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    6645 オムロン 有価証券報告書-第86期(2022/04/01-2023/03/31)

    【表紙】

    【提出書類】 有価証券報告書
    【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
    【提出先】 関東財務局長
    【提出日】 2023年6月23日
    【事業年度】 第86期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
    【会社名】 オムロン株式会社
    【英訳名】 OMRON Corporation
    【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 CEO 辻 永 順 太
    【本店の所在の場所】 京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地
    【電話番号】 京都(075)344-7070
    【事務連絡者氏名】 執行役員 グローバル理財本部長 田 茂 井 豊 晴
    【最寄りの連絡場所】 京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地
    【電話番号】 京都(075)344-7070
    【事務連絡者氏名】 執行役員 グローバル理財本部長 田 茂 井 豊 晴
    【縦覧に供する場所】 オムロン株式会社東京事務所 (東京都港区港南二丁目3番13号) 株式会社東京証券取引所 (東京都中央区日本橋兜町2番1号)

    第一部【企業情報】

    第1【企業の概況】

    1【主要な経営指標等の推移】

    (1) 連結経営指標等

    回次 第82期 第83期 第84期 第85期 第86期
    決算年月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月 2023年3月
    売上高 (百万円) 732,581 677,980 655,529 762,927 876,082
    継続事業からの法人税等、持分法投資損益控除前当期純利益 (百万円) 65,912 51,836 65,089 86,714 98,409
    当社株主に帰属する当期純利益 (百万円) 54,323 74,895 43,307 61,400 73,861
    包括利益 (百万円) 41,559 61,857 94,695 108,105 101,546
    株主資本 (百万円) 504,212 530,415 606,858 665,227 728,473
    総資産額 (百万円) 749,878 758,124 820,379 930,629 998,160
    1株当たり株主資本 (円) 2,455.24 2,626.62 3,009.15 3,339.64 3,701.08
    基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益 (円) 260.78 365.26 214.72 305.65 372.19
    希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益 (円)
    株主資本比率 (%) 67.2 70.0 74.0 71.5 73.0
    株主資本利益率 (%) 10.8 14.5 7.6 9.7 10.6
    株価収益率 (倍) 19.9 15.4 40.2 26.9 20.7
    営業活動による キャッシュ・フロー (百万円) 71,245 89,787 93,831 67,428 53,456
    投資活動による キャッシュ・フロー (百万円) △34,957 28,639 △14,785 △150,163 △55,533
    財務活動による キャッシュ・フロー (百万円) △40,783 △29,430 △20,352 △29,603 △58,757
    現金及び現金同等物の期末残高 (百万円) 103,850 185,533 250,755 155,484 105,279
    従業員数 (人) 35,090 28,006 28,254 29,020 28,034

     (注)1 当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。

    2 オートモーティブエレクトロニックコンポーネンツビジネス(AEC、車載事業)の譲渡に伴い、財務会計基準審議会(FASB)会計基準書第205号-20「財務諸表の表示-非継続事業」に従い同事業を非継続事業に分類し、第82期の数値の一部を非継続事業を除いた継続事業の金額に組み替えて表示しています。

    3 希薄化後1株当たり当社株式に帰属する当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載していません。

    (2) 提出会社の経営指標等

    回次 第82期 第83期 第84期 第85期 第86期
    決算年月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月 2023年3月
    売上高 (百万円) 324,908 295,651 258,494 310,989 369,498
    経常利益 (百万円) 49,135 28,122 23,562 42,084 103,108
    当期純利益 (百万円) 45,017 79,376 18,503 23,250 91,106
    資本金 (百万円) 64,100 64,100 64,100 64,100 64,100
    発行済株式総数 (千株) 213,958 206,245 206,245 206,245 206,245
    純資産額 (百万円) 259,824 302,811 298,916 277,159 333,265
    総資産額 (百万円) 464,405 510,158 537,742 606,482 596,309
    1株当たり純資産額 (円) 1,265.20 1,499.52 1,482.20 1,391.42 1,693.19
    1株当たり当期純利益 (円) 216.11 387.12 91.74 115.74 459.09
    潜在株式調整後1株当たり当期純利益 (円)
    1株当たり配当額 (円) 84.00 84.00 84.00 92.00 98.00
    (うち1株当たり中間配当額) (円) (42.00) (42.00) (42.00) (46.00) (49.00)
    自己資本比率 (%) 55.9 59.4 55.6 45.7 55.9
    自己資本利益率 (%) 17.39 28.22 6.15 8.07 29.85
    株価収益率 (倍) 24.0 14.5 94.2 71.0 16.8
    配当性向 (%) 38.9 21.7 91.6 79.5 21.3
    従業員数 (人) 4,741 4,980 4,829 4,610 4,621
    株主総利回り (%) 84.1 92.6 142.0 136.7 130.2
    (比較指標:配当込みTOPIX) (%) (95.0) (85.9) (122.1) (124.6) (131.8)
    最高株価 (円) 6,300 6,870 10,040 12,115 8,164
    最低株価 (円) 3,740 4,410 5,330 7,306 6,237

     (注)1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。

    2 最高株価および最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所市場第一部におけるものです。

    3 株主総利回りは、第81期(2018年3月期)末時点の株価を基準として算定しています。

    4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第85期の期首から適用し、第85期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。

    2【沿革】

    1933年5月 立石一真が大阪市都島区東野田に立石電機製作所を創業。 レントゲン写真撮影用タイマの製造を開始(創業年月日1933年5月10日)。 <1933年 立石電機創業(創業者)>     <1960年 世界初 無接点近接スイッチ>     <1964年 世界初 電子式自動感応式信号機>
    1936年7月 大阪市西淀川区野里町に工場を新設、移転。
    1945年6月 京都市右京区花園土堂町に工場を移転。
    1948年5月 資本金200万円の株式会社に改組。商号を「立石電機株式会社」に変更(設立年月日1948年5月19日)。
    1955年1月 販売部門・研究部門を各々分離独立、立石電機販売㈱・㈱立石電機研究所を設立。 プロデューサ・システム(分権制による独立専門工場方式)を創案し、その第一号として㈱西京電機製作所を設立(計9社の生産子会社を順次設立)。
    1959年1月 商標を「OMRON」と制定。
    2月 ㈱立石電機研究所を吸収合併。
    1960年10月 京都府長岡町(現長岡京市)に中央研究所を竣工。
    1962年4月 京都証券取引所および大阪証券取引所市場第二部に上場。
    1964年10月 ㈱立石電機草津製作所他の生産子会社を㈱西京電機立石製作所に吸収合併。
    1965年4月 立石電機販売㈱および㈱西京電機立石製作所を吸収合併。
    8月 大阪証券取引所市場第一部に指定替え上場。
    1966年9月 東京証券取引所市場第一部および名古屋証券取引所市場第一部(2009年11月9日上場廃止)に上場。 <1967年 世界初 無人駅システム>   <1973年 オムロンの血圧計1号機>
    1967年3月 世界初 無人駅システムが阪急北千里駅で稼動。
    1972年2月 オムロン太陽㈱を設立。
    1976年10月 大阪証券取引所の特定銘柄に指定。
    1985年3月 オムロン京都太陽㈱を設立。
    1986年4月 京都府綾部市に綾部工場を竣工。 アメリカに北米地域統轄会社(OMRON MANAGEMENT CENTER OF AMERICA,INC.)を設立。
    1988年4月 東京支社(東京都港区)を東京本社に昇格(二本社制に移行)。
    9月 オランダに欧州地域統轄会社(OMRON EUROPE B.V.)を設立。
    10月 シンガポールにアジア・パシフィック地域統轄会社(OMRON ASIA PACIFIC PTE.LTD.)を設立。
    1990年1月 社名を「オムロン株式会社」に変更。
    1991年4月 本社を京都市下京区に移転。
    1993年4月 中国で初めての独資生産会社オムロン(大連)有限公司が稼動開始。
    1994年5月 中国に地域統轄会社(OMRON(CHINA)CO.,LTD.)を設立。
    1999年4月 事業部制を廃止し、カンパニー制を導入。
    2000年8月 本店および本社事務所を複合機能拠点である「オムロン京都センタービル」(京都市下京区)に移転。
    2002年4月 中華圏の地域統轄会社(OMRON(CHINA)CO.,LTD.)を中国事業拡大の拠点としての中国本社に変更。
    6月 中国に電子部品の生産会社オムロン電子部件(深圳)有限公司が稼動開始。
    2003年4月 リレー事業部門とオムロン熊本㈱を経営統合しオムロンリレーアンドデバイス㈱を設立。
    5月 グローバルR&D協創戦略の中核拠点として京都府相楽郡(現木津川市)に「京阪奈イノベーションセンタ」を開設。
    7月 ヘルスケア事業を分社しオムロンヘルスケア㈱を設立。
    8月 1単元の株式の数を1,000株から100株に変更。
    2004年9月 北京北大方正集団公司と社会システム事業分野で提携。
    10月 BITRON INDUSTRIE S.P.A. (現OMRON AUTOMOTIVE ELECTRONICS ITALY S.R.L.)を子会社化。 共同新設分割によりATM(現金自動預払機)等の情報機器事業を日立オムロンターミナルソリューションズ㈱へ承継。 アミューズメント機器事業の子会社オムロンアミューズメント㈱を設立。
    2005年6月 医療機関向け生体計測技術を保有するコーリンメディカルテクノロジー㈱を子会社化。
    12月 中国に車載電装部品の生産会社オムロン(広州)汽車電子有限公司が稼動開始。
    2006年6月 セーフティ技術を保有するSCIENTIFIC TECHNOLOGIES INC.(現OMRON ROBOTICS AND SAFETY TECHNOLOGIES, INC.)を子会社化。 中国に制御機器システムのグローバル中核拠点オムロン(上海)有限公司が稼動開始。
    8月 中小型液晶用バックライト技術を保有するパイオニア精密㈱(現オムロンプレシジョンテクノロジー㈱)を子会社化。 <2007年 世界初 リアルカラー3次元視覚センサー>
    2007年3月 CMOS型半導体技術を保有する野洲セミコンダクター㈱の半導体事業用資産を譲受。
    5月 レーザー微細加工技術を保有するレーザーフロントテクノロジー㈱を子会社化。
    6月 中国に研究拠点「オムロン上海R&D協創センタ」を開設。
    7月 本社に隣接する展示施設および研修施設「オムロン京都センタービル啓真館」を開設。
    2008年7月 オムロンセミコンダクターズ㈱を吸収合併。
    2009年9月 事業セグメントEMC(エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニー)(現DMB(デバイス&モジュールソリューションズビジネス))を新設。
    2010年4月 スイッチ事業を分社し、オムロンスイッチアンドデバイス㈱を設立。
    5月 車載電装部品事業を分社し、オムロンオートモーティブエレクトロニクス㈱を設立。
    11月 社会システム事業の子会社オムロンソーシアルソリューションズ㈱を設立。
    2011年1月 港区虎ノ門と品川区大崎にある事業拠点を品川フロントビル(港区港南)へ移転統合し、東京事業所として順次業務を開始。
    6月 家庭向け省エネ支援サービス事業分野で西日本電信電話㈱と合弁会社を設立。
    10月 京都府向日市にオムロンヘルスケア㈱の研究開発拠点および本社を開設。
    2012年1月 インド地域本社(OMRON MANAGEMENT CENTER OF INDIA)を設立。 中国のパワーラッチングリレーメーカーである「上海貝斯特電器制造有限公司」を子会社化。
    4月 ブラジル地域本社(Omron Management Center of Latin America)を設立。
    7月 健康支援サービス事業分野で㈱エヌ・ティ・ティ・ドコモと合弁会社を設立。 <2013年 卓球ロボット 「フォルフェウス(FORPHEUS)>
    2013年3月 中国の電子部品工場「上海オムロン制御電器有限公司」新工場開所式を開催。
    10月 ベトナム地域本社(OMRON VIETNAM CO., LTD.)を設立。
    2014年4月 オムロンオートモーティブエレクトロニクス㈱がオムロン飯田㈱を吸収合併。
    7月 コーポレートベンチャーキャピタルを担う投資子会社オムロンベンチャーズ㈱を設立。
    10月 ブラジルのネブライザー生産・販売会社であるNS Industria de Aparelhos Medicos LTDA.の他2社を傘下に持つ、MMRSV Participantcoes S.A.を子会社化。
    2015年9月 米国のモーション制御機器メーカー「Delta Tau Data Systems Inc.」およびその傘下8社を子会社化。
    10月 米国の産業用ロボットメーカー「Adept Technology Inc.」(現OMRON ROBOTICS AND SAFETY TECHNOLOGIES, INC.)およびその傘下5社を子会社化。
    2016年12月 医療機器、医療システム事業を行うオムロンコーリン㈱の全株式をフクダ電子㈱に譲渡。
    2017年1月 韓国地域本社(Omron Management Center of Korea)を設立。 <2018年 世界初 ウェアラブル血圧計>
    3月 AliveCor,Inc.とヘルスケア分野で資本・業務提携を実施。
    7月 産業用カメラのトップメーカー「センテック㈱」(現オムロンセンテック㈱)およびその傘下7社を子会社化。
    10月 米国の産業用コードリーダーメーカー「Microscan Systems Inc.」(現Omron Microscan Systems, Inc.)およびその傘下3社を子会社化。
    2018年2月 近未来をデザインする研究会社「オムロン サイニックエックス㈱」を設立。 <2018年 世界初 予防保全機能搭載           スカラロボット>   <2019年 世界初 心電計付き血圧計>
    4月 国内オムロングループにおける人事・総務・理財機能を集約した新会社「オムロンエキスパートリンク㈱」を設立。
    8月 レーザー加工装置の製造、販売、アフターサービス事業を行う「オムロンレーザーフロント㈱」の全株式を「TOWA㈱」へ譲渡。
    2019年2月 産業用電子機器の開発・製造受託サービスを手掛ける「オムロン直方㈱」の株式80%を「研華股份有限公司(アドバンテック社)」に譲渡。
    3月 健康管理サービスの分野でiAPPS Pte.Ltd.と合弁会社を設立。
    10月 車載電装部品を手掛ける、「オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社」の全株式を、日本電産株式会社に譲渡。
    2020年2月 AliveCor,Inc.を持分法適用会社化。 <2020年 世界初 統合コントローラー>
    2021年3月 持分法適用会社であった日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社の全株式を株式会社日立製作所に譲渡。
    10月 圧力センサーやフローセンサーなどの開発・製造を行う、MEMS事業を分社し、ミツミ電機株式会社に譲渡。
    2022年2月 株式会社JMDCと資本・業務提携を実施。
    4月 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。
    6月 定款を一部変更し、「企業理念の実践」について記載。
    2023年4月 エンジニア領域の人財サービス事業(派遣・請負・紹 介)を行う、「オムロンエキスパートエンジニアリング株式会社」を設立。
    飲料業界向け総合検査機メーカー「キリンテクノシステム株式会社」に出資。「オムロンキリンテクノシステム株式会社」として子会社化。

    3【事業の内容】

     当社グループは、当社および子会社117社(国内26社、海外91社)、関連会社45社(国内40社、海外5社)により構成(2023年3月31日現在)されており、電気機械器具、電子応用機械器具、精密機械器具、医療用機械器具、およびその他の一般機械器具の製造・販売およびこれらに付帯する業務を中心とした事業を営んでいますが、その製品の範囲は産業用制御機器コンポーネントの全分野およびシステム機器、さらには生活・公共関連の機器・システムへと広範囲に及んでいます。

     オペレーティング・セグメントごとの主要な事業内容、および主な関係会社は次のとおりです。

      なお、主な製品・サービスは「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  連結財務諸表注記事項 Ⅱ-Vセグメント情報」に記載しています。

    (1)インダストリアルオートメーションビジネス(IAB、制御機器事業)

    制御機器事業は、「オートメーションで人、産業、地球の豊かな未来を創造する」をビジョンに、オムロンがこれまでに培ってきた“センシング&コントロール + Think”のコア技術を基盤に、世界中の製造業のモノづくりを先進のオートメーションで革新し、産業の発展に貢献してきました。独自の価値創造コンセプト“i-Automation!”(*)を掲げ、業界随一の幅広い制御機器を軸に、製造業を中心に急激に変化する社会課題を革新的ソリューションで解決し、産業の高度化とともに働く人々の幸せの実現に貢献する社会価値の創出を目指します。

    (*)当社は、モノづくり現場の課題解決を通じて社会価値を創出する価値創造コンセプト“i-Automation!”を提唱し、モノづくり革新を牽引しながら地球環境との共存と人々の働きがいを実現するサステナビリティに向けたオートメーションの提供を推進しています。“i-Automation!”は、人をより創造的な役割に誘い、現場生産性の最大化とエネルギー効率を両立する「人を超える自働化」、人の可能性を最大に引き出し、人と機械が共に成長・進化する「人と機械の高度協調」、そして製造現場や設備をデジタル空間で再現し、モノづくり現場のDXを加速させ、業務プロセスの革新に貢献する「デジタルエンジニアリング革新」の3つのコンセプトの具現化を目指しています。

    (2)ヘルスケアビジネス(HCB、ヘルスケア事業)

    ヘルスケア事業は、「地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献」をミッションに、誰でも簡単・正確に測定できる使いやすさと、医療現場からも信頼される精度にこだわり、商品やサービスを開発しています。商品では、血圧計や体温計、喘息治療薬を吸入するための機器であるネブライザなど、各国の医療機器認証を取得したデバイスの販売を世界110ヵ国以上で展開しています。サービスでは、医師が遠隔で患者をモニタリングし処方・治療支援を行う遠隔診療サービスの提供を主要国から進めています。

    (3)ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(SSB、社会システム事業)

    社会システム事業は、「世界中の人々が安心・安全・快適に生活し続ける豊かな社会を創造する」をミッションとしています。太陽光発電用パワーコンディショナー、蓄電システム、自動改札機や券売機などの駅務システム、交通管制システム、決済システム、無停電電源装置などのデータ・電源保護といった、多岐にわたる端末・システム、さらにソフトウェア開発、保守メンテナンスによるトータルソリューションを提供し、社会インフラを支えています。

    (4)デバイス&モジュールソリューションズビジネス(DMB、電子部品事業)

    電子部品事業は、「我々のデバイスとモジュールで、顧客の価値を創造し、地球上の人と社会に貢献する」をミッションとしています。家電製品や産業機器、モビリティ、エネルギーインフラなど、幅広い業界の顧客に対して、電気を繋ぐ・切るためのコア部品となる、リレー、スイッチ、コネクターや、さまざまな製品の目や耳になるセンサなどのデバイスやモジュールを、全世界で提供するオムロンの基盤事業です。

    セグメント名 主な関係会社
    日本(26社) 米州(13社) 欧州(34社) 中華圏(18社) 東南アジア他(26社)
    IAB オムロン関西制御機器㈱ ㈱エフ・エー・テクノ SKソリューション㈱ オムロンエレクトロニクス(米国) オムロンロボティクスセーフティテクノロジー(米国) オムロンメキシコ オムロンヨーロッパ(オランダ) オムロンエレクトロニクス(スペイン) オムロンエレクトロニクス(イタリア) オムロン上海(中国) オムロンインダストリアルオートメーション(中国) オムロン台湾エレクトロニクス(台湾) オムロンアジアパシフィック(シンガポール) オムロンエレクトロニクスコリア(韓国) オムロンエレクトロニクス(タイ)
    HCB オムロンヘルスケア㈱ オムロンヘルスケアマーケティング㈱ オムロンヘルスケア(米国) オムロンヘルスケアブラジル オムロンヘルスケアヨーロッパ(オランダ) オムロンヘルスケア(イギリス) オムロンヘルスケアロシア(オランダ) オムロン大連(中国) オムロンヘルスケア(中国) オムロンメディカル北京(中国) オムロンヘルスケア韓国 オムロンヘルスケアシンガポール オムロンヘルスケアインド オムロンヘルスケアマニュファクチャリングベトナム
    SSB オムロンソーシアルソリューションズ㈱ オムロンソフトウェア㈱ オムロンフィールドエンジニアリング㈱ オムロン阿蘇㈱
    DMB オムロンリレーアンドデバイス㈱ オムロンスイッチアンドデバイス㈱ オムロンアミューズメント㈱ オムロンエレクトロニックコンポーネンツ(米国) オムロンエレクトロニックコンポーネンツヨーロッパ(オランダ) オムロンオートモーティブエレクトロニクスイタリア 上海オムロンコントロールコンポーネンツ(中国) オムロンエレクトロニックコンポーネンツ深圳(中国) オムロンエレクトロニックコンポーネンツトレーディング上海(中国) オムロンマレーシア オムロンエレクトロニックコンポーネンツ(韓国) オムロンエレクトロニックコンポーネンツ(タイ)

    (事業系統図)

     当グループにおける主要な関係会社は、概ね次の図のとおりの位置付けにあります。なお、事業系統図内の矢印は、製品およびサービスの流れを示しています。

    4【関係会社の状況】

    会社名 住所 資本金 (百万円) 主要な事業内容 セグメント名(注)1 議決権に対する 所有割合 関係内容
    役員の 兼任 貸付金 営業上の取引等
    直接 (%) 間接 (%) 計 (%)
    (連結子会社)
    オムロンスイッチアンドデバイス㈱ (注)2 鳥取県 倉吉市 300 電子機器部品の製造 DMB 100.0 100.0 当社製品の製造
    オムロンアミューズメント㈱ 愛知県 一宮市 300 電子機器部品の製造・販売 DMB 100.0 100.0 当社製品の 製造・販売
    オムロンフィールドエンジニアリング㈱ 東京都 目黒区 360 電気機器の保守サービス SSB 100.0 100.0 当社製品のメンテナンス
    オムロンリレーアンドデバイス㈱ (注)2 熊本県 山鹿市 300 電子機器部品の製造 DMB 100.0 100.0 当社製品の製造
    オムロン阿蘇㈱ 熊本県 阿蘇市 200 制御機器の製造 SSB 100.0 100.0
    オムロンヘルスケア㈱ 京都府 向日市 5,021 健康医療機器・サービスの製造・開発・販売等 HCB 100.0 100.0
    オムロンソフトウェア㈱ 京都市 中京区 360 ソフトウェアの開発 SSB 100.0 100.0
    オムロンソーシアル ソリューションズ㈱ 東京都 港区 5,000 鉄道・道路交通向けシステムの製造・販売等 SSB 100.0 100.0
    オムロン関西制御機器㈱ 大阪市 北区 310 制御機器の販売 IAB 100.0 100.0 当社製品の販売
    SKソリューション㈱ 福岡市 博多区 50 制御機器の販売 IAB 100.0 100.0 当社製品の販売
    ㈱エフ・エー・テクノ 東京都 台東区 490 制御機器の販売 IAB 100.0 100.0 当社製品の販売
    オムロンエキスパートリンク㈱ 京都市 下京区 90 国内関係会社の人事・総務・理財機能等 本社他 100.0 100.0
    OMRON MANAGEMENT CENTER OF AMERICA, INC. アメリカ イリノイ 6,891千 US.$ 北米地域の関係会社の統轄管理 本社他 100.0 100.0
    OMRON ELECTRONICS LLC アメリカ イリノイ 9,015千 US.$ 制御機器の販売 IAB 100.0 100.0 当社製品の販売
    OMRON ELETRONICA DO BRASIL LTDA. (注)2 ブラジル サンパウロ 561,330千 BRL.R$ 制御機器の販売およびブラジル関係会社の統括管理 本社他 100.0 100.0 当社製品の販売
    OMRON ELECTRONIC COMPONENTS LLC アメリカ イリノイ 3,987千 US.$ 電子機器部品事業の営業統轄管理および販売 DMB 100.0 100.0 当社製品の販売
    OMRON ROBOTICS AND SAFETY TECHNOLOGIES, INC. (注)2 アメリカ カリフォルニア 183,626千 US.$ 産業用ロボットおよびモバイルロボットの開発、製造、販売、保守サービス IAB 100.0 100.0 当社製品の製造・販売・開発 ・保守
    OMRON HEALTHCARE, INC. アメリカ イリノイ 200千 US.$ 健康医療機器の販売 HCB 100.0 100.0
    会社名 住所 資本金 (百万円) 主要な事業内容 セグメント名(注)1 議決権に対する 所有割合 関係内容
    役員の 兼任 貸付金 営業上の取引等
    直接 (%) 間接 (%) 計 (%)
    (連結子会社)
    OMRON EUROPE B.V. (注)2 オランダ ホッフドルフ 16,883千 EUR 欧州地域関係会社の統轄管理および欧州地域制御機器事業の統轄管理 本社他 100.0 100.0 当社製品の販売
    OMRON HEALTHCAREEUROPE B.V. オランダ ホッフドルフ 1,000千 EUR 健康医療機器の販売、欧州健康機器事業の統轄管理 HCB 100.0 100.0
    OMRON ELECTRONIC COMPONENTSEUROPE B.V. オランダ ホッフドルフ 1,000千 EUR 電子機器部品事業の営業統轄管理・販売 DMB 100.0 100.0 当社製品の販売
    OMRON ASIAPACIFIC PTE.LTD. シンガポール 23,465千 US.$ 東南アジア地域関係会社の統轄管理および制御機器の販売 本社他 100.0 100.0 当社製品の販売
    OMRON ELECTRONICS KOREA CO., LTD. 韓国 ソウル 950百万 KRW 制御機器の販売 IAB 100.0 100.0 当社製品の販売
    PT.OMRON MANUFACTURING OF INDONESIA インドネシア ブカシ 12,500千 US.$ 電子機器部品の製造・販売 DMB 90.0 90.0 当社製品の製造
    OMRON (CHINA) CO.,LTD. (注)2 中国 北京 1,469百万 RMB.¥ 中国地域事業の統轄管理 本社他 100.0 100.0
    OMRON DALIANCO., LTD. 中国 大連 157,237千 RMB.¥ 健康医療機器の製造 HCB 100.0 100.0
    OMRON (SHANGHAI) CO., LTD. (注)2 中国 上海 550,289千 RMB.¥ 制御機器の製造・販売・開発 IAB 100.0 100.0 当社製品の製造・販売・開発
    OMRONINDUSTRIALAUTOMATION(CHINA) CO., LTD. (注)4 中国 上海 56,067千 RMB.¥ 貿易会社 IAB 100.0 100.0 当社製品の販売
    OMRON ELECTRONIC COMPONENTS TRADING(SHANGHAI)LTD. 中国 上海 28,968 RMB.¥ 電子機器部品の販売 DMB 100.0 100.0 当社製品の販売
    SHANGHAI OMRON CONTROL COMPONENTS CO. ,LTD. 中国 上海 390,367千 RMB.¥ 電子機器部品の製造 DMB 100.0 100.0 当社製品の製造
    OMRON TAIWAN ELECTRONICS INC. 台湾 台北 869,410千 NT.$ 制御機器の販売 IAB 100.0 100.0 当社製品の販売
    OMRON ELECTRONIC COMPONENTS(SHENZHEN) LTD. 中国 深圳 276,560千 RMB.¥ 電子機器部品の製造 DMB 100.0 100.0 当社製品の製造
    OMRON HEALTHCARE (CHINA) CO., LTD. 中国 大連 51,374千 RMB.¥ 健康医療機器の貿易会社 HCB 100.0 100.0
    OMRON HONG KONG LIMITED. 中国 香港 13,314千 US.$ 電子機器部品の販売 DMB 100.0 100.0 当社製品の販売
    その他83社
    会社名 住所 資本金 (百万円) 主要な事業内容 セグメント名(注)1 議決権に対する 所有割合 関係内容
    役員の 兼任 貸付金 営業上の取引等
    直接 (%) 間接 (%) 計 (%)
    (持分法適用関連会社)
    ㈱JMDC(注)3 東京都 港区 23,994 医療統計データサービス 本社他 32.5 32.5 同社サービスの購入
    AliveCor,Inc. アメリカ カリフォルニア 224百万 US.$ 心疾患の診断と治療の支援サービスおよび商品の提供 HCB 35.3 35.3
    その他43社

    (注)1 IABはインダストリアルオートメーションビジネス、HCBはヘルスケアビジネス、SSBはソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス、DMBはデバイス&モジュールソリューションズビジネス、本社他は技術・知財本部等の本社機能の略称であり、主たる事業内容に基づくセグメントを記載しています。

    2 特定子会社です。

    3 有価証券報告書を提出しています。

    4 OMRON INDUSTRIAL AUTOMATION(CHINA)CO., LTD. の売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)は、連結売上高に占める割合が10%を超えています。

     主要な損益情報等
    ①売上高   107,895百万円 ②法人税等、持分法投資損益控除前当期純利益 18,552百万円
    ③当期純利益 13,647百万円 ④純資産額 39,626百万円 ⑤総資産額 53,967百万円

    5 上記関係会社中に、重要な債務超過の状況にある会社はありません。

    5【従業員の状況】

    (1) 連結会社の状況

    2023年3月31日現在
    セグメントの名称 従業員数(人)
    インダストリアルオートメーションビジネス 9,938
    ヘルスケアビジネス 4,486
    ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス 2,819
    デバイス&モジュールソリューションズビジネス 8,082
    本社他 2,709
    合計 28,034

     (注)従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの

        出向者を含む)です。

    (2) 提出会社の状況

    2023年3月31日現在
    従業員数(人) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(千円)
    4,621 45.5 16.3 8,987

     (注)1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)です。

        2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。

    2023年3月31日現在
    セグメントの名称 従業員数(人)
    インダストリアルオートメーションビジネス 2,543
    ヘルスケアビジネス
    ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス
    デバイス&モジュールソリューションズビジネス 1,005
    本社他 1,073
    合計 4,621

     (注)従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)です。

    (3) 労働組合の状況

    2023年3月31日現在

    名称 オムロングループ労働組合連合会 (全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会)
    結成年月 1978年4月
    組合員数(人) 7,254

    なお、会社と労働組合との間には、特記すべき事項はありません。

    (4)従業員の多様性に関する指標

    管理職に占める女性従業員の割合(%)(注1) 男性の育児休業等取得率(%)(注2) 男女の賃金差異(%) (注3)(注5)
    全従業員 従業員 パート・有期雇用
    オムロン 株式会社 9.3 42.7 68.9 69.2 53.0
    オムロン フィールドエンジニアリング株式会社 5.3 31.6 69.4 76.3 51.2
    オムロン ヘルスケア株式会社 7.1 46.7 66.0 65.7 58.9
    オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社 9.0 46.2 71.2 69.4 75.4
    オムロン ソフトウェア株式会社 5.2 50.0 73.6 73.5 *(注4)
    オムロン スイッチアンドデバイス株式会社 12.5 0.0 61.3 73.7 66.0
    オムロン リレーアンドデバイス株式会社 6.7 16.7 60.9 66.2 63.9
    オムロン エキスパートリンク株式会社 32.7 58.3 65.1 69.7 76.4
    オムロン 阿蘇株式会社 0.0 0.0 - - -
    オムロン  アミューズメント株式会社 0.0 100.0 - - -
    株式会社 エフ・エー・テクノ 0.0 50.0 - - -
    オムロン  フィールドエンジニアリング西日本株式会社 0.0 0.0 - - -

    (注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。提出会社及び常時雇用する労働者が101名以上の国内子会社を対象に、2023年4月20日を基準に集計した数値を記載しております。

         2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働奨励第25号)第71条の4第1号における育児休業の取得割合を算出したものです。提出会社及び常時雇用する労働者が101名以上の国内子会社を対象に、2022年3月21日から2023年3月20日の期間で集計した数値を記載しております。なお、「0.0」は取得対象者のうち、実際に取得した従業員が無いことを示しています。

          3 男女賃金差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき情報公表の求めのある常時雇用する労働者が301人以上の提出会社及び国内子会社を対象に、2022年3月21日から2023年3月20日の期間で集計した数値を記載しております。なお、「-」は、常時雇用する労働者が300人以下の国内子会社であり、情報公表の対象外としております。

         4 「*」は、女性の対象となる従業員が無いことを示しています。

         5 男女の賃金差異について、賃金制度・体系において性別による差異はなく、主に賃金の高い高位職層における女性比率が低いことによるものです。女性管理職比率の向上に関する取組み等については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本に関する取組み」に記載しています。

    第2【事業の状況】

    1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

     ここでは、(1)経営方針、(2)長期ビジョン「Shaping The Future 2030」、(3)中期経営計画「SF 1st Stage」(4)SF 1st Stageの経営目標という構成で記載しています。

    なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

    また、文中における「営業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「試験研究開発費」 を控除したものを表示しています。

    (1) 経営方針

    ①当社グループの企業理念

     当社グループでは、1959年に創業者・立石一真が、社憲「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」を制定しました。その後、社憲の精神を企業理念へと進化させ、時代に合わせて改定しながら、事業発展の原動力また求心力として数々のイノベーションを生み出し、社会の発展と人々の生活の向上に貢献してきました。この企業理念を社員一人ひとりが実践することで、事業を通じた社会的課題の解決を目指しています。このためには、世界中の社員の誰もが企業理念の考え方を理解し、行動することが重要であり、現在、グローバルレベルで企業理念の実践を強化しています。

     当社グループは、これからも企業理念の実践を通じて、企業の社会的責任を果たすとともに、持続的な企業価値の向上を目指します。

     なお、今後も企業理念を実践し、社会の発展と企業価値の向上に努めていく当社の経営の根幹は普遍であることを明確にするために、第85期定時株主総会(2022年6月23日開催)にて同企業理念を定款に記載する旨の議案を上程し、株主様の賛成を得て定款の一部を変更しました。

    ②企業理念に基づく経営のスタンス

     当社グループでは、すべてのステークホルダーに対して、事業を通じて企業理念を実践していくための経営の姿勢や考え方を示すものとして、「経営のスタンス」を宣言しています。それらを「長期ビジョン」「オムロングループ マネジメントポリシー」「ステークホルダーエンゲージメント」の各方針に体系化し、実践しています。

     また、この「経営のスタンス」は、企業の永続的な成長を目指すものであるため、当社グループの「サステナビリティ方針」としても同内容を掲げています。

    (各サステナビリティ目標値については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) SF 1st Stageの経営目標」、取組みの詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)事業環境、経営成績等の状況・分析・検討 ①当社グループの経営成績の実績及び見通し」をご覧ください)

    ③当社グループの存在意義

     当社グループの存在意義は、「事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献し続けること」です。これを実現するためには社会価値を創出し、正しく利益を得る、再投資するというサイクルを回すことで社会的課題の解決を拡大再生産できる仕組みを構築することが重要と考えています。

    (参考)企業理念浸透への取組み

     当社グループでは、企業理念を現場に浸透・共鳴させるために様々な活動を行っています。

    <企業理念の実践を支える主な取組み>

    ・企業理念ダイアログ

     経営トップ自らがグローバル各拠点を訪問し、企業理念について世界各地の経営幹部や現場社員と対話を行います。そこでは、日常業務における企業理念の大切さや、経営トップ自らが事業責任者として企業理念を実践した当時の経験など実例を交えた講話が行われます。その後、参加者が互いの理念実践事例を共有・共鳴し合い、そこでの気づきを踏まえ、今後の企業理念実践アクションプランについて議論が交わされます。このように企業理念ダイアログは、各地の経営幹部や現場社員にとって企業理念の実践に向けた行動を加速する機会となっています。

    ・エンゲージメントサーベイ「VOICE」

     当社グループでは、経営陣がグローバル全社員の生の声をエンゲージメントサーベイ「VOICE」により集計し、当社グループで働く従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を経営陣と社員が一緒に実現する、エンゲージメントマネジメントに取り組んでいます。

     VOICEは2016年から2年に一度実施し、グローバル全従業員に約70問の質問を送り、回答及びフリーコメントを収集しています。今回(2022年9月~10月実施)の調査における回答率は91%、3万8千件のフリーコメントが寄せられました。これらの回答を詳細に分析し、会社の魅力度を測るとともに、経営陣が調査結果から導かれた組織課題についての議論を行い、目標を明確に定めたのちにアクションを推進しています。

     なお、VOICEをきっかけに、コーポレートシステム刷新によるDXの着手、JOB型をベースとした人事評価制度の見直し、360度フィードバックによる管理職の課題抽出とトレーニング実施等の具体的なアクションに取り組んでいます。

    ・The OMRON Global Award (TOGA)

     社員による業務を通じた企業理念実践の物語をグローバル全社員で共有するプログラムです。TOGAは、社員自らが社会的課題の解決に向けた目標を立てることで、企業理念実践にチャレンジし続ける風土の醸成を狙いとしています。日々の仕事や職場における企業理念実践の取組みを全社員で共有し、称えあうことで、企業理念実践への共感、共鳴の輪を拡大しています。

     TOGAについての詳細はウェブサイトをご覧ください。

     https://www.omron.com/jp/ja/about/corporate/vision/initiative/#

    (2) 長期ビジョン「Shaping The Future 2030」(2022~2030年度)

     オムロンは、2022年度から2030年度までの新たな長期ビジョン(呼称:「Shaping The Future 2030」、略称:「SF2030」)を策定し、スタートさせました。当ビジョンにおいては、社会が変革期を迎える中、オムロンがその存在意義を発揮し、より多くの社会的課題の解決を通じて社会の発展に貢献し続けるため、自らの変革と新たな価値創造のストーリーを定めました。この「SF2030」のもと、事業の成長とサステナビリティ課題への取組みを一体化して進化させ、企業価値を向上させていきます。

    ①「SF2030」ビジョンステートメント

     「SF2030」には、「オムロングループ全社員が企業理念を実践し、センシング&コントロール+Think技術で、持続可能な社会をステークホルダーとともにつくっていく」という思いを込めています。

    ②オムロンが想定する2030年の社会

     私たちは、効率や生産性を追求する「工業社会」を経て、物質的な豊かさを手に入れました。しかし人々の価値観はモノの豊かさから心の豊かさに大きく変化しています。例えば、人々の環境問題に対する意識、仕事に対する価値観は大きく変わってきています。サステナブルな製品や生活を選択することはもちろん、仕事においても、自分の能力を発揮できる仕事を通じ、ワークライフバランスを見つめなおす動きが加速しています。新たな社会・経済システムへの移行期である現在、そして次の10年は、新旧の価値観がぶつかりあい、社会・経済システムへのひずみが生じることにより社会的課題が次々に発生する時代の転換期にあると考えています。オムロンはこれらの社会的課題を解決することで社会価値を創出し、社会全体の豊かさと自分らしさの追求が両立する社会の実現に貢献し続けます。

    ③オムロンが創出する社会価値

     社会価値の創出に向けて、オムロンは、社会に与えるインパクトが大きく、オムロンの強みであるオートメーションと顧客資産や事業資産を活かす観点から、3つの社会的課題「カーボンニュートラルの実現への貢献」、「デジタル化社会の実現への貢献」、「健康寿命の延伸への貢献」を設定しました。

     カーボンニュートラルの実現を通じて地球温暖化問題へ取り組み、安心・安全・便利な暮らしと自然環境の両立を実現するエネルギーシステム作りに貢献します。

     デジタル化社会の実現においては、年齢や貧富の差に関わらず、必要な情報を必要な人が得ることができる状態を作ることが求められています。オムロンは、誰もがその恩恵にあずかることができるデジタル化社会の実現を通じて格差社会から生まれる問題の解決に取り組み、人々があらゆる制約から解放され、楽しく創造的でかつ、持続可能な社会を実現するものづくりやインフラ作りに貢献します。

     また、高齢化が進む社会において、健康寿命を延ばすことは、個人はもちろん、家族が幸せな生活を送るためにとても重要なことです。加えて、医療費の抑制といった観点からも重要です。オムロンは健康寿命の延伸のためにあらゆる人が健康で豊かな自立した人生を送るためのヘルスケアシステムを構築することで高齢化社会における問題の解決に真正面から取り組んでいきます。

       <オムロンが捉える社会的課題と創出する社会価値>

     これらの3つの社会的課題の解決による社会インパクトを最大化するために、「SF2030」より、グループのドメインを見直し、改めて4つのドメインを設定するとともに同領域での社会価値を定めました。インダストリアルオートメーションでは、「持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化」への貢献を目指します。ヘルスケアソリューションでは、「循環器疾患の“ゼロイベント”」への貢献を目指します。ソーシャルソリューションでは、「再生可能エネルギーの普及・効率的利用とデジタル社会のインフラ持続性」への貢献を目指します。デバイス&モジュールソリューションでは、「新エネルギーと高速通信の普及」への貢献を目指します。

       <4つのドメインが創出する社会価値>

    インダストリアルオートメーション

     インダストリアルオートメーションでは「持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化」へ貢献します。これまでオムロンは、i-Automation!で、お客様との共創を通じてアプリケーションを創出し、様々な業界のモノづくりの技術革新や人手不足の解消、生産性の向上を実現させてきました。これからは、i-Automation!をさらに進化させ、生産性とエネルギー効率の最大化による地球環境との共存や、人の可能性を最大発揮できる製造現場の構築や業務プロセスの改善やエンジニアリング領域の業務効率向上を通じて作業者の働きがいも両立させるサステナブルな未来を支える製造現場を構築していきます。

    ヘルスケアソリューション

     ヘルスケアソリューションでは、「循環器疾患の“ゼロイベント”」へ貢献します。これまでオムロンは、医療品質の家庭用デバイスをグローバルに普及させ、家庭で計測した血圧データを用いた診断・治療プロセスをつくり、脳・心血管イベント発症の予防に貢献してきました。これからは、イベント発症を未然に防ぐ、新しい予防医療の仕組みを構築することで、誰もが自然と健康に暮らすことのできる社会、質の高い医療を誰もがどこでも受けられる社会の実現を目指していきます。その社会に向けて、日常生活下でバイタルデータが測定できるデバイスの創出、医師の診断・治療の意思決定を支援するアルゴリズムを用いた遠隔診療サービスの導入や、新しい予防医療サービスの開発を実現します。

    ソーシャルソリューション

     ソーシャルソリューションでは、「再生可能エネルギーの普及・効率的利用とデジタル社会のインフラ持続性」への貢献を目指します。オムロンはこれまで、太陽光発電や蓄電池の普及に貢献してきました。これからは、進化したエネルギー制御技術で発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献します。また、社会インフラ領域においては、様々な機器、施設の運用現場を熟知し、日本全国を網羅するサービス網を通じ、運用・保守を支えてきました。これからは、現場システムの効率的な運用を支援するマネジメント&サービスで、運用・保守プロセスを革新していきます。

    デバイス&モジュールソリューション

     デバイス&モジュールソリューションでは、「新エネルギーと高速通信の普及」に貢献します。オムロンはこれまで、電気を繋ぐ・切る技術で、高い性能と品質を持つリレーやスイッチを顧客の製品に組み込み、グローバルに広く提供してきました。これからは、環境負荷の低いエネルギーの導入によりあらゆる機器が直流化します。この変化を踏まえて、オムロンは、放電を安全に制御する技術や故障タイミングを事前に検知する技術で、火災や感電を防ぎ、機器の安全性を高めるデバイスを創出します。また、高速通信の普及では、耐ノイズ性能を高める技術と、これまで培った微細加工技術を用いた量産化により、「途切れない接続」を可能とする高周波対応デバイスを創出します。

    ④「SF2030」におけるサステナビリティ重要課題

     オムロンは「SF2030」のもと、事業の成長とサステナビリティ課題への取組みを一体化して進化させ、推進しています。社会価値と経済価値を生み出すのは、「事業を通じた社会的課題の解決」そのものです。その実現のためには、ソーシャルニーズ創造による新規事業やそれを支える多様な人財づくりが欠かせません。これらは「オムロンの持続的成長」にも繋がります。また、脱炭素・環境負荷低減やバリューチェーンにおける人権の尊重は、「社会の持続的発展」を促すための企業の社会的責任として必須となっています。「SF2030」では、これらの5つのサステナビリティ重要課題に取り組むことで、社会価値と経済価値の両方を創出し、企業価値の最大化を目指します。

      (注) 1 Scope1・2:自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス

              2 Scope3 カテゴリー11:Scope3は自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出。そのうち、カテゴリー11は製造・販売

              した製品・サービス等の使用に伴う排出。

    ※「SF2030オムロンの進化の方向性」など、「SF2030」の詳細は、弊社ウェブサイトに掲載しています。

     特設サイト:https://www.omron.com/jp/ja/sf2030/

    ※サステナビリティ重要課題特定プロセスの詳細は、ウェブサイトをご覧ください。

    https://sustainability.omron.com/jp/omron\_csr/sustainability\_management/

    (3) 中期経営計画「SF 1st Stage」(2022年度~2024年度)

     2022年度から2024年度までの中期経営計画 (以下、SF 1st Stage)では、この3年間を「SF2030」ビジョン達成に向けて、社会的課題を捉えた価値創造と持続的成長への能力転換を加速する“トランスフォーメーション加速期”と位置づけました。社会構造の変化に伴い生じる成長機会を掴み、これまで培った競争力を発揮することで力強い成長を実現します。それと同時に、変化する社会に適応するため組織能力の転換を推進し、成長の持続性を高めてまいります。

    <長期ビジョン「SF2030」における1st Stageの位置づけ>

    ①SF 1st Stage方針

     SF 1st Stageの全社方針は、「トランスフォーメーションの加速による価値創造への挑戦」です。この実現に向けて、3つのグループ戦略を設定しました。1つ目は、事業のトランスフォーメーションです。具体的には、4コア事業(制御機器事業・ヘルスケア事業・社会システム事業・電子部品事業)の進化、顧客資産型サービス事業の拡大、社会的課題起点での新規事業の創出に取り組んでいます。4コア事業の進化については、それぞれが成長領域を見直し注力事業を設定し、新たな価値創造を実現することで売上成長を牽引していきます。2つ目は、企業運営・組織能力のトランスフォーメーションです。事業環境の変化に適応しながら価値創造し続けるために、ダイバーシティ&インクルージョンの加速、DXによるデータドリブンの企業運営、サプライチェーンのレジリエンス向上に取り組んでいます。そして、3つ目は、サステナビリティへの取組み強化です。特に、脱炭素・環境負荷低減に向けた温室効果ガス排出量の削減、バリューチェーンにおける人権尊重の徹底に取り組んでいます。

    <SF 1st Stageの全社方針と3つのグループ戦略>

    ②SF 1st Stageにおける3つのグループ戦略

    Ⅰ 事業のトランスフォーメーション

     (ⅰ)4コア事業の進化

     長期ビジョン「SF2030」で掲げている4つのドメインで、3つの社会的課題の解決に向けて、事業の進化と成長を通じて社会価値を創出していきます。4つのドメインを担う4コア事業では、注力事業を再設定し、事業ポートフォリオを進化させていきます。各注力事業が新たな成長機会を獲得するため、これまで構築した資産・能力を最大活用していきます。また、新たな顧客価値を創造し、そして市場競争を勝ち抜く強固な無形資産の構築を進め、高い売上成長を実現していきます。

    IAB(制御機器事業)

     持続可能な社会への移行に伴い、モノづくりが変化するデジタルや環境モビリティ、食品・日用品に加え医療、物流業界といった成長業界を注力事業と設定し、フォーカスしていきます。

           (注)売上成長(CAGR)の2021年度累積は、制御機器事業の一部商品を電子部品事業に組み替えて表示しています。

    HCB(ヘルスケア事業)

     循環器、呼吸器、ペインマネジメント、そして遠隔診療サービスを注力事業に設定しました。

    SSB(社会システム事業)

     注力事業を「再生可能エネルギー制御」、そして保守や運営支援などを行うマネジメント&サービスとしました。

           (注)Power Purchase Agreement(電力販売契約)の略称

    DMB(電子部品事業)

     電子部品事業では、社会のデジタル化に伴いあらゆる機器が直流化する流れを先取りして対応していきます。

           (注)売上成長(CAGR)の2021年度累積は、制御機器事業の一部商品を電子部品事業に組み替えて表示しています

     以上のように、これらの4コア事業で注力事業を定め、売上成長を牽引していきます。全社の注力事業の売上は、2021年度から2024年度には35%程度の増加となる、1,200億円超増加の大幅成長を計画、制御機器事業を中心に注力事業の成長がグループの成長をリードします。

     これらの成長の実現にむけて、4コア事業の中でも、特に事業成長のポテンシャルが大きい制御機器事業に対しては、新たなアプリケーションやロボットをはじめとする製品の開発、アプリケーションエンジニアの採用と能力強化への人財投資、サービス事業拡大に向けた基盤構築に向けた投資を積極的に行います。

    (ⅱ) 顧客資産型サービス事業の拡大

     これまで、モノのインストールを通じて培った顧客資産(現場知見や現場データ)を活かし、顧客の本質的課題を解決する多様なサービスにより顧客への提供価値を拡大し、サービス事業の売上高を当社グループの売上高比で2024年度までに10%以上に引き上げることを目指します。

     例えば、制御機器事業において、磨き上げた革新FAアプリで獲得した累計20万社の顧客や、ヘルスケア事業のオムロンコネクトのマンスリーアクティブユーザー、システム導入・運用を通じてつながる鉄道会社顧客等の顧客資産を活用し、コンサルティングや、アフターサービス等、顧客の本質的課題を解決する多様なサービスにより、顧客への提供価値を拡大します。

    (ⅲ) 社会的課題起点での新規事業の創出

     社会的課題を起点に事業テーマを設定し、事業構想・事業開発とオートメーション技術開発を一体化して進めることで新事業の創出確度を高め、2024年度までに3つの新たな事業を創出します。

     事業アーキテクチャ(ビジネスモデル)と技術アーキテクチャを相互に連携させたアーキテクチャの策定を行い、さらに、製品・サービス・ビジネスモデル開発と技術開発を連携させた事業開発を行うことで、より戦略的な新事業の創出を各事業およびイノベーション推進本部にて実行します。

     特にイノベーション推進本部では、社会的課題を解決するために近未来をデザインし、その実現に必要な戦略を明確に描き実行することで新規事業の創出を目指します。全社のイノベーションプラットフォームとして新たな事業機会の発掘に挑戦し、ビジネスモデルを変革しながら新事業を生み出していくことでソーシャルニーズを創造し、よりよい社会の実現に貢献していきます。

