アドビ・インク 外国会社報告書
| 【表紙】 | |
|---|---|
| 【提出書類】 | 外国会社報告書 |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 2022年3月22日 |
| 【事業年度】 | 自 2020年11月28日 至 2021年12月3日 |
| 【会社名】 | アドビ・インク |
| (Adobe Inc.) | |
| 【代表者の役職氏名】 | 会長兼CEO(最高経営責任者) (Chairman and Chief Executive Officer) |
| シャンタヌ・ナラヤン (Shantanu Narayen) | |
| 【本店の所在の場所】 | アメリカ合衆国 95110-2704 カリフォルニア州 サンノゼ、パークアベニュー345 (345 Park Avenue, San Jose, California 95110-2704, U.S.A.) |
| 【代理人の氏名又は名称】 | 弁護士 石 塚 洋 之 |
| 【代理人の住所又は所在地】 | 東京都千代田区丸の内二丁目7番2号 JPタワー 長島・大野・常松法律事務所 |
| 【事務連絡者氏名】 | 弁護士 水 野 幸 大 |
| 【連絡場所】 | 東京都千代田区丸の内二丁目7番2号 JPタワー 長島・大野・常松法律事務所 |
| 【電話番号】 | 03-6889-7000 |
| 【縦覧に供する場所】 | 該当なし |
注1 別段の記載がある場合を除き、本書中の「当社」、「アドビ」、「Adobe」又は「the Company」は、文脈に応じてアドビ・インク、又はアドビ・インク及びその子会社を指す。
注2 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は必ずしも計数の総和と一致しない。
外国会社報告書(開示府令第八号様式に代えて提出するもの)の補足書類(1)
外国会社報告書に記載されている事項のうち、公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるもの(開示府令第17条の3第2項)の要約の日本語による翻訳文
第一部【「第一部 企業情報」の「第2 企業の概況」の「1 主要な経営指標等の推移」】
(別段の記載のある場合を除き、単位は百万ドル)
| 年度(終了した事業年度) | 2021年 12月3日 | 2020年 11月27日 | 2019年 11月29日 | 2018年 11月30日 | 2017年 12月1日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 13,920 | 11,146 | 9,498 | 7,835 | 6,291 |
| 経常利益金額 | 5,802 | 4,237 | 3,268 | 2,840 | 2,168 |
| 当期純利益金額 | 4,822 | 5,260 | 2,951 | 2,591 | 1,694 |
| 純資産額 | 14,797 | 13,264 | 10,530 | 9,362 | 8,460 |
| 総資産額 | 27,241 | 24,284 | 20,762 | 18,769 | 14,536 |
| 1株当たり純資産額 | 31.02 | 27.58 | 21.67 | 19.07 | 17.13 |
| 1株当たり当期純利益金額 | 10.10 | 10.94 | 6.07 | 5.28 | 3.43 |
| 希薄化後1株当たり当期純利益金額 | 10.02 | 10.83 | 6.00 | 5.20 | 3.38 |
| 自己資本比率(%) | 54.3 | 54.6 | 50.7 | 49.9 | 58.2 |
| 自己資本利益率(%) | 32.6 | 39.7 | 28.0 | 27.7 | 20.0 |
| 株価収益率(倍) | 61.04 | 43.60 | 50.99 | 47.52 | 52.34 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 7,230 | 5,727 | 4,422 | 4,029 | 2,913 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | (3,537) | (414) | (456) | (4,685) | (443) |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | (4,301) | (3,488) | (2,946) | (5) | (1,184) |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 3,844 | 4,478 | 2,650 | 1,643 | 2,306 |
| 従業員数(人) | 25,988 | 22,516 | 22,634 | 21,357 | 17,973 |
(注)本項の記載は、外国会社報告書に記載のある事項及び記載のない事項を併せて作成している。
