すると見ています。

     このような中、当社グループでは、2024年2月26日に公表、着手した構造改革プログラム「NEXT2025」において、収益成長基盤の再構築に取り組むことで、売上高と営業利益は増収増益を見通します。一方で、2,000人規模の人員削減による約280億円の一時的な費用を当見通しに含めているため、税引前当期純利益については減益となる見込みです。

    <売上高・営業利益・売上総利益率の推移>

    <> <img style={{height: 228, width: '604.24px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_28.jpg" /> </>

    <2024年度の経営方針と重点取組み>

     次期は、「All for creating customer value~すべてのアクションを顧客にとっての価値の創出に集中させ、収益・成長基盤を再構築する」を全社方針とし、構造改革プログラム「NEXT2025」の完遂に向けた取組みを加速させます。この取組みのもと、次期は、売上高8,250億円(当期比+0.8%)、売上総利益率44.7%(同+2.4ポイント)、営業利益490億円(同+42.7%)の増収増益を目指します。

     また、2022年度に掲げた非財務目標については、構造改革プログラム「NEXT2025」開始に伴い2024年度の目標を変更して取組みます。

     <財務目標>

    <> <img style={{height: '159.33px', width: '549.33px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_29.png" /> </>

    <非財務目標>

    <> <img style={{height: 475, width: '549.33px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_30.png" /> </>

    (注)1 非財務目標に記載されている数値は、2022年度に設定したSF 1st Stageの当初設定目標

          2「カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」に繋がる注力事業の売上高

          3 GHG:温室効果ガス

          4 リージョン:米州、欧州、アジア、中華圏、韓国、日本

          5 2024年4月20日時点の当社及び連結子会社集計値

          6 人員数・能力の最適化完了後目標設定予定。

          7 非財務目標の⑧から⑩は、社員投票で決定した目標

          8 *はJMDC社を含めた数値

      <(参考)サステナビリティ目標と進捗>

    <> <img style={{height: 556, width: 583, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_31.png" /> </>

    (注)1 エンゲージメントサーベイ「VOICE」は2年に一度実施しており、2022年度の調査結果を2023年度の実績として記載

          2 Scope1・2: 自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス

          3 Scope3カテゴリー11: 自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出のうち製造・販売した製品・サービス等の使用

            に伴う排出

          4 2023年4月3日に出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社を含む4月20日時点の当社および連結子会社集計値

            2023年3月31日時点の当社および連結子会社について集計した女性管理職比率は16.8%

          5 JaCER:一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構

          6 2024年4月20日時点の当社及び連結子会社集計値

          7 CFP:カーボンフットプリント。提供する商品やサービスにおいて、原材料調達から廃棄・リサイクルまでのライフサイクル

            全体における環境負荷をCO2排出量に換算して定量的に算出したもの

          8 *はJMDC社を含めた数値

          9 以下のサステナビリティ目標に対する2023年度の実績は、第三者機関による限定的保証業務を受け、今年度発行の統合レポートに掲載する予定です。

             ・海外コアポジション現地化率

             ・日本国内の障がい者雇用率

         10 以下のサステナビリティ目標に対する2023年度の実績は、オムロンコーポレートサイトに掲載し、ビューローベリタス

            ジャパン株式会社による限定的保証業務により第三者保証等を実施中であり、2024年6月中に完了する見込みです。

             ・温室効果ガス排出量(Scope1・2、およびScope3カテゴリ1,2,3)

             ・環境貢献量

         11 上記限定的保証業務は、いずれも国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000「過去財務情報の監査又は

            レビュー以外の保証業務」に準拠した業務です。

    ②各事業セグメントの実績及び見通し

    <> <img style={{height: '76.92px', width: 609, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_32.jpg" /> </>

    <「SF2030」における価値創造の取組み>

     制御機器事業では、事業ビジョン「オートメーションで人、産業、地球の豊かな未来を創造する」を設定しました。オートメーションを通じ豊かな医・食・住環境を支える持続的な産業の発展と、働く人々の幸せ、そして地球環境の維持との両立を目指しています。制御機器事業は、事業ビジョンの設定において、今後10年で直面するであろう社会の変化を想定しました。それは、目まぐるしく世界が変化する中で、さまざまな社会的課題が浮き彫りになる時代だと考えています。このような市場背景の中で、制御機器事業が解決すべき社会的課題を、「働く人」と「産業の高度化」の二つの側面で捉えました。

     「働く人」とは、ミレニアル世代やZ世代に代表される価値観の変化や技術の進化に伴う働く人のマインドの変化、そして働く人にとっての労働機会の変化です。そして、「産業の高度化」とは、次々と生まれる先進技術により2次産業でのモノづくりの革新だけでなく、1次産業や3次産業にまで広がる大きな変革です。制御機器事業が取り組むべき社会的課題は、制御機器事業が強みとするオートメーションにより、働くすべての人々の幸せと産業の高度化の両立を実現し、さらに社会的要請でもある地球環境の保全にも貢献していくことです。制御機器事業が目指すのは、持続可能な産業の進化により、世界中の人々が共通して求める医・食・住環境が充実した社会です。これは、長年に渡りモノづくりを源流で支えてきたオムロンだからこそ可能なチャレンジであり、事業ビジョンには、このような思いを込めました。

     その実現に向け2016年に提唱した独自のモノづくりコンセプト、「i-Automation!」を進化させ、業界随一の幅広い制御機器の品揃えと技術・ソリューションで社会的課題を解決するイノベーションを量産し、持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化に貢献していきます。

    <2023年度の業績と2024年度の見通し>

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_023" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_024" />

    <売上高・営業利益・売上総利益率の推移>                <社会価値創出のKPIの進捗>

    <> <img style={{height: '132.73px', width: 430, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_33.jpg" /> </>

    <> <img style={{height: '126.04px', width: '134.01px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_34.jpg" /> </>

    (注)経営管理区分の見直しにより、2022年度より、IABの一部をDMBに含めて開示しています。

       これに伴い2021年度を新管理区分に組み替えて表示しています。

    <> <img style={{height: '76.54px', width: 606, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_35.jpg" /> </>

    <「SF2030」における価値創造の取組み>

     ヘルスケア事業では、家庭で測定した血圧が人々の健康に役立つという信念のもと、その普及に取り組んできました。今では、高血圧治療の現場で家庭で測った血圧データが活用されるようになり、高血圧患者の降圧コントロールにも成果が見られます。しかし、高齢化に伴い高血圧患者はグローバルに増え、高血圧に起因する脳・心血管疾患の発症も増加しています。加えて、新興国を中心に増え続ける呼吸器疾患患者、日常生活に大きな影響を与える膝や腰、肩の慢性的な痛み。これらは人々のQOLを著しく低下させてしまいます。

     「SF2030」のビジョン「Going for ZERO 〜予防医療で世界を健康に〜」には、世界中の一人ひとりが健康ですこやかに生活できる社会を、オムロンの手で切り拓いていく、という強い意志を込めました。

     これまで培ってきた技術と知見を活用し、「循環器」「呼吸器」「ペインマネジメント」領域において、脳卒中や心不全などの「脳・心血管疾患の発症ゼロ」、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの「呼吸器疾患の増悪ゼロ」、膝痛や腰痛などの「慢性痛による日常生活の制限ゼロ」の3つのゼロにチャレンジします。

     そして、病気にならない、病気を重症化させないための予防医療という新しい価値を提案し、「健康であり続けたい」という世界中の人々の願いをかなえます。

     2021年、グローバルでの家庭用血圧計の累計販売台数は3億台を突破しました。しかし、世界を見渡すと、まだ普及率は低く、市場規模は2020年の6,100万台から2024年には、8,700万台に拡大するとされています。中で

    も、今後ますます市場の拡大が見込まれる中国・インドに注力し、基盤事業を強化します。

    <2023年度の業績と2024年度の見通し>

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_025" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_026" />

    <売上高・営業利益・売上総利益率の推移>                <社会価値創出のKPIの進捗>

    <> <img style={{height: '136.62px', width: 439, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_36.jpg" /> </>

    <> <img style={{height: '131.63px', width: 154, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_37.jpg" /> </>

    <> <img style={{height: '77.08px', width: 606, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_38.jpg" /> </>

    <「SF2030」における価値創造の取組み>

     2030年に向かうこれからは、地球温暖化を起因とした自然災害の多発や、少子高齢化に伴う労働人口の不足など、暮らしの安心・安全・快適への障害となる、新たな社会的課題が顕在化する時代です。そして、そのような時代を生きる人々の価値観も多様化していきます。社会システム事業は、顧客のニーズに応えることに加え、顕在化する社会的課題を踏まえ、社会システムのあり方を考え、その答えを導き出してまいります。そして、その答えに共感していただいたステークホルダーの皆様とともに、 「次世代の社会システム」をつくっていく。この一連のプロセスと想いを「SF2030」の事業ビジョンの「Design」に込めました。社会システム事業は、暮らしをよくする“ソーシャルグッド”を生み出しながら人々の暮らしをより良くし、笑顔溢れる明るい未来を実現します。

     「SF2030」においてオムロンが捉えた解決すべき社会的課題は、「カーボンニュートラルの実現」と「デジタル化社会の実現」です。CO2総排出量の増加や気候変動の加速、少子高齢化の加速による労働力不足といった社会的課題は深刻化し、社会生活にもさまざまな不都合や不安が生じます。また、企業各社では事業運営の効率化や省力化の進展と同時に、事業継続や環境配慮への対応が求められるなど、経営課題は複雑化していきます。これからは、既存の機器やサービス提供による現場課題の解決だけではなく、お客様の経営課題の解決に、ともに取り組むことが必要です。これからの安心・安全・快適な社会とは何か?オムロン自身が将来像を描き、社会システム事業で培ってきたノウハウを活かしたソーシャルオートメーションで、次世代の社会システムの実現を目指します。

    <2023年度の業績と2024年度の見通し>

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_027" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_028" />

    <売上高・営業利益・売上総利益率の推移>                <社会価値創出のKPIの進捗>

    <> <img style={{height: '138.48px', width: 445, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_39.jpg" /> </>

    <> <img style={{height: '140.14px', width: 149, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_40.jpg" /> </>

    <> <img style={{height: '77.59px', width: 610, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_41.jpg" /> </>

    <「SF2030」における価値創造の取組み>

     電子部品事業は、「SF2030」において、3つのトランスフォーメーションを実現していきます。

     1つ目は、事業のトランスフォーメーションです。オムロンの注力ドメインの一つとして、「カーボンニュートラルの実現」「デジタル化社会」の社会的課題を解決する事業を目指します。コア技術と多彩な機能の組み合わせで製品の価値を向上させ、お客様が必要な機能をデバイス&モジュールを軸としたソリューションとして提供し、社会課題の解決に取り組んでいきます。コアとなる“繋ぐ・切る”技術は、創業以来、社会・お客様に提供し続けているリレー、スイッチ、コネクター、センサーなどのデバイス&モジュールの高機能化と品質向上で磨き続けてきた製品に流れる電気を繋ぐ・切る(オン・オフする)機能や、センシングする機能です。これらで、「新エネルギーと高速通信の普及」に貢献する新たな社会価値を創出していきます。

     2つ目は、注力領域のシフトです。コア技術を軸とした事業の強みが最大限発揮でき、さらなる成長機会が見込まれる4つの事業領域にフォーカスしていきます。注力領域は、DCドライブ機器、DCインフラ機器、高周波機器、遠隔/VR機器です。DCドライブ機器、DCインフラ機器においては、環境負荷対応により電源の直流化・高容量化、インフラの電動化が進んでいきます。製品の普及促進に向けて課題となるのが、感電や発火を防ぐための安全対策です。高周波機器、遠隔/VR機器においては、急速なデジタルシフトで高速通信・データの大容量化を実現する技術・デバイスが必要となります。これら課題解決の根幹を、我々の“繋ぐ・切る”技術で実現します。

     3つ目は、提供価値のシフトです。これまでの価値に加えて、「グリーン・デジタル・スピード」を軸とした新たな価値を加えていきます。脱炭素社会の実現に貢献するデバイス群の創出、デジタル価値の提供、営業・開発・生産が一体となり、社会変化に柔軟かつタイムリーに対応するコンカレント活動などにより提供価値スピードを加速していきます。

    <2023年度の業績と2024年度の見通し>

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_029" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_030" />

    <売上高・営業利益・売上総利益率の推移>                <社会価値創出のKPIの進捗>

    <> <img style={{height: '135.68px', width: 436, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_42.jpg" /> </>

    <> <img style={{height: '116.02px', width: '155.92px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_43.jpg" /> </>

    (注)経営管理区分の見直しにより、2022年度より、IABの一部をDMBに含めて開示しています。

       これに伴い2021年度を新管理区分に組み替えて表示しています。

    <> <img style={{height: '77.63px', width: 615, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_44.jpg" /> </>

    <「SF2030」における価値創造の取組み>

     データソリューション事業本部は、オムロングループ全体をモノづくりからデータを活用したソリューションビジネスに進化させ、新たな成長ステージへ先導します。オムロンが長期ビジョンSF2030で掲げる3つの社会的課題「カーボンニュートラルの実現」「デジタル化社会の実現」「健康寿命の延伸」を解決するためには、データの活用が重要です。2023年10月16日にグループ会社となった株式会社JMDC(以下、JMDC社)との協業により、ヘルスケアドメインにおける拡張に留まらず、オムロングループのデバイスやコンポーネントから得られる膨大な現場データと、JMDC社のデータマネジメント力、ソリューション開発力を組み合わせることで、オムロンのビジネスモデルを進化させるとともに、社会的課題の解決につながる次の成長事業を創造します

     データソリューション事業には、当社が2023年10月16日に連結子会社化したJMDC社の、同日以降の財務数値を含んでいます。

    <2023年度の業績と2024年度の見通し>

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_031" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_032" />

    <売上高・営業利益・売上総利益率の推移>

    <> <img style={{height: '129.94px', width: 416, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_45.jpg" /> </>

    (2) 財政状態、キャッシュ・フローの状況・分析・検討

    ①財政状態

     当期(2023年度)末の資産の部は、JMDC社の株式の追加取得などにより、前連結会計年度末に比べ3,566億円増加して13,547億円となりました。また、負債の部は、長期借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,368億円増加の4,037億円となりました。純資産の部は、JMDC社の株式の追加取得に伴う非支配持分の増加などにより、前連結会計年度末に比べ2,198億円増加し9,510億円となりました。株主資本比率は58.1%となったものの、強固な財務基盤を維持しています。

     資金流動性については、当期末現在の手元現預金を1,431億円保有していることに加えて、金融機関との間で300億円のコミットメントライン契約を維持しており、高い水準を維持しています。また、今後の成長投資資金の確保に備え、格付機関から長期発行体格付として高格付を維持するとともに、グローバルで金融機関との良好な関係を維持することで、資金調達力を確保してまいります。

    2023年3月末 2024年3月末 増減
    資産合計(資産の部合計) 9,982 億円 13,547億円 +3,566億円
    負債の部合計 2,669 億円 4,037億円 +1,368億円
    株主資本 7,285 億円 7,867億円 +582億円
    非支配持分 28 億円 1,643億円 +1,616億円
    純資産の部合計 7,312 億円 9,510億円 +2,198億円
    負債及び純資産合計 9,982 億円 13,547億円 +3,566億円

     なお、当期(2023年度)のROE(株主資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)は、当社グループの資本コスト(当社推定値8%)を大きく下回る水準となりました。さらなる企業価値向上のためには、蓄積されたキャッシュと今後生み出すキャッシュを既存事業の強化と新たな成長機会に再投資し、成長を加速することが必要と認識しています。引き続き、経営資本の適正配分により、将来キャッシュ・フローの創出能力と資本効率を高めて企業価値向上を実現し、株主の皆さまの期待に応えてまいります。

      <ROIC>                    <ROE>

    <> <img style={{height: '157.85px', width: 589, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_46.jpg" /> </>

        (注)車載事業売却影響除くROIC、ROEは、当期純利益から車載事業売却益を控除して計算したものです。

      <株主資本、株主資本比率>

    <> <img style={{height: 163, width: '580.03px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_47.jpg" /> </>

    ②キャッシュ・フローの状況

    キャッシュアロケーションの方針と推移

     当社グループにおけるキャッシュアロケーションポリシーと株主還元方針は、以下のとおりです。

    <キャッシュアロケーションポリシー>

    (ⅰ)長期ビジョンの実現による企業価値の最大化を目指し、中長期視点で新たな価値を創造するための投資を優先します。ただし、2024年4月1日~2025年9月30日までの「構造改革期間」は、全社のリソースを集中して構造改革プログラム「NEXT2025」に取り組み、「業績の立て直し」と「収益・成長基盤の再構築」を実現するために必要な投資を最優先で実行します。その上で、安定的・継続的な株主還元を実行していきます。

    (ⅱ)これら価値創造のための投資や株主還元の原資は内部留保や持続的に創出する営業キャッシュ・フローを基本とし、必要に応じて適切な資金調達手段を講じて充当します。なお、金融情勢によらず資金調達を可能とするため、引き続き財務健全性の維持に努めます

    <株主還元方針>

    (ⅰ)中長期視点での価値創造に必要な投資を優先した上で、毎年の配当金については、「株主資本配当率(DOE)3%程度」を基準とします。そのうえで、過去の配当実績も勘案して、安定的、継続的な株主還元に努めます。

    (ⅱ)上記の投資と利益配分を実施したうえで、さらに長期にわたり留保された余剰資金については、機動的に自己株式の買入れなどを行い、株主の皆さまに還元していきます。

     当社グループのキャッシュアロケーションの推移は以下の通りです。

    <キャッシュアロケーション推移>

    <> <img style={{height: '271.14px', width: 606, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_48.jpg" /> </>

    (注)1 為替レートの影響は除いて表示しています。

       2 投資キャッシュ・フローについては、事業売却・買収等による影響を分けて表示しています。

         事業売却・買収等による収入・支出には、連結キャッシュ・フロー計算書の「事業売却(現金流出額との純額)」

         「事業買収(現金取得額との純額)」および 「関連会社に対する投資の増加」が含まれています。

    2023年度のキャッシュ・フローの状況

     営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権や棚卸資産が前期末比で大きく減少したこと等により、449億円の収入(前期比86億円の収入減)となりました。

     投資活動によるキャッシュ・フローは、JMDC社の株式の追加取得や資本的支出などにより1,071億円の支出(前期比516億円の支出増)となりました。なお、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加えたフリーキャッシュ・フローは622億円の支出(前期比601億円の支出増)となりました。

     財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いによる支出の一方で、借入金の増加により860億円の収入(前期比1,447億円の収入増)となりました。

     以上の結果、当期末における現金及び現金同等物残高は、前期末から378億円増加し、1,431億円となりました。

    2023年3月期 2024年3月期 増減
    営業活動によるキャッシュ・フロー 535億円 449億円 △86億円
    投資活動によるキャッシュ・フロー △555億円 △1,071億円 △516億円
    フリーキャッシュ・フロー △21億円 △622億円 △601億円
    財務活動によるキャッシュ・フロー △588億円 860億円 +1,447億円

    2024年度のキャッシュ・フローの見通し

     次年度(2024年度)においては、構造改革プログラム「NEXT2025」の遂行による利益率改善や棚卸資産を中心とした運転資金の効率化を図ってまいります。

     投資活動においては、投資規律を維持し、設備投資・投融資の案件を厳選して実行してまいります。なお、2024年度の設備投資は、ITシステム刷新等により当期比106億円の増加を見込んでいます。

     また、財務活動では、グループ全体の効率的な資金配置を継続して実行していくとともに、金融情勢を踏まえた柔軟な調達・運用を実施してまいります。

    <2024年度のキャッシュ・フロー関連項目>

    2023年度 (実績) 2024年度 (見通し) 増減
    減価償却費 308 億円 370 億円 +62 億円
    資本的支出(設備投資) 454 億円 560 億円 +106 億円

      (注)資本的支出は、連結キャッシュ・フロー計算書記載の金額

    資金調達、資本政策の方針

     当社グループは、成長投資の実行と安定的な事業運営を行うため、資本効率を高めつつ、事業運営に必要な流動性と多様な調達手段を確保することを基本としています。そのための資金調達を含む資本政策については、以下の基本方針としています。

    (ⅰ)株主価値を維持向上するために、投下資本利益率(ROIC)、株主資本利益率(ROE)および1株当たり利益(EPS)の目標水準を考慮した経営を行います。また、経済環境等の急激な変化に備え、金融情勢によらず資金調達が可能な高格付けを維持できる自己資本比率を目標とします。

    (ⅱ)支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策については、取締役会において、上記の目標とする投下資本利益率(ROIC)、株主資本利益率(ROE)および1株当たり利益(EPS)等への影響を十分に考慮した上で合理的な判断を行います。

    (ⅲ)大規模な希釈化をもたらす資本調達を実施する場合には、資金使途の内容と回収計画を取締役会において十分に審議のうえ決議するとともに、投資家・株主への説明を行います。

    <格付情報>

     本報告書提出時点における格付けについては、株式会社格付投資情報センター(R&I)から以下のとおり取得しております。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_033" />

    <社債情報>

     現在発行している社債はありません。

    (参考)ROIC経営への取組み
     当社グループはROICを重要な経営指標としています。全社一丸となってこの指標を持続的に向上させるため、「ROIC経営」を社内に広く浸透させています。長期ビジョン「SF2030」においても、ROIC経営を推進し、今後も飛躍的な成長を実現していきます。

     事業特性が異なる複数の事業部門を持つ当社グループにとって、ROICは各事業部門を公平に評価できる最適な指標です。営業利益の額や率などを指標とした場合、事業特性の違いや事業規模の大小で評価に差が出ますが、投下資本に対する利益を測るROICであれば、公平に評価することができます。独自の事業ポートフォリオを展開していく当社グループにとって、ROICは欠かすことができない指標です。当社グループのROIC経営は、「ROIC逆ツリー展開」、「ポートフォリオマネジメント」の2つで構成しています。

    <> <img style={{height: '165.6px', width: '466.53px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_49.jpg" /> </>

    <ROIC逆ツリー展開>

     ROIC逆ツリー展開により、事業戦略を起点にROICを各部門のKPIに分解して落とし込むことで、現場レベルでのROIC向上を可能にしています。ROICを単純に分解した「ROS」、「投下資本回転率」といった指標では、現場レベルの業務に直接関係しないことから、部門の担当者はROICを向上させるための取組みをイメージすることができません。例えば、ROICを自動化率や設備回転率といった製造部門のKPIにまで分解していくことで、初めて部門の担当者の目標とROIC向上の取組みが直接つながります。現場レベルで全社一丸となりROICを向上させているのが、当社グループの強みです。

    <> <img style={{height: '300.47px', width: '533.33px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_50.jpg" /> </>

    <ポートフォリオマネジメント>

     全社を約60の事業ユニットに分解し、ROICと売上高成長率の2軸で経済価値を評価するポートフォリオマネジメントを行っています。これにより新規参入、成長加速、構造改革、事業撤退などの経営判断を適切かつ迅速に行い、全社の価値向上をドライブしています。

     また、限られた資源を最適に配分するために、「経済価値評価」だけではなく、「市場価値評価」も行っています。それにより、各事業ユニットの成長ポテンシャルを見極められ、より最適な資源配分を可能にしています。

    <> <img style={{height: '179.8px', width: '506.53px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_51.jpg" /> </>

    (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

     当有価証券報告書に記載する連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。連結財務諸表の作成にあたり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。長期性資産の減損、のれんおよび非償却性の無形資産の減損、および繰延税金資産の回収可能性等については、事業環境の変化の影響を踏まえて見積りおよび判断を行っています。

     詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 Ⅰ 重要な会計方針の概要 F 会計処理基準」に記載していますが、当社の経営戦略および連結財務諸表に与える影響から重要性があると考えられるものは以下のとおりです。

    戦略投資等にかかるのれん等の評価

     当社グループは将来に向けた成長力強化の一環として積極的な戦略投資を行っています。

     制御機器事業(IAB)においては、モノ作り現場の課題に対して、“i-Automation!”で革新を起こすアプリケーションを強化することを目的として、2015年にモーションコントローラーメーカーであるDelta Tau Systems, Inc. およびロボットメー カーであるAdept Technology, Inc.を、2017年にコードリーダーメーカーであるMicroscan Systems, Inc.をいずれも 米国にて取得しました。

     ヘルスケア事業(HCB)においては、脳・心血管疾患の重症化を防ぎ、治療をサポートする事業での協業を目的として、米国を中心に心疾患の診断と治療の支援サービスおよび商品を提供するAliveCor,Inc.へ2020年2月に出資を行いました。

     また、長期ビジョン「SF2030」ではデータを基軸とした価値創造への収益構造転換が重要になると考えており、その先駆けとして、2022年2月に医療データサービス会社であるJMDC社との資本業務提携のために同社株式の取得を行いました。また、2023年10月には同社株式の追加取得を行い、連結子会社としました。

     当社グループでは、投資管理プロセスを運用しており、買収案件の投資回収状況やのれん減損テストの結果、買収事業の進捗と今後の計画については年に1回、取締役会へ報告しています。

    ・のれん評価

     当社は、のれんの評価について、のれんの償却は行わず、少なくとも年に1回又は減損の兆候が識別された場合に減損テストを実施しています。

     IABにおいて取得した事業ののれんについては、取得した事業が“i-Automation!”戦略と一体となってシナジー効果が創出されることから、シナジー効果の享受が期待される、検査装置事業を除いたIABをのれんの報告単位として決定しています。

     JMDC社の連結子会社化により取得した事業ののれんについては、当社の既存ビジネスとJMDC社の協業により、ソリューションビジネスを推進するために2023年12月21日付で設立したデータソリューション事業本部(DSB)を報告単位として決定しています。

     減損テストの実施に当たっては、当該報告単位の公正価値をディスカウント・キャッシュ・フロー法により算出した評価額と市場価格にコントロールプレミアムを加味した市場株価法による評価額に基づいて算出し、対応する帳簿価額と比較して評価を行っています。ディスカウント・キャッシュフロー法による公正価値は経営者により承認された原則5年間の事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しています。事業計画の策定には、マクロ経済状況、市場成長率、利益率、設備計画等の仮定を用いており、事業計画予測期間以後のキャッシュ・フローは、各事業の所在国のインフレ率で永続的に成長する仮定や、類似企業の公開市場での評価を参考にしており、多くの重要な見積りを含んでいます。

     加重平均資本コストは、リスクフリーレート、所在国の経済や市場の状況を反映させるためのリスクプレミアム、インフレ率、負債コスト、類似企業の決定、類似企業に対してプレミアムもしくはディスカウントが適用されるべきかの決定等、多くの見積りを使用して算出しています。

     当年度の減損判定においては、公正価値が帳簿価額を超過していたため、のれんの減損損失は認識しておりません。

     各オペレーティングセグメントの当期末連結貸借対照表におけるのれん残高及び減損テストの方法は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 Ⅱ 主な科目の内訳及び内容の説明 G のれん及びその他の無形資産」に記載しています。

    ・関連会社に対する投資の評価

     当年度末連結貸借対照表に計上されている関連会社に対する投資及び貸付金には、HCBのAliveCor,Inc.に対する持分法による投資10,265百万円が含まれており、純資産に対する当社の持分相当額を上回る9,173百万円は、主に持分法適用開始時に識別したのれん相当額によるものです。

     当社は、関連会社に対する投資について、投資先の超過収益力に基づく公正価値評価を行い、その価値の下落が一時的とは認められない場合には、持分の簿価が当該関連会社の公正価値の当社持分を超過した分について持分法損失を認識しています。同社についてはスタートアップ企業であるため将来事業計画の達成可能性の不確実性やのれん相当額の重要性を鑑み当該公正価値をのれんの評価と同じ方法で算出した結果、公正価値が投資簿価を上回ることから、評価損失の計上は不要と判断しています。

    (4) 生産、受注及び販売の実績

     当年度におけるセグメントごとの販売実績は、「(1) 事業環境、経営成績等の状況・分析・検討」に記載のとおりです。なお、当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額で示すことはしていません。

    (5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

     経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。

    5【経営上の重要な契約等】

     当社は、2023年9月8日開催の取締役会決議に基づき、同日付で、株式会社JMDC(以下、JMDC社)と資本業務提携 契約の変更契約を以下の通り締結いたしました。

     オムロン株式会社(以下、オムロン)は、JMDC社株式を追加取得し、更なる社会的課題の解決と事業価値の拡大のためにJMDC社との間の資本業務提携関係を強化することを目的として、JMDC社との間で、2023年9月8日付で、本資本業務提携変更契約を締結いたしました。本資本業務提携変更契約の概要等(2022年2月22日付資本業務提携契約のうち本資本業務提携変更契約により変更されていない規定の概要等を含みます。)は、以下のとおりです。

    (a)本資本業務提携に基づく業務提携の領域

     本資本業務提携に基づく業務提携の領域を以下のとおり拡大しております(2022年2月22日付資本業務提携契約からの変更箇所は下線部分になります。)。

    (ア)ヘルスデータプラットフォームの強化

    ・オムロングループ保有データのJMDC社グループへの連携によるヘルスデータプラットフォームの構築

    ・データ収集のためのJMDC社グループのプロダクト・サービスの販売協力

    (イ)予防ソリューションの開発

    ・1次~3次予防や介護予防領域における生活者・患者への行動変容サービスや医療事業者の治療・指導支援 サービスの共同開発と社会実装を含む、デバイスとデータを駆使した画期的な予防ソリューションの開発