    Ⅱ 企業運営・組織能力のトランスフォーメーション

     グループ戦略の二つ目である企業運営・組織能力のトランスフォーメーションでは、事業環境の変化に適応しながら価値創造し続けるために、企業運営と組織能力を進化させていきます。そのために、自社、社会、事業環境の観点から、トランスフォーメーションに取り組むべき3つの領域を掲げました。

    <企業経営・組織能力のトランスフォーメーション>

    (ⅰ) ダイバーシティ&インクルージョンの加速

     ダイバーシティ&インクルージョンの加速では、成長意欲ある人財への積極的な投資を従来比3倍強の3年累計60億円まで拡大することや、既に管理職には導入されているジョブ型人事制度を順次一般社員まで拡大することに加え、社会的課題解決の成果を分かちあうための取組み・制度として、企業理念実践の場であり、社会課題解決事例への共感の場であるTOGAのさらなる進化や、新たにグローバルの全ての管理職を対象にした業績連動型株式報酬制度の導入により強化するなどの人事施策を加速いたします。

     これらの施策の推進により、付加価値額を人件費で割って算出する人的創造性を、2024年度では2021年度比で7%向上させます。この指標は一人ひとりの能力発揮による価値創造の成果指標であり、重要な戦略目標と位置付けています。

    その他のダイバーシティ&インクルージョンの取組みは「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」に記載しています。

    (ⅱ) DXによるデータドリブンの企業運営

     DXによる企業運営の進化では、付加価値拡大と業務の効率化を目的に、バリューチェーン情報の連結による事業スピードの向上とコスト改善力の獲得、成長ドライバと事業リスクのタイムリーなマネジメントによる企業価値の向上、グローバル全社員の見える化を通じた適所適材による組織能力の最大化、グローバルエクセレントカンパニー水準のガバナンスと生産性の両立の4つの領域でデジタルトランスフォーメーションを推進します。SF 1st Stage各領域で業務プロセスの標準化を推進し、DX基盤の初期モデル構築を実現いたします。

    (ⅲ) サプライチェーンのレジリエンス向上

     サプライチェーンを取り巻く環境は、地政学リスクの高まりや物流価格高騰の長期化、カーボンニュートラルや人権尊重への対応等、大きく変化しています。この事業環境の変化により、これまでのサプライチェーンマネジメントの前提も大きく変化しています。よりレジリエントなサプライチェーンマネジメントの構築を進め、変化対応力をさらに高めてまいります。

     Ⅲ サステナビリティへの取組み強化(環境・人権取組みの強化)

     グループ戦略の3つ目は、サステナビリティへの取組み強化です。なかでも、「脱炭素・環境負荷低減に向けた 温室効果ガス排出量の削減」と、「グローバルでの人権尊重の取組み徹底」に注力します。

    (サステナビリティの取組みの詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。)

    (ⅰ) 脱炭素・環境負荷低減の実現

     オムロンは、2018年7月に、2050年にScope1・2について温室効果ガス排出量ゼロを目指す「オムロン カーボンゼロ」を設定し、着実に温室効果ガス排出量の削減を行っています。SF 1st Stageにおいては、以下の取組みを推進しています。

    SF 1st Stageでの主な取組み

    温室効果ガス 排出量の削減 Scope1・2 自社領域からの排出量 Scope1・2については、SF 1st Stage期間中の2016年度比53%の削減と国内全76拠点を対象とするScope2カーボンゼロ化に取り組んでいます。
    Scope3カテゴリー11 製造・販売した 製品・サービス等の 使用に伴う排出量 Scope3については、当社の温室効果ガス排出量の約8割を占めるScope3カテゴリー11において2030年度に2016年度比18%削減を実現すべく、各事業で新商品の省エネ設計などを継続して実施しています。
    循環経済への移行 資源枯渇や環境破壊の問題を解決するため、「ビジネスモデルの変革」、「製品寿命の延長」、「回収・リサイクルの拡大」、「循環型の原材料調達」、「再資源化率の最大化」などにより循環経済への移行に継続して取り組みます。

    (ⅱ) グローバルでの人権尊重の取組み徹底

      SF 1st Stage期間において、バリューチェーンにおける人権の尊重への取組みを強化していきます。

     これまでオムロンでは、自社生産拠点および重要仕入先を対象にしたサステナビリティセルフアセスメントなどを活用して人権リスク調査や対策を行ってきました。これらに加えて、SF 1st Stageでは対象をバリューチェーン全体に拡大し、オムロン人権方針に従い、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」に沿った取組みを強化し、グローバルにおける人権ガバナンス体制の確立を目指します。

    SF 1st Stageでの主な取組み

    UNGPに沿った 人権デューディリ ジェンスの実施 バリューチェーン全体を俯瞰した人権影響評価を実施することにより、「顕著な人権課題」を特定し、人権デューディリジェンスのサイクルを回せる状態を作り込んでいきます。
    各国・地域に 適した人権救済 メカニズムの構築 オムロンが人権に対して悪影響を引き起こしたり、または助長を確認した場合、正当な手続きを通じた救済を実行できるよう、各国・地域に適した人権救済メカニズムを構築していきます。

     オムロンのバリューチェーンに関わる人々が人権リスクにさらされずに働き、生活できることは、持続可能なビジネスの基盤であり、よりよい社会へと繋がると考えています。これらの取組みを通じて、オムロンの成長力へと変えていきます。

    <(参考)オムロンの人権方針>

     サステナビリティ重要課題の一つである「バリューチェーンにおける人権の尊重」を実現するため、2022年3月1日に「オムロン人権方針」を制定しました。2011年に国連においてUNGPが採択されたことにより企業の人権尊重責任が明確化され、グローバルで企業を対象とする人権関連の法規制やルールづくりが進んでいます。近年では、UNGPに沿った人権取組みが企業に義務化される動きが高まっており、事業継続の観点からも重要性を増しています。オムロンは、国際社会と協調した経営や行動に努め、バリューチェーン全体で人権リスクの低減に取り組みます。

    オムロングループ人権方針は以下を参照ください。

    https://sustainability.omron.com/jp/social/human-rights/

    (4) SF 1st Stageの経営目標

     SF 1st Stageでは、事業成長とサステナビリティ課題への取組みを今まで以上に融合させた価値創造に取り組むことから、経営目標に、財務目標に加え、非財務目標を設定しました。

    <中期経営計画(SF 1st Stage)の財務目標>

    <中期経営計画(SF 1st Stage)の非財務目標>

    (注) 1 「カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」に繋がる注力事業の売上高。

         2 GHG:温室効果ガス

         3  各リージョン:米州、欧州、アジア、中華圏、韓国、日本

         4  非財務目標の⑧から⑩は、社員投票で決定した目標。

     SF 1st Stageの経営目標(財務目標・非財務目標)の進捗は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」にて記載しています。

    <参考> 「SF2030」サステナビリティ重要課題と2024年の目標

    (注)1 Scope1・2: 自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス

        2 Scope3 カテゴリー11:  自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出のうち製造・販売した製品・サービス等の

                  使用に伴う排出

        3 UNGP: 国連のビジネスと人権に関する指導原則

     2022年度の進捗は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」にて記載しています。

    2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

     オムロンは、創業の時代から社会的課題への解決を標榜し、「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」という社憲を原点に、一貫してサステナビリティを重視した経営を推進してまいりました。オムロンにとってサステナビリティとは、企業理念を実践することに他なりません。つまり、企業理念に基づき持続的な企業価値の向上を図り、地球視点で社会の持続的発展を追求していくという考え方が基本にあります。

     「SF2030」では、社会の急速なパラダイムシフトを成長の機会として捉え、サステナビリティ取り組みと事業活動を統合し、より一層の能動的な取り組みへと進化させてまいります。

     ここでは、(1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み、(2)気候変動の対応、(3)人的資本に関する取組みについて、それぞれ「①ガバナンス」「②戦略」「③リスク管理」「④指標と目標」の項目で記載します。

    (1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み

    ①ガバナンス

    ・全社でのサステナビリティ推進体制として、取締役会の直下に「サステナビリティ推進室」を設け、サステナビリティ課題の管理を行うとともに、執行部門に「サステナビリティ推進委員会」を設置、サステナビリティ課題への取組みを実行しています。

     具体的には、サステナビリティ推進委員会は、注力ドメイン及び本社機能部門、各種委員会(企業倫理リスクマネジメント委員会、情報開示実行委員会、グループ環境委員会など)におけるサステナビリティに関わる重要課題の特定、年度計画の策定やその進捗モニタリングを統括し、執行会議への報告を行っています。

     また、これらの委員会の活動内容は、サステナビリティ推進室や、執行部門から定期的に取締役会に報告しています。サステナビリティ重要課題の取組み推進は、2022年度の取締役会の重点テーマの一つとして重点的な監督を受けています。さらに、2023年度よりサステナビリティ担当の取締役および業務執行としてのサステナビリティ推進担当役員を設置し、グループ全体でのさらなるガバナンスの強化を図っています。

     ※取締役会でのサステナビリティ重要課題の取組み推進についての議論の詳細については、以下の「2022年度取締役会実効性評価結果」をご参照ください。

    https://www.omron.com/jp/ja/assets/img/sustainability/governance/corporate\_governance/chart/20230601\_governance\_effectiveness\_j.pdf

    <サステナビリティ推進のためのマネジメント構造>

    ・2017年度から役員報酬の中長期業績連動報酬(株式報酬)の評価に、DJSIの調査に基づくサステナビリティ評価を組み入れています。さらに、オムロンの成長に寄与するKPIとして「温室効果ガス排出量の削減」「社員に対するエンゲージメントサーベイにおけるSustainable Engagement Index (SEI)のスコア」を、2020年度の役員報酬制度の改訂において新たに追加しました。

     第三者機関のサステナビリティ評価を採用することで公正性・透明性を高め、サステナビリティ方針・目標・KPI・進捗状況をウェブサイトなどで開示することで、ステークホルダーとの対話を強化し、取組みの進化に活かしています。

     役員報酬制度の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等①役員報酬等」の内容をご覧ください。 

    ②戦略

    ・私たちオムロンの存在意義は「事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献し続けること」です。これを実現していくために、オムロンが注力すべきサステナビリティ重要課題を特定し、中長期戦略の中に組み込んで具体的な取組みと目標を設定して事業を通じて実行しています。

    「SF2030」では、事業とサステナビリティを統合し、社会価値と経済価値の両方を創出することで企業価値の最大化を目指します。

     詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。 ③リスク管理

     「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。 ④指標及び目標

    ・サステナビリティに関する指標及び目標は、以下に記載しています。

     2030年度・2024年度の目標「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」

     2022年度の進捗     「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」

    ・サステナビリティ課題への取組みに対する社外からの評価

    当社がこれまで継続してきた、事業を通じたサステナビリティ課題の解決への取組みが高く評価され、DJSIワールドを始め世界標準の様々なインデックスへの組み入れや表彰を受けています。

    <第三者評価の推移>

    2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
    Dow Jones Sustainability Indices DJSI-World DJSI-World DJSI-World DJSI-World DJSI-World
    S&P Global Sustainability Award - - Gold Class Silver Class Top 5%(注)
    CDP(気候変動) B A- A- A- A
    EcoVadis SILVER GOLD PLATINUM GOLD PLATINUM

       (注) S&P Global社によるSustainability Award は2022年度から評価の記載が変更になりました。

        ※社外からの評価の詳細については下記をご参照ください。

         https://sustainability.omron.com/jp/evaluation/     

    (2)気候変動への対応

     世界各地で異常気象による大規模な自然災害が多発する中、気候変動は当社が取り組むべき最重要課題であると捉え、2022年度からスタートした長期ビジョン「SF2030」のもと、社会的課題である「カーボンニュートラル社会の実現」に挑みます。

     2019年2月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明以降、株主・投資家などのステークホルダーと当社の気候変動取組みについてのエンゲージメントを強化するため、TCFDのフレームワークに基づいた情報開示を進めています。

    TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示

     TCFD提言は、すべての企業に対し、「①ガバナンス」「②戦略」「③リスク管理」「④指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しています。当社グループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、当社の気候関連への取組みを開示します。

    ①ガバナンス

    ・オムロン環境方針

     「SF2030」におけるサステナビリティ重要課題、「事業を通じた社会的課題の解決」「脱炭素・環境負荷低減の実現」を推進し、目標達成するための重要な指針として、2022年3月1日に「オムロン環境方針」を改定しました。この方針で、取り組むべき重要な環境課題と行動指針を定めたうえで、脱炭素・環境負荷低減に取り組みます。今後、オムロンは本方針に基づき、バリューチェーン全体での環境課題解決に取り組み、ステークホルダーの期待に応えることで企業価値の向上につなげていきます。

    ※オムロン環境方針は下記をご参照ください。

    https://sustainability.omron.com/jp/environ/management/vision/

    ・取締役会の役割・監視体制

     当社グループでは、「オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシー」において、TCFD等の枠組みに基づく気候変動リスクへの取組みを含むサステナビリティ方針・重要課題および目標について、取締役会が決定・開示することを明確に定めています。

     TCFD提言に沿って「SF2030」及び中期経営計画と連動させ各事業のシナリオ分析を行い特定した気候変動に関するリスクや事業機会、目標や具体的な取組み施策については、執行会議およびサステナビリティ委員会で協議・決定・進捗管理・モニタリングを定期的に実施し、必要に応じて是正策を検討します。取締役会は、執行会議で協議・決定された内容の報告を定期的に受け、論議・監督を行っています。

     また、2021年度から2024年度を対象とする社内取締役および執行役員の中長期業績連動報酬(株式報酬)(注)の評価指標の一部として、温室効果ガス排出量の削減目標、気候変動対応を含む第三者機関によるサステナビリティ指標(Dow Jones Sustainability Indices)に基づく評価を組み込んでいます。

    (注)詳細は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」参照   ②戦略

    ・短期・中期・長期の気候関連リスク・機会および対応

     長期ビジョン「SF2030」および中期経営計画では、サステナビリティ重要課題「脱炭素・環境負荷低減の実現」を設定し、気候変動を「機会」と「リスク」の二側面で捉え、企業としての社会的責任の実践と更なる競争優位性の構築を図ります。

     そして、気候変動による生態系および人間社会に対する深刻な影響の拡大を抑止するため、当社グループは「脱炭素に向けた製品・サービスの提供」、「モノとサービスを組み合わせたビジネスモデルの進化」、「パートナーとの共創」、「エネルギー効率の改善」、「再生可能エネルギーの使用拡大」などによりバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量削減に取り組んでいきます。

     その中で、当社グループは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などが発表する「世界の平均気温が4℃以上上昇する」「世界の平均気温がパリ協定で合意した2℃未満の上昇に抑えられる(一部1.5℃以内)」の2つのシナリオで、リスクと機会を分析し、気候変動問題解決にはオムロンの対応が必要であると再確認しました。具体的には、インダストリアルオートメーションの分野において、

    i-Automation!”を進化させ、地球環境との共存と、働く人々の働きがいも両立させるサステナブルな未来を支える製造現場を構築し、生産性とエネルギー効率を高めるオートメーションの実現を目指します。また、ソーシャルソリューションの分野において、これまで太陽光発電や蓄電池の普及に貢献してきましたが、今後は、進化したエネルギー制御技術で発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献します。またデバイス&モジュールソリューション分野では、製品の環境性能向上、およびカーボンフットプリント削減への関心の高まりによる電子部品事業の製品における省エネ・省資源の開発・および提供も加速します。その他にも社会と様々な接点を持つ当社グループは、社会の多くの場面でカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。

     また、2022年度では、当社グループは国内製造業で初めてEP100に加盟し、制御機器事業とヘルスケア事業のすべての生産拠点において1ギガワット時(GWh)当たりの売上高比率である「エネルギー生産性」を2040年までに2016年比で倍増させることをコミットしました。現在、血圧計や体温計の国内生産拠点である松坂事業所では、制御機器事業とヘルスケア事業が連携し、エネルギー消費量を減らしながら生産量を倍増する仕組みづくりに取り組んでいます。取組みを通じて得たノウハウを自社だけにとどまらず世の中に提供していくことで、製造業および社会の脱炭素化に貢献していきます。

    ・事業を通じてカーボンニュートラルに貢献する全社売上高目標と進捗

     2024年までの中期経営計画では、事業を通じてカーボンニュートラルに貢献する全社売上高(Green Revenue)の目標を1,300億円と設定しています。その初年度である2022年度の実績は、カーボンニュートラルへの取組みを加速し、1,092億円(計画比+105%) を達成しました。

    当社グループが認識する気候関連リスク及び、製品・サービス市場ごとの機会は以下の通りです。

    <当社グループの気候変動のリスク・機会の概要と対応>

    (注)リスクとして記載の物理リスクは、日本、中国を中心とする主要生産15拠点を対象として、ハザードマップ、AQUEDUCTを活用した分析を実施しました。100年に一度の災害が発生した際には、2拠点がリスクに晒されることが明らかになりましたが、再現期間を加味した年間影響額は1.5/2℃・4℃どちらのシナリオでも極めて小さいことから影響度は「小」としております。

    <TCFDシナリオの前提>

    <事業及び財務への影響度(大・中・小)の定義>

       ※・リスクへの影響度として営業利益に対してプラスもしくはマイナスの影響を定義しております。

        ・影響度は、特定したリスク・機会へ対応した場合を記載しております。 ③リスク管理

    ・リスクを評価・識別・管理するプロセス

     当社グループは、各事業のシナリオ分析を実施し、気候変動影響による「移行リスク」「物理リスク」を網羅的に抽出しています。そして、抽出した気候変動に伴うリスクについて、採用シナリオごとに「顕在時期」「事業および財務への影響額」を可視化し、事業および財務への影響度を評価しています。評価を基に当社グループにとって重要な気候変動に伴うリスクを特定し、事業リスクの一環として全社リスクマネジメントに統合しています。なお、対応策の立案にあたっての重要事項は、取締役会へ報告しています。

    2022年度は、制御機器事業、ヘルスケア事業及び電子部品事業については、2021年度のシナリオ分析の結果を再評価し、社会システム事業については、シナリオ分析を再実施しました。物理リスクについては、各事業における主力製造拠点のリスク評価の見直しを行いました。

    ・全社リスクマネジメントへの統合状況

     当社グループは、リスクを全社的に管理する体制を構築することが重要であることを踏まえ、グループ共通のフレームワークで統合リスクマネジメントの取組みを行っています。気候変動リスクをグループ重要リスクと識別・評価し、シナリオ分析によるリスクと整合させ、バリューチェーン全体での取り組みのモニタリングを行っています。 ④指標と目標

    ・気候変動のリスク・機会に関する指標

     当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3(注1)の温室効果ガス排出量、および事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギーに関する指標を定めています。

    ・温室効果ガス排出量に関する目標及び実績(Scope1・2・3)

     当社グループは、環境分野において、持続可能な社会をつくることが企業理念にある「よりよい社会をつくる」ことと捉え、2018年7月に、2050年にScope1・2について温室効果ガス排出量ゼロを目指す「オムロン カーボンゼロ」を設定しました。

     そして2022年3月、オムロンはカーボンニュートラル社会の実現に向けて取り組みを進化させ、Scope1・2については、削減シナリオを2℃シナリオからより積極的な1.5℃シナリオに変更しました 。また、Scope3カテゴリー11について、2030年に18%削減(2016年度比)という目標を新たに設定しました。これらの目標はSBTイニシアチブ(注2)の認定を受けています。

     また、目標達成に向けて、オムロンは、引き続きエネルギー効率の改善を進めるとともに、自社のエネルギーソリューション事業が提供する再エネ由来のJ-クレジット(注3)や自己託送(注4)などを活用することで、2024年度にScope2についてオムロンの国内拠点のカーボンゼロ(注5)の実現を目指します。

    <温室効果ガス排出量に関する目標及び実績(Scope 1・2・3)>

    (注)1 Scope1・2:自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス

         Scope3カテゴリー11:Scope3は自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出。そのうち、カテゴリー11は製造・販売した製品・サービス等の使用に伴う排出。

       2 SBTイニシアチブ(Science Based Targets イニシアチブ):科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減の中長期目標設定を推奨している国際的イニシアチブ

       3 J-クレジット:環境価値 (CO2を排出しない効果)を国が認証する制度

       4 自己託送:自家発電設備を保有する事業者が当該設備を用いて発電した電力を、一般送配電事業者の送電網を介して遠隔地にある自社工場や事業所などに送電・供給し、電力を使用することが可能となる電力供給制度

       5 生産13拠点、非生産(本社・研究開発・販売)63拠点における自社の電力使用により排出される温室効果ガス排出量(Scope2)が対象

       6 温室効果ガス排出量(Scope1・2)の2022年度の実績は、オムロンコーポレートサイトに掲載し、ビューローベリタスジャパン株式会社による限定的保証業務により第三者保証を受ける予定です。当該限定的保証業務は、いずれも国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000「過去財務情報の監査又はレビュー以外の保証業務」に準拠した業務です。

       7 2022年度の温室効果ガス排出量削減は、計画を上回る省エネ・創エネの取り組みに加え、マレーシアの脱炭素対策・中国上海地区でのロックダウン等の影響により、目標を大幅に上回る削減量となりました。  

    (3)人的資本に関する取組み

    ①ガバナンス

     オムロンでは、ダイバーシティ&インクルージョンの加速を2022年度の取締役会運営方針の重点テーマの一つに設定してモニタリングしています。

    取締役会でのダイバーシティ&インクルージョンを加速についての議論の詳細については、以下の「2022年度取締役会実効性評価結果」をご参照ください。 https://www.omron.com/jp/ja/assets/img/sustainability/governance/corporate\_governance/chart/20230601\_governance\_effectiveness\_j.pdf

     また、オムロンでは2023年度から人財戦略は今後の経営の要という認識のもと、主に「企業理念の浸透・共鳴の輪の拡大」、「リーダー育成と登用」、「全社員にとっての魅力的な会社づくり・企業文化の醸成」のさらなる実行を目ねらいとし、CHRO(最高人事責任者)を設置しました。CHROリードのもと、本社と事業が一体となって、「SF2030」での価値を創造するために人的資本の取組みをさらに推進していきます。 ②戦略

    「SF2030」人財戦略ビジョン

     「SF2030」の目標である、事業を通じた社会価値創出の原動力は、社員一人ひとりです。会社と社員が「選び・選ばれ」、「ともに成長する」新たな関係を構築していくことを前提に、企業理念の実践を通じて、社会的課題の解決を志す、スペシャリティを備えた多様な人財が集い、一人ひとりが主体性を持って能力を発揮する集団であり続けられる人財戦略をグローバルに実行していきます。

    中期経営計画(SF 1st Stage)人財戦略

     SF 1st Stageでは、オムロンが人的資本を有効に活用し企業価値の向上につなげているかを定量的に測る指標として「人的創造性」を設定し、2024年度において2021年度比で+7%向上させる目標を掲げました。

    ・人的創造性の向上

     人的創造性とは、売上から変動費を差し引いた付加価値額を人件費で割ったものです。付加価値とは、オムロンが顧客や市場に向けて創り届けた価値の大きさ、人件費とは、価値創造の担い手である人財の価値の総和の大きさを指します。企業が適正な付加価値を得て、それを使って新たな価値の拡大再生産を行うことは、企業と社員の持続的成長の実現に不可欠です。私たちが成し遂げたいことは、価値創造であり、分子の付加価値を伸ばすために、分母である人財への投資をしっかりと行うことで、それ以上の付加価値を生み出していきます。

    <人的創造性の考え方>

    ・人的創造性を高める3つの因子

     オムロンでは、この人的創造性を高めるための人財投資には、全社の経営目標や事業戦略に則した3つの因子が重要と考えています。

     1つ目は、人財の最適な配置です。事業の成長領域に適所適財となる人財配置を行うことで、社員のパフォーマンスを向上させ、付加価値の拡大につなげていきます。具体的には事業ごとの成長シナリオに基づく将来の人財ポートフォリオを描き、それに向けた採用・育成・再配置を継続的に実施しています。

     2つ目は、人財の能力獲得、強化です。価値創造のプラン、つまり事業戦略を実行するために必要な能力の獲得、その実現に向けた育成プログラムの準備や経験の場を提供していきます。具体的には、スキル獲得の為の研修型プログラムに加え、社外や母国外での経験機会の付与、自らの表出やフィードバック、対話の機会拡大を通じた人財能力開発投資を行い、人財の能力発揮を促しています。

     3つ目は、保有能力の発揮です。社員個々人が持つ多様で多彩な個性や能力を最大限発揮できる環境を整備します。具体的には高いパフォーマンスの発揮の為には、前述の1,2に加え、エンゲージメントやモチベーションの向上が大切となってきます。エンゲージメントサーベイ「VOICE」を活用し、社員の声から経営課題を特定し、制度や働く環境改善などに繋ぐ活動を行います。また、360度フィードバックや上司と部下の1on1ミーティングなど対話を通じ、より個性や能力を発揮できる環境を整備しています

    <人的創造性を高める3つの因子>

     ③リスク管理

     「第2 事業の状況 3 事業等のリスク⑧人財・労務」に記載しております。   ④指標と目標

    SF 1st Stageでは、人的創造性の向上の実現とダイバーシティ&インクルージョンを加速させる8つの取組みについて目標を定めています。それぞれの目標と進捗は以下の通りです。

    <人的創造性の向上とダイバーシティ&インクルージョンを加速する8つの取組みと進捗>

    (注)1 2023年4月3日に出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社及び、同日に設立のオムロンエキスパートエンジニアリング株式会社を含む4月20日時点の当社及び連結子会社集計値です。3月31日時点の当社及び連結子会社について集計した女性管理職比率は16.8%です。

       2 VOICEとは、経営陣がグローバル全社員の生の声を聴くエンゲージメントサーベイです。

       3 VOICE SEIとは、組織の状態性を測る総合指標として持続可能なエンゲージメント指標/Sustainable Engagement Indexの

         略称です。

       4 TOGAとは、The OMRON Global Awardsの略称です。(詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (参考)企業理念浸透への取組み」をご参照ください。)

    (参考)グローバルの女性管理職比率について

     欧州、米州、アジア、中華圏のリージョンにおいては既に20%を超えており、引き続き維持・向上していきます。今後は、特に日本における育成・登用を加速していくことで、SF 1st Stageの目標である18%以上の達成を目指します。

    ・女性の更なる活躍に向けた取組み

     グローバル経営幹部候補の選抜・育成におけるジェンダーバランスの考慮、女性を対象としたリーダーシップトレーニングやメンタリングプログラムなど、女性リーダーの拡充に向けた様々な取組みを実施しています。また、女性への働きかけだけでなく、アンコンシャスバイアスに関する研修や心理的安全性を高める管理職向けの研修などを通じて、社員一人ひとりの個性や知識、経験・体験に基づいた考え方や意見の多様性を引き出し、立場に関わらず成果や価値創造に向け率直な意見を気兼ねなく話し合える風土醸成の取組みも行っています。

     国内においても、キャリア支援と両立支援の二つの軸を同時に実行していくことで多様なロールモデルを育成しています。キャリア支援では、女性のメンバーを対象とした「女性リーダー研修」の実施、各拠点を主体とする女性交流会・勉強会・講演会などを通じた女性ネットワークの実現・拡大、相互研鑽を進めています。両立支援では、仕事と家庭の両立支援ガイドの発行、相談窓口の設置、人事処遇制度の改定など、一人ひとりが個性を発揮し、活躍できる環境を働くメンバーと一緒に改善しています。これらの取組みを加速するため、上司と対話を行い、自律的なキャリア開発を支援するキャリア開発面接や、社内公募・応募制度など、中長期的にキャリア形成を考え、実現できる仕組みを用意しています。また、直属上司以外の“斜め”の関係を活かしたメンタリングプログラムを導入し、複眼的視点からの気づきを通じた相互成長やネットワーキングの機会も創出しています。

     こうした取組みの結果、日本国内の女性職場リーダーは増加しています。2023年4月現在、オムロングループ(国内)における女性役員は、7名(内訳:社外取締役1名、執行役員常務1名、執行役員2名、関係会社取締役社長2名、関係会社取締役1名)です。女性管理職人数(国内)は、2018年には85人でしたが、今では137人になり(注)、多様なスタイルのロールモデルが誕生し、意思決定に多様な意見が反映されています。引き続き、管理職や女性社員の意識改革、女性の活躍機会の拡大や登用などに取り組んでいます。

    (注)2023年4月3日に出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社及び、同日に設立したオムロンエキスパートエンジニアリング株式会社を含む4月20日時点の当社及び連結子会社集計値です。

      3月31日時点の当社及び連結子会社について集計した女性役員は5名(内訳:社外取締役1名、執行役員常務1名、執行役員2名、関係会社取締役社長1名)、女性管理職人数(国内)は、136名です。

    <女性管理職比率の推移(グループ国内)>

     (注)各年度における集計値は翌年度4月20日時点の数値を記載

    (参考)オムロンの健康経営

     オムロンでは、社会的課題を解決するには、何よりも働く社員一人ひとりの健康が経営の基盤になると考え、2017年7月に健康経営宣言を行い、経営トップ自らが「健康経営」を推進してきました。この活動を進めるにあたって、以下の3つの活動方針に沿って、推進しています。

    ①「イノベーションを起こす人と組織をつくる」ということ。前向きなチャレンジを促進する環境を整えて、仕事にやりがいや楽しさを感じられるようにします。

    ②「心身が健康で、社員が自分の人生を楽しんでいる状態をつくる」ということ。社員に健康に配慮した生活を心がけてもらい、仕事だけでなく趣味なども積極的に楽しめるようにします。

    ③「オムロンを卒業しても社会で活躍し続ける社員でいっぱいにする」ということ。健康を維持・向上できれば、将来にわたって活躍できるようになり、社会に貢献しながら充実した人生を送ることができます。

    ※健康経営の取組み詳細については下記をご参照ください。

     https://sustainability.omron.com/jp/social/wellness-management/

    3【事業等のリスク】

    (1) グローバルな事業活動を支える統合リスクマネジメント

     当社グループでは、統合リスクマネジメントというグループ共通のフレームワークでリスクマネジメントを行っています。経営・事業を取り巻く環境変化のスピードが上がり、不確実性が高くなる中で変化に迅速に対応するためには、リスクへの感度を上げ、リスクが顕在化する前に察知し、打ち手を講じていく必要があるためです。

     現場だけでは対処できない環境変化から生じる問題を、現場と経営が力を合わせて解決する活きたリスクマネジメントを目指し、グローバルでPDCAサイクルを回しながら、当活動の質の向上を図っています。

     「SF2030」を実現していくため、企業理念やルールを守りつつ、いかに効率的、効果的で迅速なリスク判断を現場ができる仕組みを構築するかという点も重要なテーマとして、取組みを進めています。

    (2) 統合リスクマネジメントの仕組みと体制
     統合リスクマネジメントの枠組みは、内部統制システムの下、グローバルリスクマネジメント・法務本部が主管するオムロングループルール(OGR)(注1)「オムロン統合リスクマネジメントルール」にまとめ、グループ経営における位置づけを明確にしています。また、リスクマネージャを本社機能部門、ビジネスカンパニー、海外の地域統括本社、国内外の各グループ会社で任命し(約160名)、経営と現場が一体となってグローバルの活動を推進しています。

     主な活動は次の3点です。

    ・環境変化をタイムリーに把握して、関係者で共有し、適時に影響評価を行うこと

    ・定期的に、グローバルにリスクを分析して重要リスクを洗い出し、対策をとること

    ・リスクが顕在化し、危機が発生した場合は、即時に報告し危機対策を講じること

    <企業倫理リスクマネジメント委員会体制>
    主要なリスクマネージャを構成員とする企業倫理・リスクマネジメント委員会(原則年4回開催)においては、重要なリスクの発生状況、環境変化、リスク対策の状況について議論・共有するとともに、グループ全体のリスク評価を行っています。また、危機が発生した場合には、速やかに経営報告されリスクのランクに応じて危機対策本部を通じて対応を行っています。これらリスクマネジメントの活動状況については、適宜、執行会議や取締役会に報告するとともに、内部監査部門による内部監査を受けています。

    <統合リスクマネジメントのサイクル>

    (注1)当社グループでは、公正かつ透明性の高い経営を実現する経営基盤として、グループ共通の「オムロングループルール(OGR)」を制定しています。OGRは、リスクマネジメントの他、会計・資金、人財、情報セキュリティ、品質保証等の主な機能に対し制定されています。環境変化等を適宜・適切にルールへ反映するため、毎年見直しを行っています。

    (3) グループ重要リスクとその分析

     当社グループでは、「SF2030」において、「新たな社会・経済システムへの移行」に伴い生じる社会的課題を解決するため、社会的課題に影響を与える因子を踏まえ、「事業のトランスフォーメーション」と「企業運営・組織能力のトランスフォーメーション」に取り組んでおり、これらを遂行する中で対処すべき重要な要素を、リスクと捉えています。

     リスクのうち、当社グループを運営する上で、グループの存続を危うくするか、重大な社会的責任が生じうるリスクおよび重要なグループ目標の実現を阻害するリスクを「グループ重要リスク」に位置付け、そのうち最重要であるリスクをSランク、重要であるリスクをAランクと設定し、対策の実行状況やリスク状況の変化をモニタリングしています。「グループ重要リスク」に対して適切な対策が講じられない場合、重大な社会的責任が生じたり、事業戦略の失敗につながり、結果的に企業価値が喪失する可能性があります。

    <2022年度末時点のリスク評価>

     2022年度末に実施した当社グループのリスク分析に基づくグループ重要リスクのテーマ、リスクのランクおよび今後の動向に対する認識は下表の通りです。これらのリスクは、適切かつ十分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があるため、投資家の皆様の判断にも重要な影響を及ぼす可能性がある事項と考えています。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在において当社グループが判断したものです。

    <事業等のリスクの全体像>

    <グループ重要リスクへの対応>

    ① S 製品の安定供給
    リスクシナリオ 環境認識 コンテナ不足・通関の遅延等によるサプライチェーンの混乱は収束に向かい、経済環境の
    不透明性はあるものの、今後も社会・産業構造の変化による消費や投資の拡大が見込まれています。一方で、半導体等の部材不足は長期化し、物流コストの増加が懸念される状況は継続しています。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。  ・半導体製造装置・電気自動車(EV)・二次電池等成長業界への注力  ・グローバルに需要が増加する血圧計等の販売強化
    影響 拡大する製品需要に的確に応えていくことは、新たな社会価値創出、事業機会となります。
    一方、部材の調達量が必要量に届かない場合や、物流リードタイムが大幅に長くなった場合、製品供給が低下する可能性があります。その結果、売上減少や事業競争力の低下につながるリスクがあります。
    対応 体制 グローバルのビジネスバリューチェーンの最適化を経営計画の重点取組みの一つとして、
    グローバル購買・品質・物流本部と各ビジネスカンパニーが推進しています。  ・関連OGR:購買ルール
    取組 具体的には、以下を含む対策を推進しています。
    ・地産地消を基本スタンスとした生産の移管や分散  ・重要製品における部材調達の現地化・複線化 [具体的なリスク対応例:部材逼迫への対応]  部材逼迫の状況が継続する中、調達性の高い部品への切り替えや部品点数の低減を目的とした製品設計の変更、外部EMSとの戦略パートナーシップ締結等の対応を行いました。
    ② S 地政学
    リスクシナリオ 環境認識 米中関係やロシア・ウクライナ情勢などを巡る各国・地域の政策により、グローバルビジ
    ネスの環境は複雑さを増しています。特に半導体等重要物資の安定供給や先端技術開発の促進、輸出や投資への規制等 経済安全保障政策は、多国間枠組みの形成・活用を含め急速に進展しています。今後、政治的対立や人権問題、紛争リスクの高まりにより各種措置は更に拡大する可能性もあり、これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。  ・中国・アジア等の主要工場からグローバル市場への製品供給  ・米国等におけるロボット等 先端技術に対する投資や事業拡大  ・経済安全保障政策の対象製品に関わる顧客への販売、金融・交通等 社会インフラに関する事業の推進
    影響 グローバルでのサプライチェーン再編等の動向は、新たな社会価値創出、事業機会となり
    ます。一方、市場変化への対応が十分でなかった場合、当社グループへの需要が減少し、また、新たな法規制への対応が適切に行われなかった場合には、輸出規制や制裁違反等が発生する可能性があります。その結果、売上減少・戦略の見直しや重大な行政罰、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。
    対応 体制 事業対応方針については、取締役会や執行会議等の経営会議体にて議論し、決定していま
    す。法規制対応については、各主管部門が統括し、例えば、輸出規制はグローバルリスクマネジメント・法務本部が輸出管理全社委員会のもと、グローバルに安全保障取引管理を行っています。  ・関連OGR:統合リスクマネジメントルール・安全保障取引管理ルール
    取組 具体的には、以下を含む対策を推進しています。
    ・地政学リスク影響を低減する中長期的な生産・研究開発等の体制検討と推進  ・グローバルの政治・経済情勢や法規制動向のモニタリング、経済制裁等に対する影響分析と対応 [具体的なリスク対応例:ロシア・ウクライナ情勢]  社長を本部長とする全社対策本部を設置し、対応しています。2022年8月には、事業の持続可能性を慎重に精査した結果、ロシアにおける制御機器事業と電子部品事業の無期限停止を決定しました。ヘルスケア事業に関しては、血圧計やネブライザー等 医療機器に限定し、供給を継続しています。
    ③ S IT・情報セキュリティ
    リスクシナリオ 環境認識 社会経済活動の急速なデジタル化は、データに基づく経営判断やIoT機器を中心とした新た
    な製品・サービスの開発等 企業運営に変革をもたらしています。グローバルにデータ流通の基盤が整備されていく一方で、サイバー攻撃のリスクはますます高まり、また、プライバシー保護や経済安全保障の観点から個人データや技術情報等 重要情報の取扱いや移転について各国で規制の強化も進んでいます。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。  ・サプライチェーンも含むグローバルのシステムによる事業運営  ・新たな経営システムの構築を目的とした「コーポレートITシステムプロジェクト」  ・ヘルスケア事業における遠隔診療サービス等 「モノとサービス」を組み合わせたビジネスモデルの推進
    影響 医療におけるビッグデータ活用等の動向は、新たな社会価値創出、事業機会となります。
    一方、サイバー攻撃等 情報セキュリティリスクへの対応が十分でなかった場合、当社グループの事業活動や製品・サービス提供の停止や情報の漏えい、また、グローバルの個人データ規制について、特に国外移転対応が適切に行われなかった場合には、法令違反が発生する可能性があります。その結果、売上減少や重大な行政罰、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。
    対応 体制 基本方針や施策については、統括担当取締役の監督のもと、情報セキュリティ、製品セキュ
    リティ、個人情報管理の領域ごとに、各本社機能本部長が執行責任者として統制・管理しています。各領域を横断する課題については、統括担当取締役を議長とする「サイバーセキュリティ統合会議」を随時開催し、解決しています。さらに昨今の環境認識の下、より経営レベルで推進の方向付けを行うために、新たに社長を議長とする「情報セキュリティ戦略会議」にて優先課題と戦略を議論し、決定する体制を整備しました。実行面においても、サイバーセキュリティ統括担当役員として、グローバルビジネスプロセス&IT革新本部長を議長とし、グローバル各局のIT責任者が参画する「情報セキュリティ推進会議」を通じて施策を推進・管理していきます。また、個人データについては、グローバルリスクマネジメント・法務本部長を責任者として、各国法令動向やオムロングループの状況を把握し、法規制対応の強化を図っています。  ・関連OGR:IT統制ルール・情報セキュリティルール
    取組 具体的には、以下を含む対策を推進しています。
    ・グローバル標準のフレームワークであるNIST-CSF(注1)に準拠した評価と対策の強化  ・外部専門機関を通じた包括的な脅威情報の収集とグループ内への対策の展開  ・インシデント対応オフィスによる事故発生時の迅速な報告と被害最小化に向けた対応  ・情報リテラシー向上のための社員教育・サイバー攻撃訓練の実施  ・Webサイトの脆弱性診断と改善の実行  ・グローバルでの個人情報規制への対応体制構築 [具体的なリスク対応例:IT機器の常時監視と不審挙動検知体制の整備・運用]  当社の情報セキュリティ体制に対する外部評価を踏まえ、サイバー攻撃を検知する対策を重点的に強化しました。社内のIT機器の24時間365日監視をグローバルで行い、不正アクセス等の攻撃を検知した際には、速やかに対処しています。

    (注1)NIST-CSF:米国国立技術標準研究所(NIST)が2014年に発行したサイバーセキュリティフレームワーク(CST)。汎用的かつ体系的なフレームワークで、米国だけでなく世界各国が準拠を進めている。

    ④ S 品質
    リスクシナリオ 環境認識 品質は企業に対する社会的信頼の基盤です。新技術を活用した新規性の高い製品やサービス
    においても、高い安全性や正確性の確保が求められ、AI利用や製品セキュリティに対する新たな法規制等も検討・制定が進んでいます。また、人の健康や環境負荷低減に対する社会的要請はますます高まり、有機フッ素化合物(PFAS)等をはじめとする化学物質の含有やリサイクル、表示等に関する規制が各国で厳格化しています。これらの外部環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。  ・不具合発生時に火災や事故、設備の停止等につながる制御機器やエネルギーソリューション製品の展開  ・様々な国の製品安全や化学物質、サイバーセキュリティ等の法規則が適用されるグローバル製品の展開  ・製造現場のデータ活用サービスi-BELT等「モノとサービス」を組み合わせたビジネスモデルの推進
    影響 新たな技術や製品安全等の高い基準にグローバルで対応した品質の確保は、新たな社会価値
    創出、事業機会につながります。一方、製品やサービスの設計・検査の不備や、品質不具合発生時等の顧客対応や報告が十分でなかった場合、グローバルの法規制・規格等への準拠が適切に行われなかった場合には、当社グループ製品の大規模リコール、製品の生産・流通の停止等が生じる可能性があります。その結果、損失の発生や売上減少、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。
    対応 体制 社長を最高責任者とする品質保証体制を構築し、「品質第一」を基本とする「品質基本方針」
    のもと、グローバル購買・品質・物流本部が推進しています。重大な品質問題が発生した場合は、取締役会の監督のもと、迅速かつ適切に対応を行っています。  ・関連OGR:設計・生産ルール、品質保証ルール、製品品質リスク管理ルール
    取組 具体的には、以下を含む対策を推進しています。
    ・ISO9001等(ISO13485:医療機器産業、IATF16949:自動車産業)品質マネジメントシステム(QMS)の取得・ビジネスカンパニーQMS社内監査  ・サービス事業に適合したQMS構築  ・リスクが高い技術(リチウムイオン電池、パワーデバイス等)に関する品質技術確立  ・製品セキュリティ体制強化(外部からの脆弱性情報収集と対応(PSIRT)・セキュリティ監視活動等)  ・製品環境や安全関連の法規制・規格の動向の把握、影響評価を行う管理体制の強化  ・品質相談窓口の設置・運用、現場品質点検・品質コンプライアンス研修の実施 [具体的なリスクへの対応例:品質問題発生時の対応]  重大な品質問題が発生した際に、経営トップ層に迅速かつ正確にリスクを報告する制度を整備し、運用しています。社会システム事業で生じた蓄電池ユニットの発火リスクに対しては、安心してご使用いただくために、当社の蓄電池ユニットの一部についてソフトウェア更新および無償交換を進めています。
    ⑤ S 事業継続リスク(自然災害・感染症)
    リスクシナリオ 環境認識 2020年より続いた新型コロナウイルス感染症の緊急事態が収束し、社会経済活動が正常化す
    る一方で、新たな感染症の発生や洪水・豪雨、巨大地震等の自然災害により、社会が機能不全に陥る可能性がグローバルで継続しています。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。  ・グローバルの様々な国や地域に存在するサプライヤーや生産拠点  ・緊急時においても継続が求められる社会インフラや人の健康管理に使用される製品・サービスの提供  ・防災・減災需要に対するエネルギーソリューションビジネスの展開
    影響 企業に対する事業継続の要請や社会のレジリエンスを高める取組みは、新たな社会価値創出
    、事業機会となります。一方、予期できない災害等が発生した場合、社会インフラ・経済活動の大規模停止、自社工場の生産停止、重要サプライヤーからの長期にわたる部品供給停止等により、事業活動の一部停止や縮小等が生じる可能性があります。その結果、売上減少やブランド価値の棄損につながるリスクがあります。
    対応 体制 人身の安全、社会インフラの維持、復興への全面協力等を定めた基本方針のもと、各ビジネ
    スカンパニーと本社機能部門が連携し、生産、購買調達、物流、ITを含めた事業継続計画を整備しています。  ・関連OGR:統合リスクマネジメントルール・購買ルール
    取組 具体的には、以下を含む対策を推進しています。
    ・有事を想定したシミュレーション・訓練  ・社員の安否確認システムの運用、事業所での非常食や飲料水の備蓄  ・サプライヤーの生産地情報の一元管理、代替え生産拠点の評価体制整備  ・緊急時のエスカレーションルート・影響を把握する仕組みの整備 [具体的なリスク対応例:新型コロナウイルス感染症]  新型コロナウイルス感染症については、2020年2月に社長を対策本部長とする対策本部を設置し、社員の健康と安全の確保、該当拠点地域への感染拡大防止を最優先とし対応を行っていましたが、2023年3月の日本政府による方針決定を踏まえ、季節性インフルエンザ等と同等の対応に移行しています。
    ⑥ S サステナビリティ課題(環境・人権)
    リスクシナリオ 環境認識 持続可能な社会の実現に向け、環境や人権課題に対して、自社だけでなくバリューチェー
    ン全体を通じて、企業が責任を果たすことが求められています。また、企業価値評価・投資活動に反映させるため、企業のサステナビリティ課題への取組みに対する開示要請は年々高まっており、内容の第三者保証を法規制化する動きも進んでいます。  環境については、温暖化に起因する洪水や干ばつ等の頻発化により生じる食料・水不足等は地球レベルでの社会課題となっています。グローバル各国でカーボンニュートラルに向けた政策が加速する中、企業に対する温室効果ガス排出量の削減やトレーサビリティの確保等の要請も拡大しています。  人権については、強制労働、児童労働、低賃金や未払い、長時間労働、安全や衛生が不十分な労働環境等の是正が社会課題となっています。デューディリジェンスによるサプライチェーンの可視化や人権侵害懸念国・地域からの輸入禁止等により、人権の尊重を法規制で担保する取組みが進んでいます。また、AIの活用等技術革新による新たな人権課題も生じています。  サステナビリティ課題への対応は企業にとってのビジネスライセンスとなってきており、これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。  ・制御機器事業における生産性とエネルギー効率を高める生産現場オートメーションの実現  ・社会システム事業におけるエネルギー制御技術の進化による再生可能エネルギーの普及  ・電子部品事業におけるカーボンフットプリント削減に繋がる部品の開発・提供  ・中国・アジアを含めグローバルの事業拠点とサプライチェーン  ・AIを活用した製品・サービスの研究開発・提供
    影響 脱炭素や人権尊重に貢献する製品やサービスに対するニーズの高まりは、新たな社会価値
    の創出と事業成長を実現する機会となります。一方、多くの企業が社会課題の解決に挑む中、戦略と実行の成否は事業競争力に直結します。また、販促活動においていわゆるグリーンウオッシングといわれる不適切な開示を行った場合、バリューチェーン上の人権課題に適切な対応を行わなかった場合やAIに対する法規制等に準拠せず製品やサービスを通じて差別などの人権問題を発生させた場合には、社会的信用が失われ、その結果、取引停止・製品の開発中止や戦略の見直し、ブランド価値の棄損につながる可能性があります。
    対応 体制 環境・人権課題への対応については、取締役会決議により制定されたオムロン環境方針、
    オムロン人権方針に基づいた活動を行っています。具体的な執行体制としては、社長CEOから権限委譲されたサステナビリティ推進担当役員の責任の下、サステナビリティ推進室が中心となって取組みを推進し、自社領域はグローバル人財総務本部長、サプライヤー領域はグローバル購買・品質・物流本部長、事業戦略領域は各ビジネスカンパニー長がそれぞれ責任を持って対応しています。 ・関連OGR:環境経営ルール、HRMルール、購買ルール
    取組 具体的には、以下を含む対策を推進しています。
    [環境]  ・Scope1・2、Scope3カテゴリー11ごとに目標を設定した温室効果ガスの削減の加速  ・回収・リサイクルの拡大、循環型の原材料調達、再資源化率の最大化等による循環経済への移行  ・TCFD提言に沿った情報を含むサステナビリティ課題にかかる情報開示 [人権]  ・国連「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」に沿った人権デューディリジェンスの実施  ・グローバルでの人権救済メカニズムの構築  ・サプライヤーに対するサステナブル調達ガイドラインの提示・遵守状況確認  ・RBA(注1)アセスメントツールを活用したリスク評価  ・AIに関する情報収集および利用方針・QMSルールへの組み込み検討 [具体的なリスク対応例:人権救済窓口としての内部通報制度の拡充] 当期に人権救済メカニズム構築の一環として、グローバルの内部通報制度の対象者をサプライヤーに拡大しました。内部通報窓口には、職場でのハラスメント等人権に関する通報も寄せられていますが、社内規程に基づき適切に対応しています。

    (注1)Responsible Business Allianceの略。電子業界を中心とするグローバルなCSRアライアンス。

    ※サステナビリティ課題への対応の詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み、(2)気候変動への対応」をご参照ください。

