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    4502 武田薬品工業 四半期報告書-第145期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

    【表紙】
    【提出書類】 四半期報告書
    【根拠条文】 金融商品取引法第24条の4の7第1項
    【提出先】 関東財務局長
    【提出日】 2021年8月6日
    【四半期会計期間】 第145期第1四半期(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)
    【会社名】 武田薬品工業株式会社
    【英訳名】 Takeda Pharmaceutical Company Limited
    【代表者の役職氏名】 代表取締役社長CEO クリストフ ウェバー
    【本店の所在の場所】 大阪府大阪市中央区道修町四丁目1番1号(上記は登記上の本店所在地で実際の業務は「最寄りの連絡場所」で行っております。)
    【電話番号】 該当なし
    【事務連絡者氏名】 該当なし
    【最寄りの連絡場所】 東京都中央区日本橋本町二丁目1番1号(武田薬品工業株式会社武田グローバル本社)
    【電話番号】 東京(3278)2111(代表)
    【事務連絡者氏名】 グローバルファイナンス チーフアカウンティングオフィサー&コーポレートコントローラー 竹田 徳正
    【縦覧に供する場所】 武田薬品工業株式会社武田グローバル本社(東京都中央区日本橋本町二丁目1番1号)株式会社東京証券取引所(東京都中央区日本橋兜町2番1号)株式会社名古屋証券取引所(名古屋市中区栄三丁目8番20号)証券会員制法人福岡証券取引所(福岡市中央区天神二丁目14番2号)証券会員制法人札幌証券取引所(札幌市中央区南一条西五丁目14番地の1)

    第一部 【企業情報】

    第1 【企業の概況】

    1 【主要な経営指標等の推移】

    回次 第144期前第1四半期 第145期当第1四半期 第144期(前年度)
    会計期間 自 2020年4月1日至 2020年6月30日 自 2021年4月1日至 2021年6月30日 自 2020年4月1日至 2021年3月31日
    売上収益 (百万円) 801,850 949,603 3,197,812
    税引前四半期(当期)利益 (百万円) 130,291 222,978 366,235
    四半期(当期)利益 (百万円) 82,519 137,726 376,171
    親会社の所有者に帰属する四半期(当期)利益 (百万円) 82,511 137,684 376,005
    四半期(当期)包括利益 (百万円) 97,258 197,005 697,416
    資本合計 (百万円) 4,690,764 5,238,643 5,177,177
    資産合計 (百万円) 12,613,852 12,657,234 12,912,293
    基本的1株当たり四半期(当期)利益 (円) 52.93 87.96 240.72
    希薄化後1株当たり四半期(当期)利益 (円) 52.69 87.45 238.96
    親会社所有者帰属持分比率 (%) 37.2 41.4 40.1
    営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円) 145,861 166,858 1,010,931
    投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円) 662 △70,445 393,530
    財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円) △192,765 △411,038 △1,088,354
    現金及び現金同等物の四半期末(期末)残高 (百万円) 589,787 654,920 966,222

    (注) 1.当社は要約四半期連結財務諸表を作成しておりますので、提出会社の主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

    2.記載金額は百万円未満を四捨五入して表示しております。

    3.本報告書においては、第1四半期連結会計期間および第1四半期連結累計期間を「第1四半期」、前連結会計年度を「前年度」と記載しております。

    4.前年度の指標は、国際会計基準(以下、「IFRS」)により作成された連結財務諸表に基づいております。前第1四半期および当第1四半期の指標は、IAS第34号に準拠して作成された要約四半期連結財務諸表に基づいております。

    2 【事業の内容】

    当第1四半期において、当社グループ(当社および当社の関係会社)が営む事業の内容に重要な変更はありません。なお、主要な関係会社の異動は、以下のとおりであります。

    当第1四半期において、新たに1社を連結の範囲に含めており、主にShire社買収により引き継いだ子会社の合併および清算により、9社を連結の範囲から除外しております。また、1社を持分法適用の範囲に含め、1社を持分法適用の範囲から除外しております。

    この結果、2021年6月30日現在では、当社グループは、当社と連結子会社231社(パートナーシップを含む)、持分法適用関連会社21社を合わせた253社により構成されることとなりました。

    第2 【事業の状況】

    1 【事業等のリスク】

    当第1四半期において、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の異常な変動等または、前年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

    なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による影響と当社の取り組みは、「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

    2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

    (1) 業績の概要

    当期(2021年4-6月期)の連結業績は、以下のとおりとなりました。

    (単位:億円、%以外)
    前年同期 当期 対前年同期
    売上収益 8,019 9,496 1,478 18.4%
    売上原価 △2,381 △2,413 △32 1.3%
    販売費及び一般管理費 △2,024 △2,198 △175 8.6%
    研究開発費 △1,068 △1,225 △157 14.7%
    製品に係る無形資産償却費及び減損損失 △1,042 △1,028 14 △1.4%
    その他の営業収益 637 111 △526 △82.6%
    その他の営業費用 △468 △258 210 △44.9%
    営業利益 1,673 2,486 813 48.6%
    金融収益及び費用(純額) △272 △252 20 △7.4%
    持分法による投資損益 △98 △4 94 △96.3%
    税引前四半期利益 1,303 2,230 927 71.1%
    法人所得税費用 △478 △853 △375 78.5%
    四半期利益 825 1,377 552 66.9%

    〔売上収益〕

    売上収益は、前年同期から1,478億円増収(+18.4%)の9,496億円となりました。前年同期の実勢為替レートを当期に適用することにより算出した為替影響を除くと、売上収益は14.3%の増収となります。2021年4月、当社は、日本における糖尿病治療剤ポートフォリオの1,330億円での帝人ファーマ株式会社への譲渡を完了し、これを売上収益に計上しました。当該譲渡価額は、売上収益の増加のうち、16.6パーセントポイント(以下、「pp」)を占めます。なお、当該譲渡価額を除くと、当期の売上収益は1.8%の増収となります。

    当社の主要な疾患領域(消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤(免疫疾患)、オンコロジー、およびニューロサイエンス(神経精神疾患))はそれぞれ全社の売上収益の増収に貢献しました。しかしながら、希少疾患と血漿分画製剤(免疫疾患)における一部の製品は、競争の激化や後発品の浸透、出荷タイミングによる影響を受け、円安によるプラス影響を除くと両領域は減収となります。当期の売上収益は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のグローバルな流行拡大に大きく影響を受けることがありませんでした。

    当社の主要な疾患領域以外の売上収益は、主に日本における糖尿病治療剤ポートフォリオの譲渡価額1,330億円が事業等の売却影響を吸収し、1,018億円増収(+72.8%)の2,416億円となりました。

    各疾患領域における売上収益の前年同期からの増減は、主に以下の製品によるものです。

    ・消化器系疾患

    消化器系疾患領域の売上収益は、前年同期から236億円増収(+12.6%)の2,105億円となりました。当社のトップ製品である潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」(国内製品名:「エンタイビオ」)の売上が伸長し、前年同期から241億円増収(+23.9%)の1,254億円となり、売上成長を牽引しました。本剤は需要の増加により、米国内の売上が、前年同期から122億円増収(+17.1%)の837億円となり、欧州およびカナダにおける売上は、前年同期から86億円増収(+35.6%)の327億円となりました。成長新興国においては、主にブラジルおよび中国における売上が伸長しました。酸関連疾患治療剤「タケキャブ」も、逆流性食道炎や低用量アスピリン投与時における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発抑制等の効能を中心として、日本において新規処方が拡大し、売上は41億円増収(+20.1%)の243億円となりました。慢性便秘症治療剤「AMITIZA」は、2021年1月の米国における後発品参入により、売上は41億円減収(△65.8%)の21億円となりました。

    ・希少疾患

    希少疾患領域の売上収益は、前年同期から5億円微増(+0.3%)の1,555億円となりました。

    希少代謝性疾患領域の売上収益は、43億円増収(+10.9%)の443億円となりました。酵素補充療法のファブリー病治療剤「リプレガル」、ゴーシェ病治療剤「ビプリブ」およびハンター症候群治療剤「エラプレース」の売上は、需要の増加と円安の影響により増収となりました。

    希少血液疾患領域の売上収益は、46億円減収(△5.9%)の722億円となりました。「アドベイト」は30億円減収(△8.9%)の307億円となりました。「アディノベイト」は、円安の影響もあり、1億円増収(+0.6%)の154億円となりました。いずれも、米国の血友病Aのインヒビター非保有市場における競争の激化による影響を受けました。また、「ファイバ」の売上は、15億円減収(△11.3%)の114億円となりました。

    遺伝性血管性浮腫領域の売上収益は、7億円増収(+1.8%)の390億円となりました。「TAKHZYRO」は、主に欧州におけるプレフィルドシリンジ製剤を含む上市により、22億円増収(+9.6%)の255億円となりました。「フィラジル」は、主に米国における後発品参入の影響が続き、12億円減収(△15.1%)の69億円となりました。

    ・血漿分画製剤(免疫疾患)

    血漿分画製剤(免疫疾患)領域の売上収益は、前年同期から19億円増収(+1.8%)の1,072億円となりました。免疫グロブリン製剤の売上合計は、35億円減収(△4.1%)の816億円となりました。特に、原発性免疫不全症(PID)と多巣性運動ニューロパチー(MMN)の治療に用いられる静注製剤「GAMMAGARD LIQUID」の売上は、前年度の第4四半期の売上が大きくなった出荷タイミングの影響を主として減少しました。一方、皮下注製剤である「CUVITRU」は引き続き2桁台の増収率となりました。また、主に血液量減少症と低アルブミン血症の治療に用いられる「HUMAN ALBUMIN」と「FLEXBUMIN」を含むアルブミン製剤の売上合計は、前年度の下期に影響を与えた「HUMAN ALBUMIN」の中国における一時的な出荷中断が解消されたことにより、前年同期から48億円増収(+36.8%)の178億円となりました。

    ・オンコロジー

    オンコロジー領域の売上収益は、前年同期から134億円増収(+12.4%)の1,214億円となりました。多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」の売上は、前年同期から59億円増収(+24.6%)の301億円となりました。米国外の売上にかかるロイヤルティ収益は、後発品の浸透により前年同期から3億円の減収(△30.8%)となりましたが、米国内の売上は、COVID-19が流行拡大し処方者が点滴や注射よりも経口投与の薬剤を選好したことで売上が低下していた前年同期と比べ、当期は需要の回復があったことから63億円の増収(+27.3%)となりました。多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」の売上は、前年同期から14億円増収(+6.3%)の244億円となりました。「ニンラーロ」は服薬の利便性が高い経口投与の製品特性から、医療機関での点滴や注射を必要としないため、COVID-19拡大下において特に前年度の最初の数ヶ月において一時的に需要が増加しました。その後、この傾向は米国では正常化しましたが、他の国々、特に中国において需要が増加しました。また、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」の売上は、2020年5月に承認された中国を中心に成長新興国において伸長し、前年同期から21億円増収(+14.2%)の172億円となりました。子宮内膜症・子宮筋腫・閉経前乳がん・前立腺がん等の治療に用いられる特許満了製品の「リュープリン」(一般名:「リュープロレリン」)は、主に日本における後発品の浸透および競合品の影響により、前年同期から12億円減収(△4.3%)の262億円となりました。

    ・ニューロサイエンス(神経精神疾患)

    ニューロサイエンス(神経精神疾患)領域の売上収益は、前年同期から66億円増収(+6.1%)の1,134億円となりました。注意欠陥/多動性障害(ADHD)治療剤「バイバンス」(国内製品名:「ビバンセ」)の売上は、前年同期から132億円増収(+20.0%)の792億円となりました。同剤は、COVID-19パンデミックの期間を通じて、特に外出制限期間中の外来患者数および診断数の減少と、服薬の一時的な中断による減収影響を受けました。この傾向は2020年から2021年にかけて変動してきましたが、当期と前年同期を比較すると、処方の増加によるプラス影響がありました。大うつ病(MDD)治療剤「トリンテリックス」の売上は、主に日本での浸透が進んだことにより、前年同期から10億円増収(+5.9%)の179億円になりました。これらの製品の増収は、主に後発品参入による競争の影響を受けたアルツハイマー病治療剤「レミニール」やADHD治療剤「ADDERALL XR」等の他のニューロサイエンス(神経精神疾患)領域の製品の減収によって一部相殺されました。