    ・オムロングループによる保険者向けのデバイスの開発とJMDC社グループへの供給

    (ウ)JMDC社グループの海外事業展開の加速

    ・海外でのJMDC社グループのプロダクト・サービスの販売協力

    ・JMDC社グループによるオムロングループの海外拠点の活用

    (エ)デバイス・サービスのクロスセル

    ・パーソナル・ヘルス・レコードとデバイスを連携したソリューションの医療機関、保険者、自治体、企業等への展開

    ・オムロングループとJMDC社グループの製品・サービス・ソリューションに関する相互取引

    (オ)オムロングループのデータソリューション事業の開発と社会実装

    ・インダストリアルオートメーション並びにソーシャルソリューション領域における協業テーマの設置・推進

    ・オムロングループに対するJMDCグループからの人材派遣や、オムロングループによるJMDC社グループへの業務委託

    (b)両社間の従業員の出向

     オムロン及びJMDC社は、本資本業務提携変更契約において、本資本業務提携を円滑に推進することを目的として、オムロンの従業員のJMDC社への出向及びJMDC社の従業員のオムロンへの出向(それぞれ複数名を想定する。)の受入れについて、相手方から提案があった場合には、相手方と誠実に協議することを確認する旨、当該出向の時期や処遇の詳細(人数や人選を含む。)については、従業員の意向を踏まえて、協議の上、決定する旨を合意しております。

    (c)役員の派遣

     オムロン及びJMDC社は、2022年2月22日付資本業務提携契約において、オムロンは、JMDC社の指名・報酬委員会に対し、JMDC社の業務執行取締役でない取締役候補者(以下「オムロン指名取締役」といいます。)1名を推薦することができ、JMDC社の指名・報酬委員会は、オムロン指名取締役を取締役候補者として指名することについて合意しております。なお、本資本業務提携変更契約において、当該合意内容について変更はされておりません。

    (d)株式等の発行又は処分

     オムロン及びJMDC社は、本資本業務提携変更契約において、JMDC社が自らの裁量において、資金調達、M&A等に伴い株式等(株式、新株予約権、新株予約権付社債及びその他の株式を取得できる権利の総称を意味します。以下本項において同じです。)を発行又は処分することができる旨、及び、JMDC社はかかる株式等の発行又は処分により(i)オムロンの連結子会社でなくなる場合又は(ii)10%以上の希釈化が生じる場合には、((i)の場合)オムロンがJMDC社を連結子会社とし、又は((ii)の場合)(ii)に示す希釈化を回復するために必要な範囲でJMDC社の株式等を追加取得する機会(その内容はJMDC社が合理的に判断する)を事前又は事後(但し、JMDC社は募集株式の発行又は処分の公表の遅くとも1か月前までにオムロンに通知等する)にオムロンに提供する(但し、オムロンがJMDC社の株式を売却その他の処分を行った場合には、機会提供に関する規定の効力は消滅する)旨を合意しております。

    (e)JMDC社株式の取扱い

     オムロン及びJMDC社は、2022年2月22日付資本業務提携契約において、オムロンは、JMDC社の株式等の追加取得を行う場合には、当該追加取得についての最終決定予定日の1ヶ月前までに、JMDC社に書面で通知する旨、並びに、オムロンは、その保有するJMDC社株式の処分を希望する場合(当該処分の対象となる株式に係る議決権割合が5%超であるものに限る。)には、当該処分についての最終決定予定日の3ヶ月前までに、JMDC社に書面で通知する旨、及び、オムロンは、その保有するJMDC社株式の処分先についてJMDC社から当該通知の受領日から2ヶ月以内に意向が示 された場合、経済的に概ね同等のものである限り、かかる意向につき最大限尊重する旨を合意しております。なお、 本資本業務提携変更契約において、当該合意内容について変更はされておりません。

    6【研究開発活動】

     当社グループは、技術の強化と人財の育成を目的に中長期的視野に立った技術戦略を定め、研究開発を実行しています。自社の強み、コア技術として進化させ続けている「センシング&コントロール+Think」技術を技術戦略の核として、全社的視点から当社の研究開発部門である技術・知財本部が基盤的な技術開発を担い、各事業部門がその応用技術開発や商品開発を実施しています。主力事業である制御機器事業をはじめ、ヘルスケア事業、社会システム事業、電子部品事業に重点的に研究開発費を割当て、製品開発およびものづくり技術の強化を実施しています。

    (1)当社グループの研究開発への取組み

     自社コア技術の注力領域としてロボティクス、センシング、パワーエレクトロニクス、AI・データ解析の4領域に対し継続的な研究開発に取組んでいます。

     当社グループのコア技術に関する情報はこちらをご覧ください。

     https://www.omron.com/jp/ja/technology/technology/

    <注力する技術領域>

    <> <img style={{height: 97, width: 437, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_52.jpg" /> </>

     ロボティクスにおいては、2023年7月より中外製薬株式会社様、オムロン サイニックエックス株式会社、当社の3社による共同研究として、ラボオートメーションシステムの実現に向けた実証実験を開始しています。創薬研究の生産性向上、実験データの品質向上、ならびに新たな実験活動を実現する研究工程の自動化において、既存システムより自由度、汎用性、人との共存性の高い柔軟なラボオートメーションシステムの実現を目指しています。

    <ラボオートメーションシステム>

    <> <img style={{height: 202, width: '381.53px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_53.png" /> </>

     パワーエレクトロニクスにおいては、技術・知財本部と社会システム事業の開発部門が連携し開発した、電気自動車を大容量の蓄電池システムと見立て住宅や施設で活用可能とするV2Xシステムを発売いたしました。同システムは、次世代半導体デバイスGaN(窒素ガリウム)をV2Xシステムに先進的に活用したことで国内最小最軽量クラス(注1)を実現し、これまで設置が難しかった狭小地等への設置が可能になりました。

     (注1) EV・PHEV向けパワーコンディショナメーカー各社公開の商品情報に基づき、当社で独自調査を行ったもの(2022年12月現在)

     センシングとAI・データ解析においては、継続的な研究開発活動に加え、学会等での社外発信を積極的に行い、製造現場などで扱うワイヤーなどの線形状物体が重なり合っていても輪郭を高精度に検出する手法に関する論文(注2)が、公益社団法人 精密工学会「2023年度 精密工学会髙城賞」を受賞いたしました。
     (注2) 論文タイトル:「線形状物体における高精度な形状予測のためのインスタンスセグメンテーションモデル」

     また、技術・知財本部に属する研究子会社であるオムロン サイニックエックス株式会社においては、ディープラーニングモデルの「トランスフォーマー」を活用した無機材料の結晶構造の生成に関する手法を提案した論文(注3)、機械学習分野のトップカンファレンスであるICLR2024で採択されました。この成果は、これまで研究者が試行錯誤により行っていた材料開発の効率化に期待されます。

     (注3) 論文タイトル:「Crystalformer: Infinitely Connected Attention for Periodic Structure Encoding」

     グループ全体の研究開発に関する費用の総額は、前連結会計年度は501億82百万円、当連結会計年度は501億44百万円です。なお、研究開発費には技術・知財本部で行っている技術開発費用65億10百万円が含まれています。

    (2)知的財産活動

     当社グループにおける知財活動は、技術・知財本部傘下の知的財産センタを中心に、長期ビジョンの実現に向けて知財・無形資産の活用と連結する価値創造ストーリーとしてビジネスモデルの具体化を進め、「独占排他型」と「共有共鳴型」を最適なバランスで組み合わせた"両利きの知財活動"を実行することを方針とし、その実践に取り組んでいます。

     自社製品の売上やシェアを伸ばすことを目的として、知財を他者と共有せず独占することを原則とする知財活動のみならず、各事業の価値創造ストーリー実現に向け、パートナーとのアライアンスを重視しながら、必要な知財を相互にシェアすることで、ビジネスエコシステムを広げて市場の成長を促進しています。

     その実現に向け、知的財産センタでは、知財で新たな価値を創り、届けることで当社グループを持続的な成長に導けるよう、ミッション&ビジョンを定め取り組みを進化させています。以下に、ミッションの達成に向けた具体的な知財活動事例を紹介します。

    <オムロン知的財産センタのミッション・ビジョン>

    <> <img style={{height: 173, width: 551, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_54.png" /> </>

     まず、事業創造の初期段階から知的財産センタが参画し、「IPランドスケープ」(注4)を通じて想定顧客のニーズ分析や技術課題を構造化しています。そして、事業仮説の具体化、開発テーマの設定において、仮説検証のサイクルを効率的に回すことで、事業・技術・知財の戦略を三位一体で策定・実行する環境を整えています。

     (注4) IPランドスケープ:特許等の知財情報や非知財情報、社内情報等を俯瞰的に分析して、経営判断の戦略情報として活用するとともに、事業・技術戦略へフィードバックして戦略策定・実行を推進する手法

     また、事業環境や社会環境が変化していく中で、コーポレートブランドの核である「OMRON」商標の使用範囲はグローバルに拡大しています。それに伴い、第三者によるECサイトでの模倣品販売、SNS上での偽アカウント等、巧妙な不正使用も増加しています。知的財産センタは、グローバル各国で「OMRON」商標を活用しながらブランディングを行うと共に、各拠点の知財部門と連携しながらブランド侵害のモニタリングを行い、各国の法律・制度も踏まえた対策を実施しています。2024年2月には、インドにおいて、「OMRON」が日本企業では16件目の著名商標(注5)に認定されました。今後さらに模倣品対策を強化し、オムロンブランドの維持・拡大を通じて顧客に安心・信頼を届けることに努めます。

     (注5) 著名商標:対象国全土で高い認知度を有する商標として認定されるもの

                                         <TOP100グローバル・イノベーター2024表彰>

    さらに、戦略に基づき出願から活用までシームレスに繋げる「知財サイクル」を回すことで、特許等の知財権を侵害する企業に対して、国内外を問わず警告や訴訟提起を行う等の対応を徹底しています。また、事業部門がお客様に新たなソリューションを提案する中で、知財・無形資産がオムロン製品・サービスの競争力の源泉となっていることをお伝えし、お客様との共創によって、オムロンならではの価値を生み出せることをご理解いただくことにも取り組んでいます。 これらの知財活動が評価され、オムロンは、世界で最も革新的な企業・研究機関を選出する「Top100 グローバル・イノベーター」(クラリベイト社)に8年連続で選出されています。

     このように、技術・知財本部では、磨き続けるコア技術の進化と両利きの知財活動の進化をもとに、ソーシャルニーズの創造を世に先んじて取り組んでまいります。

    (3)事業セグメント別の研究開発活動

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_034" />

    ①インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)

     当セグメントは、人を重労働から解放しエネルギー制御と融合させる「①人を超える自働化」、機械が人に寄り添い人の可能性を引き出し、人と機械が共に成長する「②人と機械の高度協調」、前述の2つのコンセプトを支える、現場の商品や人のナレッジ、そしてデータを繋ぎ、価値ある形に擦り合わせる「③デジタルエンジニアリング革新」のモノづくりコンセプトで研究開発に取り組んでいます。

     これら3つのコンセプトを基に、デジタルデバイス、環境モビリティ、食品・日用品、医療、物流の5つの業界において、「顧客起点」で価値創造とグローバルの顧客への価値伝達を進めています。従来のモノ視点から、コト視点で俯瞰して顧客課題を捉えるようにシフトし「ソリューション」としての創出・提供に取り組んでいます。様々な先進コア技術やオムロンの幅広いFA商品群を起点にして、機能モジュールやソフトウェア、アプリケーション、サービスを体系的に構成し、各業界の顧客や工程に合わせて提供できるように技術や商品開発を強化しています。積極的に特許の出願や活用する取組みも強化し、”Top 100 Global Innovators”を8年連続で受賞しています。

     加えて、新規技術獲得には、自社内だけで不足しているものは積極的にグローバルのスタートアップ企業や大学等も含めた産官学でのオープンイノベーションも進めています。

    ②ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)

     当セグメントは、マーケティング部門と研究開発部門が一体となり、パーソナライズ医療の実現に向けて、真のユーザーニーズの把握・創出に努め、一層の開発スピードアップを目指しています。また研究開発部門は、一人ひとりの健康ですこやかな生活の実現に向け、脳・心血管疾患の発症ゼロを目指す「循環器事業」、喘息・COPD患者の重症化ゼロを目指す「呼吸器事業」、慢性痛による日常の活動制限ゼロを目指す「ペインマネジメント事業」の3事業領域において新しい価値を提供できる新商品の創出を目指しています。

     当期の主な開発テーマとして、循環器事業においては、疾患の早期発見・治療に繋げることを目的として、血圧、脈拍、脈波、心電計測技術を搭載した心機能低下を捉える新たな血圧計の開発を進めるとともに、遠隔診療サービスのシステム開発・改善に取り組んでいます。

     呼吸器事業においては、喘息やCOPDの患者を対象に、発作の予兆や症状を計測する機器の開発にパートナーと共に取り組んでいます。

     ペインマネジメント事業においては、新たな鎮痛技術を搭載した低周波治療器の開発に取り組んでいます。

    ③ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)

     当セグメントは、太陽光発電用パワーコンディショナー、蓄電システム、自動改札機や券売機などの駅務システム、交通管制システム、決済システム、UPSなどのネットワーク保護といった、多岐にわたる端末・システムに対するお客様のニーズに応える商品開発に取り組んでいます。

     エネルギーソリューション事業では、再生可能エネルギーへの一層の関心の高まりに応えるため、蓄電システムおよび太陽光発電用パワーコンディショナーを中心に高効率化や小型軽量化などの技術開発並びに発電した電力の自家消費ニーズに応える商品創出などに継続して取り組んでいます。

     駅務システム事業、交通管制システム事業においては駅や道路など、公共の場における利用者の安心・安全・快適に貢献する商品として、AI技術・IoT技術を組み込んだ人や車の動きを検知するセンサー・システムの開発に取り組んでいます。

     また、近年、社会課題となっている労働人口減少に対し、社会インフラにおける労働生産性を向上させる技術が求められる中、データサイエンス分野の技術力強化を進めています。

    ④デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)

     当セグメントは、リレー、スイッチ、コネクターを中心としてエレクトロメカニカルコンポ商品および顔認証等の組込画像ソフト技術、光技術などを用いたセンシングコンポ商品、更にはモジュール化技術による高機能化を強みにお客様のニーズに応える新製品開発に取り組んでいます。モジュール化技術においてはセンサ開発を得意とするオムロンと予報精度No.1の技術を誇る株式会社ウェザーニューズの両社の強味を活かし、気温・湿度・気圧・雨量・風向・風速・照度の7つの気象要素を1分毎に観測する小型の気象IoTセンサである「ソラテナPro」を共創し開発しました。これにより現場の気象を見える化し、アプリを通して気象の変化をすばやく伝えるため、農業・建築・ドローン・物流・電力・食品小売など業界を問わず企業の安全対策や生産性向上などにご活用いただけます。また、気象における課題解決に貢献する製品として高い評価を獲得したことで、第66回「十大新製品賞」(主催: モノづくり日本会議、日刊工業新聞社)において、「日本力賞」を受賞することができました。「ソラテナPro」を通してデジタル化社会の促進や災害リスクの低減を支援することで、持続可能な社会づくりに貢献していきます。

    ⑤データソリューションビジネス(データソリューション事業)

     当セグメントは人材やテクノロジーに積極的に投資し、医療ビッグデータを活用した新しい取組みやサービス開発にチャレンジし続けます。ヘルスケアデータの収集のためのサービス開発とヘルスケアデータの利活用方法の開発を目的にアカデミアとの連携を含めた研究開発活動を実施しています。また、ディープラーニングを中心とするAIテクノロジーを用いた診断アシストエンジンを日々の読影の中で活用できるようにする診断アシストプラットフォーム「AI-RAD」の開発に取り組んでおります。

    第3【設備の状況】

    1【設備投資等の概要】

     当社グループでは、将来の成長に向けた生産設備の増強および拠点投資、ならびにITインフラの刷新など必要な設備投資を厳選して実施しました。その結果、当期の設備投資額は448億94百万円(前期比0.4%減)となりました。

     部門別の設備投資金額は、次のとおりです。

    セグメントの名称 金額(百万円) 前期比増減(%)
    インダストリアルオートメーションビジネス 7,255 △22.0
    ヘルスケアビジネス 3,948 △40.1
    ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス 5,558 63.7
    デバイス&モジュールソリューションズビジネス 6,073 △36.6
    データソリューションビジネス 1,164
    本社他 20,896 28.9
    合計 44,894 △0.4

    (注)「本社他」には、本社機能部門および上記各部門に属さない子会社などが含まれます。

    2【主要な設備の状況】

     当社グループにおける主要な設備は次のとおりです。なお、帳簿価額は、提出会社又は子会社の財務諸表におけるものを記載しています。

    (1) 提出会社

    2024年3月31日現在

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_035" />

     (注)1 帳簿価額のうちその他は、工具、器具及び備品および建設仮勘定の合計です。

        2 帳簿価額のうち土地は「土地の再評価に関する法律」(平成10年3月31日公布法律第34号)および「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(平成13年6月29日公布法律第94号)の適用による再評価後の金額です。

    3 帳簿価額のうち土地の面積については、自社所有分を( )で記載しています。

    4 セグメントの名称は、主要なオペレーティング・セグメントを記載しています。

    5 従業員数は就業人員数です。

    6 上記の他、連結会社以外からの主要な賃借設備の内容は下記のとおりです。

    事業所名 (所在地) セグメントの名称 設備の内容 賃借期間 年間賃借料 (百万円)
    京都事業所(本社) (京都市下京区) 本社他 建物 2025年3月まで 1,080
    東京事業所 (東京都港区) 本社他 建物 2030年12月まで 1,209

    (2) 国内子会社

    2024年3月31日現在

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_036" />

     (注)1 帳簿価額のうちその他は、金型および建設仮勘定の合計です。

    2 帳簿価額のうち土地の面積については、自社所有分を( )で記載しています。

    3 セグメントの名称は、主要なオペレーティング・セグメントを記載しています。

    4 従業員数は就業人員数です。

    (3) 在外子会社

    2024年3月31日現在

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_037" />

     (注)1 帳簿価額のうちその他は、金型および建設仮勘定の合計です。

    2 帳簿価額のうち土地の面積については、賃借分を[ ]で記載しています。

    3 セグメントの名称は、主要なオペレーティング・セグメントを記載しています。

    4 従業員数は就業人員数です。

    3【設備の新設、除却等の計画】

     当連結会計年度末現在における重要な設備の計画は次のとおりです。

    (1) 新設

     当社グループの設備投資については、将来の競争力強化等を目的に、経済状況・需要動向・投資効率等を総合的

    に勘案し計画しています。当連結会計年度後1年間の設備投資予定額は55,600百万円であり、その所要資金については主に自己資金を充当し、必要に応じ外部資金調達も活用して確保する予定です。

    (2) 重要な設備の除却等

     該当事項はありません。

    第4【提出会社の状況】

    1【株式等の状況】

    (1) 【株式の総数等】

    ① 【株式の総数】
    種類 発行可能株式総数(株)
    普通株式 487,000,000
    487,000,000
    ② 【発行済株式】
    種類 事業年度末現在 発行数(株) (2024年3月31日) 提出日現在 発行数(株) (2024年6月21日) 上場金融商品取引所名 又は登録認可金融 商品取引業協会名 内容
    普通株式 206,244,872 206,244,872 東京証券取引所 プライム市場 完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式。 単元株式数 100株
    206,244,872 206,244,872

     (注) フランクフルト証券取引所については、2024年2月20日(ドイツ時間)に上場廃止となっています。

    (2) 【新株予約権等の状況】

    ① 【ストックオプション制度の内容】

         該当事項はありません。

    ② 【ライツプランの内容】

         該当事項はありません。

    ③ 【その他の新株予約権等の状況】

         該当事項はありません。

    (3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】

        該当事項はありません。

    (4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

    年月日 発行済株式 総数増減数 (千株) 発行済株式 総数残高 (千株) 資本金増減額 (百万円) 資本金残高 (百万円) 資本準備金 増減額 (百万円) 資本準備金 残高 (百万円)
    2019年11月29日 (注) △7,713 206,245 64,100 88,771

     (注)自己株式の消却による減少です。

    (5) 【所有者別状況】

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_038" />

     (注)1 2024年3月31日現在における株主名簿中の自己株式残高8,808,870株のうち、88,088単元は「個人その他」の欄に、70株は「単元未満株式の状況」に含めています。

    2 上記、「その他の法人」欄には、証券保管振替機構名義の株式が2単元含まれています。

    (6) 【大株主の状況】

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_039" />

     (注)1  当社は、自己株式8,809千株(発行済株式総数に対する割合4.27%)を保有していますが、上記大株主から除外しています。

       2  2020年7月20日付で、野村證券株式会社から提出され、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2020年7月15日現在の同社グループ1社が保有する当社株式は16,272千株(発行済株式総数に対する割合7.89%)である旨が記載されています。ただし、当社として同社の実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主に含めていません。

       3  2022年3月22日付で、ブラックロック・ジャパン株式会社から提出され、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2022年3月15日現在の同社グループ12社が保有する当社株式は16,217千株(発行済株式総数に対する割合7.86%)である旨が記載されています。ただし、当社として同社の実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主に含めていません。

       4  2023年10月16日で、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループから提出され、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2023年10月9日現在の同社グループ3社が保有する当社株式は15,543千株(発行済株式総数に対する割合7.54%)である旨が記載されています。ただし、当社として同社の実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主に含めていません。

       5  2023年11月7日付で、三井住友信託銀行株式会社から提出され、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2023年10月31日現在の同社グループ2社が保有する当社株式は12,431千株(発行済株式総数に対する割合6.03%)である旨が記載されています。ただし、当社として同社の実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主に含めていません。

    (7) 【議決権の状況】

    ① 【発行済株式】

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_040" />

     (注)1「完全議決権株式(その他)」の「株式数」および「議決権の数」の中には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ 200株および2個含まれています。

        2「完全議決権株式(その他)」の「株式数」および「議決権の数」の中には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託として保有する当社株式がそれぞれ520,400株および5,204個含まれています。

    ② 【自己株式等】

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_041" />

    (8)【役員・従業員株式所有制度の内容】

       ① 取締役等に対する業績連動型株式付与制度

    当社は、2021年5月14日開催の当社取締役会において、2017年度より導入している社外取締役を除く当社取締役および当社執行役員ならびに当社執行役員の地位を有する当社子会社取締役(以下あわせて「取締役等」という。)を対象とした業績連動型株式付与制度(以下「本制度」という。)の継続および一部改定を決議し、本制度の一部改定に関する議案を2021年6月開催の第84期定時株主総会において決議しました。

    中期経営計画の実現に向けて、取締役等の報酬等と当社の株式価値との連動性をより明確にし、中期経営計画における業績目標達成の意欲を高めることおよび、取締役等による自社株保有の促進を通じて持続的な企業価値(株式価値)向上への貢献意欲を高めることを目的に、取締役等へのインセンティブプランとして、本制度を継続するものです。

    当社取締役および当社執行役員の地位を有する当社子会社取締役(以下あわせて「対象取締役」という。)を対象とした本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)の仕組みを採用しています。また、当社執行役員(BIP信託の対象となる者を除く。以下「対象執行役員」という。)を対象とした本制度は、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下「ESOP信託」という。)の仕組みを採用しています。

    1.BIP信託

    1)制度の概要

    BIP信託とは、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)制度および譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度と同様に、役位および業績目標達成度等に応じて取締役に当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)を交付および給付(以下「交付等」という。)する、役員向けの株式報酬制度です。当社は、当社の掲げる中期経営計画の対象となる事業年度を対象として、受益者要件を充足する対象取締役を受益者とするBIP信託を設定しています。なお、以下の各制度対象者に応じて、2つのBIP信託(以下BIP信託ⅠおよびBIP信託Ⅱをあわせて「本信託」という。)を設定しています。

     BIP信託Ⅰ:当社取締役

     BIP信託Ⅱ:当社執行役員の地位を有する当社子会社取締役

     本信託は、対象取締役の役位および中期経営計画の業績目標の達成度等に応じて、役員報酬として当社株式等について交付等を行う株式報酬制度です。なお、本信託は、当社株式等の交付等を中期経営計画終了後に行う「業績連動部分」と、対象取締役の退任後に行う「非業績連動部分」から構成されています。「業績連動部分」は当社中期経営計画の達成に向けた対象取締役の動機付けおよび中長期の業績と取締役報酬の連動強化を、「非業績連動部分」は対象取締役の株式保有を通じた株主との利害共有の強化を目的とし、「業績連動部分」と「非業績連動部分」の構成割合は、それぞれ60%と40%としています。

    2)信託契約の内容

    ・信託の種類 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
    ・信託の目的 対象取締役に対するインセンティブの付与
    ・委託者 当社
    ・受託者 三菱UFJ信託銀行株式会社 (共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)
    ・受益者 BIP信託Ⅰ:受益者要件を満たす当社取締役 BIP信託Ⅱ:受益者要件を満たす当社執行役員の地位を有する当社子会社取締役
    ・信託管理人 当社と利害関係のない第三者(公認会計士)
    ・信託契約日 2017年8月1日
    ・信託の期間 2017年8月1日~2025年8月31日
    ・制度開始日 2017年8月1日
    ・議決権行使 行使しないものとする。
    ・取得株式の種類 当社普通株式
    ・信託金の金額 BIP信託Ⅰ:9.2億円(信託報酬・信託費用を含む。) BIP信託Ⅱ:0.3億円(信託報酬・信託費用を含む。)
    ・株式の取得時期 2021年8月
    ・株式の取得方法 株式市場から取得
    ・帰属権利者 当社
    ・残余財産 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金等の範囲内とします。

    3)対象取締役に取得させることができる株式上限総数

     BIP信託Ⅰ:600,000株

     BIP信託Ⅱ:200,000株

    2.ESOP信託

    1)制度の概要

     ESOP信託とは、米国のESOP制度を参考にした信託型インセンティブプランです。当社の掲げる中期経営計画の対象となる事業年度を対象として、受益者要件を充足する対象執行役員を受益者とするESOP信託を設定しています。ESOP信託は予め定める株式交付規程に基づき対象執行役員に交付すると見込まれる数の当社株式を株式市場から取得します。その後、ESOP信託は、株式交付規程に従い、対象執行役員の役位および中期経営計画の業績目標の達成度等に応じた当社株式等の交付等を行います。なお、ESOP信託は、BIP信託Ⅰ・Ⅱと同様に、当社株式等の交付等を中期経営計画終了後に行う「業績連動部分」と、対象執行役員の退任後に行う「非業績連動部分」から構成されています。「業績連動部分」は当社中期経営計画の達成に向けた対象執行役員の動機付けおよび中長期の業績と経済的利益の連動強化を、「非業績連動部分」は対象執行役員の株式保有を通じた株主との利害共有の強化を目的とし、「業績連動部分」と「非業績連動部分」の構成割合は、それぞれ60%と40%としています。

    2)信託契約の内容

    ・信託の種類 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
    ・信託の目的 対象執行役員に対するインセンティブの付与
    ・委託者 当社
    ・受託者 三菱UFJ信託銀行株式会社 (共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)
    ・受益者 受益者要件を満たす対象執行役員
    ・信託管理人 当社と利害関係のない第三者(公認会計士)
    ・信託契約日 2017年8月1日
    ・信託の期間 2017年8月1日~2025年8月31日
    ・制度開始日 2017年8月1日
    ・議決権行使 行使しないものとする。
    ・取得株式の種類 当社普通株式
    ・信託金の金額 3.6億円(信託報酬・信託費用を含む。)
    ・株式の取得時期 2021年8月
    ・株式の取得方法 株式市場から取得
    ・帰属権利者 当社
    ・残余財産 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金等の範囲内とする。

       ② 従業員に対する株式付与制度

     1.従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブプラン

    当社は、2022年3月1日開催の当社取締役会において、当社および当社国内子会社のマネージャー層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブプラン(以下「本制度」という。)の導入を決議しました。

    当社は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践していきます。その取組みの一つとして、オムロン従業員持株会(以下、「本持株会」という。)に加入する当社および当社国内子会社のマネージャー層の従業員のうち本制度に同意する者(以下「対象従業員」という。)に対し、本持株会を通じた当社が発行又は処分する譲渡制限付株式(当社普通株式)の取得機会を創出することによって、対象従業員の財産形成の一助とすることに加え、当社の企業価値の持続的な向上を図る主体性と貢献意欲を高めることを目的とするものです。

    本制度においては、対象従業員に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」という。)が支給され、対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出することとなります。そして、本持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。

     1)処分の概要

    ・処分期日 2022年5月31日
    ・処分する株式の 種類及び数 当社普通株式 104,781株
    ・処分価額 1株につき7,760円
    ・処分総額 813,100,560円
    ・処分方法 (割当先) 第三者割当の方法による (オムロン従業員持株会 104,781株)

     2)受益者の範囲

    2022年4月1日に在籍している当社および当社国内子会社のマネージャー層の従業員のうち、本制度に同意している2022年5月31日時点の本持株会会員

      2.従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プラン

    当社は、2022年3月1日開催の当社取締役会において、当社および当社国内子会社の一般職層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プラン(以下「本制度」という。)の導入を決議しました。

    当社は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践していきます。その取組みの一つとして本持株会に加入する当社および当社国内子会社の一般職層の従業員のうち本制度に同意する者(以下「対象従業員」という。)に対し、本持株会を通じた当社が発行又は処分する譲渡制限付株式(当社普通株式)の取得機会を創出することによって、対象従業員の財産形成の一助とすることに加え、当社の企業価値への関心を高めるとともに、本持株会のさらなる活性化を図ることを目的とするものです。

    本制度においては、対象従業員に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」という。)が支給され、対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出することとなります。そして、本持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。

     1)処分の概要

    ・処分期日 2022年5月31日
    ・処分する株式の 種類及び数 当社普通株式 299,819株
    ・処分価額 1株につき7,760円
    ・処分総額 2,326,595,440円
    ・処分方法 (割当先) 第三者割当の方法による (オムロン従業員持株会 299,819株)

     2)受益者の範囲

    2022年4月1日に在籍している当社および当社国内子会社の一般職層の従業員のうち、本制度に同意している2022年5月31日時点の本持株会会員

     3.従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブプラン

    当社は、2022年3月1日開催の当社取締役会において、当社および当社国内子会社のマネージャー層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブプラン(以下「本制度」という。)の導入を決議しました。