    ⑦ S グローバルコンプライアンス
    リスクシナリオ 環境認識 気候変動や高齢化等の社会課題に対する取組みはグローバルで加速し、企業の果たす役割が
    重要になる中、公正な取引に対する社会的要請もますます高まっています。国際機関や各国政府により反競争法的行為や贈賄防止等に対する法規制は厳格化するとともに、ITやAI等技術の進化やアライアンス等によるイノベーションの推進等に対応した規制の検討や運用も進んでいます。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。  ・各国政府の許認可を含む製品・サービスのグローバル展開  ・様々なビジネスパートナーとの共創による新たな製品やビジネスモデルの開発
    影響 企業のイノベーションに対する期待は、新たな社会価値創出、事業機会となります。一方、
    公正な取引に関する法規制等に違反したものと当局が発見または判断した場合には、重大な行政罰、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。
    対応 体制 企業倫理・コンプライアンスを含む内部統制としての対応方針は、取締役会で議論し決定し
    ています。「オムロングループマネジメントポリシー」のもと企業倫理リスクマネジメント委員会を設置し、活動を展開しています。  ・関連OGR:倫理行動ルール
    取組 具体的には、以下を含む対策を推進しています。
    ・毎年10月のグローバル企業倫理月間等による定期的なコンプライアンス教育 ・グローバル各社における反競争法的行為・贈収賄リスク対策を含むガバナンス自己評価 ・グローバル内部通報制度の運用 [具体的なリスクへの対応例:グローバル企業倫理月間におけるコンプライアンス教育]  2022年度の企業倫理月間では、グローバル共通活動としてトップメッセージ配信やカルテル研修の他、長期ビジョンと地域のリスクをふまえて各地域統括本社がテーマを設定し、e-learningやリモートでの研修を開催しました。
    ⑧ A 人財・労務
    リスクシナリオ 環境認識 キャリアに関する価値観が多様化し、これまで以上にグローバルで人財の流動化が進んでい
    ます。また、IT人財をはじめ先端技術を保有する技術系人財など、希少なスキルや経験を持つ人財の獲得競争も激化しています。このような環境では、人財から選ばれる人的資本経営の実行がより重要となっています。加えて、近年は社会から人的資本の情報開示が求められるようになっています。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの事業環境に対して大きな影響があります。  ・AI、ロボティクス等の先端技術分野における研究開発
    影響 スペシャリティを備えた多様な人財が集い、一人ひとりが主体性を持って能力を発揮し続け
    ける人財づくり・環境づくりは企業価値向上の原動力となります。一方、人財戦略の効果が十分でない場合は、新たな人財の採用だけでなく、従業員の流出につながるリスクがあります。加えて、人的資本の情報開示が不適切な場合、行政からの指導、投資家からの信頼低下により、ブランド価値の毀損にもつながる可能性があります。
    対応 体制 重要な人財戦略については、取締役会・執行会議にて議論し、決定しています。2023年度よ
    り設置されたCHRO(最高人事責任者)の下、グローバル人財総務本部が中心となり施策を実行しています。  ・関連OGR:HRMルール
    取組 具体的には、以下を含む対策を推進しています。
    ・成長意欲のある人財への投資  ・役割責任・スペシャリティを定めるジョブ型人事制度の導入  ・社会課題解決の成果を分かち合う取組み・制度(中期連動株式報酬制度等)  ・企業理念を全社員に浸透させ、共感と共鳴の拡大を促す取組み「TOGA」の実行

    ※人財・労務リスクへの対応の詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本に関する取組み」をご参照ください。

    ⑨ A 会計・税務
    リスクシナリオ 環境認識 適正な財務報告と税務コンプライアンスは企業活動の基本です。企業のグローバル化や取引
    のボーダーレス化が加速し、新たなビジネスモデルやサービスが生まれる中で、会計基準は高度化し税制も複雑化しています。また、各国間の協調・連携が進み企業に対する税の透明性に対する要請も高まっています。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。  ・グローバルでの顧客との取引・グループ間取引  ・「モノ」に加え「モノ」と「サービス」の組み合わせによる多様なサービス展開
    影響 グローバルの会計基準への準拠と税務手続きに対する信頼の確保は、新たな社会価値創出、
    事業機会につながります。一方、新サービスや事業等を行うに際して、会計処理が適切に行われなかった場合、また、各国の租税法や移転価格税制、関税法、および当局の執行動向に適切な対応が行えなかった場合、決算修正、多額の追徴や和解金の支払い、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。
    対応 体制 財務報告に係る内部統制の基本的枠組み、取締役会で承認した「税務方針」(注1)のもと、
    グローバル理財本部を中心に、会計・税務の適正性を担保するための体制・ルールを整備し運用しています。  ・関連OGR:会計・資金ルール、不正統制ルール、J-SOX推進ルール
    取組 具体的には、以下を含む対策を推進しています。
    ・外部専門家等を活用した会計基準の定期的な情報収集と影響等の調査・対応 ・OECDの各種報告書や新しい国際課税ルールの整備状況などを踏まえた国際税務に係る方針の見直し ・現地法人と連携した各国・地域における税制や当局の執行状況の変化への対応 ・関税コンプライアンス体制およびモニタリングの強化

       (注1)「税務方針」については下記をご参照ください。

       https://sustainability.omron.com/jp/governance/tax/

    ⑩ A M&A・投資
    リスクシナリオ 環境認識 社会課題を解決する手段として、テクノロジーの進化が求められる中、スタートアップ企
    業を始めとする技術力のある企業とのアライアンス、M&A、出資を通じたイノベーションの加速が期待されています。一方で、投資先の業績・評価の変動に加え、経済安全保障政策による投資規制やIT等新たな分野における独占禁止法の運用強化等の動きもあります。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。  ・ポートフォリオマネジメントのもとアライアンスや事業売却も含むM&A・投資の推進  ・新規事業の創出等のための、オムロンが捉える社会的課題に共感・共鳴しあえるパートナーとの共創
    影響 戦略的なM&A・投資を通じた新たな経営資源の獲得は、社会価値創出、事業機会となります。
    一方、計画やデューディリジェンスが不十分であったり、PMI(Post Merger Integration)が適切に行われなかった場合には、想定したシナジー効果や提携が計画通り進まない可能性があります。その結果、多額の減損損失の計上や計画の大幅な見直しにつながるリスクがあります。
    対応 体制 M&A・投資の方針と実行は、経営ルールに定める責任権限に基づき取締役会等の経営会議体
    にて議論、決定し、案件ごとに、ビジネスカンパニーと本社部門および外部専門家から構成されるプロジェクトチームにより推進しています。  ・関連OGR:経営ルール
    取組 具体的には、以下を含む対策を推進しています。
    ・事業戦略に基づいたM&A・投資候補の探索、評価 ・対象企業の財務内容や契約内容の確認等の詳細な事前審査・デューディリジェンス ・取締役会における、買収や出資後の経済効果の具体的目標進捗のレビュー(少なくとも年に1回) [具体的なリスクへの対応例:投資先の評価]  出資先である株式会社JMDCやAliveCor,Inc.について、投資先の業績や取り巻く環境の評価及びディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額と帳簿価額との比較など、定性的要素および定量的要素を総合的に勘案し、評価損失の要否を判断しています。
    ⑪ A 知的財産
    リスクシナリオ 環境認識 社会課題を解決しながら持続的に企業価値を向上するためには、強みのある知的財産・無形
    資産を形成した上で価値創造ストーリーと連結することが必要不可欠となり、また、技術開発やビジネスモデルの構築においてオープンイノベーションやアライアンスが加速しています。一方で、知的財産を巡る企業や国家間の競争や対立も激化するとともに、スタートアップ企業との事業連携における公正取引上の課題も指摘されています。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。  ・ロボティクス、センシング、パワーエレクトロニクス、AI・データ解析等の注力する技術領域  ・データヘルスケア、食生産のオートメーション、製造現場のDX支援等の新規事業創造
    影響 知的財産・無形資産への投資を促進し競争力の源泉とする動向は、新たな社会価値創出、事
    業機会となります。一方、その取得や保護が十分でなかった場合、技術・ノウハウの流出やブランドの模倣等が発生し、事業競争力を喪失する可能性があります。また、特許等の侵害や不正使用に関する紛争が発生した場合には、当社グループの製品・サービスの提供停止や巨額の損害賠償請求・ロイヤリティの支払い等が生じる可能性があります。その結果、損失の発生や売上減少、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。
    対応 体制 知的財産戦略については定期的に取締役会にて報告・議論されています。基本方針に基づく
    知的財産活動は、技術・知財本部を主管として実行しています。  ・関連OGR:知財管理ルール
    取組 具体的には、以下を含む対策を推進しています。
    ・IPランドスケープを活用して研究テーマの方向性決定や協業先選定の確度を高める取組み  ・事業や研究開発と連動させた知的財産戦略を策定・実行し、強みのある知的財産権を蓄積  ・研究開発および設計にあたっての第三者の知的財産権調査  ・第三者の当社グループへの知的財産権の侵害に対する分析・評価と、権利行使の強化 ・オンライン取引も含む模倣品摘発活動、悪意を持った当社ブランド名と類似した商標権取得の阻止
    ⑫ A 新興国における事業展開
    リスクシナリオ 環境認識 インド等の新興国市場においては、人口増加によって消費拡大が見込まれ、各種産業が成長
    している中、様々な社会課題も顕在化しています。一方で、一部の新興国、地域においては法による統治機能が脆弱であったり、政情が不安定であることから、汚職や腐敗等が社会問題化する場合があります。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。  ・ヘルスケア事業において成長ポテンシャルの高いインドへの進出等
    影響 新興国における需要拡大を的確に捉えることは、新たな社会価値創出、事業機会となりま
    す。一方、これらの国、地域における事業運営において、ガバナンス不全や社内管理の不備により、不正会計などの法規制・コンプライアンス違反が発生する可能性があり、その結果、重大な行政罰、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。
    対応 体制 グループの内部統制システムのもと、OGR等に基づくグループ会社におけるガバナンス体制の
    構築と運用を行っております。  ・関連OGR:法人運営ルール、会計・資金ルール、IT統制ルール、内部監査ルール等
    取組 具体的には、以下を含む対策を推進しています。
    ・各機能主管部門におけるグローバルでの牽制とモニタリング  ・地域統括本社毎のリスクマネジメントにより、エリア特性に応じた重要リスクへの対応  ・リスクアプローチに基づく内部監査と改善指導

    4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

    (1) 事業環境、経営成績等の状況・分析・検討

    ①当社グループの経営成績の実績及び見通し

    <2022年度実績>

     新たな中期経営計画(SF 1st Stage)の初年度となる当期(2022年度)における当社グループを取り巻く事業環境は、上海ロックダウンやグローバルでのインフレ拡大、部材の逼迫など、1年を通じて大きく変化しました。

     このような中、売上高は、第1四半期(4月~6月)で制御機器事業を中心に上海ロックダウンの影響を大きく受けましたが、第2四半期以降、生産回復に加え高水準の受注残に対応すべく供給力強化を加速した結果、前期比で大幅に増加しました。部材価格高騰や第1四半期における制御機器事業の主力工場の稼働率低下などの影響がありましたが、全社で価格適正化などの付加価値率改善に継続して取り組み、売上総利益率は45.0%(前期比△0.5P)となりました。また、SF 1st Stageの目標達成に向けた積極的な投資を継続して実行しました。以上の結果、営業利益、税引前当期純利益、当社株主に帰属する当期純利益は前期比で大幅に増加しました。また、ROIC(投下資本利益率)とROE(株主資本利益率)は、ともに10%を超える水準となりました。

     なお、売上高は8,761億円(前期比14.8%増)、営業利益は1,007億円(同12.7%増)、税引前当期純利益は984億円(同13.5%)となり、過去最高業績を更新しました。

    <2023年度見通し>

     次期(2023年度)の事業環境は、インフレの拡大や地政学リスクの高まりなど、上期を中心に不透明な状況が継続すると見込まれますが、当社グループが事業活動を展開する事業領域においては、下期以降、回復基調に向かうと認識しています。一方で、社会・産業構造の変化が進み、長期ビジョン「SF2030」で捉える社会的課題(カーボンニュートラルの実現・デジタル化社会の実現・健康寿命の延伸)や、地政学リスクを背景としたグローバルでのサプライチェーン再編の動きはさらに顕在化し、当社グループにとって多くの事業機会が出現すると認識しています。

     当社グループでは、このようなチャンスとリスクが混在する事業環境下で、中期経営計画「SF 1st Stage」で設定した戦略を着実に遂行し、収益体質のさらなる強化と着実な成長を目指します。また、長期ビジョンの新たな価値創造に向けて、制御機器事業やヘルスケア事業を中心とした成長投資を積極的に実行します。

    上記の取組みを進めることで、3期連続での増収増益を見通します。

     なお、2023年度は、売上高は8,900億円(当期比1.6%増)、営業利益1,020億円(同1.3%増)、売上総利益率は46.6%(同1.6ポイント増)を計画しています。

    <売上高・営業利益・売上総利益率の推移>

    (注)2019年度に車載事業を非継続事業に分類したことに伴い、2018年度の売上高、営業利益は非継続事業を除いた継続事業の数値に組み替えて

       表示しています。

    <2023年度の経営方針と重点取組み>

     2023年度の経営方針は、「トランスフォーメーションの大加速」と定めました。オムロンは、大きく変化する社会・事業環境に適応し、持続的な成長を成し遂げるため、「事業」、「企業運営・組織能力」のトランスフォーメーションを進めています。また、中期経営計画(SF 1st Stage)の 2年目となる2023年度は、不透明な事業環境においても産業構造の変化から生じる事業機会を確実に捉え、売上に結実させていく「自走的成長力の強化」を進めていきます。具体的には、SF 1st Stageで設定した3つのグループ戦略のうち、「事業のトランスフォーメーション」、「企業運営・組織能力のトランスフォーメーション」を加速すべく、5つの重点取組みを推進していきます。

    2023年度の5つの重点取組み

    ① お客様への社会価値・経済価値の訴求とソリューション提供の加速

     多くの社会的課題の出現やグローバルサプライチェーン再編の動きなどにより、弊社が推進する共創型ソリューションの提案機会がより多く出現しています。各事業における営業・マーケティング力を強化し、必要な投資とアクションを加速することで、顧客接点の質と量を飛躍的に高め、売上拡大へと結実させていきます。

    ② 社員の能力発揮を高める人財マネジメントの強化

     価値創造・そして戦略推進の主体者は社員であり、高度化する社会的課題解決を実現するため、社員ひとり一人の能力発揮度を高め、企業の競争力をより高めていきます。各事業・各機能において社員に成長機会を提供するとともに、ジョブ型制度の運用やキャリア形成支援の強化を図り、「人的創造性」の向上へと繋げていきます。

    ③ キャッシュの持続的創出力の強化

     常態化するインフレ・不安定なサプライチェーンや金融不安など、多くの経済リスクを内包した事業環境下において、将来成長に向けた投資を実行し続けるためには強固なキャッシュ創出力を備える必要があります。売上成長・価格適正化などにより利益創出力を高めるとともに、徹底した在庫マネジメントにより資産回転率の向上を図ることで、キャッシュの持続的創出力を高めます。

    ④ グローバルのビジネスバリューチェーンの最適化

     米中対立などに端を発したサプライチェーンの混乱は、依然としてリスクを抱えた状態であり、安定的な生産・供給の実現に向け、各事業のサプライチェーン最適化のアクションを加速させていきます。地産地消を基本スタンスとし、主に、生産の移管や分散、重要製品における部材調達の現地化・複線化を進めていきます。

    ⑤ DX基盤構築の推進

     データに基づく企業運営の加速に向けて、経営基幹システムの導入推進と徹底した活用を進めていきます。2022年度に欧州での初期構想の構築は完了しており、2023年度は、設計・開発と試験導入による検証を完了させます。また先行エリアとなる欧州と連携し、日本での初期構想の具体化を着実に進めていきます。

    (参考)健康経営アライアンス

     人生100年時代を迎え、長く働き続けられる社会が実現に向かう一方で、日本の産業界は、「社員の健康増進」、「健康保険組合の財政の健全化」、「医療費抑制への貢献」の課題に直面しています。このような状況の中で健康経営の推進は、企業の生産性向上や医療費の適正化のみならず、社員を企業の財産と捉える人的資本経営の実践においても重要な経営課題となっています。また、世界における日本産業界全体の競争力を高めることにもつながります。こうした社会課題解決に向け、業界を超えた8社(味の素株式会社、SCSK株式会社、オムロン株式会社、キリンホールディングス株式会社、株式会社島津製作所、株式会社JMDC、日本生命保険相互会社、株式会社三井住友銀行)が健康社会の実現を目指して結集し、2023年3月10日にアライアンス設立を発表しました。

     本アライアンスは、「健康経営の型づくりと成果創出のためのソリューションの共創および産業界への実装」を実現します。そのアプローチとして、健康経営を実践する企業とソリューションを提供する企業の叡智を集結させます。具体的には、ヘルスケアデータを活用し、社員の生活習慣病由来の脳・心血管疾患や腎疾患、メンタル不調といった重症化の予測ができる疾病リスクの対処に取り組みます。また、ヘルスケアデータを活用した社員の健康の維持・増進を、アライアンス参画企業が自ら実践しフィードバックするとともに、各社の健康経営に関する製品・サービスをアライアンス内で導入し、新たな開発・実証も行います。モデルケースとなる成功事例は、アライアンス外にも展開し、アカデミアや省庁とも連携しながら社会実装・海外展開を目指します。本アライアンスは、2023年6月末の設立を予定しています。

    <SF 1st Stageの財務目標と2022年度における進捗>

    (注)営業C/Fは、SF 1st Stage終了時の評価としており、単年度の計画値は公表していません。

    <SF 1st Stageの非財務目標と2022年度における進捗>

    (注)1「 カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」に繋がる注力事業の売上高。

         2 2022年度のGHG排出量は、上海ロックダウン等の一時的な影響を含めた数値。

          3 2023年4月3日出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社を含む4月20日時点の当社及び連結子会社集計値。

            2023年3月31日時点の連結子会社について集計した女性管理職比率は16.8%。

       4 リージョン:米州、欧州、アジア、中華圏、韓国、日本。

       5 GHG:温室効果ガス

       6 非財務目標の⑧から⑩は、社員投票で決定した目標。

    <(参考)サステナビリティ目標と2022年度の進捗>

    (注)1 2023年4月3日出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社を含む4月20日時点の当社および連結子会社集計値

            2023年3月31日時点の当社および連結子会社について集計した女性管理職比率は16.8%

          2 Scope1・2: 自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス

          3 Scope3カテゴリー11: 自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出のうち製造・販売した製品・サービス等の使用

                                に伴う排出

          4 JaCER:一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構

          5 以下のサステナビリティ目標に対する2022年度の実績は、第三者機関による限定的保証業務を受け、

            今年度発行の統合レポートに掲載する予定です。

             ・海外コアポジション現地化率

             ・日本国内の障がい者雇用率

          6 以下のサステナビリティ目標に対する2022年度の実績は、オムロンコーポレートサイトに掲載し、ビューローベリタス

            ジャパン株式会社による限定的保証業務により第三者保証等を実施中であり、2023年6月中に完了する見込みです。

             ・温室効果ガス排出量(Scope1・2、およびScope3カテゴリ1,2,3,6,7)

             ・環境貢献量

          7 上記限定的保証業務は、いずれも国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000「過去財務情報の監査又は

            レビュー以外の保証業務」に準拠した業務です。

    ②各事業セグメントの実績及び見通し

    <「SF2030」における価値創造の取組み>

     制御機器事業では、事業ビジョン「オートメーションで人、産業、地球の豊かな未来を創造する」を設定しました。オートメーションを通じ豊かな医・食・住環境を支える持続的な産業の発展と、働く人々の幸せ、そして地球環境の維持との両立を目指しています。制御機器事業は、事業ビジョンの設定において、今後10年で直面するであろう社会の変化を想定しました。それは、目まぐるしく世界が変化する中で、さまざまな社会的課題が浮き彫りになる時代だと考えています。このような市場背景の中で、制御機器事業が解決すべき社会的課題を、「働く人」と「産業の高度化」の二つの側面で捉えました。

     「働く人」とは、ミレニアル世代やZ世代に代表される価値観の変化や技術の進化に伴う働く人のマインドの変化、そして働く人にとっての労働機会の変化です。そして、「産業の高度化」とは、次々と生まれる先進技術により2次産業でのモノづくりの革新だけでなく、1次産業や3次産業にまで広がる大きな変革です。制御機器事業が取り組むべき社会的課題は、制御機器事業が強みとするオートメーションにより、働くすべての人々の幸せと産業の高度化の両立を実現し、さらに社会的要請でもある地球環境の保全にも貢献していくことです。制御機器事業が目指すのは、持続可能な産業の進化により、世界中の人々が共通して求める医・食・住環境が充実した社会です。これは、長年に渡りモノづくりを源流で支えてきたオムロンだからこそ可能なチャレンジであり、事業ビジョンには、このような思いを込めました。

     その実現に向け2016年に提唱した独自のモノづくりコンセプト、「i-Automation!」を進化させ、業界随一の幅広い制御機器の品揃えと技術・ソリューションで社会的課題を解決するイノベーションを量産し、持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化に貢献していきます。

    <2022年度の業績と2023年度の見通し>

    2022年度の業績
    売上高の 状況 製造業全体の設備投資需要は足元で減速リスクが高まりましたが、当社が注力する半導体製造装置・電気自動車(EV)・二次電池向けなどの需要は依然として堅調に推移しました。  このような状況において、第1四半期に上海ロックダウンによる当社主力工場の稼働率低下の影響を大きく受けましたが、第2四半期以降は、高水準の受注残の解消に向けた供給力強化の取組みを進めるとともに、注力業界を中心としたソリューションビジネスの拡大を加速しました。これらの結果、売上高は4,857億円(前期比16.2%増)と前期比で大きく増加し、過去最高となりました。
    営業利益の 状況 売上高の大幅な増加により、営業利益は858億円(前期比12.6%増)と前期比で大きく増加し、過去最高となりました。
    2023年度の見通し
    売上高の 見通し 製造業全体の設備投資需要は、インフレ等の影響もあり不透明な状況ではありますが、注力する半導体製造装置・電気自動車(EV)・二次電池業界の設備投資需要も堅調に推移すると見ています。  このような状況の中、受注残の正常化の取組みを着実に実行するとともに、注力業界を中心にソリューションビジネスの拡大を引き続き加速していきます。 これらの取組みにより、次期の売上高は4,900億円(当期比0.9%増)と当期比で増加を見込みます。
    営業利益の 見通し 売上高の増加や生産性の向上により、次期の営業利益は880億円(当期比2.5%増)と当期比で増加を見込みます。

    <売上高・営業利益・売上総利益率の推移>                <社会価値創出のKPIの進捗>

    (注)経営管理区分の見直しにより、2022年度より、IABの一部をDMBに含めて開示しています。

       これに伴い2021年度を新管理区分に組み替えて表示しています。

    <「SF2030」における価値創造の取組み>

     ヘルスケア事業では、家庭で測定した血圧が人々の健康に役立つという信念のもと、その普及に取り組んできました。今では、高血圧治療の現場で家庭で測った血圧データが活用されるようになり、高血圧患者の降圧コントロールにも成果が見られます。しかし、高齢化に伴い高血圧患者はグローバルに増え、高血圧に起因する脳・心血管疾患の発症も増加しています。加えて、新興国を中心に増え続ける呼吸器疾患患者、日常生活に大きな影響を与える膝や腰、肩の慢性的な痛み。これらは人々のQOLを著しく低下させてしまいます。

     「SF2030」のビジョン「Going for ZERO 〜予防医療で世界を健康に〜」には、世界中の一人ひとりが健康ですこやかに生活できる社会を、オムロンの手で切り拓いていく、という強い意志を込めました。

     これまで培ってきた技術と知見を活用し、「循環器」「呼吸器」「ペインマネジメント」領域において、脳卒中や心不全などの「脳・心血管疾患の発症ゼロ」、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの「呼吸器疾患の増悪ゼロ」、膝痛や腰痛などの「慢性痛による日常生活の制限ゼロ」の3つのゼロにチャレンジします。

     そして、病気にならない、病気を重症化させないための予防医療という新しい価値を提案し、「健康であり続けたい」という世界中の人々の願いをかなえます。

     2021年、グローバルでの家庭用血圧計の累計販売台数は3億台を突破しました。しかし、世界を見渡すと、まだ普及率は低く、市場規模は2020年の6,100万台から2024年には、8,700万台に拡大するとされています。中で

    も、今後ますます市場の拡大が見込まれる中国・インドに注力し、基盤事業を強化します。

    <2022年度の業績と2023年度の見通し>

    2022年度の業績
    売上高の 状況 世界的なインフレ影響による消費マインドの冷え込みと、中国でのゼロコロナ政策継続に伴う販売店休業や物流網停滞の影響を受け、血圧計を中心に需要は低調に推移しました。  そのような中でもグローバルにおける健康意識の高まりへのニーズを着実に捉えるとともに物流の改善なども迅速に実施したことに加え、為替影響もあり、売上高は1,421億円(前期比7.0%増)と前期比で増加しました。
    営業利益の 状況 固定費抑制や価格適正化に取組みましたが、部材価格の高騰や将来成長への投資継続により、営業利益は160億円(前期比13.6%減)と前期比で大きく減少しました。
    2023年度の見通し
    売上高の 見通し 中長期的な慢性疾患患者数の増加傾向がグローバルで継続する中、中国での個人消費の回復もあり、血圧計などの需要はグローバルで増加すると見ています。このような中、各エリアにおけるオンラインチャネルでの販売強化に加えて、新興国における需要拡大を的確に捉えることで、次期の売上高は1,460億円(当期比2.7%増)と当期比で増加を見込みます。
    営業利益の 見通し 部材価格高騰の影響が継続するものの、売上高の増加に加え、価格適正化の取組みを継続していくことで、次期の営業利益は170億円(当期比6.1%増)と当期比で増加を見込みます。

    <売上高・営業利益・売上総利益率の推移>                <社会価値創出のKPIの進捗>

    <「SF2030」における価値創造の取組み>

     2030年に向かうこれからは、地球温暖化を起因とした自然災害の多発や、少子高齢化に伴う労働人口の不足など、暮らしの安心・安全・快適への障害となる、新たな社会的課題が顕在化する時代です。そして、そのような時代を生きる人々の価値観も多様化していきます。社会システム事業は、顧客のニーズに応えることに加え、顕在化する社会的課題を踏まえ、社会システムのあり方を考え、その答えを導き出してまいります。そして、その答えに共感していただいたステークホルダーの皆様とともに、 「次世代の社会システム」をつくっていく。この一連のプロセスと想いを「SF2030」の事業ビジョンの「Design」に込めました。社会システム事業は、暮らしをよくする“ソーシャルグッド”を生み出しながら人々の暮らしをより良くし、笑顔溢れる明るい未来を実現します。

     「SF2030」においてオムロンが捉えた解決すべき社会的課題は、「カーボンニュートラルの実現」と「デジタル化社会の実現」です。CO2総排出量の増加や気候変動の加速、少子高齢化の加速による労働力不足といった社会的課題は深刻化し、社会生活にもさまざまな不都合や不安が生じます。また、企業各社では事業運営の効率化や省力化の進展と同時に、事業継続や環境配慮への対応が求められるなど、経営課題は複雑化していきます。これからは、既存の機器やサービス提供による現場課題の解決だけではなく、お客様の経営課題の解決に、ともに取り組むことが必要です。これからの安心・安全・快適な社会とは何か?オムロン自身が将来像を描き、社会システム事業で培ってきたノウハウを活かしたソーシャルオートメーションで、次世代の社会システムの実現を目指します。

    <2022年度の業績と2023年度の見通し>

    2022年度の業績
    売上高の 状況 エネルギーソリューション事業では、エネルギー価格の高騰などにより自家消費を中心に 再生エネルギー関連に対する堅調な需要が継続しました。駅務システム事業では、鉄道利用者数の回復に伴い、顧客の更新投資需要が第2四半期以降は回復傾向で推移しました。これらの結果、売上高は1,073億円(前期比22.3%増)と前期比で大きく増加しました。
    営業利益の 状況 外貨建て仕入の為替影響はあるものの、売上高の増加に加え価格適正化に継続して取り組んだ結果、営業利益は75億円(前期比15.1%増)と前期比で大きく増加しました。
    2023年度の見通し
    売上高の 見通し エネルギーソリューション事業では、エネルギー価格の高騰や補助金支援の継続などにより住宅・産業領域での再生エネルギー関連に対する需要は堅調に推移すると見ています。駅務システム事業では、鉄道利用者数の回復に伴う顧客の設備投資が堅調に推移すると見ています。  これらの需要に迅速に対応して、製品とサービスを組み合わせたソリューションを提供することによって、次期の売上高は1,140億円(当期比6.3%増)と当期比で増加を見込みます。
    営業利益の 見通し 売上高の増加や生産性向上により、次期の営業利益は90億円(当期比20.2%増)と当期比で大幅な増加を見込みます。

    <売上高・営業利益・売上総利益率の推移>                <社会価値創出のKPIの進捗>

    (注)環境事業のSSBへの移管により、2020年度より「その他」の事業セグメントを「SSB」の事業セグメントに

       含めて開示しています。これに伴い、2018年度および2019年度を新管理区分に組み替えて表示しています。

    <「SF2030」における価値創造の取組み>

     電子部品事業は、「SF2030」において、3つのトランスフォーメーションを実現していきます。

     1つ目は、事業のトランスフォーメーションです。オムロンの注力ドメインの一つとして、「カーボンニュートラルの実現」「デジタル化社会」の社会的課題を解決する事業を目指します。コア技術と多彩な機能の組み合わせで製品の価値を向上させ、お客様が必要な機能をデバイス&モジュールを軸としたソリューションとして提供し、社会課題の解決に取り組んでいきます。コアとなる“繋ぐ・切る”技術は、創業以来、社会・お客様に提供し続けているリレー、スイッチ、コネクター、センサーなどのデバイス&モジュールの高機能化と品質向上で磨き続けてきた製品に流れる電気を繋ぐ・切る(オン・オフする)機能や、センシングする機能です。これらで、「新エネルギーと高速通信の普及」に貢献する新たな社会価値を創出していきます。

     2つ目は、注力領域のシフトです。コア技術を軸とした事業の強みが最大限発揮でき、さらなる成長機会が見込まれる4つの事業領域にフォーカスしていきます。注力領域は、DCドライブ機器、DCインフラ機器、高周波機器、遠隔/VR機器です。DCドライブ機器、DCインフラ機器においては、環境負荷対応により電源の直流化・高容量化、インフラの電動化が進んでいきます。製品の普及促進に向けて課題となるのが、感電や発火を防ぐための安全対策です。高周波機器、遠隔/VR機器においては、急速なデジタルシフトで高速通信・データの大容量化を実現する技術・デバイスが必要となります。これら課題解決の根幹を、我々の“繋ぐ・切る”技術で実現します。

     3つ目は、提供価値のシフトです。これまでの価値に加えて、「グリーン・デジタル・スピード」を軸とした新たな価値を加えていきます。脱炭素社会の実現に貢献するデバイス群の創出、デジタル価値の提供、営業・開発・生産が一体となり、社会変化に柔軟かつタイムリーに対応するコンカレント活動などにより提供価値スピードを加速していきます。

    <2022年度の業績と2023年度の見通し>

    2022年度の業績
    売上高の 状況 民生業界向け部品は、グローバルでのインフレ影響により需要が低下傾向となったものの、注力する太陽電池や蓄電などのエネルギー関連、半導体検査装置関連向け需要は堅調に推移しました。  これらの需要に対応すべく柔軟かつタイムリーな生産・物流・販売に注力した結果、売上高は1,389億円(前期比14.8%増)と前期比で大きく増加し、過去最高となりました。
    営業利益の 状況 原材料価格高騰などの影響を受けたものの、売上高の大幅な増加に加え、価格適正化や過去に取り組んできた構造改革の成果などにより、営業利益は155億円(前期比53.7%増)と前期比で大きく増加し、過去最高となりました。
    2023年度の見通し
    売上高の 見通し 民生向け需要は上期を中心に低迷すると見ています。一方で、注力する太陽光発電や蓄電などのエネルギー関連業界や半導体検査装置関連業界での需要獲得に向けたソリューション提案などの取組みを加速することで、次期の売上高は1,390億円(当期比0.1%増)と当期比で横ばいを見込みます。
    営業利益の 見通し 原材料価格高騰の影響などが継続する中で、価格適正化や生産性向上に引き続き取り組むことにより、次期の営業利益は155億円(当期比0.0%増)と当期比で横ばいを見込みます。

    <売上高・営業利益・売上総利益率の推移>                <社会価値創出のKPIの進捗>

    (注)経営管理区分の見直しにより、2022年度より、IABの一部をDMBに含めて開示しています。

       これに伴い2021年度を新管理区分に組み替えて表示しています。

    (2) 財政状態、キャッシュ・フローの状況・分析・検討

    ①財政状態

     当期末の資産の部は、現金及び現金同等物が減少した一方、売上の増加に伴う売上債権の増加、部材逼迫に対応した部材確保や急激な需給変動影響による棚卸資産の増加により、前期末に比べ675億円増加して9,982億円となりました。また、負債の部は、短期借入金が減少する一方、仕入債務や未払税金、リース債務が増加したことにより、前期末に比べ43億円増加の2,669億円となりました。純資産の部は、自己株式の取得を実行する一方で、当社株主に帰属する当期純利益の計上、為替変動による為替換算調整金の増加などにより、前期末に比べ633億円増加し7,312億円となりました。株主資本比率は73.0%となり、強固な財務基盤を維持しています。資金流動性については、当期末現在の手元現預金を1,053億円保有していることに加えて、金融機関との間で300億円のコミットメントライン契約を維持しており、高い水準を維持しています。また、今後の成長投資資金の確保に備え、格付機関から長期発行体格付として高格付を維持するとともに、グローバルで金融機関との良好な関係を維持することで、資金調達力を確保してまいります。

     なお、重要な財務指標であるROE(株主資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)は当社グループの想定資本コストを上回る水準を維持しています。当期末は当社グループが目標とする水準10%を超える水準となりました。一方で当期末の手元現預金の対月商月数は、金融機関からの一時借入の影響もあり、1.4ヶ月と平時の目安としている1ヶ月~2ヶ月の水準を維持しています。さらなる企業価値向上のためには、蓄積されたキャッシュと今後生み出すキャッシュを既存事業の強化と新たな成長機会に再投資し、成長を加速することが必要と認識しています。引き続き、経営資本の適正配分により、将来キャッシュ・フローの創出能力と資本効率を高めて企業価値向上を実現し、株主の皆さまの期待に応えてまいります。

     当社グループでは、過去に実行した変化対応力の強化や事業ポートフォリオの組み替え、さらにはサステナビリティ課題への取組みなどにより、株価の安定や資本コストの低減が見られます。これらを考慮し、2021年度以降の想定資本コストは、5.5%と設定しました。引き続きROICの改善と資本コストの低減により企業価値の向上に努めます。

    2022年3月末 2023年3月末 増減
    資産合計(資産の部合計) 9,306 億円 9,982 億円 +675 億円
    負債の部合計 2,627 億円 2,669 億円 +43 億円
    株主資本 6,652 億円 7,285 億円 +632 億円
    非支配持分 27 億円 28 億円 +0 億円
    純資産の部合計 6,680 億円 7,312 億円 +633 億円
    負債及び純資産合計 9,306 億円 9,982 億円 +675 億円

      <ROIC>                    <ROE>

        (注)車載事業売却影響除くROIC、ROEは、当期純利益から車載事業売却益を控除して計算したものです。

      <株主資本、株主資本比率>

    ②キャッシュ・フローの状況

    キャッシュアロケーションの方針と状況

     当社グループでは、SF 1st Stageおけるキャッシュアロケーションポリシーと株主還元方針について、以下のとおりとしました。

    <キャッシュアロケーションポリシー>

    (ⅰ)長期ビジョン「SF2030」の実現による企業価値の最大化を目指し、中長期視点で新たな価値を創造するための投資を優先します。SF 1st Stageにおいては、社会的課題の解決やソーシャルニーズ創造のための人財や研究開発などへの投資、増産やDXなどの設備投資、M&A&A(買収・合併・提携)などの成長投資に加えて、脱炭素・環境負荷低減やバリューチェーンにおける人権尊重などのサステナビリティへの取組みに対する投資を優先します。その上で、安定的・継続的な株主還元を実行していきます。

    (ⅱ)これら価値創造のための投資や株主還元の原資は内部留保や持続的に創出する営業キャッシュ・フローを基本とし、必要に応じて適切な資金調達手段を講じて充当します。なお、金融情勢によらず資金調達を可能とするため、引き続き財務健全性の維持に努めます。

    <株主還元方針>

    (ⅰ)中長期視点での価値創造に必要な投資を優先した上で、毎年の配当金については、「株主資本配当率(DOE)3%程度」を基準とします。そのうえで、過去の配当実績も勘案して、安定的、継続的な株主還元に努めます。

    (ⅱ)上記の投資と利益配分を実施したうえで、さらに長期にわたり留保された余剰資金については、機動的に自己株式の買入れなどを行い、株主の皆さまに還元していきます。

     当社グループでは、SF 1st Stageの目標として、2022年度~2024年度の3年間の営業キャッシュ・フロー累計を2,500億円としています。稼ぐ力の強化と運転資金の効率的な運営により増加を目指します。一方で、注力するIAB(制御機器事業)、HCB(ヘルスケア事業)を中心に、将来の成長に向けた設備投資やM&A投資などの戦略的な投資を実行しています。また、株主還元については、安定的な配当を継続するとともに資本効率を考慮した機動的な自己株式取得も実施しています。引き続き、将来の成長のための投資を実行して、資本コストを上回るリターンに結びつけることで企業価値を高め、株主の皆さまの期待に応えてまいります。

    <キャッシュ・フローの推移>

    (注)1 為替レートの影響は除いて表示しています。

       2 投資キャッシュ・フローについては、事業売却・買収等による影響を分けて表示しています。

         事業売却・買収等による収入・支出には、連結キャッシュ・フロー計算書の「事業売却(現金流出額との純額)」

         「事業買収(現金取得額との純額)」および 「関連会社に対する投資の増加」が含まれています。

    2022年度のキャッシュ・フローの状況

    (営業活動によるキャッシュ・フロー)

     当連結会計年度は、当期純利益が増益となりましたが、売上債権や棚卸資産等の運転資金の増加などにより、535億円の収入(前期比140億円の収入減)となりました。

    (投資活動によるキャッシュ・フロー)

     当期も将来成長のための積極的な投資を継続して実行した結果、555億円の支出(前期比946億円の支出減)となりました。前期との差の主な要因は、前期に実施した、医療統計データサービスの分野での株式会社JMDCとの資本業務提携による同社への出資1,122億円などによるものです。

     なお、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したフリーキャッシュ・フローは21億円の支出(前期比807億円の支出減)となりました。

    (財務活動によるキャッシュ・フロー)

     配当金の支払いや自己株式の取得に加え、借入金の返済などにより、588億円の支出(前期比292億円の支出増)となりました。

     以上の他、当期末における現金及び現金同等物残高は、前期末から502億円減少し、1,053億円となりました。

    2022年3月期 2023年3月期 増減
    営業活動によるキャッシュ・フロー 674 億円 535億円 △140億円
    投資活動によるキャッシュ・フロー △1,502 億円 △555億円 +946億円
    フリーキャッシュ・フロー △827 億円 △21億円 +807億円
    財務活動によるキャッシュ・フロー △296 億円 △588億円 △292億円

    2023年度の財政、キャッシュ・フローの見通し

     次年度(2023年度)においては、長期ビジョン「SF2030」の実現に向けた成長につながる設備投資・投融資を引き続き積極的に実施します。特に設備投資は全社グループのITシステム刷新を行うなど、当期比90億円の増加を見込んでいます。

    財務活動では、金融情勢を鑑みながらグループ全体の効率的な資金配置を行い、柔軟な調達・運用を実施してまいります。

     なお、重要な財務指標であるROE(株主資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)は当社株主に帰属する当期純利益の増加などによりいずれも当期比で改善を見込んでいます。

    <2023年度の財政状態に関連する指標>

    2022年度 (実績) 2023年度 (見通し) 増減
    ROE(株主資本利益率) 10.6% 10%程度
    ROIC(投下資本利益率) 10.4% 10%程度

    <2023年度のキャッシュ・フロー関連項目>

    2022年度 (実績) 2023年度 (見通し) 増減
    減価償却費 266 億円 290 億円 +24 億円
    資本的支出(設備投資) 450 億円 540 億円 +90 億円

      (注)資本的支出は、連結キャッシュ・フロー計算書記載の金額

    資金調達、資本政策の方針

     当社グループは、成長投資の実行と安定的な事業運営を行うため、資本効率を高めつつ、事業運営に必要な流動性と多様な調達手段を確保することを基本方針としています。そのための資金調達を含む資本政策については、以下の基本方針としています。

    (ⅰ)株主価値を維持向上するために、投下資本利益率(ROIC)、株主資本利益率(ROE)および1株当たり利益(EPS)の目標水準を考慮した経営を行います。また、経済環境等の急激な変化に備え、金融情勢によらず資金調達が可能な高格付けを維持できる自己資本比率を目標とします。

    (ⅱ)支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策については、取締役会において、上記の目標とする投下資本利益率(ROIC)、株主資本利益率(ROE)および1株当たり利益(EPS)等への影響を十分に考慮した上で合理的な判断を行います。

    (ⅲ)大規模な希釈化をもたらす資本調達を実施する場合には、資金使途の内容と回収計画を取締役会において十分に審議のうえ決議するとともに、投資家・株主への説明を行います。

    <格付情報>

    格付
    長期 短期
    スタンダード&プアーズ A-1
    格付投資情報センター AA- a-1+

    <社債情報>

     現在発行している社債はありません。

    (参考)ROIC経営への取組み
     当社グループはROICを重要な経営指標としています。全社一丸となってこの指標を持続的に向上させるため、「ROIC経営」を社内に広く浸透させています。長期ビジョン「SF2030」においても、ROIC経営を推進し、今後も飛躍的な成長を実現していきます。

     事業特性が異なる複数の事業部門を持つ当社グループにとって、ROICは各事業部門を公平に評価できる最適な指標です。営業利益の額や率などを指標とした場合、事業特性の違いや事業規模の大小で評価に差が出ますが、投下資本に対する利益を測るROICであれば、公平に評価することができます。独自の事業ポートフォリオを展開していく当社グループにとって、ROICは欠かすことができない指標です。当社グループのROIC経営は、「ROIC逆ツリー展開」、「ポートフォリオマネジメント」の2つで構成しています。

    <ROIC逆ツリー展開>

     ROIC逆ツリー展開により、事業戦略を起点にROICを各部門のKPIに分解して落とし込むことで、現場レベルでのROIC向上を可能にしています。ROICを単純に分解した「ROS」、「投下資本回転率」といった指標では、現場レベルの業務に直接関係しないことから、部門の担当者はROICを向上させるための取組みをイメージすることができません。例えば、ROICを自動化率や設備回転率といった製造部門のKPIにまで分解していくことで、初めて部門の担当者の目標とROIC向上の取組みが直接つながります。現場レベルで全社一丸となりROICを向上させているのが、当社グループの強みです。

    <ポートフォリオマネジメント>

     全社を約60の事業ユニットに分解し、ROICと売上高成長率の2軸で経済価値を評価するポートフォリオマネジメントを行っています。これにより新規参入、成長加速、構造改革、事業撤退などの経営判断を適切かつ迅速に行い、全社の価値向上をドライブしています。

     また、限られた資源を最適に配分するために、「経済価値評価」だけではなく、「市場価値評価」も行っています。それにより、各事業ユニットの成長ポテンシャルを見極められ、より最適な資源配分を可能にしています。

    (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

     当連結財務諸表は米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。連結財務諸表の作成にあたり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。長期性資産の減損、のれんおよび非償却性の無形資産の減損、および繰延税金資産の回収可能性等については、原材料価格高騰の影響を考慮して見積りおよび判断を行っています。

     詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 Ⅰ 重要な会計方針の概要 F 会計処理基準」に記載していますが、当社の経営戦略および連結財務諸表に与える影響から重要性があると考えられるものは以下のとおりです。

    戦略投資等にかかるのれん等の評価

     当社は将来に向けた成長力強化の一環として積極的な戦略投資を行っています。

     HCBにおいては、脳・心血管疾患の重症化を防ぎ、治療をサポートする事業での協業を目的として、米国を中心に心疾患の診断と治療の支援サービスおよび商品を提供するAliveCor,Inc.へ2020年2月に出資を行いました。

     長期ビジョン「SF2030」ではデータを基軸とした価値創造への収益構造転換が重要になると考えており、その先駆けとして、2022年2月に医療データサービス会社である株式会社JMDCとの資本業務提携のために同社株式の取得を行いました。

     当社では、投資管理プロセスを策定しており、買収案件の投資回収状況やのれん減損テストの結果、買収事業の進捗と今後の計画については年に1回、取締役会へ報告しています。

    ①のれん評価

     当社は、のれんの評価について、のれんの償却は行わず、少なくとも年に1回又は減損の兆候が識別された場合に減損テストを実施しています。

     減損テストの実施に当たっては、当該報告単位の公正価値をディスカウント・キャッシュ・フロー法により算出し、対応する帳簿価額と比較して評価を行っています。公正価値は経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しています。事業計画は、マクロ経済状況、市場成長率、利益率、設備計画等の仮定を用いて策定し、事業計画予測期間以後のキャッシュ・フローは、各事業の所在国のインフレ率で永続的に成長するものと仮定して算出しています。

     加重平均資本コストは、リスクフリーレート、所在国の経済や市場の状況を反映させるためのリスクプレミアム、インフレ率、負債コスト、類似企業の決定、類似企業に対してプレミアムもしくはディスカウントが適用されるべきかの決定等、多くの見積りを使用して算出しています。当年度の減損判定で使用した割引率は7.4%から10.9%の範囲です。

     当年度の減損判定においては、公正価値が帳簿価額を超過していたため、のれんの減損損失は認識しておりません。

    ②関連会社に対する投資の評価

     当年度末連結貸借対照表に計上されている関連会社に対する投資及び貸付金には、ヘルスケア事業のAliveCor,Inc.に対する持分法による投資9,835百万円が含まれており、純資産に対する当社の持分相当額を上回る8,199百万円は、主に持分法適用開始時に識別したのれん相当額によるものです。

     当社は、関連会社に対する投資について、投資先の超過収益力に基づく公正価値評価を行い、その価値の下落が一時的とは認められない場合には、持分の簿価が当該関連会社の公正価値の当社持分を超過した分について持分法損失を認識しています。同社についてはスタートアップ企業であるため将来事業計画の達成可能性の不確実性やのれん相当額の重要性を鑑み当該公正価値をのれんの評価と同じ方法で算出した結果、公正価値が投資簿価を上回ることから、評価損失の計上は不要と判断しています。当年度の公正価値の算出にあたっては将来事業計画の期間ごとの達成可能性の評価に応じ、割引率を11.7%から20.0%の範囲で使用しています。

     また、関連会社に対する投資及び貸付金には株式会社JMDCに対する当社持分121,918百万円が含まれており、純資産に対する当社の持分相当額を上回る101,427百万円は主に持分法によるのれん相当額の残高です。

     同社については、市場株価の推移分析、株式市場における市場価格に基づく評価額が帳簿価額を下回る期間及び程度の評価、投資先の業績や取り巻く環境の評価及びディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額と帳簿価額との比較などの定性的、定量的な要素を総合的に勘案した結果、一時的でない価値の下落は生じておらず、評価損失の計上は不要と判断しています。当年度のディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価に使用した割引率は、7.0%から8.0%の範囲です。

    (4) 生産、受注及び販売の実績

     当年度におけるセグメントごとの販売実績は、「(1) 事業環境、経営成績等の状況・分析・検討」に記載のとおりです。なお、当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額で示すことはしていません。

    (5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

     経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。

    5【経営上の重要な契約等】

     該当事項はありません。

    6【研究開発活動】

     当社グループは、技術の強化と人財の育成を目的に中長期的視野に立った技術戦略を定め、研究開発を実行しています。自社の強み、コア技術として進化させ続けている「センシング&コントロール+Think」技術を技術戦略の核として、全社的視点から当社のコーポレート研究所である技術・知財本部が基盤的な技術開発を担い、各事業部門がその応用技術開発や商品開発を実施しています。主力事業である制御機器事業をはじめ、ヘルスケア事業、社会システム事業、電子部品事業に重点的に研究開発費を割当て、製品開発およびものづくり技術の強化を実施しています。

    (1)オムロングループの研究開発への取組み

     2022年度の取組みとしては、ロボティクス、センシング、パワーエレクトロニクス、AI・データ解析を自社コア技術の注力領域として継続的な高度化の取組みを行っています。

    <注力する技術領域>

     ロボティクスにおいては、技術・知財本部の研究開発拠点である京阪奈イノベーションセンタにロボット開発専用の実験環境スペース「ROBOBASE」を新設するなど、人に寄り添うロボット技術の開発に注力しています。

    <人と機械の融和の象徴:第7世代 卓球ロボット「フォルフェウス」>

     フォルフェウスは、オムロンのコア技術「センシング&コントロール+Think」で、機械が人の能力や創造性を引き出す「人と機械の融和」をわかりやすく体現するロボットです。2021年度から取り組んだ第7世代は、最新のAIや、ロボティクスなど、オムロンのコア技術の活用により、ダブルスを組む2人のチームパフォーマンスを高める機能を搭載しています。

    フォルフェウスを始め、オムロンのコア技術に関する情報はこちらをご覧ください。

    https://www.omron.com/jp/ja/technology/

     パワーエレクトロニクスにおいては、今後、電気自動車の急速な普及拡大が見込まれている中、技術・知財本部と社会システム事業の開発部門が連携し、電気自動車を大容量の蓄電池システムと見立て、自然災害時には貯めた電気を住宅や施設で活用可能なV2Xシステムの要素技術を開発いたしました。同システムは、既存の太陽光発電や蓄電池システムとも接続が可能でありながら国内最小最軽量クラスを実現、これまで設置が難しかった狭小地等にも設置が可能な高い自由度を実現しています。

     また、ロボティクスやAI・データ解析においては、技術・知財本部に属する研究子会社であるオムロン サイニックエックス株式会社の牛久 祥孝がプロジェクトマネージャーを務める研究テーマ「人と融和して知の創造・越境をするAIロボット」が、内閣府が推進する困難でインパクトが大きな社会的課題の解決に取り組む挑戦的な研究プロジェクトに資金を提供する「ムーンショット型研究開発制度」における目標3「2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現」のプロジェクトに採択されました。