    地域別売上収益

      (単位:億円、%は売上収益の構成比)    

    売上収益: 前年同期 当期
    日本(注1) 1,440 18.0% 2,590 27.3%
    米国 4,026 50.2% 4,122 43.4%
    欧州およびカナダ 1,576 19.6% 1,787 18.8%
    アジア(日本を除く) 369 4.6% 403 4.2%
    中南米 308 3.8% 301 3.2%
    ロシア/CIS 130 1.6% 123 1.3%
    その他(注2) 169 2.1% 170 1.8%
    合計 8,019 100.0% 9,496 100.0%

    (注1) 当期は、日本における糖尿病治療剤ポートフォリオの譲渡価額1,330億円を含みます。

    (注2) その他の地域は中東、オセアニアおよびアフリカを含みます。

    〔売上原価〕

    売上原価は、前年同期から32億円増加(+1.3%)の2,413億円となり、売上原価率は25.4%(△4.3pp)となりました。この増加は主に、Shire社買収に伴い計上された棚卸資産の公正価値調整等にかかる非資金性の費用が154億円減少したものの、前年同期と比較し当期において円安の影響を受けたことによります。なお、売上原価率の低下は主に、日本において糖尿病治療剤を帝人ファーマ株式会社に譲渡したことに伴い、譲渡価額1,330億円の売上収益を計上したことによるものです。

    〔販売費及び一般管理費〕

    販売費及び一般管理費は、前年同期から175億円増加(+8.6%)の2,198億円となりました。この増加は主に、当期における円安の為替影響に伴うものです。

    〔研究開発費〕

    研究開発費は、主に新規候補物質へのさらなる投資、および当期における円安の為替影響により、前年同期から157億円(+14.7%)増加の1,225億円となりました。

    〔製品に係る無形資産償却費及び減損損失〕

    製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、前年同期から14億円減少(△1.4%)の1,028億円となりました。

    〔その他の営業収益〕

    その他の営業収益は、前年同期から526億円減少(△82.6%)の111億円となりました。この減少は主に、前年同期においてSHP647および関連する権利の売却に関する当社グループの義務を解除する2020年5月の欧州委員会の決定に伴い、当社グループがSHP647に関する臨床試験プログラムを中止する意思決定を行ったことを反映し、それまで計上していた当該プログラムに関連する負債の再見積りを行った結果、602億円の再評価益を計上したことによるものです。

    〔その他の営業費用〕

    その他の営業費用は、前年同期から210億円減少(△44.9%)の258億円となりました。この減少は主に、前年同期において当社グループが譲渡したXIIDRAにかかる条件付対価契約に関連する資産の公正価値の変動により、186億円の損失を計上したこと、またShire社との統合費用の減少に伴い、事業構造再編費用が対前年同期から81億円減少したことによるものです。これらの減少は、承認前在庫にかかる評価損が45億円増加したことにより一部相殺されております。

    〔営業利益〕

    営業利益は、上記の要因を反映し、前年同期から813億円増益(+48.6%)の2,486億円となりました。

    〔金融損益〕

    金融収益と金融費用をあわせた金融損益は252億円の損失となり、前年同期から損失が20億円減少しました。当期の金融損失の減少は主に、これまで持分法適用会社であったMaverick Therapeutics社を2021年4月に買収したことに伴い、投資の再測定に係る利益を計上したことによるものです。この影響は、当社グループが保有するワラントの時価評価に伴うマイナスの影響により一部相殺されております。

    〔持分法による投資損益〕

    当期の持分法による投資損益は、前年同期の持分法による投資損失から94億円減少の4億円の損失となりました。この減少は主に、武田テバファーマ株式会社で認識された減損損失に対する当社グループ持分相当額を前年同期に計上したことによるものです。なお、前年同期に認識された減損損失は、武田テバファーマ株式会社においてジェネリック医薬品事業の一部および製造拠点の売却を決定したことによる関連資産の回収可能価額の再評価によるものです。

    〔法人所得税費用〕

    法人所得税費用は、前年同期から375億円増加の853億円となりました。この増加は主に、2014年にShire社がAbbVie社からの買収申し出の取下げに関連して受領した違約金に対するアイルランドでの課税を巡る税務評価から生じた税金および利息の合計と関連する税務便益5億円との純額627億円ならびに税引前四半期利益の増加によるものです。これらの増加は、グループ内の組織再編により当期に認識された税務上の便益および外国子会社合算税制による課税額の減少により一部相殺されております。

    〔四半期利益〕

    四半期利益は、上記の要因を反映し、前年同期から552億円増益の1,377億円となりました。

    当期(2021年4-6月期)における実質的な成長の概要

    Coreと実質的な成長の定義

    当社は、事業の計画策定および業績評価において、「実質的な成長」(Underlying Growth)の概念を採用しております。

    「実質的な成長」は、当年度と前年度(四半期もしくは年間)の業績を共通の基準で比較するものであり、マネジメントによる業績評価に使用されています。これら共通の基準で比較される業績は、年間計画レートを用いた為替レートを一定として、事業等の売却影響およびその他の非定常的もしくは特別な事象に基づく影響、本業に起因しない(非中核)事象による影響を控除し算定されます。当社は、この「実質的な成長」が、事業活動のパフォーマンスを表す共通の基準を提供するため、投資家に有用であると考えています。なお、本指標は、国際会計基準(IFRS)に準拠したものではありません。

    当社は、「Underlying Revenue Growth」(実質的な売上収益の成長)、「Underlying Core Operating Profit Growth」(実質的なCore営業利益の成長)および「Underlying Core EPS Growth」(実質的なCore EPSの成長)を重要な財務指標としています。

    実質的な売上収益は、為替レートを一定として、財務ベースの売上収益に、報告期間における非定常的な事象に基づく影響および事業等の売却影響を調整して計算します。

    実質的なCore営業利益は、為替レートを一定として、Core営業利益(以下に定義)に、報告期間における事業等の売却影響を調整して計算します。

    実質的なCore EPSは、為替レートを一定として、純利益から、事業等の売却影響、およびCore EPS(以下に定義)の算出において控除された項目を調整した後、比較年度末の自己株式控除後の発行済株式総数で除して算定します。

    Core売上収益は、売上収益から、重要性のある本業に起因しない(非中核)事象による影響を控除して算出します。

    Core営業利益は、純利益から、法人所得税費用、持分法にかかる投資損益、金融損益、その他の営業収益およびその他の営業費用、製品に係る無形資産償却費及び減損損失を控除して算出します。その他、非定常的な事象に基づく影響、企業買収に係る会計処理の影響や買収関連費用など、本業に起因しない(非中核)事象による影響を調整します。

    Core EPSは、純利益から、Core営業利益の算出において控除された項目と営業利益以下の各科目のうち、重要性のある、非定常的もしくは特別な事象に基づく影響、本業に起因しない(非中核)事象による影響を調整します。これらには、条件付対価に係る公正価値変動(時間的価値の変動を含む)影響などが含まれます。さらに、これらの調整項目に係る税金影響を控除した後、報告期間の自己株式控除後の平均発行済株式総数で除して算定します。

    実質的な業績

    当期
    実質的な売上収益の成長 +3.8%
    実質的なCore営業利益の成長 △2.1%
    実質的なCore営業利益率 30.5%
    実質的なCore EPSの成長 +3.9%

    〔実質的な売上収益の成長〕

    実質的な売上収益の成長は、前年同期から+3.8%となりました。タケダの14のグローバル製品(注)の実質的な売上収益は、「GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG」の減収影響があったものの、前年同期から+6.8%成長しました。

    (注)タケダの14のグローバル製品
    消化器系疾患:エンティビオ、GATTEX/REVESTIVE、ALOFISEL
    希少疾患:NATPARA/NATPAR、アディノベイト、TAKHZYRO、エラプレース、ビプリブ
    血漿分画製剤(免疫疾患):GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、HYQVIA、CUVITRU、HUMAN ALBUMIN/FLEXBUMIN
    オンコロジー:ニンラーロ、アルンブリグ

    疾患領域別の実質的な売上収益の成長(注) 当期
    消化器系疾患 +7.9%
    希少疾患 △3.4%
    希少代謝性疾患 +6.6%
    希少血液疾患 △9.4%
    遺伝性血管性浮腫 △1.7%
    血漿分画製剤(免疫疾患) △1.8%
    オンコロジー +8.9%
    ニューロサイエンス(神経精神疾患) +2.9%
    その他 +9.0%
    合計 +3.8%

    (注) 実質的な売上収益は、為替レートを一定として、非定常的な事象に基づく影響および事業等の売却影響を調整します。本調整前の疾患領域別の売上収益や主要な製品売上については「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績の概要 〔売上収益〕」をご参照ください。

    実質的な売上収益の計算において控除した主な非定常的な事象に基づく影響および事業等の売却影響は次の通りです。

    ・2020年11月に売却が完了したアジア太平洋における一部の一般用医薬品および非中核資産に係る前年同期の売上収益を控除して調整しております。

    ・2020年12月に売却が完了した主に欧州における一部の非中核資産である医療用医薬品に係る前年同期の売上収益を控除して調整しております。

    ・2021年1月に売却が完了した中南米における一部の一般用医薬品および非中核資産に係る前年同期の売上収益を控除して調整しております。

    ・2021年1月に売却が完了した「TachoSil」(手術用パッチ剤)の前年同期の売上を控除して調整しております。

    ・2021年3月に売却が完了した主に欧州における一部の一般用医薬品および非中核資産に係る前年同期の売上収益を控除して調整しております。

    ・2021年3月に売却が完了した従来子会社であった武田コンシューマーヘルスケア株式会社の前年同期の売上収益を控除して調整しております。

    ・2021年4月1日に売却が完了した日本における糖尿病治療剤ポートフォリオ(ネシーナ錠、リオベル配合錠、イニシンク配合錠、ザファテック錠)に係る前年同期の売上を控除して調整しております。また、売却完了により計上された非定常的な譲渡価額1,330億円は当期の売上収益から控除して調整しております。

    ・売却が公表され、当年度上期中の売却完了を見込んでいた中国における一部の非中核資産である医療用医薬品に係る当期と前年同期の売上収益を控除して調整しております。

    〔当期の実質的なCore営業利益の成長〕

    当期の実質的なCore営業利益の成長は、研究開発投資の増加を反映し、前年同期から△2.1%となりました。

    日本における糖尿病治療剤ポートフォリオの売却など、当社の本業に起因しない(非中核)事象による影響を控除した当期のCore営業利益は2,489億円となりました。

    〔当期の実質的なCore営業利益率〕

    当期の実質的なCore営業利益率は、30.5%となりました。

    〔当期の実質的なCore EPSの成長〕

    当期の実質的なCore EPSの成長は、+3.9%となりました。

    (2) 財政状態の分析

    〔資産〕

    当第1四半期末における資産合計は、前年度末から2,551億円減少し、12兆6,572億円となりました。現金及び現金同等物が3,113億円減少し、また、無形資産が主に償却により527億円減少しました。これらの減少は、売上債権及びその他の債権の増加442億円および棚卸資産の増加253億円と一部相殺されております。

    〔負債〕

    当第1四半期末における負債合計は、前年度末から3,165億円減少し、7兆4,186億円となりました。社債及び借入金は、借入金の返済および社債の償還の結果、前年度末から2,295億円減少の4兆4,059億円(注)となりました。さらに、引当金が638億円減少しております。

    (注) 当第1四半期末における社債及び借入金の帳簿価額はそれぞれ3兆5,240億円および8,819億円です。なお、社債及び借入金の内訳は以下の通りです。

    社債:

    銘柄 (外貨建発行額) 発行時期 償還期限 帳簿価額
    米ドル建無担保普通社債(1,520百万米ドル) 2015年6月 2022年6月~2045年6月 1,679億円
    米ドル建無担保普通社債(5,500百万米ドル) 2016年9月 2023年9月~2026年9月 5,788億円
    ユーロ建無担保普通社債(5,250百万ユーロ) 2018年11月 2022年11月~2030年11月 6,858億円
    米ドル建無担保普通社債(3,250百万米ドル) 2018年11月 2023年11月~2028年11月 3,571億円
    ハイブリッド社債(劣後特約付社債) 2019年6月 2079年6月 4,976億円
    米ドル建無担保普通社債(7,000百万米ドル) 2020年7月 2030年3月~2060年7月 7,677億円
    ユーロ建無担保普通社債(3,600百万ユーロ) 2020年7月 2027年7月~2040年7月 4,691億円
    合計 3兆5,240億円

    借入金:

    名称 (外貨建借入額) 借入時期 返済期限 帳簿価額
    シンジケートローン 2016年4月 2023年4月~2026年4月 2,000億円
    2017年4月 2027年4月 1,135億円
    〃 (1,500百万米ドル) 2017年4月 2027年4月 1,654億円
    株式会社国際協力銀行(1,700百万米ドル) 2019年1月 2025年12月 1,878億円
    その他のバイラテラルローン 2016年3月~2017年4月 2023年3月~2026年3月 2,100億円
    その他 51億円
    合計 8,819億円

    当社グループは、2017年7月に発行した米ドル建無担保普通社債の残高200百万米ドルについて、2022年1月18日の償還期日に先立ち、2021年5月17日に繰上償還を実行しました。その後、当社グループは、2018年12月3日に契約締結した株式会社国際協力銀行ローンの残高3,700百万米ドルのうち2,000百万米ドルについて、2025年12月11日の返済期日に先立ち、2021年6月11日に繰上返済を実行しました。

    〔資本〕

    当第1四半期末における資本合計は、前年度末から615億円増加の5兆2,386億円となりました。この増加は、主に円安の影響による為替換算調整勘定の変動によりその他の資本の構成要素が590億円増加したことによるものです。

    〔キャッシュ・フロー〕

    (単位:億円)

    前年同期(2020年4-6月期) 当期(2021年4-6月期)
    営業活動によるキャッシュ・フロー 1,459 1,669
    投資活動によるキャッシュ・フロー 7 △704
    財務活動によるキャッシュ・フロー △1,928 △4,110
    現金及び現金同等物の増減額 △462 △3,146
    現金及び現金同等物の期首残高 6,376 9,662
    現金及び現金同等物に係る換算差額 △16 33
    現金及び現金同等物の期末残高 5,898 6,549

    営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期1,459億円から210億円増加の1,669億円となりました。これは非資金項目およびその他の調整項目を調整後の四半期利益が増加したことによるものです。調整項目には、前年同期におけるパイプラインSHP647および関連する権利の売却に関する義務の解除による収益の調整が含まれます。この増加は、引当金の減少および棚卸資産の増加による影響と一部相殺されております。

    投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期7億円から711億円減少の△704億円となりました。これは主に、投資の売却、償還による収入が440億円減少し、事業取得による支出(取得した現金及び現金同等物控除後)が275億円増加したことによるものです。

    財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期△1,928億円から2,183億円減少の△4,110億円となりました。これは主に、社債の償還及び長期借入金の返済による支出が2,329億円増加したことによるものです。この減少は、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーにおける増加影響100億円と一部相殺されております。

    (3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

    当第1四半期において、経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。

    なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による影響と当社の取り組みに関する状況は以下のとおりです。

    ① 当社の経営成績および財政状態に対するCOVID-19影響

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大が起きてから一年以上が経過しましたが、当社は、引き続きあらゆる取り組みを行っており、業界としても様々な支援を行っております。COVID-19に対するワクチンが広く普及しつつありますが、当社は、過去一年間実施してきた既存の当社プロトコールに加えて、各国・地域の公衆衛生関連規制を引き続き遵守し、COVID-19が当社の事業活動に及ぼす潜在的な影響を注視してまいります。

    当社は、当社製品の需要動向について注視しておりますが、当社の医薬品は病院での待機手術を要しない重篤な慢性疾患や生命を脅かす恐れのある疾患に対するものが多く、これまでのところ影響は限定的です。グローバルなサプライチェーンにおいては、COVID-19の大流行による製品供給の重大な問題は発生しておらず、また、発生の可能性を予測しておりません。

    COVID-19の流行拡大が起きてから、当社は渡航制限や業界関連団体の集会への参加自粛、当社主催の集会の休止等、特定の事業活動を継続して自主的に制限しましたが、各国・地域のガイドラインに従い、ワクチン接種率が高く新規感染者率が低い地域では徐々に制限を緩和しております。さらに、外勤の従業員については、医療従事者との対面の訪問業務を一部再開したものの、現在も大部分はバーチャルで実施しております。対面の訪問業務は、医療従事者の合意の下でのみ、当社が定める厳格な感染予防対策に加え、公衆衛生上求められる対策および医療機関から求められる追加の対策も行った上で実施しております。

    新たな臨床試験については、COVID-19の流行拡大の初期に、大部分の臨床試験の開始を一時的に休止しました。同時に、すでに進行中の臨床試験についても、一部の例外を除き、新たな試験実施施設の組み入れならびに新規患者さんの登録を一時的に休止しましたが、これは一時的な措置であり、前年度のうちに大部分の臨床試験は再開しております。

    金融市場の動向は注視を続けており、流動性や資金調達に係る問題は現在見込んでおりません。

    ② COVID-19影響軽減のための当社の取り組み

    当社は、バリュー(価値観)に基づき、従業員の健康・安全確保、当社医薬品を必要とされている患者さんへの提供、当社従業員が就業・居住するコミュニティでの感染の軽減およびサポートを中心に引き続き取り組んでおります。

    COVID-19流行拡大に対する当社の取り組みについて、当期における主なアップデートは次の通りです。

    ・当社は、COVID-19収束後のいわゆるポストコロナの時代におけるバーチャルやハイブリッドな働き方が従業員に及ぼす長期的な影響を考慮に入れることができるように、また、優れた職場環境を実現できるように、新しい働き方について数ヶ月に亘り評価してまいりましたが、一部の職場から、新しい働き方であるハイブリッドモデルの導入を開始しております。本モデルは画一的なものではなく、基本方針やグローバルなガイドラインおよびツールを提供することで、当社のリーダーやマネジャーがCOVID-19収束後の各職場の実情に応じたハイブリッドモデルを決定し導入できるようにしております。

    ・当社は、COVID-19に対処するため様々な取り組みを世界中で行っておりますが、一例としては、二つの提携案件を通じてCOVID-19ワクチンを日本に供給することがあります。一つ目は、Novavax社のCOVID-19ワクチン候補であるNVX-CoV2373(日本での開発コード:TAK-019)の日本における開発、製造、流通に関する提携です。二つ目は、Moderna社のCOVID-19 mRNAワクチン(日本での開発コード:TAK-919)の日本への輸入および供給に関するModerna社および厚生労働省との提携です。2021年5月、当社は日本における「TAK-919」の安全性および免疫原性を評価する国内臨床第1/2相試験の良好な結果を受けて、厚生労働省より製造販売承認を取得し、日本における供給を開始しております。当初、当社はModerna社および厚生労働省と、5,000万回接種分の同ワクチンを日本において供給する三者間契約を締結しましたが、2021年7月には、同ワクチンを追加で早ければ2022年初頭から5,000万回接種分を輸入し、日本において供給する追加の三者間契約を締結したことを公表しました。これにより二つの契約をあわせて、合計1億回接種分を供給することになります。なお、2021年7月の契約には、Moderna社による開発が成功し、厚生労働省より製造販売の承認が得られた場合には、新型コロナウイルスの変異株に対応するワクチンや追加接種に用いるワクチンを日本国内へ供給する可能性も含まれています。

    ③ 2021年度第1四半期実績におけるCOVID-19影響

    当期におけるCOVID-19のグローバルな流行拡大に伴う業績への影響は、軽微でありました。COVID-19が流行している期間においては、ニューロサイエンス(神経精神疾患)といった一部の疾患領域において、外出制限期間中に患者さんの医療機関訪問の頻度が減少する等のマイナス影響が見られてきました。これは当社が事業活動を行っている国々においてCOVID-19が急激に流行拡大した前年同期に顕著でした。以降この動向は変動してきており、COVID-19流行前の水準にまで完全に回復しておりませんが、当社の生命を救う一定数の医薬品はこのような環境下においても耐久力を示し、また、成長を遂げることが出来ています。

    (4) 研究開発活動の内容および成果

    当第1四半期の研究開発費の総額は1,225億円であります。

    当社の研究開発は、サイエンスにより、患者さんの人生を根本的に変えうるような非常に革新性が高い医薬品を創製することに注力しています。当社は、「革新的なバイオ医薬品」、「血漿分画製剤」および「ワクチン」の3つの分野において研究開発活動を実施しています。革新的なバイオ医薬品に対する研究開発は、当社の研究開発投資の中で最も高い比率を占めています。革新的なバイオ医薬品における重点疾患領域(オンコロジー、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患)には未だ有効な治療法が確立されていない疾患に対する高い医療ニーズ(アンメットメディカルニーズ)が存在し、当社はベストインクラスあるいはファーストインクラスとなりうる画期的な新規候補物質を創出してまいりました。これまでの数年間、最近ではShire社の買収によってさらに強化されましたが、当社では新たな研究開発能力、さらには次世代プラットフォームに対して社内および外部との提携によるネットワークを通じて投資し、細胞療法および遺伝子治療の領域の強化を図ってまいりました。

    当社の2021年4月以降の主要な研究開発活動の進捗は、以下のとおりです。

    研究開発パイプライン

    オンコロジー

    世界中のがん患者さんに革新的な新薬をお届けするために努力し、患者さんの生活を改善するという情熱をもって、画期的なイノベーションの探求に取り組んでいます。本疾患領域では、(1)既発売品である「ニンラーロ」、「アドセトリス」、「アイクルシグ」のライフサイクルマネジメントならびに多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群およびその他血液がんのパイプラインへの継続的な研究開発投資を通じた、血液がんにおける基盤的な専門性の構築、(2)既発売品である「アルンブリグ」を含む肺がんを対象とするパイプラインおよび標的を絞った肺がん患者さんを対象とする開発プログラムのさらなる拡充、(3)社外との提携による新規のがん免疫療法標的および次世代基盤技術の追求ならびに革新的な細胞療法の探索、にフォーカスしています。

    [ニンラーロ 一般名:イキサゾミブ]

    ・2021年5月、当社は、「ニンラーロ」について、幹細胞移植歴のない多発性骨髄腫に対する初回治療後の維持療法の治療薬として、厚生労働省より多発性骨髄腫における維持療法の効能又は効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、主に、ランダム化プラセボ対照二重盲検多施設共同国際臨床第3相試験である「TOURMALINE-MM4試験」の結果に基づくものです。本試験では、幹細胞移植歴のない成人の多発性骨髄腫患者を対象に無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目として、本剤による維持療法がPFSを統計学的に有意に改善することが確認されました。ニンラーロの維持療法における安全性プロファイルは、単剤療法における既知の安全性プロファイルと同様であり、「TOURMALINE-MM4試験」で新たな懸念は確認されませんでした。

    [アイクルシグ 一般名:ポナチニブ]

    ・2021年6月、当社は、「アイクルシグ」について、バーチャルで開催される第57回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会および第26回欧州血液学会(EHA)年次総会のオーラルセッションにおいて、臨床第2相試験「OPTIC(Optimizing Ponatinib Treatment In CML)」の主要解析データを発表しました。変異の有無にかかわらず治療抵抗性例の患者群での治療を評価する「OPTIC試験」は主要評価項目を達成しました。慢性期の慢性骨髄性白血病(CP-CML)患者において、「アイクルシグ」1日45mgを開始用量とし、BCR-ABL1IS1%以下達成時に15mgに減量するレジメンにより、同剤の最適なベネフィット・リスクプロファイルが示されました。本試験により、本剤の安全性プロファイルは動脈閉塞イベント(AOE)を含め臨床的に管理可能であることが示唆されました。

    [アルンブリグ 一般名:ブリグチニブ]