    当社は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践していきます。その取組みの一つとして、本持株会に加入する当社および当社国内子会社のマネージャー層の従業員のうち本制度に同意する者(以下「対象従業員」という。)に対し、本持株会を通じた当社が発行又は処分する譲渡制限付株式(当社普通株式)の取得機会を創出することによって、対象従業員の財産形成の一助とすることに加え、当社の企業価値の持続的な向上を図る主体性と貢献意欲を高めることを目的とするものです。

    また、2023年2月28日開催の当社取締役会において、2022年4月2日から2023年4月3日までの入社者・新規昇格者・海外勤務からの帰国者における当社子会社のマネージャー層の従業員のうち、本制度に同意する会社所定の要件を満たした者に対し、本制度の導入を決議しました。

    本制度においては、対象従業員に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」という。)が支給され、対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出することとなります。そして、本持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。

     1)処分の概要

    ・処分期日 2023年5月31日
    ・処分する株式の 種類及び数 当社普通株式 5,496株
    ・処分価額 1株につき7,213円
    ・処分総額 39,642,648円
    ・処分方法 (割当先) 第三者割当の方法による (オムロン従業員持株会 5,496株)

     2)受益者の範囲

    2023年4月3日に在籍している当社および当社国内子会社のマネージャー層の従業員のうち、①2022年4月2日~2023年4月3日の入社者②2023年3月21日新規マネージャー昇格者③2022年4月21日付~2023年3月21日付の海外からの帰国者のいずれかに該当し、本制度に同意している2023年5月31日時点の本持株会会員

      4.従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プラン

    当社は、2022年3月1日開催の当社取締役会において、当社および当社国内子会社の一般職層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プラン(以下「本制度」という。)の導入を決議しました。

    当社は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践していきます。その取組みの一つとして本持株会に加入する当社および当社国内子会社の一般職層の従業員うち本制度に同意する者(以下「対象従業員」という。)に対し、本持株会を通じた当社が発行又は処分する譲渡制限付株式(当社普通株式)の取得機会を創出することによって、対象従業員の財産形成の一助とすることに加え、当社の企業価値への関心を高めるとともに、本持株会のさらなる活性化を図ることを目的とするものです。

    また、2023年2月28日開催の当社取締役会において、2022年4月2日から2023年4月3日までの入社者・海外勤務からの帰国者における当社子会社の一般職層の従業員のうち、本制度に同意する会社所定の要件を満たした者に対し、本制度の導入を決議しました。

    本制度においては、対象従業員に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」という。)が支給され、対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出することとなります。そして、本持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。

     1)処分の概要

    ・処分期日 2023年5月31日
    ・処分する株式の 種類及び数 当社普通株式 9,000株
    ・処分価額 1株につき7,213円
    ・処分総額 64,917,000円
    ・処分方法 (割当先) 第三者割当の方法による (オムロン従業員持株会 9,000株)

     2)受益者の範囲

    2023年4月3日に在籍している当社および当社国内子会社の一般職層の従業員のうち、①2022年4月2日~2023年4月3日の入社者②2022年4月21日付~2023年3月21日付の海外からの帰国者のいずれかに該当し、本制度に同意している2023年5月31日時点の本持株会会員

      5.株式付与ESOP信託を用いた中期インセンティブプラン

    当社は、2023年2月28日開催の当社取締役会において、当社海外子会社のマネージャー層を対象として、株式付与ESOP信託を用いた中期インセンティブプラン(以下「本制度」という。)の導入を決議しました。

    当社は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践していきます。その取組みの一つとして当社海外子会社の従業員のうち、本制度の対象となるマネージャー層(以下「対象従業員」という。)に対し、本制度株式(当社普通株式)の取得機会を創出することによって、中期経営計画における業績目標達成の意欲を高めること及び、対象従業員による会社株式保有の促進を通じてオムロングループの持続的な企業価値(株式価値)向上への貢献意欲を高めることを目的とするものです。

    本制度は、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下「ESOP信託」という。)の仕組みを採用します。ESOP信託とは、米国のESOP制度を参考にした信託型インセンティブプランです。

     信託契約の内容

    ・信託の種類 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
    ・信託の目的 対象従業員に対するインセンティブの付与
    ・委託者 当社
    ・受託者 三菱UFJ信託銀行株式会社 (共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)
    ・受益者 受益者要件を満たす対象当社海外子会社マネージャー
    ・信託管理人 当社と利害関係のない第三者(公認会計士)
    ・信託契約日 2023年5月26日
    ・信託の期間 2023年5月26日~2025年8月末日
    ・制度開始日 2023年5月26日
    ・議決権行使 行使しないものとする。
    ・取得株式の種類 当社普通株式
    ・信託金の金額 0.5億円(信託報酬・信託費用を含む。)
    ・株式の取得時期 2023年5月31日
    ・株式の取得方法 当社からの第三者割当による自己株式処分
    ・帰属権利者 当社
    ・残余財産 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金等の範囲内とする。

    2【自己株式の取得等の状況】

    【株式の種類等】会社法第155条第7号による普通株式の取得

    (1) 【株主総会決議による取得の状況】

    該当事項はありません。

    (2) 【取締役会決議による取得の状況】

         該当事項はありません。

    (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】

      会社法第155条第7号による取得

    区分 株式数(株) 価額の総額(円)
    当事業年度における取得自己株式 11,786 18,490,219
    当期間における取得自己株式 2,933 1,897,418

     (注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り

         による株式数は含まれていません。

    (4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_042" />

     (注)1 当期間における処理自己株式数および保有自己株式数には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りおよび売渡しによる株式数は含まれていません。

        2 保有自己株式数には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式は含まれていません。

    3【配当政策】

     当社は、定款の定めに基づき取締役会決議によって行う中間配当を除き、剰余金の配当等の決定については株主総会に諮ります。

     当社は、株主の皆さまへの還元を含む利益配分に関しては、次の基本方針を適用しています。

      キャッシュアロケーションポリシー

    (1) 長期ビジョンの実現による企業価値の最大化を目指し、中長期視点で新たな価値を創造するための投資を優先します。ただし、2024年4月1日~2025年9月30日までの「構造改革期間」は、全社のリソースを集中して構造改革プログラム「NEXT2025」に取り組み、「業績の立て直し」と「収益・成長基盤の再構築」を実現するために必要な投資を最優先で実行します。その上で、安定的・継続的な株主還元を実行していきます。

    (2) これら価値創造のための投資や株主還元の原資は内部留保や持続的に創出する営業キャッシュ・フローを基本とし、必要に応じて適切な資金調達手段を講じて充当します。なお、金融情勢によらず資金調達を可能とするため、引き続き財務健全性の維持に努めます。

    株主還元方針

    (1) 中長期視点での価値創造に必要な投資を優先した上で、毎年の配当金については、「株主資本配当率(DOE)3%程度」を基準とします。そのうえで、過去の配当実績も勘案して、安定的、継続的な株主還元に努めます。

    (2) 上記の投資と利益配分を実施したうえで、さらに長期にわたり留保された余剰資金については、機動的に自己株式の買入れなどを行い、株主の皆さまに還元していきます。

     当期(2023年度)の期末配当金については、業績状況を鑑み、DOE基準ならびに過去の配当額の水準も考慮したうえで安定的・継続的な配当とするため、52円としました。2023年12月4日に実施済みの中間配当金52円を加えると、年間配当金は104円となります。

     次期(2024年度)の年間配当金については、上記の方針に沿って、104円とする予定です。なお、次期の中間(第2四半期末)および期末の配当金は未定です。

    <株主還元の推移>

    <> <img style={{height: 312, width: '612.8px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_55.png" /> </>

     (注)1 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本としています。

    2 剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。

    3 当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めています。

    4 総還元性向の算出式は次の通りです。総還元性向=(現金配当額+自己株式の取得金額)/当社株主に帰属する当期純利益(純損失)(単元未満株の買取分は含まない)。

    5 当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_043" />

    <株主総利回り(TSR)の推移>

    <> <img style={{height: '242.4px', width: '527.2px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_56.png" /> </>

       (注)TSRは、2018年度末時点の株価を基準として算出しています。

    4【コーポレート・ガバナンスの状況等】

    (1)【コーポレート・ガバナンスの概要】

    ①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

     当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスとは、「企業理念」および「経営のスタンス」に基づき、すべてのステークホルダーの支持を得て、持続的な企業価値の向上を実現するために、経営の透明性・公正性を高め、迅速な意思決定を行うとともに、監督から執行の現場までを有機的に連携させ、経営のスピードを速め、企業の競争力の強化を図るための仕組みであり、その仕組みを構築し機能させることです。

     当社グループは、この基本的な考え方に基づき、オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシーを制定し、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実に取り組みます。

    オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシーは、以下URLを参照ください。

    https://www.omron.com/jp/ja/assets/img/sustainability/governance/corporate\_governance/policy/20240326\_governance\_policies\_j.pdf

    <企業理念>

     当社グループの「企業理念」および「経営のスタンス」は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

      ②コーポレート・ガバナンスの体制

    <コーポレート・ガバナンスの体制の概要>

     当社は、会社法上の機関設計として、監査役会設置会社を選択しています。また、取締役会の監督機能を強化するため、社長指名諮問委員会、人事諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会を設置し、監査役会設置会社に指名委員会等設置会社の優れた面も取り入れたハイブリッド型の機関設計を構築するとともに機能させています。

     取締役会は、取締役8名で構成しており、取締役・監査役・執行役員の選任、取締役・執行役員の報酬の決定、および重要な業務執行の決定等を通じて、経営全般に対する監督機能を発揮して経営の公正性・透明性を確保しています。また、監督機能を強化するため、監督と執行を分離し、取締役の過半数を業務執行を行わない取締役によって構成すると共に、独立社外取締役の割合を3分の1以上としています。取締役会議長は代表権を持たない取締役会長が務め、執行を行わずにステークホルダーの代表として監督を行っています。なお、独立社外取締役の専従スタッフは配置していませんが、「取締役室」「グローバル戦略本部」のスタッフが適宜対応しています。

     監査役会は、監査役4名で構成しており、各監査役による監査の実効性を確保するための体制整備に努めています。監査役は、取締役の職務執行および取締役会の監督義務の履行状況について、適法性監査および妥当性監査を行っています。なお、独立社外監査役の専従スタッフは配置していませんが、「監査役室」のスタッフが適宜対応しています。

     社長指名諮問委員会、人事諮問委員会、報酬諮問委員会の委員長はいずれも独立社外取締役とし、委員の過半数を独立社外取締役としています。コーポレート・ガバナンス委員会は、委員長を独立社外取締役とし、委員を独立社外取締役および独立社外監査役ならびに非業務執行社内取締役としています。いずれの委員会にも社長CEOは属していません。

     社長指名諮問委員会は、社長の選定に特化して次年度の社長CEO候補者、緊急事態が生じた場合の継承プランおよび後継者計画(サクセッションプラン)を審議しています。人事諮問委員会は、取締役・監査役・執行役員の人事に関する選任基準・方針を策定し、候補者を審議しています。報酬諮問委員会は、取締役・執行役員の報酬に関する方針、報酬水準および報酬額を審議しています。コーポレート・ガバナンス委員会は、中長期的視点でコーポレート・ガバナンスの継続的な充実と、経営の透明性・公正性を高めるための施策について議論しています。

    <現状のコーポレート・ガバナンスの体制を採用する理由>

     前述の通り、当社は、監査役会設置会社を選択しています。

     取締役会は、取締役・監査役・執行役員の選任、取締役・執行役員の報酬の決定、および重要な業務執行の決定等を通じて、経営全般に対する監督機能を発揮し、持続的な企業価値の向上に努めています。

     監査役会および監査役は、取締役の職務執行および取締役会の監督義務の履行状況について、適法性監査および妥当性監査を行い、持続的な企業価値の向上に向けて企業の健全性を確保し株主共同の利益のために行動しています。また、監査役の独任制に基づき、各監査役が単独で権限を行使することが可能であり、内部統制を強化させる重要な役割を果たしていると考えています。

     さらに、取締役会の監督機能を強化するため、取締役会の傘下に社長指名諮問委員会、人事諮問委員会、報酬諮問委員会を設置し、いずれの委員会も委員長は独立社外取締役とし、委員の過半数を独立社外取締役としています。特に、社長指名諮問委員会は監督機能上の最重要事項である社長の選任等に特化しています。加えてコーポレート・ガバナンスの向上を目的に、コーポレート・ガバナンス委員会を設置し、委員長は独立社外取締役とし、委員を独立社外取締役および独立社外監査役ならびに非業務執行社内取締役としています。これらの当社独自の工夫により、経営陣の意思決定に対する透明性と客観性を高める仕組みを構築し機能させています。

     このように、監査役会設置会社として、指名委員会等設置会社のコーポレート・ガバナンス体制の優れた面を取りいれたハイブリッド型のコーポレート・ガバナンス体制は、当社にとって最適な体制であると考えています。

    <オムロンのコーポレート・ガバナンス体制>

    <> <img style={{height: 381, width: 545, verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_57.png" /> </>

    ③取締役会

    1)取締役会の構成に関する考え方

      当社は、取締役会の監督機能を強化するために、監督と執行を分離し、取締役の過半数を業務執行を行わない

     取締役によって構成しています。また、取締役会における社外取締役の割合を3分の1以上としています。社外

     取締役および社外監査役については、独立性の確保の観点から、当社の「社外役員の独立性要件」を基準に選任

     します。そのうえで、取締役会の構成員である取締役および監査役について、経営ビジョンを実現するために必

     要な経験・専門知識・知見を備える多様な人財で構成するとともに、ジェンダー、国籍、国際性、年代等の区別

     なく多様性を確保します。

    2)取締役・監査役の選任方針

     ・取締役・監査役・執行役員は、経営ビジョンを実現するために必要な経験・専門知識・知見を備える多様な

      人財で構成するとともに、ジェンダー、国籍、国際性、年代等の区別なく多様性を確保します。

     ・人事諮問委員会は、グローバルでの成長、競争力強化、著しいビジネス環境の変化に迅速に対応するために、

      取締役・監査役・執行役員の多様性(経験・専門知識・知見・ジェンダー・国籍・国際性・年代)を確保しま

      す。

     ・取締役・監査役に関わる経営ビジョンを実現するために必要な経験・専門知識・知見は、スキルマトリックス

      で開示します。

     [社外取締役の登用基準]

     ・当社の監督機能上の最重要事項である社長の選任等に特化した社長指名諮問委員会には社外取締役が深く

      関与しており、透明性・客観性の高い社長CEOの選任体制を確立するために、社外取締役は経営者経験もしく

      はそれに準ずる経験があることとしています。

     [社外監査役の登用基準]

     ・監査役としての必要な見識、高い倫理観、公正さ、誠実さを有し、また、法律、財務および会計、経営等の専

      門的知見を有することとしています。

    3)取締役会の構成

      ・2024年度取締役会の構成は以下の通りです。

    <> <img style={{height: '149.8px', width: '573.27px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_58.png" /> </>

    4)取締役・監査役の主たる経験分野・専門性(スキルマトリックス)

      ・長期ビジョンSF2030の実現に向けて取締役・監査役に必要な経験分野・専門性(スキル)は以下の通りです。

    <> <img style={{height: '289.04px', width: '566.6px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_59.png" /> </>

      ・2024年度取締役・監査役のスキルマトリックスは以下の通りです。

    <> <img style={{height: '363.33px', width: '557.33px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_60.png" /> </>

    5)2023年度取締役会の活動状況

      2023年度取締役会は下記の取締役会運営方針、重点テーマに基づいて運営し、各重点テーマにおける課題や

     方向性のあり方等の議論を通じて監督機能を発揮しました。

    [2023年度取締役会運営方針] 取締役会は、新しい執行体制による長期ビジョンSF2030および中期経営計画SF 1st Stageの実現に向けて、 以下の重点テーマおよび監督する観点の連動性を認識し、中長期視点で監督機能を発揮していきます。 [重点テーマ] ①長期ビジョンおよび中期経営計画の進捗モニタリング <監督する観点> ・新体制の運営状況 ・グローバル人財戦略の進捗 ・自走的成長とビジネスモデルの変革 ・株式会社JMDCとの協業における今後の事業戦略 ②不確実性の時代におけるリスク対応 <監督する観点> ・グローバル地政学リスクの対応(市場変化への対応) ・サイバーセキュリティの強化 ③コーポレートITシステムの構築に向けた進捗確認 <監督する観点> ・欧州および日本のERP導入の進捗

     各重点テーマの議論内容は、以下の「2023年度取締役会実効性評価結果」をご参照ください。

    https://www.omron.com/jp/ja/assets/img/sustainability/governance/corporate\_governance/chart/20240605\_governance\_effectiveness\_j.pdf

    なお、コーポレート・ガバナンス委員会による2023年度取締役会の評価結果は、以下の通りです。

     ■評価した点

    ・取締役会の議論は全般的に活発に議論が行われており、議題においても中長期的な議題が多く、重点テーマ の選定を含め適切であると評価しました。

    ・取締役会メンバーと業務執行部門メンバーの対話やディスカッションの機会が増え、より議論がで きるようになったことを評価しました。

    ・JMDC連結子会社化においては、事業における位置づけ、注力すべき課題等の議論ができ、理解が進んだことを評価しました。

    ・コーポレートITシステムの構築に向けた進捗は、プロジェクト開始前に懸念されていた点においても 適切に対応され、運営できていることを評価しました。

     ■課題

    ・業績の下方修正が2回に至ったことは、取締役会としても大きな反省点であり、下方修正に関する議論が十 分に尽くせなかったことを課題とするとともに、予兆を検知して、業績の予見性を高め、事前にプロアクティブに議論を行う必要性があることを認識しました。

    ・取締役会上程議案において、問題の根本原因に対する追究が不足している場合があることを課題として認識しました。

    ・上程議案に対して、取締役会メンバー同士でも意見を出し合い、更に議論を活性化することの必要性を認識しました。

    ・各ビジネスの戦略議論においては、競合を意識した競争優位性の明確化や、市場分析データの 統一性など、これまで以上に現状を数字で明確に示す必要があることを課題として認識しました。

     ■要請した点

    上記、課題の解決に向けて、コーポレート・ガバナンス委員会は以下の方向性を示し、取締役会に要請しました。

    ・下方修正が2回に至った反省を踏まえ、業績推移や事業環境等で何らかの予兆を感じた時点で、オフサイトミーティング等を活用し、取締役会メンバーへの状況共有と議論する場の設定を要請しました。

    ・議案の上程にあたっては、業務執行部門の課題の深掘りや計画実行上の障壁の明確化を要請しました。

    ・説明者対取締役会メンバーの構図(1対N)ではなく、取締役会メンバー同士(N対N)で議論を行い、よりバリューアップにつなげることを要請しました。

    また、取締役会は「2023年度取締役会実効性評価結果」を踏まえて、2024年度取締役会運営方針および重点テーマについて議論し決定しました。

    [2024年度取締役会運営方針] “取締役会は長期ビジョンSF2030の実現と構造改革(NEXT2025)の完遂に向けて、以下の重点テーマおよび 監督する観点の連動性を認識し、中長期視点で監督機能を発揮していきます。” [重点テーマ] ①構造改革(NEXT2025)の完遂に向けた進捗モニタリング <監督する観点> ・事業ポートフォリオ、エリアポートフォリオの最適化 ・上記を実現する組織能力 ②長期ビジョンの実現に向けた進捗モニタリング <監督する観点> ・データソリューションビジネスにおける成長に向けた課題と対策 ・グローバル人財戦略

    <参考:取締役会の実効性向上の取組みの概要>

     当社は、持続的な企業価値の向上を実現するために、経営の透明性・公正性を高め、迅速な意思決定を行うとともに、経営のスピードを速め、企業の競争力の強化を図ります。そのために、当社は、取締役会の実効性向上の取組みを通じ、取締役会の監督機能を強化しています。その取組みは、ア.「取締役会の実効性評価」、イ.「取締役会運営方針および重点テーマの決定、年間計画の策定・実行」というサイクルで行っています。

     ア.取締役会の実効性評価

       当社の取締役会の実効性評価は、社外取締役を委員長とし、社外取締役および社外監査役(以下、社外役

      員)ならびに非業務執行社内取締役で構成するコーポレート・ガバナンス委員会が実施しています。社外役員

      は、株主をはじめとするすべてのステークホルダーの視点を持ちながら、取締役会構成メンバーとして活動し

      ています。その社外役員と非業務執行社内取締役で構成するコーポレート・ガバナンス委員会が評価を行うこ

      とで、「客観性」と「実効性」の両面を担保した評価を実現しています。

     イ.取締役会運営方針および重点テーマの決定、年間計画の策定・実行

       取締役会は、アのコーポレート・ガバナンス委員会による評価結果および事業環境等を踏まえた上で、次

      年度の取締役会運営方針および注力する重点テーマについて決定しています。取締役会は、その運営方針に基

      づき年間計画を策定し運営しています。当社は、上記のア、イを事業年度単位で実行し、取締役会の実効性を

      向上し続けています。コーポレート・ガバナンス委員会は、この取組みについて、「客観性」と「実効性」を

      兼ね備えた当社独自の最適な取組みであると評価しています。なお、取締役会は、当社の取組みを、第三者に

      よる評価より有効性が高いと認識しています。

    <取締役会の実効性向上の取組み>

    <> <img style={{height: '192.31px', width: '600.07px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_61.png" /> </>

    <2023年度取締役会の出席状況>

    地位 氏名 出席状況
    取締役会長 山田 義仁 100%(14回/14回)
    代表取締役 辻永 順太 100%(11回/11回)
    代表取締役 宮田 喜一郎 100%(14回/14回)
    取締役 冨田 雅彦 100%(11回/11回)
    取締役 行本 閑人 100%(11回/11回)
    社外取締役 上釜 健宏 100%(14回/14回)
    社外取締役 小林 いずみ 100%(14回/14回)
    社外取締役 鈴木 善久 100%(14回/14回)
    常勤監査役 玉置 秀司 100%(14回/14回)
    常勤監査役 細井 俊夫 100%(11回/11回)
    社外監査役 内山 英世 100%(14回/14回)
    社外監査役 國廣 正 100%(14回/14回)
    取締役会長 立石 文雄 100%(3回/3回)
    取締役 日戸 興史 100%(3回/3回)
    取締役 安藤 聡 100%(3回/3回)
    常勤監査役 吉川 浄 100%(3回/3回)

        (注)2023年6月22日開催の第86期定時株主総会終結の時をもって、立石文雄氏、日戸興史氏

           および安藤聡氏は取締役を、吉川浄氏は監査役を退任いたしました。また、同総会にお

           いて新たに辻永順太氏、冨田雅彦氏および行本閑人氏が取締役に、細井俊夫氏が監査役

           に選任され就任いたしました。

    ④監査役会

     監査役会の活動については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (3)監査の状況」に記載の通りです。

    ⑤諮問委員会等

    1)2024年度諮問委員会等の構成

    <> <img style={{height: '319.33px', width: '593.33px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_62.png" /> </>

    2)2023年度諮問委員会等の活動状況

      2023年度諮問委員会等の活動状況は以下の通りです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_044" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_045" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_046" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_047" />

     2023年度諮問委員会等の出席状況は以下の通りです。

      (社長指名諮問委員会)

    地位 氏名 出席状況
    委員長 社外取締役 上釜 健宏 100%(1回/1回)
    副委員長 取締役 行本 閑人 100%(1回/1回)
    委員 取締役会長 山田 義仁 100%(1回/1回)
    委員 社外取締役 小林 いずみ 100%(1回/1回)
    委員 社外取締役 鈴木 善久 100%(1回/1回)

      (人事諮問委員会)

    地位 氏名 出席状況
    委員長 社外取締役 小林 いずみ 100%(8回/8回)
    副委員長 取締役 行本 閑人 100%(7回/7回)
    委員 取締役 冨田 雅彦 100%(7回/7回)
    委員 社外取締役 上釜 健宏 100%(8回/8回)
    委員 社外取締役 鈴木 善久 100%(8回/8回)
    副委員長 取締役 安藤 聡 100%(1回/1回)
    委員 代表取締役 宮田 喜一郎 100%(1回/1回)

       (注)行本閑人氏および冨田雅彦氏は、2023年6月22日付で委員に就任いたしました。また、

          安藤聡氏および宮田喜一郎氏は、2023年6月22日付で委員を退任いたしました。

      (報酬諮問委員会)

    地位 氏名 出席状況
    委員長 社外取締役 鈴木 善久 100%(4回/4回)
    副委員長 取締役 行本 閑人 100%(2回/2回)
    委員 代表取締役 宮田 喜一郎 100%(2回/2回)
    委員 社外取締役 上釜 健宏 100%(4回/4回)
    委員 社外取締役 小林 いずみ 100%(4回/4回)
    副委員長 取締役 安藤 聡 100%(2回/2回)
    委員 取締役 日戸 興史 100%(2回/2回)

       (注)行本閑人氏および宮田喜一郎氏は、2023年6月22日付で委員に就任いたしました。また、

          安藤聡氏および日戸興史氏は、2023年6月22日付で委員を退任いたしました。

      (コーポレート・ガバナンス委員会)

    地位 氏名 出席状況
    委員長 社外取締役 上釜 健宏 100%(6回/6回)
    副委員長 社外取締役 小林 いずみ 100%(6回/6回)
    委員 代表取締役 山田 義仁 100%(5回/5回)
    委員 取締役 行本 閑人 100%(5回/5回)
    委員 社外取締役 鈴木 善久 100%(6回/6回)
    委員 社外監査役 内山 英世 100%(6回/6回)
    委員 社外監査役 國廣 正 100%(6回/6回)

       (注)2023年9月27日開催より委員に非業務執行社内取締役を加え、山田義仁氏および行本閑人氏

          が委員に就任いたしました。

    ⑥内部統制システムの整備の状況

     当社は、内部統制システムを整備し、持続的企業価値の向上を妨げるおそれのある内外のさまざまなリスクを常に明らかにして、的確な対応を実施しています。内部監査機能としては、社長の直轄部門であるグローバル監査室が、各本社機能部門および各ビジネスカンパニーの会計、業務、事業リスク、コンプライアンスなどの内部監査を定期的に実行しており、業務改善に向けた具体的な助言を行っています。

     業務執行・経営の監視の仕組みおよび内部統制システムの整備状況の模式図は、<オムロンのコーポレート・ガバナンス体制>に記載のとおりです。

    ⑦コンプライアンス・リスクマネジメントに対する取組みの状況

     当社グループでは、企業倫理リスクマネジメント委員会を推進組織とし、コンプライアンスとリスクマネジメントを統合した活動を行っています。社長直轄部門による当該活動の推進と徹底により、当社グループの変化対応力を強化しています。

    ア.コンプライアンス

     当社グループの役員・従業員に対し、グループ共通の経営基盤である「オムロングループルール」を周知するとともに、必要な研修等を実施しています。特に、10月を企業倫理月間と定め、国内外の役員・従業員に対するトップメッセージ配信、カルテル防止や贈賄防止等に関するコンプライアンス教育、内部通報制度の周知を行っています。内部通報窓口は国内および海外の主要拠点に設置し、運営しています。また、情報開示に関する正確性、適時性、網羅性を確保するため、情報開示実行委員会を定期開催するとともに、インサイダー取引防止の研修等を行っています。内部監査部門は、当社グループの部門に対する業務監査をリスクベースで実施しています。

     当期においては、上場子会社として有する株式会社JMDCに対し、その企業文化と経営の独立性を尊重した上で、同社の内部統制システムの運用状況について当社方針に準じてモニタリングを行うことを定めました。また、当社内部通報制度のサプライヤへの周知や一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)への加盟を通じ、幅広いステークホルダーからの相談・苦情を受け付ける体制を拡充しました。

    イ.リスクマネジメント

     「オムロングループ統合リスクマネジメントルール」に基づき、毎年グローバル視点で当社グループに関わるリスクを洗い出し、分析を加え、執行会議において当社グループにとって重要なリスクを指定しています。リスク対策の進捗は、四半期ごとの企業倫理リスクマネジメント委員会にて確認し、計画的に取組みを推進しています。また、国内外のグループ会社において、「リスクマネージャ」を選任し、そのグローバルなネットワークを利用して、日常的なリスク情報の共有、対応の協議などを迅速に行い、社内外の環境変化に対応した対策を現場と経営が力を合わせて実施しています。

     当期においては、サイバーセキュリティ対策について、平時・有事に経営層が積極的に関与する体制・プロセスへの進化等、外部評価を踏まえた改善活動により、セキュリティ強度の向上を図りました。また、安全保障取引管理について、グローバルに懸念のある取引を事前審査するプロセスを強化することにより、複雑化する各国の輸出規制や制裁に対する対応体制の整備を進めました。

    ⑧責任限定契約の内容の概要

     当社は、社外取締役および社外監査役がその期待される役割を十分に発揮できるように、定款に社外取締役および社外監査役との責任限定契約に関する定めを設けています。当該定款の定めに基づき当社が社外取締役および社外監査役の全員と締結した責任限定契約の内容の概要は次のとおりです。

    ア.社外取締役の責任限定契約

     社外取締役は、本契約締結後、会社法第423条第1項の責任について、その職務を行うにつき善意であり、かつ重大な過失がなかったときは、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度として損害賠償責任を負担するものとします。

    イ.社外監査役の責任限定契約

     社外監査役は、本契約締結後、会社法第423条第1項の責任について、その職務を行うにつき善意であり、かつ重大な過失がなかったときは、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度として損害賠償責任を負担するものとします。

    ⑨補償契約の内容の概要

     当社は、取締役および監査役がその期待される役割を十分に発揮できるように、山田義仁氏、辻永順太氏、宮田喜一郎氏、冨田雅彦氏、行本閑人氏、上釜健宏氏、小林いずみ氏、鈴木善久氏、玉置秀司氏、細井俊夫氏、國廣正氏および三浦洋氏との間で会社法第430条の2第1項第1号の費用と同項第2号の損失を法令の定める範囲内で補償することを内容とする補償契約を締結しています。ただし、法令違反の行為であることを認識して行った行為に起因して生じた損害は補償されないなど、一定の免責事由があります。