     グループ全体の研究開発に関する費用の総額は、前連結会計年度は442億77百万円、当連結会計年度は501億82百万円です。なお、研究開発費については、技術・知財本部で行っている技術開発費用64億84百万円が含まれています。

    (2)知的財産活動

     新たな価値創出を進める中で、知的財産は非財務価値の要素としてますます重要となっています。オムロングループの柱として活動する技術・知財本部傘下の知的財産センタは、知財で新たな価値を創り届け、我々の持続的成長に導くように、ミッション、ビジョンを定めて、日々の活動に取り組んでいます。

    <オムロン知的財産センタのミッション・ビジョン>

     知的財産戦略について取締役会の議題として定期的に報告・議論を行うと共に、CTO管掌の元、知的財産センタが司令塔となって、全社横断で知的財産活動に取り組んでいます。知的財産センタは、コーポ―レートの全社技術開発、新規事業創出における知財戦略の策定・実行のほか、事業部門における知財活動の推進責任者を配置し、事業戦略と連結した知財戦略の策定・実行・監督を行っています。2022年度においては、長期ビジョンの実現に向けて知財・無形資産の活用と連結する価値創造ストーリー(ビジネスモデル)の具体化を進めており、「独占排他型」と「シェアリング&インクルージョン型」を最適なバランスで組み合わせ、両利きの知財活動を実行する、全社知的財産戦略の方向性を、取締役会に報告しました。取締役会では、知財活動が従来以上にビジネスモデルに直結した活動に進化している点や、長期ビジョンのコトビジネス化の推進にタイムリーな取組みである点、社内における知財活用の浸透、知的財産財の知見とビジネスセンスを保有する専門人財育成の重要性などについて、活発な議論が行われました。

     両利きの知財活動においては、自社特徴技術の権利化とそれを活用した権利行使の強化だけでなく、近未来デザインを実現する複数のシナリオを知財アーキテクチャとして策定し、ソーシャルニーズの先行出願を行うことで、オムロンユニークな価値を届ける知財活動を強化しています。また、技術者の特許に対するスキル向上のための社内研修を、全技術者向けに継続的に実施すると共に、発明褒賞制度や知財表彰制度を活用することで、技術者の知財活動に対するモチベーションを向上させ、全社的な知財活動の強化を通じて事業成長を図っています。さらに、モノ視点からコト視点への事業環境変化によって発明者の裾野が拡大しているため、技術者のみならず企画部門などの非開発部門のメンバーも対象に、顧客課題・社会課題を解決するコトビジネスの発明創出を推進しています。

    2022年度には、公益社団法人 発明協会が主催する令和4年度全国発明表彰において、製造装置等の信頼性を高めるソフトエラー対策法の発明で、「発明賞」を受賞しました。本発明は、デジタル機器の中核をなすマイクロプロセッサーやメモリーなど半導体デバイスの偶発的エラーを防ぐことで、製造現場のシステム、そして将来的には、EVや自動運転、医療機器といったデジタル機器の信頼性を向上し、人々の安心・安全を支える新技術です。

     この様に、知的財産を経営・事業へ積極的に活かすべく、事業や研究開発と連動させた知的財産戦略を策定・実行し、質・量の両側面で特許創出力を向上してきました。これらの活動の成果により、クラリベイト・アナリティクス社が知財動向の分析に基づき優れたイノベーションパフォーマンスを継続的に発揮している革新企業/機関トップ100を選定する「Clarivate Top 100グローバル・イノベーター」に2017年から7年連続で選出されました。

    (3)事業セグメント別の研究開発活動

    セグメントの名称 当連結会計年度 (自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)
    金額(百万円)
    インダストリアルオートメーションビジネス 27,028
    ヘルスケアビジネス 7,905
    ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス 3,503
    デバイス&モジュールソリューションズビジネス 5,262
    本社他 6,484
    合計 50,182

    ①インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)

     社会的マテリアリティ実践に対する社会からの期待は一段と加速している中、“社会的”課題と“経済的”課題の両方を同時に解決すべく3つのモノづくりのコンセプトを定めています。人を重労働から解放しエネルギー制御と融合させる「①人を超える自働化」、機械が人に寄り添い人の可能性を引き出し、人と機械が共に成長する「②人と機械の高度協調」、前述の2つのコンセプトを支える、現場の商品や人のナレッジ、そしてデータを繋ぎ、価値ある形に擦り合わせる「③デジタルエンジニアリング革新」です。

     これら3つのコンセプトを基に、デジタルデバイス、環境モビリティ、食品・日用品、医療、物流の5つの業界ドメインにおいて、顧客起点で価値創造とグローバルの顧客への価値伝達を進めています。従来のオムロン起点の「モノ」視点から、「コト」視点で俯瞰して顧客課題を捉えるようにシフトし「ソリューション」としての創出・提供にも取り組んでいます。「ソリューション」は様々な先進コア技術やオムロンの幅広いFA商品群を起点にして、機能モジュールやソフトウェア、アプリケーション、サービスを体系的に構成し、各業界の顧客や工程に合わせて提供できるように価値創出を強化しています。新規技術については積極的にパテントを出願や活用する取組みも強化し、各種の受賞も得ています。

    ②ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)

     当セグメントは、マーケティング部門と研究開発部門が一体となり、パーソナライズ医療の実現に向けて、真のユーザーニーズの把握・創出に努め、一層の開発スピードアップを目指しています。また研究開発部門は、一人ひとりの健康ですこやかな生活の実現に向け、脳・心血管疾患の発症ゼロを目指す「循環器事業」、喘息・COPD患者の重症化ゼロを目指す「呼吸器事業」、慢性痛による日常の活動制限ゼロを目指す「ペインマネジメント事業」の3事業領域において新しい価値を提供できる新商品の創出を目指しています。

     当期の主な開発テーマとして、循環器事業においては、疾患の早期発見・治療に繋げることを目的として、血圧、脈拍、脈波、心電計測技術を搭載した心機能低下を捉える新たな血圧計の開発を進めるとともに、遠隔診療サービスのシステム開発・改善に取り組んでいます。

     呼吸器事業においては、喘息やCOPDの患者を対象に、発作の予兆や症状を計測する機器の開発にパートナーと共に取り組んでいます。ペインマネジメント事業においては、新たな鎮痛技術を搭載した低周波治療器の開発に取り組んでいます。

    ③ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)

     当セグメントは、太陽光発電用パワーコンディショナー、蓄電システム、自動改札機や券売機などの駅務システム、交通管制システム、決済システム、UPSなどのネットワーク保護といった、多岐にわたる端末・システムに対するお客様のニーズに応える商品開発に取り組んでいます。

     エネルギーソリューション事業では、再生可能エネルギーへの一層の関心の高まりに応えるため、蓄電システムおよび太陽光発電用パワーコンディショナーを中心に高効率化や小型軽量化などの技術開発並びに発電した電力の自家消費ニーズに応える商品創出などに継続して取り組んでいます。

     駅務システム事業、交通管制システム事業においては駅や道路など、公共の場における利用者の安心・安全・快適に貢献する商品として、AI技術・IoT技術を組み込んだ人や車の動きを検知するセンサー・システムの開発に取り組んでいます。

     また、近年、社会課題となっている労働人口減少に対し、社会インフラにおける労働生産性を向上させる技術が求められる中、データサイエンス分野の技術力強化を進めています。

    ④デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)

     当セグメントは、リレー、スイッチ、コネクタを中心としてエレクトロメカニカルコンポ商品および顔認証等の組込画像ソフト技術、光技術などを用いたセンシングコンポ商品、更にはモジュール化技術による高機能化を強みにお客様のニーズに応える新製品開発に取り組んでいます。リレー技術において、アーク遮断技術と産学連携による三次元アークシミュレーション技術により蓄電システムの充電および放電時に流れる直流電流のオン/オフ制御と安全遮断機能を1つのリレーで実現すると共に、高電圧直流電流の安全遮断プロセスを解析しその解析結果を構造設計に反映することで製品サイズをコンパクトにした高電圧直流リレーを発売しました。カーボンニュートラルの実現や災害用レジリエンス強化に向けて蓄電システムのニーズが高まっており、太陽光発電システムで作り出した電力の自家消費を目的として家庭用蓄電池は製品の高容量化が進んでいます。これを実現するにあたり製品の安全性と小型化が課題となっており、アーク制御技術とCAEによる評価・解析技術を活用することでリレーの高容量化だけでなく安全性・小型化まで実現し、再生可能エネルギーの普及を促進し、脱炭素社会の実現に貢献します。

    第3【設備の状況】

    1【設備投資等の概要】

     当社グループでは、将来の成長に向けた生産設備の増強および拠点投資、ならびにITインフラの刷新など必要な設備投資を厳選のうえ、積極的に行いました。その結果、当期の設備投資額は450億74百万円(前期比31.8%増)となりました。

     部門別の設備投資金額は、次のとおりです。

    セグメントの名称 金額(百万円) 前期比増減(%)
    インダストリアルオートメーションビジネス 9,298 31.9
    ヘルスケアビジネス 6,587 51.3
    ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス 3,395 21.6
    デバイス&モジュールソリューションズビジネス 9,581 57.6
    本社他 16,213 16.3
    合計 45,074 31.8

    (注)「本社他」には、本社機能部門および上記各部門に属さない子会社などが含まれます。

    2【主要な設備の状況】

     当社グループにおける主要な設備は次のとおりです。なお、帳簿価額は、提出会社又は子会社の財務諸表におけるものを記載しています。

    (1) 提出会社

    2023年3月31日現在

    事業所名 (主な所在地) セグメントの名称 設備の内容 帳簿価額(百万円) 従業 員数 (人)
    土地 (面積千㎡) 建物及び構築物 機械装置及び運搬具 その他
    草津事業所 (滋賀県草津市) インダストリアルオートメーションビジネス デバイス&モジュールソリューションズビジネス 制御機器の生産および研究開発設備 電子機器部品の研究開発設備 2,817 (69) 4,289 1,757 1,537 10,400 989
    綾部事業所 (京都府綾部市) インダストリアルオートメーションビジネス 制御機器の生産 1,417 (163) 1,488 824 286 4,015 213
    野洲事業所 (滋賀県野洲市) デバイス&モジュールソリューションズビジネス 電子機器部品の生産および研究開発設備 807 (24) 7,594 395 241 9,037 31
    京都事業所(本社) (京都市下京区) 本社他 全社管理業務用設備 1,298 121 901 2,320 1,197
    京阪奈イノベー ションセンタ (京都府木津川市) 本社他 新技術・新製品の開発、特許・技術情報関連施設 3,789 (72) 3,267 269 246 7,571 268
    桂川事業所 (京都府向日市) 本社他 全社管理業務用設備 3,237 149 3,386 89

     (注)1 帳簿価額のうちその他は、工具、器具及び備品および建設仮勘定の合計です。

        2 帳簿価額のうち土地は「土地の再評価に関する法律」(平成10年3月31日公布法律第34号)および「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(平成13年6月29日公布法律第94号)の適用による再評価後の金額です。

    3 帳簿価額のうち土地の面積については、自社所有分を( )で記載しています。

    4 セグメントの名称は、主要なオペレーティング・セグメントを記載しています。

    5 従業員数は就業人員数です。

    6 上記の他、連結会社以外からの主要な賃借設備の内容は下記のとおりです。

    事業所名 (所在地) セグメントの名称 設備の内容 賃借期間 年間賃借料 (百万円)
    京都事業所(本社) (京都市下京区) 本社他 建物 2025年3月まで 1,080
    東京事業所 (東京都港区) 本社他 建物 2030年12月まで 1,209

    (2) 国内子会社

    2023年3月31日現在

    会社名 事業所名 (主な所在地) セグメントの名称 設備の内容 帳簿価額(百万円) 従業 員数 (人)
    土地 (面積千㎡) 建物及び構築物 機械装置及び運搬具 その他 合計
    オムロンリレーアンドデバイス㈱ (熊本県山鹿市) デバイス&モジュールソリューションズビジネス 電子機器部品の生産設備 1,046 (222) 1,403 952 521 3,922 442
    オムロンヘルスケア㈱ (京都府向日市) ヘルスケアビジネス 健康機器の研究・開発および販売・管理業務用施設ならびに生産設備 2,194 (34) 4,151 819 309 7,473 666
    オムロン阿蘇㈱ (熊本県阿蘇市) ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス 創エネ・省エネ機器の製造・販売・開発 218 (60) 442 514 157 1,331 234

     (注)1 帳簿価額のうちその他は、金型および建設仮勘定の合計です。

    2 帳簿価額のうち土地の面積については、自社所有分を( )で記載しています。

    3 セグメントの名称は、主要なオペレーティング・セグメントを記載しています。

    4 従業員数は就業人員数です。

    (3) 在外子会社

    2023年3月31日現在

    会社名 事業所名 (主な所在地) セグメントの名称 設備の内容 帳簿価額(百万円) 従業 員数 (人)
    土地 (面積千㎡) 建物及び構築物 機械装置及び運搬具 その他 合計
    OMRON (SHANGHAI) CO., LTD. (中国 上海) インダストリアルオートメーションビジネス 制御機器の生産設備 - [54] 2,185 2,865 1,366 6,416 1,463
    OMRON ELECTRONICCOMPONENTS(SHENZHEN) LTD. (中国 深圳) デバイス&モジュールソリューションズビジネス 電子機器部品の生産設備 - [124] 1,585 13,596 2,083 17,264 3,138
    OMRON DALIAN CO., LTD. (中国 大連) ヘルスケアビジネス 健康機器の生産設備 - [57] 5,961 895 424 7,280 1,477

     (注)1 帳簿価額のうちその他は、金型および建設仮勘定の合計です。

    2 帳簿価額のうち土地の面積については、賃借分を[ ]で記載しています。

    3 セグメントの名称は、主要なオペレーティング・セグメントを記載しています。

    4 従業員数は就業人員数です。

    3【設備の新設、除却等の計画】

     当連結会計年度末現在における重要な設備の計画は次のとおりです。

    (1) 新設

     当社グループの設備投資については、将来の競争力強化等を目的に、経済状況・需要動向・投資効率等を総合的

    に勘案し計画しています。当連結会計年度後1年間の設備投資予定額は53,700百万円であり、その所要資金については自己資金を充当する予定です。

    (2) 重要な設備の除却等

     該当事項はありません。

    第4【提出会社の状況】

    1【株式等の状況】

    (1) 【株式の総数等】

    ① 【株式の総数】
    種類 発行可能株式総数(株)
    普通株式 487,000,000
    487,000,000
    ② 【発行済株式】
    種類 事業年度末現在 発行数(株) (2023年3月31日) 提出日現在 発行数(株) (2023年6月23日) 上場金融商品取引所名 又は登録認可金融 商品取引業協会名 内容
    普通株式 206,244,872 206,244,872 東京証券取引所 プライム市場 フランクフルト証券取引所 (フランクフルト証券取引所には、預託証券の形式による上場) 完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式。 単元株式数 100株
    206,244,872 206,244,872

    (2) 【新株予約権等の状況】

    ① 【ストックオプション制度の内容】

         該当事項はありません。

    ② 【ライツプランの内容】

         該当事項はありません。

    ③ 【その他の新株予約権等の状況】

         該当事項はありません。

    (3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】

        該当事項はありません。

    (4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

    年月日 発行済株式 総数増減数 (千株) 発行済株式 総数残高 (千株) 資本金増減額 (百万円) 資本金残高 (百万円) 資本準備金 増減額 (百万円) 資本準備金 残高 (百万円)
    2019年11月29日 (注) △7,713 206,245 64,100 88,771

      (注)自己株式の消却による減少です。

    (5) 【所有者別状況】

    2023年3月31日現在
    区分 株式の状況(1単元の株式数 100株) 単元未満 株式の状況 (株)
    政府及び地方公共団体 金融機関 金融商品 取引業者 その他の 法人 外国法人等 個人その他
    個人以外 個人
    株主数 (人) 1 84 37 326 814 29 24,830 26,121
    所有株式数 (単元) 10 904,557 59,128 96,380 708,063 72 292,174 2,060,384 206,472
    所有株式数の割合(%) 0.00 43.90 2.87 4.68 34.37 0.00 14.18 100.00

     (注)1 2023年3月31日現在における株主名簿中の自己株式残高8,817,484株のうち、88,174単元は「個人その他」の欄に、84株は「単元未満株式の状況」に含めています。

    2 上記、「その他の法人」欄には、証券保管振替機構名義の株式が2単元含まれています。

    (6) 【大株主の状況】

    2023年3月31日現在
    氏名又は名称 住所 所有株式数 (千株) 発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
    日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 東京都港区浜松町2丁目11番3号 45,690 23.14
    株式会社日本カストディ銀行(信託口) 東京都中央区晴海1丁目8番12号 17,459 8.84
    株式会社京都銀行 (常任代理人 株式会社日本カストディ銀行) 京都府京都市下京区烏丸通松原上る薬師前町700 (東京都中央区晴海1丁目8番12号) 7,069 3.58
    株式会社三菱UFJ銀行 東京都千代田区丸の内2丁目7番1号 5,143 2.60
    MOXLEY AND CO LLC (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) 4 NEW YORK PLAZA, 13TH FLOOR, NEW YORK, NY 10004 U.S.A. (東京都千代田区丸の内2丁目7-1 決済事業部) 4,050 2.05
    日本生命保険相互会社 (常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社) 東京都千代田区丸の内1丁目6番6号 日本生命証券管理部内 (東京都港区浜松町2丁目11番3号) 3,640 1.84
    オムロン従業員持株会 京都府京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地 3,564 1.80
    STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) 1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171,U.S.A. (東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟) 3,473 1.75
    JPモルガン証券株式会社 東京都千代田区丸の内2丁目7-3 東京ビルディング 2,636 1.33
    公益財団法人立石科学技術振興財団 京都府京都市下京区油小路通塩小路下る南不動堂町11番地 2,625 1.32
    95,349 48.25

     (注)1  当社は、自己株式8,817千株(発行済株式総数に対する割合4.27%)を保有していますが、上記大株主から除外しています。

       2  2020年5月21日付で、三井住友信託銀行株式会社から提出され、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2020年5月15日現在の同社グループ2社が保有する当社株式は14,731千株(発行済株式総数に対する割合7.14%)である旨が記載されています。ただし、当社として同社の実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主に含めていません。

       3  2020年7月20日付で、野村證券株式会社から提出され、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2020年7月15日現在の同社グループ1社が保有する当社株式は16,272千株(発行済株式総数に対する割合7.89%)である旨が記載されています。ただし、当社として同社の実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主に含めていません。

       4  2022年3月22日付で、ブラックロック・ジャパン株式会社から提出され、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2022年3月15日現在の同社グループ12社が保有する当社株式は16,217千株(発行済株式総数に対する割合7.86%)である旨が記載されています。ただし、当社として同社の実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主に含めていません。

       5  2022年12月19日付で、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループから提出され、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2022年12月12日現在の同社グループ3社が保有する当社株式は15,792千株(発行済株式総数に対する割合7.66%)である旨が記載されています。ただし、当社として同社の実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主に含めていません。

    (7) 【議決権の状況】

    ① 【発行済株式】
    2023年3月31日現在
    区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
    無議決権株式
    議決権制限株式(自己株式等)
    議決権制限株式(その他)
    完全議決権株式(自己株式等) 普通株式 8,817,400 権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式
    完全議決権株式(その他) 普通株式 197,221,000 1,972,210 同上
    単元未満株式 普通株式 206,472 同上
    発行済株式総数 206,244,872
    総株主の議決権 1,972,210

     (注)1「完全議決権株式(その他)」の「株式数」および「議決権の数」の中には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ200株および2個含まれています。

        2「完全議決権株式(その他)」の「株式数」および「議決権の数」の中には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託として保有する当社株式がそれぞれ600,200株および6,002個含まれています。

    ② 【自己株式等】
    2023年3月31日現在
    所有者の氏名又は名称 所有者の住所 自己名義 所有株式数(株) 他人名義 所有株式数(株) 所有株式数の合計 (株) 発行済株式総数に対する所有 株式数の割合(%)
    (自己保有株式) オムロン株式会社 京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地 8,817,400 8,817,400 4.27
    8,817,400 8,817,400 4.27

    (8)【役員・従業員株式所有制度の内容】

       ① 取締役等に対する業績連動型株式付与制度

    当社は、2021年5月14日開催の当社取締役会において、2017年度より導入している社外取締役を除く当社取締役および当社執行役員ならびに当社執行役員の地位を有する当社子会社取締役(以下あわせて「取締役等」という。)を対象とした業績連動型株式付与制度(以下「本制度」という。)の継続および一部改定を決議し、本制度の一部改定に関する議案を2021年6月開催の第84期定時株主総会において決議しました。

    中期経営計画の実現に向けて、取締役等の報酬等と当社の株式価値との連動性をより明確にし、中期経営計画における業績目標達成の意欲を高めることおよび、取締役等による自社株保有の促進を通じて持続的な企業価値(株式価値)向上への貢献意欲を高めることを目的に、取締役等へのインセンティブプランとして、本制度を継続するものです。

    当社取締役および当社執行役員の地位を有する当社子会社取締役(以下あわせて「対象取締役」という。)を対象とした本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)の仕組みを採用しています。また、当社執行役員(BIP信託の対象となる者を除く。以下「対象執行役員」という。)を対象とした本制度は、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下「ESOP信託」という。)の仕組みを採用しています。

    1.BIP信託

    1)制度の概要

    BIP信託とは、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)制度および譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度と同様に、役位および業績目標達成度等に応じて取締役に当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)を交付および給付(以下「交付等」という。)する、役員向けの株式報酬制度です。当社は、当社の掲げる中期経営計画の対象となる事業年度を対象として、受益者要件を充足する対象取締役を受益者とするBIP信託を設定しています。なお、以下の各制度対象者に応じて、2つのBIP信託(以下BIP信託ⅠおよびBIP信託Ⅱをあわせて「本信託」という。)を設定しています。

     BIP信託Ⅰ:当社取締役

     BIP信託Ⅱ:当社執行役員の地位を有する当社子会社取締役

     本信託は、対象取締役の役位および中期経営計画の業績目標の達成度等に応じて、役員報酬として当社株式等について交付等を行う株式報酬制度です。なお、本信託は、当社株式等の交付等を中期経営計画終了後に行う「業績連動部分」と、対象取締役の退任後に行う「非業績連動部分」から構成されています。「業績連動部分」は当社中期経営計画の達成に向けた対象取締役の動機付けおよび中長期の業績と取締役報酬の連動強化を、「非業績連動部分」は対象取締役の株式保有を通じた株主との利害共有の強化を目的とし、「業績連動部分」と「非業績連動部分」の構成割合は、それぞれ60%と40%としています。

    2)信託契約の内容

    ・信託の種類 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
    ・信託の目的 対象取締役に対するインセンティブの付与
    ・委託者 当社
    ・受託者 三菱UFJ信託銀行株式会社 (共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)
    ・受益者 対象取締役のうち受益者要件を満たす者
    ・信託管理人 当社と利害関係のない第三者(公認会計士)
    ・信託契約日 2017年8月1日
    ・信託の期間 2017年8月1日~2025年8月31日
    ・制度開始日 2017年8月1日
    ・議決権行使 行使しないものとする。
    ・取得株式の種類 当社普通株式
    ・信託金の金額 BIP信託Ⅰ:9.2億円(信託報酬・信託費用を含む。) BIP信託Ⅱ:0.3億円(信託報酬・信託費用を含む。)
    ・株式の取得時期 2021年8月
    ・株式の取得方法 株式市場から取得
    ・帰属権利者 当社
    ・残余財産 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金等の範囲内とします。

    3)対象取締役に取得させることができる株式上限総数

     BIP信託Ⅰ:600,000株

     BIP信託Ⅱ:200,000株

    4)受益者の範囲

     BIP信託Ⅰ:受益者要件を満たす当社取締役

     BIP信託Ⅱ:受益者要件を満たす当社執行役員の地位を有する当社子会社取締役

    2.ESOP信託

    1)制度の概要

     ESOP信託とは、米国のESOP制度を参考にした信託型インセンティブプランです。当社の掲げる中期経営計画の対象となる事業年度を対象として、受益者要件を充足する対象執行役員を受益者とするESOP信託を設定しています。ESOP信託は予め定める株式交付規程に基づき対象執行役員に交付すると見込まれる数の当社株式を株式市場から取得します。その後、ESOP信託は、株式交付規程に従い、対象執行役員の役位および中期経営計画の業績目標の達成度等に応じた当社株式等の交付等を行います。なお、ESOP信託は、BIP信託Ⅰ・Ⅱと同様に、当社株式等の交付等を中期経営計画終了後に行う「業績連動部分」と、対象執行役員の退任後に行う「非業績連動部分」から構成されています。「業績連動部分」は当社中期経営計画の達成に向けた対象執行役員の動機付けおよび中長期の業績と経済的利益の連動強化を、「非業績連動部分」は対象執行役員の株式保有を通じた株主との利害共有の強化を目的とし、「業績連動部分」と「非業績連動部分」の構成割合は、それぞれ60%と40%としています。

    2)信託契約の内容

    ・信託の種類 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
    ・信託の目的 対象執行役員に対するインセンティブの付与
    ・委託者 当社
    ・受託者 三菱UFJ信託銀行株式会社 (共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)
    ・受益者 対象執行役員のうち受益者要件を満たす者
    ・信託管理人 当社と利害関係のない第三者(公認会計士)
    ・信託契約日 2017年8月1日
    ・信託の期間 2017年8月1日~2025年8月31日
    ・制度開始日 2017年8月1日
    ・議決権行使 行使しないものとする。
    ・取得株式の種類 当社普通株式
    ・信託金の金額 3.6億円(信託報酬・信託費用を含む。)
    ・株式の取得時期 2021年8月
    ・株式の取得方法 株式市場から取得
    ・帰属権利者 当社
    ・残余財産 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金等の範囲内とする。

    3)受益者の範囲

     受益者要件を満たす対象執行役員

       ② 従業員に対する株式付与制度

     1.従業員持株会を通じた株式付与

    当社は、2022年3月1日開催の当社取締役会において、当社および当社国内子会社(以下「当社子会社」という。)の従業員に対して、従業員持株会を通じた株式の付与(以下「本制度」という。)を決議しました。

    本制度は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」の開始にあたり当社および当社国内子会社の従業員の企業価値への感度および企業価値向上への意識を高めることおよび、オムロン従業員持株会(以下、「本持株会」という。)へのさらなる入会を奨励することを企図して、当社の発行する普通株式(以下、「当社株式」という。)を、本持株会の会員(以下、「会員」という。)に対し、特別奨励金として付与するものです。

    本制度は、会員に特別奨励金を付与し、当該特別奨励金の拠出をもって本持株会に自己株式を処分するもので、第三者割当の方法によるものです。

     1)処分の概要

    ・処分期日 2022年5月17日
    ・処分する株式の 種類及び数 当社普通株式 99,430株
    ・処分価額 1株につき7,760円
    ・処分総額 771,576,800円
    ・処分方法 (割当先) 第三者割当の方法による (オムロン従業員持株会 99,430株) (本スキームの対象となる人数である当社および当社国内子会社の従業員9,943名に対し、一律10株付与します。)

     2)受益者の範囲

    2022年4月1日に在籍している当社および当社国内子会社の従業員のうち、本制度に同意している2022年5月17日時点の本持株会会員

     2.従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブプラン

    当社は、2022年3月1日開催の当社取締役会において、当社および当社国内子会社のマネージャー層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブプラン(以下「本制度」という。)の導入を決議しました。

    本制度は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践していきます。その取組みの一つとして、本持株会に加入する当社および当社国内子会社のマネージャー層の従業員のうち本制度に同意する者(以下「対象従業員」という。)に対し、本持株会を通じた当社が発行又は処分する譲渡制限付株式(当社普通株式)の取得機会を創出することによって、対象従業員の財産形成の一助とすることに加え、当社の企業価値の持続的な向上を図る主体性と貢献意欲を高めることを目的とするものです。

    本制度においては、対象従業員に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」という。)が支給され、対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出することとなります。そして、本持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。

     1)処分の概要

    ・処分期日 2022年5月31日
    ・処分する株式の 種類及び数 当社普通株式 104,781株
    ・処分価額 1株につき7,760円
    ・処分総額 813,100,560円
    ・処分方法 (割当先) 第三者割当の方法による (オムロン従業員持株会 104,781株)

     2)受益者の範囲

    2022年4月1日に在籍している当社および当社国内子会社のマネージャー層の従業員のうち、本制度に同意している2022年5月31日時点の本持株会会員

      3.従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プラン

    当社は、2022年3月1日開催の当社取締役会において、当社および当社国内子会社の一般職層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プラン(以下「本制度」という。)の導入を決議しました。

    本制度は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践していきます。その取組みの一つとして本持株会に加入する当社および当社国内子会社の一般職層の従業員のうち本制度に同意する者(以下「対象従業員」という。)に対し、本持株会を通じた当社が発行又は処分する譲渡制限付株式(当社普通株式)の取得機会を創出することによって、対象従業員の財産形成の一助とすることに加え、当社の企業価値への関心を高めるとともに、本持株会のさらなる活性化を図ることを目的とするものです。

    本制度においては、対象従業員に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」という。)が支給され、対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出することとなります。そして、本持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。

     1)処分の概要

    ・処分期日 2022年5月31日
    ・処分する株式の 種類及び数 当社普通株式 299,819株
    ・処分価額 1株につき7,760円
    ・処分総額 2,326,595,440円
    ・処分方法 (割当先) 第三者割当の方法による (オムロン従業員持株会 299,819株)

     2)受益者の範囲

    2022年4月1日に在籍している当社および当社国内子会社の一般職層の従業員のうち、本制度に同意している2022年5月31日時点の本持株会会員

     4.従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブプラン

    当社は、2022年3月1日開催の当社取締役会において、当社および当社国内子会社のマネージャー層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブプラン(以下「本制度」という。)の導入を決議しました。

    本制度は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践していきます。その取組みの一つとして、本持株会に加入する当社および当社国内子会社のマネージャー層の従業員のうち本制度に同意する者(以下「対象従業員」という。)に対し、本持株会を通じた当社が発行又は処分する譲渡制限付株式(当社普通株式)の取得機会を創出することによって、対象従業員の財産形成の一助とすることに加え、当社の企業価値の持続的な向上を図る主体性と貢献意欲を高めることを目的とするものです。

    また、2023年2月28日開催の当社取締役会において、2022年4月2日から2023年4月3日までの入社者・新規昇格者・海外勤務からの帰国者における当社子会社のマネージャー層の従業員のうち、本制度に同意する会社所定の要件を満たした者に対し、本制度の導入を決議しました。

    本制度においては、対象従業員に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」という。)が支給され、対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出することとなります。そして、本持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。

     1)処分の概要

    ・処分期日 2023年5月31日
    ・処分する株式の 種類及び数 当社普通株式 5,496株
    ・処分価額 1株につき7,213円
    ・処分総額 39,642,648円
    ・処分方法 (割当先) 第三者割当の方法による (オムロン従業員持株会 5,496株)

     2)受益者の範囲

    2023年4月3日に在籍している当社および当社国内子会社のマネージャー層の従業員のうち、①2022年4月2日~2023年4月3日の入社者②2023年3月21日新規マネージャー昇格者③2022年4月21日付~2023年3月21日付の海外からの帰国者のいずれかに該当し、本制度に同意している2023年5月31日時点の本持株会会員

      5.従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プラン

    当社は、2022年3月1日開催の当社取締役会において、当社および当社国内子会社の一般職層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プラン(以下「本制度」という。)の導入を決議しました。

    本制度は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践していきます。その取組みの一つとして本持株会に加入する当社および当社国内子会社の一般職層の従業員うち本制度に同意する者(以下「対象従業員」という。)に対し、本持株会を通じた当社が発行又は処分する譲渡制限付株式(当社普通株式)の取得機会を創出することによって、対象従業員の財産形成の一助とすることに加え、当社の企業価値への関心を高めるとともに、本持株会のさらなる活性化を図ることを目的とするものです。

    また、2023年2月28日開催の当社取締役会において、2022年4月2日から2023年4月3日までの入社者・海外勤務からの帰国者における当社子会社の一般職層の従業員のうち、本制度に同意する会社所定の要件を満たした者に対し、本制度の導入を決議しました。

    本制度においては、対象従業員に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」という。)が支給され、対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出することとなります。そして、本持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。

     1)処分の概要

    ・処分期日 2023年5月31日
    ・処分する株式の 種類及び数 当社普通株式 9,000株
    ・処分価額 1株につき7,213円
    ・処分総額 64,917,000円
    ・処分方法 (割当先) 第三者割当の方法による (オムロン従業員持株会 9,000株)

     2)受益者の範囲

    2023年4月3日に在籍している当社および当社国内子会社の一般職層の従業員のうち、①2022年4月2日~2023年4月3日の入社者②2022年4月21日付~2023年3月21日付の海外からの帰国者のいずれかに該当し、本制度に同意している2023年5月31日時点の本持株会会員

      6.株式付与ESOP信託を用いた中期インセンティブプラン

    当社は、2023年2月28日開催の当社取締役会において、当社海外子会社のマネージャー層を対象として、株式付与ESOP信託を用いた中期インセンティブプラン(以下「本制度」という。)の導入を決議しました。

    本制度は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践していきます。その取組みの一つとして当社海外子会社の従業員のうち、本制度の対象となるマネージャー層(以下「対象従業員」という。)に対し、本制度株式(当社普通株式)の取得機会を創出することによって、中期経営計画における業績目標達成の意欲を高めること及び、対象従業員による会社株式保有の促進を通じてオムロングループの持続的な企業価値(株式価値)向上への貢献意欲を高めることを目的とするものです。

    本制度は、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下「ESOP信託」という。)の仕組みを採用します。ESOP信託とは、米国のESOP制度を参考にした信託型インセンティブプランです。

     1)信託契約の内容

    ・信託の種類 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
    ・信託の目的 対象従業員に対するインセンティブの付与
    ・委託者 当社
    ・受託者 三菱UFJ信託銀行株式会社 (共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)
    ・信託管理人 当社と利害関係のない第三者(公認会計士)
    ・信託契約日 2023年5月26日
    ・信託の期間 2023年5月26日~2025年8月末日
    ・制度開始日 2023年5月26日
    ・議決権行使 行使しないものとする。
    ・取得株式の種類 当社普通株式
    ・信託金の金額 0.5億円(信託報酬・信託費用を含む。)
    ・株式の取得時期 2023年5月31日
    ・株式の取得方法 当社からの第三者割当による自己株式処分
    ・帰属権利者 当社
    ・残余財産 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金等の範囲内とする。

     2)受益者の範囲

    受益者要件を満たす対象当社海外子会社マネージャー

    2【自己株式の取得等の状況】

    【株式の種類等】会社法第155条第3号による普通株式の取得および会社法第155条第7号による普通株式の取得

    (1) 【株主総会決議による取得の状況】

    該当事項はありません。

    (2) 【取締役会決議による取得の状況】

    会社法第155条第3号による取得

     2021年10月28日の取締役会決議による取得の状況

    区分 株式数(株) 価額の総額(円)
    取締役会(2021年10月28日)での決議状況 (取得期間 2021年10月29日~2022年4月28日) 3,300,000 30,000,000,000
    当事業年度前における取得自己株式 2,630,300 29,998,505,500
    当事業年度における取得自己株式
    残存決議株式の総数および価額の総額 669,700 1,494,500
    当事業年度の末日現在の未行使割合(%) 20.3 0.0
    当期間における取得自己株式
    提出日現在の未行使割合(%) 20.3 0.0

          2022年7月26日の取締役会決議による取得の状況

    区分 株式数(株) 価額の総額(円)
    取締役会(2022年7月26日)での決議状況 (取得期間 2022年7月27日~2023年3月31日) 3,300,000 20,000,000,000
    当事業年度前における取得自己株式
    当事業年度における取得自己株式 2,864,800 19,999,151,986
    残存決議株式の総数および価額の総額 435,200 848,014
    当事業年度の末日現在の未行使割合(%) 13.2 0.0
    当期間における取得自己株式
    提出日現在の未行使割合(%) 13.2 0.0

    (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】

      会社法第155条第7号による取得

    区分 株式数(株) 価額の総額(円)
    当事業年度における取得自己株式 9,596 14,018,360
    当期間における取得自己株式 2,700 3,698,646

     (注)1 当期間における取得自己株式には、2023年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り

          による株式数は含まれていません。

        2 取得自己株式には、役員報酬ESOP信託が取得した当社株式は含まれていません。

    (4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】

    区分 当事業年度 当期間
    株式数(株) 処分価額の総額 (円) 株式数(株) 処分価額の総額 (円)
    引き受ける者の募集を行った取得自己株式 504,030 3,911,272,800 14,496 104,559,648
    消却の処分を行った取得自己株式
    合併、株式交換、株式交付、会社分割に係る移転を行った取得自己株式
    その他(単元未満株式の売渡請求による売渡) 95 632,517
    保有自己株式数 8,817,484 8,799,784

     (注)1 当期間における処理自己株式数および保有自己株式数には、2023年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りおよび売渡しによる株式数は含まれていません。

        2 処理自己株式数および保有自己株式数には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式は含まれていません。

    3【配当政策】

     当社は、定款の定めに基づき取締役会決議によって行う中間配当を除き、剰余金の配当等の決定については株主総会に諮ります。

     当社は、株主の皆さまへの還元を含む利益配分に関しては、次の基本方針を適用しています。

      キャッシュアロケーションポリシー

    (1) 長期ビジョンの実現による企業価値の最大化を目指し、中長期視点で新たな価値を創造するための投資を優先します。2022~2024年度の中期経営計画(SF 1st Stage)においては、社会的課題の解決やソーシャルニーズ創造のための人財や研究開発などへの投資、増産やDXなどの設備投資、M&A&A(買収・合併・提携)などの成長投資に加えて、脱炭素・環境負荷低減やバリューチェーンにおける人権尊重などのサステナビリティへの取組みに対する投資を優先します。その上で、安定的・継続的な株主還元を実行していきます。

    (2) これら価値創造のための投資や株主還元の原資は内部留保や持続的に創出する営業キャッシュ・フローを基本とし、必要に応じて適切な資金調達手段を講じて充当します。なお、金融情勢によらず資金調達を可能とするため、引き続き財務健全性の維持に努めます。

    株主還元方針

    (1) 中長期視点での価値創造に必要な投資を優先した上で、毎年の配当金については、「株主資本配当率(DOE)3%程度」を基準とします。そのうえで、過去の配当実績も勘案して、安定的、継続的な株主還元に努めます。

    (2) 上記の投資と利益配分を実施したうえで、さらに長期にわたり留保された余剰資金については、機動的に自己株式の買入れなどを行い、株主の皆さまに還元していきます。

     当期の期末配当金については、業績状況を鑑み、DOE基準ならびに過去の配当額の水準も考慮したうえで安定的・継続的な配当とするため、49円としました。2022年12月2日に実施済みの中間配当金49円を加えると、年間配当金は98円となります。

     次期の年間配当金については、上記の方針に沿って、104円とする予定です。なお、次期の中間(第2四半期末)および期末の配当金は未定です。

    <株主還元の推移>

     (注)1 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本としています。

    2 剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。

    3 当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めています。

    4 総還元性向の算出式は次の通りです。総還元性向=(現金配当額+自己株式の取得金額)/当社株主に帰属する当期純利益(純損失)(単元未満株の買取分は含まない)。

    5 当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。

    決議年月日 配当金の総額 (百万円) 1株当たり配当額 (円)
    2022年10月26日 9,778 49.00
    取締役会決議
    2023年6月22日 9,674 49.00
    定時株主総会決議

    <株主総利回り(TSR)の推移>

       (注)TSRは、2017年度末時点の株価を基準として算出しています。

    4【コーポレート・ガバナンスの状況等】

    (1)【コーポレート・ガバナンスの概要】

    ①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

     当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスとは、「企業理念」および「経営のスタンス」に基づき、すべてのステークホルダーの支持を得て、持続的な企業価値の向上を実現するために、経営の透明性・公正性を高め、迅速な意思決定を行うとともに、監督から執行の現場までを有機的に連携させ、経営のスピードを速め、企業の競争力の強化を図るための仕組みであり、その仕組みを構築し機能させることです。

     当社グループは、この基本的な考え方に基づき、オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシーを制定し、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実に取り組みます。

    オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシーは、以下URLを参照ください。

    URL:https://www.omron.com/jp/ja/about/corporate/governance/policy/

    <企業理念>

     当社グループの「企業理念」および「経営のスタンス」は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

      ②コーポレート・ガバナンスの体制

    <コーポレート・ガバナンスの体制の概要>

     当社は、会社法上の機関設計として、監査役会設置会社を選択しています。また、取締役会の監督機能を強化するため、社長指名諮問委員会、人事諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会を設置し、監査役会設置会社に指名委員会等設置会社の優れた面も取り入れたハイブリッド型の機関設計を構築するとともに機能させています。

     取締役会は、取締役8名で構成しており、取締役・監査役・執行役員の選任、取締役・執行役員の報酬の決定、および重要な業務執行の決定等を通じて、経営全般に対する監督機能を発揮して経営の公正性・透明性を確保しています。また、監督機能を強化するため、監督と執行を分離し、取締役の過半数を業務執行を行わない取締役によって構成すると共に、独立社外取締役の割合を3分の1以上としています。取締役会議長は代表権を持たない取締役会長が務め、執行を行わずにステークホルダーの代表として監督を行っています。なお、独立社外取締役の専従スタッフは配置していませんが、「取締役室」「グローバル戦略本部」のスタッフが適宜対応しています。

     監査役会は、監査役4名で構成しており、各監査役による監査の実効性を確保するための体制整備に努めています。監査役は、取締役の職務執行および取締役会の監督義務の履行状況について、適法性監査および妥当性監査を行っています。なお、独立社外監査役の専従スタッフは配置していませんが、「監査役室」のスタッフが適宜対応しています。

     社長指名諮問委員会、人事諮問委員会、報酬諮問委員会の委員長はいずれも独立社外取締役とし、委員の過半数を独立社外取締役としています。コーポレート・ガバナンス委員会の委員長および委員は、独立社外取締役および独立社外監査役としています。いずれの委員会にも社長CEOは属していません。

     社長指名諮問委員会は、社長の選定に特化して次年度の社長CEO候補者、緊急事態が生じた場合の継承プランおよび後継者計画(サクセッションプラン)を審議しています。人事諮問委員会は、取締役・監査役・執行役員の人事に関する選任基準・方針を策定し、候補者を審議しています。報酬諮問委員会は、取締役・執行役員の報酬に関する方針を策定し、報酬水準および報酬額を審議しています。コーポレート・ガバナンス委員会は、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実と、経営の透明性・公正性を高めるための施策について議論しています。

    <現状のコーポレート・ガバナンスの体制を採用する理由>

     前述の通り、当社は、監査役会設置会社を選択しています。

     取締役会は、取締役・監査役・執行役員の選任、取締役・執行役員の報酬の決定、および重要な業務執行の決定等を通じて、経営全般に対する監督機能を発揮し、持続的な企業価値の向上に努めています。

     監査役会および監査役は、取締役の職務執行および取締役会の監督義務の履行状況について、適法性監査および妥当性監査を行い、持続的な企業価値の向上に向けて企業の健全性を確保し株主共同の利益のために行動しています。また、監査役の独任制に基づき、各監査役が単独で権限を行使することが可能であり、内部統制を強化させる重要な役割を果たしていると考えています。

     さらに、取締役会の監督機能を強化するため、取締役会の傘下に社長指名諮問委員会、人事諮問委員会、報酬諮問委員会を設置し、いずれの委員会も委員長は独立社外取締役とし、委員の過半数を独立社外取締役としています。特に、社長指名諮問委員会は監督機能上の最重要事項である社長の選任等に特化しています。加えてコーポレート・ガバナンスの向上を目的に、コーポレート・ガバナンス委員会を設置し、委員長および委員は独立社外取締役および独立社外監査役としています。これらの当社独自の工夫により、経営陣の意思決定に対する透明性と客観性を高める仕組みを構築し機能させています。

     このように、監査役会設置会社として、指名委員会等設置会社のコーポレート・ガバナンス体制の優れた面を取りいれたハイブリッド型のコーポレート・ガバナンス体制は、当社にとって最適な体制であると考えています。

    <オムロンのコーポレート・ガバナンス体制>

    ③取締役会

    1)取締役会の構成に関する考え方

      当社は、取締役会の監督機能を強化するために、監督と執行を分離し、取締役の過半数を業務執行を行わない

     取締役によって構成しています。また、取締役会における社外取締役の割合を3分の1以上としています。社外

     取締役および社外監査役については、独立性の確保の観点から、当社の「社外役員の独立性要件」を基準に選任

     します。そのうえで、取締役会の構成員である取締役および監査役について、経営ビジョンを実現するために必

     要な経験・専門知識・知見を備える人財で構成し、取締役会における多様性を確保します。

    2)取締役・監査役の選任方針

     ・取締役・監査役・執行役員は、経営ビジョンを実現するために必要な経験・専門知識・知見を備える人財で構

      成します。

     ・人事諮問委員会は、グローバルでの成長、競争力強化、著しいビジネス環境の変化に迅速に対応するために、

      取締役・監査役・執行役員の多様化(経験・専門知識・知見・ジェンダー・国際性・年代)に努めます。

     ・取締役・監査役に関わる経営ビジョンを実現するために必要な経験・専門知識・知見は、スキルマトリックス

      で開示します。

     [社外取締役の登用基準]

     ・当社の監督機能上の最重要事項である社長の選任等に特化した社長指名諮問委員会には社外取締役が深く

      関与しており、透明性・客観性の高い社長CEOの選任体制を確立するために、社外取締役は経営者経験もしく

      はそれに準ずる経験があることとしています。

     [社外監査役の登用基準]

     ・監査役としての必要な見識、高い倫理観、公正さ、誠実さを有し、また、法律、財務および会計、経営等の専

      門的知見を有することとしています。

    3)取締役会の構成

      ・2023年度取締役会の構成は以下の通りです。

    4)取締役・監査役の主たる経験分野・専門性(スキルマトリックス)

      ・長期ビジョンSF2030の実現に向けて取締役・監査役に必要な経験分野・専門性(スキル)は以下の通りです。

      ・2023年度取締役・監査役のスキルマトリックスは以下の通りです。

    5)2022年度取締役会の活動状況

      2022年度取締役会は下記の取締役会運営方針、重点テーマに基づいて運営し、各重点テーマにおける課題や

     方向性のあり方等の議論を通じて監督機能を十分に発揮しました。

    [2022年度取締役会運営方針] 取締役会は、2022年度に開始した長期ビジョンSF2030および中期経営計画SF 1st Stageの実現に向けて、 以下3つの重点テーマおよび監督する観点の連動性を認識し、変化対応力が伴った短期および中長期視点 で監督機能を発揮していきます。 [重点テーマ] ①長期ビジョンおよび中期経営計画の進捗モニタリング <監督する観点> ・ビジネスモデルの変革 (株式会社JMDCとの協業等を含む「コト」ビジネスの推進) ・ダイバーシティ&インクルージョンの加速 ・サプライチェーンのレジリエンス向上 ・サステナビリティ重要課題の取組み推進 ②不確実性の時代におけるリスク対応 <監督する観点> ・グローバル地政学の変化察知力の向上 ・グローバル事業運営の変革 ・サイバーセキュリティの強化 ③コーポレートITシステムの構築に向けた進捗確認 <監督する観点> ・第三者評価を踏まえたコーポレートITシステム構築のモニタリング

     各重点テーマの議論内容は、以下の「2022年度取締役会実効性評価結果」をご参照ください。

    https://www.omron.com/jp/ja/assets/img/sustainability/governance/corporate\_governance/chart/20230601\_governance\_effectiveness\_j.pdf

     また、取締役会は「2022年度取締役会実効性評価結果」を踏まえて、2023年度取締役会運営方針および重点テーマについて議論し決定しました。下記の取締役会運営方針および重要テーマに基づき2023年度取締役会を運営していきます。

    [2023年度取締役会運営方針] “取締役会は、新しい執行体制による長期ビジョンSF2030および中期経営計画SF 1st Stageの実現に向けて、 以下3つの重点テーマおよび監督する観点の連動性を認識し、中長期視点で監督機能を発揮していきます。” [重点テーマ] ①長期ビジョンおよび中期経営計画の進捗モニタリング <監督する観点> ・新体制の運営状況 ・グローバル人財戦略の進捗 ・自走的成長とビジネスモデルの変革 ・株式会社JMDCとの協業における今後の事業戦略 ②不確実性の時代におけるリスク対応 <監督する観点> ・グローバル地政学リスクの対応(市場変化への対応) ・サイバーセキュリティの強化 ③コーポレートITシステムの構築 <監督する観点> ・欧州および日本のERP導入の進捗

    <参考:取締役会の実効性向上の取組みの概要>

     当社は、持続的な企業価値の向上を実現するために、経営の透明性・公正性を高め、迅速な意思決定を行うとともに、経営のスピードを速め、企業の競争力の強化を図ります。そのために、当社は、取締役会の実効性向上の取組みを通じ、取締役会の監督機能を強化しています。その取組みは、ア.「取締役会の実効性評価」、イ.「取締役会運営方針および重点テーマの決定、年間計画の策定・実行」というサイクルで行っています。