    ・2021年6月、当社は、「アルンブリグ」について国内でALK融合タンパクキット「ベンタナ OptiView ALK(D5F3)」(以下、「ベンタナALK」)によりALK融合遺伝子陽性(ALK陽性)が確認された非小細胞肺癌(NSCLC)患者の一次治療に使用が可能となったことを公表しました。「ベンタナALK」は、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社が製造販売する免疫組織化学染色法(IHC法)を測定原理とした体外診断用医薬品で、「アルンブリグ」に対するコンパニオン診断薬として承認されました。蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法に加え、「ベンタナALK」がコンパニオン診断薬として追加承認されたことで、より幅広く、ALK陽性NSCLC患者に対して「アルンブリグ」による治療機会を提供できることとなりました。

    [開発コード:TAK-788 一般名:mobocertinib]

    ・2021年4月、当社は、プラチナ製剤ベースの化学療法による治療歴を有し、米国食品医薬品局(FDA)で承認された検査で検出された上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がんの成人患者に対する治療薬「mobocertinib」の新薬承認申請(NDA)を、FDAが優先審査に指定したことを公表しました。「mobocertinib」は、EGFRエクソン20挿入変異を選択的に標的とするよう特異的に設計された初めての経口治療薬です。今回の新薬承認申請は、主に転移性非小細胞肺がん患者を対象に、経口投与された「mobocertinib」の安全性および有効性を評価する臨床第1/2相試験の結果に基づくものです。この申請はFDAの迅速承認制度により行われました。なお、審査終了目標日(PDUFA date)は2021年10月26日です。

    ・2021年5月、当社は、「mobocertinib」の安全性および有効性を評価する臨床第1/2相試験から、プラチナ製剤ベースの化学療法の治療歴を有する上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異陽性を伴う転移性非小細胞肺がん患者を対象とした最新データを公表しました。試験結果から、「mobocertinib」は1年間の追跡調査後も臨床的に意義のある効果を持続することが示され、バーチャルで開催される第57回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表されました。本試験の結果、全生存期間(OS)の中央値は24ヶ月、フォローアップ期間の中央値は14ヶ月、多様なEGFRエクソン20挿入変異に対して奏功したことが示されました。その他の主要なデータポイントである客観的奏効率(ORR)、奏功期間(DoR)の中央値および病勢コントロール率(DCR)においては、既報データと一貫していました。また、安全性プロファイルにおいても対応可能なもので、既報データと一貫していました。

    ・2021年7月、当社は、中国国家薬品監督管理局(NMPA)の国家食品医薬品監督管理局医薬品審査評価センター (CDE)が、EGFRエクソン20の変異を伴うNSCLCの成人患者を対象とする、クラス‐1イノベーティブドラッグ「mobocertinib」の新薬承認申請(NDA)を受理し、優先審査に指定したことを公表しました。

    希少遺伝子疾患および血液疾患

    当社は、既存の治療パラダイムを変えうる、「TAKHZYRO」を含む遺伝性血管性浮腫に注力するとともに、希少血液疾患および希少代謝性疾患において新たなモダリティとプラットフォームを活用し、特定の疾患に対して機能的な治療を提供していくことを目指します。

    [TAKHZYRO 一般名:ラナデルマブ]

    ・2021年7月、当社は、「TAKHZYRO」300mgを最長2.5年間、2週間間隔で投与した場合の長期の安全性(主要評価項目)および有効性を評価した、 臨床第3相「HELP(遺伝性血管性浮腫の長期抑制)試験の非盲検延長(OLE)試験」で得られた2つの最終解析結果を公表しました。最初の解析では、試験対象集団(n=212)で観察された発作発現回数の平均(最小値、最大値)低下率は、ベースラインと比較して87.4%(-100;852.8)であり、低下率の中央値は97.7%、「TAKHZYRO」の患者への平均投与期間(標準偏差)は29.6ヵ月(8.2)でした。安定期間(投与70日目から投与期間終了時)において、発作発現率はさらに平均92.4%、中央値98.2%まで低下しました。また、追加の解析では、特定の背景および疾患の特徴を有するHAE患者のサブグループにおいて、「TAKHZYRO」は予定されていた132週間の延長投与期間でHAE発作を抑制し、良好な忍容性を示しました。これらのデータは、2021年欧州アレルギー臨床免疫学会議(EAACI:European Academy of Allergy and Clinical Immunology)にて発表されました。

    [ボンベンディ 一般名:フォン・ヴィレブランド因子(遺伝子組換え)]

    ・2021年6月、当社は、フォン・ヴィレブランド病の成人患者(18歳以上)における出血症状の予防または頻度の低下のための「ボンベンディ」の予防投与について、生物製剤承認事項変更申請(sBLA)が米国食品医薬品局(FDA)に受理されたことを公表しました。なお、審査終了目標日(PDUFA date)は2022年1月28日です。

    [開発コード:TAK-620 一般名:maribavir]

    ・2021年5月、当社は、固形臓器移植(SOT)または造血幹細胞移植(HCT)の両移植後の難治性/抵抗性(無しも含む)(R/R)サイトメガロウイルス(CMV)感染の治療薬である「maribavir」について、新薬承認申請(NDA)が米国食品医薬品局(FDA)に受理され、優先審査指定を受けたことを公表しました。この申請はグローバル臨床第3相試験である「TAK-620-303(SOLSTICE)試験」に基づいています。「maribavir」は、FDAから、臨床的に重篤なCMV血症およびCMV感染症リスクの高い患者の治療薬として希少疾病用医薬品指定を受けています。またFDAは、CMV感染およびCMV感染症を有し、既存の治療に抵抗性を有するまたは難治性の移植患者への治療薬として、「maribavir」のBreakthrough Therapy指定を行っています。

    ・2021年6月、当社は、「maribavir」について、臨床第3相試験である「TAK-620-303(SOLSTICE)試験」の固形臓器移植(SOT)患者に関する新たなサブグループ解析結果を、オンラインで開催された2021年米国移植学会議(American Transplant Congress:ATC)において発表しました。ベースラインで難治性/抵抗性(無しも含む)(R/R)サイトメガロウイルス(CMV)感染のSOT患者において、投与8週時(投与期終了時)でCMV血症の消失が達成された割合は、既存の抗ウイルス療法群(治験責任医師が定めた治療法[IAT]で、「ガンシクロビル」、「バルガンシクロビル」、「ホスカルネット」もしくは「シドフォビル」のいずれか1つまたはその併用)(26.1%、18/69)と比較して、「maribavir」投与群では2倍以上(55.6%、79/142)でした(調整群間差[95%信頼区間]:30.5%[17.3, 43.6])。発表された結果は、心臓移植、肺移植および腎移植を受けた患者において「maribavir」投与の一貫した有効性を示しました。

    ニューロサイエンス(神経精神疾患)

    当社は、高いアンメット・ニーズが存在する神経疾患および神経筋疾患を対象に、革新的治療法に研究開発投資をフォーカスし、当社の専門知識やパートナーとの提携を生かし、パイプラインを構築しています。疾患の生物学的理解、トランスレーショナルなツール、革新的なモダリティの進展により、当社は神経変性疾患のうち患者セグメントが明確に定義されている疾患(例えば、パーキンソン病)への治療可能性に特化した投資とともに、希少神経疾患(例えば、ナルコレプシー、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、その他の運動失調症)に主にフォーカスしています。

    [開発コード:TAK-994]

    ・2021年7月、当社は、臨床第2相試験を実施中の経口投与可能なオレキシン2型受容体選択的作動薬である「TAK-994」につき、米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピーの指定を受けたことを公表しました。現在「TAK-994」は、睡眠-覚醒サイクルが変化する慢性神経疾患であるナルコレプシータイプ1(NT1)の患者における日中の過度の眠気(EDS)の治療薬として臨床第2相試験(「TAK-994-1501試験」)を実施中です。「TAK-994」のブレークスルーセラピー指定は、NT1の患者において開発中の当社の経口オレキシン受容体作動薬が日中の覚醒状態の客観的および主観的評価項目において大幅な改善を示す可能性を示唆した、初期段階の予備的臨床データなどに基づくものです。

    消化器系疾患

    消化器系疾患・肝疾患の患者さんに革新的で人生を変えうる治療法をお届けすることにフォーカスしています。「エンティビオ」および「ALOFISEL」といった炎症性腸疾患におけるフランチャイズのポテンシャルを最大化するとともに、「GATTEX/レベスティブ」のスペシャリティ消化器系疾患領域におけるポジショニングを拡大させ、社外との提携を通じて消化管運動関連疾患、セリアック病、厳選した肝疾患における機会を探索し、パイプラインの構築を進めています。

    [GATTEX/レベスティブ 一般名:テデュグルチド]

    ・2021年6月、当社は、短腸症候群の治療剤である「レベスティブ皮下注用3.8mg」(以下、「レベスティブ」)について、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、海外で行われた複数の試験、ならびに国内で小児および成人を対象として実施された臨床第3相試験(「SHP633-302」、「SHP633-305」、「SHP633-306」および「SHP633-307」)等の結果に基づくものです。

    血漿分画製剤

    当社は、血漿分画製剤(PDT)に特化したPDTビジネスユニットを設立し、血漿の収集から製造および商用化まで、エンド・ツー・エンドのビジネスを運営しています。本疾患領域では製品のライフサイクル全体にわたってイノベーションを推進することにより、希少および複雑な疾患に対する血漿分画製剤による治療の価値を最大化させます。血漿分画製剤に特化した研究開発組織は、新たな治療ターゲットの特定、および、現有する製品の製造効率の最適化という役割を担います。PDTでは、世界中で、様々な希少疾患や、生命を脅かす、慢性および遺伝性疾患の患者さんに有効な治療を行う上で不可欠な治療薬を開発することに焦点を絞ります。

    [開発コード:CoVIg-19 (旧 TAK-888) 一般名:抗SARS-CoV-2ポリクローナル高度免疫グロブリン製剤]

    ・2021年4月、「CoVIg-19 Plasma Alliance」は、米国国立衛生研究所(NIH)の一部である米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が出資し実施した臨床第3相試験「Inpatient Treatment with Anti-Coronavirus Immunoglobulin(ITAC)」において、評価項目を達成しなかったことを公表しました。臨床試験において安全性の重大な懸念は認められませんでした。本試験は、重篤な合併症のリスクのある成人のCOVID-19入院患者に対して、抗コロナウイルス高度免疫グロブリン静注製剤(H-Ig)を、「レムデシビル」を含む標準治療に追加投与した際の、疾患進行のリスク低減を評価することを目的としていました。現在も解析は継続中であり、NIAIDおよびINSIGHT Networkは試験の全結果を近く発表する予定です。「ITAC試験」の結果を受けて、「CoVIg-19アライアンス」の取り組みは終了しました。

    ワクチン

    ワクチンでは、イノベーションを活用し、デング熱、新型コロナウイルス感染(COVID-19)、ジカウイルス感染、ノロウイルス感染など、世界で最も困難な感染症に取り組んでいます。当社パイプラインの拡充およびプログラムの開発に対する支援を得るために、政府機関(日本、米国)や主要な世界的機関とのパートナーシップを締結しています。これらのパートナーシップは、当社のプログラムを実行し、それらのポテンシャルを最大限に引き出すための重要な能力を構築するために必要不可欠です。

    [COVID-19ワクチンモデルナ筋注 (開発コード:mRNA-1273、日本での開発コード:TAK-919)]

    ・2021年5月 、当社は日本における「TAK-919」の安全性および免疫原性を評価する国内臨床第1/2相試験の結果を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したことを公表しました。当社はModerna社ならびに厚生労働省の三者間の合意により、「TAK-919」の5,000万回接種分を輸入し供給します。本試験の結果では、28日間の間隔で「TAK-919」0.5 mLを2回接種した被験者の100%に、結合抗体と中和抗体の上昇が本剤の2回目接種28日後に確認できたことが示されました。重大な安全性の懸念は報告されず、忍容性は概ね良好でした。当社は本試験の結果を、2021年3月に提出した新薬承認申請の一部として、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出しました。申請資料には、Moderna社が米国において実施中の臨床第3相試験(COVE試験)の安全性と有効性の結果も含まれています。