    ⑩役員等賠償責任保険契約の内容の概要

     当社は、当社および子会社のすべての取締役、監査役および執行役員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、その保険料は当社が全額負担しています。当該保険契約の内容は、被保険者が株主や第三者から損害賠償請求がなされた場合において、被保険者が負担することとなる損害賠償金および争訟費用を補填するものであります。なお、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置として、被保険者における故意または犯罪行為等に起因して発生した損害賠償は、保険金支払の対象外としています。

    ⑪取締役の定数等

     当社は、定款において取締役の定数を定めています。また、取締役の選任においては、定款において選任決議の定足数を引下げています。定款の内容は次のとおりです。

    ア.定数

     当会社の取締役は、10名以内とする。

    イ.選任の決議方法

    ・取締役は、株主総会において選任する。

    ・取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その

     議決権の過半数をもって行う。

    ・取締役の選任決議は、累積投票によらない。

    ⑫自己の株式の取得の決定機関

     当社では、経済情勢の変化に対応した機動的な経営を遂行できるように、会社法第165条第2項の定めにより取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨、定款に定めています。

    ⑬中間配当の決定機関

     当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨、定款に定めています。

    ⑭株主総会の特別決議要件

     当社では特別決議を機動的に行えるよう、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めています。

    (2)【役員の状況】

    ①役員一覧

    男性11名 女性1名 (役員のうち女性の比率8.3%)

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_048" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_049" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_050" />

      (注)1 取締役 上釜健宏、小林いずみおよび鈴木善久は、社外取締役です。

    2 監査役 國廣正および三浦洋は、社外監査役です。

    3 任期は、第84期に係る定時株主総会終結の時から第88期に係る定時株主総会終結の時までです。

    4 任期は、第87期に係る定時株主総会終結の時から第88期に係る定時株主総会終結の時までです。

    5 任期は、第86期に係る定時株主総会終結の時から第90期に係る定時株主総会終結の時までです。

    6 任期は、第87期に係る定時株主総会終結の時から第91期に係る定時株主総会終結の時までです。

    7 上記所有株式数には、オムロン役員持株会名義の実質所有株式数が含まれています。

      なお、2024年6月分の持株会による取得株式数については、提出日(2024年6月21日)現在確認ができないため、2024年5月31日現在の実質所有株式数を記載しています。

    8 当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選出しています。補欠監査役の略歴は以下のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_051" />

     ②社外役員の状況

     当社は、監督機能を強化するために取締役会における独立社外取締役の割合を3分の1以上とします。

     現在の当社の独立社外取締役は3名、独立社外監査役は2名です。

    1)社外取締役および社外監査役と当社との人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係

     鈴木善久氏は、伊藤忠商事株式会社の理事であり、当社グループと同社グループとの間には製品の販売等の取引関係がありますが、2023年度における取引額の割合は当社グループおよび同社グループの連結売上高の1%未満であり、同氏の独立性に問題はありません。その他の社外役員の重要な兼職先と当社との間に記載すべき特別な関係はありません。

     当社の社外役員は、当社が独自に定める「社外役員の独立性要件」(注)を満たしており、一般株主と利益相反が生じるおそれがないことから、社外役員全員を独立役員として届け出ています。

      (注)当社の「社外役員の独立性要件」については、当項目内の「3)社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準および選任状況に関する当社の考え方」に記載。

    2)社外取締役および社外監査役が当社のコーポレート・ガバナンスにおいて果たす機能および役割

    [独立社外取締役の機能・役割]

    ・独立社外取締役は、その独立性の立場を踏まえ、執行の監督機能、助言機能、利益相反の監督機能を果たすとともに、ステークホルダーの意見を取締役会に反映します。

    ・独立社外取締役は、監査役会と当社の経営について意見交換を行います。

    ・独立社外取締役は、その役割を果たすために、必要に応じて、当社に対し情報提供を求めます。

    [独立社外監査役の機能・役割]

    ・独立社外監査役は、その独立性の立場を踏まえ、社長および取締役会に対し適切に意見を述べます。

    ・独立社外監査役は、法令に基づく調査権限を行使することを含め、積極的に監査環境の整備に努めます。

    3)社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準および選任状況に関する当社の考え方

    [社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準]

     当社は会社法上の要件に加え独自の「社外役員の独立性要件」を策定し、この独立性要件を基準に社外役員を選任しているため、社外役員の独立性は十分に保たれていると判断し、社外役員全員を独立役員として届け出ています。社外役員全員を独立役員とすることについては、社外役員および非業務執行社内取締役で構成するコーポレート・ガバナンス委員会に諮問し、独自に定める「社外役員の独立性要件」が社外役員の独立性の判断基準として問題ないことを確認し、取締役会において決議しています。

    「社外役員の独立性要件」(2014年12月25日改訂)

     社外役員候補者本人および本人が帰属する企業・団体とオムロングループとの間に、下記の独立性要件を設けます。なお、社外役員は、下記に定める独立性要件を就任後も維持し、主要な役職に就任した場合は、本独立性要件に基づき、人事諮問委員会において独立性について検証します。

    ア. 現在オムロングループ(注)の取締役(社外取締役を除く)・監査役(社外監査役を除く)・執行役員または使用人でなく、過去においてもオムロングループの取締役(社外取締役を除く)・監査役(社外監査役を除く)・執行役員または使用人であったことがないこと

    イ. 過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの大株主(*)もしくはオムロングループが大株主の取締役・監査役・執行役員または使用人であったことはないこと

    (*)大株主とは、総議決権の10%以上の株式を保有する企業等をいいます。

    ウ. オムロングループの主要な取引先企業(*)の取締役・監査役・執行役員または使用人でないこと

    (*)主要な取引先とは、直前事業年度および過去3事業年度におけるオムロングループとの取引の支払額または受取額が、オムロングループまたは取引先(その親会社および重要な子会社を含む)の連結売上高の2%以上を占めている企業をいいます。

    エ. オムロングループから多額の寄付(*)を受けている法人・団体等の理事その他の取締役・監査役・執行役員または使用人でないこと

    (*)多額の寄付とは、過去3事業年度の平均で年間1,000万円または寄付先の連結売上高もしくは総収入の2%のいずれか大きい額を超えることをいいます。

    オ. オムロングループとの間で、取締役・監査役または執行役員を相互に派遣していないこと

    カ. 過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの会計監査人の代表社員、社員、パートナーまたは従業員であったことがないこと

    キ. オムロングループから役員報酬以外に、多額の金銭(*)その他財産を得ている弁護士、公認会計士、コンサルタント等でないこと

    (*)多額の金銭とは、過去3事業年度の平均で、個人の場合は年間1,000万円以上、団体の場合は当該団体の連結売上高の2%以上を超えることをいいます。

    ク. 以下に該当する者の配偶者、2親等内の親族、同居の親族または生計を一にする者ではないこと

       (1)オムロングループの取締役・監査役・執行役員または重要な使用人(*)

       (2)過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの取締役・監査役・執行役員または重

                要な使用人であった者

       (3)上記イ.からキ.で就任を制限している対象者

    (*)重要な使用人とは、事業本部長職以上の使用人をいいます。

    ケ. その他、社外役員としての職務を遂行する上で独立性に疑いがないこと

    (注)オムロングループとは、オムロン株式会社およびオムロン株式会社の子会社とします。

    [社外取締役および社外監査役の選任状況および選任理由]

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_052" />

    ③社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査および会計監査との相互連携並びに
    内部統制部門との関係

     社外取締役については、前述のとおり毎月開催の取締役会、各委員会に出席し、経営の監督を行っている他に、年1回監査役会とのダイアログ(対話形式)により、当社の経営について意見交換を行っています。また、内部監査部門から年1回年度総括の報告を受けています。さらに、会計監査人と年2回意見交換会を開催し、会計監査人の視点の共有を受けるとともに当社におけるリスク情報等について直接意見交換を行っています。

     社外監査役については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (3)監査の状況」に記載の通りです。

    (3)【監査の状況】

    ①監査役監査の状況

    1.組織・人員

    当社の監査役会は、常勤監査役2名、社外監査役2名、合計4名で構成されています。

    監査役には適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者が選任され、特に財務・会計に関して相当程度の知見を有する者を1名以上置くことを基準としています。

    また、監査役の職務遂行を補佐するために、必要な知識・能力を有するスタッフを監査役室に配置しています。なお当該監査役室スタッフの人事は、監査役の同意を得るものとしています。

    監査役会の構成

    氏名 役職 就任 専門的な知見
    玉置 秀司 常勤監査役/議長 2021年 法務、コンプライアンス、内部統制、リスクマネジメント
    細井 俊夫 常勤監査役 2023年 新規事業・イノベーションおよびDX・ITに関する業務経験
    國廣 正 社外監査役 2017年 コーポレート・ガバナンス、内部統制、企業のリスク管理等
    三浦 洋 社外監査役 2024年 財務・会計、企業経営、ガバナンス・リスクマネジメント

        (注1)2024年6月20日開催第87期定時株主総会終結の時をもって、内山英世氏は監査役を退任し、三浦洋氏が監査役に就任しました。

        (注2)監査役の略歴は「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等(2)役員の状況」に記載しています。

    2.監査役会の運営状況

    監査役会は、法令・定款および監査役会規程の定めるところにより、監査に関する重要な事項について決議、審議、報告および協議を行っています。当事業年度において、監査役会は次のとおり運営しました。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_053" />

         (*)2023年6月22日開催第86期定時株主総会終結の時をもって、吉川浄氏は監査役を退任し、細井俊夫氏が監査役に就任しました。

    (**)執行会議:社長が議長を務め、執行役員が出席する経営会議

        当事業年度における監査役会およびフリーディスカッションの累計時間は34.7時間、平均2.66時間でした。

    3.監査役の活動状況

    当事業年度における主な活動内容および重点監査項目に対する監査活動の概要は下記の通りです。

    (■:役割による出席 〇:オブザーバーとして出席 △:任意の出席)

    主な活動内容 開催頻度 常勤 監査役 社外 監査役
    取締役会への出席 14回
    取締役との意見交換会 10回
    委員会(コーポレート・ガバナンス委員会、報酬諮問委員会等)への出席 18回
    執行会議や予算会議等、全社の重要な会議への出席 19回
    各BC(ビジネスカンパニー)長および主要部門長とのダイアログ 22回
    監査役訪問(国内4社、海外19社、社外3社) 26社
    内部監査部門との情報共有およびディスカッション 21回
    会計監査人との情報共有およびディスカッション 11回
    重点監査事項 監査活動の概要
    長期ビジョン・中期経営計画の進捗モニタリング 全社業績、構造改革(NEXT2025)などの経営施策について確認し、監査役会として経営課題を明らかにし、取締役との議論やCEOへの提言を行いました。
    不確実性の時代におけるリスク対応(地政学リスクを含む) 事業戦略や実行計画の進捗把握等を通じて、全社および各事業の地政学リスクへの対応状況を確認しました。
    コーポレートITシステムの 構築に向けた進捗 各地域でのシステム構築の進捗状況について確認し、監査役会で今後の課題等について議論しました。
    グローバルグループ ガバナンス 取締役会運営の進化、重要リスクの内容と対策、内部通報の運用状況、サステナビリティ関連活動の進捗等を会議出席や役職員との対話を通じ確認しました。
    企業風土の変革 執行部門の活動状況をデータを活用して分析し、そこから導きだされる経営課題を含めて、監査役会で議論し、取締役にも情報共有・提言を行いました。
    M&A&A 実行案件の進捗 (JMDC社との提携の進捗を含む) JMDC社との提携の進捗については、機会とリスクを様々な観点で確認しました。また会計監査人とも積極的な意見交換を行い、活発に議論を重ねました。

          また当事業年度は監査役会の更なる進化を目指し、他社監査役との相互研鑽の機会を充実させました。

      4.内部監査部門との連携状況

        当社では、グローバル監査室が、オムロングループの内部統制の整備・運用状況を「業務の有効性および効率

       性」「財務報告の信頼性」「事業活動に関わる法令などの遵守」「資産の保全」の観点から検証するとともに、リ

       スクマネジメントの妥当性・有効性を評価し、改善に向けた助言・提言をしています。監査役会は毎月の監査役会

       にグローバル監査室長を招聘し、全社の業務監査・内部統制監査の状況確認と意見交換を行っています。

     当事業年度は、内部監査部門との連携強化を課題に掲げ、内部監査の質の向上と監査効率について議論を重ねました。また、会計監査人によるリスク分析方法やAI技法を学び、監査効率化について意見を交換しました。

      5.会計監査人との連携状況

        監査役会は、四半期レビューの他、財務報告に係る内部統制システムの監査状況等、会計監査人との定期的な会合を設定し情報共有を図っています。KAM(監査上の主要な検討事項(Key Audit Matters))の検討については、会計監査人からの報告内容を都度レビューし、多角的な視点で議論を重ねました。

    また、三様監査会議では会計監査人、内部監査部門、監査役とリスク認識を合わせてそれぞれの活動計画に盛り込み、三様監査会議の進化、充実を図ることを確認しました。

    当事業年度に係る財務諸表監査等における主な報告・検討事項は次の通りです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_054" />

     6.監査役会の実効性評価

    監査役会は、ステークホルダーの負託に応え、持続的な企業価値の向上を実現するための監査活動はどうあるべきかの議論を重ねながら、監査を実施しています。取締役会とは自由闊達に議論を行いながらコーポレート・ガバナンス機能の向上に寄与してまいりました。

    また監査活動においては、準拠性監査、リスクベース・内部統制監査を深化させるとともに、経営課題の領域も積極的に監査の対象範囲とし、その活動について、より多角的・客観的な視点(注)から実効性評価を行いました。

    (注)評価は「監査役への質問票」および「企業価値向上貢献度評価シート」ならびに「2023年度監査実施報告」を用いて実施しました。「企業価値向上貢献度評価シート」は監査役の発言を定性的に分析し、監査役会の活動による企業価値向上に対する貢献度合を図るもので、当社監査役会オリジナルの取り組みです。また今年も取締役から監査役(会)への意見を受領し参考にしました。

    当事業年度における監査役会実効性評価の結果と課題は次の通りです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_055" />

      ②内部監査の状況

     当社の内部監査機能は、当社社長指示のもと、本社グローバル監査室(提出日現在25名)が担っており、海外の北米、欧州、中華圏、アジア・パシフィックの地域統轄会社に設置した内部監査室を統括し、リスクマネジメントの観点から、会計・業務・遵法などに関する内部監査を、部門単位で定期的に実施しており、その結果を社長及び監査役会に定期的に報告するとともに、年度総括を取締役会へ報告しています。

     内部監査、監査役監査および会計監査の相互連携については、月1回の監査役会に本社グローバル監査室長が出席し、監査結果の報告に加え、内部監査の強化に向けた意見交換を行うほか、会計監査人とも定期的会合を持ち、相互の活動に関する情報交換を行っています。法務、経理、財務部門等の内部統制部門とも定期的、適宜にリスク評価などの情報共有、連携を行っています。

     また、企業倫理・リスクマネジメント委員会による「グループ重要リスク」に対する対策やモニタリング活動などを一覧化し、全社の残存リスクを見える化し、その中から重要リスクを選定し、本社のガバナンス状況を中心に、テーマ監査を行っています。

     内部監査の網羅性と即時性を向上させるために、CAAT(コンピュータ支援監査技法)を用い、定期的にグローバル全社の会計データや、国内の決裁書データの分析を行うことにより不備やリスクを抽出し、各部門に改善を促しています。

     グローバル監査室のメンバを国内子会社監査役として任命し、各社の決算監査や取締役会もしくは各種の会議体への参画により、ガバナンスや内部統制に関し、アドバイスや提言を行っています。

     事業部門からマネジメント候補者がグローバル監査室に出向し、監査活動を通して経営視点やリスク感度を身につけ、出向終了後原籍部門で更なる活躍を期する育成出向プログラムも継続的に実施しています。

     また監査活動への生成AI活用による効率化の可能性検証を進めています。

    ③会計監査の状況

    1.監査法人の名称

    有限責任監査法人トーマツ

     当社は、会社法に基づく会計監査および金融商品取引法に基づく会計監査を有限責任監査法人トーマツに依頼していますが、同監査法人および当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社の間には、特別の利害関係はありません。また、同監査法人は業務執行社員について、当社の会計監査に一定期間を超えて関与することのないよう措置をとっています。当社は、同監査法人との間で会社法監査と金融商品取引法監査について監査契約書を締結し、それに基づき報酬を支払っています。

    2.継続監査期間

     56年間

    3.業務を執行した公認会計士の氏名

     指定有限責任社員 業務執行社員 : 佐藤 嘉雄、川添 健史、辻 知美

    4.監査業務に係る補助者の構成

     公認会計士 37名、公認会計士試験合格者 16名、その他 29名

    5.監査法人の選定方針と理由

     現会計監査人を選定した理由は、当社の会計監査人に求められる専門性、独立性および内部管理体制、さらに当社のグローバルな活動を一元的に監査できる体制を有していると判断したためです。

     監査役会は、会計監査人の職務の執行に支障がある場合等その必要性に応じて、株主総会に提出する会計監査人の解任または不再任に関する議案の内容を決定します。また、監査役会は会計監査人について会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると判断した場合には、監査役全員の同意によって、会計監査人を解任します。

    6.監査役及び監査役会による監査法人の評価

     監査役会は、会計監査人の監査の独立性と適正性を監視しながら、監査計画とその結果報告を受領のうえ、情報交換・意見交換を行う等の連携を密にしています。監査役会では四半期毎の定例会で監査役にアンケートを実施し、会計監査人の評価、フィードバックを行っています。また年度末に一事業年度を具体的に振り返り、内部監査部門、経理部門からの意見も参考にしながら総合的に評価しています。会計監査人から受領したアドバイスは次年度の監査計画に反映させています。

    ④監査報酬の内容等

    1.監査公認会計士等に対する報酬

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_056" />

     提出会社における非監査業務の内容は、主として財務報告に関する助言業務です。なお、会計監査人の独立性を担保するため、当社独自の規定により非監査報酬額に一定の制限を設けています。

    2.監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイトトウシュトーマツおよびそのメンバーファーム)に対する報酬(1.を除く)

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_057" />

     提出会社における非監査業務の内容は、主として社内研修業務です。また連結子会社における非監査業務の内容は、主として税務関連業務です。なお、会計監査人の独立性を担保するため、当社独自の規定により非監査報酬額に一定の制限を設けています。

    3.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容

     該当事項はありません。

    4.監査報酬の決定方針

     当社の監査公認会計士等に対する監査報酬は、年間の監査計画に組み込まれている監査陣容、往査内容、監査日数などの監査内容をもとに監査公認会計士等と折衝し、会社法第399条の定め等に基づき監査役会の同意を得た上で決定しています。

    5.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由

     監査役会は、会計監査人および社内関係部門から説明を受けた当期の会計監査計画や、前期の監査実績、会計監査人の監査の遂行状況、報酬見積りの算出根拠を確認し、審議した結果、適切であると判断し、会計監査人の報酬等の額について同意を行っています。

    (4)【役員の報酬等】

    ①役員報酬等の内容

     当事業年度に係る役員報酬等の内容は以下のとおりです。

    ア.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_058" />

    1 基本報酬

     取締役の基本報酬総額の上限は、月額3,500万円(2000年6月27日 第63期定時株主総会決議、当該決議に係る取締役の員数は7名)です。取締役の基本報酬の額は、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定しています。監査役の基本報酬総額の上限は、月額1,100万円(2018年6月19日 第81期定時株主総会決議、当該決議に係る監査役の員数は4名)です。監査役の基本報酬の額は、監査役会における監査役の協議により決定しています。

    2 賞与

     取締役の賞与総額の上限は、年額6億円(2018年6月19日 第81期定時株主総会決議、当該決議に係る取締役の員数は5名)です。各取締役の賞与の額は、第87期(2024年3月期)の営業利益、当社株主に帰属する当期純利益、ROICの目標および実績を基に算定し、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定しています。各指標の目標値および実績値については、下表をご参照ください。

    目標値 実績値
    営業利益(億円) 1,020 343
    当社株主に帰属する当期純利益(億円) 745 81
    投下資本利益率(ROIC)(%) 10.0 1.0

    3 株式報酬

     株式報酬は、2021年6月24日開催の第84期定時株主総会において、2021年度から2024年度までの4事業年度において当社が拠出する金員の上限を24億円、対象者に対して交付およびその売却代金が給付(以下「交付等」という。)される株式数の上限を600,000株として決議されています。当該決議に係る取締役の員数は5名です。株式報酬は、所定の算定式で算出するポイントを取締役に対して付与し、予め定められた一定の時期に、付与されたポイント数に相当する当社株式の交付等を信託から行うものでありますが、上記株式報酬の額は当事業年度中に付与されたポイントに係る費用計上額です。各取締役の株式報酬の額は、2021年度から2024年度までの財務目標評価(EPS、ROE)、サステナビリティ評価(温室効果ガス排出量の削減、エンゲージメントサーベイにおけるSustainable Engagement Index (SEI)のスコア、Dow Jones Sustainability Indices)の目標および実績、並びに企業価値評価(相対TSR)を基に算定し、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定されます。各指標の目標値については、下表をご参照ください。なお、株式報酬に係る評価指標の実績は、2024年度終了後に確定するため、記載していません。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_059" />

    (注)1 対象期間における当社のTSR(株主総利回り)と配当込みTOPIXの増減率を比較した指標(相対TSR=TSR÷配当込みTOPIX増減率)

    2 組織の目指すゴールに対する社員の自発的な貢献意欲を測定する調査

    3 心身の健康などによって維持される目標達成に向けた高い貢献意欲や組織に対する強い帰属意識、生産的な職場環境を示す指標

    4 非金銭報酬等

     [ ]内は、報酬等のうち非金銭報酬等の金額です。

    イ.報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_060" />

    注)1 中長期業績連動型株式報酬の額は当事業年度中に付与されたポイントに係る費用計上額です。

    2 [ ]内は、報酬等のうち非金銭報酬等の金額です。 

    ②役員の報酬等の額またはその算定方法に係る決定に関する方針

     当社は取締役の報酬等について、判断の客観性と透明性を高めるため、社外取締役を委員長とし、委員の過半数を社外取締役で構成する報酬諮問委員会を設置しています。当社は「取締役報酬の方針」について、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により定めています。

     各取締役の報酬等の額は、株主総会の決議により決定した取締役報酬等の総額の範囲内で、当該方針等に基づく報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定しています。

     また、各監査役の報酬等の額は、監査役の協議により定めた「監査役報酬の方針」に基づき、株主総会の決議により決定した監査役報酬等の総額の範囲内で、監査役の協議により決定しています。

     当社の「取締役報酬の方針」、「取締役報酬制度の概要」および「監査役報酬の方針」は次のとおりです。

    [取締役報酬の方針]

    1)基本方針

     ・企業理念を実践する優秀な人材を取締役として登用できる報酬とする。

     ・持続的な企業価値の向上を動機づける報酬体系とする。

     ・株主をはじめとするステークホルダーに対して説明責任を果たせる、「透明性」「公正性」「合理性」の

      高い報酬体系とする。

    2)報酬構成

     ・取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と、業績に応じて変動する業績連動報酬で構成する。

     ・基本報酬に対する業績連動報酬の報酬構成比率は、役割に応じて決定する。

     ・社外取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から、基本報酬のみで構成する。

    3)基本報酬

     ・基本報酬額は、外部専門機関の調査に基づく他社水準を考慮し役割に応じて決定し毎月支給する。

    4)業績連動報酬

     ・短期業績連動報酬として、単年度の業績や目標達成度に連動する賞与を事業年度終了後に一括支給する。

     ・中長期業績連動報酬として、中期経営計画の達成度や企業価値(株式価値)の向上に連動する株式報酬を支給

      する。

     ・株式報酬の業績連動部分は中期経営計画終了後に、非業績連動部分は退任後に支給する。

     ・短期業績連動報酬および中長期業績連動報酬の基準額は、役割に応じて定める報酬構成比率により決定する。

    5)報酬ガバナンス

     ・報酬構成および報酬構成比率、基本報酬の水準ならびに業績連動報酬の業績指標および評価方法は、報酬諮問

      委員会の審議、答申を踏まえ決定する。

     ・各取締役の報酬の額は、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定する。

    [取締役報酬制度の概要]

    1)報酬構成比率

      取締役の報酬は、固定報酬である「基本報酬」と、業績に応じて変動する「短期業績連動報酬(賞与)」

     および「中長期業績連動報酬(株式報酬)で構成しています。各業績連動報酬の基本報酬に対する報酬構成比

     率は、役割に応じて決定しています。

    <> <img style={{height: '31.96px', width: '565.34px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_63.png" /> </>

    * 代表取締役社長 CEOの場合、各業績連動報酬の目標達成度等が全て100%と仮定した場合の比率。

      2)基本報酬

         取締役に対して、固定報酬である基本報酬を毎月支給します。基本報酬額は、外部専門機関の調査に基づく

        同輩企業(報酬諮問委員会が定める同業種、同規模等のベンチマーク対象企業群)の役員の基本報酬水準を参

        考に、役割に応じて決定しています。

      3)短期業績連動報酬(賞与)

         社外取締役を除く取締役に対して、短期業績連動報酬として、単年度の業績指標や目標達成度に連動する

        賞与を事業年度終了後に一括支給します。取締役賞与は、年間計画に基づき設定した営業利益、当期純利益

        およびROICの目標値に対する達成度等に応じ、0%~200%の範囲で変動します。

    <> <img style={{height: '31.96px', width: '565.34px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_64.png" /> </>

      4)中長期業績連動報酬(株式報酬)

         社外取締役を除く取締役に対して、中長期業績連動報酬として、株式報酬を支給します。株式報酬は、中期

        経営計画の達成度等に連動する業績連動部分(60%)と、中長期の株価向上への動機づけとリテンションを目的

        に一定期間の在籍を条件に支給する非業績連動部分(40%)により構成します。業績連動部分は中期経営計画

        終了後に、非業績連動部分は退任後に支給します。

         業績連動部分は、中期経営計画における業績目標等の達成度に応じて0%〜200%の範囲で変動します。

    <> <img style={{height: '34.4px', width: '572.73px', verticalAlign: 'top'}} src="/images/S100TOYL/image_65.png" /> </>

          (注)財務目標評価・企業価値評価・サステナビリティ評価の各評価指標および目標値については、
             「①役員報酬等の内容 ア.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象
              となる役員の員数 (注)3 株式報酬」に記載のとおりです。

      5)業績連動報酬の業績指標

     ・短期業績連動報酬(賞与)の評価指標は、中期経営計画SF 1st Stage(2022~2024年度)に基づく短期経営

      計画の実現に向けて、短期経営計画の財務目標の指標から設定しています。

     ・中長期業績連動報酬(株式報酬)の評価指標は、中期経営計画SF 1st Stage(2022~2024年度)の実現に向けて、中期経営計画の財務目標・非財務目標・戦略目標の指標から設定しています。また、2030年に向けた長期ビジョン「SF2030」では企業価値の最大化を目指しており、企業価値を直接評価する指標についても設定しています。

    ※ 構造改革プログラム「NEXT 2025」の実行にあたり、2025年3月期までとしていた中期経営計画(SF 1st Stage)の目標を取り下げました。ただし、対象期間(2021年度から2024年度までの4事業年度)の中長期業績連動報酬(株式報酬)については、2021年6月24日に開催された第84期定時株主総会でご承認いただいた内容から変更せず、また、評価指標についても従前の目標値で達成度を評価します。

    [監査役報酬の方針]

    1)基本方針

     ・株主の負託を受けた監査役の職務遂行が可能な優秀な人材を登用できる報酬とする。

     ・株主をはじめとするステークホルダーに対して説明責任を果たせる、「透明性」「公正性」「合理性」の

      高い報酬体系とする。

    2)報酬構成

     ・監査役の報酬は、その役割と独立性の観点から、基本報酬のみで構成する。

    3)基本報酬

     ・基本報酬額は、外部専門機関の調査に基づく他社水準を考慮し役割に応じて決定し毎月支給する。

    4)報酬ガバナンス

     ・各監査役の報酬の額は、監査役会における監査役の協議により決定する。

    (5)【株式の保有状況】

    ①投資株式の区分の基準及び考え方

     当社は純投資目的である株式は保有しておらず、全て純投資目的以外の目的である株式投資に区分しています。なお、純投資目的とは株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることのみを目的とする場合とし、それ以外の目的で保有する株式は全て純投資目的以外の株式としています。

    ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式

    1.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容

     当社は持続的な企業価値向上のため、更なる社会的価値創造の協働を目的とする場合に限り株式を保有します。

     なお、純投資目的以外の株式のうち特定投資株式については、保有目的および合理性について中長期的な観点から精査し、保有の適否を毎年、取締役会において検証します。保有の適否検証においては、投資先企業との協働の状況、事業への影響、投資先企業のROE、取引による当社利益への寄与度等を考慮します。検証の結果、保有目的および合理性が希薄となった株式については、事業や市場への影響に配慮しつつ売却を進めます。

    2.銘柄数及び貸借対照表計上額

    銘柄数 (銘柄) 貸借対照表計上額の 合計額(百万円)
    非上場株式 40 2,059
    非上場株式以外の株式 4 6,659

    (当事業年度において株式数が増加した銘柄)

    銘柄数 (銘柄) 株式数の増加に係る取得 価額の合計額(百万円) 株式数の増加の理由
    非上場株式 該当なし
    非上場株式以外の株式 該当なし

    (当事業年度において株式数が減少した銘柄)

    銘柄数 (銘柄) 株式数の減少に係る売却 価額の合計額(百万円)
    非上場株式
    非上場株式以外の株式 3 3,434

    3.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報

    特定投資株式

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_061" />

    みなし保有株式

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_062" />

    (注)1 貸借対照表計上額の上位銘柄を算定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していません。

    2 保有する特定投資株式およびみなし保有株式を合わせて60銘柄に満たないため、全銘柄を記載しています。

    3 特定投資株式の定量的な保有効果については事業上の理由から記載していませんが、保有合理性は上記1の方法に基づき検証を行っており、十分な保有合理性があると判断しています。