第二部【「第一部 企業情報」の「第2 企業の概況」の「3 事業の内容」】
アドビは1982年に設立され、世界で最も大規模で最も多様化したソフトウェア会社の一つである。当社は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、その他の電子デバイス及びデジタルメディアの形体において魅力的なコンテンツ及びエクスペリエンスの創造、管理、配信、評価、最適化、関与及び取引を行うために、フォトグラファー、動画編集者、グラフィック及びエクスペリエンスデザイナー並びにゲームデベロッパーを含むクリエイティブプロフェッショナル、コンテントクリエイター、学生、マーケター及び知識労働者(ナレッジワーカー)を含むコミュニケーター、あらゆる規模の事業並びに消費者が利用する一連の製品及びサービスを提供している。当社の販売人員及び現地事業所を通じて企業顧客に直接製品及びサービスを売り込み、またアプリケーションストア及び当社のウェブサイトであるwww.adobe.comを通じて、エンドユーザーに当社の製品のライセンスを供与している。当社は、サービスとしてのソフトウェア(以下「SaaS」という。)モデル又は管理サービスモデル(いずれも、ホスト又はクラウドベースという。)のみならず、定期利用モデル及び従量課金モデルを経由して製品の多くを提供している。また、当社は一定の製品及びサービスを、ディストリビューター、付加価値再販業者、システムインテグレーター、独立系ソフトウェアベンダー、小売業者、ソフトウェアデベロッパー及び相手先商標製品製造会社(以下「OEM」という。)とのネットワークを通じて流通させている。更に、当社は製品及びソリューションで使用するためにハードウェアメーカー、ソフトウェアデベロッパー及びサービスプロバイダーに自社技術のライセンスを供与している。当社の製品は、製品によっては、デスクトップコンピュータ及びノートパソコンのみならず、スマートフォン、タブレット及びその他のデバイス並びにウェブサイト上で動作する。当社は、北米及び中南米、欧州、中東及びアフリカ、並びにアジア太平洋で事業を展開している。
当社は当初1983年10月にカリフォルニア州において法人化され、1997年5月にデラウェア州において再法人化された。当社の本社及び主たる施設は95110-2704カリフォルニア州サンノゼ、パークアベニュー345に所在している。当社の電話番号は408-536-6000であり、当社はウェブサイトをwww.adobe.comに有している。投資家は当社の米国証券取引委員会(以下「SEC」という。)への提出書類の写しを同サイト及びSECのウェブサイト(www.sec.gov)から無料で入手することができる。
事業の概況
およそ40年にわたり、当社の技術革新は、あらゆる種類のメディアにおいて、個人、チーム、事業者及び政府がその構成員の関心を引き、交流する方法を変化させてきた。当社は、個人が自らのビジョンを創造、連携及び表現し、能率化されたワークフローにおける魅力的かつパーソナライズされたエクスペリエンスによって事業を変革し、新たなレベルの連携でコミュニケーションをとることができるようなツール及びサービスを配信している。当社のソリューションは、メディア及びデバイスにわたって、また時間及び場所を問わず、通常のインタラクションを、価値のあるデジタルエクスペリエンスに変化させる。
製品、サービス及びソリューションの広範なポートフォリオの提供は継続するが、当社は2つの戦略的成長分野への投資に注力する。
デジタルメディア - 個人、チーム及び企業が、場所を問わずに、コンテンツを作成、公開及び宣伝できるような製品、サービス及びソリューションを提供し、ドキュメント及びクリエイティブコンテンツについて、閲覧、共有及び関与を行う新たな方法を導入することにより、生産性を向上させる。Creative Cloud Express、Photoshop、Illustrator、Lightroom、Premiere Pro、Acrobat、Adobe Sign及びその他の多くの商品を含む、Adobe Creative Cloud及びAdobe Document Cloudが当社のデジタルメディアセグメントの中核であり、クリエイティブプロフェッショナル、コミュニケーター及びその他の顧客に対し幅広いツールを提供している。上記が、当社が数十年以上にわたり顧客に提供してきた主要なものであり、当社は、あらゆるデバイス上で、かつ、全ての種類のプロジェクトにおいて、時間及び場所を問わず、顧客が自らの創造力を最大限に発揮することを可能にする様々な柔軟なソリューションを提供するためビジネスモデルを継続的に進化させ、拡大してきた。