    ・2021年5月、「COVID-19ワクチンモデルナ筋注(TAK-919)」について、厚生労働省より医薬品医療機器等法第14条の3に基づく特例承認を取得したことを公表しました。本承認は、米国で実施されたModerna社の臨床第3相試験(COVE試験)の結果と同様の免疫反応が得られた、日本で実施した「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」の安全性および免疫原性を評価する臨床第1/2相試験の結果に基づいています。当社は、日本国内において「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」の供給を開始しました。

    ・2021年7月、当社は、「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」を、追加で早ければ2022年初頭から5,000万回接種分を輸入し、日本において供給することについてModerna社ならびに厚生労働省と合意したことを公表しました。本合意には、Moderna社による開発が成功し、厚生労働省より製造販売の承認が得られた場合には、新型コロナウイルスの変異株に対応するワクチンや追加接種に用いるワクチンを日本国内へ供給する可能性も含まれています。当社は、今回の追加5,000万回接種分と2020年10月に公表済みの5,000万回接種分とを合わせて計1億回接種分を輸入、供給します。

    ・2021年7月、当社は、「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」の日本における添付文書が改訂され、接種対象年齢が12歳以上に拡大されたことを公表しました。今回の改訂は、Moderna社が米国で実施した12歳以上17歳以下の3,732人を対象とした臨床第2/3相試験結果に基づき行われました。本試験では、主要評価項目として設定したワクチン2回目接種28日後の血清中和抗体価及び中和抗体価応答率において、本試験対象の青少年(12歳以上17歳以下)について、ワクチンの発症予防効果が確認された海外第3相試験(「mRNA-1273-P301試験」)の若年成人(18歳以上25歳以下)に対する非劣性が示されました。また、副次評価項目として設定したワクチン2回目接種後2週間以降のワクチン有効率においても高い発症予防効果を有することを示唆する結果が得られました。安全性については、18歳以上の臨床試験の結果と同様に、重大な安全性の懸念は報告されませんでした。

    [開発コード:TAK-003 一般名:デング熱ワクチン]

    ・2021年5月、当社は、「TAK-003」が現在進行中のグローバル臨床第3相試験「TIDES試験(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)」のワクチン接種後3年間にわたる長期評価において、本ワクチンのデング熱感染およびデング熱感染による入院に対して持続的な予防効果(被験者のワクチン接種前のデング熱感染歴の有無を問わない)を示し、懸念されるような安全性リスクも認められなかったことを公表しました。「TIDES試験」には、デング熱流行国であるラテンアメリカやアジア地域において2万人以上の小児・若年層(4歳から16歳)の健常被験者が登録されています。「TIDES試験」の36ヵ月間にわたる追跡調査の安全性および有効性データは、第17回国際渡航医学会(CISTM: Conference of the International Society of Travel Medicine)で発表されました。「TAK-003」の3年間(2回目接種後36ヵ月)にわたる長期評価では、デングウイルスの各血清型(計4種)に対する「TAK-003」のワクチン有効性は、各血清型で異なっていたものの、この結果は、これまで報告してきた結果と一貫性のあるものでした。また、安全性においても全般的に忍容性が良好で、懸念されるような安全性リスクも認められませんでした。病態の増悪のエビデンスは確認されませんでした。「TIDES試験」の36ヵ月間にわたる追跡調査の安全性および有効性データは、欧州連合(EU)およびデング熱流行国における承認申請資料に含まれており、今後、2021年内に承認申請が予定されている米国を含むその他の国々における申請資料にも含まれる予定です。

    将来に向けた研究プラットフォームの構築/研究開発における提携の強化

    自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。

    ・2021年7月、当社とぺプチドリーム株式会社は、2020年12月に公表済みの両社の共同研究および独占的ライセンスの枠組みを拡大し、慢性神経変性疾患において重要な役割を担う複数の中枢神経系(CNS)ターゲットについてペプチド-薬物複合体(Peptide Drug Conjugate」)の創製に向けた取り組みを進めることを公表しました。今回の共同研究の拡大により、神経変性疾患に関連する複数のCNSターゲットに対してTfR1結合ペプチドリガンドを用い、当社がTfR1結合ペプチドと医薬品候補化合物の複合体を作成し、医薬品候補化合物に血液脳関門(BBB)通過能を付与する研究が行うことが可能になります。神経変性疾患に効果的な医薬品の開発で大きな課題となるのが、治療薬物のBBB通過能を高め脳内に送達させる技術です。TfR1結合ペプチド(キャリアペプチド)を各種の治療用化合物に結合させることで、化合物のBBB通過能を高め脳内に取り込まれるため、医薬品としての機能が著しく向上します。このTfR1 BBBシャトルアプローチは、BBBの通過が困難なままである治療法の開発を加速する可能性があります。また、このアプローチは現在治療薬がほとんどないかまたは全く存在しない数多くの神経変性疾患を効果的に治療するために必要とされる、広い脳領域への薬物の生体内分布を可能にする可能性があります。

    ・2021年7月、当社とFrazier Healthcare Partnersは、当社のノロウイルスワクチンの開発および販売を行うバイオ医薬品企業HilleVax, Inc.(HilleVax社)設立に関して提携したことを公表しました。当社は、契約一時対価ならびに将来の売上に応じたキャッシュ・ロイヤルティおよびマイルストンを対価として、HilleVax社へノロウイルスワクチン候補である「HIL-214」(旧開発コード:「TAK-214」)の日本を除く世界における独占的開発および販売の権利を譲渡しました。当社は日本における販売権を保有し、HilleVax社は日本における開発活動をグローバル開発に統合します。ウイルス様粒子技術(VLP)を用いたワクチン候補である「HIL-214」は、4,712例の成人被験者を対象とした無作為割付プラセボ対照臨床第2相後期有効性フィールド試験を完了しています。本試験では、「HIL-214」の良好な忍容性およびノロウイルス感染に起因する中等度から重度の急性胃腸炎に対する予防効果のプルーフ・オブ・コンセプト(proof of concept)が確認されました。本ワクチンについては、これまでに9つの臨床試験が実施されており、4,500例以上の被験者の安全性データおよび2,000例以上の被験者から得られた免疫原性データが集積されています。

    3 【経営上の重要な契約等】

    2021年6月11日、当社グループは、2018年12月3日に締結された株式会社国際協力銀行との間の37億米ドルのローン契約について、20億米ドル分を、当初の返済期限である2025年12月11日の前に、繰上返済しました。

    第3 【提出会社の状況】

    1 【株式等の状況】

    (1) 【株式の総数等】

    ① 【株式の総数】
    種類 発行可能株式総数(株)
    普通株式 3,500,000,000
    3,500,000,000
    ② 【発行済株式】
    種類 第1四半期末現在発行数(株)(2021年6月30日) 提出日現在発行数(株)(2021年8月6日) 上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 内容
    普通株式 1,578,378,220 1,582,252,525 東京、名古屋(以上市場第一部)、福岡、札幌、ニューヨーク各証券取引所 単元株式数は100株であります。
    1,578,378,220 1,582,252,525

    (注)1.米国預託証券(ADS)をニューヨーク証券取引所に上場しております。

    2.2021年7月8日の決定により、2021年7月26日付で第三者割当による新株発行を行いました。これにより発行済株式総数は3,874,305株増加し、1,582,252,525株となっております。 

    3.提出日現在発行数には、2021年8月1日からこの四半期報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。

    (2) 【新株予約権等の状況】

    ① 【ストックオプション制度の内容】

     該当事項はありません。

    ② 【その他の新株予約権等の状況】

      該当事項はありません。

    (3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】

    該当事項はありません。

    (4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

    年月日 発行済株式総数増減数(千株) 発行済株式総数残高(千株) 資本金増減額(百万円) 資本金残高(百万円) 資本準備金増減額(百万円) 資本準備金残高(百万円)
    2021年4月1日~ 2021年6月30日 (注)1,2,3 1,990 1,578,378 980 1,669,125 6,899 1,661,137

    (注)1.発行済株式総数増減数のうち10千株については、新株予約権の行使による増加であります。

      2.発行済株式総数増減数のうち1,462千株については、2021年4月1日付の日本製薬株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換による増加であります。

      3.発行済株式総数増減数のうち518千株については、第三者割当募集株式発行による増加であります。
    発行価格:3,730円   資本組入額:1,865円
    割当先:日本マスタートラスト信託銀行株式会社(株式付与ESOP信託口)

      4.2021年7月8日の決定により、2021年7月26日付で第三者割当による新株発行を行いました。これにより発行済株式総数が3,874千株、資本金および資本準備金がそれぞれ7,138百万円増加しております。

      5.2021年7月1日から2021年7月31日までの間に、新株予約権の行使による発行済株式総数、資本金および資本準備金の増加はありません。

    (5) 【大株主の状況】

    当四半期は第1四半期であるため、記載事項はありません。

    (6) 【議決権の状況】

    ① 【発行済株式】

    2021年6月30日現在

    区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
    無議決権株式
    議決権制限株式(自己株式等)
    議決権制限株式(その他)
    完全議決権株式(自己株式等) (自己保有株式) 普通株式 173,500 普通株式 173,500
    普通株式 173,500
    (相互保有株式) 普通株式 287,000 普通株式 287,000
    普通株式 287,000
    完全議決権株式(その他) 普通株式 1,576,987,200 普通株式 1,576,987,200 15,769,872
    普通株式 1,576,987,200
    単元未満株式 普通株式 930,520 普通株式 930,520 1単元(100株)未満の株式
    普通株式 930,520
    発行済株式総数 1,578,378,220
    総株主の議決権 15,769,872

    (注)1「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、株式付与ESOP信託にかかる信託口が所有する当社株式7,143,700株(議決権71,437個)および役員報酬BIP信託にかかる信託口が所有する当社株式2,320,400株(議決権23,204個)が含まれております。

    2「単元未満株式」欄の普通株式には、自己保有株式86株、株式付与ESOP信託にかかる信託口が所有する当社株式103株及び役員報酬BIP信託にかかる信託口が所有する当社株式102株が含まれております。

    ② 【自己株式等】

    2021年6月30日現在

    所有者の氏名又は名称 所有者の住所 自己名義所有株式数(株) 他人名義所有株式数(株) 所有株式数の合計(株) 発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%)
    (自己保有株式)
    武田薬品工業株式会社 大阪市中央区道修町4丁目1-1 173,500 173,500 0.01
    (相互保有株式)
    天藤製薬株式会社 豊中市新千里東町1丁目5-3 275,000 275,000 0.02
    渡辺ケミカル株式会社 大阪市中央区平野町3丁目6-1 12,000 12,000 0.00
    460,500 460,500 0.03

    (注)上記の自己保有株式および自己保有の単元未満株式86株のほか、株式付与ESOP信託にかかる信託口が所有する当社株式7,143,803株及び役員報酬BIP信託にかかる信託口が所有する当社株式2,320,502株を要約四半期連結財務諸表上、自己株式として処理しております。

    2 【役員の状況】

    該当事項はありません。

    第4 【経理の状況】

    1.要約四半期連結財務諸表の作成方法について

    当社の要約四半期連結財務諸表は、「四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(平成19年内閣府令第64号。以下、「四半期連結財務諸表規則」)第93条の規定により、国際会計基準第34号「期中財務報告」(以下、「IAS第34号」)に基づいて作成しております。

    2.監査証明について

    当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、第1四半期連結会計期間(2021年4月1日から2021年6月30日まで)及び第1四半期連結累計期間(2021年4月1日から2021年6月30日まで)に係る要約四半期連結財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による四半期レビューを受けております。

    1 【要約四半期連結財務諸表等】

    ① 【要約四半期連結損益計算書】

    (単位:百万円)
    注記番号 前第1四半期(自  2020年4月1日  至  2020年6月30日) 当第1四半期(自  2021年4月1日  至  2021年6月30日)
    売上収益 801,850 949,603
    売上原価 △238,078 △241,264
    販売費及び一般管理費 △202,374 △219,843
    研究開発費 △106,821 △122,480
    製品に係る無形資産償却費及び減損損失 △104,250 △102,824
    その他の営業収益 63,732 11,118
    その他の営業費用 △46,774 △25,758
    営業利益 167,285 248,552
    金融収益 19,611 45,851
    金融費用 △46,846 △71,068
    持分法による投資損益 △9,759 △357
    税引前四半期利益 130,291 222,978
    法人所得税費用 13 △47,772 △85,252
    四半期利益 82,519 137,726
    四半期利益の帰属
    親会社の所有者持分 82,511 137,684
    非支配持分 8 43
    合計 82,519 137,726
    1株当たり四半期利益(円)
    基本的1株当たり四半期利益 52.93 87.96
    希薄化後1株当たり四半期利益 52.69 87.45