    4 みなし保有株式の定量的な保有効果については事業上の理由から記載していませんが、特定投資株式に準じた方法で検証を行っており、十分な保有合理性があると判断しています。

    5 ㈱京都銀行は、持株会社移行に伴い、2023年10月2日付で㈱京都フィナンシャルグループへ商号変更しております。

    ③保有目的が純投資目的である投資株式

    該当事項はありません。

    第5【経理の状況】

    1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について

    ① 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)附則(平成14年内閣府令第11号)第3項の規定により、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。

    ② 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。

    また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。

    2 監査証明について

    当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表および事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けています。

    3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて

    当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っています。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、連結財務諸表等の適正性を確保できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入しており、企業会計基準委員会の行う研修に参加しています。

    1【連結財務諸表等】

    (1) 【連結財務諸表】

    ① 【連結貸借対照表】

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    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_064" />

    (注)第86期末および第87期末の自己株式数には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託として保有する当社株式をそれぞれ600,208株、520,413株含めております。

    ② 【連結損益計算書】

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_065" />

    ③ 【連結包括利益計算書】

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_066" />

    ④ 【連結株主持分計算書】

    (単位:百万円)

    項目 発行済 株式数(株) 資本金 資本 剰余金 利益 準備金 その他の剰余金 その他の包括利益 累計額 自己株式 株主資本 非支配 持分 純資産 合計
    第85期末現在 206,244,872 64,100 100,652 24,503 517,566 13,013 △54,607 665,227 2,744 667,971
    当期純利益 73,861 73,861 684 74,545
    当社株主への配当金(注) △19,394 △19,394 △19,394
    非支配株主への配当金 △741 △741
    株式に基づく報酬 △2,140 4,003 1,863 1,863
    利益準備金繰入 226 △226
    その他の包括利益 26,934 26,934 67 27,001
    自己株式の取得およびその他 △6 △20,012 △20,018 △20,018
    第86期末現在 206,244,872 64,100 98,506 24,729 571,807 39,947 △70,616 728,473 2,754 731,227
    当期純利益 8,105 8,105 1,844 9,949
    当社株主への配当金(注) △20,479 △20,479 △20,479
    非支配株主への配当金 △581 △581
    非支配株主との資本取引等 △54 △54 65 11
    連結子会社の増加による非支配持分の増加 159,877 159,877
    株式に基づく報酬 619 666 1,285 1,285
    利益準備金繰入 2,728 △2,728
    その他の包括利益 69,449 69,449 348 69,797
    自己株式の取得およびその他 △74 △19 △93 △93
    第87期末現在 206,244,872 64,100 98,997 27,457 556,705 109,396 △69,969 786,686 164,307 950,993

    (注)1株当たり配当額は、第86期98円00銭、第87期104円00銭です。

    ⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】

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    連結財務諸表注記事項

    Ⅰ 重要な会計方針の概要

    A 事業内容および連結財務諸表の作成基準

    1  事業内容

     当社は先進的なコンピュータ、コミュニケーションおよびコントロール技術により、自動化機器、部品、システムなどを国際的に製造・販売しています。当社の活動は世界130ヶ国以上に及んでおり、米国、オランダ、中国、シンガポール、韓国の5ヶ所に地域統轄会社を設置しています。

     当社の商品は、タイプおよび市場等により区分され、以下のとおりのオペレーティング・セグメントにて取り扱っています。

     インダストリアルオートメーションビジネス(IAB)では、プログラマブルコントローラー、モーションコントロール機器、センサー機器、産業用カメラ・コードリーダー機器、検査装置、セーフティ用機器、産業用ロボットなど、「オートメーションで人、産業、地球の豊かな未来を創造する」をビジョンに、オムロンがこれまでに培ってきた“センシング&コントロール + Think”のコア技術を基盤に、世界中の製造業のモノづくりを先進のオートメーションで革新し、産業の発展に貢献してきました。独自の価値創造コンセプト“i-Automation!”を掲げ、業界随一の幅広い制御機器を軸に、製造業を中心に急激に変化する社会課題を革新的ソリューションで解決し、産業の高度化とともに働く人々の幸せの実現に貢献する社会価値の創出を目指します。

     ヘルスケアビジネス(HCB)では、電子血圧計、ネブライザ、低周波治療器、心電計、酸素発生器、電子体温計、体重体組成計、歩数計・活動量計、電動歯ブラシ、マッサージャ、血糖計、動脈硬化検査装置、内臓脂肪計、遠隔患者モニタリングシステム、遠隔診療サービスなど、「地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献」をミッションに、誰でも簡単・正確に測定できる使いやすさと、医療現場からも信頼される精度にこだわり、商品やサービスを開発しています。商品では、血圧計や体温計、喘息治療薬を吸入するための機器であるネブライザなど、各国の医療機器認証を取得したデバイスの販売を世界130ヵ国以上で展開しています。サービスでは、医師が遠隔で患者をモニタリングし処方・治療支援を行う遠隔診療サービスの提供を主要国から進めています。

     ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(SSB)では、エネルギー事業(太陽光発電、蓄電システム)、駅務システム、交通管理・道路管理システム、カード決済ソリューション、IoT(電源保護・データ保護)ソリューション、ソフトウェア開発、保守メンテナンス事業など、「世界中の人々が安心・安全・快適に生活し続ける豊かな社会を創造する」をミッションとしています。太陽光発電用パワーコンディショナー、蓄電システム、自動改札機や券売機などの駅務システム、交通管制システム、決済システム、UPSなどのデータ・電源保護といった、多岐にわたる端末・システム、さらにソフトウェア開発、保守メンテナンスによるトータルソリューションを提供し、社会インフラを支えています。

     デバイス&モジュールソリューションズビジネス(DMB)では、リレー、スイッチ、コネクター、IoT通信モジュール、汎用センサ、アミューズメント機器用部品・ユニット、顔認識ソフトウェア、画像センシングコンポ、MEMSセンサなど、「我々のデバイスとモジュールで、顧客の価値を創造し、地球上の人と社会に貢献する」をミッションとしています。EV・モビリティやエネルギーインフラ、家電製品、産業機器など、幅広い業界の顧客に対して、電気を繋ぐ・切るためのコア部品となる、リレー、スイッチ、コネクターや、さまざまな製品の目や耳になるセンサなどのデバイスやモジュールを、全世界で提供するオムロンの基盤事業です。

     データソリューションビジネス(DSB)では、データヘルスケア事業、コーポレートヘルス事業、スマートM&S(マネジメント・サービスソリューション)事業、カーボンニュートラルソリューション事業、データ活用ソリューション事業、自立支援事業など、オムロングループの価値創造を、モノづくりからデータを活用したソリューションへと進化させます。オムロンがSF2030で掲げる3つの社会的課題「カーボンニュートラルの実現」「デジタル化社会の実現」「健康寿命の延伸」を解決するためには、データの活用が重要です。2023年10月にグループ会社となった株式会社JMDC(以下、JMDC社)との協業により、ヘルスケアドメインに留まらず、他事業のデバイスやコンポーネントから得られる膨大な現場データに、JMDC社のデータマネジメント力とソリューション開発力を組み合わせることで、社会的課題の解決につながる成長事業を創造します。

    2 連結財務諸表の作成基準

     当連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。

     当社は、欧州にて1970年2月7日、香港にて1973年10月13日、時価発行による公募増資を実施しました。この時の預託契約に基づき、1967年3月31日に終了した連結会計年度より米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成していたことを事由として、1978年3月30日に「連結財務諸表規則取扱要領第86に基づく承認申請書」を大蔵大臣へ提出し、同年3月31日付の蔵証第496号により、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成することにつき承認を受けています。そのため、連結財務諸表については1978年3月31日に終了した連結会計年度より継続して、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して開示しています。

     なお、当社は米国証券取引委員会への登録は行っていません。

    B 我国の連結財務諸表原則及び連結財務諸表規則に準拠して作成する場合との主要な相違の内容

    1 投資

     提出会社の財務諸表では、有価証券の評価について「金融商品に関する会計基準」を適用しています。当連結財務諸表では、財務会計基準審議会(FASB)会計基準書第321号「投資-持分証券」を適用しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第86期1,492百万円(損失)、第87期13,951百万円(損失)です。

    2 退職給付引当金

     提出会社の財務諸表では、「退職給付に係る会計基準」を適用しています。当連結財務諸表では、FASB会計基準書第715号「報酬-退職給付」の規定に従って計上しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第86期3,262百万円(損失)、第87期2,863百万円(損失)です。

    3 有給休暇の処理

     当連結財務諸表では、FASB会計基準書第710号-10-25「報酬-有給休暇」に基づいて従業員の未使用有給休暇に対応する人件費負担相当額を未払計上しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第86期291百万円(損失)、第87期1,913百万円(損失)です。

    4 のれんおよびその他の無形資産

     当連結財務諸表では、FASB会計基準書第350号「無形資産-のれん及びその他」により、のれんおよび耐用年数の特定できない無形資産については償却に替え少なくとも年1回の減損判定を実施しています。我国の連結財務諸表原則および連結財務諸表規則に準拠してのれんの償却期間を5年とした場合と比較して、法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第86期1,585百万円(利益)、第87期30,498百万円(利益)です。

    5 長期性資産

     提出会社の財務諸表では、土地は「土地の再評価に関する法律」(平成10年3月31日公布法律第34号)および「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(平成13年6月29日公布法律第94号)を適用しています。また、固定資産の減損については、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準委員会 平成15年10月31日企業会計基準適用指針第6号)を適用しています。当連結財務諸表ではFASB会計基準書第360号「有形固定資産」に基づいて、長期性資産および特定の識別できる無形資産について帳簿価額を回収できない恐れのある事象または状況の変化が起きた場合には、減損についての検討を行い、減損が生じていると考えられる場合には、帳簿価額が公正価値を上回る額を減損額として認識しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第86期および第87期においてありません。

    6 株式報酬

     提出会社の財務諸表では、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 平成25年12月25日、平成27年3月26日改正)を適用しています。

     当連結財務諸表では、FASB会計基準書第718号「報酬-株式報酬」を適用しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第86期141百万円(利益)、第87期74百万円(利益)です。

    7 1株当たり株主資本

     我国の連結財務諸表規則において開示が要求されている1株当たり株主資本は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準では要求されていませんが、第86期末現在3,701円08銭、第87期末現在3,995円04銭です。

    8 未認識税務ベネフィット

     当連結財務諸表では、FASB会計基準書第740号「法人税」に基づき、税務調査を受けることを前提に50%超の可能性をもって認められない税務ベネフィットの影響を認識しています。また、未認識の税務ベネフィットに関連する利息および課徴金については、連結損益計算書の法人税等に含めています。

    C 連結の方針および範囲

     当連結財務諸表は、当社および子会社の勘定を含んでいます。当社および子会社間のすべての重要な取引ならびに債権債務は相殺消去されています。

     関連会社(20%~50%所有会社)に対する投資は、持分法を適用し計上しています。

     当連結財務諸表には、全ての子会社が含まれています。

    子会社: 第86期末…………… オムロンヘルスケア㈱、OMRON EUROPE B.V.ほか 計117社
    第87期末…………… オムロンヘルスケア㈱、OMRON EUROPE B.V.ほか 計156社

     第3四半期連結会計期間において、株式会社JMDCの株式取得に伴い、同社及びその傘下35社を連結の範囲に含めております。

     なお、第81期より当社および子会社は役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託を活用した株式報酬制度を導入しています。信託を通じて当社株式を株式市場から購入し、役位および業績目標達成度等に応じて取締役および執行役員に当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付および給付します。

     当社および子会社は信託の制度設計を通じて信託に対して最も重要な影響を与える活動を指示する権限を有しています。また、必要に応じて信託に追加で金銭を信託し、本信託により当社株式を追加取得する可能性があることから潜在的に義務を有しています。従って、当社および子会社は当事業体の主たる受益者であると判断し、当事業体を変動持分事業体として連結範囲に含めていますが、連結子会社数に含めてはいません。

     第86期末および第87期末の連結貸借対照表において、当事業体が保有する現金及び現金同等物をそれぞれ113百万円、164百万円、自己株式を3,880百万円、3,369百万円計上しています。

     なお、主要な連結子会社の会社名、主要な事業内容、議決権に対する所有割合等は、「第1 企業の概況」の「4 関係会社の状況」に記載しています。

    D 持分法の適用

     全ての関連会社および持分比率3%以上を保有するリミテッド・パートナーシップ等に対する投資額は、持分法によって計上しています。なお、第3四半期連結会計期間より、株式会社JMDC(以下、JMDC社)は持分法適用関連会社から連結子会社となったため、持分法の範囲から除外しております。

    持分法適用関連会社: 第86期末…………… ㈱JMDC、AliveCor,Inc.ほか 計45社
    第87期末…………… AliveCor,Inc.ほか 計 9社

     なお、主要な持分法適用関連会社の会社名、主要な事業内容、議決権に対する所有割合等は、「第1 企業の概況」の「4 関係会社の状況」に記載しています。

     関連会社の取得日の資産、負債および偶発負債の正味の公正価値に対する持分を取得対価が超える額は持分法によるのれん及び無形資産として計上し投資の帳簿価額に含めております。

     当社は、関連会社に対する投資について、事業計画の進捗状況や事業環境のような定性的要素と、投資先の超過収益力に基づいたディスカウント・キャッシュ・フロー法のような定量的要素を総合的に勘案し、その価値の下落が一時的とは認められない場合には、持分の簿価が当該関連会社の公正価値の当社持分を超過した分について持分法損失を認識しています。

     当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定の前提が当連結会計年度末の状況から大きく乖離し、関連会社に対する投資の帳簿価額がそのディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額を超過する場合、関連会社に対する投資の金額に重要な影響を与える可能性があります。

     第86期において、評価損の計上はありません。

     第87期において、JMDC社の株式について第87期第2四半期末時点の市場価格にて再評価を行ったことによる損失を10,187百万円計上しています。また、第87期第3四半期連結会計期間にJMDC社は持分法適用関連会社から連結子会社となったため、支配獲得日時点の市場価格にて再評価を行っています。詳細については、(注記 Ⅱ-X)に記載しています。第87期において、上記以外の評価損の計上はありません。

    E 子会社の事業年度

     事業年度の末日が連結決算日と異なる子会社は第87期末18社(第86期末14社)であり、第87期末現在、事業年度の末日が連結決算日と異なるすべての子会社は連結決算日の財務諸表を用いて連結財務諸表を作成しています。子会社の決算日の財務諸表を用いて連結財務諸表を作成する子会社は、第86期末および第87期末においてありません。

    F 会計処理基準

    1 会計上の見積り

     米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠した連結財務諸表作成に当たり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

     長期性資産の減損、のれんおよび非償却性の無形資産の減損、関連会社に対する投資、および繰延税金資産の回収可能性等については、原材料価格高騰の影響を考慮して見積りおよび判断を行っています。見積りにあたっては、これらの影響は第87期末以降も一定の影響が継続するものと仮定しています。これらの当連結会計年度末残高は、連結財務諸表および関連注記をご参照ください。

    2 現金及び現金同等物

     現金同等物は取得日から3ヶ月以内に満期日の到来する流動性の高い投資から成っており、定期預金、コマーシャル・ペーパー、現先短期貸付金および追加型公社債投資信託の受益証券等を含んでいます。

    3 貸倒引当金

     貸倒引当金は主として当社および子会社の過去の貸倒損失実績および債権残高に対する潜在的損失の評価に基づいて、妥当と判断される額を計上しています。

    4 投資

     当社および子会社の保有する市場性のある持分証券は、未実現損益を反映させた公正価値で評価し、未実現損益は「その他費用(△収益)-純額-」に表示しています。当社および子会社の保有する容易に算定可能な公正価値がない市場性のない持分証券は、減損による評価下げ後の帳簿価額に同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動を加減算する方法、その他の合理的な方法により評価し、未実現損益は「その他費用(△収益)-純額-」に表示しています。売却原価の算定は、移動平均法によっています。

    5 棚卸資産

     棚卸資産は主として平均法による低価法で計上しています。

    6 有形固定資産

     有形固定資産は取得原価で計上しています。減価償却費はその資産の見積耐用年数をもとに、主として定額法で算出しています。建物及び構築物の見積耐用年数は概ね3年から50年、機械その他の見積耐用年数は概ね2年から15年です。減価償却費の金額は、第86期18,751百万円、第87期19,960百万円です。

    7 のれんおよびその他の無形資産

     FASB会計基準書第350号「無形資産-のれん及びその他」を適用しています。当基準書は、のれんおよび認識された無形資産のうち耐用年数の特定できないものの会計処理について、償却は行わず、年1回およびその帳簿価額が公正価値を上回るような事象の発生または状況の変化が生じた場合に減損判定を行うことを要求しています。のれんの減損判定は報告単位で行われます。報告単位とは、オペレーティング・セグメントあるいはその一段階下のレベルを指し、減損判定においては報告単位の公正価値とのれんを含む帳簿価額を比較して行われます。公正価値は経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算出した評価額と、市場価格にコントロールプレミアムを加味した市場株価法による評価額に基づいて算定しています。公正価値の算出に用いた主要な仮定の前提が当連結会計年度末の状況から大きく乖離し、報告単位の帳簿価額がその公正価値を超過する場合には、のれんの金額に重要な影響を与える可能性があります。報告単位の帳簿価額がその公正価値を上回る場合には、当該報告単位に割り当てられたのれん総額を上限として、その超過分をのれんの減損損失として測定します。また、認識された無形資産のうち耐用年数の特定できるものについては、それぞれの見積耐用年数で償却しています。

    8 長期性資産

     長期性資産、すなわち有形固定資産、使用権資産および償却対象無形資産について、当該資産の帳簿価額を回収できない恐れのある事象または状況の変化が起きた場合には、減損についての検討を行っています。長期性資産の減損判定は、資産グループで行われます。資産グループとはその他のグループの資産と負債のキャッシュ・フローから相当程度自立的である、識別可能なキャッシュ・フローを有する最小単位です。保有して使用する資産の回収可能性は、当該資産の帳簿価額を当該資産から生み出されると期待される現在価値への割引前のキャッシュ・フロー純額と比較することにより判断しています。減損が生じていると考えられる場合には、帳簿価額が公正価値を上回る額を減損額として認識することになります。公正価値の見積りにおいて、事業計画に基づく見積り将来キャッシュ・フローの現在価値、または比較可能な市場価格により算定しています。見積り将来キャッシュ・フローの現在価値は、資産グループの主たる対象資産の耐用年数を基に算定を行います。売却以外の方法により処分する資産については、処分するまで保有かつ使用するとみなされます。売却により処分する資産については、帳簿価額または売却費用控除後の公正価値のいずれか低い価額で評価しています。

    9 借手としてのリース

     当社および子会社は、土地使用権、建物、倉庫、従業員社宅および車両等に係るオペレーティング・リースおよびファイナンス・リースを有しており、リース契約の開始時に使用権資産、リース負債を両建てで認識しています。
     当社および子会社は、契約開始時に契約にリースが含まれるか決定しています。当社および子会社は、識別された資産が存在し、当該資産の使用を支配する権利を有している場合に、当該契約にリースが含まれると決定しています。一部のリース契約では、リース期間の延長又は解約オプションが含まれており、当社および子会社は、これらのオプション行使が合理的に確実である場合、オプションの対象期間を考慮し、リース期間を決定しています。当社および子会社のリース契約には、重要な残価保証または重要な財務制限条項はありません。当社および子会社のリースの大部分は、リースの計算利子率が明示されておらず、リース料総額の現在価値を算定する際に、リース開始時に入手可能な情報を基にした追加借入利子率を使用しています。当社および子会社のリース契約の一部には、リース要素および非リース要素を含むものがあり、それぞれを区分して会計処理しています。当社および子会社はリース要素と非リース要素の見積独立価格の比率に基づいて、契約の対価を按分しています。当社および子会社は、リース期間が12ヶ月以内の短期リースについて、使用権資産、リース負債を認識しないことを選択しています。オペレーティング・リースに係る費用は、そのリース期間にわたり定額法で計上されています。なお、当社および子会社は、第86期および第87期において、重要なファイナンス・リース契約は行っていません。

    10 退職給付引当金

     退職給付引当金は、FASB会計基準書第715号「報酬-退職給付」に準拠し、従業員の退職給付に備えるため、当期末における予測給付債務および年金資産の公正価値に基づき計上および開示しています。また、退職給付引当金には子会社の取締役および監査役に対する退職給付に備える引当額を含んでいます。

    11 収益の認識

     顧客との契約から生じる収益は、次の5ステップアプローチに基づき、製品またはサービスの支配が顧客に移転した時点で、または移転するにつれて認識しています。

    ステップ1: 顧客との契約を識別します。

    ステップ2: 契約における履行義務を識別します。

    ステップ3: 取引価格を算定します。

    ステップ4: 取引価格を契約における別個の履行義務へ配分します。

    ステップ5: 履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識します。

     売上高は、顧客との契約により約束された対価で測定され、値引きや販売数量等に応じたリベート等を控除しています。変動対価は、過去、現在および将来の予測を含む利用可能なすべての情報を用いて合理的に見積もっています。

     また、契約開始時に、製品またはサービスを顧客に移転する時点から、顧客が当該製品またはサービスの対価を支払う時点の間の期間が1年以内と見込まれる場合は、FASB会計基準書第606号「顧客との契約から生じる収益」に基づく実務的な簡便法を適用し、対価に係る金融要素の調整をしていません。

    12 広告宣伝費

     広告宣伝費は発生時に費用認識しており、「販売費及び一般管理費」に含めて表示しています。広告宣伝費の金額は、第86期11,102百万円、第87期12,456百万円です。

    13 発送費および取扱手数料

     発送費および取扱手数料は、「販売費及び一般管理費」に含めて表示しています。発送費および取扱手数料の金額は、第86期16,691百万円、第87期15,051百万円です。

    14 法人税等

     繰延税金は税務上と会計上との間の資産および負債の一時差異、ならびに繰越欠損金および繰越税額控除に関連する将来の見積税効果を反映しています。繰延税金の帳簿価額は、入手可能な証拠にもとづいて50%超の可能性で回収可能性がないと考えられる場合、評価性引当金の計上により減額することが要求されており、繰延税金資産の回収可能性に関連するあらゆる肯定的および否定的証拠を適切に検討することにより、繰延税金資産にかかる評価性引当金計上の要否を定期的に評価しています。この評価に関する経営者の判断においては、それぞれの税務管轄ごとの当期および累積損失の性質、頻度および重要性、将来の収益予測、税務上の簿価を超える資産評価額、繰越欠損金の法定繰越可能期間、過去における繰越欠損金の法定繰越可能期間内の使用実績、繰越欠損金および繰越税額控除の将来における使用可能性を考慮します。当社および連結子会社においては、過去の課税所得水準および繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、現在計上している繰延税金資産が回収される可能性は高いものと考えていますが、当社および連結会社を取り巻く市場の動向や為替変動など、課税所得の予測に影響を与える要因が変化し、課税所得の予測の不確実性が増大した場合には繰延税金資産の回収可能性の見積りに影響を与える場合があります。税率の変更に伴う繰延税金資産および負債への影響は、その税率変更に関する法律の制定日の属する連結会計年度において損益認識しています。

     FASB会計基準書第740号「法人税等の不確実性に関する会計処理」を適用しています。税務ポジションに関連する税務ベネフィットは、決算日において入手可能な情報に基づき、50%超の可能性で実現が期待される金額を計上しています。

     当社および一部の国内子会社は、日本の税法において認められるグループ通算制度を適用しています。

    15 製品保証

     製品保証費の見積りによる負債は、「その他の流動負債」として計上しています。この負債は、過去の実績、頻度、製品保証の平均費用に基づいています。

    16 デリバティブ

     FASB会計基準書第815号「デリバティブ及びヘッジ」を適用しています。当基準書は、デリバティブ商品およびヘッジに関する会計処理および開示の基準を規定しており、すべてのデリバティブ商品を公正価値で連結貸借対照表上、資産または負債として認識することを要求しています。

     特定のデリバティブ商品について、デリバティブ契約締結時点において、当社および子会社では予定取引に対するヘッジあるいは認識された資産または負債に関する受取または支払のキャッシュ・フローに対するヘッジ(キャッシュ・フロー・ヘッジ)に指定しています。当社および子会社では、リスクマネジメントの目的およびさまざまなヘッジ取引に対する戦略と同様に、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係も正式に文書化しています。この手順は、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたすべてのデリバティブ商品を連結貸借対照表上の特定の資産および負債または特定の確定契約あるいは予定取引に関連付けることを含んでいます。当社および子会社では、ヘッジとして指定しているデリバティブ商品がヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺することに高度に有効であるか否かについて、ヘッジの開始時及びその後も定期的な評価を行っています。

     ヘッジ対象が高度に有効であり、かつ、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定および認定されたデリバティブ商品の公正価値の変動は、指定されたヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動が損益に影響を与えるまで、「その他の包括利益累計額」に計上されます。これらの金額は、ヘッジ対象が収益または費用として認識された期において、ヘッジ対象と同様の損益区分に振り替えられます。また、ヘッジとして指定されないデリバティブ商品の公正価値の変動は、ただちに収益または費用に計上されます。

    17 現金配当額

     現金配当額は、翌事業年度の当初において開催される定時株主総会まで未承認であっても、それぞれの事業年度の利益処分として提示される額に従って連結財務諸表に計上しています。その結果、未払配当金は連結貸借対照表上、その他の流動負債に含めて表示しています。

    18 株式報酬

     株式に基づく報酬の会計処理について、FASB会計基準書第718号「報酬-株式報酬」を適用しています。当基準書に従い、株式に基づく報酬費用は付与日の公正価値法に基づいて測定しています。その費用は、権利確定期間にわたって認識しています。

    19 海外子会社の財務諸表項目の本邦通貨への換算

     海外子会社の財務諸表は、FASB会計基準書第830号「外貨に関する事項」に基づいて資産・負債項目は決算日の為替相場、損益項目は期中平均為替相場によって換算しています。なお、換算によって生じた換算差額は、為替換算調整額として「その他の包括利益累計額」に計上しています。ただし、超インフレ経済下にある海外子会社の財務諸表については、機能通貨が報告通貨であったように再測定したうえで、当社の連結財務諸表に含めており、貨幣性資産および負債は、新たな機能通貨で報告期間ごとに再測定し、価値の変動を連結損益計算書に計上しています。

    20 包括利益

     FASB会計基準書第220号「包括利益」を適用しています。包括利益は、当期純利益および、為替換算調整額の変動、退職年金債務調整額の変動ならびに、デリバティブ純損益の変動からなり、連結包括利益計算書に記載しています。

    21 表示方法の変更

     当連結会計年度の表示方法に一致させるため、過年度の連結財務諸表等の一部について組替を行っております。

    G 新会計基準

    未適用の新会計基準

     2023年11月に、FASBは、FASB会計基準書2023-07「報告セグメント開示の改善」-(基準280)を公表しました。同基準は、最高経営意思決定者に定期的に提供され、セグメント損益に含まれる重要なセグメント費用を開示することを通じて、セグメント開示を拡充することを要求しています。当社においては、2024年4月1日以降に開始する連結会計年度及び2025年4月1日以降に開始する連結会計年度の期中会計期間に適用となります。当社は現在、この基準の適用が当社の開示に与える影響を検討しています。

     2023年12月に、FASBは、FASB会計基準書2023-09「法人所得税の開示の改善」-(基準740)を公表しました。同基準は、カテゴリ別の税率差及び管轄区域別の法人税等支払額開示の標準化・細分化を通じて、法人所得税開示をさらに拡充することを要求しています。当社においては、2025年4月1日以降に開始する連結会計年度に適用となります。当社は現在、この基準の適用が当社の開示に与える影響を検討しています。

    H 会計方針の変更

    棚卸資産の評価方法の変更

     当連結会計年度より、棚卸資産の評価方法について、これまで主として先入先出法による低価法を採用していた当社および国内連結子会社並びに一部の海外連結子会社につきまして、主として平均法による低価法に変更しています。

     この変更は、2022年度にスタートした長期ビジョン「Shaping The Future 2030」および中期経営計画(SF 1st Stage)に基づき、不確実性が高まった近年の社会や事業環境に対応するための販売、生産、在庫保有方針や在庫管理システムの見直しを契機として、平均法にて棚卸資産の評価を行う方が、より適切に期間損益計算を行うことができると判断し、実施したものであります。

     なお、当該変更が連結財務諸表に与える影響は軽微です。

    Ⅱ 主な科目の内訳および内容の説明

    A 収益

    1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報

     当社は従来オペレーティング・セグメントを4区分としておりましたが、第87期よりデータソリューション事業(以下、DSB)を加えた5区分をオペレーティング・セグメントとしております。当該変更は従来存在しなかった区分の新設であることから、第86期のセグメント情報については従来の区分に基づき開示しております。

     第86期および第87期の売上高の内訳については以下のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_068" />

    (注)日本以外の区分に属する主な国または地域など

    (1) 米州………………米国・カナダ・ブラジル

    (2) 欧州………………オランダ・英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン

    (3) 中華圏……………中国・香港・台湾

    (4) 東南アジア他……シンガポール・韓国・インド・豪州

    (5) 直接輸出…………直送輸出取引

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_069" />

    (注)日本以外の区分に属する主な国または地域など

    (1) 米州………………米国・カナダ・ブラジル

    (2) 欧州………………オランダ・英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン

    (3) 中華圏……………中国・香港・台湾

    (4) 東南アジア他……シンガポール・韓国・インド・豪州

    (5) 直接輸出…………直送輸出取引

    2.収益を理解するための基礎となる情報

     IAB、HCB、DMBについては、概ね同一国内における販売は、契約上別段の定めのない限り、顧客に製品が到着した時点、輸出販売は、インコタームズ等に定められた貿易条件に基づきリスク負担が顧客に移転する時点で履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しています。

     据付および現地での調整作業を伴う製品およびサービスの提供については、製品の引渡しと当該製品の据付および現地での調整作業を単一の履行義務として識別し、製品の据付および現地での調整作業が完了した時点で履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しております。