     ア.取締役会の実効性評価

       当社の取締役会の実効性評価は、社外取締役を委員長とし、社外取締役および社外監査役(以下、社外役

      員)のみで構成するコーポレート・ガバナンス委員会が実施しています。社外役員は、株主をはじめとする

      すべてのステークホルダーの視点を持ちながら、取締役会構成メンバーとして活動しています。社外役員のみ

      で構成するコーポレート・ガバナンス委員会が評価を行うことで、「客観性」と「実効性」の 両面を担保し

      た評価を実現しています。

     イ.取締役会運営方針および重点テーマの決定、年間計画の策定・実行

       取締役会は、アのコーポレート・ガバナンス委員会による評価結果および事業環境等を踏まえた上で、次

      年度の取締役会運営方針および注力する重点テーマについて決定しています。取締役会は、その運営方針に基

      づき年間計画を策定し運営しています。当社は、上記のア、イを事業年度単位で実行し、取締役会の実効性を

      向上し続けています。コーポレート・ガバナンス委員会は、この取組みについて、「客観性」と「実効性」を

      兼ね備えた当社独自の最適な取組みであると評価しています。なお、取締役会は、当社の取組みを、第三者評

      価より有効性が高いと認識しています。

    <取締役会の実効性向上の取組み>

    <2022年度取締役会の出席状況>

    地位 氏名 出席状況
    取締役会長 立石 文雄 100%(14回/14回)
    代表取締役 山田 義仁 100%(14回/14回)
    代表取締役 宮田 喜一郎 100%(14回/14回)
    取締役 日戸 興史 100%(14回/14回)
    取締役 安藤 聡 100%(14回/14回)
    社外取締役 上釜 健宏 100%(14回/14回)
    社外取締役 小林 いずみ 100%(14回/14回)
    社外取締役 鈴木 善久 100%(11回/11回)
    常勤監査役 玉置 秀司 100%(14回/14回)
    常勤監査役 吉川 浄 93%(13回/14回)
    社外監査役 内山 英世 100%(14回/14回)
    社外監査役 國廣 正 100%(14回/14回)
    社外取締役 小林 栄三 100%(3回/3回)

        (注)2022年6月23日付で小林栄三氏は取締役を退任し、新たに鈴木善久氏が取締役に就任

           いたしました。

    ④監査役会

     監査役会の活動については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (3)監査の状況」に記載の通りです。

    ⑤諮問委員会等

    1)2023年度諮問委員会等の構成

    2)2022年度諮問委員会等の活動状況

      2022年度諮問委員会等の活動状況は以下の通りです。

    社長指名諮問委員会
    人数 5名(社外取締役3名・社内取締役2名)
    委員長 社外取締役
    委員会構成 ・過半数が社外取締役 ・社内取締役2名は非業務執行取締役(社長CEOは委員ではない)
    開催回数 3回
    出席率 100%
    審議事項 報告事項 ・エンゲージメントサーベイ・360度評価・第三者評価結果に基づいた候補者の絞り込み ・候補者との接触機会を通じた人物像の見極め(委員会とは別の機会で実施) ・社長候補者の決定 ・2023年度緊急事態発生時の継承者の決定
    人事諮問委員会
    人数 5名(社外取締役3名・社内取締役2名)
    委員長 社外取締役
    委員会構成 ・過半数が社外取締役 ・取締役会議長、社長CEOは委員ではない
    開催回数 7回
    出席率 100%
    審議事項 報告事項 ・取締役・監査役・執行役員の選任基準の決定 ・取締役候補者・監査役候補者・執行役員人事の決定 ・経営陣幹部の後継者計画の報告 ・社外取締役・社外監査役候補者リストの報告 ・各諮問委員会の委員体制の決定
    報酬諮問委員会
    人数 5名(社外取締役3名・社内取締役2名)
    委員長 社外取締役
    委員会構成 ・過半数が社外取締役 ・取締役会議長、社長CEOは委員ではない
    開催回数 5回
    出席率 96%
    審議事項 報告事項 ・取締役の報酬方針、報酬制度の決定 ・執行役員の報酬方針、報酬制度の報告 ・取締役・執行役員の報酬水準、テーブルの決定 ・外国人執行役員報酬の決定 ・取締役賞与・株式報酬の評価基準、支給額の決定 ・執行役員賞与・株式報酬の評価基準、支給額の報告
    コーポレート・ガバナンス委員会
    人数 5名(社外取締役3名・社外監査役2名)
    委員長 社外取締役
    委員会構成 社外取締役と社外監査役で構成
    開催回数 2回
    出席率 100%
    審議事項 ・2022年度取締役会の実効性評価

    ⑥内部統制システムの整備の状況

     当社は、内部統制システムを整備し、持続的企業価値の向上を妨げるおそれのある内外のさまざまなリスクを常に明らかにして、的確な対応を実施しています。内部監査機能としては、社長の直轄部門であるグローバル監査室が、各本社機能部門および各ビジネスカンパニーの会計、業務、事業リスク、コンプライアンスなどの内部監査を定期的に実行しており、監視と業務改善に向けて、具体的な助言を行っています。

     業務執行・経営の監視の仕組みおよび内部統制システムの整備状況の模式図は、<オムロンのコーポレート・ガバナンス体制>に記載のとおりです。

    ⑦コンプライアンス・リスクマネジメントに対する取組みの状況

     当社グループでは、企業倫理リスクマネジメント委員会を推進組織とし、コンプライアンスとリスクマネジメントを統合した活動を行っています。社長直轄部門による当該活動の推進と徹底により、当社グループの変化対応力を強化しています。

    ア.コンプライアンス

     当社グループの役員・従業員に対し、グループ共通の経営基盤である「オムロングループルール」を周知するとともに、必要な研修等を実施しています。特に、10月を企業倫理月間と定め、国内外の役員・従業員に対するトップメッセージ配信、カルテル防止や贈賄防止等に関するコンプライアンス教育、内部通報制度の周知を行っています。内部通報窓口は国内および海外の主要拠点に設置し、運営しています。また、情報開示に関する正確性、適時性、網羅性を確保するため、情報開示実行委員会を定期開催するとともに、インサイダー取引防止の研修等を行っています。内部監査部門は、当社グループの部門に対する業務監査をリスクベースで実施しています。

     当期においては、オムロングループルールについて、人権課題へのリスクアセスメント等の労働における人権マネジメントの追加や、中国の情報関連法規制に対応した中華圏独自の情報セキュリティルールの制定等環境変化に対応しました。また、内部通報制度については、人権救済メカニズムの一環として仕入先からの相談を受け付ける体制を構築しました。

    イ.リスクマネジメント

     「オムロングループ統合リスクマネジメントルール」に基づき、毎年グローバル視点で当社グループに関わるリスクを洗い出し、分析を加え、執行会議において当社グループにとって重要なリスクを指定しています。リスク対策の進捗は、四半期ごとの企業倫理リスクマネジメント委員会にて確認し、計画的に取組みを推進しています。また、国内外のグループ会社において、「リスクマネージャ」を選任し、そのグローバルなネットワークを利用して、日常的なリスク情報の共有、対応の協議などを迅速に行い、社内外の環境変化に対応した対策を現場と経営が力を合わせて実施しています。

     当期においては、引き続き新型コロナウイルス感染症対策に取組み、従業員の健康・安全の確保を最優先に、製品・サービス提供の継続を行いました。また、ロシアにおける制御機器事業と電子部品事業の無期限停止に向けた対応を行うとともに、変化の激しい地政学リスクについて、各国動向をモニタリングする体制を強化しました。

    ⑧責任限定契約の内容の概要

     当社は、社外取締役および社外監査役がその期待される役割を十分に発揮できるように、定款に社外取締役および社外監査役との責任限定契約に関する定めを設けています。当該定款の定めに基づき当社が社外取締役および社外監査役の全員と締結した責任限定契約の内容の概要は次のとおりです。

    ア.社外取締役の責任限定契約

     社外取締役は、本契約締結後、会社法第423条第1項の責任について、その職務を行うにつき善意であり、かつ重大な過失がなかったときは、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度として損害賠償責任を負担するものとします。

    イ.社外監査役の責任限定契約

     社外監査役は、本契約締結後、会社法第423条第1項の責任について、その職務を行うにつき善意であり、かつ重大な過失がなかったときは、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度として損害賠償責任を負担するものとします。

    ⑨補償契約の内容の概要

     当社は、取締役および監査役がその期待される役割を十分に発揮できるように、山田義仁氏、辻永順太氏、宮田喜一郎氏、冨田雅彦氏、行本閑人氏、上釜健宏氏、小林いずみ氏、鈴木善久氏、玉置秀司氏、細井俊夫氏、内山英世氏および國廣正氏との間で会社法第430条の2第1項第1号の費用と同項第2号の損失を法令の定める範囲内で補償することを内容とする補償契約を締結しています。ただし、法令違反の行為であることを認識して行った行為に起因して生じた損害は補償されないなど、一定の免責事由があります。

    ⑩役員等賠償責任保険契約の内容の概要

     当社は、当社および子会社のすべての取締役、監査役および執行役員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、その保険料は当社が全額負担しています。当該保険契約の内容は、被保険者が株主や第三者から損害賠償請求がなされた場合において、被保険者が負担することとなる損害賠償金および争訟費用を補填するものであります。なお、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置として、被保険者における故意または犯罪行為等に起因して発生した損害賠償は、保険金支払の対象外としています。

    ⑪取締役の定数等

     当社は、定款において取締役の定数を定めています。また、取締役の選任においては、定款において選任決議の定足数を引下げています。定款の内容は次のとおりです。

    ア.定数

     当会社の取締役は、10名以内とする。

    イ.選任の決議方法

    ・取締役は、株主総会において選任する。

    ・取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その

     議決権の過半数をもって行う。

    ・取締役の選任決議は、累積投票によらない。

    ⑫自己の株式の取得の決定機関

     当社では、経済情勢の変化に対応した機動的な経営を遂行できるように、会社法第165条第2項の定めにより取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨、定款に定めています。

    ⑬中間配当の決定機関

     当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨、定款に定めています。

    ⑭株主総会の特別決議要件

     当社では特別決議を機動的に行えるよう、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めています。

    (2)【役員の状況】

    ①役員一覧

    男性11名 女性1名 (役員のうち女性の比率8.3%)

    役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 所有株式数(千株) (注)7
    取締役 会長 山田 義仁 1961年11月30日 1984年4月 当社 入社 2008年6月 当社 執行役員、オムロンヘルスケア株式会社代表取締役社長に就任 2010年3月 2010年6月 当社 グループ戦略室長に就任 当社 執行役員常務に就任 2011年6月 2013年6月 当社 代表取締役社長に就任 当社 社長 CEOに就任 2023年6月 当社 取締役会長に就任(現任) 1984年4月 当社 入社 2008年6月 当社 執行役員、オムロンヘルスケア株式会社代表取締役社長に就任 2010年3月 2010年6月 当社 グループ戦略室長に就任 当社 執行役員常務に就任 2011年6月 2013年6月 当社 代表取締役社長に就任 当社 社長 CEOに就任 2023年6月 当社 取締役会長に就任(現任) (注)5 55
    1984年4月 当社 入社
    2008年6月 当社 執行役員、オムロンヘルスケア株式会社代表取締役社長に就任
    2010年3月 2010年6月 当社 グループ戦略室長に就任 当社 執行役員常務に就任
    2011年6月 2013年6月 当社 代表取締役社長に就任 当社 社長 CEOに就任
    2023年6月 当社 取締役会長に就任(現任)
    代表取締役 社長 CEO 辻永 順太 1966年4月5日 1989年4月 2016年3月 当社 入社 当社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー商品事業本部長に就任 2017年4月 2019年4月 2021年3月 当社 執行役員に就任 当社 執行役員常務に就任 当社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー社長に就任 2023年4月 当社 執行役員社長 CEOに就任(現任) 2023年6月 当社 代表取締役に就任(現任) 1989年4月 2016年3月 当社 入社 当社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー商品事業本部長に就任 2017年4月 2019年4月 2021年3月 当社 執行役員に就任 当社 執行役員常務に就任 当社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー社長に就任 2023年4月 当社 執行役員社長 CEOに就任(現任) 2023年6月 当社 代表取締役に就任(現任) (注)5 5
    1989年4月 2016年3月 当社 入社 当社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー商品事業本部長に就任
    2017年4月 2019年4月 2021年3月 当社 執行役員に就任 当社 執行役員常務に就任 当社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー社長に就任
    2023年4月 当社 執行役員社長 CEOに就任(現任)
    2023年6月 当社 代表取締役に就任(現任)
    代表取締役 執行役員副社長 CTO 宮田 喜一郎 1960年7月24日 1985年4月 株式会社立石ライフサイエンス研究所(現オムロンヘルスケア株式会社)入社 2010年3月 オムロンヘルスケア株式会社代表取締役社長に就任(2015年3月退任) 2010年6月 当社 執行役員に就任 2012年6月 当社 執行役員常務に就任 2015年4月 当社 CTO に就任(現任) 当社 技術・知財本部長に就任 2017年4月2017年6月2018年3月 当社 執行役員専務に就任 当社 代表取締役に就任(現任) 当社 イノベーション推進本部長に就任 2023年4月 当社 執行役員副社長に就任(現任) 1985年4月 株式会社立石ライフサイエンス研究所(現オムロンヘルスケア株式会社)入社 2010年3月 オムロンヘルスケア株式会社代表取締役社長に就任(2015年3月退任) 2010年6月 当社 執行役員に就任 2012年6月 当社 執行役員常務に就任 2015年4月 当社 CTO に就任(現任) 当社 技術・知財本部長に就任 2017年4月2017年6月2018年3月 当社 執行役員専務に就任 当社 代表取締役に就任(現任) 当社 イノベーション推進本部長に就任 2023年4月 当社 執行役員副社長に就任(現任) (注)5 24
    1985年4月 株式会社立石ライフサイエンス研究所(現オムロンヘルスケア株式会社)入社
    2010年3月 オムロンヘルスケア株式会社代表取締役社長に就任(2015年3月退任)
    2010年6月 当社 執行役員に就任
    2012年6月 当社 執行役員常務に就任
    2015年4月 当社 CTO に就任(現任) 当社 技術・知財本部長に就任
    2017年4月2017年6月2018年3月 当社 執行役員専務に就任 当社 代表取締役に就任(現任) 当社 イノベーション推進本部長に就任
    2023年4月 当社 執行役員副社長に就任(現任)
    取締役 執行役員専務 CHRO 兼 グローバル 人財総務本部長 冨田 雅彦 1966年8月20日 1989年4月 2012年3月 当社 入社 当社 グローバル戦略本部経営戦略部長に就任 2014年4月 2017年3月 当社 執行役員に就任 当社 グローバル人財総務本部長に就任(現任) 2019年4月 2023年4月 当社 執行役員常務に就任 当社 執行役員専務 CHROに就任(現任) 2023年6月 当社 取締役に就任(現任) 1989年4月 2012年3月 当社 入社 当社 グローバル戦略本部経営戦略部長に就任 2014年4月 2017年3月 当社 執行役員に就任 当社 グローバル人財総務本部長に就任(現任) 2019年4月 2023年4月 当社 執行役員常務に就任 当社 執行役員専務 CHROに就任(現任) 2023年6月 当社 取締役に就任(現任) (注)5 12
    1989年4月 2012年3月 当社 入社 当社 グローバル戦略本部経営戦略部長に就任
    2014年4月 2017年3月 当社 執行役員に就任 当社 グローバル人財総務本部長に就任(現任)
    2019年4月 2023年4月 当社 執行役員常務に就任 当社 執行役員専務 CHROに就任(現任)
    2023年6月 当社 取締役に就任(現任)
    取締役 行本 閑人 1961年12月25日 1985年4月 2009年4月 当社 入社 当社 Omron Europe B.V. President & CEOに就任 2010年6月 2012年3月 2014年3月 2014年4月 2017年2月 当社 執行役員に就任 当社 環境事業推進本部長に就任 当社 環境事業本部長に就任 当社 執行役員常務に就任 当社 エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニー(現デバイス&モジュールソリューションズカンパニー)社長に就任 2023年6月 当社 取締役に就任(現任) 1985年4月 2009年4月 当社 入社 当社 Omron Europe B.V. President & CEOに就任 2010年6月 2012年3月 2014年3月 2014年4月 2017年2月 当社 執行役員に就任 当社 環境事業推進本部長に就任 当社 環境事業本部長に就任 当社 執行役員常務に就任 当社 エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニー(現デバイス&モジュールソリューションズカンパニー)社長に就任 2023年6月 当社 取締役に就任(現任) (注)5 15
    1985年4月 2009年4月 当社 入社 当社 Omron Europe B.V. President & CEOに就任
    2010年6月 2012年3月 2014年3月 2014年4月 2017年2月 当社 執行役員に就任 当社 環境事業推進本部長に就任 当社 環境事業本部長に就任 当社 執行役員常務に就任 当社 エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニー(現デバイス&モジュールソリューションズカンパニー)社長に就任
    2023年6月 当社 取締役に就任(現任)
    役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 所有株式数(千株) (注)7
    社外 取締役 上釜 健宏 1958年1月12日 1981年4月 2002年6月 2003年6月 2004年6月 2006年6月 2016年6月 2017年6月 2018年6月   2021年7月 TDK株式会社入社 同社 執行役員に就任 同社 常務執行役員に就任 同社 取締役専務執行役員に就任 同社 代表取締役社長に就任 同社 代表取締役会長に就任 当社 社外取締役に就任(現任) TDK株式会社 ミッションエグゼクティブに就任 コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・ジャパン株式会社 Chief Consultantに就任(現任) 1981年4月 2002年6月 2003年6月 2004年6月 2006年6月 2016年6月 2017年6月 2018年6月   2021年7月 TDK株式会社入社 同社 執行役員に就任 同社 常務執行役員に就任 同社 取締役専務執行役員に就任 同社 代表取締役社長に就任 同社 代表取締役会長に就任 当社 社外取締役に就任(現任) TDK株式会社 ミッションエグゼクティブに就任 コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・ジャパン株式会社 Chief Consultantに就任(現任) (注)5
    1981年4月 2002年6月 2003年6月 2004年6月 2006年6月 2016年6月 2017年6月 2018年6月   2021年7月 TDK株式会社入社 同社 執行役員に就任 同社 常務執行役員に就任 同社 取締役専務執行役員に就任 同社 代表取締役社長に就任 同社 代表取締役会長に就任 当社 社外取締役に就任(現任) TDK株式会社 ミッションエグゼクティブに就任 コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・ジャパン株式会社 Chief Consultantに就任(現任)
    社外 取締役 小林 いずみ 1959年1月18日 1981年4月 三菱化成工業株式会社(現三菱ケミカル株式会社)入社 1985年6月 メリルリンチ・フューチャーズ・ジャパン株式会社入社 2001年12月 メリルリンチ日本証券株式会社(現BofA 証券株式会社)代表取締役社長に就任 2008年11月 世界銀行グループ多数国間投資保証機関長官に就任 2015年4月 公益社団法人経済同友会副代表幹事に就任 2016年6月 日本放送協会経営委員会委員に就任 2020年6月 当社 社外取締役に就任(現任) 1981年4月 三菱化成工業株式会社(現三菱ケミカル株式会社)入社 1985年6月 メリルリンチ・フューチャーズ・ジャパン株式会社入社 2001年12月 メリルリンチ日本証券株式会社(現BofA 証券株式会社)代表取締役社長に就任 2008年11月 世界銀行グループ多数国間投資保証機関長官に就任 2015年4月 公益社団法人経済同友会副代表幹事に就任 2016年6月 日本放送協会経営委員会委員に就任 2020年6月 当社 社外取締役に就任(現任) (注)5 1
    1981年4月 三菱化成工業株式会社(現三菱ケミカル株式会社)入社
    1985年6月 メリルリンチ・フューチャーズ・ジャパン株式会社入社
    2001年12月 メリルリンチ日本証券株式会社(現BofA 証券株式会社)代表取締役社長に就任
    2008年11月 世界銀行グループ多数国間投資保証機関長官に就任
    2015年4月 公益社団法人経済同友会副代表幹事に就任
    2016年6月 日本放送協会経営委員会委員に就任
    2020年6月 当社 社外取締役に就任(現任)
    社外 取締役 鈴木 善久 1955年6月21日 1979年4月 伊藤忠商事株式会社入社 2003年6月 同社 執行役員に就任 2006年4月 同社 常務執行役員に就任 2007年4月 伊藤忠インターナショナル会社社長(CEO)に就任 2012年6月 株式会社ジャムコ代表取締役社長 CEOに就任 2016年6月 伊藤忠商事株式会社代表取締役 専務執行役員に就任 2018年4月 同社 代表取締役社長COOに就任 2020年4月 同社 代表取締役社長COO 兼 CDO・CIOに就任 2021年4月 同社 取締役副会長に就任  2022年4月 同社 副会長に就任 2022年6月 当社 社外取締役に就任(現任) 2023年4月 伊藤忠商事株式会社専務理事に就任(現任) 1979年4月 伊藤忠商事株式会社入社 2003年6月 同社 執行役員に就任 2006年4月 同社 常務執行役員に就任 2007年4月 伊藤忠インターナショナル会社社長(CEO)に就任 2012年6月 株式会社ジャムコ代表取締役社長 CEOに就任 2016年6月 伊藤忠商事株式会社代表取締役 専務執行役員に就任 2018年4月 同社 代表取締役社長COOに就任 2020年4月 同社 代表取締役社長COO 兼 CDO・CIOに就任 2021年4月 同社 取締役副会長に就任 2022年4月 同社 副会長に就任 2022年6月 当社 社外取締役に就任(現任) 2023年4月 伊藤忠商事株式会社専務理事に就任(現任) (注)5 1
    1979年4月 伊藤忠商事株式会社入社
    2003年6月 同社 執行役員に就任
    2006年4月 同社 常務執行役員に就任
    2007年4月 伊藤忠インターナショナル会社社長(CEO)に就任
    2012年6月 株式会社ジャムコ代表取締役社長 CEOに就任
    2016年6月 伊藤忠商事株式会社代表取締役 専務執行役員に就任
    2018年4月 同社 代表取締役社長COOに就任
    2020年4月 同社 代表取締役社長COO 兼 CDO・CIOに就任
    2021年4月 同社 取締役副会長に就任
    2022年4月 同社 副会長に就任
    2022年6月 当社 社外取締役に就任(現任)
    2023年4月 伊藤忠商事株式会社専務理事に就任(現任)
    常勤監査役 玉置 秀司 1961年12月3日 1985年4月 当社 入社 2008年3月   2015年3月 当社 経営資源革新本部法務センタ長に就任 当社 グローバルリスクマネジメント・法務本部長に就任 2015年4月 当社 執行役員に就任 2021年6月 当社 常勤監査役に就任(現任) 1985年4月 当社 入社 2008年3月   2015年3月 当社 経営資源革新本部法務センタ長に就任 当社 グローバルリスクマネジメント・法務本部長に就任 2015年4月 当社 執行役員に就任 2021年6月 当社 常勤監査役に就任(現任) (注)4 8
    1985年4月 当社 入社
    2008年3月   2015年3月 当社 経営資源革新本部法務センタ長に就任 当社 グローバルリスクマネジメント・法務本部長に就任
    2015年4月 当社 執行役員に就任
    2021年6月 当社 常勤監査役に就任(現任)
    常勤監査役 細井 俊夫 1961年12月25日 1984年4月 2011年4月 当社 入社 オムロンソーシアルソリューションズ株式会社常務取締役、ソリューション事業本部長に就任 2011年6月 2015年3月 当社 執行役員に就任 オムロンソーシアルソリューションズ株式会社代表取締役社長に就任 2015年4月 2023年6月 当社 執行役員常務に就任 当社 常勤監査役に就任(現任) 1984年4月 2011年4月 当社 入社 オムロンソーシアルソリューションズ株式会社常務取締役、ソリューション事業本部長に就任 2011年6月 2015年3月 当社 執行役員に就任 オムロンソーシアルソリューションズ株式会社代表取締役社長に就任 2015年4月 2023年6月 当社 執行役員常務に就任 当社 常勤監査役に就任(現任) (注)6 15
    1984年4月 2011年4月 当社 入社 オムロンソーシアルソリューションズ株式会社常務取締役、ソリューション事業本部長に就任
    2011年6月 2015年3月 当社 執行役員に就任 オムロンソーシアルソリューションズ株式会社代表取締役社長に就任
    2015年4月 2023年6月 当社 執行役員常務に就任 当社 常勤監査役に就任(現任)
    役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 所有株式数(千株) (注)7
    社外 監査役 内山 英世 1953年3月30日 1975年11月 アーサーヤング会計事務所入所 1979年12月 監査法人朝日会計社(現有限責任あずさ監査法人)入社 1980年3月 公認会計士登録 1999年7月 同監査法人代表社員に就任 2002年5月 同監査法人本部理事に就任 2006年6月 同監査法人専務理事に就任 2010年6月 同監査法人理事長、KPMGジャパン チェアマンに就任 2011年9月 KPMGアジア太平洋地域 チェアマンに就任 2013年10月 KPMGジャパン CEOに就任 2015年9月 朝日税理士法人 顧問に就任(現任) 2016年6月 当社 社外監査役に就任(現任) 1975年11月 アーサーヤング会計事務所入所 1979年12月 監査法人朝日会計社(現有限責任あずさ監査法人)入社 1980年3月 公認会計士登録 1999年7月 同監査法人代表社員に就任 2002年5月 同監査法人本部理事に就任 2006年6月 同監査法人専務理事に就任 2010年6月 同監査法人理事長、KPMGジャパン チェアマンに就任 2011年9月 KPMGアジア太平洋地域 チェアマンに就任 2013年10月 KPMGジャパン CEOに就任 2015年9月 朝日税理士法人 顧問に就任(現任) 2016年6月 当社 社外監査役に就任(現任) (注)3 1
    1975年11月 アーサーヤング会計事務所入所
    1979年12月 監査法人朝日会計社(現有限責任あずさ監査法人)入社
    1980年3月 公認会計士登録
    1999年7月 同監査法人代表社員に就任
    2002年5月 同監査法人本部理事に就任
    2006年6月 同監査法人専務理事に就任
    2010年6月 同監査法人理事長、KPMGジャパン チェアマンに就任
    2011年9月 KPMGアジア太平洋地域 チェアマンに就任
    2013年10月 KPMGジャパン CEOに就任
    2015年9月 朝日税理士法人 顧問に就任(現任)
    2016年6月 当社 社外監査役に就任(現任)
    社外 監査役 國廣 正 1955年11月29日 1986年4月 弁護士登録・第二東京弁護士会所属那須・井口法律事務所 入所 1994年1月 國廣法律事務所(現国広総合法律事務所)開設 2017年6月 当社 社外監査役に就任(現任) 1986年4月 弁護士登録・第二東京弁護士会所属那須・井口法律事務所 入所 1994年1月 國廣法律事務所(現国広総合法律事務所)開設 2017年6月 当社 社外監査役に就任(現任) (注)4 2
    1986年4月 弁護士登録・第二東京弁護士会所属那須・井口法律事務所 入所
    1994年1月 國廣法律事務所(現国広総合法律事務所)開設
    2017年6月 当社 社外監査役に就任(現任)
    139

      (注)1 取締役 上釜健宏、小林いずみおよび鈴木善久は、社外取締役です。

    2 監査役 内山英世および國廣正は、社外監査役です。

    3 任期は、第83期に係る定時株主総会終結の時から第87期に係る定時株主総会終結の時までです。

    4 任期は、第84期に係る定時株主総会終結の時から第88期に係る定時株主総会終結の時までです。

    5 任期は、第86期に係る定時株主総会終結の時から第87期に係る定時株主総会終結の時までです。

    6 任期は、第86期に係る定時株主総会終結の時から第90期に係る定時株主総会終結の時までです。

    7 上記所有株式数には、オムロン役員持株会名義の実質所有株式数が含まれています。

      なお、2023年6月分の持株会による取得株式数については、提出日(2023年6月23日)現在確認ができないため、2023年5月31日現在の実質所有株式数を記載しています。

    8 当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選出しています。補欠監査役の略歴は以下のとおりです。

    氏名 生年月日 略歴 所有株式数(千株)
    渡辺 徹 1966年2月2日 1993年4月 弁護士登録・大阪弁護士会所属 北浜法律事務所(現北浜法律事務所・外国法共同事業)入所 1998年1月 同事務所パートナーに就任(現任) 2020年1月 弁護士法人北浜法律事務所 代表社員に就任(現任) 1993年4月 弁護士登録・大阪弁護士会所属 北浜法律事務所(現北浜法律事務所・外国法共同事業)入所 1998年1月 同事務所パートナーに就任(現任) 2020年1月 弁護士法人北浜法律事務所 代表社員に就任(現任)
    1993年4月 弁護士登録・大阪弁護士会所属 北浜法律事務所(現北浜法律事務所・外国法共同事業)入所
    1998年1月 同事務所パートナーに就任(現任)
    2020年1月 弁護士法人北浜法律事務所 代表社員に就任(現任)

     ②社外役員の状況

     当社は、監督機能を強化するために取締役会における独立社外取締役の割合を3分の1以上とします。

     現在の当社の独立社外取締役は3名、独立社外監査役は2名です。

    1)社外取締役および社外監査役と当社との人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係

     鈴木善久氏は、伊藤忠商事株式会社の専務理事であり、当社グループと同社グループとの間には製品の販売等の取引関係がありますが、2022年度における取引額の割合は当社グループおよび同社グループの連結売上高の1%未満であり、同氏の独立性に問題はありません。その他の社外役員の重要な兼職先と当社との間に記載すべき特別な関係はありません。

     当社の社外役員は、当社が独自に定める「社外役員の独立性要件」(注)を満たしており、一般株主と利益相反が生じるおそれがないことから、社外役員全員を独立役員として届け出ています。

      (注)当社の「社外役員の独立性要件」については、当項目内の「3)社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準および選任状況に関する当社の考え方」に記載。

    2)社外取締役および社外監査役が当社のコーポレート・ガバナンスにおいて果たす機能および役割

    [独立社外取締役の機能・役割]

    ・独立社外取締役は、その独立性の立場を踏まえ、執行の監督機能、助言機能、利益相反の監督機能を果たすとともに、ステークホルダーの意見を取締役会に反映します。

    ・独立社外取締役は、監査役会と当社の経営について意見交換を行います。

    ・独立社外取締役は、その役割を果たすために、必要に応じて、当社に対し情報提供を求めます。

    [独立社外監査役の機能・役割]

    ・独立社外監査役は、その独立性の立場を踏まえ、社長および取締役会に対し適切に意見を述べます。

    ・独立社外監査役は、法令に基づく調査権限を行使することを含め、積極的に監査環境の整備に努めます。

    3)社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準および選任状況に関する当社の考え方

    [社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準]

     当社は会社法上の要件に加え独自の「社外役員の独立性要件」を策定し、この独立性要件を基準に社外役員を選任しているため、社外役員の独立性は十分に保たれていると判断し、社外役員全員を独立役員として届け出ています。社外役員全員を独立役員とすることについては、社外役員で構成するコーポレート・ガバナンス委員会に諮問し、独自に定める「社外役員の独立性要件」が社外役員の独立性の判断基準として問題ないことを確認し、取締役会において決議しています。

    「社外役員の独立性要件」(2014年12月25日改訂)

     社外役員候補者本人および本人が帰属する企業・団体とオムロングループとの間に、下記の独立性要件を設けます。なお、社外役員は、下記に定める独立性要件を就任後も維持し、主要な役職に就任した場合は、本独立性要件に基づき、人事諮問委員会において独立性について検証します。

    ア. 現在オムロングループ(注)の取締役(社外取締役を除く)・監査役(社外監査役を除く)・執行役員または使用人でなく、過去においてもオムロングループの取締役(社外取締役を除く)・監査役(社外監査役を除く)・執行役員または使用人であったことがないこと

    イ. 過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの大株主(*)もしくはオムロングループが大株主の取締役・監査役・執行役員または使用人であったことはないこと

    (*)大株主とは、総議決権の10%以上の株式を保有する企業等をいいます。

    ウ. オムロングループの主要な取引先企業(*)の取締役・監査役・執行役員または使用人でないこと

    (*)主要な取引先とは、直前事業年度および過去3事業年度におけるオムロングループとの取引の支払額または受取額が、オムロングループまたは取引先(その親会社および重要な子会社を含む)の連結売上高の2%以上を占めている企業をいいます。

    エ. オムロングループから多額の寄付(*)を受けている法人・団体等の理事その他の取締役・監査役・執行役員または使用人でないこと

    (*)多額の寄付とは、過去3事業年度の平均で年間1,000万円または寄付先の連結売上高もしくは総収入の2%のいずれか大きい額を超えることをいいます。

    オ. オムロングループとの間で、取締役・監査役または執行役員を相互に派遣していないこと

    カ. 過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの会計監査人の代表社員、社員、パートナーまたは従業員であったことがないこと

    キ. オムロングループから役員報酬以外に、多額の金銭(*)その他財産を得ている弁護士、公認会計士、コンサルタント等でないこと

    (*)多額の金銭とは、過去3事業年度の平均で、個人の場合は年間1,000万円以上、団体の場合は当該団体の連結売上高の2%以上を超えることをいいます。

    ク. 以下に該当する者の配偶者、2親等内の親族、同居の親族または生計を一にする者ではないこと

       (1)オムロングループの取締役・監査役・執行役員または重要な使用人(*)

       (2)過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの取締役・監査役・執行役員または重

                要な使用人であった者

       (3)上記イ.からキ.で就任を制限している対象者

    (*)重要な使用人とは、事業本部長職以上の使用人をいいます。

    ケ. その他、社外役員としての職務を遂行する上で独立性に疑いがないこと

    (注)オムロングループとは、オムロン株式会社およびオムロン株式会社の子会社とします。

    [社外取締役および社外監査役の選任状況および選任理由]

    氏名 選任理由
    社外取締役 上釜 健宏 独立社外取締役 上釜健宏氏は、グローバルに事業を展開する企業の経営に携わり、豊富な経営実績とイノベーション・技術・DX・ITに関する高い見識を有しており、社外取締役として長期ビジョンSF2030および中期経営計画SF 1st Stageの実現に向けて、経営を適切に監督いただいています。また、経営の専門家としての経験・見識をもとに、社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会の委員長および人事諮問委員会の委員として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいています。 これらのことから、当社の持続的な企業価値の向上に向けて経営の監督を行っていただくことを期待し、社外取締役として選任しています。
    小林 いずみ 独立社外取締役 小林いずみ氏は、民間金融機関および国際開発金融機関の代表として培われた豊富な経験と国際的な見識を有するとともに、サステナビリティ・ESG・ダイバーシティにも精通しており、社外取締役として長期ビジョンSF2030および中期経営計画SF 1st Stage の実現に向けて、経営を適切に監督いただいています。 また、経営の専門家としての経験・見識をもとに、人事諮問委員会の委員長、コーポレート・ガバナンス委員会の副委員長および社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会の委員として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいています。これらのことから、当社の持続的な企業価値の向上に向けて経営の監督を行っていただくことを期待し、社外取締役として選任しています。
    鈴木 善久 独立社外取締役 鈴木善久氏は、グローバルに事業を展開する総合商社の経営に携わり、国際的で豊富な経営実績とイノベーション・技術・DX・ITに関する高い見識を有しており、社外取締役として長期ビジョンSF2030および中期経営計画SF 1stStageの実現に向けて、経営を適切に監督いただいています。 また、経営の専門家としての経験・見識をもとに、社長指名諮問委員会、人事諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会の委員として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいています。これらのことから、当社の持続的な企業価値の向上に向けて経営の監督を行っていただくことを期待し、社外取締役として選任しています。
    社外監査役 内山 英世 独立社外監査役 内山英世氏は、公認会計士として監査法人での長年の勤務経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有しているとともに、監査法人のトップおよびグローバル・コンサルティングファームの経営者としての豊富な経験と高い見識を有しています。独立社外監査役として、取締役会その他重要な会議へ出席し、適法性監査・妥当性監査の観点から積極的に発言し、取締役の職務執行を監査する役割を適切に果たしています。 また、コーポレート・ガバナンス委員会の委員として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいています。これらの実績と豊富な経験に基づき、監査役に適切な人材と判断し、独立社外監査役として選任しています。
    國廣 正 独立社外監査役 國廣正氏は、弁護士であり、特にコーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、会社法を専門分野としています。また、企業の危機管理(クライシス・マネジメント)にも精通しており、内閣府および消費者庁の顧問などの要職を歴任しています。独立社外監査役として、取締役会その他重要な会議へ出席し、適法性監査・妥当性監査の観点から積極的に発言し、取締役の職務執行を監査する役割を適切に果たしています。また、コーポレート・ ガバナンス委員会の委員として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいています。これらの実績と豊富な経験に基づき、監査役に適切な人材と判断し、独立社外監査役として選任しています。

    ③社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査および会計監査との相互連携並びに
    内部統制部門との関係

     社外取締役は、前述のとおり毎月開催の取締役会、各委員会に出席し、経営の監督を行っている他に、年1回監査役会とのダイアログ(対話形式)により、当社の経営について意見交換を行っています。

     社外監査役については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (3)監査の状況」に記載の通りです。

    (3)【監査の状況】

    ①監査役監査の状況

    1.組織・人員

    当社の監査役会は、常勤監査役2名、社外監査役2名、合計4名で構成されています。

    監査役には適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者が選任され、特に財務・会計に関して相当程度の知見を有する者を1名以上置くことを基準としています。

    また、監査役の職務遂行を補佐するために、必要な知識・能力を有するスタッフを監査役室に配置しています。なお当該監査役室スタッフの人事は、監査役の同意を得るものとしています。

    当事業年度における監査役会の構成

    氏名 役職 就任 専門的な知見
    玉置 秀司 常勤監査役 2021年 法務、コンプライアンス、内部統制、リスクマネジメント
    吉川 浄 常勤監査役 2019年 グローバルでの品質管理・生産体制の構築
    内山 英世 社外監査役 2016年 財務・会計、グローバル・コンサルティングファームの経営
    國廣 正 社外監査役 2017年 コーポレート・ガバナンス、内部統制、企業のリスク管理等

    (注1)玉置秀司氏は監査役会議長です。

    (注2)吉川浄氏は2023年6月22日開催の定時株主総会の終結の時をもって任期満了により退任し、同総会での選任を経て、新たに細井俊夫氏が監査役に就任しました。細井氏は、長年にわたる当社の社会システム事業での経験により、新規事業創造・イノベーション・DX・ITに関する相当程度の知見を有しています。

    (注3)報告書提出日時点の監査役の略歴は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況① 役員一覧」の項目に記載しています。

    2.監査役会の運営状況

    監査役会は、後述の「3.監査役の活動状況」に記載の内容を踏まえ、法令・定款および監査役会規程の定めるところにより、監査に関する重要な事項について決議、審議、報告および協議を行っています。当事業年度において、監査役会は次のとおり運営しました。

    頻度 取締役会開催に先立ち、月次に開催される他、必要に応じて随時開催
    開催回数 13回
    出席率 役職名 氏名 当事業年度の出席率
    監査役会 取締役会
    常勤監査役 玉置 秀司 100%(13回/13回) 100%(14回/14回)
    常勤監査役 吉川 浄 100%(13回/13回) 93% (13回/14回)
    社外監査役 内山 英世 100%(13回/13回) 100%(14回/14回)
    社外監査役 國廣 正 100%(13回/13回) 100%(14回/14回)
    主な付議事項 決議:15件(監査実施報告、監査方針と計画、監査役会の監査報告書、会計監査人に対する             評価及び選任、会計監査人の監査報酬の同意等) 審議:7件(監査役会実効性評価、監査役監査中間報告、事業報告への開示等) 協議:1件(監査役報酬配分) 報告:33件(監査役執務執行状況(月次)、執行会議(*)重要事項報告、内部監査室長報告            (月次)、有価証券報告書等)

                           ((*)執行会議:社長が議長を務め、執行役員が出席する経営会議)

        監査役会では、準拠性監査(*)、リスクベース・内部統制監査(*)を深化させるとともに、経営課題(*)の領域も監査の対象範囲としています。活動においては、監査役4名が自由闊達な議論を行うことを重視しました(当事業年度における監査役会およびその後のフリーディスカッションは、合計32.2時間、平均2.47時間)。

       詳細は、後述の「6.監査役会の実効性評価」に記載しています。

     (*)当社監査役会では準拠性監査を監査1.0、リスクベース・内部統制監査を監査2.0、経営課題監査を監査3.0と呼んでいます。

    3.監査役の活動状況

    当事業年度において、監査役は下記のように監査方針および重点監査事項を定め、活動しました。

    監査基本方針 「三現主義」(現場・現物・現実)をベースとし、判断の根拠を広く社会に求めるとともに、被監査部門の課題を共有し、問題解決に寄与するよう努める。 社外監査役の強固な独立性と常勤監査役の高度な情報収集力を活かし、現場に潜む経営課題を素早く見つけ、解決に導く。
    重点監査事項 ① 長期ビジョンおよび中期経営計画の進捗 ② 地政学リスクの高まりに対する対応 ③ コーポレートITシステムの構築に向けた進捗 ④ グローバルグループガバナンス ⑤ 企業風土変革(事業スピードを高める自律的組織運営と多様な人財の能力発揮) ⑥ 株式会社JMDCとの提携の進捗

    当事業年度における主な活動内容は下記の通りです。

    特に当事業年度では、取締役や各BC(ビジネスカンパニー)長および主要な本社部門長との間で、ダイアログ(対話形式)により、あらかじめ議題を定めずフリーに議論することを重視し、双方向の意見交換を通じて経営課題の把握に努めました。

      (■:役割による出席 〇:オブザーバーとして出席 △:任意の出席)

    主な活動内容 開催頻度 常勤 監査役 社外 監査役
    取締役会への出席 14回
    取締役との意見交換会 10回
    コーポレート・ガバナンス委員会への出席 2回
    執行会議、事業戦略会議や予算会議等、全社の重要な会議への出席 25回
    各BC(ビジネスカンパニー)長および主要部門長とのダイアログ 24回
    国内事業所への訪問 5社
    内部監査部門との情報共有およびディスカッション 19回
    会計監査人との情報共有およびディスカッション 14回
    国内関係会社監査役との連絡会 2回

        また当事業年度には、監査役4名が議論を重ね、新たに『オムロン監査役行動原則』として、監査役に求められる役割、行動等を定義しました。

    《オムロン監査役行動原則》 監査役は、高い倫理観と謙虚さを持って、常に信頼される存在となるよう自己研鑽に努める。 1.準拠性・不備指摘(監査1.0)にとどまらず、リスクベース・内部統制での意見(監査2.0)、経営課題への助言(監査3.0)を積極的に行うことで、企業価値向上に貢献する。 2.傾聴・対話・共感を重視し、 (1) 好奇心をもって質問し、自由闊達に議論する。 (2) 時には厳しく、時には忍耐も持って積極的に意見を述べる。 (3) データ等をもとに、客観・公平・公正な議論・意見に努める。 3.多様な目線・ステークホルダーの視点で、「石を投げて波風を立てる」気概を持って、社内の常識に敢えて疑問を投げかける。 (1) 物事の表層でなく、真の原因や課題の洞察 (2) 現状肯定しない、健全な懐疑心にもとづく探求心 (3) 物事には両面(光と陰)があるとの前提 4.未来志向で透明性が高く、公正で、迅速・果断な意思決定が可能となる経営の行動変革を促す。

      4.内部監査部門との連携状況

    当社では、グローバル監査室が、オムロングループの内部統制の整備・運用状況を「業務の有効性および効率性」「財務報告の信頼性」「事業活動に関わる法令などの遵守」「資産の保全」の観点から検証するとともに、リスクマネジメントの妥当性・有効性を評価し、改善に向けた助言・提言をしています。監査役会は毎月の監査役会にグローバル監査室長を招聘し、全社の業務監査・内部統制監査の状況確認と意見交換を行っています。

    当事業年度は、監査役会の重点監査項目である「グローバルグループガバナンス」に沿って、自律的な内部統制の進化や内部監査の高度化について議論を深めました。また、海外本社拠点(中国、アジアパシフィック、アメリカ)の内部監査人から、各地域の内部統制状況の報告を受けるとともに、国内関係会社26社の監査役に就任しているグローバル監査室のスタッフと、グループ監査役連絡会(年2回)を開催しました。各関係会社の監査役から経営状況や課題等について報告を受けるとともに、関係会社監査役監査業務のさらなる進化や効率化について意見交換を行いました。

    次年度以降は、内部監査のあり方に関する提言を含め、監査役会として内部監査部門との連携を強化し、内部監査部門の進化を引き続き支援していきます。

     5.会計監査人との連携状況

        監査役会は、四半期レビューの他、財務報告に係る内部統制システムの監査状況等、会計監査人との定期的な会合を設定し情報共有を図っています。KAM(監査上の主要な検討事項(Key Audit Matters))の検討については、会計監査人からの報告内容を都度レビューし、多角的な視点で議論を重ねました。

    また、会計監査人、内部監査部門、監査役との三様監査会議についても、ディスカッションすることに重きを置いて連携を図りました。情報共有体制を強化し、有効かつ効率性の高い監査活動につなげています。

    当事業年度に係る財務諸表監査等における主な報告・検討事項は次の通りです。

    主な報告・検討事項 同席者
    7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 理財部門長 内部監査部門長
    監査基本方針と監査スケジュール
    四半期レビュー・トピックス
    監査重点領域およびKAMの検討
    J-SOX監査・内部統制状況
    会計監査人の職務の遂行に関する事項
    会計監査人監査報告書
    三様監査会議
    グループ会社における課題・発見事項
    監査人の独立性(IESBA改訂事項含む)
    会計監査人報酬の見積り

     6.監査役会の実効性評価

    監査役会は、ステークホルダーの負託に応え、持続的な企業価値の向上を実現するための監査活動はどうあるべきかの議論を重ねながら、監査を実施しています。取締役会とは自由闊達に議論を行いながらコーポレート・ガバナンス機能の向上に寄与してまいりました。

    また監査活動においては、準拠性監査、リスクベース・内部統制監査を深化させるとともに、経営課題の領域も積極的に監査の対象範囲とし、その活動について、より多角的・客観的な視点から実効性評価を行いました。

    評価の方法は、従前より実施してきた監査役による「無記名式の質問票」を用いた自己評価のみならず、「監査役会による企業価値への貢献度」も自己評価の対象としました。その際、他社監査役会等とのデータ比較や取締役へのアンケートも参考にしております。

    当事業年度における監査役会実効性評価の結果と課題は次の通りです。

    監査役会は監査活動から得られた客観性のあるデータの収集・分析を重視し、それらをベースに監査役間でオープンかつ深度ある議論を行い、確認した経営課題については、取締役会において積極的にフィードバックを行いました。

    取締役からは、監査役会の活動とさらなる進化への期待が寄せられていますが、とりわけ中長期の経営課題については、監査役会・取締役会間の議論をさらに重ね、絞り込み・深掘りを行うことが課題と認識しています。

    また、現場の状況を幅広く確認するとともに、内部監査のあり方に関する提言を含め、監査役会と内部監査部門の連携を強化します。これにより、現場に内在する経営課題を明らかにし、取締役会との議論にも反映させていきます。

    評価結果を踏まえ、今後の監査役会の取り組みを進化させ、当社の企業価値向上にさらに貢献していきます。

      ②内部監査の状況

     当社の内部監査機能は、当社社長指示のもと、本社グローバル監査室(提出日現在26名)が担っており、海外の北米、欧州、中華圏、アジア・パシフィックの地域統轄会社に設置した内部監査室を統括し、リスクマネジメントの観点から、会計・業務・遵法などに関する内部監査を、部門単位で定期的に実施しており、その結果を社長及び監査役会に月次で報告するとともに、年度総括を取締役会へ報告しています。

     内部監査、監査役監査および会計監査の相互連携については、月1回の監査役会に本社グローバル監査室長が出席し、監査結果の報告に加え、内部監査の強化に向けた意見交換を行うほか、会計監査人とも定期的会合を持ち、相互の活動に関する情報交換を行っています。法務、経理、財務部門等の内部統制部門とも定期的、適宜にリスク評価などの情報共有、連携を行っています。

     また、企業倫理・リスクマネジメント委員会による「グループ重要リスク」に対する対策やモニタリング活動などを一覧化し、全社の残存リスクを見える化し、その中から重要リスクを選定し、本社のガバナンス状況を中心に、テーマ監査を行っています。

     コンピュータ支援監査技法を用い、グローバル全社の会計データの異常値を抽出し、各社に問い合わせ自己チェックしてもらう活動など内部統制の強化に向けた取り組みを進めています。

     グローバル監査室のメンバを国内子会社監査役として任命し、各社の決算監査や取締役会もしくは各種の会議体への参画により、ガバナンスや内部統制に関し、アドバイスや提言を行っています。

     事業部門からマネジメント候補者がグローバル監査室に出向し、監査活動を通して経営視点やリスク感度を身に着け、出向終了後原籍部門で更なる活躍を期する育成出向プログラムも継続的に実施しています。

    ③会計監査の状況

    1.監査法人の名称

    有限責任監査法人トーマツ

     当社は、会社法に基づく会計監査および金融商品取引法に基づく会計監査を有限責任監査法人トーマツに依頼していますが、同監査法人および当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社の間には、特別の利害関係はありません。また、同監査法人は業務執行社員について、当社の会計監査に一定期間を超えて関与することのないよう措置をとっています。当社は、同監査法人との間で会社法監査と金融商品取引法監査について監査契約書を締結し、それに基づき報酬を支払っています。

    2.継続監査期間

     55年間

    3.業務を執行した公認会計士の氏名

     指定有限責任社員 業務執行社員 : 佐藤 嘉雄、川添 健史、池畑 憲二郎

    4.監査業務に係る補助者の構成

     公認会計士 35名、公認会計士試験合格者 13名、その他 25名

    5.監査法人の選定方針と理由

     現会計監査人を選定した理由は、当社の会計監査人に求められる専門性、独立性および内部管理体制、さらに当社のグローバルな活動を一元的に監査できる体制を有していると判断したためです。

     監査役会は、会計監査人の職務の執行に支障がある場合等その必要性に応じて、株主総会に提出する会計監査人の解任または不再任に関する議案の内容を決定します。また、監査役会は会計監査人について会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると判断した場合には、監査役全員の同意によって、会計監査人を解任します。