    ② 【要約四半期連結包括利益計算書】

    (単位:百万円)
    前第1四半期(自  2020年4月1日  至  2020年6月30日) 当第1四半期(自  2021年4月1日  至  2021年6月30日)
    四半期利益 82,519 137,726
    その他の包括利益
    純損益に振り替えられることのない項目
    その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の公正価値の変動 25,518 15,877
    確定給付制度の再測定 △2,286 △57
    23,232 15,819
    純損益にその後に振り替えられる可能性のある項目
    在外営業活動体の換算差額 1,997 28,280
    キャッシュ・フロー・ヘッジ △5,126 12,948
    ヘッジコスト △5,357 2,230
    持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分 △7 2
    △8,493 43,460
    その他の包括利益合計 14,739 59,279
    四半期包括利益合計 97,258 197,005
    四半期包括利益の帰属
    親会社の所有者持分 97,183 196,956
    非支配持分 75 49
    合計 97,258 197,005

    ③ 【要約四半期連結財政状態計算書】

    (単位:百万円)
    注記番号 前年度(2021年3月31日) 当第1四半期(2021年6月30日)
    資産
    非流動資産
    有形固定資産 1,453,917 1,452,172
    のれん 4,033,917 4,058,935
    無形資産 3,909,106 3,856,432
    持分法で会計処理されている投資 112,468 115,751
    その他の金融資産 235,882 258,908
    その他の非流動資産 100,341 95,022
    繰延税金資産 353,769 343,557
    非流動資産合計 10,199,400 10,180,777
    流動資産
    棚卸資産 753,881 779,148
    売上債権及びその他の債権 783,091 827,253
    その他の金融資産 36,598 29,930
    未収法人所得税等 29,623 31,704
    その他の流動資産 122,789 133,307
    現金及び現金同等物 966,222 654,920
    売却目的で保有する資産 20,689 20,195
    流動資産合計 2,712,893 2,476,458
    資産合計 12,912,293 12,657,234
    (単位:百万円)
    注記番号 前年度(2021年3月31日) 当第1四半期(2021年6月30日)
    負債及び資本
    負債
    非流動負債
    社債及び借入金 10 4,613,218 4,381,589
    その他の金融負債 517,677 496,546
    退職給付に係る負債 158,857 160,871
    未払法人所得税 33,690 29,006
    引当金 38,748 35,970
    その他の非流動負債 56,898 58,768
    繰延税金負債 542,852 549,059
    非流動負債合計 5,961,940 5,711,809
    流動負債
    社債及び借入金 10 22,153 24,272
    仕入債務及びその他の債務 343,838 320,645
    その他の金融負債 248,053 233,170
    未払法人所得税 13 145,203 200,926
    引当金 471,278 410,300
    その他の流動負債 542,651 517,468
    流動負債合計 1,773,176 1,706,782
    負債合計 7,735,116 7,418,591
    資本
    資本金 1,668,145 1,669,125
    資本剰余金 1,688,424 1,682,504
    自己株式 △59,552 △42,344
    利益剰余金 1,509,906 1,503,811
    その他の資本の構成要素 366,114 425,163
    親会社の所有者に帰属する持分 5,173,037 5,238,258
    非支配持分 4,140 385
    資本合計 5,177,177 5,238,643
    負債及び資本合計 12,912,293 12,657,234

    ④ 【要約四半期連結持分変動計算書】

    前第1四半期(自  2020年4月1日  至  2020年6月30日)

    (単位:百万円)
    注記番号 親会社の所有者に帰属する持分
    資本金 資本剰余金 自己株式 利益剰余金 その他の資本の構成要素
    在外営業活動体の換算差額 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の公正価値の変動
    2020年4月1日残高 1,668,123 1,680,287 △87,463 1,369,972 91,848 22,891
    四半期利益 82,511
    その他の包括利益 1,957 25,484
    四半期包括利益 82,511 1,957 25,484
    新株の発行 22 22
    自己株式の取得 △2,132
    自己株式の処分 △0 0
    配当 11 △141,858
    その他の資本の構成要素からの振替 19,429 △21,715
    株式報酬取引による増加 10,043
    株式報酬取引による減少(権利行使) △28,878 28,878
    所有者との取引額合計 22 △18,813 26,746 △122,429 △21,715
    2020年6月30日残高 1,668,145 1,661,474 △60,717 1,330,054 93,805 26,660
    (単位:百万円)
    注記番号 親会社の所有者に帰属する持分 非支配持分 資本合計
    その他の資本の構成要素
    キャッシュ・フロー・ヘッジ ヘッジコスト 確定給付制度の再測定 合計 合計
    2020年4月1日残高 △22,730 555 92,564 4,723,483 4,003 4,727,486
    四半期利益 82,511 8 82,519
    その他の包括利益 △5,126 △5,357 △2,286 14,672 14,672 67 14,739
    四半期包括利益 △5,126 △5,357 △2,286 14,672 97,183 75 97,258
    新株の発行 44 44
    自己株式の取得 △2,132 △2,132
    自己株式の処分 0 0
    配当 11 △141,858 △77 △141,935
    その他の資本の構成要素からの振替 2,286 △19,429
    株式報酬取引による増加 10,043 10,043
    株式報酬取引による減少(権利行使) △0 △0
    所有者との取引額合計 2,286 △19,429 △133,903 △77 △133,980
    2020年6月30日残高 △27,856 △4,802 87,807 4,686,763 4,001 4,690,764

    当第1四半期(自  2021年4月1日  至  2021年6月30日)

    (単位:百万円)
    注記番号 親会社の所有者に帰属する持分
    資本金 資本剰余金 自己株式 利益剰余金 その他の資本の構成要素
    在外営業活動体の換算差額 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の公正価値の変動
    2021年4月1日残高 1,668,145 1,688,424 △59,552 1,509,906 400,798 41,983
    四半期利益 137,684
    その他の包括利益 28,208 15,944
    四半期包括利益 137,684 28,208 15,944
    新株の発行 980 6,898
    自己株式の取得 △4,464
    自己株式の処分 △0 0
    配当 11 △141,859
    持分変動に伴う増減額 △2,143
    その他の資本の構成要素からの振替 224 △281
    株式報酬取引による増加 8,547
    株式報酬取引による減少(権利行使) △21,365 21,671
    所有者との取引額合計 980 △5,919 17,208 △143,779 △281
    2021年6月30日残高 1,669,125 1,682,504 △42,344 1,503,811 429,006 57,646
    (単位:百万円)
    注記番号 親会社の所有者に帰属する持分 非支配持分 資本合計
    その他の資本の構成要素
    キャッシュ・フロー・ヘッジ ヘッジコスト 確定給付制度の再測定 合計 合計
    2021年4月1日残高 △68,075 △8,592 366,114 5,173,037 4,140 5,177,177
    四半期利益 137,684 43 137,726
    その他の包括利益 12,948 2,230 △57 59,272 59,272 7 59,279
    四半期包括利益 12,948 2,230 △57 59,272 196,956 49 197,005
    新株の発行 7,878 7,878
    自己株式の取得 △4,464 △4,464
    自己株式の処分 0 0
    配当 11 △141,859 △141,859
    持分変動に伴う増減額 △2,143 △3,804 △5,948
    その他の資本の構成要素からの振替 57 △224
    株式報酬取引による増加 8,547 8,547
    株式報酬取引による減少(権利行使) 307 307
    所有者との取引額合計 57 △224 △131,734 △3,804 △135,539
    2021年6月30日残高 △55,126 △6,362 425,163 5,238,258 385 5,238,643

    ⑤ 【要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書】

    (単位:百万円)
    注記番号 前第1四半期(自  2020年4月1日  至  2020年6月30日) 当第1四半期(自  2021年4月1日  至  2021年6月30日)
    営業活動によるキャッシュ・フロー
    四半期利益 82,519 137,726
    減価償却費及び償却費 141,587 142,948
    減損損失 7,458 53
    持分決済型株式報酬 10,043 8,547
    SHP647に関連する負債の取崩益 △60,179
    有形固定資産の処分及び売却に係る損失 300 94
    事業譲渡及び子会社株式売却益 △365 △365
    条件付対価契約に関する金融資産及び金融負債の公正価値変動額(純額) 19,297 △934
    金融収益及び費用(純額) 27,235 25,216
    持分法による投資損益 9,759 357
    法人所得税費用 47,772 85,252
    資産及び負債の増減額
    売上債権及びその他の債権の増加額 △25,845 △41,835
    棚卸資産の増加額 △4,367 △21,009
    仕入債務及びその他の債務の減少額 △23,153 △24,854
    引当金の増減額(△は減少) 2,177 △65,217
    その他の金融負債の増減額(△は減少) 685 △7,985
    その他(純額) △37,579 △35,236
    営業活動による現金生成額 197,344 202,760
    法人所得税等の支払額 △51,483 △35,902
    営業活動によるキャッシュ・フロー 145,861 166,858
    投資活動によるキャッシュ・フロー
    利息の受取額 308 349
    配当金の受取額 177 139
    有形固定資産の取得による支出 △23,135 △29,838
    有形固定資産の売却による収入 26 79
    無形資産の取得による支出 △17,342 △12,454
    投資の取得による支出 △3,517 △3,251
    投資の売却、償還による収入 44,437 483
    事業取得による支出(取得した現金及び現金同等物控除後) △27,549
    事業売却による収入(処分した現金及び現金同等物控除後) 2,138
    その他(純額) △292 △543
    投資活動によるキャッシュ・フロー 662 △70,445
    (単位:百万円)
    注記番号 前第1四半期(自  2020年4月1日  至  2020年6月30日) 当第1四半期(自  2021年4月1日  至  2021年6月30日)
    財務活動によるキャッシュ・フロー
    短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの純増減額(△は減少) △10,000 1
    社債の償還及び長期借入金の返済による支出 △9,979 △242,919
    自己株式の取得による支出 △2,132 △2,542
    利息の支払額 △30,207 △23,218
    配当金の支払額 △133,115 △132,032
    リース負債の支払額 △7,213 △10,328
    その他(純額) △119
    財務活動によるキャッシュ・フロー △192,765 △411,038
    現金及び現金同等物の減少額 △46,242 △314,625
    現金及び現金同等物の期首残高(連結財政状態計算書計上額) 637,614 966,222
    現金及び現金同等物に係る換算差額 △1,585 3,324
    現金及び現金同等物の四半期末残高(要約四半期連結財政状態計算書計上額) 589,787 654,920

    【要約四半期連結財務諸表注記】

    1 報告企業

    武田薬品工業株式会社(以下、「当社」)は、日本に所在する上場企業であります。当社および当社の子会社(以下、「当社グループ」)は、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるという価値観を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業です。当社グループは、革新的な医薬品のポートフォリオを有し、研究、開発、製造、およびグローバルでの販売を主要な事業としております。当社グループは、既存事業の自立的な伸長とこれまで実施した複数の企業買収を通じて、疾患領域、地理的拠点、パイプラインの拡大を推進し、成長してまいりました。当社グループの主要な医薬品には、当社の主要なビジネスエリアである消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー、ニューロサイエンス(神経精神疾患)の医薬品が含まれております。

    2  作成の基礎

    (1) 準拠する会計基準

    当社グループの要約四半期連結財務諸表は、IAS第34号に準拠して作成しております。本要約四半期連結財務諸表は、年度の連結財務諸表で要求されるすべての情報を含んでいないため、2021年3月31日に終了した前年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。

    (2) 財務諸表の承認

    本要約四半期連結財務諸表は、2021年8月6日に代表取締役社長CEO クリストフ ウェバーおよび取締役CFO コンスタンティン サルウコスによって承認されております。

    (3) 機能通貨および表示通貨

    当社グループの要約四半期連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に記載のない限り、百万円未満を四捨五入して表示しております。四捨五入された数値を含む表の合計は必ずしも各項目の合算値と一致しない場合があります。