     一部の取引については、当社グループ製品の販売促進を目的として、関連する製品の販売数量等に基づき顧客にリベートを支払うことがあります。これらリベートは対価から控除するため、対価の額に変動性があります。顧客に支払うリベートの額は合理的に見積り可能なことから、重大な戻し入れが生じることはなく、変動対価の見積りが制限されることはないと判断しています。また、当社グループの販売する製品には、顧客が返品権を有するものは含まれていません。

     SSBは、概ね顧客の検収を得ることができた時点で、当該履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しております。一部の取引については、顧客に製品が到着した時点で履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しております。

     また、長期にわたりサービスを提供することにより、履行義務の充足に応じて一定期間にわたり収益を認識している販売があります。取引の対価は、履行義務充足後、概ね3ヶ月以内に受領しており、契約によっては、顧客から契約期間全部または一部の前受金を受領することがあります。その場合は、契約負債としてその他の流動負債もしくはその他の固定負債に計上しています。

     加えて、一部の請負工事等に係る長期請負契約等については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定期間にわたり収益を認識しています。契約資産は、主に一定の期間にわたり履行義務を充足する契約から生じる収益と交換に受け取る対価に対する権利のうち債権を除いたものであり、その他の流動資産に計上しています。

     なお、約束された対価は履行義務の充足時点から概ね3ヶ月で支払いを受けており、対価の金額に重要な金融要素は含まれておりません。

     DSBでは、各取引の実態に応じて、一時点もしくは一定の期間にわたり収益を認識しています。一時点で収益を認識する場合は、サービス終了後もしくは顧客の検収が確認できた時点に、当該財またはサービスに対する支配が顧客に移転して履行義務が充足されるため、この時点で収益を認識しています。一定の期間にわたり収益を認識する場合は契約期間を通じて顧客が便益を受け取ることができ、時の経過により当該サービスの履行義務が充足されるため、契約期間に基づいて収益を認識しています。

     対価については通常履行義務の充足時点から概ね2ヶ月以内に支払いを受けており、重大な金融要素や、重要な対価の変動性、重要な変動対価の見積り等は含まれておりません。

    3.当連結会計年度および翌連結会計年度以降の収益の金額を理解するための情報

    (1) 契約資産および契約負債の残高等

     第86期における期首および期末における契約残高は、以下のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_070" />

     第86期において、期首の契約負債から認識した収益は、2,295百万円です。

     第87期における期首および期末における契約残高は、以下のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_071" />

     第87期において、期首の契約負債から認識した収益は、3,709百万円です。

    (2) 未履行の履行義務に配分した取引価格

     未履行あるいは一部未履行の履行義務は主としてSSBの取引から発生しており、その金額は14,732百万円です。これらは主として1年から15年で収益認識することを予定しており、このうち約7割は5年以内に、約2割は5年超10年以内に、約1割は10年超15年以内に収益認識されると見込んでおります。なお、予想される当初の契約期間が1年以内である契約については、未履行の履行義務に関する注記を省略しています。

    B 棚卸資産

     棚卸資産の内訳は、次のとおりです。

    第86期末(百万円) 第87期末(百万円)
    製品 86,125 85,005
    仕掛品 17,614 15,479
    材料・貯蔵品 70,187 73,550
    合計 173,926 174,034

    C 投資

     第86期および第87期における、連結貸借対照表の投資有価証券に含めている持分証券に係る実現損益および未実現損益は以下のとおりです。

    第86期末(百万円) 第87期末(百万円)
    持分証券の損(△益)合計 2,099 △6,731
    持分証券の売却による当期の実現損(△益) △81 △6,433
    持分証券の未実現損(△益) 2,180 △298

     市場性のない持分証券のうち、容易に算定可能な公正価値がない持分証券の一部について、減損による評価下げ後の帳簿価額に同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動を加減算する方法により測定しています。

     第86期において、当社および子会社は発行体より提示される観察不能なインプットに基づき算出した減損損失を1,080百万円および同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動として利益を507百万円、損失を17百万円計上しています。なお、この金額は上記の表に含まれています。第86期末におけるこれらの投資の帳簿価額は8,202百万円です。

     第87期において、当社および子会社は発行体より提示される観察不能なインプットに基づき算出した減損損失を330百万円計上しており、その他の調整は計上していません。第87期末におけるこれらの投資の帳簿価額は8,082百万円です。

    D 関連会社に対する投資

     投資先である持分法適用関連会社から提供された財務情報にもとづく重要な持分法適用関連会社の合算・要約財務情報は次のとおりです。

    貸借対照表
    区分 第86期(百万円) 第87期(百万円)
    流動資産 61,556 24,642
    固定資産 71,706 12,295
    流動負債 24,638 12,744
    固定負債及び非支配持分 32,010 13,324
    持分比率 28%-50% 28%-50%
    損益計算書
    区分 第86期(百万円) 第87期(百万円)
    売上高及び営業収入 62,623 55,360
    営業利益(△損失) 722 1,619
    株主に帰属する当期純損失 △2,188 △330
    持分比率 28%-50% 28%-50%

     第86期連結貸借対照表に計上されている関連会社に対する投資及び貸付金には、ヘルスケア事業のAliveCor,Inc.に対する持分法による投資9,835百万円および株式会社JMDC(以下、JMDC社)に対する持分法による投資121,918百万円が含まれています。

     AliveCor,Inc.に対する持分法による投資9,835百万円のうち、純資産に対する当社の持分相当額を上回る8,199百万円は、主に持分法によるのれん相当額の残高です。

     同社については定性的要素および定量的要素を総合的に勘案した結果、一時的でない価値の下落は生じておらず、評価損失の計上は不要と判断しています。なお、当該検討には投資先の業績や取り巻く環境の評価及びディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額と帳簿価額との比較などを含みます。

     また、JMDC社に対する持分法による投資121,918百万円のうち、純資産に対する当社の持分相当額を上回る101,427百万円は主に持分法によるのれん相当額の残高です。

     同社については定性的要素および定量的要素を総合的に勘案した結果、一時的でない価値の下落は生じておらず、評価損失の計上は不要と判断しています。なお、当該検討には、投資先の株価の推移分析、株式市場における市場価格に基づく評価額が帳簿価額を下回る期間及び程度の評価、投資先の業績や取り巻く環境の評価及びディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額と帳簿価額および市場価格に基づく評価額との比較などを含みます。

     JMDC社は、株式市場に上場しています。第86期末における当該関連会社の帳簿価額および時価はそれぞれ121,918百万円および93,088百万円です。

     第87期連結貸借対照表に計上されている関連会社に対する投資及び貸付金には、ヘルスケア事業のAliveCor,Inc.に対する持分法による投資10,265百万円が含まれています。

     AliveCor,Inc.に対する持分法による投資10,265百万円のうち、純資産に対する当社の持分相当額を上回る9,173百万円は、主に持分法によるのれん相当額の残高です。

     同社については定性的要素および定量的要素を総合的に勘案した結果、一時的でない価値の下落は生じておらず、評価損失の計上は不要と判断しています。なお、当該検討には投資先の業績や取り巻く環境の評価及びディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額と帳簿価額との比較などを含みます。

    E 受取手形及び売掛金

     当社および子会社は、関連会社と通常の営業過程でさまざまな取引を行っています。第86期末および第87期末現在において、重要な債権残高はありません。

    F 有形固定資産

     第86期末および第87期末現在における有形固定資産は、次のとおりです。

    第86期末(百万円) 第87期末(百万円)
    土地 20,238 21,280
    建物及び構築物 136,492 145,708
    機械その他 183,578 200,947
    建設仮勘定 6,363 9,662
    取得価額計 346,671 377,597
    減価償却累計額 △217,086 △240,822
    有形固定資産合計 129,585 136,775

    G のれんおよびその他の無形資産

     のれんを除く無形資産は、次のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_072" />

     第87期に取得した主な償却対象無形資産の取得価額と加重平均償却年数は、次のとおりです。

    取得価額 加重平均償却年数
    償却対象無形資産:
    ソフトウエア 11,655百万円 約5年
    顧客関連資産 4,588百万円 23年
    技術関連資産 42,074百万円 10年
    合計 58,317百万円 約10年

     なお、その他の償却対象無形資産の取得に重要性はありません。

     第87期に行われた株式会社JMDCの企業結合により取得した無形資産の内訳は、次のとおりです。

    取得価額 加重平均償却年数
    償却対象無形資産:
    ソフトウエア 2,117百万円 約5年
    顧客関連資産 4,588百万円 23年
    技術関連資産 42,074百万円 10年
    償却対象無形資産 48,779百万円 約11年
    非償却無形資産 836百万円
    合計 49,615百万円

     第87期の償却費合計は10,856百万円(第86期7,836百万円)です。次期以降5年間における見積り償却費は、第88期12,387百万円、第89期10,756百万円、第90期9,184百万円、第91期7,966百万円、第92期6,690百万円です。
     第87期末現在における非償却無形資産のうち、主なものはソフトウエア仮勘定の35,276百万円です。

    第86期におけるオペレーティング・セグメント別のれんの帳簿価額の変動は次のとおりです。

    IAB (百万円) HCB (百万円) SSB (百万円) DMB (百万円) 消去調整他 (百万円) 合計 (百万円)
    期首残高
    のれん 43,198 5,528 447 1,475 50,648
    減損損失累計額 △5,739 △3,384 △332 △1,475 △10,930
    合計 37,459 2,144 115 39,718
    為替換算調整額等 3,307 105 △5 3,407
    期末残高
    のれん 46,505 5,633 442 1,475 54,055
    減損損失累計額 △5,739 △3,384 △332 △1,475 △10,930
    合計 40,766 2,249 110 43,125

    第87期におけるオペレーティング・セグメント別のれんの帳簿価額の変動は次のとおりです。

    IAB (百万円) HCB (百万円) SSB (百万円) DMB (百万円) DSB (百万円) 消去調整他 (百万円) 合計 (百万円)
    期首残高
    のれん 46,505 5,633 442 1,475 54,055
    減損損失累計額 △5,739 △3,384 △332 △1,475 △10,930
    合計 40,766 2,249 110 43,125
    取得 410 312,634 313,044
    為替換算調整額等 5,361 245 8 5,614
    期末残高
    のれん 52,276 5,878 450 312,634 1,475 372,713
    減損損失累計額 △5,739 △3,384 △332 △1,475 △10,930
    合計 46,537 2,494 118 312,634 361,783

    主要なのれんに対する減損テストにおける公正価値の算出方法は以下の通りであり、第86期および第87期における減損損失はありません。

    ・IABのれん

     経営者により承認された事業計画を基礎とし、事業計画予測期間以降はインフレ率で永続的に成長する前提に基づいた将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しています。

    ・DSBのれん

     市場株価の一定期間の平均価格にコントロールプレミアムを加味した市場株価法による評価額と、経営者により承認された事業計画を基礎とし、事業計画予測期間以降は、類似する上場企業の財務諸表から算定したマルチプルを用いて算出した将来キャッシュ・フローの見積り額を、加重平均コストを元に算定した割引率で現在価値に割り引いて算定した評価額に基づいて算出しています。

    なお、事業計画は、ヘルスビッグデータ事業における付加価値の向上と、データ種類拡充における売上増加に関する仮定に基づいて策定しています。

    H 長期性資産の減損

     第86期に、ヘルスケアビジネスにおける一部の事業用資産の収益性低下により944百万円、インダストリアルオートメーションビジネスにおける一部の遊休不動産の収益性低下により824百万円の長期性資産にかかる減損損失を計上しました。なお、グルーピングした資産の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して測定しています。

     第87期に、インダストリアルオートメーションビジネスにおいて一部の事業用資産の収益性低下により799百万円、子会社の本社移転により利用が見込めなくなったことにより54百万円の長期性資産にかかる減損損失を計上しました。また、ヘルスケアビジネスにおける一部のサービス事業にかかる事業用資産の収益性低下により419百万円、消去調整他における一部の事業用資産の収益性低下により13百万円の長期性資産にかかる減損損失を計上しました。なお、グルーピングした資産の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して測定しています。

     上記減損損失は連結損益計算書上、「その他費用(△収益)―純額―」に含まれています。

    I 借入金

    短期借入金の残高および加重平均利率は、以下のとおりです。

    第86期末 第87期末
    短期借入金 213百万円 22,548百万円
    (加重平均利率) (8.05%) (0.30%)

    長期借入金の残高および利率は、以下のとおりです。

    第86期末 第87期末
    長期借入金 98,526百万円
    うち1年以内返済 6,451百万円
    (利率) (0.27%~1.70%)

    第87期末時点における長期借入金の返済予定については以下のとおりです。

    第87期末(百万円)
    第88期 6,451
    第89期 978
    第90期 86,850
    第91期 1,490
    第92期 1,852
    第93期以降 905
    合計 98,526

     主な短期借入金および長期借入金については、貸主である銀行と次のような一般的な約定を取り交わしています。すなわち、銀行の要求により、現在及び将来の借入に対する担保の設定または保証人の提供を行うこと、また、銀行は銀行預金と返済期日の到来した借入金または約定不履行の場合は全ての借入金を相殺する権利を有することを約定しています。

    借入金の担保に供している資産は以下のとおりです。

    第87期末(百万円)
    現金及び現金同等物 286
    建物および構築物 569
    土地 709
    子会社株式(消去前金額) 10
    1,574

    担保に係る債務は以下のとおりです。

    第87期末(百万円)
    1年以内返済の長期借入金 42
    長期借入金 1,113
    1,155

    第三者による借入金の担保に供している資産は以下のとおりです。

    第86期末(百万円) 第87期末(百万円)
    有価証券 200 200

    J リース

    借手としてのリース

     リースに係る連結損益計算書情報は以下のとおりです。

     なお、リース費用は連結損益計算書の売上原価、販売費及び一般管理費に含まれています。

    第86期 (百万円) 第87期 (百万円)
    ファイナンス・リース当期償却額 484 618
    オペレーティング・リース費用 12,571 13,672
    短期リース費用 969 976
    その他リース費用 1,092 947
    合計 15,116 16,213

    リースキャッシュ・フローの内訳

     リースに係る連結キャッシュ・フロー計算書情報は以下のとおりです。

    第86期 (百万円) 第87期 (百万円)
    リース負債測定に含まれる現金支払総額 オペレーティング・リースに係る営業キャッシュ・フロー 13,180 14,331
    リース負債と交換で取得した使用権資産に係る非資金取引 オペレーティング・リース 18,732 11,841

    将来リース料の年度別内訳

     オペレーティング・リースに関する将来の最低支払リース料の年度別金額は以下のとおりです。

    第87期末(百万円)
    第88期 14,228
    第89期 11,076
    第90期 7,562
    第91期 4,612
    第92期 3,931
    第93期以降 12,383
    最低支払リース料計 53,792
    利息費用 △2,107
    合計 51,685

    残存リース期間および割引率の内訳

     オペレーティング・リースに係る連結加重平均残存期間および割引率情報は以下のとおりです。

    第86期 第87期
    加重平均残存期間 71ヶ月 80ヶ月
    加重平均割引率 1.4% 1.4%

    貸手としてのリース

     記載すべき重要な契約がないため、記載を省略しています。

    K 退職給付関連費用

     当社および一部の国内子会社は、第83期第1四半期に、確定給付年金制度および退職一時金制度について、2019年7月1日以降の積立分(「将来分」)を確定拠出年金制度へ移行することを決定しました。また、2019年6月30日以前分(「過去分」)について、法令で要求される年数にわたり一部を確定拠出年金制度へ移管するとともに制度改定を行っています。

     当該確定拠出年金制度への移管に伴う支出額に対応して減少する退職給付債務を「清算」に含めています。加えて、当該確定拠出年金制度への移管に伴う支出額と、移管に対応して減少する退職給付債務の差額を「清算による影響額」に含めています。

     なお、当社および一部の国内子会社は、当該制度移管実施以前までの期間について、大部分の国内従業員を対象として退職一時金および退職年金制度を採用していました(以下、日本における拠出型給付制度)。給付額は、主として担当職務およびその実績に基づいて毎年従業員に付与されるポイントの累計値によって計算されます。通常、退職一時金について、退職事由が会社都合の場合は、自己都合の場合に比べ増額されます。

     当社および国内子会社は、これらの退職給付に備え一定部分について、日本における拠出型給付制度への拠出を行っています。日本における拠出型給付制度への拠出額は、日本の法人税法において認められる年金数理計算により算出されます。

    1. 日本における拠出型給付制度

    (1) 予測給付債務と年金資産の状況

     保険数理に基づいて計算された予測給付債務および年金資産の公正価額の期首残高と期末残高の調整表は、以下のとおりです。

    第86期(百万円) 第87期(百万円)
    予測給付債務の変動:
    期首予測給付債務 183,331 166,050
    利息費用 1,357 1,860
    保険数理差異 △6,466 △4,944
    給付支払 △9,030 △8,892
    清算 △3,142 △3,893
    期末予測給付債務 166,050 150,181
    年金資産の変動:
    期首年金資産公正価額 160,132 149,027
    年金資産の実際収益(△費用) △1,384 14,332
    退職給付信託からの拠出 409 452
    給付支払 △7,771 △7,490
    清算 △2,359 △3,166
    期末年金資産公正価額 149,027 153,155
    期首退職給付信託資産公正価額 37,590 40,178
    信託資産の実際収益 2,997 17,693
    年金資産への拠出 △409 △452
    期末退職給付信託資産公正価額 40,178 57,419
    財政状況 23,155 60,393

     第86期末および第87期末現在の連結貸借対照表における認識額は次のとおりです。

    第86期(百万円) 第87期(百万円)
    前払年金費用 28,966 65,090
    その他の流動負債 △562 △657
    退職給付引当金 △5,249 △4,040
    合計 23,155 60,393

     第86期末および第87期末現在の連結貸借対照表におけるその他の包括利益累計額(税効果考慮前)の認識額の内訳は次のとおりです。

    第86期(百万円) 第87期(百万円)
    未認識保険数理差異 41,460 5,076
    未認識過去勤務収益 △13,845 △13,425
    合計 27,615 △8,349

     第86期末および第87期末現在の累積給付債務は次のとおりです。

    第86期(百万円) 第87期(百万円)
    累積給付債務 166,050 150,181

     第86期末および第87期末現在の累積給付債務及び予測給付債務が年金資産を上回っている累積給付債務、予測給付債務及び年金資産の公正価値は次のとおりです。

    第86期(百万円) 第87期(百万円)
    累積給付債務が年金資産を上回っている制度
    累積給付債務 △6,902 △4,697
    年金資産の公正価値 1,091
    予測給付債務が年金資産を上回っている制度
    予測給付債務 △6,902 △4,697
    年金資産の公正価値 1,091

    (2) 期間純年金費用の構成

     当該制度を採用している退職給付制度に係る期間退職給付費用は、次の項目により構成されています。

    第86期(百万円) 第87期(百万円)
    予測給付債務に係る利息費用 1,357 1,860
    年金資産の期待収益 △3,373 △3,280
    償却費用 3,529 2,275
    清算による影響額 1,156 907
    合計 2,669 1,762

     第83期における制度改定により発生した未認識過去勤務収益については、FASB会計基準書第715号「報酬-退職給付」に準拠し、平均残余余命年数である37年による定額法により費用処理しています。未認識保険数理差異は、予測給付債務と年金資産のいずれか多い額の10%を超える差異金額を平均残余余命年数以内の一定の年数(15年)による定額法により費用処理しています。

    (3) 測定日

     日本における拠出型給付制度においては、3月31日を測定日としています。

    (4) 前提条件

     第86期末および第87期末時点での退職給付債務の数理計算に用いた基本的な前提条件は、以下のとおりです。

    第86期 第87期
    割引率 1.12% 1.46%

     第86期および第87期の退職給付費用の数理計算に用いた基本的な前提条件は、以下のとおりです。

    第86期 第87期
    割引率 0.74% 1.12%
    年金資産の長期期待収益率 2.20% 2.20%

     当社は、将来収益に対する予測や過去の運用実績、経済動向に基づき長期期待収益率を設定しています。

     また、第83期より将来分の退職給付を確定拠出年金制度へ移管したことに伴い、将来の昇給率は設定していません。

    (5) 年金資産

     当社の投資政策は、受給権者に対する将来の年金給付に対応できる十分な年金資産を確保すべく策定されています。また当社は、年金資産の長期期待収益率を考慮した上で、持分証券・負債証券および生保一般勘定・その他の最適な組み合わせからなる基本ポートフォリオを算定しています。

     当社は、この基本ポートフォリオを修正する必要があるかどうかを判断するため、年金資産の長期期待収益と実際の運用収益との乖離幅を毎年検証しています。また、年金資産の長期期待収益率を達成するために、基本ポートフォリオの見直しが必要だと考えられる場合は、必要な範囲で基本ポートフォリオを見直しています。

     年金資産のうち、年金資産の目標配分割合は、持分証券が20%、負債証券および生保一般勘定が51%、その他が29%であります。年金資産には合同運用信託が含まれ、持分証券・負債証券・オルタナティブ等に投資しています。
     持分証券は、主に証券取引所に上場している株式であり、投資対象企業の経営について精査し、業種・銘柄など適切な分散投資を行っています。負債証券は、主に国債・公債・社債から構成されており、格付・利率・償還日などの発行条件を精査し、適切な分散投資を行っています。生保一般勘定は、一定の予定利率と元本が保証されています。その他は、主にオルタナティブを中心とした合同運用信託であり、適切な分散投資を行っています。

     第86期末における資産カテゴリー別の年金資産の公正価値の金額は次のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_073" />

    (注)1 退職給付信託が保有する国内株式です。当社株式は含まれていません。

       2 主に退職給付信託が保有する預金です。

       3 合同運用信託です。運用機関により計算された純資産価値により評価しており、公正価値ヒエラルキーに分類していません。この表の公正価値は、公正価値ヒエラルキーの金額を連結貸借対照表上の表示額に調整するために表示しています。なお、合同運用信託に含まれる持分証券は、上場株式を対象として、国内株式に約30%・外国株式に約70%の割合で投資しています。合同運用信託に含まれる負債証券は、国内債券に約40%・外国債券に約60%の割合で投資しています。

     レベル1に該当する資産は、主に預金および株式であり、株式は活発な市場における修正されていない市場価格で評価しています。

     レベル2に該当する資産は、主に生保一般勘定であり予定利率と元本に基づき評価しています。

     第87期末における資産カテゴリー別の年金資産の公正価値の金額は次のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_074" />

    (注)1 退職給付信託が保有する国内株式です。当社株式は含まれていません。

       2 主に退職給付信託が保有する預金です。

       3 合同運用信託125,011百万円および投資信託受益証券6,396百万円です。運用機関により計算された純資産価値により評価しており、公正価値ヒエラルキーに分類していません。この表の公正価値は、公正価値ヒエラルキーの金額を連結貸借対照表上の表示額に調整するために表示しています。なお、合同運用信託に含まれる持分証券は、上場株式を対象として、国内株式に約40%・外国株式に約60%の割合で投資しています。合同運用信託に含まれる負債証券は、国内債券に約30%・外国債券に約70%の割合で投資しています。

     レベル1に該当する資産は、主に預金および株式であり、株式は活発な市場における修正されていない市場価格で評価しています。

     レベル2に該当する資産は、主に生保一般勘定であり予定利率と元本に基づき評価しています。

    (6) キャッシュ・フロー

    拠出

     当社および子会社は、第88期中に日本における拠出型給付制度に対して、掛金を拠出する予定はありません。

    給付

     予想される将来の勤務を反映させた給付額の見込みは次のとおりです。

    (百万円)
    第88期 9,554
    第89期 9,035
    第90期 9,871
    第91期 8,939
    第92期 8,156
    第93期~第97期 31,124

    2. 日本における拠出型給付制度以外の拠出型給付制度

     日本における拠出型給付制度以外の制度にかかる退職給付引当金の残高は、第86期末現在4,099百万円、第87期末現在4,270百万円です。また、これらの制度にかかる退職給付関連費用は、第86期262百万円、第87期315百万円です。

     日本における拠出型給付制度以外の制度には、欧州子会社の一部の従業員を対象とした確定給付型年金制度ならびに子会社のその他の退職給付制度が含まれます。欧州子会社の一部の従業員を対象とした確定給付型年金制度にかかる予測給付債務および年金資産の公正価額の残高は、第86期末現在、それぞれ8,342百万円、7,901百万円、第87期末現在、それぞれ9,658百万円、9,190百万円であり、その他の退職給付制度にかかる予測給付債務および年金資産の公正価額の残高に重要性はありません。その他の退職給付制度では、主として、従業員の退職時に退職一時金が支給されます。

    3. 確定拠出制度

     第86期および第87期における確定拠出年金費用は次のとおりです。

    第86期(百万円) 第87期(百万円)
    確定拠出年金費用 8,635 7,898

    L 資本

    会社法では、すべての株式は無額面で発行され、払込価額の少なくとも50%を資本金に組み入れ、残りの額を資本剰余金の一部である資本準備金へ組み入れることを規定しています。また、取締役会の決議に基づき、株式分割を行い、既存株主に対し払込金無しで新株を割り当てることができます。このような株式分割による株主資本の総額の変化は、一般的にありません。

    会社法では、支払配当金の10%を、利益準備金と資本準備金の合計額が資本金の25%に達するまで、利益準備金または資本準備金(資本剰余金の一部)に繰り入れることが規定されています。さらに、会社法の規定では、資本金、利益準備金、資本準備金、その他資本剰余金および利益剰余金について、株主総会の決議に基づいて、これらの科目間で振り替えることも可能です。

    会社法では、取締役会の決議に基づいて自己株式の取得や処分を行うことが可能です。自己株式の買取額については、一定の計算式により算出される分配可能額を超えることはできません。

    会社法では、株主総会決議に基づく期末配当に加え、事業年度内の任意の時期に配当を支払うことが可能です。一定の条件として、(1)取締役会があること、(2)独立監査人がいること、(3)監査役会があること、および(4)定款において取締役の任期を通常の2年ではなく1年と規定していることを満たす会社は、定款の規定により取締役会が配当支払(現物配当は除く)を決定することができます。当社はこの基準を満たしています。

    会社法では、一定の制限および追加的要請を満たす場合、株主に対して現物(非現金資産)配当を行うことも可能です。

     定款に規定していれば、取締役会の決議に基づいて、年1回の中間配当を支払うことも可能です。会社法には、配当可能額および自己株式の取得額については一定の制限があります。その制限は、株主への分配可能額として定義されていますが、配当支払後の純資産は3百万円を下回ることはできません。2024年3月31日現在、親会社の帳簿に基づき、会社法に規定される配当可能額は145,192百万円です。

    M その他費用(△収益)―純額―

     第86期および第87期のその他費用(△収益)―純額―の内訳は、次のとおりです。

    第86期(百万円) 第87期(百万円)
    固定資産除売却損(純額) 45 1,517
    長期性資産の減損 1,768 1,285
    品質対応費 339
    投資有価証券評価損(△益)(純額) 2,099 △6,731
    事業譲渡に関連する利益(純額) △922 △328
    受取利息(純額) △1,162 △2,122
    為替差損(純額) 1,057 4,599
    海外投資の清算による為替差損(△益)(純額) △337 0
    受取配当 △861 △965
    退職給付費用 2,669 1,762
    補助金 △1,550 △1,357
    受取補償金 △676 △903
    訴訟関連費用 1,939
    その他(純額) 147 354
    合計 2,277 △611

    N 政府補助金

    政府補助金は主に、中国政府より支給される補助金(第14次五カ年計画の規定に基づくもの)、及び有形固定資産の取得にかかる補助金です。

    中国政府より支給される補助金は、補償される期間にわたって収益として認識しております。

    有形固定資産の取得に対する補助金は、繰延収益として認識し補助金の対象設備の耐用年数にわたって収益で認識しております。

    第86期および第87期の政府補助金の損益影響額は、それぞれ△1,550百万円、△1,789百万円であり、主に連結損益計算書の「その他費用(△収益)-純額-」に含まれております。

    O 法人税等

     第86期および第87期の法人税等の内訳は次のとおりです。

    第86期(百万円) 第87期(百万円)
    当期税額 34,401 16,818
    繰延税額(以下の項目を除く) △11,832 △11,503
    評価性引当金の変更影響額 2,374 5,170
    合計 24,943 10,485

     当社および国内子会社は、利益に対してさまざまな税金が課せられます。日本の法定実効税率は、第86期において30.5%、第87期において30.5%です。当社および子会社の税効果会計適用後の法人税等の負担率は、次の事由により日本の法定実効税率とは異なっています。

    第86期(%) 第87期(%)
    日本の法定実効税率 30.5 30.5
    増加(△減少)理由
    永久的損金不算入項目 0.7 1.3
    税額控除試験研究費等 △4.5 △12.5
    税効果が認識されていない子会社の当期損失 0.5 4.8
    海外子会社の税率差 △4.9 △13.0
    評価性引当金の変更影響 1.9 20.5
    海外子会社の留保利益 1.7 10.8
    未認識税務ベネフィットの影響 △0.1 0.8
    持分法投資損益 0.3 18.0
    子会社の清算影響 △8.2
    その他(純額) △1.0 △1.7
    税効果会計適用後の法人税等の負担率 25.1 51.3

     第86期末および第87期末の繰延税金資産および負債計上の原因となった一時差異および繰越欠損金等の主なものは、次のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_075" />

     評価性引当金は、第86期において2,013百万円増加し、第87期において5,047百万円増加しました。

     研究開発費税額控除は、無期限に繰越可能なものを除き、2044年までに控除期限が到来します。

     当社および子会社が有している税務上、将来所得と相殺できる繰越欠損金は、第87期末現在、日本では46,119百万円、海外では13,183百万円です。その多くは日本では2034年までに控除期限が到来し、海外では無期限に繰越可能なものを除き、2031年までに控除期限が到来します。

     当社は、子会社の留保利益について、再投資を予定している限りにおいて、繰延税金負債を計上していません。この結果、繰延税金負債を計上していない海外子会社の留保利益は、第87期末現在で46,441百万円(第86期末現在72,065百万円)であり、対応する未認識の繰延税金負債は、第87期末現在で12,226百万円(第86期末現在11,700百万円)です。国内子会社から受け取る配当金については、概ね非課税です。