    6.監査役及び監査役会による監査法人の評価

     監査役会は、会計監査人の監査の独立性と適正性を監視しながら、監査計画とその結果報告を受領のうえ、情報交換・意見交換を行う等の連携を密にしています。監査役会は年に一回、会計監査人の評価項目を定め、内部監査部門、経理部門の評価を参考に総合的に評価しています。

    ④監査報酬の内容等

    1.監査公認会計士等に対する報酬

    区分 前連結会計年度 当連結会計年度
    監査証明業務に基づく報酬(百万円) 非監査業務に基づく報酬(百万円) 監査証明業務に基づく報酬(百万円) 非監査業務に基づく報酬(百万円)
    提出会社 210 15 254 57
    連結子会社 56 57
    266 15 311 57

     提出会社における非監査業務の内容は、主として財務報告に関する助言業務です。なお、会計監査人の独立性を担保するため、当社独自の規定により非監査報酬額に一定の制限を設けています。

    2.監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイトトウシュトーマツおよびそのメンバーファーム)に対する報酬(1.を除く)

    区分 前連結会計年度 当連結会計年度
    監査証明業務に基づく報酬(百万円) 非監査業務に基づく報酬(百万円) 監査証明業務に基づく報酬(百万円) 非監査業務に基づく報酬(百万円)
    提出会社 6
    連結子会社 392 2 448 12
    392 8 448 12

     提出会社における非監査業務の内容は、主として社内研修業務です。また連結子会社における非監査業務の内容は、主として税務関連業務です。なお、会計監査人の独立性を担保するため、当社独自の規定により非監査報酬額に一定の制限を設けています。

    3.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容

     該当事項はありません。

    4.監査報酬の決定方針

     当社の監査公認会計士等に対する監査報酬は、年間の監査計画に組み込まれている監査陣容、往査内容、監査日数などの監査内容をもとに監査公認会計士等と折衝し、会社法第399条の定め等に基づき監査役会の同意を得た上で決定しています。

    5.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由

     監査役会は、会計監査人および社内関係部門から説明を受けた当期の会計監査計画や、前期の監査実績、会計監査人の監査の遂行状況、報酬見積りの算出根拠を確認し、審議した結果、適切であると判断し、会計監査人の報酬等の額について同意を行っています。

    (4)【役員の報酬等】

    ①役員報酬等の内容

     当事業年度に係る役員報酬等の内容は以下のとおりです。

    ア.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数

    役員区分 報酬等の総額 (百万円) 報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる 役員の員数 (名)
    基本報酬 短期業績 連動報酬  (賞与) 中長期業績連動報酬 (株式報酬)
    取締役 (社外取締役を除く) 791 305 241 245 5
    [245] [245]
    監査役 (社外監査役を除く) 70 70 - - 2
    社外取締役 50 50 - - 4
    社外監査役 32 32 - - 2

    (注)

    1 基本報酬

     取締役の基本報酬総額の上限は、月額3,500万円(2000年6月27日 第63期定時株主総会決議、当該決議に係る取締役の員数は7名)です。取締役の基本報酬の額は、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定しています。監査役の基本報酬総額の上限は、月額1,100万円(2018年6月19日 第81期定時株主総会決議、当該決議に係る監査役の員数は4名)です。監査役の基本報酬の額は、監査役会における監査役の協議により決定しています。

    2 賞与

     取締役の賞与総額の上限は、年額6億円(2018年6月19日 第81期定時株主総会決議、当該決議に係る取締役の員数は5名)です。各取締役の賞与の額は、第86期(2023年3月期)の営業利益、当社株主に帰属する当期純利益、ROICの目標および実績を基に算定し、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定しています。各指標の目標値および実績値については、下表をご参照ください。

    目標値 実績値
    営業利益(億円) 930 1,007
    当社株主に帰属する当期純利益(億円) 630 739
    投下資本利益率(ROIC)(%) 10.0 10.4

    3 株式報酬

     株式報酬は、2017年6月22日開催の第80期定時株主総会において、中期経営計画の対象となる4事業年度において当社が拠出する金員の上限を24億円、対象者に対して交付およびその売却代金が給付(以下「交付等」という。)される株式数の上限を600,000株として決議されています。当該決議に係る取締役の員数は5名です。株式報酬は、所定の算定式で算出するポイントを取締役に対して付与し、予め定められた一定の時期に、付与されたポイント数に相当する当社株式の交付等を信託から行うものでありますが、上記株式報酬の額は当事業年度中に付与されたポイントに係る費用計上額です。各取締役の株式報酬の額は、2021年度から2024年度までの財務目標評価(EPS、ROE)、サステナビリティ評価(温室効果ガス排出量の削減、エンゲージメントサーベイにおけるSustainable Engagement Index (SEI)のスコア、Dow Jones Sustainability Indices)の目標および実績、並びに企業価値評価(相対TSR)を基に算定し、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定されます。各指標の目標値については、下表をご参照ください。なお、株式報酬に係る評価指標の実績は、現中期経営計画の最終年度終了後に確定するため、記載していません。

    評価 ウエイト 評価指標 目標値
    財務目標評価 60% 基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益(EPS) 400円
    株主資本当社株主に帰属する当期純利益率(ROE) 10%
    企業価値評価 20% 相対TSR(注1) 100%
    サステナビリティ評価 20% 温室効果ガス排出量の削減(Scope1・2) 2016年度比▲53%
    エンゲージメントサーベイ(注2)におけるSustainable Engagement Index(SEI)(注3)のスコア 70点
    Dow Jones Sustainability Indices DJSI World

    (注)1 対象期間における当社のTSR(株主総利回り)と配当込みTOPIXの増減率を比較した指標(相対TSR=TSR÷配当込みTOPIX増減率)

    2 組織の目指すゴールに対する社員の自発的な貢献意欲を測定する調査

    3 心身の健康などによって維持される目標達成に向けた高い貢献意欲や組織に対する強い帰属意識、生産的な職場環境を示す指標

    4 非金銭報酬等

     [ ]内は、報酬等のうち非金銭報酬等の金額です。

    イ.報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等

    氏名 (役員区分) 報酬等の総額 (百万円) 会社区分 報酬等の種類別の総額(百万円)
    基本報酬 短期業績 連動報酬   (賞与) 中長期業績 連動報酬 (株式報酬)
    立石 文雄 (取締役) 171 [55] オムロン株式会社 78 38 55 [  55]
    山田 義仁 (取締役) 273 [87] オムロン株式会社 83 103 87 [  87]
    宮田 喜一郎 (取締役) 139 [40] オムロン株式会社 57 42 40 [  40]
    日戸 興史 (取締役) 132 [38] オムロン株式会社 54 40 38 [  38]

    (注)1 中長期業績連動型株式報酬の額は当事業年度中に付与されたポイントに係る費用計上額です。

    2 [ ]内は、報酬等のうち非金銭報酬等の金額です。 

    ②役員の報酬等の額またはその算定方法に係る決定に関する方針

     当社は取締役の報酬等について、判断の客観性と透明性を高めるため、社外取締役を委員長とし、委員の過半数を社外取締役で構成する報酬諮問委員会を設置しています。当社は「取締役報酬の方針」について、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により定めています。

     各取締役の報酬等の額は、株主総会の決議により決定した取締役報酬等の総額の範囲内で、当該方針等に基づく報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定しています。

     また、各監査役の報酬等の額は、監査役の協議により定めた「監査役報酬の方針」に基づき、株主総会の決議により決定した監査役報酬等の総額の範囲内で、監査役の協議により決定しています。

     当社の「取締役報酬の方針」、「取締役報酬制度の概要」および「監査役報酬の方針」は次のとおりです。

    [取締役報酬の方針]

    1)基本方針

     ・企業理念を実践する優秀な人材を取締役として登用できる報酬とする。

     ・持続的な企業価値の向上を動機づける報酬体系とする。

     ・株主をはじめとするステークホルダーに対して説明責任を果たせる、「透明性」「公正性」「合理性」の

      高い報酬体系とする。

    2)報酬構成

     ・取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と、業績に応じて変動する業績連動報酬で構成する。

     ・基本報酬に対する業績連動報酬の報酬構成比率は、役割に応じて決定する。

     ・社外取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から、基本報酬のみで構成する。

    3)基本報酬

     ・基本報酬額は、外部専門機関の調査に基づく他社水準を考慮し役割に応じて決定し毎月支給する。

    4)業績連動報酬

     ・短期業績連動報酬として、単年度の業績や目標達成度に連動する賞与を事業年度終了後に一括支給する。

     ・中長期業績連動報酬として、中期経営計画の達成度や企業価値(株式価値)の向上に連動する株式報酬を支給

      する。

     ・株式報酬の業績連動部分は中期経営計画終了後に、非業績連動部分は退任後に支給する。

     ・短期業績連動報酬および中長期業績連動報酬の基準額は、役割に応じて定める報酬構成比率により決定する。

    5)報酬ガバナンス

     ・報酬構成および報酬構成比率、基本報酬の水準ならびに業績連動報酬の業績指標および評価方法は、報酬諮問

      委員会の審議、答申を踏まえ決定する。

     ・各取締役の報酬の額は、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定する。

    [取締役報酬制度の概要]

    1)報酬構成比率

      取締役の報酬は、固定報酬である「基本報酬」と、業績に応じて変動する「短期業績連動報酬(賞与)」

     および「中長期業績連動報酬(株式報酬)で構成しています。各業績連動報酬の基本報酬に対する報酬構成比

     率は、役割に応じて決定しています。

    * 代表取締役社長 CEOの場合、各業績連動報酬の目標達成度等が全て100%と仮定した場合の比率。

      2)基本報酬

         取締役に対して、固定報酬である基本報酬を毎月支給します。基本報酬額は、外部専門機関の調査に基づく

        同輩企業(報酬諮問委員会が定める同業種、同規模等のベンチマーク対象企業群)の役員の基本報酬水準を参

        考に、役割に応じて決定しています。

      3)短期業績連動報酬(賞与)

         社外取締役を除く取締役に対して、短期業績連動報酬として、単年度の業績指標や目標達成度に連動する

        賞与を事業年度終了後に一括支給します。取締役賞与は、年間計画に基づき設定した営業利益、当期純利益

        およびROICの目標値に対する達成度等に応じ、0%~200%の範囲で変動します。

      4)中長期業績連動報酬(株式報酬)

         社外取締役を除く取締役に対して、中長期業績連動報酬として、株式報酬を支給します。株式報酬は、中期

        経営計画の達成度等に連動する業績連動部分(60%)と、中長期の株価向上への動機づけとリテンションを目的

        に一定期間の在籍を条件に支給する非業績連動部分(40%)により構成します。業績連動部分は中期経営計画

        終了後に、非業績連動部分は退任後に支給します。

         業績連動部分は、中期経営計画における業績目標等の達成度に応じて0%〜200%の範囲で変動します。

          (注)財務目標評価・企業価値評価・サステナビリティ評価の各評価指標および目標値については、
             「①役員報酬等の内容 ア.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象
              となる役員の員数 (注)3 株式報酬」に記載のとおりです。

      5)業績連動報酬の業績指標

     ・短期業績連動報酬(賞与)の評価指標は、中期経営計画SF 1st Stage(2022~2024年度)に基づく短期経営

      計画の実現に向けて、短期経営計画の財務目標の指標から設定しています。

     ・中長期業績連動報酬(株式報酬)の評価指標は、中期経営計画SF 1st Stage(2022~2024年度)の実現に向けて、中期経営計画の財務目標・非財務目標・戦略目標の指標から設定しています。また、2030年に向けた長期ビジョン「SF2030」では企業価値の最大化を目指しており、企業価値を直接評価する指標についても設定しています。

    [監査役報酬の方針]

    1)基本方針

     ・株主の負託を受けた監査役の職務遂行が可能な優秀な人材を登用できる報酬とする。

     ・株主をはじめとするステークホルダーに対して説明責任を果たせる、「透明性」「公正性」「合理性」の

      高い報酬体系とする。

    2)報酬構成

     ・監査役の報酬は、その役割と独立性の観点から、基本報酬のみで構成する。

    3)基本報酬

     ・基本報酬額は、外部専門機関の調査に基づく他社水準を考慮し役割に応じて決定し毎月支給する。

    4)報酬ガバナンス

     ・各監査役の報酬の額は、監査役会における監査役の協議により決定する。

    (5)【株式の保有状況】

    ①投資株式の区分の基準及び考え方

     当社は純投資目的である株式は保有しておらず、全て純投資目的以外の目的である株式投資に区分しています。なお、純投資目的とは株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることのみを目的とする場合とし、それ以外の目的で保有する株式は全て純投資目的以外の株式としています。

    ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式

    1.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内

     当社は、持続的な企業価値向上のため、更なる社会的価値創造の協働を目的とする場合に限り株式を保有します。

     なお、純投資目的以外の株式のうち特定投資株式については、保有目的および合理性について中長期的な観点から精査し、保有の適否を毎年、取締役会において検証します。保有の適否検証においては、投資先企業との協働の状況、事業への影響、投資先企業のROE、取引による当社利益への寄与度等を考慮します。検証の結果、保有目的および合理性が希薄となった株式については、事業や市場への影響に配慮しつつ売却を進めます。

    2.銘柄数及び貸借対照表計上額

    銘柄数 (銘柄) 貸借対照表計上額の 合計額(百万円)
    非上場株式 40 2,059
    非上場株式以外の株式 6 25,327

    (当事業年度において株式数が増加した銘柄)

    銘柄数 (銘柄) 株式数の増加に係る取得 価額の合計額(百万円) 株式数の増加の理由
    非上場株式 該当なし
    非上場株式以外の株式 1 59 事業関係強化のため

    (当事業年度において株式数が減少した銘柄)

    銘柄数 (銘柄) 株式数の減少に係る売却 価額の合計額(百万円)
    非上場株式
    非上場株式以外の株式 1 3

    3.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報

    特定投資株式

    銘柄 当事業年度 前事業年度 保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果 及び株式数が増加した理由 当社の株式の 保有の有無
    株式数(株) 株式数(株)
    貸借対照表計上額 (百万円) 貸借対照表計上額 (百万円)
    トヨタ自動車㈱ 8,090,035 8,090,035 ・主として制御機器事業において社会的価値の向上を協働することを目的とし、保有しています。 ・定量的な保有効果(注)3
    15,209 17,980
    ダイキン工業㈱ 236,200 236,200 ・主として電子部品事業において社会的価値の向上を協働することを目的とし、保有しています。 ・定量的な保有効果(注)3
    5,587 5,293
    スズデン㈱ 1,297,610 1,329,710 ・制御機器事業の主要販売代理店としてお客様への提供価値を拡大することを目的とし、保有しています。 ・定量的な保有効果(注)3
    3,396 2,915
    サンワテクノス㈱ 355,080 355,080 ・制御機器事業の主要販売代理店としてお客様への提供価値を拡大することを目的とし、保有しています。 ・定量的な保有効果(注)3
    690 479
    明治電機工業㈱ 320,000 320,000 ・制御機器事業の主要販売代理店としてお客様への提供価値を拡大することを目的とし、保有しています。 ・定量的な保有効果(注)3
    387 330
    ㈱メンタルヘルステクノロジーズ 49,200 ・データヘルス事業においてメンタルヘルスケア領域でのソリューション共創を目的とし、保有しています。 ・定量的な保有効果(注)3 ・データヘルス事業においてメンタルヘルスケア領域でのソリューション共創を目的として取得。
    58

    みなし保有株式

    銘柄 当事業年度 前事業年度 保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果 及び株式数が増加した理由 当社の株式の 保有の有無
    株式数(株) 株式数(株)
    貸借対照表計上額 (百万円) 貸借対照表計上額 (百万円)
    ㈱村田製作所 1,313,055 1,313,055 ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4
    10,557 10,658
    ㈱京都銀行 1,528,092 1,528,092 ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4
    9,551 8,175
    ローム㈱ 468,000 468,000 ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4
    5,134 4,488
    ㈱SCREENホールディングス 255,867 255,867 ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4
    2,981 3,163
    ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ 3,349,000 3,349,000 ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4
    2,840 2,546
    コニカミノルタ㈱ 621,000 621,000 ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4
    353 320
    ㈱三井住友フィナンシャルグループ 68,600 68,600 ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4
    363 268

    (注)1 貸借対照表計上額の上位銘柄を算定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していません。

    2 保有する特定投資株式およびみなし保有株式を合わせて60銘柄に満たないため、全銘柄を記載しています。

    3 特定投資株式の定量的な保有効果については事業上の理由から記載していませんが、保有合理性は上記1の方法に基づき検証を行っており、十分な保有合理性があると判断しています。

    4 みなし保有株式の定量的な保有効果については事業上の理由から記載していませんが、特定投資株式に準じた方法で検証を行っており、十分な保有合理性があると判断しています。

    ③保有目的が純投資目的である投資株式

    該当事項はありません。

    第5【経理の状況】

    1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について

    ① 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)附則(平成14年内閣府令第11号)第3項の規定により、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。

    ② 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。

    また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。

    2 監査証明について

    当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の連結財務諸表および事業年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けています。

    3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて

    当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っています。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、連結財務諸表等の適正性を確保できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入しており、企業会計基準委員会の行う研修に参加しています。

    1【連結財務諸表等】

    (1) 【連結財務諸表】

    ① 【連結貸借対照表】
    第85期 (2022年3月31日) 第86期 (2023年3月31日)
    区分 注記 番号 金額(百万円) 構成比 (%) 金額(百万円) 構成比 (%)
    資産の部
    流動資産
    現金及び現金同等物 (注記Ⅰ-C,F) 155,484 105,279
    受取手形及び売掛金 (注記Ⅱ-A, E) 151,820 180,074
    貸倒引当金 (注記Ⅰ-F) △798 △869
    棚卸資産 (注記Ⅰ-F,Ⅱ-B) 141,935 173,926
    売却予定資産 (注記Ⅱ-Ⅹ) 363 2
    その他の流動資産 (注記Ⅱ-A,R,S,T) 34,101 28,480
    流動資産合計 482,905 51.9 486,892 48.8
    有形固定資産 (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-F,H) 122,098 13.1 129,585 13.0
    投資その他の資産
    オペレーティング・リース使用権資産 (注記Ⅰ-F,Ⅱ-J) 39,746 47,501
    のれん (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-G,T) 39,718 43,125
    関連会社に対する投資及び貸付金 (注記Ⅰ-D,Ⅱ-D) 124,691 134,557
    投資有価証券 (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-C,T) 43,757 46,123
    施設借用保証金 7,815 8,094
    前払年金費用 (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-K) 14,391 29,103
    繰延税金 (注記Ⅰ-F,Ⅱ-N) 18,116 23,513
    その他の資産 (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-G,H,T) 37,392 49,667
    投資その他の資産合計 325,626 35.0 381,683 38.2
    資産合計 930,629 100.0 998,160 100.0
    第85期 (2022年3月31日) 第86期 (2023年3月31日)
    区分 注記 番号 金額(百万円) 構成比 (%) 金額(百万円) 構成比 (%)
    負債の部
    流動負債
    支払手形及び買掛金・未払金 86,827 92,855
    短期借入金 (注記Ⅱ-I) 20,000 213
    未払費用 48,365 50,246
    未払税金 5,657 10,560
    短期オペレーティング・リース負債 (注記Ⅰ-F,Ⅱ-J) 11,549 11,871
    その他の流動負債 (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-A,K,N,R,S,T,U) 39,274 44,275
    流動負債合計 211,672 22.7 210,020 21.0
    繰延税金 (注記Ⅰ-F,Ⅱ-N) 2,177 0.2 2,052 0.2
    退職給付引当金 (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-K) 8,194 0.9 9,348 0.9
    長期オペレーティング・リース負債 (注記Ⅰ-F,Ⅱ-J) 28,567 3.1 33,284 3.3
    その他の固定負債 (注記Ⅱ-A,U) 12,048 1.3 12,229 1.3
    負債合計 262,658 28.2 266,933 26.7
    純資産の部 (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-L)
    株主資本
    資本金 64,100 6.9 64,100 6.4
    普通株式  授権株式数
    第85期     487,000,000株   第86期     487,000,000株 第85期 487,000,000株 第86期 487,000,000株
    第85期
    487,000,000株
    第86期
    487,000,000株
    発行済株式数
    第85期     206,244,872株   第86期     206,244,872株 第85期 206,244,872株 第86期 206,244,872株
    第85期
    206,244,872株
    第86期
    206,244,872株
    資本剰余金 100,652 10.8 98,506 9.9
    利益準備金 24,503 2.6 24,729 2.5
    その他の剰余金 517,566 55.6 571,807 57.3
    その他の包括利益(△損失)累計額 (注記Ⅰ-F,Ⅱ-Q) 13,013 1.4 39,947 4.0
    自己株式 (注) (注記Ⅰ-C) △54,607 △5.8 △70,616 △7.1
    第85期     7,053,647株 第86期     9,417,692株 第85期 7,053,647株 第86期 9,417,692株
    第85期
    7,053,647株
    第86期
    9,417,692株
    株主資本合計 665,227 71.5 728,473 73.0
    非支配持分 2,744 0.3 2,754 0.3
    純資産合計 667,971 71.8 731,227 73.3
    負債及び純資産合計 930,629 100.0 998,160 100.0

    (注)第85期末および第86期末の自己株式数には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託として保有する当社株式をそれぞれ606,434株、600,208株含めております。

    ② 【連結損益計算書】
    第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) 第86期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
    区分 注記 番号 金額(百万円) 百分比 (%) 金額(百万円) 百分比 (%)
    売上高 (注記Ⅰ-F,Ⅱ-A) 762,927 100.0 876,082 100.0
    売上原価及び費用 (注記Ⅱ-J,O)
    売上原価 416,100 482,199
    販売費及び一般管理費 (注記Ⅰ-F) 213,234 243,015
    試験研究開発費 44,277 50,182
    その他費用―純額― (注記Ⅱ-C,G,H,M,X) 2,602 676,213 88.6 2,277 777,673 88.8
    法人税等、持分法投資損益控除前当期純利益 86,714 11.4 98,409 11.2
    法人税等 (注記Ⅰ-F,Ⅱ-N) 23,046 3.1 24,943 2.8
    持分法投資損益(△利益) (注記Ⅰ-D,Ⅱ-D) 1,624 0.2 △1,079 △0.1
    当期純利益 62,044 8.1 74,545 8.5
    非支配持分帰属損益 644 0.1 684 0.1
    当社株主に帰属する 当期純利益 61,400 8.0 73,861 8.4
    1株当たり利益 (注記Ⅱ-P)
    基本的
    当社株主に帰属する 当期純利益 305.65円 372.19円
    希薄化後
    当社株主に帰属する 当期純利益
    ③ 【連結包括利益計算書】
    第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) 第86期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
    区分 注記 番号 金額(百万円) 金額(百万円)
    当期純利益 62,044 74,545
    その他の包括利益(△損失) ―税効果考慮後 (注記Ⅱ-Q)
    為替換算調整額
    当期発生為替換算調整額 40,078 17,840
    実現額の当期損益への組替修正額 2,029 42,107 △337 17,503
    退職年金債務調整額
    当期発生退職年金債務調整額 1,625 6,094
    実現額の当期損益への組替修正額 3,012 4,637 2,610 8,704
    デリバティブ純損益
    未実現利益(△損失)当期発生額 △1,066 △523
    実現額の当期損益への組替修正額 383 △683 1,317 794
    その他の包括利益(△損失)計 46,061 27,001
    包括利益 108,105 101,546
    非支配持分に帰属する包括利益 747 751
    当社株主に帰属する包括利益 (注記Ⅰ-F) 107,358 100,795
    ④ 【連結株主持分計算書】

    (単位:百万円)

    項目 発行済 株式数(株) 資本金 資本 剰余金 利益 準備金 その他の剰余金 その他の包括利益 (△損失)累計額 自己株式 株主資本 非支配 持分 純資産 合計
    第84期末現在 206,244,872 64,100 101,403 22,931 476,185 △32,945 △24,816 606,858 2,500 609,358
    当期純利益 61,400 61,400 644 62,044
    当社株主への配当金(注1) △18,447 △18,447 △18,447
    非支配株主への配当金 △503 △503
    株式に基づく報酬(注2) △751 1,639 888 888
    利益準備金繰入 1,572 △1,572
    その他の 包括利益(△損失) 45,958 45,958 103 46,061
    自己株式の取得およびその他 △31,430 △31,430 △31,430
    第85期末現在 206,244,872 64,100 100,652 24,503 517,566 13,013 △54,607 665,227 2,744 667,971
    当期純利益 73,861 73,861 684 74,545
    当社株主への配当金(注1) △19,394 △19,394 △19,394
    非支配株主への配当金 △741 △741
    株式に基づく報酬 △2,140 4,003 1,863 1,863
    利益準備金繰入 226 △226
    その他の包括利益(△損失) 26,934 26,934 67 27,001
    自己株式の取得およびその他 △6 △20,012 △20,018 △20,018
    第86期末現在 206,244,872 64,100 98,506 24,729 571,807 39,947 △70,616 728,473 2,754 731,227

    (注)1 1株当たり配当額は、第85期92円00銭、第86期98円00銭です。

    2 株式に基づく報酬の見積り変更による資本剰余金の増加19百万円を含みます。

    ⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
    第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) 第86期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
    区分 金額(百万円) 金額(百万円)
    Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー
    1 当期純利益 62,044 74,545
    2 営業活動によるキャッシュ・フローと   当期純利益の調整
    (1)減価償却費 23,367 26,587
    (2)株式報酬費用 864 1,863
    (3)固定資産除売却損(純額) 901 45
    (4)長期性資産の減損 410 1,768
    (5)のれんの減損 3,384
    (6)事業譲渡に関連する損失(△利益)(純額) 1,116 △922
    (7)投資有価証券評価損(△益)(純額) △5,447 2,099
    (8)退職給付引当金及び前払年金費用 △662 △574
    (9)繰延税金 4,632 △9,421
    (10)持分法投資損益(△利益) 1,624 △1,079
    (11)資産・負債の増減
    ① 受取手形及び売掛金の増加 △9,074 △23,581
    ② 棚卸資産の増加 △30,427 △29,004
    ③ その他の資産の増加 △3,178 △2,331
    ④ 支払手形及び買掛金・未払金の増加 13,293 4,667
    ⑤ 未払税金の増加 1,749 4,758
    ⑥ 未払費用及びその他流動負債の増加 2,316 5,179
    (12)その他(純額) 516 5,384 △1,143 △21,089
    営業活動によるキャッシュ・フロー 67,428 53,456
    Ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー
    1 投資有価証券の売却による収入 921 84
    2 投資有価証券の取得 △5,386 △2,860
    3 資本的支出 △33,357 △45,018
    4 施設借用保証金の増加(純額) △140 △299
    5 有形固定資産の売却による収入 748 1,614
    6 関連会社に対する投資の増加 △112,444 △9,976
    7 事業売却(現金流出額との純額) △505 922
    8 その他(純額) 0 0
    投資活動によるキャッシュ・フロー △150,163 △55,533
    Ⅲ 財務活動によるキャッシュ・フロー
    1 短期債務の増加(△減少)(純額) 20,000 △19,787
    2 親会社の支払配当金 △17,754 △18,912
    3 非支配株主への支払配当金 △504 △741
    4 自己株式の取得 △31,430 △20,013
    5 自己株式の売却 0 772
    6 その他(純額) 85 △76
    財務活動によるキャッシュ・フロー △29,603 △58,757
    Ⅳ 換算レート変動の影響 17,067 10,629
    現金及び現金同等物の増減額 △95,271 △50,205
    期首現金及び現金同等物残高 250,755 155,484
    期末現金及び現金同等物残高 155,484 105,279
    営業活動によるキャッシュ・フローの追記
    1 支払利息の支払額 223 302
    2 当期税金の支払額 17,156 28,476
    キャッシュ・フローを伴わない投資及び財務活動の追記
    1 資本的支出に関連する債務 1,513 1,570
    連結財務諸表注記事項

    Ⅰ 重要な会計方針の概要

    A 事業内容および連結財務諸表の作成基準

    1  事業内容

     当社は先進的なコンピュータ、コミュニケーションおよびコントロール技術により、自動化機器、部品、システムなどを国際的に製造・販売しています。当社の活動は世界130ヶ国以上に及んでおり、米国、オランダ、中国、シンガポール、韓国の5ヶ所に地域統轄会社を設置しています。

     当社の商品は、タイプおよび市場等により区分され、以下のとおりのオペレーティング・セグメントにて取り扱っています。

     インダストリアルオートメーションビジネス(IAB)では、プログラマブルコントローラー、モーションコントロール機器、センサー機器、産業用カメラ・コードリーダー機器、検査装置、セーフティ用機器、産業用ロボットなど、「「オートメーションで人、産業、地球の豊かな未来を創造する」をビジョンに、当社が歴史的に育んできたオートメーションを事業の中心におき、モノづくりを革新することで、世界の製造業の生産性向上に貢献してきました。独自のコンセプト“i-Automation!”を掲げ、業界髄一の幅広い制御機器を軸に技術とソリューションでお客様のモノづくり現場にイノベーションを起こし、世界中の人々を豊かにする世界を目指します。

     ヘルスケアビジネス(HCB)では、電子血圧計、ネブライザー、低周波治療器、心電計、酸素発生器、電子体温計、体重体組成計、歩数計・活動量計、電動歯ブラシ、マッサージャ、血糖計、動脈硬化検査装置、内臓脂肪計、遠隔患者モニタリングシステム、遠隔診療サービスなど、「地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献」をミッションに、誰でも簡単・正確に測定できる使いやすさと、医療現場からも信頼される精度にこだわり、商品やサービスを開発しています。血圧計や体温計、喘息治療薬を吸入するための機器であるネブライザーなど、各国の医療機器認証を取得したデバイスや国ごとに異なる社会インフラや医療システムに対応したサービスを、世界110ヵ国以上で展開しています。サービスでは、医師が遠隔で患者をモニタリングし処方・治療支援を行う遠隔診療サービスの提供を主要国から進めています。

     ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(SSB)では、エネルギーソリューション、駅務システム、交通管理・道路管理システム、カード決済ソリューション、安心・安全ソリューション、IoT(電源保護・データ保護)ソリューション、関連メンテナンス事業など、「世界中の人々が安心・安全・快適に生活し続ける豊かな社会を創造する」をミッションとしています。太陽光発電用パワーコンディショナー、蓄電システム、自動改札機や券売機などの駅務システム、交通管制システム、決済システム、UPSなどのデータ・電源保護といった、多岐にわたる端末・システム、さらにソフトウェア開発、保守メンテナンスによるトータルソリューションを提供し、社会インフラを支えています。

     デバイス&モジュールソリューションズビジネス(DMB)では、リレー、スイッチ、コネクター、アミューズメント機器用部品・ユニット、汎用センサー、顔認識ソフトウェア、画像センシングコンポ、MEMSセンサーなど「我々のデバイスとモジュールで、顧客の価値を創造し、地球上の人と社会に貢献する」をミッションとしています。ファクトリーオートメーションから、モビリティ、エネルギーマネジメント、ヘルスケア、業務民生機器など、幅広い業界の顧客に対して、電気を切る、入れる、つなぐためのコア部品となる、リレー、スイッチ、コネクターや、さまざまな製品の目や耳になるセンサーなどのデバイスやモジュールを、全世界で提供するオムロンの基盤事業です。

    2 連結財務諸表の作成基準

     当連結財務諸表は、欧州において発行した預託証券にかかる要求に基づき、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。

     当社は、欧州にて1970年2月7日、香港にて1973年10月13日、時価発行による公募増資を実施しました。この時の預託契約に基づき、1967年3月31日に終了した連結会計年度より米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成していたことを事由として、1978年3月30日に「連結財務諸表規則取扱要領第86に基づく承認申請書」を大蔵大臣へ提出し、同年3月31日付の蔵証第496号により、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成することにつき承認を受けています。そのため、連結財務諸表については1978年3月31日に終了した連結会計年度より継続して、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して開示しています。

     なお、当社は米国証券取引委員会への登録は行っていません。

    B 我国の連結財務諸表原則及び連結財務諸表規則に準拠して作成する場合との主要な相違の内容

    1 投資

     提出会社の財務諸表では、有価証券の評価について「金融商品に関する会計基準」を適用しています。当連結財務諸表では、財務会計基準審議会(FASB)会計基準書第321号「投資-持分証券」を適用しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第85期5,179百万円(利益)、第86期1,492百万円(損失)です。

    2 退職給付引当金

     提出会社の財務諸表では、「退職給付に係る会計基準」を適用しています。当連結財務諸表では、FASB会計基準書第715号「報酬-退職給付」の規定に従って計上しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第85期1,157百万円(損失)、第86期3,262百万円(損失)です。

    3 有給休暇の処理

     当連結財務諸表では、FASB会計基準書第710号-10-25「報酬-有給休暇」に基づいて従業員の未使用有給休暇に対応する人件費負担相当額を未払計上しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第85期607百万円(損失)、第86期291百万円(損失)です。

    4 のれんおよびその他の無形資産

     当連結財務諸表では、FASB会計基準書第350号「無形資産-のれん及びその他」により、のれんおよび耐用年数の特定できない無形資産については償却に替え少なくとも年1回の減損判定を実施しています。我国の連結財務諸表原則および連結財務諸表規則に準拠してのれんの償却期間を5年とした場合と比較して、法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第85期931百万円(損失)、第86期1,585百万円(利益)です。

    5 長期性資産

     提出会社の財務諸表では、土地は「土地の再評価に関する法律」(平成10年3月31日公布法律第34号)および「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(平成13年6月29日公布法律第94号)を適用しています。また、固定資産の減損については、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準委員会 平成15年10月31日企業会計基準適用指針第6号)を適用しています。当連結財務諸表ではFASB会計基準書第360号「有形固定資産」に基づいて、長期性資産および特定の識別できる無形資産について帳簿価額を回収できない恐れのある事象または状況の変化が起きた場合には、減損についての検討を行い、減損が生じていると考えられる場合には、帳簿価額が公正価値を上回る額を減損額として認識しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第85期1百万円(利益)、第86期においてありません。

    6 株式報酬

     提出会社の財務諸表では、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 平成25年12月25日、平成27年3月26日改正)を適用しています。

     当連結財務諸表では、FASB会計基準書第718号「報酬-株式報酬」を適用しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第85期126百万円(損失)、第86期141百万円(利益)です。

    7 1株当たり株主資本

     我国の連結財務諸表規則において開示が要求されている1株当たり株主資本は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準では要求されていませんが、第85期末現在3,339円64銭、第86期末現在3,701円8銭です。

    8 未認識税務ベネフィット

     当連結財務諸表では、FASB会計基準書第740号「法人税」に基づき、税務調査を受けることを前提に50%超の可能性をもって認められない税務ベネフィットの影響を認識しています。また、未認識の税務ベネフィットに関連する利息および課徴金については、連結損益計算書の法人税等に含めています。

    C 連結の方針および範囲

     当連結財務諸表は、当社および子会社の勘定を含んでいます。当社および子会社間のすべての重要な取引ならびに債権債務は相殺消去されています。

     関連会社(20%~50%所有会社)に対する投資は、持分法を適用し計上しています。

     当連結財務諸表には、全ての子会社が含まれています。

    子会社: 第85期末…………… オムロンヘルスケア㈱、OMRON EUROPE B.V.ほか 計119社
    第86期末…………… オムロンヘルスケア㈱、OMRON EUROPE B.V.ほか 計117社

     なお、第81期より当社および子会社は役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託を活用した株式報酬制度を導入しています。信託を通じて当社株式を株式市場から購入し、役位および業績目標達成度等に応じて取締役および執行役員に当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付および給付します。

     当社および子会社は信託の制度設計を通じて信託に対して最も重要な影響を与える活動を指示する権限を有しています。また、必要に応じて信託に追加で金銭を信託し、本信託により当社株式を追加取得する可能性があることから潜在的に義務を有しています。従って、当社および子会社は当事業体の主たる受益者であると判断し、当事業体を変動持分事業体として連結範囲に含めていますが、連結子会社数に含めてはいません。

     第85期末および第86期末の連結貸借対照表において、当事業体が保有する現金及び現金同等物をそれぞれ66百万円、113百万円、自己株式を3,921百万円、3,880百万円計上しています。

     なお、主要な連結子会社の会社名、主要な事業内容、議決権に対する所有割合等は、「第1 企業の概況」の「4 関係会社の状況」に記載しています。

    D 持分法の適用

     全ての関連会社および持分比率3%以上を保有するリミテッド・パートナーシップ等に対する投資額は、持分法によって計上しています。

    持分法適用関連会社: 第85期末…………… ㈱JMDC、AliveCor,Inc.ほか 計36社
    第86期末…………… ㈱JMDC、AliveCor,Inc.ほか 計45社

     なお、主要な持分法適用関連会社の会社名、主要な事業内容、議決権に対する所有割合等は、「第1 企業の概況」の「4 関係会社の状況」に記載しています。

     関連会社の取得日の資産、負債および偶発負債の正味の公正価値に対する持分を取得対価が超える額は持分法によるのれん及び無形資産として計上し投資の帳簿価額に含めております。

     当社は、関連会社に対する投資について、事業計画の進捗状況や事業環境のような定性的要素と、投資先の超過収益力に基づいたディスカウント・キャッシュ・フロー法や株式市場における市場価格により算出された評価額と帳簿価額との比較のような定量的要素を総合的に勘案し、その価値の下落が一時的とは認められない場合には、持分の簿価が当該関連会社の公正価値の当社持分を超過した分について持分法損失を認識しています。

     なお、当社によるディスカウント・キャッシュ・フロー法による関連会社に対する投資の評価額は、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しています。事業計画は、マクロ経済状況、市場成長率、利益率、設備計画等の仮定を用いて策定し、事業計画予測期間以後のキャッシュ・フローは、被投資会社の属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積もった成長率をもとに算定しています。

     当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定の前提が当連結会計年度末の状況から大きく乖離し、関連会社に対する投資の帳簿価額がそのディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額を超過する場合又は一時的であると判断した市場価格の下落が一時的でないとなった場合には、関連会社に対する投資の金額に重要な影響を与える可能性があります。

    E 子会社の事業年度

     事業年度の末日が連結決算日と異なる子会社は第86期末14社(第85期末23社)であり、第86期末現在、事業年度の末日が連結決算日と異なるすべての子会社は連結決算日の財務諸表を用いて連結財務諸表を作成しています。子会社の決算日の財務諸表を用いて連結財務諸表を作成する子会社は、第86期末においてありません。(第85期末1社。決算日の相違により生じた重要な取引の差異はありません。)

    F 会計処理基準

    1 会計上の見積り

     米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠した連結財務諸表作成に当たり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

     長期性資産の減損、のれんおよび非償却性の無形資産の減損、関連会社に対する投資、および繰延税金資産の回収可能性等については、原材料価格高騰の影響を考慮して見積りおよび判断を行っています。見積りにあたっては、これらの影響は第86期末以降も一定の影響が継続するものと仮定しています。これらの当連結会計年度末残高は、連結財務諸表および関連注記をご参照ください。

    2 現金及び現金同等物

     現金同等物は取得日から3ヶ月以内に満期日の到来する流動性の高い投資から成っており、定期預金、コマーシャル・ペーパー、現先短期貸付金および追加型公社債投資信託の受益証券等を含んでいます。

    3 貸倒引当金

     貸倒引当金は主として当社および子会社の過去の貸倒損失実績および債権残高に対する潜在的損失の評価に基づいて、妥当と判断される額を計上しています。

    4 投資

     当社および子会社の保有する市場性のある持分証券は、未実現損益を反映させた公正価値で評価し、未実現損益は「その他費用-純額-」に表示しています。当社および子会社の保有する容易に算定可能な公正価値がない市場性のない持分証券は、減損による評価下げ後の帳簿価額に同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動を加減算する方法、その他の合理的な方法により評価し、未実現損益は「その他費用-純額-」に表示しています。売却原価の算定は、移動平均法によっています。

    5 棚卸資産

     棚卸資産は国内では主として先入先出法による低価法、海外では主として移動平均法による低価法で計上しています。

    6 有形固定資産

     有形固定資産は取得原価で計上しています。減価償却費はその資産の見積耐用年数をもとに、主として定額法で算出しています。建物及び構築物の見積耐用年数は概ね3年から50年、機械その他の見積耐用年数は概ね2年から15年です。減価償却費の金額は、第85期16,578百万円、第86期18,751百万円です。

    7 のれんおよびその他の無形資産

     FASB会計基準書第350号「無形資産-のれん及びその他」を適用しています。当基準書は、のれんおよび認識された無形資産のうち耐用年数の特定できないものの会計処理について、償却は行わず、年1回およびその帳簿価額が公正価値を上回るような事象の発生または状況の変化が生じた場合に減損判定を行うことを要求しています。のれんの減損判定は報告単位で行われます。報告単位とは、オペレーティング・セグメントあるいはその一段階下のレベルを指し、減損判定においては報告単位の公正価値とのれんを含む帳簿価額を比較して行われます。公正価値は経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しています。事業計画は、マクロ経済状況、市場成長率、利益率、設備計画等の仮定を用いて策定し、事業計画予測期間以後のキャッシュ・フローは、報告単位が属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積もった成長率をもとに算定しています。公正価値の算出に用いた主要な仮定の前提が当連結会計年度末の状況から大きく乖離し、報告単位の帳簿価額がその公正価値を超過する場合には、のれんの金額に重要な影響を与える可能性があります。報告単位の公正価値がその帳簿価額を上回る場合、その報告単位ののれんについて減損損失は認識されません。報告単位の帳簿価額がその公正価値を上回る場合には、当該報告単位に割り当てられたのれん総額を上限として、その超過分をのれんの減損損失として測定します。また、認識された無形資産のうち耐用年数の特定できるものについては、それぞれの見積耐用年数で償却しています。

    8 長期性資産

     長期性資産、すなわち有形固定資産、使用権資産および償却対象無形資産について、当該資産の帳簿価額を回収できない恐れのある事象または状況の変化が起きた場合には、減損についての検討を行っています。長期性資産の減損判定は、資産グループで行われます。資産グループとはその他のグループの資産と負債のキャッシュ・フローから相当程度自立的である、識別可能なキャッシュ・フローを有する最小単位です。保有して使用する資産の回収可能性は、当該資産の帳簿価額を当該資産から生み出されると期待される現在価値への割引前のキャッシュ・フロー純額と比較することにより判断しています。減損が生じていると考えられる場合には、帳簿価額が公正価値を上回る額を減損額として認識することになります。公正価値の見積りにおいて、事業計画に基づく見積り将来キャッシュ・フローの現在価値、または比較可能な市場価格により算定しています。見積り将来キャッシュ・フローの現在価値は、資産グループの主たる対象資産の耐用年数を基に算定を行います。売却以外の方法により処分する資産については、処分するまで保有かつ使用するとみなされます。売却により処分する資産については、帳簿価額または売却費用控除後の公正価値のいずれか低い価額で評価しています。

    9 借手としてのリース

     当社および子会社は、土地使用権、建物、倉庫、従業員社宅および車両等に係るオペレーティング・リースおよびファイナンス・リースを有しており、リース契約の開始時に使用権資産、リース負債を両建てで認識しています。
     当社および子会社は、契約開始時に契約にリースが含まれるか決定しています。当社および子会社は、識別された資産が存在し、当該資産の使用を支配する権利を有している場合に、当該契約にリースが含まれると決定しています。一部のリース契約では、リース期間の延長又は解約オプションが含まれており、当社および子会社は、これらのオプション行使が合理的に確実である場合、オプションの対象期間を考慮し、リース期間を決定しています。当社および子会社のリース契約には、重要な残価保証または重要な財務制限条項はありません。当社および子会社のリースの大部分は、リースの計算利子率が明示されておらず、リース料総額の現在価値を算定する際に、リース開始時に入手可能な情報を基にした追加借入利子率を使用しています。当社および子会社のリース契約の一部には、リース要素および非リース要素を含むものがあり、それぞれを区分して会計処理しています。当社および子会社はリース要素と非リース要素の見積独立価格の比率に基づいて、契約の対価を按分しています。当社および子会社は、リース期間が12ヶ月以内の短期リースについて、使用権資産、リース負債を認識しないことを選択しています。オペレーティング・リースに係る費用は、そのリース期間にわたり定額法で計上されています。なお、当社および子会社は、第85期および第86期において、重要なファイナンス・リース契約は行っていません。

    10 退職給付引当金

     退職給付引当金は、FASB会計基準書第715号「報酬-退職給付」に準拠し、従業員の退職給付に備えるため、当期末における予測給付債務および年金資産の公正価値に基づき計上および開示しています。また、退職給付引当金には子会社の取締役および監査役に対する退職給付に備える引当額を含んでいます。

    11 収益の認識

     顧客との契約から生じる収益は、次の5ステップアプローチに基づき、製品またはサービスの支配が顧客に移転した時点で、または移転するにつれて認識しています。

    ステップ1: 顧客との契約を識別します。

    ステップ2: 契約における履行義務を識別します。

    ステップ3: 取引価格を算定します。

    ステップ4: 取引価格を契約における別個の履行義務へ配分します。

    ステップ5: 履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識します。

     売上高は、顧客との契約により約束された対価で測定され、値引きや販売数量等に応じたリベート等を控除しています。変動対価は、過去、現在および将来の予測を含む利用可能なすべての情報を用いて合理的に見積もっています。

     また、契約開始時に、製品またはサービスを顧客に移転する時点から、顧客が当該製品またはサービスの対価を支払う時点の間の期間が1年以内と見込まれる場合は、FASB会計基準書第606号「顧客との契約から生じる収益」に基づく実務的な簡便法を適用し、対価に係る金融要素の調整をしていません。

    12 広告宣伝費

     広告宣伝費は発生時に費用認識しており、「販売費及び一般管理費」に含めて表示しています。広告宣伝費の金額は、第85期10,055百万円、第86期11,102百万円です。

    13 発送費および取扱手数料

     発送費および取扱手数料は、「販売費及び一般管理費」に含めて表示しています。発送費および取扱手数料の金額は、第85期12,073百万円、第86期16,691百万円です。

    14 法人税等

     繰延税金は税務上と会計上との間の資産および負債の一時差異、ならびに繰越欠損金および繰越税額控除に関連する将来の見積税効果を反映しています。繰延税金の帳簿価額は、入手可能な証拠にもとづいて50%超の可能性で回収可能性がないと考えられる場合、評価性引当金の計上により減額することが要求されており、繰延税金資産の回収可能性に関連するあらゆる肯定的および否定的証拠を適切に検討することにより、繰延税金資産にかかる評価性引当金計上の要否を定期的に評価しています。この評価に関する経営者の判断においては、それぞれの税務管轄ごとの当期および累積損失の性質、頻度および重要性、将来の収益予測、税務上の簿価を超える資産評価額、繰越欠損金の法定繰越可能期間、過去における繰越欠損金の法定繰越可能期間内の使用実績、繰越欠損金および繰越税額控除の将来における使用可能性を考慮します。当社および連結子会社においては、過去の課税所得水準および繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、現在計上している繰延税金資産が回収される可能性は高いものと考えていますが、当社および連結会社を取り巻く市場の動向や為替変動など、課税所得の予測に影響を与える要因が変化し、課税所得の予測の不確実性が増大した場合には繰延税金資産の回収可能性の見積りに影響を与える場合があります。税率の変更に伴う繰延税金資産および負債への影響は、その税率変更に関する法律の制定日の属する連結会計年度において損益認識しています。

     FASB会計基準書第740号「法人税等の不確実性に関する会計処理」を適用しています。税務ポジションに関連する税務ベネフィットは、決算日において入手可能な情報に基づき、50%超の可能性で実現が期待される金額を計上しています。

     当社および一部の国内子会社は、当連結会計年度より、連結納税制度から「所得税法等の一部を改正する法律」(令和2年法律第8号)において創設されたグループ通算制度へ移行しています。なお、当該見直しによる繰延税金資産および繰延税金負債への影響は軽微です。

    15 製品保証

     製品保証費の見積りによる負債は、「その他の流動負債」として計上しています。この負債は、過去の実績、頻度、製品保証の平均費用に基づいています。

    16 デリバティブ

     FASB会計基準書第815号「デリバティブ及びヘッジ」を適用しています。当基準書は、デリバティブ商品およびヘッジに関する会計処理および開示の基準を規定しており、すべてのデリバティブ商品を公正価値で連結貸借対照表上、資産または負債として認識することを要求しています。

     為替予約取引および商品スワップ取引について、デリバティブ契約締結時点において、当社および子会社では予定取引に対するヘッジあるいは認識された資産または負債に関する受取または支払のキャッシュ・フローに対するヘッジ(キャッシュ・フロー・ヘッジ)に指定します。当社および子会社では、リスクマネジメントの目的およびさまざまなヘッジ取引に対する戦略と同様に、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係も正式に文書化しています。この手順は、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたすべてのデリバティブ商品を連結貸借対照表上の特定の資産および負債または特定の確定契約あるいは予定取引に関連付けることを含んでいます。当社および子会社の方針によると、すべての為替予約取引および商品スワップ取引は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺することに対し、高度に有効でなくてはなりません。

     ヘッジが高度に有効であり、かつ、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定および認定されたデリバティブ商品の公正価値の変動は、指定されたヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動が損益に影響を与えるまで、「その他の包括利益(△損失)累計額」に計上されます。これらの金額は、ヘッジ対象が収益または費用として認識された期において、ヘッジ対象と同様の損益区分に振り替えられます。

    17 現金配当額

     現金配当額は、翌事業年度の当初において開催される定時株主総会まで未承認であっても、それぞれの事業年度の利益処分として提示される額に従って連結財務諸表に計上しています。その結果、未払配当金は連結貸借対照表上、その他の流動負債に含めて表示しています。

    18 株式報酬

     株式に基づく報酬の会計処理について、FASB会計基準書第718号「報酬-株式報酬」を適用しています。当基準書に従い、株式に基づく報酬費用は付与日の公正価値法に基づいて測定しています。その費用は、権利確定期間にわたって認識しています。