    (4) 会計上の判断、見積りおよび仮定

    要約四半期連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の金額、ならびに偶発資産および偶発負債の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行うことが要求されております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。

    見積りおよびその基礎となる仮定は、継続的に見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間および影響を受ける将来の会計期間に認識されます。

    本要約四半期連結財務諸表における会計方針を適用する過程で行われた判断および見積り、ならびに会計上の見積りおよび仮定は、前年度と同様であります。

    なお、当社グループの事業活動は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のさらなる流行拡大によっては、今後影響を受ける可能性がありますが、当社グループの業績に対する影響は限定的であると考えており、当要約四半期連結財務諸表に使用した会計上の見積りおよび仮定に与える重要な影響はありません。当社グループは、状況の変化に応じて、今後も会計上の見積りおよび仮定の再評価を行います。

    3  重要な会計方針

    本要約四半期連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、前年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。

    なお、当第1四半期の法人所得税費用は、見積年次実効税率を基に算定しております。

    4  事業セグメントおよび売上収益

    当社グループは、医薬品の研究開発、製造、販売およびライセンス供与に従事しており、単一の事業セグメントから構成されております。これは、資源配分、業績評価、および将来予測において最高経営意思決定者であるCEOの財務情報に対する視点と整合しております。

    (1) 収益の分解

    当社グループの顧客との契約から生じる売上収益の内訳は、以下のとおりであります。

    財またはサービスの種類別の売上収益

    (単位:百万円)
    前第1四半期(自2020年4月1日至2020年6月30日) 当第1四半期(自2021年4月1日至2021年6月30日)
    医薬品販売 783,791 791,911
    ライセンス供与による収益・役務収益 18,059 157,692
    合計 801,850 949,603

    疾患領域別および製品別の売上収益

    (単位:百万円)
    前第1四半期(自2020年4月1日至2020年6月30日) 当第1四半期(自2021年4月1日至2021年6月30日)
    消化器系疾患
    エンティビオ(注)1 101,224 125,370
    タケキャブ(注)2 20,214 24,268
    GATTEX/REVESTIVE 17,474 18,123
    DEXILANT 13,609 10,788
    PANTOLOC/CONTROLOC(注)3 9,177 10,446
    ALOFISEL 11 388
    その他 25,219 21,123
    消化器系疾患合計 186,928 210,505
    希少疾患
    希少代謝性疾患
    エラプレース 17,637 18,599
    リプレガル 12,193 14,050
    ビプリブ 9,343 10,452
    NATPARA/NATPAR 734 1,150
    希少代謝性疾患合計 39,907 44,251
    希少血液疾患
    アドベイト 33,652 30,663
    アディノベイト 15,280 15,373
    ファイバ 12,859 11,402
    RECOMBINATE 3,721 3,688
    その他 11,243 11,073
    希少血液疾患合計 76,755 72,199
    遺伝性血管性浮腫
    TAKHZYRO 23,245 25,469
    フィラジル 8,095 6,873
    その他 6,981 6,675
    遺伝性血管性浮腫合計 38,321 39,017
    希少疾患合計 154,983 155,467
    (単位:百万円)
    前第1四半期(自2020年4月1日至2020年6月30日) 当第1四半期(自2021年4月1日至2021年6月30日)
    血漿分画製剤(免疫疾患)
    免疫グロブリン 85,106 81,608
    アルブミン 12,979 17,759
    その他 7,179 7,831
    血漿分画製剤(免疫疾患)合計 105,264 107,197
    オンコロジー
    ベルケイド 24,181 30,129
    リュープリン 27,400 26,213
    ニンラーロ 22,931 24,370
    アドセトリス 15,090 17,228
    アイクルシグ 9,233 10,369
    アルンブリグ 2,017 3,113
    その他 7,121 9,961
    オンコロジー合計 107,973 121,382
    ニューロサイエンス(神経精神疾患)
    バイバンス(注)4 66,009 79,212
    トリンテリックス 16,880 17,868
    その他 23,968 16,332
    ニューロサイエンス(神経精神疾患)合計 106,857 113,411
    その他
    アジルバ(注)2 20,855 22,646
    ロトリガ 8,065 7,826
    その他(注)5 110,925 211,169
    その他合計 139,845 241,641
    売上収益合計 801,850 949,603

    (注)1 国内製品名:エンタイビオ

       2 配合剤、パック製剤を含む

       3 一般名:pantoprazole

       4 国内製品名:ビバンセ

       5 前第1四半期には、2021年3月31日に売却した武田コンシューマーヘルスケア株式会社の売上収益が含まれております。

    当第1四半期には、売上収益として計上された日本における糖尿病治療薬4剤(ネシーナ錠、リオベル配合錠、イニシンク配合錠、ザファテック錠)の帝人ファーマ株式会社への譲渡価額133,043百万円が含まれております。当社グループは、従業員や関連する契約の移転を伴わない、医薬品にかかる資産、販売権および製造販売承認のみを譲渡するため、IFRS第15号を適用し、譲渡価額を売上収益として計上しております。

    (2) 地域別情報
    当社グループの顧客との契約から生じる売上収益の地域別内訳は、以下のとおりであります。
    (単位:百万円)
    前第1四半期(自2020年4月1日至2020年6月30日) 当第1四半期(自2021年4月1日至2021年6月30日)
    日本 144,045 258,963
    米国 402,606 412,220
    欧州およびカナダ 157,559 178,742
    アジア(日本を除く) 36,879 40,292
    中南米 30,774 30,059
    ロシア/CIS 13,044 12,336
    その他 16,943 16,991
    合計 801,850 949,603

    (注)「その他」には、中東・オセアニア・アフリカが含まれております。売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。 

    5  その他の営業収益

    前第1四半期のその他の営業収益は、63,732百万円となりました。これには、 2020年5月に、SHP647および関連する権利の売却に関する当社グループの義務について、欧州委員会による解除が決定したことに伴い、臨床試験プログラムの中止コストなど将来発生が見込まれるSHP647の関連費用に対する負債の再評価益60,179百万円が含まれております。

    当第1四半期のその他の営業収益は、11,118百万円となりました。これには主に、訴訟にかかる損害賠償金の受取額が含まれております。

    6  その他の営業費用

    前第1四半期および当第1四半期のその他の営業費用は、それぞれ46,774百万円および25,758百万円となりました。

    その他の営業費用には、従業員の削減や事業拠点や機能の統合をはじめとする事業構造再編費用が含まれております。前第1四半期および当第1四半期における事業構造再編費用の計上額は、それぞれ23,902百万円および15,827百万円であります。前第1四半期および当第1四半期における事業構造再編費用には、Shire社の買収に伴う統合コスト等が含まれております。また、前第1四半期においては承認取得に伴い過去の承認前在庫に係る評価損の戻入924百万円(評価損計上額と相殺後)を計上している一方、当第1四半期においては承認前在庫に係る評価損3,582百万円を計上しております。

    また、前第1四半期において、当社グループが2019年7月にNovartis社に譲渡したXIIDRAの欧州における販売許可申請を同社が取り下げたことに伴う条件付対価契約に関する金融資産の公正価値の変動により、18,562百万円の損失を計上しております(注記12)。

    7 持分法による投資損益

    前第1四半期の持分法による投資損益には、長期収載品事業およびジェネリック医薬品事業を営む武田テバファーマ株式会社(その子会社である武田テバ薬品株式会社を含む)で認識された減損損失に対する当社グループ持分相当額10,124百万円が含まれております。当該減損損失はジェネリック医薬品事業の一部および製造拠点の売却を決定したことに伴う、関連資産の回収可能価額の再評価によるものです。

    8  1株当たり利益

    当社の普通株主に帰属する基本的1株当たり四半期利益および希薄化後1株当たり四半期利益の算定基礎は以下のとおりであります。

    前第1四半期(自2020年4月1日 至2020年6月30日) 当第1四半期(自2021年4月1日 至2021年6月30日)
    親会社の普通株主に帰属する四半期利益
    親会社の所有者に帰属する四半期利益 (百万円) 82,511 137,684
    1株当たり四半期利益の算定に使用する四半期利益 (百万円) 82,511 137,684
    普通株式の加重平均株式数(千株) 1,558,969 1,565,249
    希薄化効果の影響(千株) 7,151 9,177
    希薄化効果の影響調整後(千株) 1,566,120 1,574,426
    1株当たり四半期利益
    基本的1株当たり四半期利益(円) 52.93 87.96
    希薄化後1株当たり四半期利益(円) 52.69 87.45

    9  売却目的で保有する処分グループ

    2021年3月31日現在および2021年6月30日現在の売却目的で保有する処分グループは、中国で販売している非中核資産である一部の一般用医薬品に関連するのれんおよび無形資産等の資産であり、2021年6月30日現在における資産は20,195百万円であります。

    10  社債及び借入金

    (1) 社債

    当第1四半期において、当社グループは、下記の無担保社債を繰上償還いたしました。

    銘柄 発行時期 償還日 発行通貨ベースの元本額
    米ドル建無担保普通社債 2017年7月 2021年5月17日 200百万米ドル

    (2) 借入金

    当第1四半期において、当社グループは、下記の借入金を繰上返済いたしました。

    名称 借入時期 返済日 返済通貨ベースの元本額
    2019年度米ドル建株式会社国際協力銀行ローン 2019年1月 2021年6月11日 2,000百万米ドル

    11 資本及びその他の資本項目

    配当

    配当金の総額(百万円) 1株当たり配当額(円) 基準日 効力発生日
    前第1四半期(自2020年4月1日 至2020年6月30日) 141,858 90.00 2020年3月31日 2020年6月25日
    当第1四半期(自2021年4月1日 至2021年6月30日) 141,859 90.00 2021年3月31日 2021年6月30日

    12  金融商品

    (1) 公正価値の測定方法

    デリバティブおよび非デリバティブ金融商品は、公正価値測定を行う際のインプットの重要性を反映した、以下の3段階の公正価値階層に分類しております。レベル1は活発に取引される市場での同一の資産負債の取引相場価格などの観察可能なインプットとして定義されます。レベル2は、レベル1に含まれる相場価格以外のインプットのうち、資産又は負債について直接又は間接に観察可能なものとして定義されます。レベル3は資産又は負債に関する観察可能でないインプットであります。短期間で決済され、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている場合、金融商品の公正価値情報は下の表から除外しております。

    (単位:百万円)

    2021年6月30日 レベル1 レベル2 レベル3 合計
    資産:
    純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
    デリバティブ 53,118 53,118
    転換社債への投資 10,358 10,358
    負債性金融商品への投資 1,052 1,052
    条件付対価契約に関する金融資産 26,572 26,572
    ヘッジ会計を適用しているデリバティブ 1,547 1,547
    その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
    資本性金融商品 114,303 56,979 171,282
    合計 114,303 54,665 94,961 263,929
    負債:
    純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
    デリバティブ 17,495 17,495
    条件付対価契約に関する金融負債 30,633 30,633
    その他 2,704 2,704
    ヘッジ会計を適用しているデリバティブ 54,378 54,378
    合計 71,873 33,337 105,210

    (2) 評価技法

    デリバティブの公正価値は、財務管理システムの評価モデル、またはブラック・ショールズ・モデルを用いて測定しております。これらの評価技法への重要なインプットは観察可能な市場情報に基づいております。

    転換社債への投資の公正価値は、割引キャッシュ・フロー法、オプション・プライシング・モデル等の評価技法を用いて算定しております。

    資本性金融商品および負債性金融商品は売買目的保有ではありません。資本性金融商品または負債性金融商品が活発な市場で取引されている場合、公正価値は期末日の市場価格に基づいております。資本性金融商品または負債性金融商品が活発な市場で取引されていない場合、公正価値は各期末日現在の入手可能な情報および類似企業に基づき、修正簿価純資産法またはEBITDA倍率法を用いて算定しております。レベル3に分類された資本性金融商品または負債性金融商品の公正価値算定に用いた観察可能でない主なインプットは、EBITDA倍率法におけるEBITDA倍率であり、7.7倍から9.7倍の範囲に分布しております。