     第86期および第87期における未認識税務ベネフィットの期首残高と期末残高の調整は次のとおりです。

    第86期(百万円) 第87期(百万円)
    期首残高 393 276
    当期の税務ポジションに関連する増加 60 124
    過年度の税務ポジションに関連する増加 18 37
    過年度の税務ポジションに関連する減少 △195
    期末残高 276 437

     未認識税務ベネフィットのうち、認識された場合、実効税率に影響を与える金額は第86期は276百万円、第87期は437百万円です。

     第87期末現在において、当社および子会社が入手可能な情報に基づく限り、今後12ヶ月以内の未認識税務ベネフィットの変動は当社の財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすことはありません。

     未認識税務ベネフィットに関連する利息および課徴金については、連結損益計算書の法人税等に含めています。

     当社および子会社は、日本および海外で税務申告を行っています。日本においては、いくつかの例外を除き、第85期以前の事業年度について税務調査が終了しています。また、海外においては、いくつかの例外を除き、第77期以前の事業年度について税務調査が終了しています。

    P 株式報酬

    (1)取締役等に対する業績連動型株式報酬制度

     第81期より、当社および子会社は取締役および執行役員を対象に業績連動型株式報酬制度を導入しています。

     当該株式報酬制度として役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託を採用しています。役員報酬BIP信託とは、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)制度および譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度と同様に、役位および業績目標達成度等に応じて取締役および執行役員に当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付および給付する、役員向けの株式報酬制度です。株式付与ESOP信託とは、米国のESOP制度を参考にした信託型インセンティブプランです。なお、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式は、自己株式として会計処理しています。

     当該株式報酬制度では、当社の掲げる中期経営計画の対象となる各事業年度の末日に取締役等として在任していることなど所定の受益者要件を満たしていることを条件として、毎年、役位などに応じたポイント(1ポイント=1株)受給権が付与されます。なお、業績連動ポイントは対象期間終了後に、非業績連動ポイントは対象期間にわたって年度ごとに付与されます。これらのポイント数は、所定の受益者確定手続きを経た上で、相当する当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭の交付および給付を受けることができます。

     権利未確定ポイントの変動および加重平均付与日公正価値は次のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_076" />

    (注) 加重平均付与日公正価値は、当社株式の市場価格に予想配当を考慮に入れて修正し、算出しています。

     連結損益計算書に含まれている株式に基づく報酬費用として認識した額は、第86期は540百万円、第87期は361百万円です。

    (2)従業員に対する株式報酬制度

    ①従業員持株会を通じた株式報酬制度

     当社は、第85期に当制度の導入を決議し、当社および当社国内子会社の従業員に対して、株式の付与を行っております。

     本制度は、当社および当社子会社の従業員の企業価値への感度および企業価値向上への意識を高めることおよび、従業員持株会へのさらなる入会を奨励することを企図して、従業員持株会の会員に特別奨励金を付与し当該特別奨励金の拠出をもって従業員持株会に自己株式を第三者割当の方法で処分するものです。なお、本制度の公正価値は、当社株式の市場価格に基づき、算出しています。

     連結損益計算書に含まれている株式に基づく報酬費用として認識した額は、第86期は524百万円、第87期はありません。

    ②従業員持株会を通じた譲渡制限付株式報酬制度

     当社は、第85期に当制度の導入を決議し、当社および当社国内子会社の従業員に対して、譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。

     本制度は、新長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」 の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践するため、当社及び当社子会社の従業員のうち本制度に同意する者(以下「対象従業員」という。)に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」という。)を支給するものです。対象従業員は本特別奨励金を従業員持株会に対して拠出し、従業員持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。

     対象従業員が譲渡制限期間中、継続して従業員持株会の会員であったことを条件として、当社の業績目標の達成度及び対象従業員の社員区分の変動に応じて、対象従業員の有する譲渡制限付株式持分に応じた数の本割当株式の全部について、譲渡制限期間が満了した翌営業日に、譲渡制限が解除されます。なお、一定の事象が生じた場合には、当社は本割当株式を無償で取得します。

     譲渡制限付株式の変動および加重平均付与日公正価値は次のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_077" />

    (注)加重平均付与日公正価値は、当社株式の市場価格に基づき算出しています。

     連結損益計算書に含まれている株式に基づく報酬費用として認識した額は、第86期は863百万円、第87期は813百万円です。第87期末時点で、未認識の報酬費用が1,399百万円あり、1.2年の加重平均期間で費用認識される予定です。

    Q 1株当たり情報

     当社は1株当たり利益の算出にあたり、FASB会計基準書第260号「1株当たり利益」を適用しています。

     当社は、当社および当社国内子会社のマネージャー層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブプランを導入しております。また、当社および当社国内子会社の一般職層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プランを導入しております。これらの制度に基づく株式のうち、権利が確定していない株式を参加証券として普通株式と区分しております。なお、普通株式と参加証券は当社株主に帰属する当期純利益に対して同等の権利を有しております。

     「1株当たり当社株主に帰属する当期純利益」算出における分子、分母はそれぞれ以下のとおりです。

     なお、希薄化後当社株主に帰属する当期純利益および希薄化後期中平均発行済株式数については、第86期および第87期において希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

    分子

    第86期 (百万円) 第87期 (百万円)
    当社株主に帰属する当期純利益 73,861 8,105
    参加証券に帰属する当期純利益 134 10
    普通株主に帰属する当期純利益 73,727 8,095

    分母

    第86期 (株式数) 第87期 (株式数)
    期中平均発行済株式数 198,447,778 196,885,094
    参加証券の期中平均株式数 360,730 245,940
    普通株式の期中平均株式数 198,087,048 196,639,153

    (注)役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託として保有する当社株式は、1株当たり情報の計算上、期中平均発行済株式数の算定において控除する自己株式に含めています。(第86期600,208株、第87期520,413株)

    R その他の包括利益

     第86期および第87期における非支配持分を含むその他の包括利益の項目別の税効果の影響額および組替修正額は、次のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_078" />

     なお、為替換算調整額の実現額の当期損益への組替修正額は、「その他費用(△収益)―純額―」に含まれています。退職年金債務調整額の実現額の当期損益への組替修正額は、「その他費用(△収益)―純額―」に含まれています。デリバティブ純損益の実現額の当期損益への組替修正額は、「売上原価」および「その他費用(△収益)―純額―」に含まれています。
     税効果については「法人税等」に含まれています。

    S 金融商品及びリスク管理

    金融商品の公正価値

     第86期末および第87期末現在、当社および子会社の有する金融商品の帳簿価額および見積公正価値は、次のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_079" />

     それぞれの金融商品の公正価値の見積りにあたって、実務的には次の方法および仮定を用いています。

     なお、公正価値の階層分類である、レベル1・レベル2およびレベル3のそれぞれの定義については、(注記Ⅱ-U)に記載しています。

    (デリバティブ取引)

     デリバティブ取引の公正価値は、当該取引契約を連結会計年度末に解約した場合に当社および子会社が受領するまたは支払う見積り額を反映しており、この見積り額には未実現利益または損失が含まれています。当社および子会社のデリバティブ取引の大半については、ディーラー取引価格が利用可能ですが、そうでないものについては、公正価値の見積りに当たり評価モデルを使用しています。

     なお、当社および子会社では、トレーディング目的のためのデリバティブ取引は行っていません。

     また、デリバティブ取引の公正価値のレベル別情報は、(注記Ⅱ-U)に記載しています。

    (デリバティブ取引以外)

    (1) 現金及び現金同等物、受取手形及び売掛金、施設借用保証金、支払手形及び買掛金・未払金、短期借入金、1年以内返済予定の長期借入金、長期借入金

     これらの公正価値は帳簿価額とほぼ等しいと見積っています。なお、これらの公正価値について、現金及び現金同等物はレベル1、それ以外はレベル2にそれぞれ分類しています。

    (2) 投資有価証券

     市場性のある持分証券の公正価値は市場価格で評価し、容易に算定可能な公正価値がない市場性のない持分証券については、減損による評価下げ後の帳簿価額に同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価額の変動を加減算する方法、その他の合理的な方法により見積り評価しています。

     なお、投資有価証券の公正価値およびレベル別情報は、(注記Ⅱ-U)に記載しています。

    T 金融派生商品とヘッジ活動

     当社および子会社は、為替変動(主に米ドル、ユーロ、中国元)をヘッジするために為替予約取引を、原材料価格変動(銅・銀)をヘッジするために商品スワップ取引を利用しています。なお、当社および子会社は、トレーディング目的のためのデリバティブ取引は行っていません。また、当社および子会社は、デリバティブの契約相手による契約不履行の場合に生じる信用リスクにさらされていますが、契約相手の信用度が高いため、そのような信用リスクは小さいと考えています。

     キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定および認定された特定の為替予約取引および商品スワップ取引の公正価額の変動は、「その他の包括利益累計額」として報告しています。これらの金額は、ヘッジ対象資産・負債が損益に影響を与えるのと同一期間において、為替予約取引については「その他費用(△収益)―純額―」として、商品スワップ取引については「売上原価」として損益に組替えられます。第87期末現在、デリバティブ取引に関連して「その他の包括利益累計額」に計上されたほぼ全額は今後12ヶ月以内に損益に組替えられると見込まれます。

     また、ヘッジ指定をしていない為替予約取引についても経済的な観点からはヘッジとして有効と判断しております。これらの為替予約取引の公正価値の変動はただちに「その他費用(△収益)―純額―」に計上されます。

    第86期末および第87期末における為替予約取引等の残高(想定元本)は、次のとおりです。

    第86期末(百万円) 第87期末(百万円)
    為替予約取引 158,029 159,150
    商品スワップ取引 1,075 63

    第86期末および第87期末におけるデリバティブの公正価値は、次のとおりです。

    ヘッジ指定のデリバティブ

    資産

    科目 第86期(百万円) 第87期(百万円)
    為替予約 その他の流動資産 3,953 4,567
    商品スワップ取引 その他の流動資産 49 9

    負債

    科目 第86期(百万円) 第87期(百万円)
    為替予約 その他の流動負債 △1,176 △951
    商品スワップ取引 その他の流動負債 △13

    ヘッジ指定外のデリバティブ

    資産

    科目 第86期(百万円) 第87期(百万円)
    為替予約 その他の流動資産 1,863

    負債

    科目 第86期(百万円) 第87期(百万円)
    為替予約 その他の流動負債 △865

    第86期におけるデリバティブの連結損益計算書への影響額(税効果考慮後)は次のとおりです。

    ヘッジ指定のデリバティブ

    キャッシュ・フロー・ヘッジ

    その他の包括利益に計上 された未実現利益(△損失) (百万円) (ヘッジ有効部分) その他の包括利益累計額から 利益への振替(百万円) (ヘッジ有効部分)
    為替予約 △535 1,298
    商品スワップ 12 19

     なお、ヘッジ効果が有効でない金額に重要性はありません。

    第87期におけるデリバティブの連結損益計算書への影響額(税効果考慮後)は次のとおりです。

    ヘッジ指定のデリバティブ

    キャッシュ・フロー・ヘッジ

    その他の包括利益に計上 された未実現利益(△損失) (百万円) (ヘッジ有効部分) その他の包括利益累計額から 利益(△損失)への振替(百万円) (ヘッジ有効部分)
    為替予約 △1,067 1,274
    商品スワップ 48 △63

     なお、ヘッジ効果が有効でない金額に重要性はありません。

    ヘッジ指定外のデリバティブ

    デリバティブより認識された利益(百万円)
    為替予約 1,214

    U 公正価値の測定

     FASB会計基準書第820号「公正価値の測定と開示」は、公正価値を測定日において市場参加者の間の秩序のある取引により資産を売却して受け取るであろう価格、または負債を移転するために支払うであろう価格と定義しています。同基準書は、公正価値を測定するために使用するインプットを以下の3つのレベルに優先順位を付け、公正価値の階層を分類しています。

    レベル1・・活発な市場における同一の資産または負債の市場価格。

    レベル2・・活発な市場における類似資産または負債の市場価格。活発でない市場における同一または類似

          の資産・負債の市場価格、観察可能な市場価格以外のインプットおよび相関関係またはその他

          の方法により観察可能な市場データから主として得られた、または裏付けられたインプット。

    レベル3・・資産または負債の公正価値測定に重要なインプットで、観察不能なインプット。

    継続的に公正価値で測定される資産または負債

    第86期末現在における継続的に公正価値で測定される資産および負債は以下のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_080" />

    投資有価証券

     投資有価証券は、株式です。市場性のある持分証券については活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を評価しており、観察可能であるためレベル1に分類しています。容易に算定可能な公正価値がない市場性のない有価証券のうち、主に投資先企業から入手したデータに非流動性を考慮して公正価値を評価しているものについては、観察不能なインプットに基づき評価しているためレベル3に分類しています。

    金融派生商品

     金融派生商品は、主に為替予約です。外国為替レートなど観察可能な市場データを利用して公正価値を評価しているためレベル2に分類しています。

    レベル3に分類された継続的に公正価値により評価される資産の調整表は次のとおりです。

    投資有価証券 持分証券(百万円)
    期首残高 2,869
    当期純利益に含まれる額
    その他費用(△収益)-純額- △372
    購入 132
    その他 △143
    期末残高 2,486

    非継続的に公正価値で測定される資産または負債

     第86期末現在における非継続的に公正価値で測定される資産および負債は以下のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_081" />

     投資有価証券は、同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格で評価したものをレベル2に、発行体より提示される観察不能なインプットを基に評価したものをレベル3に分類しています。

     長期性資産に係る減損損失の認識に伴い大部分の資産を観察不能なインプットに基づき評価しているため、当該資産をレベル3に分類しています。これらのうち主な資産の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して評価しています。

    継続的に公正価値で測定される資産または負債

    第87期末現在における継続的に公正価値で測定される資産および負債は以下のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_082" />

    投資有価証券

     投資有価証券は、株式です。市場性のある持分証券については活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を評価しており、観察可能であるためレベル1に分類しています。容易に算定可能な公正価値がない市場性のない有価証券のうち、主に投資先企業から入手したデータに非流動性を考慮して公正価値を評価しているものについては、観察不能なインプットに基づき評価しているためレベル3に分類しています。

    金融派生商品

     金融派生商品は、主に為替予約です。外国為替レートなど観察可能な市場データを利用して公正価値を評価しているためレベル2に分類しています。

    レベル3に分類された継続的に公正価値により評価される資産の調整表は次のとおりです。

    投資有価証券 持分証券(百万円)
    期首残高 2,486
    当期純利益に含まれる額
    その他費用(△収益)-純額- △34
    購入 2,546
    売却 △27
    その他 695
    期末残高 5,666

    非継続的に公正価値で測定される資産または負債

     第87期末現在における非継続的に公正価値で測定される資産および負債は以下のとおりです。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_083" />

     投資有価証券は、同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格で評価したものをレベル2に分類しています。

     長期性資産に係る減損損失の認識に伴い大部分の資産を観察不能なインプットに基づき評価しているため、当該資産をレベル3に分類しています。これらのうち主な資産の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して評価しています。

    V コミットメントおよび偶発債務

    コミットメント

     当社および子会社におけるコミットメント残高は、主として情報処理運用業務における業務委託契約および部材の調達契約に関するものであり、その金額は第86期が2,864百万円、第87期が3,315百万円です。

    信用リスクの集中

     当社および子会社にとって、信用リスク集中の恐れがある金融商品は、主として短期投資および受取手形及び売掛金です。短期投資については、取引相手を信用度の高い金融機関としています。また、受取手形及び売掛金に関しては、売上高の約45%が日本国内に集中していますが、顧客の大半は優良で、業種も多岐にわたっているため、信用リスク集中の恐れは限られています。

    環境対策費

     当社および子会社は、環境対策に関する費用について、債務発生の可能性が確からしく、かつ金額を合理的に見積ることができる場合に負債に計上しています。環境対策費として負債に計上している金額は、第86期末が196百万円、第87期末はありません。

    製品保証

     当社および子会社は、ある一定期間において、提供した製品およびサービスに対する保証を行っています。第86期および第87期における製品保証引当金の変動は以下のとおりです。

    第86期(百万円) 第87期(百万円)
    期首残高 1,158 1,186
    繰入額 1,053 1,373
    取崩額(目的使用等) △1,025 △959
    期末残高 1,186 1,600

    未使用コミットメントライン

     第86期末および第87期末における未使用コミットメントラインは30,000百万円です。

    前受収益

     当社および子会社は主に特定の製品について延長保証業務を提供しており、保証期間にわたって収益を認識しています。当該延長保証業務に関して発生した費用は、発生時に処理しています。第86期および第87期において繰延べた収益の残高はそれぞれ11,839百万円および12,583百万円であり、「その他の流動負債」および「その他の固定負債」に計上されています。

    訴訟事項

     当社および一部の子会社は、通常の事業活動から生じるいくつかの法的な申立ておよび訴訟を受けており、進展に応じた適切な会計処理をしています。なお、当社および当社の弁護人が現時点で入手しうる情報に基づくと、当社の取締役会はこれらの申立ておよび訴訟が連結財務諸表に重要な影響を与えることはないと考えています。

    W セグメント情報

    【オペレーティング・セグメント情報】

     FASB会計基準書第280号は、企業のオペレーティング・セグメントに関する情報の開示を規定しています。オペレーティング・セグメントは、企業の最高経営意思決定者が経営資源の配分や業績評価を行うにあたり通常使用しており、財務情報が入手可能な企業の構成単位として定義されています。

     当社は取扱製品の性質や社内における事業の位置付け等を考慮した上で、オペレーティング・セグメントに関する情報として、IAB、HCB、SSB、DMBおよびDSBの5つのオペレーティング・セグメントを区分して開示しています。

     当社は従来オペレーティング・セグメントを4区分としておりましたが、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)「SF2030」における中期経営計画(SF 1st Stage)の変更 ②JMDC社連結子会社化とデータソリューション事業本部の新設」に記載のとおり、第3四半期連結会計期間よりDSBを加えた5区分をオペレーティング・セグメントとしております。当該変更は従来存在しなかった区分の新設であることから、前連結会計年度のセグメント情報については従来の区分に基づき開示しております。

     各セグメントの主要な製品は次のとおりです。

    (1) IAB: インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)

    ……プログラマブルコントローラ、モーションコントロール機器、センサ機器、産業用カメラ・コードリーダ機器、検査装置、セーフティ用機器、産業用ロボット等

    (2) HCB: ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)

    ……電子血圧計、ネブライザ、低周波治療器、心電計、酸素発生器、電子体温計、体重体組成計、歩数計・活動量計、電動歯ブラシ、マッサージャ、血糖計、動脈硬化検査装置、内臓脂肪計、遠隔患者モニタリングシステム、遠隔診療サービス等

    (3) SSB: ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)

    ……エネルギー事業(太陽光発電、蓄電システム)、駅務システム、交通管理・道路管理システム、カード決済ソリューション、IoT(電源保護・データ保護)ソリューション、ソフトウェア開発、保守メンテナンス事業等

    (4) DMB: デバイス&モジュールソリューションビジネス(電子部品事業)

    ……リレー、スイッチ、コネクター、I o T 通信モジュール、汎用センサ、アミューズメント機器用部品・ユニット、顔認識ソフトウェア、画像センシングコンポ、MEMSセンサ(注)等

    ((注)MEMS:マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムズの略称)

    (5) DSB: データソリューションビジネス(データソリューション事業)

    ……データヘルスケア事業、コーポレートヘルス事業、スマートM&S(マネジメント・サービスソリューション)事業、カーボンニュートラルソリューション事業、データ活用ソリューション事業、自立支援事業等

     セグメント情報の会計方針は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従っています。

     各オペレーティング・セグメントに直接関わる収益および費用は、それぞれのセグメントの業績数値に含め表示しています。特定のセグメントに直接帰属しない収益および費用は、経営者がセグメントの業績評価に用いる当社の配分方法に基づき、各オペレーティング・セグメントに配分されるかあるいは「消去調整他」に含めて表示しています。

     なお、「セグメント損益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「試験研究開発費」を控除したものを表示しています。

    第86期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)                   (単位:百万円)

    IAB HCB SSB DMB 消去 調整他 連結
    Ⅰ 売上高及びセグメント損益
    売上高
    ① 外部顧客に対する売上高 485,738 142,132 107,273 138,854 873,997 2,085 876,082
    ② セグメント間の内部売上高 6,822 294 13,804 48,451 69,371 △69,371
    492,560 142,426 121,077 187,305 943,368 △67,286 876,082
    セグメント損益 85,835 16,018 7,490 15,501 124,844 △24,158 100,686
    Ⅱ 資産、減価償却費及び資本的支出
    資産 576,488 141,823 131,640 164,560 1,014,511 △16,351 998,160
    減価償却費 6,382 3,615 2,526 7,421 19,944 6,643 26,587
    資本的支出 9,298 6,587 3,395 9,581 28,861 16,213 45,074

    (注)1 セグメント間の内部取引における価額は、外部顧客との取引価額に準じています。

     2 「消去調整他」には、配賦不能費用、セグメント間の内部取引消去、本社機能部門他などが含まれています。

    第87期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)                   (単位:百万円)

    IAB HCB SSB DMB DSB 消去 調整他 連結
    Ⅰ 売上高及びセグメント損益
    売上高
    ① 外部顧客に対する売上高 393,572 149,726 141,600 114,357 17,370 816,625 2,136 818,761
    ② セグメント間の内部売上高 5,207 238 13,276 37,500 115 56,336 △56,336
    398,779 149,964 154,876 151,857 17,485 872,961 △54,200 818,761
    セグメント損益 21,463 18,463 14,021 3,148 2,184 59,279 △24,937 34,342
    Ⅱ 資産、減価償却費及び資本的支出
    資産 547,440 157,220 146,263 165,511 421,363 1,437,797 △83,068 1,354,729
    減価償却費 7,087 3,826 3,079 7,739 2,849 24,580 6,236 30,816
    資本的支出 7,255 3,948 5,558 6,073 1,164 23,998 20,896 44,894

    (注)1 セグメント間の内部取引における価額は、外部顧客との取引価額に準じています。

     2 「消去調整他」には、配賦不能費用、セグメント間の内部取引消去、本社機能部門他などが含まれています。

    第86期および第87期におけるセグメント利益の合計額と法人税等、持分法投資損益控除前当期純利益との調整表は次のとおりです。

    第86期 (百万円) 第87期 (百万円)
    セグメント利益の合計額 124,844 59,279
    その他費用(△収益)―純額― 2,277 △611
    消去調整他 △24,158 △24,937
    法人税等、持分法投資損益控除前 当期純利益 98,409 34,953

    【地域別情報】

    第86期および第87期における当社および子会社の地域別に分類した外部顧客に対する売上高ならびに有形固定資産は次のとおりです。

    第86期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)                   (単位:百万円)

    日本 米州 欧州 中華圏 東南 アジア他 直接輸出 連結
    外部顧客に対する売上高 326,539 104,299 140,137 211,528 92,874 705 876,082
    有形固定資産 72,919 5,308 3,381 39,448 8,529 129,585

    第87期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)                   (単位:百万円)

    日本 米州 欧州 中華圏 東南 アジア他 直接輸出 連結
    外部顧客に対する売上高 348,998 86,149 128,929 171,932 80,675 2,078 818,761
    有形固定資産 78,382 5,996 4,117 38,865 9,415 136,775

    (注)1 国または地域の区分は、地理的近接度によります。

       2 日本以外の区分に属する主な国または地域等

        (1) 米州………………米国・カナダ・ブラジル

        (2) 欧州………………オランダ・英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン

        (3) 中華圏……………中国・香港・台湾

        (4) 東南アジア他……シンガポール・韓国・インド・豪州

        (5) 直接輸出…………直送輸出取引

       3 売上高および有形固定資産において、日本、中国および米国を除いて独立して開示すべき重要な国はありません。中国の第86期および第87期における売上高は、それぞれ179,111百万円、148,091百万円であり、有形固定資産は、それぞれ39,340百万円、38,718百万円であります。また、米国の第86期および第87期における売上高は、それぞれ89,042百万円、72,342百万円であります。

       4 第86期および第87期において、開示すべき重要な単一の外部顧客に対する売上高はありません。

    X 企業結合等

    (株式会社JMDCの取得)

     当社は、2023年10月16日に株式会社JMDC(以下、JMDC社)の議決権のある株式約23.0%を金融商品取引法に基づく公開買付け(以下、本公開買付け)により取得し、JMDC社および傘下35社を連結子会社としております。

    (1)企業結合の概要

     (a)被取得企業の名称および事業の内容

    被取得企業の名称  株式会社JMDC

    事業の内容     医療統計データサービス

     (b)取得日

    2023年10月16日

     (c)取得した議決権のある持分証券の割合

    本公開買付けの直前に保有していた議決権のある持分証券の割合 約31.3%
    本公開買付けにより取得した議決権のある持分証券の割合 約23.0%
    取得後の議決権のある持分証券の割合 約54.3%

     (d)企業結合の主要な理由と支配獲得の経緯等

    当社グループとJMDC社は、2022年2月22日付資本業務提携契約の締結以降、同社事業の理解と相互の信頼関係の構築は順調に進めており、2023年4月には、オムロンヘルスケア株式会社が提供するスマートフォン健康管理アプリ「OMRON connect」とJMDC社が保険者向けに提供しているPHRサービス「PepUp」間のデータ連携が開始し、2023年6月には、当社やJMDC社を含めた代表幹事企業8社(これらに加え会員企業・団体は140団体)により、社員の健康を通じた日本企業の競争力向上と企業健保の持続可能性を目的とした「健康経営アライアンス」(注)が設立される等、両社の協業は益々加速しております。一方で、これまでは経営資源の共有に多くの制約があり、高度化する市場ニーズへの十分な対応が困難であったと認識しております。

    当社は、JMDC社が持分法適用関連会社から連結子会社になることで、JMDC社のアセットを積極的に活用することが可能となり、事業のトランスフォーメーションによる価値創造と持続的成長を実現し、中長期的な企業価値の最大化が期待できると考え、2023年9月8日開催の取締役会において、JMDC社株式に対する本公開買付けを行うことを決議しました。その後、同年9月11日から10月10日までの期間で本公開買付けを実施し、JMDC社は、同年10月16日をもって当社の連結子会社(特定子会社)となりました。

    (注)「健康経営アライアンス」は、「社員の健康をつうじた日本企業の活性化と健保の持続可能性の実現」をビジョンに掲げ、企業と健康保険組合が連携したコラボヘルスや、データの利活用を通じた職域での健康増進・重症化予防を推進することで、健康経営の型づくり、成果創出のためのソリューションの共創及び産業界への実装を目指す企業間連携の取組みです。当社およびJMDC社は当該アライアンスの発起人として、他の代表幹事企業と共にアライアンスの企画・運営に携わっております。当社およびJMDC社は、JMDC社が持つデータ事業のケイパビリティと、当社が持つブランド力・ネットワーク力といったエコシステム構築力を掛け合わせることで、「健康経営アライアンス」の活動を通じてコーポレートヘルス領域(企業人事側を対象とした健康経営ソリューション提供)の事業展開に繋げていくことを企図しております。

    (2)取得対価および非支配持分

    (単位:百万円)
    本公開買付けによる取得対価(注1) 85,500
    企業結合直前に所有していた持分の公正価値(注2、3) 109,435
    取得対価計 194,935
    非支配持分の公正価値(注3) 159,709
    合計 354,644

    (注1)2023年10月13日に株式会社三井住友銀行からの借入により全額を調達しております。なお、株式の取得に関連して発生した費用は当連結会計年度において476百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。

    (注2)当社が支配獲得時に既に保有していたJMDC社に対する持分を支配獲得日の公正価値で再測定することにより、当連結会計年度において、1,841百万円の損失を認識し、連結損益計算書の「持分法投資損益(△利益)」に含めております。なお、当連結会計年度の連結損益計算書の「持分法投資損益(△利益)」には、第87期第2四半期末時点の公正価値にて再評価を行ったことにより計上した10,187百万円の損失と通算した12,028百万円の損失が含まれております。これらの評価損に対する税金費用および繰延税金資産は計上していません。

    (注3)当該持分の公正価値は、活発な市場における同一資産の市場価格で測定しており、レベル1に分類しております。

    (3)取得資産と引受負債の主要な区分の取得日に認識された公正価値

     支配獲得日において取得した資産および引き受けた負債の暫定的な金額は、以下のとおりです。なお、支配獲得日における取得資産および引受負債の公正価値は現在算定中であり、取得原価の配分が完了していないため、以下の金額は変更される可能性があります。

    (単位:百万円)
    項目 金額
    現金及び現金同等物 20,428
    現金及び現金同等物以外の流動資産 15,370
    のれん 298,540
    その他の無形資産 49,615
    その他の取得資産 16,402
    取得資産計 400,355
    流動負債 13,845
    その他の引受負債 31,866
    引受負債計 45,711
    取得純資産合計 354,644

     のれんの内容は、主に期待される将来の収益力や当社との事業統合によるシナジー効果により構成されております。認識されたのれんは、すべてデータソリューション事業に帰属し、税務上損金算入できません。無形資産には、技術関連資産および顧客関連資産等が含まれております。

    (4)その他

     JMDC社の取得日以降の経営成績は、当社の連結財務諸表に含まれており、金額に重要性がありません。

     上記の企業結合にかかるプロフォーマ情報は、本公開買付けおよび企業結合に関連しJMDC社に対する持分を公正価値で再測定することにより発生した損益を除き、金額に重要性がありません。

    (株式会社キャンサースキャンの取得)

     当社の子会社であるJMDC社は、2024年1月26日に株式会社キャンサースキャン(以下、キャンサースキャン社)の議決権のある株式100%を取得し、子会社としております。