デジタルエクスペリエンス - Adobe Experience Cloudを通じて、あらゆる規模のブランド及び事業が、分析から販売までのカスタマーエクスペリエンスを創造、管理、実行、評価、収益化及び最適化することを可能にする、一体的なプラットフォームおよびアプリケーションのセットを提供する。当社の顧客には、C-Suiteのマーケター、アドバタイザー、代理店、パブリッシャー、マーチャンダイザー、マーチャント、ウェブアナリスト、データサイエンティスト、デベロッパーが含まれる。当社の提供製品の基盤はAdobe Experience Platformであり、顧客データをリアルタイムアップデートされる信用性の高い顧客プロファイルに変換し、個別化されたデジタルエクスペリエンスの様々なチャンネルにおける提供を数ミリ秒で可能にする人工知能(AI)による深い洞察を用いるカスタマーエクスペリエンスマネジメントに向けたオープンかつ拡張性可能なシステムを、事業及びブランドに提供している。デジタルメディア事業における創造力とデジタルエクスペリエンス事業におけるデータベースツール関する技術により、顧客への包括的なスイートの商品提供が可能となっている。これらのツール及びサービスを通して、当社は、エンドツーエンドワークフロー及びフィードバックループを用いて、顧客が、自らのコンテンツを流通経路及びデバイスにわたってより効率的かつ効果的に作成、管理、評価及び収益化できるよう支援している。
当社は、これらの分野の市場において、リーダーとなる独自の地位にあり、人々がオンライン上でコミュニケーションを行う新たな方法を模索し、事業がデジタル革命に投資を続けていることに伴い、デジタルエクスペリエンスを通じて世界を変えるという当社の使命の重要性がこの上なく高まっていると考えている。これらの分野におけるそれぞれの製品を統合することにより、当社の顧客は、どの企業も目下提供していないソリューション及びサービスの包括的なスイートを利用することが可能になる。更に、当社の顧客は、デジタルエクスペリエンスの提供に引き続き投資しているため、魅力的なコンテンツの作成、管理、配信、評価及び最適化を含む顧客ワークフローに技術革新及び生産性の向上をもたらす当社の能力により、当社は有利な地位を占めることとなった。
セグメント
当社の事業は、3つの報告すべきセグメントである、デジタルメディア、デジタルエクスペリエンス並びにパブリッシング及びアドバタイジングにより構成されている。当社の上級経営陣は、これらのセグメントが、当社の主要な事業であるとの大局的な財務的見解を有している。当社のセグメントは、下記の当社の2つの分野の戦略的な成長機会に連関しており、当社の完成された製品及びソリューションは第三のセグメントであるパブリッシング及びアドバタイジングセグメントに含まれている。
セグメント
2021年度において、当社は当社製品を以下の報告セグメントに分類した。
・ デジタルメディア - 当社のデジタルメディアセグメントは、個人、チーム及び企業が、場所を問わずに、コンテンツを作成、公開及び宣伝し、物事の捉え方、共有や関与の方法を現代化する事で作業効率を上げ、ドキュメント及びクリエイティブコンテンツのコラボレーションを行うことができるような製品、サービス及びソリューションを提供する。当社の顧客には、フォトグラファー、動画編集者、グラフィック及びエクスペリエンスデザイナー並びにゲームデベロッパーをはじめとするクリエイティブプロフェッショナル、コンテントクリエイター、学生、マーケター及び知識労働者(ナレッジワーカー)をはじめとするコミュニケーター並びに消費者が含まれる。
・ デジタルエクスペリエンス - 当社のデジタルエクスペリエンスセグメントは、ブランド及び事業が分析から販売までのカスタマーエクスペリエンスを創造、管理、実行、評価、収益化及び最適化するための統合されたプラットフォーム並びに一連のアプリケーション及びサービスを提供する。当社の顧客には、C-Suiteのマーケター、アドバタイザー、代理店、パブリッシャー、マーチャンダイザー、マーチャント、ウェブアナリスト、データサイエンティスト、デベロッパー及びエグゼクティブが含まれる。
・ パブリッシング及びアドバタイジング - 当社のパブリッシング及びアドバタイジングセグメントには、Eラーニングソリューション、技術文書の出版、web会議、ドキュメント及びフォームのためのプラットフォーム、webアプリケーション開発、ハイエンド印刷及びアドビ・アドバタイジング・クラウドの商品を含む、市場機会に対応した従来の製品及びサービスが含まれる。
第三部【「第一部 企業情報」の「第3 事業の状況」の「2 事業等のリスク」】
当社の事業拡大能力に関するリスク
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行の結果、当社及び当社の顧客が事業を展開する方法に重大な影響が及び、これにより当社の将来の業績及び経営成績全般が影響を受ける期間及びその程度は不透明である。
当社が効果的に競争を展開できない場合、当社の競争上の地位及び経営成績が悪影響を受ける可能性がある。
当社が顧客要求に応えた新製品及びサービス又は既存製品及びサービスの改良版を引き続き開発、獲得、市場投入及び提供することができなければ、当社の経営成績が損なわれる可能性がある。
新技術の導入により、当社の事業及び経営成績が悪影響を受ける可能性がある。
当社は、過去又は将来の投資又は買収により、予期した通りの利益を実現することができない可能性があり、かかる買収による統合は、当社の事業及び経営に支障をきたす可能性がある。