    19 海外子会社の財務諸表項目の本邦通貨への換算

     海外子会社の財務諸表は、FASB会計基準書第830号「外貨に関する事項」に基づいて資産・負債項目は決算日の為替相場、損益項目は期中平均為替相場によって換算しています。なお、換算によって生じた換算差額は、為替換算調整額として「その他の包括利益(△損失)累計額」に計上しています。

    20 包括利益

     FASB会計基準書第220号「包括利益」を適用しています。包括利益は当社株主に帰属する当期純損益および、為替換算調整額の変動、退職年金債務調整額の変動ならびに、デリバティブ純損益の変動からなり、連結包括利益計算書に記載しています。

    G 新会計基準

    新たに適用した会計基準

     当連結会計年度よりFASB会計基準更新第2021-10(「政府援助に関する事業主体の開示」-基準832(政府援助))を適用しています。当会計基準は、補助金または拠出金の会計モデルを類推適用して会計処理された政府との取引に関する連結会計年度開示を要求しております。開示には、(1)当該取引の性質及び当該取引の会計処理に用いられた関連する会計方針に関する情報、(2)当該取引の影響を受ける貸借対照表及び損益計算書の科目並びに各財務諸表の科目に適用される金額、及び(3)コミットメント及び偶発事象を含む取引の重要な条件に関する情報が含まれます。当会計基準の適用による当社および子会社への影響は軽微です。

    Ⅱ 主な科目の内訳および内容の説明

    A 収益

    1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報

     第85期および第86期の売上高の内訳については以下のとおりです。

    第85期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (単位:百万円)
    セグメント IAB HCB SSB DMB 消去 調整他 連結
    売上高
    外部顧客に対する売上高 418,107 132,857 87,692 120,972 759,628 3,299 762,927
    セグメント間の内部売上高 6,483 160 10,779 42,824 60,246 △60,246
    424,590 133,017 98,471 163,796 819,874 △56,947 762,927
    主たる地域市場(外部顧客)
    日本 135,105 27,841 87,226 36,425 286,597 3,299 289,896
    米州 38,224 22,651 17,421 78,296 78,296
    欧州 81,157 23,012 16,254 120,423 120,423
    中華圏 117,104 43,346 96 35,805 196,351 196,351
    東南アジア他 46,487 15,542 14,895 76,924 76,924
    直接輸出 30 465 370 172 1,037 0 1,037
    418,107 132,857 87,692 120,972 759,628 3,299 762,927

    (注)経営管理区分の見直しにより、第86期より、IABの一部の事業をDMBに移管しています。これに伴い、第85期の業績についても新管理区分に組み替えて表示しています。

    第86期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円)
    セグメント IAB HCB SSB DMB 消去 調整他 連結
    売上高
    外部顧客に対する売上高 485,738 142,132 107,273 138,854 873,997 2,085 876,082
    セグメント間の内部売上高 6,822 294 13,804 48,451 69,371 △69,371
    492,560 142,426 121,077 187,305 943,368 △67,286 876,082
    主たる地域市場(外部顧客)
    日本 148,129 26,670 107,198 42,457 324,454 2,085 326,539
    米州 51,596 28,521 24,182 104,299 104,299
    欧州 97,841 23,824 18,472 140,137 140,137
    中華圏 129,740 44,727 13 37,048 211,528 211,528
    東南アジア他 58,387 17,814 16,673 92,874 92,874
    直接輸出 45 576 62 22 705 0 705
    485,738 142,132 107,273 138,854 873,997 2,085 876,082

    (注)日本以外の区分に属する主な国または地域など

    (1) 米州………………米国・カナダ・ブラジル

    (2) 欧州………………オランダ・英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン

    (3) 中華圏……………中国・香港・台湾

    (4) 東南アジア他……シンガポール・韓国・インド・豪州

    (5) 直接輸出…………直送輸出取引

    2.収益を理解するための基礎となる情報

     IAB、HCB、DMBについては、概ね同一国内における販売は、契約上別段の定めのない限り、顧客に製品が到着した時点、輸出販売は、インコタームズ等に定められた貿易条件に基づきリスク負担が顧客に移転する時点で履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しています。

     据付および現地での調整作業を伴う製品およびサービスの提供については、製品の引渡しと当該製品の据付および現地での調整作業を単一の履行義務として識別し、製品の据付および現地での調整作業が完了した時点で履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しております。

     一部の取引については、当社グループ製品の販売促進を目的として、関連する製品の販売数量等に基づき顧客にリベートを支払うことがあります。これらリベートは対価から控除するため、対価の額に変動性があります。顧客に支払うリベートの額は合理的に見積り可能なことから、重大な戻し入れが生じることはなく、変動対価の見積りが制限されることはないと判断しています。また、当社グループの販売する製品には、顧客が返品権を有するものは含まれていません。

     SSBは、概ね顧客の検収を得ることができた時点で、当該履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しております。一部の取引については、顧客に製品が到着した時点で履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しております。

     また、長期にわたりサービスを提供することにより、履行義務の充足に応じて一定期間にわたり収益を認識している販売があります。取引の対価は、履行義務充足後、概ね3ヶ月以内に受領しており、契約によっては、顧客から契約期間全部または一部の前受金を受領することがあります。その場合は、契約負債としてその他の流動負債もしくはその他の固定負債に計上しています。

     加えて、一部の請負工事等に係る長期請負契約等については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定期間にわたり収益を認識しています。契約資産は、主に一定の期間にわたり履行義務を充足する契約から生じる収益と交換に受け取る対価に対する権利のうち債権を除いたものであり、その他の流動資産に計上しています。

     なお、約束された対価は履行義務の充足時点から概ね3ヶ月で支払いを受けており、対価の金額に重要な金融要素は含まれておりません。

    3.当連結会計年度および翌連結会計年度以降の収益の金額を理解するための情報

    (1) 契約資産および契約負債の残高等

     第85期における期首および期末における契約残高は、以下のとおりです。

    受取手形 及び売掛金 (百万円) 契約資産 契約負債
    その他の 流動資産 (百万円) その他の 流動負債 (百万円) その他の 固定負債 (百万円) 合計 (百万円)
    第85期首残高 135,161 3,019 8,930 11,949
    第85期末残高 151,820 647 2,312 8,836 11,148

     第85期において、期首の契約負債から認識した収益は、2,594百万円です。

     第86期における期首および期末における契約残高は、以下のとおりです。

    受取手形 及び売掛金 (百万円) 契約資産 契約負債
    その他の 流動資産 (百万円) その他の 流動負債 (百万円) その他の 固定負債 (百万円) 合計 (百万円)
    第86期首残高 151,820 647 2,312 8,836 11,148
    第86期末残高 180,074 403 3,917 8,506 12,423

     第86期において、期首の契約負債から認識した収益は、2,295百万円です。

    (2) 未履行の履行義務に配分した取引価格

     未履行あるいは一部未履行の履行義務は主としてSSBの取引から発生しており、その金額は10,310百万円です。これらは主として1年から15年で収益認識することを予定しており、このうち約7割は5年以内に、約3割は5年超10年以内に収益認識されると見込んでおります。なお、予想される当初の契約期間が1年以内である契約については、未履行の履行義務に関する注記を省略しています。

    B 棚卸資産

     棚卸資産の内訳は、次のとおりです。

    第85期末(百万円) 第86期末(百万円)
    製品 68,296 86,125
    仕掛品 18,385 17,614
    材料・貯蔵品 55,254 70,187
    合計 141,935 173,926

    C 投資

     第85期および第86期における、連結貸借対照表の投資有価証券に含めている持分証券に係る実現損益および未実現損益は以下のとおりです。

    第85期末(百万円) 第86期末(百万円)
    持分証券の損(△益)合計 △5,447 2,099
    持分証券の売却による当期の実現益 △34 △81
    持分証券の未実現損(△益) △5,413 2,180

     市場性のない持分証券のうち、容易に算定可能な公正価値がない持分証券の一部について、減損による評価下げ後の帳簿価額に同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動を加減算する方法により測定しています。

     第85期において、当社および子会社は発行体より提示される観察不能なインプットに基づき算定した減損損失を71百万円および同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動として、利益を1,208百万円計上しています。なお、この金額は上記の表に含まれています。第85期末におけるこれらの投資の帳簿価額は7,282百万円です。

     第86期において、当社および子会社は発行体より提示される観察不能なインプットに基づき算出した減損損失を1,080百万円および同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動として利益を507百万円、損失を17百万円計上しています。なお、この金額は上記の表に含まれています。第86期末におけるこれらの投資の帳簿価額は8,202百万円です。

    D 関連会社に対する投資

     投資先である持分法適用関連会社から提供された財務情報にもとづく重要な持分法適用関連会社の合算・要約財務情報は次のとおりです。

    貸借対照表
    区分 第85期(百万円) 第86期(百万円)
    流動資産 44,875 61,556
    固定資産 45,886 71,706
    流動負債 18,987 24,638
    固定負債及び非支配持分 29,584 32,010
    持分比率 29%-50% 28%-50%
    損益計算書
    区分 第85期(百万円) 第86期(百万円)
    売上高及び営業収入 31,752 62,623
    営業利益(△損失) △3,124 722
    株主に帰属する当期純利益(△損失) △4,218 △2,188
    持分比率 29%-50% 28%-50%

     第85期連結貸借対照表に計上されている関連会社に対する投資及び貸付金には、ヘルスケア事業のAliveCor,Inc.に対する持分法による投資9,642百万円が含まれており、AliveCor,Inc.の純資産に対する当社の持分相当額を上回る8,172百万円は、主に持分法適用開始時に識別したのれん相当額によるものです。

     また、関連会社に対する投資及び貸付金には、株式会社JMDCに対する当社持分112,214百万円が含まれており、株式会社JMDCの純資産に対する当社の持分相当額を101,926百万円上回っています。

     株式会社JMDCは、株式市場に上場しています。第85期末における当該関連会社の帳簿価額および時価はそれぞれ112,214百万円および126,034百万円です。

     第86期連結貸借対照表に計上されている関連会社に対する投資及び貸付金には、ヘルスケア事業のAliveCor,Inc.に対する持分法による投資9,835百万円および株式会社JMDCに対する持分法による投資121,918百万円が含まれています。

     ヘルスケア事業のAliveCor,Inc.に対する持分法による投資9,835百万円のうち、純資産に対する当社の持分相当額を上回る8,199百万円は、主に持分法によるのれん相当額の残高です。

     同社については定性的要素および定量的要素を総合的に勘案した結果、一時的でない価値の下落は生じておらず、評価損失の計上は不要と判断しています。なお、当該検討には投資先の業績や取り巻く環境の評価及びディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額と帳簿価額との比較などを含みます。

     また、株式会社JMDCに対する持分法による投資121,918百万円のうち、純資産に対する当社の持分相当額を上回る101,427百万円は主に持分法によるのれん相当額の残高です。

     同社については定性的要素および定量的要素を総合的に勘案した結果、一時的でない価値の下落は生じておらず、評価損失の計上は不要と判断しています。なお、当該検討には、投資先の株価の推移分析、株式市場における市場価格に基づく評価額が帳簿価額を下回る期間及び程度の評価、投資先の業績や取り巻く環境の評価及びディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額と帳簿価額および市場価格に基づく評価額との比較などを含みます。

     株式会社JMDC社は、株式市場に上場しています。第86期末における当該関連会社の帳簿価額および時価はそれぞれ121,918百万円および93,088百万円です。

    E 受取手形及び売掛金

     当社および子会社は、関連会社と通常の営業過程でさまざまな取引を行っています。第85期末および第86期末現在において、重要な債権残高はありません。

    F 有形固定資産

     第85期末および第86期末現在における有形固定資産は、次のとおりです。

    第85期末(百万円) 第86期末(百万円)
    土地 20,926 20,238
    建物及び構築物 130,863 136,492
    機械その他 174,184 183,578
    建設仮勘定 4,748 6,363
    取得価額計 330,721 346,671
    減価償却累計額 △208,623 △217,086
    有形固定資産合計 122,098 129,585

    G のれんおよびその他の無形資産

     のれんを除く無形資産は、次のとおりです。

    第85期末(百万円) 第86期末(百万円)
    取得原価 償却累計額 取得原価 償却累計額
    償却対象無形資産:
    ソフトウエア 73,615 59,238 81,745 64,536
    顧客関連資産 6,250 1,896 5,799 1,875
    技術 7,086 3,523 7,357 4,372
    その他 4,257 858 2,628 1,191
    合計 91,208 65,515 97,529 71,974

     第86期に取得した償却対象無形資産のうち、主なものはソフトウエアの8,978百万円です。なお、その他の償却対象無形資産の取得に重要性はありません。ソフトウエアの加重平均償却年数は、約6年です。
     第86期の償却費合計は7,836百万円(第85期6,789百万円)です。次期以降5年間における見積り償却費は、第87期6,532百万円、第88期5,246百万円、第89期4,182百万円、第90期3,184百万円、第91期2,397百万円です。
     第86期末現在における非償却無形資産のうち、主なものはソフトウエア仮勘定の19,530百万円です。

     第85期におけるオペレーティング・セグメント別のれんの帳簿価額の変動は次のとおりです。

    IAB (百万円) HCB (百万円) SSB (百万円) DMB (百万円) 消去調整他 (百万円) 合計 (百万円)
    期首残高
    のれん 39,677 5,121 433 1,475 46,706
    減損損失累計額 △5,739 △332 △1,475 △7,546
    合計 33,938 5,121 101 39,160
    当期減損 △3,384 △3,384
    為替換算調整額等 3,521 407 14 3,942
    期末残高
    のれん 43,198 5,528 447 1,475 50,648
    減損損失累計額 △5,739 △3,384 △332 △1,475 △10,930
    合計 37,459 2,144 115 39,718

    第86期におけるオペレーティング・セグメント別のれんの帳簿価額の変動は次のとおりです。

    IAB (百万円) HCB (百万円) SSB (百万円) DMB (百万円) 消去調整他 (百万円) 合計 (百万円)
    期首残高
    のれん 43,198 5,528 447 1,475 50,648
    減損損失累計額 △5,739 △3,384 △332 △1,475 △10,930
    合計 37,459 2,144 115 39,718
    為替換算調整額等 3,307 105 △5 3,407
    期末残高
    のれん 46,505 5,633 442 1,475 54,055
    減損損失累計額 △5,739 △3,384 △332 △1,475 △10,930
    合計 40,766 2,249 110 43,125

     FASB会計基準書第350号「無形資産-のれん及びその他」に基づき、第85期は、ヘルスケア事業におけるブラジルのネブライザーメーカーであるNS Indústria de Aparelhos Médicos LTDA.(現Omron Healthcare Brasil Indústria e Comércio de Produtos Médicos LTDA.)を取得した際に計上したのれんにつき、ブラジル国内の急速なインフレ進行を踏まえた事業環境、およびブラジルレアル安の影響等を勘案し、第85期第3四半期末に見直された今後の事業計画に基づいて当該報告単位の公正価値を再測定した結果、第85期において減損損失を3,384百万円計上しています。なお、報告単位の公正価値の測定方法については(注記Ⅱ-T)に記載しています。上記減損損失は連結損益計算書上、「その他費用―純額―」に含まれています。

     第86期における減損損失はありません。なお、報告単位の公正価値は将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して見積っています。

    H 長期性資産の減損

     第85期に、消去調整他において一部の半導体関連製品製造設備等の収益性低下により、410百万円の長期性資産にかかる減損損失を計上しました。なお、グルーピングした資産の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して測定しています。

     第86期に、ヘルスケアビジネスにおける一部の事業用資産の収益性低下により944百万円、インダストリアルオートメーションビジネスにおける一部の遊休不動産の収益性低下により824百万円の長期性資産にかかる減損損失を計上しました。なお、グルーピングした資産の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して測定しています。

     上記減損損失は連結損益計算書上、「その他費用―純額―」に含まれています。

    I 短期借入金

    短期借入金の残高等は、以下のとおりです。

    第85期末 第86期末
    短期借入金 20,000百万円 213百万円
    (加重平均利率) (0.13%) (8.05%)

    J リース

    借手としてのリース

     リースに係る連結損益計算書情報は以下のとおりです。

     なお、リース費用は連結損益計算書の売上原価、販売費及び一般管理費に含まれています。

    第85期 (百万円) 第86期 (百万円)
    ファイナンス・リース当期償却額 1,597 484
    オペレーティング・リース費用 11,516 12,571
    短期リース費用 986 969
    その他リース費用 1,070 1,092
    合計 15,169 15,116

    リースキャッシュ・フローの内訳

     リースに係る連結キャッシュ・フロー計算書情報は以下のとおりです。

    第85期 (百万円) 第86期 (百万円)
    リース負債測定に含まれる現金支払総額 オペレーティング・リースに係る営業キャッシュ・フロー 11,491 13,180
    リース負債と交換で取得した使用権資産に係る非資金取引 オペレーティング・リース 11,794 18,732

    将来リース料の年度別内訳

     オペレーティング・リースに関する将来の最低支払リース料の年度別金額は以下のとおりです。

    第86期末(百万円)
    第87期 12,035
    第88期 9,274
    第89期 7,141
    第90期 4,940
    第91期 3,193
    第92期以降 10,141
    最低支払リース料計 46,724
    利息費用 △1,569
    合計 45,155

    残存リース期間および割引率の内訳

     オペレーティング・リースに係る連結加重平均残存期間および割引率情報は以下のとおりです。

    第85期 第86期
    加重平均残存期間 68ヶ月 71ヶ月
    加重平均割引率 1.0% 1.4%

    K 退職給付関連費用

     当社および一部の国内子会社は、第83期第1四半期に、確定給付年金制度および退職一時金制度について、2019年7月1日以降の積立分(「将来分」)を確定拠出年金制度へ移行することを決定しました。また、2019年6月30日以前分(「過去分」)について、法令で要求される年数にわたり一部を確定拠出年金制度へ移管するとともに制度改定を行っています。

     当該確定拠出年金制度への移管に伴う支出額に対応して減少する退職給付債務を「清算」に含めています。加えて、当該確定拠出年金制度への移管に伴う支出額と、移管に対応して減少する退職給付債務の差額を「清算による影響額」に含めています。

     なお、当社および一部の国内子会社は、当該制度移管実施以前までの期間について、大部分の国内従業員を対象として退職一時金および退職年金制度を採用していました(以下、日本における拠出型給付制度)。給付額は、主として担当職務およびその実績に基づいて毎年従業員に付与されるポイントの累計値によって計算されます。通常、退職一時金について、退職事由が会社都合の場合は、自己都合の場合に比べ増額されます。

     当社および国内子会社は、これらの退職給付に備え一定部分について、日本における拠出型給付制度への拠出を行っています。日本における拠出型給付制度への拠出額は、日本の法人税法において認められる年金数理計算により算出されます。

    1. 日本における拠出型給付制度

    (1) 予測給付債務と年金資産の状況

     保険数理に基づいて計算された予測給付債務および年金資産の公正価額の期首残高と期末残高の調整表は、以下のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    予測給付債務の変動:
    期首予測給付債務 197,713 183,331
    利息費用 1,205 1,357
    保険数理差異 △1,693 △6,466
    給付支払 △9,309 △9,030
    清算 △2,892 △3,142
    連結範囲の異動 △1,693
    期末予測給付債務 183,331 166,050
    年金資産の変動:
    期首年金資産公正価額 163,666 160,132
    年金資産の実際収益 6,690 △1,384
    退職給付信託からの拠出 390 409
    給付支払 △7,251 △7,771
    清算 △1,982 △2,359
    連結範囲の異動 △1,381
    期末年金資産公正価額 160,132 149,027
    期首退職給付信託資産公正価額 40,783 37,590
    信託資産の実際収益 △2,803 2,997
    年金資産への拠出 △390 △409
    期末退職給付信託資産公正価額 37,590 40,178
    財政状況 14,391 23,155

     第85期末および第86期末現在の連結貸借対照表における認識額は次のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    前払年金費用 14,391 28,966
    その他の流動負債 △562
    退職給付引当金 △5,249
    合計 14,391 23,155

     第85期末および第86期末現在の連結貸借対照表におけるその他の包括利益(△損失)累計額(税効果考慮前)の認識額の内訳は次のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    未認識保険数理差異 54,096 41,460
    未認識過去勤務収益 △14,264 △13,845
    合計 39,832 27,615

     第85期末および第86期末現在の累積給付債務は次のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    累積給付債務 183,331 166,050

     第85期末および第86期末現在の累積給付債務及び予測給付債務が年金資産を上回っている累積給付債務、予測給付債務及び年金資産の公正価値は次のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    累積給付債務が年金資産を上回っている制度
    累積給付債務 △6,902
    年金資産の公正価値 1,091
    予測給付債務が年金資産を上回っている制度
    予測給付債務 △6,902
    年金資産の公正価値 1,091

    (2) 期間純年金費用の構成

     当該制度を採用している退職給付制度に係る期間退職給付費用は、次の項目により構成されています。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    予測給付債務に係る利息費用 1,205 1,357
    年金資産の期待収益 △3,497 △3,373
    償却費用 3,666 3,529
    清算による影響額 1,373 1,156
    合計 2,747 2,669

     第83期における制度改定により発生した未認識過去勤務収益については、FASB会計基準書第715号「報酬-退職給付」に準拠し、平均残余余命年数である37年による定額法により費用処理しています。未認識保険数理差異は、予測給付債務と年金資産のいずれか多い額の10%を超える差異金額を平均残余余命年数以内の一定の年数(15年)による定額法により費用処理しています。

     第87期において、その他の包括利益(△損失)累計額から期間純年金費用に計上されると見込まれる未認識保険数理差異および未認識過去勤務収益の償却額は、次のとおりです。

    第87期(百万円)
    未認識保険数理差異 2,113
    未認識過去勤務収益 △420

    (3) 測定日

     日本における拠出型給付制度においては、3月31日を測定日としています。

    (4) 前提条件

     第85期末および第86期末時点での退職給付債務の数理計算に用いた基本的な前提条件は、以下のとおりです。

    第85期 第86期
    割引率 0.74% 1.12%

     第85期および第86期の退職給付費用の数理計算に用いた基本的な前提条件は、以下のとおりです。

    第85期 第86期
    割引率 0.63% 0.74%
    年金資産の長期期待収益率 2.20% 2.20%

     当社は、将来収益に対する予測や過去の運用実績、経済動向に基づき長期期待収益率を設定しています。

     また、第83期より将来分の退職給付を確定拠出年金制度へ移管したことに伴い、将来の昇給率は設定していません。

    (5) 年金資産

     当社の投資政策は、受給権者に対する将来の年金給付に対応できる十分な年金資産を確保すべく策定されています。また当社は、年金資産の長期期待収益率を考慮した上で、持分証券・負債証券および生保一般勘定・その他の最適な組み合わせからなる基本ポートフォリオを算定しています。

     当社は、この基本ポートフォリオを修正する必要があるかどうかを判断するため、年金資産の長期期待収益と実際の運用収益との乖離幅を毎年検証しています。また、年金資産の長期期待収益率を達成するために、基本ポートフォリオの見直しが必要だと考えられる場合は、必要な範囲で基本ポートフォリオを見直しています。

     年金資産の目標配分割合は、持分証券が20%、負債証券および生保一般勘定が46%、その他が34%であります。年金資産には合同運用信託が含まれ、持分証券・負債証券・オルタナティブ等に投資しています。
     持分証券は、主に証券取引所に上場している株式であり、投資対象企業の経営について精査し、業種・銘柄など適切な分散投資を行っています。負債証券は、主に国債・公債・社債から構成されており、格付・利率・償還日などの発行条件を精査し、適切な分散投資を行っています。生保一般勘定は、一定の予定利率と元本が保証されています。その他は、主にオルタナティブを中心とした合同運用信託であり、適切な分散投資を行っています。
     第85期末における資産カテゴリー別の年金資産の公正価値の金額は次のとおりです。

    公正価値による測定額(注)3
    レベル1 (百万円) レベル2 (百万円) レベル3 (百万円) 合計 (百万円)
    持分証券(注)1 31,662 31,662
    生保一般勘定 29,387 29,387
    その他資産(注)2 5,884 44 5,928
    純資産価値で測定された投資(注)3 130,745
    合計 37,546 29,431 197,722

    (注)1 退職給付信託が保有する国内株式です。当社株式は含まれていません。

       2 主に退職給付信託が保有する預金です。

       3 合同運用信託です。運用機関により計算された純資産価値により評価しており、公正価値ヒエラルキーに分類していません。この表の公正価値は、公正価値ヒエラルキーの金額を連結貸借対照表上の表示額に調整するために表示しています。なお、合同運用信託に含まれる持分証券は、上場株式を対象として、国内株式に約30%・外国株式に約70%の割合で投資しています。合同運用信託に含まれる負債証券は、国内債券に約30%・外国債券に約70%の割合で投資しています。

     レベル1に該当する資産は、主に預金および株式であり、株式は活発な市場における修正されていない市場価格で評価しています。

     レベル2に該当する資産は、主に生保一般勘定であり予定利率と元本に基づき評価しています。

     第86期末における資産カテゴリー別の年金資産の公正価値の金額は次のとおりです。

    公正価値による測定額(注)3
    レベル1 (百万円) レベル2 (百万円) レベル3 (百万円) 合計 (百万円)
    持分証券(注)1 34,025 34,025
    生保一般勘定 29,042 29,042
    その他資産(注)2 6,067 86 6,153
    純資産価値で測定された投資(注)3 119,985
    合計 40,092 29,128 189,205

    (注)1 退職給付信託が保有する国内株式です。当社株式は含まれていません。

       2 主に退職給付信託が保有する預金です。

       3 合同運用信託です。運用機関により計算された純資産価値により評価しており、公正価値ヒエラルキーに分類していません。この表の公正価値は、公正価値ヒエラルキーの金額を連結貸借対照表上の表示額に調整するために表示しています。なお、合同運用信託に含まれる持分証券は、上場株式を対象として、国内株式に約30%・外国株式に約70%の割合で投資しています。合同運用信託に含まれる負債証券は、国内債券に約40%・外国債券に約60%の割合で投資しています。

     レベル1に該当する資産は、主に預金および株式であり、株式は活発な市場における修正されていない市場価格で評価しています。

     レベル2に該当する資産は、主に生保一般勘定であり予定利率と元本に基づき評価しています。

    (6) キャッシュ・フロー

    拠出

     当社および子会社は、第87期中に日本における拠出型給付制度に対して、掛金を拠出する予定はありません。

    給付

     予想される将来の勤務を反映させた給付額の見込みは次のとおりです。

    (百万円)
    第87期 9,688
    第88期 9,832
    第89期 9,314
    第90期 10,160
    第91期 9,223
    第92期~第96期 35,133

    2. 日本における拠出型給付制度以外の拠出型給付制度

     日本における拠出型給付制度以外の制度にかかる退職給付引当金の残高は、第85期末現在8,194百万円、第86期末現在4,099百万円です。また、これらの制度にかかる退職給付関連費用は、第85期257百万円、第86期262百万円です。

     日本における拠出型給付制度以外の制度には、欧州子会社の一部の従業員を対象とした確定給付型年金制度ならびに子会社のその他の退職給付制度が含まれます。欧州子会社の一部の従業員を対象とした確定給付型年金制度にかかる予測給付債務および年金資産の公正価額の残高は、第85期末現在、それぞれ10,413百万円、9,801百万円、第86期末現在、それぞれ8,342百万円、7,901百万円であり、その他の退職給付制度にかかる予測給付債務および年金資産の公正価額の残高に重要性はありません。その他の退職給付制度では、主として、従業員の退職時に退職一時金が支給されます。

    3. 確定拠出制度

     第85期および第86期における確定拠出年金費用は次のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    確定拠出年金費用 8,076 8,635

    L 資本

    会社法では、すべての株式は無額面で発行され、払込価額の少なくとも50%を資本金に組み入れ、残りの額を資本剰余金の一部である資本準備金へ組み入れることを規定しています。また、取締役会の決議に基づき、株式分割を行い、既存株主に対し払込金無しで新株を割り当てることができます。このような株式分割による株主資本の総額の変化は、一般的にありません。

    会社法では、支払配当金の10%を、利益準備金と資本準備金の合計額が資本金の25%に達するまで、利益準備金または資本準備金(資本剰余金の一部)に繰り入れることが規定されています。さらに、会社法の規定では、資本金、利益準備金、資本準備金、その他資本剰余金および利益剰余金について、株主総会の決議に基づいて、これらの科目間で振り替えることも可能です。

    会社法では、取締役会の決議に基づいて自己株式の取得や処分を行うことが可能です。自己株式の買取額については、一定の計算式により算出される分配可能額を超えることはできません。

    会社法では、株主総会決議に基づく期末配当に加え、事業年度内の任意の時期に配当を支払うことが可能です。一定の条件として、(1)取締役会があること、(2)独立監査人がいること、(3)監査役会があること、および(4)定款において取締役の任期を通常の2年ではなく1年と規定していることを満たす会社は、定款の規定により取締役会が配当支払(現物配当は除く)を決定することができます。当社はこの基準を満たしています。

    会社法では、一定の制限および追加的要請を満たす場合、株主に対して現物(非現金資産)配当を行うことも可能です。

     定款に規定していれば、取締役会の決議に基づいて、年1回の中間配当を支払うことも可能です。会社法には、配当可能額および自己株式の取得額については一定の制限があります。その制限は、株主への分配可能額として定義されていますが、配当支払後の純資産は3百万円を下回ることはできません。2023年3月31日現在、親会社の帳簿に基づき、会社法に規定される配当可能額は149,355百万円です。

    M その他費用―純額―

     第85期および第86期のその他費用―純額―の内訳は、次のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    固定資産除売却損(純額) 901 45
    長期性資産の減損 410 1,768
    のれんの減損 3,384
    投資有価証券評価損(△益)(純額) △5,447 2,099
    事業譲渡に関連する損失(△利益)(純額) 1,116 △922
    受取利息(純額) △827 △1,162
    為替差損(純額) 194 1,057
    海外投資の清算による為替差損(△益)(純額) 2,029 △337
    受取配当 △769 △861
    退職給付費用 2,747 2,669
    補助金(注) △710 △1,550
    受取補償金 △410 △676
    その他(純額) △16 147
    合計 2,602 2,277

    (注) 第86期の補助金△1,550百万円は、当社中国子会社が受領した政府からの補助金です。主に、中国における第14次五か年計画の規定により現金で支給されるものであり、受領時に一括して、「その他費用―純額―」に△1,046百万円計上しています。なお、当社の連結財務諸表では、政府から受領した補助金について、固定資産投資に係るものを除き、主として収益に計上しています。

    N 法人税等

     第85期および第86期の法人税等の内訳は次のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    当期税額 18,594 34,401
    繰延税額(以下の項目を除く) 3,104 △11,832
    評価性引当金の変更影響額 1,348 2,374
    合計 23,046 24,943

     当社および国内子会社は、利益に対してさまざまな税金が課せられます。日本の法定実効税率は、第85期において30.5%、第86期において30.5%です。当社および子会社の税効果会計適用後の法人税等の負担率は、次の事由により日本の法定実効税率とは異なっています。

    第85期(%) 第86期(%)
    日本の法定実効税率 30.5 30.5
    増加(△減少)理由
    永久的損金不算入項目 1.3 0.7
    税額控除試験研究費等 △3.4 △4.5
    税効果が認識されていない子会社の当期損失 1.4 0.5
    海外子会社の税率差 △4.2 △4.9
    評価性引当金の変更影響 0.2 1.9
    海外子会社の留保利益 3.2 1.7
    子会社の投資に係る一時差異 0.5
    未認識税務ベネフィットの影響 △2.1 △0.1
    その他(純額) △0.8 △0.7
    税効果会計適用後の法人税等の負担率 26.6 25.1

     第85期末および第86期末の繰延税金資産および負債計上の原因となった一時差異および繰越欠損金等の主なものは、次のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    繰延税金資産 繰延税金負債 繰延税金資産 繰延税金負債
    棚卸資産の評価 6,302 8,971
    未払賞与及び未払有給休暇 7,204 7,387
    退職給付引当金 3,659 274
    市場性のある有価証券 7,185 5,460
    有形固定資産 205 2,711 2,868
    海外子会社の留保利益 10,323 5,740
    前受収益 2,589 2,758
    試験研究費税額控除 1,693 3,995
    その他の一時差異 8,437 866 8,638 48
    繰越欠損金 6,868 5,501
    36,957 18,374 40,235 14,116
    評価性引当金 △2,645 △4,658
    評価性引当金控除後計 34,312 18,374 35,577 14,116

     評価性引当金は、第85期において456百万円減少し、第86期において2,013百万円増加しました。

     試験研究費税額控除は、無期限に繰越可能なものを除き、2043年までに控除期限が到来します。

     当社および子会社が有している税務上、将来所得と相殺できる繰越欠損金は、第86期末現在、日本では27,547百万円、海外では16,526百万円です。その多くは日本では2029年までに控除期限が到来し、海外では無期限に繰越可能なものを除き、2031年までに控除期限が到来します。

     当社は、子会社の留保利益について、再投資を予定している限りにおいて、繰延税金負債を計上していません。この結果、繰延税金負債を計上していない海外子会社の留保利益は、第86期末現在で72,065百万円(第85期末現在74,149百万円)であり、対応する未認識の繰延税金負債は、第86期末現在で11,700百万円(第85期末現在10,630百万円)です。国内子会社から受け取る配当金については、概ね非課税です。

     第85期および第86期における未認識税務ベネフィットの期首残高と期末残高の調整は次のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    期首残高 1,584 393
    当期の税務ポジションに関連する増加 159 60
    過年度の税務ポジションに関連する増加 234 18
    過年度の税務ポジションに関連する減少 △1,584 △195
    期末残高 393 276

     未認識税務ベネフィットのうち、認識された場合、実効税率に影響を与える金額は第85期は393百万円、第86期は276百万円です。

     第86期末現在において、当社および子会社が入手可能な情報に基づく限り、今後12ヶ月以内の未認識税務ベネフィットの変動は当社の財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすことはありません。

     未認識税務ベネフィットに関連する利息および課徴金については、連結損益計算書の法人税等に含めています。

     当社および子会社は、日本および海外で税務申告を行っています。日本においては、いくつかの例外を除き、第85期以前の事業年度について税務調査が終了しています。また、海外においては、いくつかの例外を除き、第70期以前の事業年度について税務調査が終了しています。

    O 株式報酬

    (1)取締役等に対する業績連動型株式報酬制度

     第81期より、当社および子会社は取締役および執行役員を対象に業績連動型株式報酬制度を導入しています。

     当該株式報酬制度として役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託を採用しています。役員報酬BIP信託とは、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)制度および譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度と同様に、役位および業績目標達成度等に応じて取締役および執行役員に当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付および給付する、役員向けの株式報酬制度です。株式付与ESOP信託とは、米国のESOP制度を参考にした信託型インセンティブプランです。なお、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式は、自己株式として会計処理しています。

     当該株式報酬制度では、当社の掲げる中期経営計画の対象となる各事業年度の末日に取締役等として在任していることなど所定の受益者要件を満たしていることを条件として、毎年、役位などに応じたポイント(1ポイント=1株)受給権が付与されます。なお、業績連動ポイントは対象期間終了後に、非業績連動ポイントは対象期間にわたって年度ごとに付与されます。これらのポイント数は、所定の受益者確定手続きを経た上で、相当する当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭の交付および給付を受けることができます。

     権利未確定ポイントの変動および加重平均付与日公正価値は次のとおりです。

    第85期 第86期
    ポイント数 加重平均 付与日公正価値(円) ポイント数 加重平均 付与日公正価値(円)
    期首権利未確定ポイント 461,759 5,090 56,014 9,865
    付与 56,014 9,865 69,018 7,820
    権利確定 △465,481 5,090
    見積り変更 3,722 5,090
    期末権利未確定ポイント 56,014 9,865 125,032 8,736

    (注) 加重平均付与日公正価値は、当社株式の市場価格に予想配当を考慮に入れて修正し、算出しています。

     連結損益計算書に含まれている株式に基づく報酬費用として認識した額は、第85期は553百万円、第86期は540百万円です。

    (2)従業員に対する株式報酬制度

    ①従業員持株会を通じた株式報酬制度

     当社は、第85期に当制度の導入を決議し、当社および当社国内子会社の従業員に対して、株式の付与を行っております。

     本制度は、当社および当社子会社の従業員の企業価値への感度および企業価値向上への意識を高めることおよび、従業員持株会へのさらなる入会を奨励することを企図して、従業員持株会の会員に特別奨励金を付与し当該特別奨励金の拠出をもって従業員持株会に自己株式を第三者割当の方法で処分するものです。なお、本制度の公正価値は、当社株式の市場価格に基づき、算出しています。

     連結損益計算書に含まれている株式に基づく報酬費用として認識した額は、第85期は247百万円、第86期は524百万円です。

    ②従業員持株会を通じた譲渡制限付株式報酬制度

     当社は、第85期に当制度の導入を決議し、当社および当社国内子会社の従業員に対して、譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。

     本制度は、新長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」 の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践するため、当社及び当社子会社の従業員のうち本制度に同意する者(以下「対象従業員」という。)に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」という。)を支給するものです。対象従業員は本特別奨励金を従業員持株会に対して拠出し、従業員持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。

     対象従業員が譲渡制限期間中、継続して従業員持株会の会員であったことを条件として、当社の業績目標の達成度及び対象従業員の社員区分の変動に応じて、対象従業員の有する譲渡制限付株式持分に応じた数の本割当株式の全部について、譲渡制限期間が満了した翌営業日に、譲渡制限が解除されます。なお、一定の事象が生じた場合には、当社は本割当株式を無償で取得します。

     譲渡制限付株式の変動および加重平均付与日公正価値は次のとおりです。

    第85期 第86期
    株式数 加重平均 付与日公正価値(円) 株式数 加重平均 付与日公正価値(円)
    期首残高
    付与 404,600 7,760
    権利確定 △111,164 7,760
    当社による取得 △7,329 7,760
    期末残高 286,107 7,760

    (注)加重平均付与日公正価値は、当社株式の市場価格に基づき算出しています。

     連結損益計算書に含まれている株式に基づく報酬費用として認識した額は、第86期は863百万円です。第86期末時点で、未認識の報酬費用が2,220百万円あり、2.2年の加重平均期間で費用認識される予定です。

    P 1株当たり情報

     当社は1株当たり利益の算出にあたり、FASB会計基準書第260号「1株当たり利益」を適用しています。

     当社は、当社および当社国内子会社のマネージャー層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブプランを導入しております。また、当社および当社国内子会社の一般職層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プランを導入しております。これらの制度に基づく株式のうち、権利が確定していない株式を参加証券として普通株式と区分しております。なお、普通株式と参加証券は当社株主に帰属する当期純利益に対して同等の権利を有しております。

     「1株当たり当社株主に帰属する当期純利益」算出における分子、分母はそれぞれ以下のとおりです。

     なお、希薄化後当社株主に帰属する当期純利益および希薄化後期中平均発行済株式数については、第85期および第86期において希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

    分子

    第85期 (百万円) 第86期 (百万円)
    当社株主に帰属する当期純利益 61,400 73,861
    参加証券に帰属する当期純利益 - 134
    普通株主に帰属する当期純利益 61,400 73,727

    分母

    第85期 (株式数) 第86期 (株式数)
    期中平均発行済株式数 200,882,669 198,447,778
    参加証券の期中平均株式数 - 360,730
    普通株式の期中平均株式数 200,882,669 198,087,048

    (注)役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託として保有する当社株式は、1株当たり情報の計算上、期中平均発行済株式数の算定において控除する自己株式に含めています。(第85期630,111株、第86期600,208株)

    Q その他の包括利益

     第85期および第86期における非支配持分を含むその他の包括利益の項目別の税効果の影響額および組替修正額は、次のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    税効果考慮前 税効果 税効果考慮後 税効果考慮前 税効果 税効果考慮後
    為替換算調整額
    期首 △8,030 △66 △8,096 33,854 54 33,908
    当期発生為替換算調整額 39,958 120 40,078 18,712 △872 17,840
    実現額の当期損益への組替修正額 2,029 2,029 △337 △337
    当期純変動額 41,987 120 42,107 18,375 △872 17,503
    控除:非支配持分に帰属する   その他の包括利益(△損失) 103 103 67 67
    期末 33,854 54 33,908 52,162 △818 51,344
    退職年金債務調整額
    期首 △47,613 23,046 △24,567 △40,960 21,030 △19,930
    当期発生退職年金債務調整額 2,320 △695 1,625 8,763 △2,669 6,094
    実現額の当期損益への組替修正額 4,333 △1,321 3,012 3,756 △1,146 2,610
    当期純変動額 6,653 △2,016 4,637 12,519 △3,815 8,704
    期末 △40,960 21,030 △19,930 △28,441 17,215 △11,226
    デリバティブ純損益
    期首 △389 107 △282 △1,372 407 △965
    未実現利益(△損失)当期発生額 △1,533 467 △1,066 △753 230 △523
    実現額の当期損益への組替修正額 550 △167 383 1,895 △578 1,317
    当期純変動額 △983 300 △683 1,142 △348 794
    期末 △1,372 407 △965 △230 59 △171
    合計 (その他の包括利益(△損失)累計額)
    期首 △56,032 23,087 △32,945 △8,478 21,491 13,013
    未実現利益(△損失)当期発生額 40,745 △108 40,637 26,722 △3,311 23,411
    実現額の当期損益への組替修正額 6,912 △1,488 5,424 5,314 △1,724 3,590
    当期純変動額 47,657 △1,596 46,061 32,036 △5,035 27,001
    控除:非支配持分に帰属する   その他の包括利益(△損失) 103 103 67 67
    期末 △8,478 21,491 13,013 23,491 16,456 39,947

     なお、為替換算調整額の実現額の当期損益への組替修正額は、「持分法投資損益(△利益)」および「その他費用―純額―」に含まれています。退職年金債務調整額の実現額の当期損益への組替修正額は、「その他費用―純額―」に含まれています。デリバティブ純損益の実現額の当期損益への組替修正額は、「売上原価」および「その他費用―純額―」に含まれています。
     税効果については「法人税等」に含まれています。

    R 金融商品及びリスク管理

    金融商品の公正価値

     第85期末および第86期末現在、当社および子会社の有する金融商品の帳簿価額および見積公正価値は、次のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    帳簿価額 見積公正価値 帳簿価額 見積公正価値
    (デリバティブ取引)
    為替予約取引:
    その他の流動資産 10,012 10,012 3,953 3,953
    その他の流動負債 △3,287 △3,287 △1,176 △1,176
    商品スワップ取引:
    その他の流動資産 10 10 49 49

     それぞれの金融商品の公正価値の見積りにあたって、実務的には次の方法および仮定を用いています。

     なお、公正価値の階層分類である、レベル1・レベル2およびレベル3のそれぞれの定義については、(注記Ⅱ-T)に記載しています。

    (デリバティブ取引)

     デリバティブ取引の公正価値は、当該取引契約を連結会計年度末に解約した場合に当社および子会社が受領するまたは支払う見積り額を反映しており、この見積り額には未実現利益または損失が含まれています。当社および子会社のデリバティブ取引の大半については、ディーラー取引価格が利用可能ですが、そうでないものについては、公正価値の見積りに当たり評価モデルを使用しています。

     なお、当社および子会社では、トレーディング目的のためのデリバティブ取引は行っていません。

     また、デリバティブ取引の公正価値のレベル別情報は、(注記Ⅱ-T)に記載しています。

    (デリバティブ取引以外)

    (1) 現金及び現金同等物、受取手形及び売掛金、施設借用保証金、支払手形及び買掛金・未払金、短期借入金、短期オペレーティング・リース負債、長期オペレーティング・リース負債

     これらの公正価値は帳簿価額とほぼ等しいと見積っています。なお、これらの公正価値について、現金及び現金同等物はレベル1、それ以外はレベル2にそれぞれ分類しています。

    (2) 投資有価証券

     市場性のある持分証券の公正価値は市場価格で評価し、容易に算定可能な公正価値がない市場性のない持分証券については、減損による評価下げ後の帳簿価額に同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価額の変動を加減算する方法、その他の合理的な方法により見積り評価しています。なお、投資有価証券の公正価値およびレベル別情報は、(注記Ⅱ-T)に記載しています。

    S 金融派生商品とヘッジ活動

     当社および子会社は、為替変動(主に米ドル、ユーロ、中国元)をヘッジするために為替予約取引を、原材料価格変動(銅・銀)をヘッジするために商品スワップ取引を利用しています。なお、当社および子会社は、トレーディング目的のためのデリバティブ取引は行っていません。また、当社および子会社は、デリバティブの契約相手による契約不履行の場合に生じる信用リスクにさらされていますが、契約相手の信用度が高いため、そのような信用リスクは小さいと考えています。

     キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定および認定された為替予約取引および商品スワップ取引の公正価値の変動は、「その他の包括利益(△損失)累計額」として報告しています。これらの金額は、ヘッジ対象資産・負債が損益に影響を与えるのと同一期間において、為替予約取引については「その他費用(△収益)―純額―」として、商品スワップ取引については「売上原価」として損益に組替えられます。第86期末現在、デリバティブ取引に関連して「その他の包括利益(△損失)累計額」に計上されたほぼ全額は今後12ヶ月以内に損益に組替えられると見込まれます。

    第85期末および第86期末における為替予約取引等の残高(想定元本)は、次のとおりです。

    第85期末(百万円) 第86期末(百万円)
    為替予約取引 202,122 158,029
    商品スワップ取引 151 1,075

    第85期末および第86期末におけるデリバティブの公正価値は、次のとおりです。

    ヘッジ指定のデリバティブ

    資産

    科目 第85期(百万円) 第86期(百万円)
    為替予約 その他の流動資産 10,012 3,953
    商品スワップ取引 その他の流動資産 10 49

    負債

    科目 第85期(百万円) 第86期(百万円)
    為替予約 その他の流動負債 △3,287 △1,176

    第85期におけるデリバティブの連結損益計算書への影響額(税効果考慮後)は次のとおりです。

    ヘッジ指定のデリバティブ

    キャッシュ・フロー・ヘッジ

    その他の包括利益(△損失) に計上された未実現損益 (百万円) (ヘッジ有効部分) その他の包括利益(△損失)累計額 から損益への振替(百万円) (ヘッジ有効部分)
    為替予約 △1,057 372
    商品スワップ △9 11

     なお、ヘッジ効果が有効でない金額に重要性はありません。

    第86期におけるデリバティブの連結損益計算書への影響額(税効果考慮後)は次のとおりです。

    ヘッジ指定のデリバティブ

    キャッシュ・フロー・ヘッジ

    その他の包括利益(△損失) に計上された未実現損益 (百万円) (ヘッジ有効部分) その他の包括利益(△損失)累計額 から損益への振替(百万円) (ヘッジ有効部分)
    為替予約 △535 1,298
    商品スワップ 12 19

     なお、ヘッジ効果が有効でない金額に重要性はありません。

    T 公正価値の測定

     FASB会計基準書第820号「公正価値の測定と開示」は、公正価値を測定日において市場参加者の間の秩序のある取引により資産を売却して受け取るであろう価格、または負債を移転するために支払うであろう価格と定義しています。同基準書は、公正価値を測定するために使用するインプットを以下の3つのレベルに優先順位を付け、公正価値の階層を分類しています。

    レベル1・・活発な市場における同一の資産または負債の市場価格。

    レベル2・・活発な市場における類似資産または負債の市場価格。活発でない市場における同一または類似

          の資産・負債の市場価格、観察可能な市場価格以外のインプットおよび相関関係またはその他

          の方法により観察可能な市場データから主として得られた、または裏付けられたインプット。

    レベル3・・資産または負債の公正価値測定に重要なインプットで、観察不能なインプット。

    継続的に公正価値で測定される資産または負債

    第85期末現在における継続的に公正価値で測定される資産および負債は以下のとおりです。

    公正価値による測定額
    レベル1(百万円) レベル2(百万円) レベル3(百万円) 計(百万円)
    資産
    投資有価証券
    持分証券 27,816 2,869 30,685
    金融派生商品
    為替予約 10,012 10,012
    商品スワップ 10 10
    負債
    金融派生商品
    為替予約 3,287 3,287

    投資有価証券

     投資有価証券は、株式です。市場性のある持分証券については活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を評価しており、観察可能であるためレベル1に分類しています。容易に算定可能な公正価値がない市場性のない有価証券のうち、主に投資先企業から入手したデータに非流動性を考慮して公正価値を評価しているものについては、観察不能なインプットに基づき評価しているためレベル3に分類しています。

    金融派生商品

     金融派生商品は、主に為替予約です。外国為替レートなど観察可能な市場データを利用して公正価値を評価しているためレベル2に分類しています。

    レベル3に分類された継続的に公正価値により評価される資産の調整表は次のとおりです。

    投資有価証券 持分証券(百万円)
    期首残高 2,431
    当期純利益に含まれる額
    その他費用-純額- 108
    購入 298
    売却 △30
    その他 62
    期末残高 2,869

    非継続的に公正価値で測定される資産または負債

     第85期末現在における非継続的に公正価値で測定される資産および負債は以下のとおりです。

    損益計上額(百万円) 公正価値による測定額
    レベル1(百万円) レベル2(百万円) レベル3(百万円) 計(百万円)
    資産
    投資有価証券 1,137 1,805 212 2,017
    長期性資産 △410 0 0
    のれん △3,384

     投資有価証券は、同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格で評価したものをレベル2に、発行体より提示される観察不能なインプットを基に評価したものをレベル3に分類しています。

     長期性資産に係る減損損失の認識に伴い大部分の資産を観察不能なインプットに基づき評価しているため、当該資産をレベル3に分類しています。これらのうち主な資産の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して評価しています。

     のれんは、ヘルスケア事業に含まれるブラジルのネブライザーメーカーであるNS Indústria de Aparelhos Médicos LTDA.(現Omron Healthcare Brasil Indústria e Comércio de Produtos Médicos LTDA.)を取得した際に計上したのれんです。観察不能なインプットに基づき評価しているため、当該資産をレベル3に分類しています。当該報告単位の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して評価しています。将来キャッシュ・フローは、ブラジル国内の急速なインフレ進行を踏まえた事業環境、およびブラジルレアル安の影響等を勘案し、第85期第3四半期末に見直された今後の事業計画に基づいて算定しています。