    条件付対価契約に関する金融資産および金融負債は、売却時または企業結合における取得日時点の公正価値で測定しております。条件付対価契約が金融資産または金融負債の定義を満たす場合は、その後の各期末日において公正価値で再測定しております。公正価値はシナリオ・ベース・メソッドや割引後のキャッシュ・フロー等を基礎として算定しており、主な仮定として、各業績指標の達成可能性、将来収益予測および割引率が考慮されております。なお、条件付対価契約に関する金融資産は主に「XIIDRA」の売却に伴い認識した金融資産であります。条件付対価契約に関する金融負債の詳細は、(5) 条件付対価契約に関する金融負債に記載しております。

    公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類された、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の「その他」に含まれているジョイント・ベンチャーの売建オプション(ネット) は取得日時点の公正価値で測定し、その後の各期末日において公正価値で再測定しております。公正価値はモンテカルロ・シミュレーション・モデルを基礎として算定しており、主な仮定として、加重分布、利益予想および割引率が考慮されております。

    (3) 公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替

    当社グループは、報告期間に発生した公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を報告期間の末日において生じたものとして認識しております。当第1四半期において、レベル3からレベル1への振替がありました。当該振替は、以前取引所に上場しておらず、観察可能である活発な市場で取引がなかった企業の株式が取引所に上場したことによるものです。同社の株式は現在活発な市場において取引されており、活発な市場における取引相場価格を有しているため、公正価値の測定額を公正価値ヒエラルキーのレベル3からレベル1に振替えております。上記以外に、当第1四半期において公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替はありません。

    (4) レベル3の金融資産の公正価値

    当社グループは、主に研究協力企業への出資を目的として、資本性金融商品への投資を行っております。レベル3の金融資産の公正価値の期首残高から期末残高への調整は以下のとおりであります。レベル3の金融負債である条件付対価契約に関する金融負債については、(5) 条件付対価契約に関する金融負債 に記載しております。レベル3の金融資産に関して、公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合における、公正価値の重要な変動はありません。

    (単位:百万円)
    条件付対価契約に関する金融資産 資本性金融商品
    期首残高 25,446 52,468
    金融収益として計上された公正価値の変動 219
    条件付対価契約に関する金融資産の時間の経過以外による公正価値の変動 877
    その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の 公正価値の変動および在外営業活動体の換算差額にかかる変動 29 18,499
    購入 3,466
    レベル1への振替 △16,164
    持分法で会計処理されている投資への振替 △1,290
    期末残高 26,572 56,979

    (5) 条件付対価契約に関する金融負債

    条件付対価契約に関する金融負債は、当社グループが買収した被買収企業における既存の条件付対価契約を含む、開発マイルストンおよび販売マイルストンの達成等の将来の事象を条件とする企業結合における条件付対価またはライセンス契約に基づき認識した金融負債であります。

    各期末日において、条件付対価契約に関する金融負債の公正価値は、リスク調整後の将来のキャッシュ・フローを適切な割引率を用いて割り引いた金額に基づいて再測定しております。

    当四半期末の残高は主にShire社の過去の買収から生じた既存の条件付対価契約に関するものであります。Shire社の過去の買収から生じた既存の条件付対価契約に関する金融負債は、様々な開発および販売ステージにおける製品の開発、規制、販売開始およびその他の販売マイルストンに関連した特定のマイルストンの達成を条件としております。条件付対価契約に関する金融負債の公正価値は、公正価値測定の前提となる特定の仮定が変動することにより増減します。当該仮定には、マイルストンの達成可能性が含まれます。

    条件付対価契約に関する金融負債の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。

    ①  増減

    (単位:百万円)
    当第1四半期(自2021年4月1日 至2021年6月30日)
    期首残高 27,770
    企業結合による増加額 3,017
    期中公正価値変動額 106
    期中決済額 △220
    為替換算差額 △40
    期末残高 30,633

    ②  感応度分析

    条件付対価契約に関する金融負債の公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合に、条件付対価契約に関する金融負債の公正価値に与える影響は以下のとおりです。

    (単位:百万円)

    当第1四半期(2021年6月30日)
    マイルストンの達成可能性 5%上昇した場合 3,959
    5%低下した場合 △3,954
    割引率 0.5%上昇した場合 △1,161
    0.5%低下した場合 1,178

    (6) 公正価値で測定されない金融商品

    要約四半期連結財政状態計算書上において公正価値で測定されない金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。

    (単位:百万円)
    当第1四半期(2021年6月30日)
    帳簿価額 公正価値
    社債 3,524,000 3,800,933
    長期借入金 881,791 878,958

    長期金融負債は帳簿価額で認識しております。社債の公正価値は、評価技法への重要なインプットが観察可能な市場情報に基づいている時価情報によっており、長期借入金の公正価値は、一定の期間ごとに区分した債務ごとに、その将来キャッシュ・フローを信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値によっております。社債および長期借入金の公正価値のヒエラルキーはレベル2であります。

    13  コミットメントおよび偶発債務

    (1) アイルランド歳入庁による税務評価

    Shire社は、2018年11月28日に、アイルランド歳入庁から398百万ユーロの課税に関する通知を受領しました。本通知は、2014年にShire社がAbbVie, Inc.(AbbVie社)からの買収の申し出の取下げに関する違約金として受領した1,635百万米ドルの税務上の取り扱いに関係するものです。当社は、本件に関して税務不服審査委員会に異議申し立てを行い、2020年末に税務不服審査委員会においてヒアリングが行われました。2021年7月30日(アイルランド現地時間)、当社グループは本件に関して税務不服審査委員会よりアイルランド歳入庁の見解を支持する裁定を受領しました。当社グループは、本裁定について異議を申し立て、AbbVie社からの違約金がアイルランドにおける課税対象でないことの主張を継続する予定ですが、当第1四半期において、アイルランド歳入庁が主張する課税額398百万ユーロに未払利息を加えた、合計472百万ユーロの税務費用を流動負債の未払法人所得税に計上いたしました。

    (2) 訴訟

    当社グループは、複数の訴訟および行政手続に当事者として関与しております。下記の記載事項を除き、当第1四半期において重要な変更はありません。

    知的財産権

    アディノベイト

    2016年12月5日、現在は当社グループの子会社であるBaxalta IncorporatedおよびBaxalta US Inc.(以下、総称して「バクスアルタ社」)ならびにNektar Therapeutics(以下、「ネクター社」)は、米国デラウェア州の連邦地方裁判所(以下、「地方裁判所」)において、Bayer Healthcare LLC(以下、「バイエル社」)により訴訟を提起されました。当該訴訟は、アディノベイト [抗血友病因子(組み換え体)、PEG化]の販売に係る米国特許第9,364,520号の侵害を主張するものであり、2019年1月28日に開始した陪審において審理されました。陪審員は、特許侵害を主張する原告側の意見を支持し、特許が侵害されているとの判断を下すとともに1億5,520万ドルの損害賠償を認定しました。当社グループは2019年9月に米国連邦巡回区控訴裁判所(以下、「CAFC」)に上訴しました。CAFCは2021年3月1日に地方裁判所の判決を支持する判決を下し、2021年4月7日に執行命令が出されました。2021年5月14日、当社グループは両社間で係属中の本訴訟に関連する全ての訴訟及び係争を解決することに合意しました。この和解に基づき、バクスアルタ社およびバイエル社はそれぞれの製品の販売を継続します。また、当社グループはこれらの訴訟を解決するため和解金を支払いましたが、当社グループは2021年3月31日において当該訴訟に係る引当金を計上していたため、この支払は当社グループの要約四半期連結損益計算書に重大な影響を及ぼすものではありません。

    ニンラーロ

    2020年1月17日、当社グループはSun Pharmaceutical Industries Limited (以下、「Sun社」)からニンラーロに関するParagraph IV証明の通知を受領しました。Sun社は、当社グループが保有する米国特許第7,442,830号、第8,859,504号、及び第9,175,017号は無効であり、権利行使不能で、および/または侵害されないものと主張しています。これに対し、当社グループは2020年2月27日、米国デラウェア州の連邦地方裁判所にSun社に対する訴訟を提起しました。2021年6月18日、当社グループはSun社と和解契約を締結しました。この和解は当社グループの要約四半期連結損益計算書に重大な影響を及ぼすものではありません。

    14  後発事象

    当社グループは、2021年7月9日において、2018年11月に発行したユーロ建無担保普通社債の残高1,500百万ユーロを、2022年11月21日の償還期日に先立ち繰上償還する旨を社債権者に通知しました。本繰上償還は、2021年8月10日に実行される予定であります。本繰上償還が連結損益計算書に与える重要な影響はありません。

    2 【その他】

    該当事項はありません。

    第二部 【提出会社の保証会社等の情報】

    該当事項はありません。

    独立監査人の四半期レビュー報告書

    2021年8月6日

    武田薬品工業株式会社

    取締役会 御中

    有限責任 あずさ監査法人 東京事務所

    指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士 目加田雅洋
    指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士 野中浩哲
    指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士 難波宏暁

    監査人の結論

    当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、「経理の状況」に掲げられている武田薬品工業株式会社の2021年4月1日から2022年3月31日までの連結会計年度の第1四半期連結会計期間(2021年4月1日から2021年6月30日まで)及び第1四半期連結累計期間(2021年4月1日から2021年6月30日まで)に係る要約四半期連結財務諸表、すなわち、要約四半期連結損益計算書、要約四半期連結包括利益計算書、要約四半期連結財政状態計算書、要約四半期連結持分変動計算書、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書及び要約四半期連結財務諸表注記について四半期レビューを行った。

    当監査法人が実施した四半期レビューにおいて、上記の要約四半期連結財務諸表が、「四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定された国際会計基準第34号「期中財務報告」に準拠して、武田薬品工業株式会社及び連結子会社の2021年6月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する第1四半期連結累計期間の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった。

    監査人の結論の根拠

    当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期レビューの基準に準拠して四半期レビューを行った。四半期レビューの基準における当監査法人の責任は、「要約四半期連結財務諸表の四半期レビューにおける監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、結論の表明の基礎となる証拠を入手したと判断している。

    要約四半期連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任

    経営者の責任は、国際会計基準第34号「期中財務報告」に準拠して要約四半期連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない要約四半期連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

    要約四半期連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、経営者が清算若しくは事業停止の意図があるか、又はそれ以外に現実的な代替案がない場合を除いて、継続企業の前提に基づき要約四半期連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準第1号「財務諸表の表示」第4項に基づき、継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

    監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

    要約四半期連結財務諸表の四半期レビューにおける監査人の責任

    監査人の責任は、監査人が実施した四半期レビューに基づいて、四半期レビュー報告書において独立の立場から要約四半期連結財務諸表に対する結論を表明することにある。

    監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期レビューの基準に従って、四半期レビューの過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

    ・主として経営者、財務及び会計に関する事項に責任を有する者等に対する質問、分析的手続その他の四半期レビュー手続を実施する。四半期レビュー手続は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される年度の財務諸表の監査に比べて限定された手続である。

    ・継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められると判断した場合には、入手した証拠に基づき、要約四半期連結財務諸表において、国際会計基準第1号「財務諸表の表示」第4項に基づき、適正に表示されていないと信じさせる事項が認められないかどうか結論付ける。また、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、四半期レビュー報告書において要約四半期連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する要約四半期連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、要約四半期連結財務諸表に対して限定付結論又は否定的結論を表明することが求められている。監査人の結論は、四半期レビュー報告書日までに入手した証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

    ・要約四半期連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準第34号「期中財務報告」に準拠していないと信じさせる事項が認められないかどうかとともに、関連する注記事項を含めた要約四半期連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに要約四半期連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示していないと信じさせる事項が認められないかどうかを評価する。

    ・要約四半期連結財務諸表に対する結論を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する証拠を入手する。監査人は、要約四半期連結財務諸表の四半期レビューに関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査人の結論に対して責任を負う。

    監査人は、監査等委員会に対して、計画した四半期レビューの範囲とその実施時期、四半期レビュー上の重要な発見事項について報告を行う。

    監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

    利害関係

    会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

    以 上

    (注)1 上記は四半期レビュー報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(四半期報告書提出会社)が別途保管しております。2 XBRLデータは四半期レビューの対象には含まれていません。