一部の当社製品及びサービス提供が成功するかは、クリエイティブコンテンツ向けの当社のオンラインマーケットプレイスの顧客及びコントリビューターに引き続き魅力を感じさせ、またこれらの者を維持することができるか否かに左右される。
当社の製品又はプラットフォームが、不適切なコンテンツ、とりわけ世論を操作することを目的とした誤解を招くおそれのあるコンテンツの作成又は普及に使用された場合、当社のブランド評価が損なわれ、当社の事業及び財務成績に悪影響が及ぶ可能性がある。
当社の商品提供における、AIをはじめとする前進的な新たな技術の利用に関する社会的及び倫理的な問題は当社の評判を損ない、責任を生む可能性がある。
当社の事業運営に関するリスク
当社が又は当社の代わりに第三者が管理するデータセンターにおけるセキュリティの欠陥により、従業員及び顧客データの秘密性、完全性及び利用可能性が損なわれた場合には、当社は責任を負わされ、当社の評判及び事業に悪影響が及ぶ可能性がある。
当社は、サービスのホスト及び提供並びにデータのアクセス、収集、処理、利用、送信及び保存を、当社及び第三者の双方が管理するデータセンターに依存しており、当該ホステッドサービスに中断若しくは遅延が生じた場合、又はデータ収集若しくはデータ送信に失敗した場合には、当社は責任を負わされ、当社の事業及び評判は悪影響を受ける可能性がある。
当社製品及びシステム又は当社のサプライチェーンのセキュリティの脆弱性により、収益の減少、又は賠償請求が引き起こされる可能性がある。
企業向け提供製品の一部は、広範囲かつ複雑な販売サイクルを有しており、それにより当社の販売サイクルが予測不可能となる可能性がある。
当社の顧客が、当社が予測した通りに定期利用契約を更新しなかった場合、当社の将来の収益及び経営成績が損なわれる可能性がある。
当社は、多国籍企業として、当社の経営に関連する様々なリスクに直面している。
当社が第三者との重要な戦略的業務関係を効果的に管理できなかった場合、当社の事業は悪影響を受ける可能性がある。
第三者による顧客サービス及び技術サポートプロバイダーが顧客の要望に十分に応えることができない場合には、当社の事業が悪影響を受け、当社の財務成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
主要従業員の募集及び維持に失敗した場合、当社の事業は悪影響を受ける可能性がある。
販売、取引先及び流通経路を効果的に管理できなければ、減収につながり、当社の事業が悪影響を受ける可能性がある。
法令及び規制に関するリスク
当社は全世界で法令遵守に関連するリスクの影響を受けやすく、それにより当社の事業に悪影響が及ぶ可能性がある。
規制当局がプライバシー及びセキュリティ問題への注力を強め、法令が拡大されることにより、当社のビジネスモデルが影響を受け、当社が更なる責任を負わされる可能性がある。
当社の知的財産のポートフォリオは、価値のある資産であり、当社は知的財産権(ソースコードを含む。)を、侵害、又は不正コピー、使用若しくは開示から保護することができない可能性がある。
当社により知的財産権が侵害されたと主張する第三者に対する防御に相当程度の費用が発生する可能性がある。
会計原則の変更又はその解釈により、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性がある。
課税に係る規則及び規定の変更又はそれらの解釈により、当社の実効税率は悪影響を受ける可能性がある。
政府機関との契約を締結した場合、当社は、政府調達手続に固有の追加的なリスクにさらされる。
財務業績に関するリスク
定期利用製品の提供により、収益認識のタイミングに関連したリスクが生じる可能性がある。
当社は為替相場の変動に関連する損失を被る可能性があり、また各種通貨の外国為替レートの変動に対するエクスポージャーを効果的にヘッジすることができない可能性がある。
当社ののれん又は償却可能な無形資産が減損となる場合、当社は売上高に対して相当程度の費用の計上を要求される可能性がある。
当社は、41.5億ドルの発行済社債の債務を有しており、また将来他の債務を負う可能性があるが、これにより当社の財務状況及び将来の財務成績が悪影響を受ける可能性がある。
当社の投資ポートフォリオは、金融市場の悪化により減損となる可能性がある。
全般的なリスク要因
当社のディザスタリカバリ計画では適切に対応することができない、大地震、火災、洪水、津波その他の天気事象、停電、電気通信の故障、ソフトウェア又はハードウェアの故障、パンデミック、サイバー攻撃、戦争、テロ攻撃その他の壊滅的な事象が、当社の事業に支障をきたす可能性がある。
気候変動により、当社の事業に長期的な影響が及ぶ可能性がある。
当社が事業を展開している主要各国において現在及び将来の経済状況に関する不確実性、並びに全般的な政治状況のその他の悪変化が、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
収益、利益率若しくは売上高の低下、又は市場のボラティリティにより、一般的に当社株式の市場価格が低下する可能性がある。