    継続的に公正価値で測定される資産または負債

    第86期末現在における継続的に公正価値で測定される資産および負債は以下のとおりです。

    公正価値による測定額
    レベル1(百万円) レベル2(百万円) レベル3(百万円) 計(百万円)
    資産
    投資有価証券
    持分証券 26,590 2,486 29,076
    金融派生商品
    為替予約 3,953 3,953
    商品スワップ 49 49
    負債
    金融派生商品
    為替予約 1,176 1,176

    投資有価証券

     投資有価証券は、株式です。市場性のある持分証券については活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を評価しており、観察可能であるためレベル1に分類しています。容易に算定可能な公正価値がない市場性のない有価証券のうち、主に投資先企業から入手したデータに非流動性を考慮して公正価値を評価しているものについては、観察不能なインプットに基づき評価しているためレベル3に分類しています。

    金融派生商品

     金融派生商品は、主に為替予約です。外国為替レートなど観察可能な市場データを利用して公正価値を評価しているためレベル2に分類しています。

    レベル3に分類された継続的に公正価値により評価される資産の調整表は次のとおりです。

    投資有価証券 持分証券(百万円)
    期首残高 2,869
    当期純利益に含まれる額
    その他費用-純額- △372
    購入 132
    その他 △143
    期末残高 2,486

    非継続的に公正価値で測定される資産または負債

     第86期末現在における非継続的に公正価値で測定される資産および負債は以下のとおりです。

    損益計上額(百万円) 公正価値による測定額
    レベル1(百万円) レベル2(百万円) レベル3(百万円) 計(百万円)
    資産
    投資有価証券 △590 1,057 1,057
    長期性資産 △1,768 0 0

     投資有価証券は、同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格で評価したものをレベル2に、発行体より提示される観察不能なインプットを基に評価したものをレベル3に分類しています。

     長期性資産に係る減損損失の認識に伴い大部分の資産を観察不能なインプットに基づき評価しているため、当該資産をレベル3に分類しています。これらのうち主な資産の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して評価しています。

    U コミットメントおよび偶発債務

    コミットメント

     当社および子会社におけるコミットメント残高は、主として情報処理運用業務における業務委託契約および部材の調達契約に関するものであり、その金額は第85期が2,878百万円、第86期が2,864百万円です。

    信用リスクの集中

     当社および子会社にとって、信用リスク集中の恐れがある金融商品は、主として短期投資および受取手形及び売掛金です。短期投資については、取引相手を信用度の高い金融機関としています。また、受取手形及び売掛金に関しては、売上高の約35%が日本国内に集中していますが、顧客の大半は優良で、業種も多岐にわたっているため、信用リスク集中の恐れは限られています。

    環境対策費

     当社および子会社は、環境対策に関する費用について、債務発生の可能性が確からしく、かつ金額を合理的に見積ることができる場合に負債に計上しています。第85期末現在および第86期末現在において該当する環境対策費としてそれぞれ200百万円および196百万円を負債に計上しています。

    製品保証

     当社および子会社は、ある一定期間において、提供した製品およびサービスに対する保証を行っています。第85期および第86期における製品保証引当金の変動は以下のとおりです。

    第85期(百万円) 第86期(百万円)
    期首残高 1,060 1,158
    繰入額 976 1,053
    取崩額(目的使用等) △878 △1,025
    期末残高 1,158 1,186

    未使用コミットメントライン

     第85期末および第86期末における未使用コミットメントラインは30,000百万円です。

    前受収益

     当社および子会社は主に特定の製品について延長保証業務を提供しており、保証期間にわたって定額法により収益を認識しています。当該延長保証業務に関して発生した費用は、発生時に処理しています。第85期および第86期において繰延べた収益の残高はそれぞれ11,007百万円および11,839百万円であり、「その他の流動負債」および「その他の固定負債」に計上されています。

    訴訟事項

     当社および一部の子会社は、通常の事業活動から生じるいくつかの法的な申立ておよび訴訟を受けており、進展に応じた適切な会計処理をしています。なお、当社および当社の弁護人が現時点で入手しうる情報に基づくと、当社の取締役会はこれらの申立ておよび訴訟が連結財務諸表に重要な影響を与えることはないと考えています。

    V セグメント情報

    【オペレーティング・セグメント情報】

     FASB会計基準書第280号は、企業のオペレーティング・セグメントに関する情報の開示を規定しています。オペレーティング・セグメントは、企業の最高経営意思決定者が経営資源の配分や業績評価を行うにあたり通常使用しており、財務情報が入手可能な企業の構成単位として定義されています。

     当社は取扱製品の性質や社内における事業の位置付け等を考慮した上で、オペレーティング・セグメントに関する情報として、IAB、HCB、SSBおよびDMBの4つのオペレーティング・セグメントを区分して開示しています。

     各セグメントの主要な製品およびサービスは次のとおりです。

    (1) IAB:インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)

    ……プログラマブルコントローラ、モーションコントロール機器、センサ機器、産業用カメラ・コードリーダ機器、検査装置、セーフティ用機器、産業用ロボット等

    (2) HCB:ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)

    ……電子血圧計、ネブライザ、低周波治療器、心電計、酸素発生器、電子体温計、体重体組成計、歩数計・活動量計、電動歯ブラシ、マッサージャ、血糖計、動脈硬化検査装置、内臓脂肪計、遠隔患者モニタリングシステム、遠隔診療サービス等

    (3) SSB:ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)

    ……エネルギーソリューション、駅務システム、交通管理・道路管理システム、カード決済ソリューション、安心・安全ソリューション、IoT(電源保護・データ保護)ソリューション、関連メンテナンス事業等

    (4) DMB:デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)

    ……リレー、スイッチ、コネクター、アミューズメント機器用部品・ユニット、汎用センサ、顔認識ソフトウェア、画像センシングコンポ、MEMSセンサ等

    (注)MEMS:マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムズの略称

     セグメント情報の会計方針は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従っています。

     各オペレーティング・セグメントに直接関わる収益および費用は、それぞれのセグメントの業績数値に含め表示しています。特定のセグメントに直接帰属しない収益および費用は、経営者がセグメントの業績評価に用いる当社の配分方法に基づき、各オペレーティング・セグメントに配分されるかあるいは「消去調整他」に含めて表示しています。

     なお、「セグメント損益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「試験研究開発費」を控除したものを表示しています。

    第85期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)                   (単位:百万円)

    IAB HCB SSB DMB 消去 調整他 連結
    Ⅰ 売上高及びセグメント損益
    売上高
    ① 外部顧客に対する売上高 418,107 132,857 87,692 120,972 759,628 3,299 762,927
    ② セグメント間の内部売上高 6,483 160 10,779 42,824 60,246 △60,246
    424,590 133,017 98,471 163,796 819,874 △56,947 762,927
    セグメント損益 76,257 18,544 6,505 10,086 111,392 △22,076 89,316
    Ⅱ 資産、減価償却費及び資本的支出
    資産 533,355 136,083 117,117 154,039 940,594 △9,965 930,629
    減価償却費 5,885 3,118 2,094 6,725 17,822 5,545 23,367
    資本的支出 7,047 4,355 2,791 6,079 20,272 13,938 34,210

    (注)1 セグメント間の内部取引における価額は、外部顧客との取引価額に準じています。

     2 「消去調整他」には、配賦不能費用、セグメント間の内部取引消去、本社機能部門他などが含まれています。

     3 経営管理区分の見直しにより、第86期より、IABの一部の事業をDMBに移管しています。これに伴い、第85期の業績についても新管理区分に組み替えて表示しています。

    第86期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)                   (単位:百万円)

    IAB HCB SSB DMB 消去 調整他 連結
    Ⅰ 売上高及びセグメント損益
    売上高
    ① 外部顧客に対する売上高 485,738 142,132 107,273 138,854 873,997 2,085 876,082
    ② セグメント間の内部売上高 6,822 294 13,804 48,451 69,371 △69,371
    492,560 142,426 121,077 187,305 943,368 △67,286 876,082
    セグメント損益 85,835 16,018 7,490 15,501 124,844 △24,158 100,686
    Ⅱ 資産、減価償却費及び資本的支出
    資産 576,488 141,823 131,640 164,560 1,014,511 △16,351 998,160
    減価償却費 6,382 3,615 2,526 7,421 19,944 6,643 26,587
    資本的支出 9,298 6,587 3,395 9,581 28,861 16,213 45,074

    (注)1 セグメント間の内部取引における価額は、外部顧客との取引価額に準じています。

     2 「消去調整他」には、配賦不能費用、セグメント間の内部取引消去、本社機能部門他などが含まれています。

    第85期および第86期におけるセグメント利益の合計額と法人税等、持分法投資損益控除前当期純利益との調整表は次のとおりです。

    第85期 (百万円) 第86期 (百万円)
    セグメント利益の合計額 111,392 124,844
    その他費用―純額― 2,602 2,277
    消去調整他 △22,076 △24,158
    法人税等、持分法投資損益控除前 当期純利益 86,714 98,409

    (注)  第85期の「その他費用―純額―」には、ヘルスケアビジネスにかかるのれんの減損損失3,384百万円が含まれております。

    【地域別情報】

    第85期および第86期における当社および子会社の地域別に分類した外部顧客に対する売上高ならびに有形固定資産は次のとおりです。

    第85期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)                   (単位:百万円)

    日本 米州 欧州 中華圏 東南 アジア他 直接輸出 連結
    外部顧客に対する売上高 289,896 78,296 120,423 196,351 76,924 1,037 762,927
    有形固定資産 69,074 5,705 3,350 36,299 7,670 122,098

    第86期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)                   (単位:百万円)

    日本 米州 欧州 中華圏 東南 アジア他 直接輸出 連結
    外部顧客に対する売上高 326,539 104,299 140,137 211,528 92,874 705 876,082
    有形固定資産 72,919 5,308 3,381 39,448 8,529 129,585

    (注)1 国または地域の区分は、地理的近接度によります。

       2 日本以外の区分に属する主な国または地域等

        (1) 米州………………米国・カナダ・ブラジル

        (2) 欧州………………オランダ・英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン

        (3) 中華圏……………中国・香港・台湾

        (4) 東南アジア他……シンガポール・韓国・インド・豪州

        (5) 直接輸出…………直送輸出取引

       3 売上高および有形固定資産において、日本、中国および米国を除いて独立して開示すべき重要な国はありません。中国の第85期および第86期における売上高は、それぞれ167,660百万円、179,111百万円であり、有形固定資産は、それぞれ36,169百万円、39,340百万円であります。また、米国の第85期および第86期における売上高は、それぞれ65,916百万円、89,042百万円であります。

       4 第85期および第86期において、開示すべき重要な単一の外部顧客に対する売上高はありません。

    W 企業結合等

    第85期および第86期において重要な該当事項はありません。

    X 事業売却

    第85期における事業売却は次のとおりです。

    半導体・MEMS工場およびMEMS開発・生産機能の譲渡

     当社は2021年6月30日に当社が保有する半導体・MEMS工場およびMEMS開発・生産機能(以下、対象事業)を設立する新会社に会社分割により承継し、新会社の全株式をミネベアミツミ株式会社の子会社であるミツミ電機株式会社に譲渡する契約を締結し、2021年10月1日に株式譲渡を完了しました。この譲渡により、第85期の連結損益計算書上、「その他費用―純額―」に1,116百万円の事業譲渡に関連する損失が計上されています。なお、対象事業はセグメント情報の「消去調整他」に含まれていました。また、DMBのセグメント売上およびセグメント利益には、対象事業からMEMSセンサーを調達し、外部および他のセグメントへ販売する事業が含まれていますが、当該事業は対象事業の譲渡完了後も継続しています。

    第86期における重要な該当事項はありません。

    Y 重要な後発事象

     当社はFASB会計基準書第855号「後発事象」に基づき、後発事象の評価を行っています。

     本有価証券報告書が発行可能な状態となった2023年6月23日現在、該当事項はありません。

    ⑥ 【連結附属明細表】
    【社債明細表】

     該当事項はありません。

    【借入金等明細表】

     当該情報は連結財務諸表注記「Ⅱ 主な科目の内訳および内容の説明 I 短期借入金」に記載しています。

    【資産除去債務明細表】

     当連結会計年度期首および当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首および当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、連結財務諸表規則第92条の2の規定により記載を省略しています。

    (2) 【その他】

    当連結会計年度における四半期情報等

    (累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当連結会計年度
    売上高(百万円) 184,386 404,418 637,977 876,082
    法人税等、持分法投資損益控除前四半期(当期)純利益(百万円) 11,698 38,919 70,661 98,409
    当社株主に帰属する 四半期(当期)純利益 (百万円) 7,973 27,875 50,517 73,861
    基本的1株当たり当社株主に帰属する四半期(当期)純利益(円) 39.98 139.81 253.94 372.19
    (会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
    基本的1株当たり当社株主に帰属する四半期純利益 (円) 39.98 99.81 114.26 118.55

    2【財務諸表等】

    (1) 【財務諸表】

    ①【貸借対照表】
    (単位:百万円)
    前事業年度 第85期 (2022年3月31日) 当事業年度 第86期 (2023年3月31日)
    資産の部
    流動資産
    現金及び預金 72,914 22,152
    受取手形 145 224
    売掛金 ※1 60,679 ※1 66,742
    商品及び製品 7,883 11,442
    原材料 10,556 15,277
    仕掛品 3,057 3,341
    貯蔵品 254 269
    関係会社短期貸付金 ※1 3,583 ※1 8,668
    未収入金 ※1 12,020 ※1 11,775
    その他の未収入金 ※1 5,235 ※1 5,016
    その他 13,587 7,885
    貸倒引当金 △0 △0
    流動資産合計 189,913 152,791
    固定資産
    有形固定資産
    建物 23,665 23,906
    構築物 921 952
    機械及び装置 4,268 5,557
    車両運搬具 0 1
    工具、器具及び備品 3,563 4,833
    土地 12,025 12,025
    リース資産 889 830
    建設仮勘定 520 1,055
    有形固定資産合計 45,851 49,159
    無形固定資産
    借地権 480 480
    ソフトウエア 5,966 6,607
    施設利用権 57 61
    技術資産 6,118 5,465
    ソフトウエア仮勘定 7,998 16,828
    その他 50 139
    無形固定資産合計 20,669 29,580
    投資その他の資産
    投資有価証券 ※2 33,202 ※2 32,407
    関係会社株式 259,737 269,689
    その他の関係会社有価証券 500 1,429
    関係会社出資金 22,837 22,837
    関係会社長期貸付金 ※1 3,091 ※1 3,703
    破産更生債権等 6,441 5,791
    敷金及び保証金 4,647 4,638
    前払年金費用 17,463 17,636
    繰延税金資産 6,172 7,126
    その他 1,683 5,247
    貸倒引当金 △5,724 △5,724
    投資その他の資産合計 350,049 364,779
    固定資産合計 416,569 443,518
    資産合計 606,482 596,309
    (単位:百万円)
    前事業年度 第85期 (2022年3月31日) 当事業年度 第86期 (2023年3月31日)
    負債の部
    流動負債
    支払手形 ※1 6,523 ※1 6,909
    買掛金 ※1 37,373 ※1 38,098
    短期借入金 20,000
    関係会社短期借入金 ※1 220,563 ※1 169,336
    リース債務 ※1 895 ※1 139
    未払金 ※1 12,879 ※1 16,734
    未払費用 12,421 12,253
    未払法人税等 1,774 4,458
    前受金 17 28
    預り金 ※1 1,147 ※1 1,340
    役員賞与引当金 295 231
    株式給付引当金 113 355
    その他 5,763 3,596
    流動負債合計 319,763 253,477
    固定負債
    リース債務 601
    株式給付引当金 1,113 1,117
    再評価に係る繰延税金負債 957 957
    長期前受金 2,649 2,649
    その他 4,841 4,243
    固定負債合計 9,560 9,567
    負債合計 329,323 263,044
    純資産の部
    株主資本
    資本金 64,100 64,100
    資本剰余金
    資本準備金 88,771 88,771
    その他資本剰余金 0
    資本剰余金合計 88,771 88,771
    利益剰余金
    利益準備金 6,774 6,774
    その他利益剰余金
    配当積立金 3,400 3,400
    特別勘定積立金 1,177 1,252
    別途積立金 73,500 73,500
    繰越利益剰余金 83,770 155,776
    利益剰余金合計 168,621 240,702
    自己株式 △54,605 △70,615
    株主資本合計 266,887 322,958
    評価・換算差額等
    その他有価証券評価差額金 15,746 14,801
    繰延ヘッジ損益 △1,160 △180
    土地再評価差額金 △4,314 △4,314
    評価・換算差額等合計 10,272 10,307
    純資産合計 277,159 333,265
    負債純資産合計 606,482 596,309
    ②【損益計算書】
    (単位:百万円)
    前事業年度 第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) 当事業年度 第86期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
    売上高 ※1,※2 310,989 ※1,※2 369,498
    売上原価 ※2 188,878 ※2 223,030
    売上総利益 122,111 146,468
    販売費及び一般管理費 ※2,※3 101,499 ※2,※3 117,784
    営業利益 20,612 28,684
    営業外収益
    受取利息及び受取配当金 ※2 22,613 ※2 74,759
    為替差益 549
    その他 ※2 2,537 ※2 3,289
    営業外収益合計 25,699 78,048
    営業外費用
    支払利息 ※2 2,480 ※2 2,674
    子会社有償減資払戻による為替差損 1,049
    支払手数料 31 49
    為替差損 401
    組合投資損失 263 453
    その他 ※2 404 ※2 47
    営業外費用合計 4,227 3,624
    経常利益 42,084 103,108
    特別利益
    固定資産売却益 ※4 7 ※4 6
    投資有価証券売却益 601 80
    関係会社清算益 140
    貸倒引当金戻入額 ※2 1,140
    特別利益合計 1,748 226
    特別損失
    固定資産除売却損 ※5,※6 311 ※5,※6 371
    減損損失 407
    関係会社株式売却損 592
    関係会社株式評価損 16,811
    その他 141
    特別損失合計 18,262 371
    税引前当期純利益 25,570 102,963
    法人税、住民税及び事業税 3,276 12,826
    法人税等調整額 △956 △969
    法人税等合計 2,320 11,857
    当期純利益 23,250 91,106
    ③【株主資本等変動計算書】

    前事業年度 第85期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

    (単位:百万円)
    株主資本
    資本金 資本剰余金 利益剰余金
    資本準備金 その他資本剰余金 資本剰余金合計 利益準備金 その他利益剰余金 利益剰余金合計
    配当積立金 特別勘定積立金 別途積立金 繰越利益剰余金
    当期首残高 64,100 88,771 0 88,771 6,774 3,400 1,177 73,500 78,333 163,184
    当期変動額
    剰余金の配当 △17,813 △17,813
    当期純利益 23,250 23,250
    自己株式の取得
    自己株式の処分 0 0
    株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
    当期変動額合計 0 0 5,437 5,437
    当期末残高 64,100 88,771 0 88,771 6,774 3,400 1,177 73,500 83,770 168,621
    株主資本 評価・換算差額等 純資産合計
    自己株式 株主資本合計 その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 土地再評価差額金 評価・換算差額等合計
    当期首残高 △24,814 291,241 12,355 △366 △4,314 7,675 298,916
    当期変動額
    剰余金の配当 △17,813 △17,813
    当期純利益 23,250 23,250
    自己株式の取得 △31,430 △31,430 △31,430
    自己株式の処分 1,639 1,639 1,639
    株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 3,391 △794 2,597 2,597
    当期変動額合計 △29,791 △24,354 3,391 △794 2,597 △21,757
    当期末残高 △54,605 266,887 15,746 △1,160 △4,314 10,272 277,159

    当事業年度 第86期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

    (単位:百万円)
    株主資本
    資本金 資本剰余金 利益剰余金
    資本準備金 その他資本剰余金 資本剰余金合計 利益準備金 その他利益剰余金 利益剰余金合計
    配当積立金 特別勘定積立金 別途積立金 繰越利益剰余金
    当期首残高 64,100 88,771 0 88,771 6,774 3,400 1,177 73,500 83,770 168,621
    当期変動額
    剰余金の配当 △18,969 △18,969
    当期純利益 91,106 91,106
    特別勘定積立金の積立 75 △75
    自己株式の取得
    自己株式の処分 △0 △0 △56 △56
    株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
    当期変動額合計 △0 △0 75 72,006 72,081
    当期末残高 64,100 88,771 88,771 6,774 3,400 1,252 73,500 155,776 240,702
    株主資本 評価・換算差額等 純資産合計
    自己株式 株主資本合計 その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 土地再評価差額金 評価・換算差額等合計
    当期首残高 △54,605 266,887 15,746 △1,160 △4,314 10,272 277,159
    当期変動額
    剰余金の配当 △18,969 △18,969
    当期純利益 91,106 91,106
    特別勘定積立金の積立
    自己株式の取得 △20,013 △20,013 △20,013
    自己株式の処分 4,003 3,947 3,947
    株主資本以外の項目の当期変動額(純額) △945 980 35 35
    当期変動額合計 △16,010 56,071 △945 980 35 56,106
    当期末残高 △70,615 322,958 14,801 △180 △4,314 10,307 333,265
    【注記事項】
    (重要な会計方針)

     1 有価証券の評価基準および評価方法は、次のとおりです。

       子会社株式および関連会社株式

        ……移動平均法による原価法

       その他の関係会社有価証券

        ……投資事業有限責任組合等については、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を

          基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法

       その他有価証券

        市場価格のない株式等以外のもの

    ……時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)

        市場価格のない株式等

         ……移動平均法による原価法

     2 デリバティブの評価方法は時価法を採用しています。

     3 棚卸資産の評価基準および評価方法は、先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)によっています。

     4  固定資産の減価償却の方法は次のとおりです。

       有形固定資産(リース資産を除く)

        ……定額法(建物の耐用年数は主に15~50年)

       無形固定資産(リース資産を除く)

        ……定額法(ソフトウエアの見込利用可能期間は3~10年)

       リース資産

        所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産

         ……リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法

     5  繰延資産は、支出時または発生時に全額費用として処理しています。

     6 貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権等については財務内容評価法により計上しています。

     7 役員賞与引当金は、役員に対する賞与の支出に備えるため、期末日時点における支給見込額に基づき計上しています。

     8 退職給付引当金は、従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しています。

     過去勤務費用は、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(11.9年)による定額法により費用処理しています。

       数理計算上の差異は、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(11.9年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理しています。

       当事業年度末においては、年金資産の額が退職給付債務に未認識過去勤務債務および未認識数理計算上の差異を加減した額を超えているため、前払年金費用として貸借対照表に計上しています。

     9 株式給付引当金は、株式交付規程等に基づく取締役、執行役員および従業員に対する当社株式の交付に備えるため、当事業年度末における支給見込額に基づき計上しています。

     10 収益および費用の計上基準は、次のとおりです。

       顧客との契約から生じる収益は、次の5ステップアプローチに基づき、製品またはサービスの支配が顧客に移転し

      た時点で、または移転するにつれて認識しています。

       ステップ1: 顧客との契約を識別する

       ステップ2: 契約における履行義務を識別する

       ステップ3: 取引価格を算定する

       ステップ4: 取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する

       ステップ5: 履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識する

       概ね同一国内における販売は、契約上別段の定めのない限り、顧客に製品が到着した時点、輸出販売は、インコ

      タームズ等に定められた貿易条件に基づきリスク負担が顧客に移転する時点で履行義務が充足されると判断し、当

      該履行義務の充足時点で収益を認識しています。

       据付および現地での調整作業を伴う製品およびサービスの提供については、製品の引渡しと当該製品の据付およ

      び現地での調整作業を単一の履行義務として識別し、製品の据付および現地での調整作業が完了した時点で履行義

      務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しています。

       一部の取引については、当社製品の販売促進を目的として、関連する製品の販売数量等に基づき顧客にリベート

      を支払うことがあります。これらリベートは対価から控除するため、対価の額に変動性があります。顧客に支払う

      リベートの額は合理的に見積り可能なことから、重大な戻し入れが生じることはなく、変動対価の見積りが制限さ

      れることはないと判断しています。また、当社の販売する製品には、顧客が返品権を有するものは含まれていませ

      ん。

       なお、約束された対価は履行義務の充足時点から概ね3ヶ月で支払いを受けており、対価の金額に重要な金融要

      素は含まれていません。

     11 外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。

     12 ヘッジ会計の方法は繰延ヘッジ処理を採用しています。

     13 グループ通算制度を適用しています。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理および開示に関する

      取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに

      関する税効果会計の会計処理ならびに開示を行っています。

    (重要な会計上の見積り)

      (関係会社株式等の評価)

     1 当事業年度の財務諸表に計上した金額

                                         (単位:百万円)

    前事業年度 当事業年度
    関係会社株式 (うち、市場価格のある株式) 259,737 (112,214) 269,689 (122,212)
    関係会社出資金 22,837 22,837
    関係会社株式評価損 16,811

     2 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報

      ① 当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出方法

        関係会社株式および関係会社出資金のうち、市場価格のある株式等の評価については、時価が取得原価に比べて

       30%以上下落し、かつ一定期間時価が取得原価を上回っていないなど回復する見込みがあると認められない場合に

       相当の減額をなし、評価差額は当期の損失として処理することとしています。また、市場価格のない株式等の評価

       については、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、相当の減額をなし、評価差額は

       当期の損失として処理することとしています。

        財政状態の悪化とは、原則として、1株当たりの純資産額が当該株式を取得したときのそれと比較して50%以上

       低下した場合と定義しています。ただし、市場価格のない株式等の実質価額について、回復可能性が十分な証拠に

       よって裏付けられる場合には、評価差額を当期の損失として処理しないこととしています。

        なお、VG2020期間に実施したヘルスケア事業成長戦略投資に係る、米国にて心房細動の確定診断・モニタリング

       サービスを展開するAliveCor,Inc.に対する投資については、会社の超過収益力等を反映した価額を実質価額と

       して評価しており、この場合の財政状態の悪化とは、当該実質価額が、取得したときのそれと比較して50%以上低

       下した場合と定義しています。

      ② 当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定

        1株当たりの純資産額を算定する際の基礎となる財政状態は、決算日までに入手し得る直近のものを使用し、そ

       の後の状況で財政状態に重要な影響を及ぼす事項が判明していればその事項も加味しています。また、原則とし

       て、株式等の実質価額について回復可能性を検討する上では、当該株式等の発行会社の事業計画書より概ね将

       来5年以内に実質価額が簿価の100%まで回復する見込があることを考慮することとしています。

        一方で、AliveCor,Inc.に対する投資については、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッ

       シュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて、実質価額を算定

       しています。また、事業計画は、マクロ経済状況、市場成長率、利益率、設備計画等の仮定を用いて策定し、事業

       計画後のキャッシュ・フローは、当該関係会社が属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積もった成長率をもと

       に算定しています。

      ③ 翌事業年度の財務諸表に与える影響

        当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定の前提が、当事業年度末の状況から大きく乖離する場合には、当該株式等の評価に影響を及ぼすため、当該株式等に関連する数値に重要な影響を与える可能性があります。

    (表示方法の変更)

      (損益計算書)

       前事業年度において、「営業外費用」の「その他」に含めていた「組合投資損失」は、金額的重要性が増したた

      め、当事業年度より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組み替え

      を行っています。

       この結果、前事業年度の損益計算書において、「営業外費用」の「その他」として表示していた667百万円は、

      「組合投資損失」263百万円、「その他」404百万円として組み替えています。

    (会計上の見積りの変更)

      (退職給付に係る会計処理の数理計算上の差異および過去勤務費用の費用処理年数の変更)

       退職給付に係る会計処理の数理計算上の差異および過去勤務費用の費用処理年数を、従業員の平均残存勤務期間

      以内の一定の年数である15年としていましたが、平均残存勤務期間が短縮したため、当事業年度より費用処理年

      数を11.9年に変更しています。

       これにより、当事業年度の営業利益、経常利益および税引前当期純利益は1,205百万円減少しています。

    (追加情報)

      (株式に関する事項)

     1 取引の概要

       当社は役員報酬の一部について、業績連動型株式付与制度を導入しています。

       本制度は当社所定の基準によるポイントを、取締役等に付与し、中期経営計画終了後および退任時に、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託を通じて、ポイントに応じた当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付および給付するものです。

       当該信託に関する会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 平成25年12月25日、平成27年3月26日改正)に準じて、総額法を適用しています。

     2 役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託に残存する自社の株式

       役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託に残存する当社株式を、純資産の部に自己株式として計上しています。当該株式の株式数および帳簿価額は、前事業年度末は606,434株および3,921百万円、当事業年度末は600,208株および3,880百万円であり、当事業年度は当社株式を取締役等へ6,226株支給しています。また、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する自己株式に係る配当金は、前事業年度は60百万円、当事業年度は57百万円です。

    (貸借対照表関係)

    ※1 関係会社に対する金銭債権および金銭債務

    第85期 (2022年3月31日) 第86期 (2023年3月31日)
    関係会社に対する短期金銭債権 関係会社に対する長期金銭債権 関係会社に対する短期金銭債務 61,891百万円 9,532 247,243 69,493百万円 11,189 196,637

    ※2 担保資産

    第85期 (2022年3月31日) 第86期 (2023年3月31日)
    投資有価証券 200百万円 200百万円

     3 保証債務

    主な被保証先 第85期 (2022年3月31日) 第86期 (2023年3月31日)
    OMRON ELETRONICA DO BRASIL LTDA. OMRON MEXICO, S.A. DE C.V. OMRON AUTOMATION PVT LTD. 9百万円 64 - 9百万円 185 213
    73 407
    (損益計算書関係)

    ※1 売上高の区分表示

    第85期 (自 2021年4月1日   至 2022年3月31日) 第86期 (自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)
    当社の売上品目の中には、同一品種の製品及び商品があ り、その区分が困難なため売上高には商品売上高を含めて います。 当社の売上品目の中には、同一品種の製品及び商品があ り、その区分が困難なため売上高には商品売上高を含めて います。

    ※2 関係会社との取引高

    第85期 (自 2021年4月1日   至 2022年3月31日) 第86期 (自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)
    売上高 203,431百万円 249,732百万円
    仕入高 その他の営業取引高 営業取引以外の取引高 132,533 19,145 27,789 157,228 12,682 79,441

      ※3 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度17%、当事業年度15%、一般管理費に属する費用のおおよそ

          の割合は前事業年度83%、当事業年度85%です。

     販売費及び一般管理費のうち主要な費目および金額は次のとおりです。

    第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) 第86期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
    手数料 22,264百万円 24,862百万円
    給与及び賞与手当 27,031 28,618
    減価償却費 4,315 4,900
    退職給付費用 △413 410
    研究開発費 31,274 36,048

     ※4 固定資産売却益の主な内訳

    第85期 (自 2021年4月1日   至 2022年3月31日) 第86期 (自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)
    建物 機械及び装置 工具、器具及び備品 建設仮勘定 ソフトウエア -百万円 1 0 5 1 0百万円 5 0 - 0

     ※5 固定資産売却損の主な内訳

    第85期 (自 2021年4月1日   至 2022年3月31日) 第86期 (自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)
    建物 機械及び装置 0百万円 - -百万円 3

     ※6 固定資産除却損の主な内訳

    第85期 (自 2021年4月1日   至 2022年3月31日) 第86期 (自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)
    建物 62百万円 46百万円
    構築物 2 1
    機械及び装置 車両運搬具 172 - 59 0
    工具、器具及び備品 リース資産 建設仮勘定 ソフトウエア 施設利用権 ソフトウエア仮勘定 39 2 14 9 11 - 59 - 11 22 13 157
    (有価証券関係)

    第85期(2022年3月31日)

     子会社株式および関連会社株式等

    貸借対照表計上額 (百万円) 時価(百万円) 差額(百万円)
    関連会社株式 112,214 126,034 13,820
    合計 112,214 126,034 13,820

    (注)上記に含まれない市場価格のない子会社株式および関連会社株式等の貸借対照表計上額は次のとおりです。

    貸借対照表計上額 (百万円)
    子会社株式 136,804
    関連会社株式 10,719
    その他の関係会社有価証券 500
    合計 148,023

    第86期(2023年3月31日)

     子会社株式および関連会社株式等

    貸借対照表計上額 (百万円) 時価(百万円) 差額(百万円)
    関連会社株式 122,212 93,088 △29,124
    合計 122,212 93,088 △29,124

    (注)上記に含まれない市場価格のない子会社株式および関連会社株式等の貸借対照表計上額は次のとおりです。

    貸借対照表計上額 (百万円)
    子会社株式 136,758
    関連会社株式 10,719
    その他の関係会社有価証券 1,429
    合計 148,906
    (税効果会計関係)

    1.繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳

    第85期 (2022年3月31日) 第86期 (2023年3月31日)
    繰延税金資産
    貸倒引当金 1,746百万円 1,746百万円
    棚卸資産 656 1,072
    未払賞与 2,574 2,557
    退職給付信託 6,131 6,182
    投資有価証券 1,029 1,151
    関係会社株式等 8,375 8,298
    未確定債務 2,244 2,357
    減価償却資産 1,639 1,768
    その他 1,513 1,162
    繰延税金資産小計 25,907 26,293
    評価性引当額 △6,945 △6,945
    繰延税金資産合計 18,962 19,348
    繰延税金負債
    その他有価証券評価差額金 前払年金費用 6,910 5,326 6,495 5,379
    その他 554 348
    繰延税金負債合計 12,790 12,222
    繰延税金資産の純額 6,172 7,126

    2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主要な項目別の内訳

    第85期 (2022年3月31日) 第86期 (2023年3月31日)
    法定実効税率 30.5% 30.5%
    (調整)
    受取配当金 △25.9 △21.0
    評価性引当額 11.7 0.0
    交際費等の社外流出 1.8 0.2
    試験研究費に係る税額控除等 △5.7 △3.1
    外国源泉税 0.7 5.9
    その他 △4.0 △1.0
    税効果会計適用後の法人税等の負担率 9.1 11.5

     (表示方法の変更)

    前事業年度において、「その他」に含めていた「外国源泉税」は、重要性が増したことにより当事業年度より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の注記の組み替えを行っています。

    この結果、前事業年度の「その他」に表示していた△3.3%は、「外国源泉税」0.7%、「その他」△4.0%として組み替えています。

    (収益認識関係)

    収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「注記事項Ⅱ 主な科目の内訳および内容の説明 A 収益 2.収益を理解するための基礎となる情報」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。

    (重要な後発事象)

    該当事項はありません。

    ④ 【附属明細表】
    【有形固定資産等明細表】

    (単位:百万円)

    区分 資産の種類 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高 減価償却 累計額 当期償却額 差引当期 末残高
    有形 固定資産 建物 63,616 2,208 292 65,532 41,626 1,927 23,906
    構築物 5,219 137 47 5,309 4,357 105 952
    機械及び装置 10,877 2,354 553 12,678 7,121 963 5,557
    車両運搬具 12 1 5 8 7 0 1
    工具、器具及び備品 12,788 2,339 672 14,455 9,622 1,010 4,833
    土地 [3,357] 12,025 [3,357] 12,025 [3,357] 12,025
    リース資産 2,316 931 2,316 931 101 57 830
    建設仮勘定 520 2,489 1,954 1,055 1,055
    107,373 10,459 5,839 111,993 62,834 4,062 49,159
    無形 固定資産 借地権 480 480 480
    ソフトウエア 35,718 2,691 653 37,756 31,149 2,023 6,607
    施設利用権 330 40 39 331 270 21 61
    技術資産 7,835 31 2 7,864 2,399 684 5,465
    ソフトウエア仮勘定 7,998 10,135 1,305 16,828 16,828
    その他 260 97 128 229 90 10 139
    52,621 12,994 2,127 63,488 33,908 2,738 29,580

    (注)1 「減価償却累計額」の欄には、減損損失累計額を含めて記載しています。

    2 [ ]内は、土地の再評価に関する法律(平成10年法律第34号)により行った土地の再評価実施前の帳簿価額との差額です。

    3 ソフトウエアおよびソフトウエア仮勘定の当期増加額は、主としてコーポレート基幹システムの開発等に

      よるものです。

    【引当金明細表】

    (単位:百万円)

    科目 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
    貸倒引当金(流動) 0 0
    貸倒引当金(固定) 5,724 5,724
    役員賞与引当金(流動) 295 231 295 231
    株式給付引当金(流動) 113 355 113 355
    株式給付引当金(固定) 1,113 390 386 1,117

    (2) 【主な資産及び負債の内容】

        連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。

    (3) 【その他】

        該当事項はありません。

    第6【提出会社の株式事務の概要】

    事業年度 4月1日から3月31日まで
    定時株主総会 6月中
    基準日 3月31日
    剰余金の配当の基準日 3月31日、9月30日
    1単元の株式数 100株
    単元未満株式の買取り・買増し
    取扱場所 (特別口座) 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
    株主名簿管理人 (特別口座) 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号 三菱UFJ信託銀行株式会社
    取次所
    買取・買増手数料 無料
    公告掲載方法 当会社の公告方法は、電子公告としています。ただし、事故その他のやむをえない事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞および京都市において発行する京都新聞に掲載して行います。 なお、公告を掲載するホームページのアドレス(URL)は https://www.omron.com/jp/ja/です。
    株主に対する特典 該当事項はありません。

     (注) 当社定款の定めにより、単元未満株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、会社法第166条第1項の定めによる請求をする権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当ておよび募集新株予約権の割当てを受ける権利ならびに単元未満株式の売渡請求をする権利以外の権利を有していません。

    第7【提出会社の参考情報】

    1【提出会社の親会社等の情報】

     当社には、親会社等はありません。

    2【その他の参考情報】

     当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。

    (1) 有価証券報告書 及びその添付書類 並びに確認書 事業年度 (第85期) 自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 2022年6月24日 関東財務局長に提出
    (2) 内部統制報告書 及びその添付書類 2022年6月24日関東財務局長に提出
    (3) 四半期報告書 及び確認書 事業年度 (第86期第1 四半期) 事業年度 (第86期第2 四半期) 事業年度 (第86期第3 四半期) 自 2022年4月1日 至 2022年6月30日   自 2022年7月1日 至 2022年9月30日   自 2022年10月1日 至 2022年12月31日 2022年8月9日 関東財務局長に提出   2022年11月11日 関東財務局長に提出   2023年2月10日 関東財務局長に提出
    (4) 臨時報告書 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)に基づく臨時報告書です。 2022年6月24日関東財務局長に提出
    (5) 自己株券買付状況報告書 報告期間 自 2022年7月1日 至 2022年7月31日 2022年8月9日関東財務局長に提出
    報告期間 自 2022年8月1日 至 2022年8月31日 2022年9月13日関東財務局長に提出
    報告期間 自 2022年9月1日 至 2022年9月30日 2022年10月13日関東財務局長に提出
    報告期間 自 2022年10月1日 至 2022年10月31日 2022年11月14日関東財務局長に提出
    報告期間 自 2022年11月1日 至 2022年11月30日 2022年12月14日関東財務局長に提出
    報告期間 自 2022年12月1日 至 2022年12月31日 2023年1月13日関東財務局長に提出
    報告期間 自 2023年1月1日 至 2023年1月31日 2023年2月13日関東財務局長に提出
    報告期間 自 2022年2月1日 至 2023年2月28日 2023年3月13日関東財務局長に提出
    報告期間 自 2023年3月1日 至 2023年3月31日 2023年4月13日関東財務局長に提出
    (6) 有価証券届出書 及びその添付書類 従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブ・プランとしての自己株式の処分に係る有価証券届出書です。 2023年2月28日関東財務局長に提出
    従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プランとしての自己株式の処分に係る有価証券届出書です。 2023年2月28日関東財務局長に提出
    株式付与ESOP信託を用いた中期インセンティブ・プランとしての自己株式の処分に係る有価証券届出書です。 2023年2月28日関東財務局長に提出
    (7) 有価証券届出書の 訂正届出書 2023年2月28日提出の従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブ・プランとしての自己株式の処分に係る有価証券届出書に係る訂正報告書です。 2023年4月26日関東財務局長に提出
    2023年2月28日提出の従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プランとしての自己株式の処分に係る有価証券届出書に係る訂正報告書です。 2023年4月26日関東財務局長に提出
    2023年2月28日提出の株式付与ESOP信託を用いた中期インセンティブ・プランとしての自己株式の処分に係る有価証券届出書に係る訂正報告書です。 2023年4月26日関東財務局長に提出

    第二部【提出会社の保証会社等の情報】

        該当事項はありません。

    独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書

    2023年6月23日
    オムロン株式会社
    取締役会 御中

    有限責任監査法人トーマツ 京都事務所

    指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 佐藤 嘉雄
    指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 川添 健史
    指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 池畑 憲二郎

    <財務諸表監査>

    監査意見

     当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているオムロン株式会社の2022年4月1日から2023年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主持分計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、注記及び連結附属明細表について監査を行った。

     当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則の一部を改正する内閣府令(平成14年内閣府令第11号)附則」第3項の規定により米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、オムロン株式会社及び連結子会社の2023年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

    監査意見の根拠

     当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

    監査上の主要な検討事項

     監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

    関連会社に対する投資の評価(株式会社JMDC)
    監査上の主要な検討事項の 内容及び決定理由 監査上の対応
    連結財務諸表注記Ⅱ.Dに記載のとおり、連結貸借対照表に計上されている関連会社に対する投資及び貸付金には、株式会社JMDCに対する持分法による投資121,918百万円が含まれており、株式会社JMDCの純資産に対する会社の持分相当額を上回る101,427百万円は、主に持分法によるのれん相当額の残高である。また、期末日時点における市場価格に基づく評価額は93,088百万円であり、帳簿価額を28,830百万円下回っている。   FASB会計基準書第323号「投資-持分法及びジョイントベンチャー」では、一時的な下落とは認められない投資の価値の下落について損失を認識することを要求している。会社は、当初取得時点から本有価証券報告書が発行可能な状態となった日までの市場価格の推移と帳簿価額とを比較し、帳簿価額を下回る期間および程度に基づき投資の価値の下落が一時的か否かを評価している。加えて、将来の事業計画を基礎として算定されたディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額と市場価格に基づく評価額との比較および差異に対する分析、株式会社JMDCの直近業績に基づく収益性や株式市場の状況などを総合的に検討している。当該評価に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りには、以下のような重要な仮定が用いられている。 ①株式会社JMDCの将来収益予測 ②加重平均資本コストをもとに算定した割引率   当監査法人は、当該投資の評価において、市場価格による評価額と帳簿価額の差額に金額的重要性があること、市場価格に基づく評価額が帳簿価額を継続的に下回っていることに加え、一時的でない価値の下落が発生しているか否かの判断および将来収益の予測には、経営者の主観が含まれることから、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 経営者が用いた重要な仮定の妥当性を含め、投資価値の下落が一時的か否かの判断の妥当性を検討するにあたり実施した手続には、以下が含まれる。   ・株式会社JMDCに対する持分法による投資に一時的でない価値の下落が生じているかに対する評価に使用された要素の識別および評価並びに評価結果の妥当性に関連する内部統制の有効性を評価した。   ・株式会社JMDCに対する持分法による投資に一時的でない価値の下落は生じていないという判断の合理性を評価するため、以下の手続きを実施した。   ①市場価格に基づく評価額の下落は一時的であるとする会社の評価結果の妥当性の検討 ②アナリストレポートなど外部の投資家による評価との整合性の検討 ③投資先及び属する市場の成長性に対する外部情報の検討 ④投資先の収益性・財務安全性に対する分析 ⑤ディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額と帳簿価額および市場価格に基づく評価額との差異に対する分析結果の妥当性の検討 ⑥期末日後の市場価格の推移を含めた客観的証拠との整合性の検討   ・ディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額算定に使用された重要な仮定について、以下の手続を実施した。 ①投資先の事業戦略や市場の成長性に対する外部情報と比較して、将来の収益予測のために使用した仮定に対して矛盾する証拠の有無の検討   ・当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、ディスカウント・キャッシュ・フロー法による算定結果の正確性を検証するとともに、重要な仮定である加重平均資本コストをもとに算定した割引率について、算定方法を理解し、利用可能な外部データと比較することで、合理性を評価した。
    関連会社に対する投資の評価(AliveCor, Inc.)
    監査上の主要な検討事項の 内容及び決定理由 監査上の対応
    連結財務諸表注記Ⅱ.Dに記載のとおり、連結貸借対照表に計上されている関連会社に対する投資及び貸付金には、AliveCor, Inc.に対する持分法による投資9,835百万円が含まれており、AliveCor, Inc.の純資産に対する会社の持分相当額を上回る8,199百万円は、主に持分法によるのれん相当額の残高である。   FASB会計基準書第323号「投資-持分法及びジョイントベンチャー」では、一時的な下落とは認められない投資の価値の下落について損失を認識することを要求している。会社は、事業計画の進捗状況や事業環境のような定性的要素と、将来の事業計画を基礎として算定されたディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額と帳簿価額との比較のような定量的要素を総合的に勘案し、投資の価値の下落が一時的か否かを評価している。当該評価に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りには、将来事業計画に反映されている売上高成長率や利益率及び加重平均資本コストをもとに算定した割引率といった重要な仮定が用いられている。   AliveCor, Inc.が属する市場は成長途上にあることから、これらの重要な仮定には不確実性があり、当該定性的かつ定量的評価には経営者の主観的な判断を伴うことから、当監査法人は、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 経営者が用いた重要な仮定の妥当性を含め、投資価値の下落が一時的か否かの判断の妥当性を検討するにあたり実施した手続には、以下が含まれる。   ・AliveCor, Inc.に対する持分法による投資に一時的でない価値の下落が生じているかに対する評価に使用された要素の識別および評価並びに評価結果の妥当性に関連する内部統制の有効性を評価した。   ・事業計画の進捗状況や事業環境など定性的評価に関連する資料を閲覧し、以下の定量的な評価と合わせて、判断の合理性を評価した。   ・将来事業計画について、ヘルスケアビジネスの責任部署に、売上種別ごとの市場規模の拡大予測、各事業の成長率、利益率の変動といった重要な仮定について質問するとともに、利用可能な外部データとの比較や趨勢分析を実施することで合理性を評価した。   ・前年度のディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価において使用した将来事業計画とその実績値を比較し、経営者の見積りプロセスの有効性を評価した。   ・当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、ディスカウント・キャッシュ・フロー法による算定結果の正確性を検証するとともに、重要な仮定である加重平均資本コストをもとに算定した割引率について、算定方法を理解し、利用可能な外部データと比較することで、合理性を評価した。   ・直近でAliveCor, Inc.が実施した類似の株式発行価格と1株当たりの帳簿価額を比較した。

    その他の記載内容

     その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

     当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

     連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

     当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

     その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

    連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

    経営者の責任は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

    連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

    監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

    連結財務諸表監査における監査人の責任

    監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

    監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

    ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

    ・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

    ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

    ・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

    ・連結財務諸表の表示及び注記事項が、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

    ・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

    監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

    監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

    監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

    <内部統制監査>

    監査意見

    当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、オムロン株式会社の2023年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。

    当監査法人は、オムロン株式会社が2023年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

    監査意見の根拠

    当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

    内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

    経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。

    監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。

    なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

    内部統制監査における監査人の責任

    監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。

    監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

    ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。

    ・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。

    ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

    監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

    監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

    利害関係

    会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

    以 上

    ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

    独立監査人の監査報告書

    2023年6月23日
    オムロン株式会社
    取締役会 御中

    有限責任監査法人トーマツ 京都事務所

    指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 佐藤 嘉雄
    指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 川添 健史
    指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 池畑 憲二郎

    監査意見

     当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているオムロン株式会社の2022年4月1日から2023年3月31日までの第86期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。

     当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、オムロン株式会社の2023年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

    監査意見の根拠

     当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

    監査上の主要な検討事項

     監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

    関係会社株式の評価
    監査上の主要な検討事項の 内容及び決定理由 監査上の対応
    財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されている通り、貸借対照表に計上されている関係会社株式には、AliveCor, Inc.に係る株式が10,687百万円含まれている。   市場価格のない株式等の評価については、発行会社の財政状態の悪化または超過収益力等の減少により、実質価額が著しく低下している場合には、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、投資に対する評価損の計上が必要となる。   会社は、AliveCor, Inc.の株式について将来の事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積り額を現在価値に割り引いて、超過収益力を実質価額の評価に反映している。   当該評価に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りには、将来事業計画に反映されている売上高成長率や利益率及び加重平均資本コストをもとに算定した割引率といった重要な仮定が用いられている。   AliveCor, Inc.が属する市場は成長途上にあることから、これらの重要な仮定には不確実性があり、経営者の主観的な判断を伴うことから、当監査法人は、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 経営者が用いた重要な仮定の妥当性の検討を含め、実質価額が著しく低下しているかどうかの判断のために実施した手続には、以下が含まれる。   ・投資に対する損失計上要否に係る判断に関連する内部統制の有効性を評価した。   ・将来事業計画について、ヘルスケアビジネスの責任部署に、売上種別ごとの市場規模の拡大予測、各事業の成長率、利益率の変動といった重要な仮定について質問するとともに、利用可能な外部データとの比較や趨勢分析を実施することで合理性を評価した。   ・前年度の実質価額の算定において使用した将来事業計画とその実績値を比較し、経営者の見積りプロセスの有効性を評価した。   ・当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、ディスカウント・キャッシュ・フロー法による算定結果の正確性を検証するとともに、重要な評価の仮定である加重平均資本コストをもとに算定した割引率について、算定方法を理解し、利用可能な外部データと比較することで、合理性を評価した。   ・直近でAliveCor, Inc.が実施した類似の株式発行価格と1株当たりの帳簿価額を比較した。

    その他の記載内容

    その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

    当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

    財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

    当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

    その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

    財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

    経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

    財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

    監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

    財務諸表監査における監査人の責任

    監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

    監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

    ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

    ・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

    ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

    ・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

    ・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

    監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

    監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

    監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

    利害関係

    会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

    以 上

    ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。