    (1)企業結合の概要

     (a)被取得企業の名称および事業の内容

    被取得企業の名称  株式会社キャンサースキャン

    事業の内容     国保向け特定健診事業(通知勧奨事業)等

     (b)取得日

    2024年1月26日

     (c)取得した議決権のある持分証券の割合

    100%

     (d)企業結合の主要な理由と支配獲得の経緯等

    キャンサースキャン社が有する自治体における強固な顧客基盤を通じ、JMDC社が健康保険組合との取引にて培ったサービス・ソリューションを展開すること、また、キャンサースキャン社の強みである行動変容ノウハウを応用し開発した生活習慣病治療プログラム等のソリューションを、JMDC社顧客の健康保険組合・企業等に提供することで、JMDC社グループの保険者・生活者領域における一層の事業規模拡大を加速させることを目的とし、2023年12月28日開催のJMDC社取締役会において、キャンサースキャン社の株式を取得し、子会社化することについて決議しました。

    その後、JMDC社は、2024年1月26日に現金を対価としてキャンサースキャン社の株式を取得し、キャンサースキャン社は、当社の連結子会社となりました。

    (2)取得対価

    (単位:百万円)
    取得対価(現金) 14,200

     株式の取得に関連して発生した費用は当連結会計年度において14百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。

    (3)取得資産と引受負債の主要な区分の取得日に認識された公正価値

     支配獲得日において取得した資産および引き受けた負債の暫定的な金額は、以下のとおりです。なお、支配獲得日における取得資産および引受負債の公正価値は現在算定中であり、取得原価の配分が完了していないため、以下の金額は変更される可能性があります。

    (単位:百万円)
    項目 金額
    現金及び現金同等物 98
    現金及び現金同等物以外の流動資産 4,269
    のれん 11,496
    その他の取得資産 1,191
    取得資産計 17,054
    流動負債 1,908
    その他の引受負債 946
    引受負債計 2,854
    取得純資産合計 14,200

     のれんの内容は、主に個別に認識要件を満たさない、取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力であります。認識されたのれんは、すべてデータソリューション事業に帰属し、税務上損金算入できません。

    (4)その他

     キャンサースキャン社の取得日以降の経営成績は、当社の連結財務諸表に含まれており、金額に重要性がありません。

     上記の企業結合にかかるプロフォーマ情報は、金額に重要性がありません。

    Y 事業売却

    第86期および第87期における重要な該当事項はありません。

    Z 重要な後発事象

     当社はFASB会計基準書第855号「後発事象」に基づき、後発事象の評価を行っています。

    (希望退職者の募集)

     当社は、2024年2月26日開催の取締役会において、当社グループ全体での企業価値向上に向けた収益力と成長力の改善を目的として、「構造改革プログラム『NEXT2025』」を策定し、全社的な構造改革の実施について決議しております。その一環として、顧客価値の拡大を実現し、収益を伴った成長を実現する人員・人件費構造を構築するために、グローバルに人員数・能力の最適化を実施します。

     具体的には、国内約1,000名、海外約1,000名の合計約2,000名を削減することで、総人件費の適正化に取り組みます。本施策は、現地の労働法、規則、規制に従って実施されます。日本では、希望退職による人員削減施策を実行します。

    希望退職者募集の概要は、以下のとおりです。

    ①対象会社:当社および一部の国内子会社

    ②対象者:2024年7月20日時点で、勤続年数3年以上かつ年齢40歳以上の正社員およびシニア社員

    ③募集人員:1,000名程度

    ④募集期間:2024年4月10日~5月31日

    ⑤退職日:2024年7月20日(予定)

     2024年5月31日に希望退職の募集期間が終了し、国内の削減人員数は、1,206名となりました。国内の人員削減に伴い発生する特別一時金の費用は約130億円、うちオムロン株式会社で発生する費用は約80億円を見込んでおり、第88期連結損益計算書および損益計算書に計上する予定です。海外については、現時点において対象者が確定しておらず、会計処理が完了していないため、業績に与える影響は開示しておりません。

    ⑥ 【連結附属明細表】
    【社債明細表】

     該当事項はありません。

    【借入金等明細表】

     当該情報は連結財務諸表注記「Ⅱ 主な科目の内訳および内容の説明 I 借入金」に記載しています。

    【資産除去債務明細表】

     当連結会計年度期首および当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首および当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、連結財務諸表規則第92条の2の規定により記載を省略しています。

    (2) 【その他】

    当連結会計年度における四半期情報等

    (累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当連結会計年度
    売上高(百万円) 203,351 400,674 607,985 818,761
    法人税等、持分法投資損益控除前四半期(当期)純利益(百万円) 18,561 24,994 31,469 34,953
    当社株主に帰属する 四半期(当期)純利益 (百万円) 13,396 6,080 7,849 8,105
    基本的1株当たり当社株主に帰属する四半期(当期)純利益(円) 68.05 30.89 39.87 41.17
    (会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
    基本的1株当たり当社株主に帰属する四半期純利益(△損失)(円) 68.05 △37.16 8.98 1.30

    2【財務諸表等】

    (1) 【財務諸表】

    ①【貸借対照表】
    (単位:百万円)
    前事業年度 第86期 (2023年3月31日) 当事業年度 第87期 (2024年3月31日)
    資産の部
    流動資産
    現金及び預金 22,152 28,347
    受取手形 224 317
    売掛金 ※1 66,742 ※1 41,146
    商品及び製品 11,442 13,683
    原材料 15,277 16,750
    仕掛品 3,341 3,489
    貯蔵品 269 283
    関係会社短期貸付金 ※1 8,668 ※1 8,406
    未収入金 ※1 11,775 ※1 15,735
    未収還付法人税等 6,109
    その他の未収入金 ※1 5,016 ※1 4,593
    その他 7,885 11,995
    貸倒引当金 △0 △0
    流動資産合計 152,791 150,853
    固定資産
    有形固定資産
    建物 23,906 22,829
    構築物 952 911
    機械及び装置 5,557 5,846
    車両運搬具 1 2
    工具、器具及び備品 4,833 5,376
    土地 12,025 11,892
    リース資産 830 734
    建設仮勘定 1,055 1,098
    有形固定資産合計 49,159 48,688
    無形固定資産
    借地権 480 480
    ソフトウエア 6,607 6,489
    施設利用権 61 63
    技術資産 5,465 4,803
    ソフトウエア仮勘定 16,828 33,205
    その他 139 115
    無形固定資産合計 29,580 45,155
    投資その他の資産
    投資有価証券 ※2 32,407 ※2 14,038
    関係会社株式 269,689 353,547
    その他の関係会社有価証券 1,429 1,241
    関係会社出資金 22,837 22,837
    関係会社長期貸付金 ※1 3,703 ※1 4,666
    破産更生債権等 5,791
    敷金及び保証金 4,638 4,368
    前払年金費用 17,636 19,575
    繰延税金資産 7,126 11,660
    その他 5,247 4,054
    貸倒引当金 △5,724 △14
    投資その他の資産合計 364,779 435,972
    固定資産合計 443,518 529,815
    資産合計 596,309 680,668
    (単位:百万円)
    前事業年度 第86期 (2023年3月31日) 当事業年度 第87期 (2024年3月31日)
    負債の部
    流動負債
    支払手形 ※1 6,909 ※1 6,238
    買掛金 ※1 38,098 ※1 30,900
    短期借入金 5,567
    関係会社短期借入金 ※1 169,336 ※1 196,380
    リース債務 139 151
    未払金 ※1 16,734 ※1 9,019
    未払費用 12,253 10,960
    未払法人税等 4,458 38
    前受金 28 2,733
    預り金 ※1 1,340 ※1 1,339
    役員賞与引当金 231 10
    株式給付引当金 355
    その他 3,596 5,977
    流動負債合計 253,477 269,312
    固定負債
    長期借入金 85,500
    リース債務 601 512
    株式給付引当金 1,117 1,316
    再評価に係る繰延税金負債 957 957
    長期前受金 2,649
    その他 4,243 3,526
    固定負債合計 9,567 91,811
    負債合計 263,044 361,123
    純資産の部
    株主資本
    資本金 64,100 64,100
    資本剰余金
    資本準備金 88,771 88,771
    資本剰余金合計 88,771 88,771
    利益剰余金
    利益準備金 6,774 6,774
    その他利益剰余金
    配当積立金 3,400 3,400
    特別勘定積立金 1,252 1,252
    別途積立金 73,500 73,500
    繰越利益剰余金 155,776 151,561
    利益剰余金合計 240,702 236,487
    自己株式 △70,615 △69,968
    株主資本合計 322,958 319,390
    評価・換算差額等
    その他有価証券評価差額金 14,801 4,469
    繰延ヘッジ損益 △180
    土地再評価差額金 △4,314 △4,314
    評価・換算差額等合計 10,307 155
    純資産合計 333,265 319,545
    負債純資産合計 596,309 680,668
    ②【損益計算書】
    (単位:百万円)
    前事業年度 第86期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 当事業年度 第87期 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
    売上高 ※1,※2 369,498 ※1,※2 259,328
    売上原価 ※2 223,030 ※2 177,808
    売上総利益 146,468 81,520
    販売費及び一般管理費 ※2,※3 117,784 ※2,※3 113,430
    営業利益又は営業損失(△) 28,684 △31,910
    営業外収益
    受取利息及び受取配当金 ※2 74,759 ※2 27,498
    その他 ※2 3,289 ※2 3,414
    営業外収益合計 78,048 30,912
    営業外費用
    支払利息 ※2 2,674 ※2 5,222
    支払手数料 49 100
    為替差損 401 919
    組合投資損失 453 669
    その他 ※2 47 ※2 352
    営業外費用合計 3,624 7,262
    経常利益又は経常損失(△) 103,108 △8,260
    特別利益
    固定資産売却益 ※4 6 ※4 2
    投資有価証券売却益 80 20,981
    関係会社清算益 140
    特別利益合計 226 20,983
    特別損失
    固定資産除売却損 ※5,※6 371 ※5,※6 727
    投資有価証券評価損 330
    その他 128
    特別損失合計 371 1,185
    税引前当期純利益 102,963 11,538
    法人税、住民税及び事業税 12,826 △4,176
    法人税等調整額 △969 △78
    法人税等合計 11,857 △4,254
    当期純利益 91,106 15,792
    ③【株主資本等変動計算書】

    前事業年度 第86期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_084" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_085" />

    当事業年度 第87期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_086" />

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_087" />

    【注記事項】
    (重要な会計方針)

     1 有価証券の評価基準および評価方法は、次のとおりです。

       子会社株式および関連会社株式

        ……移動平均法による原価法

       その他の関係会社有価証券

        ……投資事業有限責任組合等については、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を

          基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法

       その他有価証券

        市場価格のない株式等以外のもの

    ……決算日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)

        市場価格のない株式等

         ……移動平均法による原価法

     2 デリバティブの評価方法は時価法を採用しています。

     3 棚卸資産の評価基準および評価方法は、次のとおりです。

       製品

        ……総平均法または移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により

          算定)

       仕掛品および原材料

        ……総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)

     4  固定資産の減価償却の方法は、次のとおりです。

       有形固定資産(リース資産を除く)

        ……定額法(建物の耐用年数は主に15~50年)

       無形固定資産(リース資産を除く)

        ……定額法(ソフトウエアの見込利用可能期間は3~10年)

       リース資産

        所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産

         ……リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法

     5  繰延資産は、支出時または発生時に全額費用として処理しています。

     6 貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権等については財務内容評価法により計上しています。

     7 役員賞与引当金は、役員に対する賞与の支出に備えるため、期末日時点における支給見込額に基づき計上しています。

     8 退職給付引当金は、従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しています。

     過去勤務費用は、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(11.4年)による定額法により費用処理しています。

       数理計算上の差異は、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(11.4年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理しています。

       当事業年度末においては、年金資産の額が退職給付債務に未認識過去勤務債務および未認識数理計算上の差異を加減した額を超えているため、前払年金費用として貸借対照表に計上しています。

     9 株式給付引当金は、株式交付規程等に基づく取締役、執行役員および従業員に対する当社株式の交付に備えるため、当事業年度末における支給見込額に基づき計上しています。

     10 収益および費用の計上基準は、次のとおりです。

       顧客との契約から生じる収益は、次の5ステップアプローチに基づき、製品またはサービスの支配が顧客に移転し

      た時点で、または移転するにつれて認識しています。

       ステップ1: 顧客との契約を識別する

       ステップ2: 契約における履行義務を識別する

       ステップ3: 取引価格を算定する

       ステップ4: 取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する

       ステップ5: 履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識する

       概ね同一国内における販売は、契約上別段の定めのない限り、顧客に製品が到着した時点、輸出販売は、インコ

      タームズ等に定められた貿易条件に基づきリスク負担が顧客に移転する時点で履行義務が充足されると判断し、当

      該履行義務の充足時点で収益を認識しています。

       据付および現地での調整作業を伴う製品およびサービスの提供については、製品の引渡しと当該製品の据付およ

      び現地での調整作業を単一の履行義務として識別し、製品の据付および現地での調整作業が完了した時点で履行義

      務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しています。

       一部の取引については、当社製品の販売促進を目的として、関連する製品の販売数量等に基づき顧客にリベート

      を支払うことがあります。これらリベートは対価から控除するため、対価の額に変動性があります。顧客に支払う

      リベートの額は合理的に見積り可能なことから、重大な戻し入れが生じることはなく、変動対価の見積りが制限さ

      れることはないと判断しています。また、当社の販売する製品には、顧客が返品権を有するものは含まれていませ

      ん。

       なお、約束された対価は履行義務の充足時点から概ね3ヶ月で支払いを受けており、対価の金額に重要な金融要

      素は含まれていません。

     11 外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。

     12 ヘッジ会計の方法は繰延ヘッジ処理を採用しています。

     13 グループ通算制度を適用しています。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理および開示に関する

      取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに

      関する税効果会計の会計処理ならびに開示を行っています。

    (重要な会計上の見積り)

      (関係会社株式等の評価)

     1 当事業年度の財務諸表に計上した金額

                                         (単位:百万円)

    前事業年度 当事業年度
    関係会社株式 (うち、市場価格のある株式) 269,689 (122,212) 353,547 (208,189)

     2 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報

      ① 当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出方法

    関係会社株式のうち市場価格のある株式等について、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を当期の損失として処理しています。著しく下落したとは、原則として、貸借対照表価額の50%以上下落した場合と定義しています。ただし、概ね貸借対照表価額の30%以上下落している場合に、入手し得る客観的な情報をもとに、著しく下落したと認められる時には、評価差額を当期の損失として処理することとしています。

    また、関係会社株式のうち市場価格のない株式等は取得原価をもって貸借対照表価額としています。発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、相当の減額をなし、評価差額は当期の損失として処理することとしています。

    財政状態の悪化とは、原則として、1株当たりの純資産額が当該株式を取得したときのそれと比較して50%以上低下した場合と定義しています。ただし、市場価格のない株式等の実質価額について、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合には、評価差額を当期の損失として処理しないこととしています。なお、VG2020期間に実施したヘルスケア事業成長戦略投資に係る、米国にて心房細動の確定診断・モニタリングサービスを展開するAliveCor, Inc.に対する投資については、会社の超過収益力等を反映した価額を実質価額として評価しており、この場合の財政状態の悪化とは、当該実質価額が、取得したときのそれと比較して50%以上低下した場合と定義しています。

      ② 当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定

    市場価格のある株式会社JMDCに対する投資について、著しく下落したかどうかを判定する際の基礎となる客観的な情報は、決算日までに入手し得る直近の株価による株価分析、業績、ディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額、アナリストレポートなどをもとに判断しています。

    一方、市場価格のないAliveCor, Inc.に対する投資については、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて、実質価額を算定しています。また、事業計画は、マクロ経済状況、市場成長率、利益率、設備計画等の仮定を用いて策定し、事業計画後のキャッシュ・フローは、当該関係会社が属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積もった成長率をもとに算定しています。

      ③ 翌事業年度の財務諸表に与える影響

        当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定の前提が、当事業年度末の状況から大きく乖離する場合には、当該株式等の評価に影響を及ぼすため、当該株式等に関連する数値に重要な影響を与える可能性があります。

    (会計方針の変更)

    (棚卸資産の評価方法の変更)

     当社における棚卸資産の評価方法については、従来、先入先出法を採用していましたが、当事業年度より、製品については総平均法または移動平均法、仕掛品については総平均法、原材料については総平均法に変更しています。

     この変更は、2022年度にスタートした長期ビジョン「Shaping the Future2030」および中期経営計画(SF 1stStage)に基づき、不確実性が高まった近年の社会や事業環境に対応するための販売、生産、在庫保有方針や在庫管理システムの見直しを契機として、平均法にて棚卸資産の評価を行う方が、より適切に期間損益計算を行うことができると判断し、実施したものです。

     なお、当該変更による財務諸表に与える影響は軽微です。

    (会計上の見積りの変更)

    (退職給付に係る会計処理の数理計算上の数理計算上の差異および過去勤務費用の費用処理年数の変更)

     退職給付に係る会計処理の数理計算上の差異および過去勤務費用の費用処理年数を、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数である11.9年としていましたが、平均残存勤務期間が短縮したため、当事業年度より費用処理年数を11.4年に変更しています。

    これにより、当事業年度の営業利益、経常利益および税引前当期純利益は220百万円減少しています。

    (追加情報)

      (株式に関する事項)

     1 取引の概要

     当社は役員と海外子会社のマネージャー(以下取締役等)の報酬の一部について、業績連動型株式付与制度を導入しています。

       本制度は当社所定の基準によるポイントを、取締役等に付与し、中期経営計画終了後および退任時に、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託を通じて、ポイントに応じた当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付および給付するものです。

       当該信託に関する会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 平成25年12月25日、平成27年3月26日改正)に準じて、総額法を適用しています。

     2 役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託に残存する自社の株式

       役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託に残存する当社株式を、純資産の部に自己株式として計上しています。当該株式の株式数および帳簿価額は、前事業年度末は600,208株および3,880百万円、当事業年度末は520,413株および3,369百万円であり、当事業年度は当社株式を取締役等へ85,699株支給しています。また、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する自己株式に係る配当金は、前事業年度は57百万円、当事業年度は56百万円です。

    (貸借対照表関係)

    ※1 関係会社に対する金銭債権および金銭債務

    第86期 (2023年3月31日) 第87期 (2024年3月31日)
    関係会社に対する短期金銭債権 関係会社に対する長期金銭債権 関係会社に対する短期金銭債務 69,493百万円 11,189 196,637 54,200百万円 6,388 220,697

    ※2 担保資産

    第86期 (2023年3月31日) 第87期 (2024年3月31日)
    投資有価証券 200百万円 200百万円

    (注)投資有価証券は、出資先の債務に対して担保に供しています。

     3 保証債務

    主な被保証先 第86期 (2023年3月31日) 第87期 (2024年3月31日)
    OMRON ELETRONICA DO BRASIL LTDA. OMRON MEXICO, S.A. DE C.V. OMRON AUTOMATION PVT LTD. 9百万円 185 213 40百万円 173 -
    407 213
    (損益計算書関係)

    ※1 売上高の区分表示

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_088" />

    ※2 関係会社との取引高

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_089" />

      ※3 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度15%、当事業年度15%、一般管理費に属する費用のおおよそ

          の割合は前事業年度85%、当事業年度85%です。

     販売費及び一般管理費のうち主要な費目および金額は次のとおりです。

    第86期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 第87期 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
    手数料 24,862百万円 26,037百万円
    給与及び賞与手当 28,618 28,477
    減価償却費 4,900 5,021
    退職給付費用 410 △692
    研究開発費 36,048 33,648

     ※4 固定資産売却益の主な内訳

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_090" />

     ※5 固定資産売却損の主な内訳

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_091" />

     ※6 固定資産除却損の主な内訳

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_092" />

    (有価証券関係)

    第86期(2023年3月31日)

     子会社株式および関連会社株式等

    貸借対照表計上額 (百万円) 時価(百万円) 差額(百万円)
    関連会社株式 122,212 93,088 △29,124
    合計 122,212 93,088 △29,124

    (注)上記に含まれない市場価格のない子会社株式および関連会社株式等の貸借対照表計上額は次のとおりです。

    貸借対照表計上額 (百万円)
    子会社株式 136,758
    関連会社株式 10,719
    その他の関係会社有価証券 1,429
    合計 148,906

    第87期(2024年3月31日)

     子会社株式および関連会社株式等

    貸借対照表計上額 (百万円) 時価(百万円) 差額(百万円)
    子会社株式 208,189 127,972 △80,217
    合計 208,189 127,972 △80,217

    (注)上記に含まれない市場価格のない子会社株式および関連会社株式等の貸借対照表計上額は次のとおりです。

    貸借対照表計上額 (百万円)
    子会社株式 133,272
    関連会社株式 12,086
    その他の関係会社有価証券 1,241
    合計 146,599
    (税効果会計関係)

    1.繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳

    第86期 (2023年3月31日) 第87期 (2024年3月31日)
    繰延税金資産
    貸倒引当金 1,746百万円 4百万円
    棚卸資産 1,072 2,155
    未払賞与 2,557 1,903
    退職給付信託 6,182 6,534
    投資有価証券 1,151 1,464
    関係会社株式等 8,298 8,901
    未確定債務 2,357 1,510
    減価償却資産 1,768 1,690
    税務上の繰越欠損金 2,161
    その他 1,162 2,691
    繰延税金資産小計 26,293 29,013
    評価性引当額 △6,945 △8,901
    繰延税金資産合計 19,348 20,112
    繰延税金負債
    その他有価証券評価差額金 前払年金費用 6,495 5,379 1,961 5,970
    その他 348 521
    繰延税金負債合計 12,222 8,452
    繰延税金資産の純額 7,126 11,660

    2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主要な項目別の内訳

    第86期 (2023年3月31日) 第87期 (2024年3月31日)
    法定実効税率 30.5% 30.5%
    (調整)
    受取配当金 △21.0 △71.5
    評価性引当額 0.0 15.6
    交際費等の社外流出 0.2 1.0
    試験研究費に係る税額控除等 △3.1 △4.2
    外国源泉税 5.9 11.2
    子会社清算に伴う繰越欠損金の引継ぎ △9.6
    外国税額控除 △0.8 △6.0
    その他 △0.2 △3.9
    税効果会計適用後の法人税等の負担率 11.5 △36.9

    (表示方法の変更)

    前事業年度において、「その他」に含めていた「外国税額控除」は、重要性が増したことにより当事業年度より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の注記の組み替えを行っています。

    この結果、前事業年度の「その他」に表示していた△1.0%は、「外国税額控除」△0.8%、「その他」△0.2%として組み替えています。

    (収益認識関係)

    収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「注記事項Ⅱ 主な科目の内訳および内容の説明 A 収益 2.収益を理解するための基礎となる情報」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。

    (重要な後発事象)

     連結財務諸表「注記事項 Ⅱ 主な科目の内容および内容の説明 Z 重要な後発事象」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。

    ④ 【附属明細表】
    【有形固定資産等明細表】

    (単位:百万円)

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_093" />

    (注)1 「当期償却額」欄の( )内は内書きで減損損失の計上額です。

       2 「減価償却累計額」の欄には、減損損失累計額を含めて記載しています。

    3 [ ]内は、土地の再評価に関する法律(平成10年法律第34号)により行った土地の再評価実施前の帳簿価額との差額です。

    4 ソフトウエアおよびソフトウエア仮勘定の当期増加額は、主としてコーポレート基幹システムの開発等に

      よるものです。

    【引当金明細表】

    (単位:百万円)

    科目 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
    貸倒引当金(流動) 0 0
    貸倒引当金(固定) 5,724 5,710 14
    役員賞与引当金(流動) 231 10 231 10
    株式給付引当金(流動) 355 355
    株式給付引当金(固定) 1,117 329 130 1,316

    (2) 【主な資産及び負債の内容】

        連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。

    (3) 【その他】

        該当事項はありません。

    第6【提出会社の株式事務の概要】

    事業年度 4月1日から3月31日まで
    定時株主総会 6月中
    基準日 3月31日
    剰余金の配当の基準日 3月31日、9月30日
    1単元の株式数 100株
    単元未満株式の買取り・買増し
    取扱場所 (特別口座) 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
    株主名簿管理人 (特別口座) 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号 三菱UFJ信託銀行株式会社
    取次所
    買取・買増手数料 無料
    公告掲載方法 当会社の公告方法は、電子公告としています。ただし、事故その他のやむをえない事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞および京都市において発行する京都新聞に掲載して行います。 なお、公告を掲載するホームページのアドレス(URL)は https://www.omron.com/jp/ja/です。
    株主に対する特典 該当事項はありません。

     (注) 当社定款の定めにより、単元未満株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、会社法第166条第1項の定めによる請求をする権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当ておよび募集新株予約権の割当てを受ける権利ならびに単元未満株式の売渡請求をする権利以外の権利を有していません。

    第7【提出会社の参考情報】

    1【提出会社の親会社等の情報】

     当社には、親会社等はありません。

    2【その他の参考情報】

     当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_094" />

    第二部【提出会社の保証会社等の情報】

        該当事項はありません。

    独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_095" />

    有限責任監査法人トーマツ 京都事務所

    指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 佐藤 嘉雄
    指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 川添 健史
    指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 辻 知美

    <連結財務諸表監査>

    監査意見

     当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているオムロン株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主持分計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、注記及び連結附属明細表について監査を行った。

     当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則の一部を改正する内閣府令(平成14年内閣府令第11号)附則」第3項の規定により米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、オムロン株式会社及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

    監査意見の根拠

     当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

    監査上の主要な検討事項

     監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

     会社は事業を通じて社会的課題を解決することで、よりよい社会を作ることを目指しており、テクノロジーの進化が求められるなか、スタートアップ企業をはじめとする技術力のある企業とのアライアンス、M&A、出資を通じたイノベーションを加速している。

     当年度において、連結財務諸表注記事項 Ⅱ.X「企業結合等」に記載されているとおり、会社は持分法適用会社である株式会社JMDC(以下、JMDC社)に対する公開買付をおこない、2023年10月16日付で同社を連結子会社とした。また、会社の既存ビジネスとJMDC社が協働し、モノづくりから、データを軸に新たな価値を創造するソリューションビジネスへの進化を先導するために、JMDC社を含むデータソリューション事業本部(以下、DSB)を2023年12月21日付で新設した。会社は、DSBを報告単位とし、JMDC社の子会社化によるのれんをDSBに配分している。

     JMDC社の子会社化によるのれんの増加により、会社の当連結会計年度末ののれん残高は361,783百万円となり、総資産に占める割合は前年度比で22.4%増加している(当年度26.7%、前年度4.3%)。一方で、当連結会計年度末の関連会社に対する投資及び貸付金残高は13,931百万円となり、その大部分はAliveCor, Inc.に対する投資で構成されている。JMDC社の子会社化により、関連会社に対する投資及び貸付金が総資産に占める割合は前年度比で12.5%減少し、相対的な重要性が低下している(当年度1.0%、前年度13.5%)。

     当監査法人は、会社ビジネスの変化を踏まえた相対的なリスク及び量的重要性の変化を考慮し、当連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項を下記のとおり、変更している。

    前連結会計年度 当連結会計年度
    データソリューション事業本部ののれんの評価
    関連会社に対する投資の評価(株式会社JMDC)
    関連会社に対する投資の評価(AliveCor, Inc.)

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_096" />  その他の記載内容

     その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

     当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

     連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

     当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

     その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 

    連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

    経営者の責任は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

    連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

    監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

    連結財務諸表監査における監査人の責任

    監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

    監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

    ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

    ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

    ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

    ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

    ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

    ・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

    監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

    監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

    監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

    <内部統制監査>

    監査意見

    当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、オムロン株式会社の2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。

    当監査法人は、オムロン株式会社が2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

    監査意見の根拠

    当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

    内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

    経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。

    監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。

    なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

    内部統制監査における監査人の責任

    監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。

    監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

    ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。

    ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。

    ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

    監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

    監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

    <報酬関連情報>

     当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】に記載されている。

    利害関係

    会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

    以 上

    ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

    独立監査人の監査報告書

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_097" />

    有限責任監査法人トーマツ 京都事務所

    指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 佐藤 嘉雄
    指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 川添 健史
    指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 辻 知美

    <財務諸表監査>

    監査意見

     当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているオムロン株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの第87期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。

     当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、オムロン株式会社の2024年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

    監査意見の根拠

     当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

    監査上の主要な検討事項

     監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

    会社は事業を通じて社会的課題を解決することで、よりよい社会を作ることを目指しており、テクノロジーの進化が求められるなか、スタートアップ企業をはじめとする技術力のある企業とのアライアンス、M&A、出資を通じたイノベーションを加速している。

    当年度において、連結財務諸表注記事項 Ⅱ.X「企業結合等」に記載されているとおり、会社は持分法適用会社である株式会社JMDC(以下、JMDC社)に対する公開買付をおこない、2023年10月16日付で同社を連結子会社とした。

    この結果、会社の当事業年度末の関係会社株式に含まれている子会社株式残高は、JMDC社子会社化に伴い341,460百万円となり、総資産に占める割合は前年度比で27.3%増加している(当年度50.2%、前年度22.9%)。一方で、当事業年度末の関係会社株式に含まれている関連会社株式残高は12,086百万円となり、その大部分はAliveCor, Inc.に対する投資で構成されている。JMDC社の子会社化により、関連会社株式が総資産に占める割合は前年度比で20.5%減少し、相対的な重要性が低下している(当年度1.8%、前年度22.3%)。

    当監査法人は、会社ビジネスの変化を踏まえた相対的なリスク及び量的重要性の変化を考慮し、当事業年度の財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項を下記のとおり、変更している。

    前事業年度 当事業年度
    時価のある子会社株式であるJMDC社の投資評価
    関係会社株式の評価(AliveCor, Inc.)

    <TableRenderer data={tableData} tableId="table_098" />

    その他の記載内容

     その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

     当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

     財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

     当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

     その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

    財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

    経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

    財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

    監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

    財務諸表監査における監査人の責任

    監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

    監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

    ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

    ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

    ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

    ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

    ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

    監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

    監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

    監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

    <報酬関連情報>

     報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

    利害関係

    会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

    以 上

    ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。